Title
Preoperative radiotherapy contributes to induction of proliferative
activity of CD8+ tumor-infiltrating T-cells in oral squamous cell
carcinoma( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
諏訪, 達彦
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第666号
Issue Date
2006-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14466
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氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 諏 訪 達 彦(岐阜県) 博 士(医学) 甲第 666 号 平成18 年 3 月 25 日 学位規則第4条第1項該当
Preoperative radiotherapy contributes toinduction of proliferative activity of CD8+tumor-infiltrating T-Cellsin oralsquamous ceI]
CarCLnOma (主査) (副査) 之剛 敏 田見 柴高 授 授 教 教 教授 伊 藤 八 次 論文内容の要旨 抗腫瘍免疫の成立において細胞障害性Tリンパ球(Cytotoxic Tlymphocyte:CTL)が,重要な役割を担っ ているのは周知のことである。また,腫瘍内浸潤リンパ球(Tumorinfiltratinglymphocyte:TIL)の中でも 特にCD8陽性のCTLの増殖活性がいくつかの腫瘍において患者の生命予後に関連することが報告されている。 宿主のがんに対する免疫能を評価する方法としては様々な手法が用いられているが,口腔扁平上皮癌の領域では, TILの増殖活性を宿主の免疫能の基準として評価した報告例は未だない。本研究では,口腔原発扁平上皮癌組織 内のTILを対象としてその増殖活性を免疫組織化学を用いた二重染色法で指標化し,臨床病理学的因子および術 前治療との相関関係について統計学的手法を用いて検討した。 材料と方法 対象は2000年から2004年に外科的に切除された口腔原発扁平上皮癌の患者35例で年齢は45歳∼94歳である。こ れらの症例のパラフィン包埋ブロックを用いて薄切標本を作成した。組織を抗ヒトCD8a抗体と反応させ,アル カリフォスファクーゼ標識二次抗体と反応させて細胞膜表面のCD8分子を最終的に赤色に発色した。次に,同一 切片上で抗ヒトKi-67抗体と反応させ,ペルオキシダーゼ標識二次抗体を反応させ,核内のKi-67分子を茶褐色で 発色した。この二重染色法にてCD8陽性かつKi-67陽性の細胞を増殖活性のあるTILとし,顕微鏡下でカウント することによりCTLの増殖活性を評価した。また,臨床データや術前治療とTILの増殖活性について統計学的手 法を用いて相関の有無を解析した。 結果 Ki-67十CD8+TILと腫瘍上皮に浸潤したCD8+T細胞のパーセンテージに有意な相関関係があった。(P=0.0237) またCD8十TILと臨床的N因子(リンパ節転移)との間に相関傾向を認めた。(P=0.0859) CD8+TILの増殖活性は術前放射線療法と有意な相関を示した(P=0.0200)が,同時にその他の臨床的因子(年 齢:P=0.5410,腫瘍サイズ:P=0.7769,臨床ステージ:P=0.1041,病理学的N因子:P=0.1072)との有意な相関 関係は認めなかった。 考察 Tリンパ球の活性化にはリンパ節内で抗原提示細胞(APC)が抗原を捕捉するのではなく,腫瘍内で抗原を貪
-81-会した腫瘍組織由来のAPCが所属リンパ節に移行しリンパ球に抗原を提示することが必要であり,リンパ節内 で増殖刺激を受けたリンパ球は,血中に入り腫瘍内に浸潤し,腫瘍浸潤T-リンパ球として抗腫瘍活性を示すこ とが最近報告されている(2005年Immunity22P493-P505)。また,通常,腫瘍がAPCに抗原として捕捉され るためにはアポトーシスに陥っている必要があることも知られており,さらに放射線療法は腫瘍のアポトーシス を誘導する治療法としてよく知られている。放射線療法にてアポトーシスまたはネクローシスを起こした細胞は 樹状細胞等のAPCに取り込まれ,内部のタンパクはMHC分子の抗原提示に適当なべプチドへと処理される。本 研究の結果は,術前の放射線療法が腫瘍細胞を効果的にアポトーシスへと誘導し最終的に有意なリンパ球の腫瘍 内浸潤と増殖活性を誘導している可能性が考えられた。われわれのこの研究結果は,口腔扁平上皮癌症例におい て,術前放射線療法が宿主の免疫能を誘導する上で非常に重要な因子であることを強く示唆した。 また,われわれの行った免疫染色手法はパラフィン包埋された標本にて良好なシグナル/ノイズ比を示し, TILの増殖活性の診断を容易にした。 結論 口腔扁平上皮癌において腫瘍内に浸潤した細胞障害性Tリンパ球の増殖活性を誘導するためには術前放射線療 法が有用であることが示唆された。 論文審査の結果の要旨 申請者 諏訪連声引ま,口腔扁平上皮癌に浸潤した細胞障害性Tリンパ球の増殖能が術前放射線療法によって活 性化する可能性をホルマリン固定パラフィン包埋ブロックより作製した標本上で,免疫組織化学的二重染色を行 ない明らかにした。本研究の結果は腫瘍免疫学の発展のみならず,口腔癌治療の向上に少なからず寄与するもの と認められる。 [主論文公表誌] Preoperativeradiotherapycontributestoinduction ofproliferativeactivityofCD8+tumor-infiltrating T-Cellsin oralsquamous cellcarcinoma
Oncology Reports15,757-763(2006).