Title
Lack of tumor necrosis factor receptor type 1 inhibits liver
fibrosis induced by carbon tetrachloride in mice( 内容の要旨
(Summary) )
Author(s)
須藤, 香織
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第653号
Issue Date
2006-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14465
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氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 須 藤 香 織(愛知県) 博 士(医学) 甲第 653 号 平成18 年 3 月 25 日 学位規則第4条第1項該当
Lack of tumor necrosis factor receptor typelinhibitsliver fibrosis
induced by carbon tetrachloridein mice
(主査)教授 清 島 満
(副査)教授 高 見 剛 教授 森 脇 久 隆
論文内容の要旨
目的
慢性肝障害は肝臓の再生を伴い,肝線維化を誘導する。炎症性サイトカインであるTumor necrosis factor
(TNF)は多くの急性及び慢性肝障害の病因に関与している。TNFは多面的な働きがあるが,肝線維化における 役割はいまだ明らかになっていない。そこで本研究でマウスに四塩化炭素をくり返し投与することにより肝線維 化を誘導し,TNF Receptor(TNFR)を介したシグナル伝達が線維化の進展に関与しているかを調べるために, TNFR typelもしくはTNFR type2のいずれかが遺伝的に欠損したマウスを用いてTNFR シグナルの病態生 理学的役割を検討した。 方法 マウスに四塩化炭素1ml/kg body weightを過に2回,4週間連続して腹腔内投与し,肝線維化を誘導した。 (1)肝障害の程度は血中ALT値で評価し,肝組織はH&E染色とAZAN染色を行って検討した。 (2)肝組織よりmRNAを抽出し,接着因子ICAM-1,VCAM-1及び線維化に関わっているとされているTGF-β2,Procollagen al(I)の発現量をRT-PCR法で評価した。 (3)核内転写因子の活性を調べるために,肝臓から核タンパクを抽出し,ゲルシフトアッセイを用いて検討し た。 結果 (1)WT,TNFR-1KO,TNFR-2KOマウスにおいて四塩化炭素投与後のALT値は3群ともに同程度上昇してい た。またH&E染色において炎症性浸潤細胞の数は3群間に差は認められなかった。このことから肝障害の程 度は同じであると考えられた。しかしAZAN染色におけるコラーゲンエリアをdensitometric解析で数値化 すると,WTやTNFR-2KOマウスに比べてTNFR-1KOマウスで肝線維化が抑えられていた。 (2)四塩化炭素投与後の3群問ではICAM-1,VCAM-1の発現が上昇していたが,群間での有意差はなかった。 また線維化因子の一つであるTGF-β2の発現量もProcollagenα1(I)の発現量もTNFR-1KOマウスで有意 に低くなっていた。一方,IL-6mRNAはTNFR-1KOマウスにおいて発現が抑制されていた。 (3)TNFR-1及びTNFR-2のシグナル下流に存在するNFKB活性はWTやTNFR-2KOマウスでは強く見られた が,TNFR-1KOマウスでは活性が認められなかった。またSTAT3,APlの活性もTNFR-1KOマウスでは 認められなかった。 考察・結語 肝臓の線維化はウイルス肝炎やアルコール,自己免疫疾患などといった多くの因子によって引き起こされてい
-55-る。肝に障害が生じると多くのサイトカインが分泌され,肝再生と線維化に関与している。今軌四塩化炭 素投与による肝線維化モデルを用いてTNFの2種類のレセプターであるTNFR-1及びTNFR-2以降のシグナ ル伝達経路が肝線維化進展に関与しているか否かを検討した。その結果,AZAN染色とProcollagen al(Ⅰ) mRNA発現量の比較検討からTNFR-1KOマウスにおいて肝線維化の進展が著しく抑制されることが明らか になった。また線維化のおこったマウスのTNFR-1の下流のシグナルを調べてみるとNFfCBやSTAT3, APlといった転写因子の活性もTNFR-1KOマウスで著しく抑制されていた。このことからTNFR-1を介し た転写因子の調節が抗緑維化効果を期待できることが示唆された。またTNFR-1KOマウスにおけるTGF-β 2とIIJ-6mRNAの発現量低下もこれまでに報告されている結果と矛盾がない。従ってTNFR-1を介するシ グナルはコラーゲンの蓄積を著しく抑制し,IL-6,TGF一β2の発現調節に関与していると考えられる。肝線 維化の機序としてこれまでTNF→NFKB→IL-6→STAT3に至るシグナル伝達の重要性が提唱されているが, 本研究結果により,さらにTNF→NF几B→IL-6→STAT3→TGF-β→コラーゲン合成調節という一連の経路 が示された。 論文審査の結果の要旨 申請者 須藤香織は,四塩化炭素投与による肝臓の線維化におけるTNFR-1を介するシグナルの関与が線維化 進展の要因の一つであることをWT,TNFR-1KO,TNFR-2KOマウスを用いた実験系から明らかにした。 このことは肝臓の線維化メカニズムの解明及び肝臓病学の発展に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌]
Lack of tumor necrosis factor receptor typelinhibitsliver fibrosisinduced by carbon tetrachloride
Cytokine29,236-244(2005).