Title
Considerable Time From the Onset of Plaque Rupture and/or
Thrombi Until the Onset of Acute Myocardial Infarction in
Humans -- Coronary Angiographic Findings Within 1 Week
Before the Onset of Infarction --( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
小塩, 信介
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)乙 第1273号
Issue Date
2001-04-18
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/15000
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氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 小 塩 信
介(岐阜県)
博
士(医学) 乙第1273 号 平成13 年 4 月18 日学位規則第4条第2項該当
Considerab[e Time From the Onset of Plaque Rupture and/or
ThrombiUntilthe Onset of Acute MyocardiaJlnfarctionin Humans
-Coronary Angiographic Findings WithinlWeek Before the Onset
Oflnfarction-義一
久 原瀬 藤虞 授授 教教 ) ) 査 査 主 副 ( ( 教授 森 田 啓 之 論 文 内 容 の 要 旨 ヒト′の急性心筋梗塞(AMI)の発症機序はプラーク破裂または内皮障害と血栓形成による責任冠動脈の完全 閉塞であると考えられている。しかしプラーク破裂からどれくらいの時間で完全閉塞が生じてAMIが発症する かは,これまで検討されていない。 一般にAMI発症の平均1年から3ケ月前に施行された冠動脈造影(CAG)所見では,AMIは病変狭窄度が軽く 内腔が平滑なものより生じることが多いと報告されている。これまでに我々は1年間に4ケ月毎にCAGを行なっ た所見より冠動脈病変の進行を2種類に分類して報告した。つまりプラーク破裂や内皮障害に引き続いて起こる 大きな血栓形成により突然に著しく進行するTypelvesselと,プラークそのものの増大や小さな血栓形成によ り持続的に少しずつ進行するType2vesselとの2種類であり,AMIはTypelvesselから生じると報告した。従っ てプラーク破裂や内皮障害が,狭窄度の軽い将来の梗塞責任部位をAMI発症時に突然閉塞させると一般的に考 えられてきた。 しかしAMIに対して血栓溶解療法を行なった後の残存狭窄は中等度ないしは高度であると報告されている。 またAMI症例の約半数の症例でAMI発症前1ケ月以内に先行する狭心症が見られ,これは先行する狭心症の発症 時にすでに高度狭窄が存在することを示唆している。さらに不安定狭心症は,プラーク破裂や内皮障害と血栓形 成によノり生じるが,責任病変の内腔を閉塞しないことはよく知られている。そこで我々は,AMIの責任冠動脈 病変のプラーク破裂や内皮障害は軽度ないし中等度狭窄病変から生じるが・内腔を突然閉塞するのではなく.狭窄 度が中等度または高度になった後かなりの時間を経過してから責任冠動脈の内腔が完全閉塞してAMIが発症す ると仮説した。この仮説を証明するためにAMI発症前1週間以内と,発症1年前のCAG所見を比較検討した。 対象と方法 1991年∼1997年に岐阜大学とその関連病院で行われた約3,000例のAMI症例のうちAMI発症前1週間以内(62 ±68時間)にCAGがなされた20例を対象とし,AMI発症6∼18ケ月前(282±49日)にCAGがなされた20例を対 象とした。AMI発症3日前では梗塞前に労作性狭心症のあるものは10例,ないものは10例であり,AMI発症1年 前では梗塞前に労作性狭心症のあるものは7例,ないものは13例であった。冠動脈狭窄度の評価をCatbe三社の CCIP-310による辺縁検出法で行なった。冠動脈病変形態の評価をAmbroseの分類に基づきconcentriclesion, typeIeccentriclesion,tyPeⅡeccentriclesion,rnultipleirre糾1arityの4群で行なった。 結 果 患者背景に関しては両群間で年齢,性,AMI発症前1ケ月以内の症状,梗塞部位,Q波梗塞の頻嵐梗塞後1ケー79-月以内の死亡・AMI発症時の梗塞責任血管の部位とTIMIgrade及び側副血行の観非梗塞枝数危険因子に AMI発症3日前の梗塞責任病変の特徴は50%以上の有意狭窄(症例の95%・平均狭窄率71±2%)と,Ambrose 分類のtypeⅡeccentriclesion[+multipleirregularity](症例の60%[70%])であった0一方AMI発症1年 前の梗塞責任病変の特徴は50%未満の軽度狭窄(症例の95%,平均狭窄率30±18%)でありAmbrose頒のtype Ⅱeccentriclesion[+multipleirregularity](症例の10%[10%])を呈する病変は比較的稀であった(各々 P<0・05vs・AMI発症3日前)oQ披梗塞群・非Q汝梗塞群・AMI発症前1ケ月以内に先行する労作性狭心症のある∈ 群・先行する労作性狭心症のない群の4群でもそれぞれ同様の関係を認めた。 AMI発症1年前の労作性狭心症の責任病変からAMIを生じる頻度は,20%に過ぎないのに対し,AMI発症3日 前では100%と高率(p<0・05)であったoAMI発症1年前に50%以上の有意狭窄からAMIを生じる頻度は,7% であるのに対し,AMI発症3日前では56%と高率(p<0・05)であった0またAMI発症1年前にAmbrose分類の tyPeⅡeccentriclesionの病変からAMIを生じる頻度は67%であるのに対してAMI発症3日前では86%であった。 一般に梗塞責任病変でプラーク破裂が生じてから冠動脈が閉塞してAMIを生じるまでの期間は,正確なdata がないにもかかわらず非常に短いと考えられている0しかし本研究では・プラーク破裂や血栓形成を示唆する Ambrose分類のtypeⅡecムentriclesionと・狭窄度の著しい進行をAMI発症3日前にすでに認めた。このことは, プラーク破裂や血栓形成がそれ以前に生じたことを意味する。さらに梗塞発症1ケ月以内に先行する労作性狭心 症を約半数の症例で認め・これは平均7日前に始まる。これらの患者ではプラーク破裂や血栓形成は胸痛を生じ た時,又はそれ以前に生じていたと考えられる。また本研究では先行する労作性狭心症のない患者でも先行する CAGからAMI発症まで約4日離れていた0従って・先行する労作性狭心症の有無にかかわらずプラーク破裂や血 栓形成から梗塞責任冠動脈病変の閉塞までの期間はかなり長いと考えられる。以上よりAMI発症の過程には軽 度または中等度狭窄がプラーク破裂や血栓形成による冠動脈病変の著しい進行により非閉雛の中等度または高 度狭窄病如至るsteplと・その後の再度進行により完全閉塞となりAMIを発症するstep2に頒されると考え られるoSteplからAMI発症までにかなりの時間を要するという概念はヒトのAMI発症機序の検討と予防に重 要である。 多くのヒトのAMIはプラーク破裂や血栓を生じた後ただちに閉塞して生じるのではなく,少なくとも3日間と いうかなり長い時間をかけて生じる0プラーク破裂や血栓を示唆するAmbrose分類のtypeⅡeccentriclesion の存在が近々生じるAMIの予測因子である。 論文審査の結果の要旨 申請者摘信介はtプトク破裂や血栓を生じた後ヒトのAMI発症までにかなり長い時間があることを明 この知見は急性心筋梗塞発症の機序と予防に関して基礎的で重要であり,循環器病学の進歩に少なからず寄与 するものと認める。 [主論文公表誌] ConsiderableTimeFromtheOnsetofPlaqueRuptureand/orThrombiUntiltheOnsetofAcute MyocardialInfarctionin_Humans -CoronaryAngiographicFindingsWithinlWeekBeforetheOnsetofInfarction-2000年 CirculationlO2:2063∼2069