Title
Histologic and biochemical studies on experimental sheep
temporo-mandibular joint osteoarthrosis 1) The progression of
experimental temporomandibular joint osteoarthrosis. An
histologic study using sheep 2) Matrix metalloproteinases in
synovial fluid of experimental temporomandibular joint
osteoarthrosis using sheep( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
宮本, 謙
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)乙 第1268号
Issue Date
2001-01-17
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/15006
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氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号学位授与日付
学位授与の畢件
学位論文題目 審 査 委 員 宮 本謙(岐阜県)
博 士(医学) 乙第1268号
平成13
年1、月17
日学位規則第4条第2項該当
Histologicandbiochemicalstudiesonexperimentalsheeptempor?-mandibuIarjoint osteoarthrosisl)The progression of experimentaltemporomandibularjoint
OSteOarthrosis.An histoIogic study usJng Sheep
2)Matrix meta"oproteinaiesiniyhoVialf)uid of experimental
temporomandibuIarjoint osteoarthrosis uslng Sheep
一(主査)教授 立
松
意 親J (副査)教授清
水
克 時 教授 正村
静
子 論 文 内 容 の 要 旨 顎関節における変形性関節症の診断,及び治療は近年様々な報告がなされるようになってきたものの未だ確立 には至っていない。そして,その進行過程に至ってはまだ不明な点が多い。従って,その進行過程における基礎 的研究は不可欠と考えられる。そこで,申請者は実験動物を使用することにより顎関節における実験的変形性関 節症の進行初期の組織学的変化を明らかにし,また滑液中の蛋白分解酵素がその進行過程になんらかの相関があ るのかを検討した。 材料及び方法 実験には18頭のメリノ羊を使用した。全身麻酔下に両側顎関節において,下顎頑表層の線維層の剥離と関節円 板に芽孔を付与した。羊を術後2,4,6,8,12,24過日に屠殺し顎関節部をへマトキシリンエオジン染色にて標 本作製した。関節軟骨,骨,滑膜における組織学的変化及びレントゲン所見にスコアリングを行い検討した。統 計学的検討はANOVA and Fisher,s PLSDにより行った。同じ羊を用いて各群における顎関節滑液中の蛋白分解酵素を検討した。滑液は術前及び屠殺時にそれぞれ原液 採取し,zymOgraPhyとonestep sandwichenzymeimmunoassay(EIA)によってその存在を調査し,組織学 的変化との相関を検討した。 結果及び考察 結果として,軟骨,骨,滑膜の変性は経時的に進行した。関節軟骨は表層の粗造化から始まり次第に変形をき たし,また骨髄腔の線維変性は術後4週目から始まり12過日には広範にわたった。滑膜においては初期には反応 性増殖を認めるものの12週目になると広範な線維変性を認めた。炎症性細胞浸潤は2週目にわずかに認めるのみ
であった。また,上関節腔と下関節腔の滑膜における組織学的変化に有意差は認めなかった。これらのことより
羊顎関節の下顎頑表層に対する外科的侵襲の付与は非炎症性の退行性変化の過程を辿り,ヒト顎関節における報 告に一致するものである。また再現性に優れることから,顎関節における変形性関節症モデルとして有用である と考えられた。レントゲン所見でも経時的な骨変形傾向は認めるものの初期群における変化の検出は困難であっ た。Zymographyによってpro matrix metalloproteinase(MMP)-2は全ての群に存在することが明らかになり, その中で2週目,4週目には活性型を認めた。炎症性細胞浸潤が2週群で既に僅かであることから,術後の炎症と
ー99-は違う要因の関与が示唆された。EIAではMMP-1レベルが2週目に,tissueinhibitor of
metalloproteinase-t
は2,4,12過日に上昇した。つまり本実験より,MMP活性は顎関節において.変形性関節症の初期における軟骨基質破壊に関与することが示唆された。羊用のモノクローナル抗休がまだないため由Aの結果を正確な濃度と
して捕らえるのは難しいが,zymOgraPhyの結果からMMPの存在はほぼ明らかであり,外科的侵製がきっかけfで起きた非炎症性の軟骨破壊が顕著な時期にMMPレベルの上昇を認めたことは,この実験モノデルが変形性関節
症へ進行していくことを考慮すると,顎関節滑液中のMMPが病態初期の診断マーカ⊥として有用である可能畦
が示唆された。簡文章査の結果の要旨
申請者 宮本 謙は,羊顎関節における実験的変形性関節症の初期からの経時的変化を組織学叩こ明らかにし,その関節滑液中におけるMMP活性の上昇が進行期よりも初期に認められることを明らかにした○
本研究は口腔外科学の進歩に少なからず貢献するものであると認める○ [主論文公表誌] Histologicandbiochemicalstudiesonexperimentalsheeptemporomandibularjointosteoarthrosis・ 1)Theprogfessionofexperimentaltemporomapdibularjointosteoarthrosis・Anhistologicstudypsi喝 Sbeep2000ActaLSch Med Univ Gift148:199∼205-1
2)Matrixmetalloproteinasesinsynovialfluidofexperimentaltemporomandibularjointosteoarthrosis uslng Sheep
2000Acta Sch Med Univ Gifu48:271∼280