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生活習慣病に伴う慢性腎臓病

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 周知のように生活習慣病に伴う慢性腎臓病(CKD)の患 者数は増加の一途をたどっている。特に糖尿病性腎症は 1998年以降,透析導入患者の原疾患の第 1 位(2015 年 43.7%)であり,その減少は医学的・社会的に喫緊の課題で ある。本稿では,生活習慣病に伴う慢性腎臓病のなかでも 特に糖尿病性腎症の基礎研究の進展について解説する。こ の分野だけでも膨大な研究の蓄積があるが,特に進展が あったいくつかのテーマごとに説明する。誌面の都合と筆 者の能力・守備範囲の限界から,記述に偏りがあることを ご容赦願いたい。  EMPA-REG 試験および CANVAS プログラムにおいて, SGLT2阻害薬投与が心血管関連死を有意に抑制し,アルブ ミン尿および eGFR 低下も抑制したことが報告された1~ 3) 腎機能が低下した患者での効果は今後の研究の結果を待た ねばならないが,これらの結果は DPP-4 阻害薬が同様の効 果を発揮できなかったのと対照的である。SGLT2 阻害薬は 糖の排泄促進により,全身の糖毒性の抑制,インスリン感 受性の改善をもたらすが,血糖降下作用が HbA1C にして 0.3~ 1.0% 程度の低下であることを考慮すると,糖毒性の 軽減とは別のメカニズムで腎保護作用を発揮していると考 えるのが自然だろう。血糖降下作用に伴って認められる, 軽度の血圧低下,体重減少,ナトリウム排泄促進,糸球体 過剰濾過の是正が複合的に効果を発揮している可能性があ るが,これら以外にも多彩な作用が知られている。 1.腎臓での酸素消費量の低減4)  糖尿病状態での尿細管での過剰なナトリウムおよび糖再 吸収は Na+/K+ ATPase活性の上昇と酸素消費の増加をもた らす。SGLT2 阻害薬は一過性に GFR を下げ,尿細管のナ トリウム負荷を低減すること,ナトリウムの再吸収を減ら すことで酸素消費を低下させる。一方で,髄質の酸素分圧 の低下を示唆する報告もある。これは,より遠位でのナト リウム再吸収亢進による酸素消費の増加で説明できる。マ ウス虚血再灌流モデルで,負荷24時間前にダパグリフロジ ンを投与すると,腎傷害が軽減するとともに,HIF-1αおよ びその下流にあるヘムオキシゲナーゼ 1(HO-1)の発現上昇 を伴っていた(当然,血糖降下作用とは無関係な効果とい うことになる)5)。SGLT2 ノックアウトマウスでも腎臓での HO-1の発現が上昇していると報告されている。SGLT2 阻 害薬により腎内の酸素分圧がどのように変化するのか,病 態にどのように影響するかは今後の研究を待たねばならな いが,HIF stabilizer と共通した作用があること,SGLT2 阻 害薬によるエリスロポエチン産生増加の機序を考えるうえ でも興味深い。 2.腎における糖新生の抑制6)  糖尿病状態では近位尿細管における糖新生が増加してい ることが知られている。SGLT2 阻害薬投与により,その律 速酵素であるホスホエノールピルビン酸カルボキシルキ ナーゼ(PEPCK)の発現が低下していることから,糖新生が 抑制されている可能性がある。これは血糖降下による間接 的な効果である可能性が否定できないが,近位尿細管細胞 に何らかの代謝変化が生じているのかもしれない。さら に,糖新生は代謝性アシドーシスに対する適応反応として のアンモニウムイオン産生とリンクしているので,ケトア シドーシスへの負の影響もあるのかもしれない。 はじめに SGLT2阻害薬:臨床研究から基礎研究へ

特集:最新の腎臓領域の基礎研究

生活習慣病に伴う慢性腎臓病

Lifestyle-related chronic kidney disease

高 畠 義 嗣

Yoshitsugu TAKABATAKE

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3.ケトン体産生4)   SGLT2阻害薬服用下では,各代謝臓器において解糖系か ら脂肪酸酸化へシフトが生じるとされる。この結果,産生 が上昇するアセチル CoA から TCA サイクルに入るかケト ン体になるかの 2 通りの経路があるが,SGLT2 阻害薬によ りグルカゴン分泌が刺激される(膵α細胞には SGLT2 受容 体がある)ことから,ケトン体産生に向かいやすいとされ る。実際,4 週間エンパグリフロジンを服用すると,空腹 時のケトン体濃度が軽度上昇し,逆に乳酸濃度は減少す る。ケトン体は消費酸素当たりのアデノシン 3 リン酸 (ATP)産生効率が高く,濃度依存性に優先的に使用され る。脂肪酸酸化の亢進は,有害な代謝産物(ジアシルグリセ ロールなど)の減少をもたらす利点もある。さらにはケト ン体自体に腎血漿流量(RPF)および GFR 上昇効果も報告さ れている7)。いずれにせよ,SGLT2 阻害薬の効果は全身あ るいは腎臓の代謝に影響を与えた結果と考えられ,メタボ リックスイッチの機序解明は今後の糖尿病性腎症治療のヒ ントになるはずである。  ミトコンドリアは細長く枝分かれした構造を持ち,活発 に分裂(fission)と融合(fusion)を繰り返している。分裂と融 合はいくつかの GTPase 群分子によって制御される〔分裂: Drp1,Fis1;融合:Mitofusin 1(Mfn1),Mfn2,OPA1〕。糖 尿病性腎症の尿細管ではミトコンドリアの断片化が認めら れる8)。ミトコンドリアの断片化は一般的にその機能低下 状態において認めやすく,膜電位の低下,ATP 産生低下, アポトーシスと関連する。Wang らはポドサイト特異的に ROCK1をノックアウトあるいは機能亢進させたマウスを 用いて,高血糖状態ではポドサイトに発現する ROCK1 が Drp1をミトコンドリアにリクルートし,ミトコンドリアの 断片化をもたらすことを示した9)。また ROCK1 をノックア ウトすると,ミトコンドリアの断片化が抑制され,糖尿病 性腎症の病態が改善することを示した。Tang らは融合にか かわる因子 Mfn2 をアデノウイルスで糖尿病ラットに強制 発現することで病態の改善を報告している10)。しかし融合 =善,分裂=悪という図式は単純に過ぎると思われる。例 えば,久留米大学の石原らは,心筋特異的 Drp1 ノックア ウトマウスは心機能低下を呈する一方,肝特異的 Drp1 ノックアウトマウスは高脂肪食下でインスリン感受性が改 善することを示している11,12)。Drp1 によるミトコンドリア の断片化により,ミトコンドリア DNA(mtDNA)がミトコ ンドリア全体に配置されることで,呼吸鎖複合体の機能維 持がもたらされていると推測される。また,分裂や融合に かかわる因子のなかにはそれ以外の機能を持つものがあ る。例えば,Mfn2 はミトコンドリアと小胞体の接触構造 (MAM:脂質輸送やカルシウム応答などの重要な細胞機能 を担う)の形成に関与することが知られている。糖尿病状 態におけるミトコンドリア断片化の意義(原因か結果か)に 関しては更なる検証が必要と思われる。  糖尿病性腎症ではミトコンドリアの機能異常,酸化スト レスの亢進を認めることが古くから知られている。最近の 研究でも db/db マウスに roGFP (GFP に 2 カ所のシステイン 置換を行って酸化還元応答性を付与した変異蛋白質)を発 現させ,二光子顕微鏡で観察することで,ミトコンドリア 由来活性酸素種(ROS)の産生が増加することが報告されて いる13)。高血糖によるミトコンドリアの過活動に由来する 過剰な ROS は mtDNA を傷害し,ミトコンドリア蛋白の産 生を抑制することで,ミトコンドリア機能障害に至る。ミ トコンドリアの機能異常は ATP 産生低下,ひいては細胞死 につながる。この古典的な図式に対し,最近別の説が提唱 されている。Sharma らはストレプトゾトシン(STZ)投与あ るいは Akita マウス(1 型糖尿病モデル)の腎臓で,ミトコン ドリア由来の活性酸素の産生がむしろ減少していることを さまざまな方法で示している(逆に,ミトコンドリア以外 からの ROS の産生は増加している)14)。糖尿病性腎症では AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性低下を認 め,その活性化薬 5-aminoimidazole-4-carboxamide-1-β-D-ribofuranoside(AICAR)を投与すると,PGC-1αの産生亢進 により,低下しているミトコンドリア生合成が亢進し, ROSの産生が増加するが,腎臓全体の ROS は減少し,糖 尿病性腎症の病態はむしろ改善する。AICARの腎保護効果 は高脂肪食負荷マウスでも認められる15)。ミトコンドリア 由来の ROS が病態を悪化させない傍証として,SOD2(ミト コンドリアにおける ROS 消去系)のハプロ欠損では腎臓の ROSは増加しているが,糖尿病状態でも病態は悪化しない ことが示されている。  ミトコンドリア由来 ROS の多寡については議論がある 一方で,NADPH オキシダーゼ由来の ROS は増加しており, 病態を負に制御していることは広く受け入れられている。 NOXの種々のアイソフォームのうちでも,NOX2 および 4 は腎構成細胞に高発現している16)。ApoE ノックアウトマ ミトコンドリアの分裂と融合 酸化ストレスをめぐるコントロバシー

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ウスに STZ を投与した糖尿病性腎症モデルで,さらに N OX 4を ノ ッ ク ア ウ ト し た り,N OX 1 / 4 の 阻 害 薬 (GKT137831)を投与すると病態が改善することが示され ている17)。NOX は腎の糖新生(糖尿病状態で亢進する)にも 関与し,アポシニン(NOX阻害薬)をアロキサン投与ウサギ (1 型糖尿病モデル)に投与すると,腎臓の糖新生が抑制さ れることが示されている18)  実臨床では,血糖値と腎症の発症が必ずしも相関しない ことを実感する。ジョスリン糖尿病センターの King らは ジョスリンメダリスト研究(50 年以上にわたり 1,000 例以 上の糖尿病患者を横断的に追跡している研究)において, 長期の 1 型糖尿病罹患歴がありながら腎症がない患者(メ ダリスト)では,腎臓への糖毒性が何らかの内因性の要因 で回避されていると考え,そのような患者の糸球体で高発 現している因子を探索した19)。予想通り,糖尿病性腎症の 発症は血糖コントロールに無関係であった。解析の結果, メダリストでは解糖系経路およびミトコンドリア経路の酵 素遺伝子の発現が増加しており,特にピルビン酸キナーゼ M2(PKM2)の発現および活性が亢進していた(免疫染色で はポドサイトに同遺伝子の発現が増加)。高血糖下では,ス ルフェニル化によって PKM2 の四量体形成が阻害され,活 性が低下することがわかった。ポドサイト特異的に PKM2 をノックアウトした糖尿病マウスでは,アルブミン尿や糸 球体病変が悪化した。逆に,培養ポドサイトで TEPP-46 に よって PKM2 を薬理学的に活性化すると,解糖系のフラッ クスが亢進することで,高血糖が誘導するグルコース代謝 産物量の増加が抑制され,ミトコンドリア機能異常が回復 した。さらに糖尿病モデルマウスを用いた介入研究では, STZ投与により糸球体のPKM2活性は半減するが,TEPP-46 の投与によって代謝異常,ミトコンドリア機能不全,腎病 変が改善した。したがって PKM2 活性化は,グルコース代 謝フラックスの亢進,有毒なグルコース代謝産物産生阻害 とミトコンドリア生合成の誘導によるミトコンドリア機能 回復によって,糖尿病性腎症の発症・進展を防ぐ可能性が あると結論された。上記の経路とともにポリオール代謝経 路(アルドースレダクターゼ,ソルビトールデヒドロゲ ナーゼ)およびメチルグリオキサール(MG)分解経路の酵 素量もメダリストで増加していた。後者については酵素活 性の増加は MG およびそれから派生する終末糖化産物 (AGE)の減少につながると想像されるが,前者については 同経路が病態を悪化させると考えられてきたことから,予 想外の結果である。メダリストの PKM2 や,その他の酵素 活性の上昇が何に規定されているかは,糖尿病性腎症の疾 患感受性遺伝子という重要なテーマとの関連から興味深 い。また Kang らは,ヒトの腎生検検体(種々の腎疾患を含 む)の全ゲノム・トランスクリプトーム解析を行い,脂肪酸 酸化活性の低下が腎線維化の重要な原因であることを報告 しており,前述の報告と共通したメカニズムをうかがわせ る20)  Sharma のグループは最近,db/db マウスの腎皮質および 単離ミトコンドリアを用いたトランスクリプトーム・メタ ボローム(フラックス)解析およびヒトの腎・尿検体のメタ ボローム解析の結果を報告している21)。その結果,糖尿病 性腎症では,1)解糖系,TCA サイクル,脂肪酸酸化の主な 代謝産物が増加し,解糖系酵素の発現が上昇していること (上述の PKM2 も増加する),2)フラックス解析から 3 つの 経路が亢進していること,3)各経路の酵素活性の変化は酵 素自身やその転写因子のアセチル化により調節されている こと,4)TCA サイクル,脂肪酸酸化の亢進にもかかわらず 電子伝達系は抑制され,ATP 産生も低下すること(アンカッ プリング),が判明した。また,ヒト(2 型糖尿病)の腎臓の メタボローム解析でも,おおむねマウスと同様,腎症で各 経路の代謝産物は増加していることが確認された。さら に,非糖尿病および腎症を発症していない糖尿病患者のコ ホートを 5 年間追跡した研究では,ベースラインの尿では 解糖系代謝産物は糖尿病群で増加していたが,後の Pro-gressor(eGFR< 65 mL/分/1.73 m2あるいは血清クレアチニ ン 1.2 mg/dL で定義)群と Resistor 群で有意差がなかった。 しかし TCA サイクルの代謝産物のベースライン尿中濃度 は Progressor 群で高く,糖尿性腎症の進行を予測すると考 えられた。  前述の 2 つの重要な論文の結果は,共通した発見も多い が,細かい部分では齟齬があり,更なる研究により,両者 の結果を統一的に説明できるような理論が必要になるだろ う(前者は主にヒトのサンプル解析なので,酵素の発現量 および代謝産物量で評価しており,フラックス解析ができ ていない。後者は各経路の亢進はフラックス解析で厳密に 示されているが,それが原因か結果かが判断しにくい。ま た,ヒトサンプルの解析ではフラックス解析ができない)。  細胞内には蛋白質へ翻訳されない RNA(ノンコーディン 糖尿病性腎症における糖・脂肪酸代謝活性 ノンコーディング RNA・マイクロ RNA

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グ RNA:ncRNA)が存在している。ncRNA のなかでも microRNA(miRNA;約 21 塩基)は,内在性の RNA サイレ ンシングを行うことで遺伝子の発現制御ネットワークを調 節し,生命現象および疾患の進行に重要な役割を果たして いる。miRNA は Argonaute 2(Ago2)蛋白質に取り込まれ, RNA誘導サイレンシング複合体(RNA-induced silencing complex:RISC )を形成する。miRNA は部分的に相補的な 配列を有する標的 mRNA と結合し不安定化させることで, その標的 mRNA の蛋白質への出力を抑制する。miRNA に よる標的 mRNA の認識は配列特異的であるが,シード配列 (通常 3ʼ 側の非翻訳領域にある)が短いこともあり(2~8 塩 基),miRNA と mRNA の対応は「多対多」であり,1 種類の miRNAは複数の mRNA を標的とし,逆に 1 種類 の mRNA は複数の miRNA によって制御されることになる。 糖尿病 性腎症(動物モデルやヒト)で発現が上昇あるいは低下し ている miRNA が複数同定されており,病態を修飾してい る22)。腎疾患における miRNA の重要性は,それを強制発 現あるいは阻害することが治療につながる可能性があるこ ととバイオマーカーとして使える点にある。ここでは ncRNA に関連した最近の研究を紹介する。  Kato らは,1 型糖尿病モデルマウス(STZ)の腎臓や,TGF-βあるいはブドウ糖負荷培養メサンギウム細胞で,40 もの miRNAが増加していることを見出した23)。これらの miRNAはゲノム上で 1 カ所に集簇し(メガクラスター),1 つの long ncRNA(lncMGC)から派生していた。lncMGC の 発現は ER ストレス制御転写因子 CHOP で制御され,CHOP ノックアウトマウスではこれらの lncMGC が減少して病態 が改善した。lncMGC を標的にしたオリゴヌクレオチド (GapmeRs:DNA-RNA ヘテロダイマーを作る)は miRNA ク ラスターの発現を阻害し,糖尿病モデルマウスの病態を改 善させた。これらのmiRNAの標的分子はTGF-βシグナル, 線維化関連遺伝子,ER ストレス関連因子など,これまで糖 尿病性腎症の病態にかかわるとされてきた分子群であった。  Danesh らのグループは,miR-93 が血管内皮増殖因子 (VEGF)を標的にしており,糖尿病性腎症モデル(db/db マ ウス)の糸球体で発現が低下することで VEGF 量が増加す ることを報告していた。その後の研究で miR-93 を db/db マ ウスでポドサイト特異的に強制発現,あるいは “miR-93 mimics” を投与すると,糖尿病性腎症の病態が軽減するこ とを示した24)。彼らは miR-93 の標的を探索する過程で, miR-93が高血糖によって変化する遺伝子群〔フィブロネク チン,connective tissue growth factor(CTGF),ROCK1 など〕 のクロマチン構造変化を元に戻すこと,このクロマチン構 造の変化は,miR-93 が MSK2 という分子を標的にすること で生じていることを突き止めた。MSK2 はセリンスレオニ ンキナーゼファミリーメンバーであり,ヒストン H3S10 の リン酸化を介して遺伝子発現を調節することで一連のスト レス応答を担い,糖尿病性腎症の病態形成に寄与している と思われた。

 Danesh のグループの Long らは lncRNA の一つ taurine-upregulated gene 1(Tug1)が PGC-1αを制御していることを 見出した25)。2 型糖尿病モデルマウスでは Tug1 の発現が抑 制されているが,ポドサイト特異的に Tug1 を強制発現し た db/db マウスでは糖尿病性腎症の病態が改善し,抑制さ れていた PGC-1α の発現がレスキューされた。Tug1 は PGC-1αと結合することで PGC-1αのプロモーター領域に 結合し,その発現を促進することでミトコンドリアの機能 改善をもたらすことが判明した。  オートファジーは細胞内部の蛋白質や小器官をリソソー ムに運び込んで分解するプロセスであり,飢餓や細胞スト レスに対する適応反応である。オートファジーは各種腎疾 患で亢進し,保護的な役割を担う26)。糖尿病モデルマウス においてもポドサイト27)および近位尿細管28)のオートファ ジー不全状態では病態の悪化を認める。オートファジーの 最も基本的な役割が細胞内の栄養の枯渇に対する防衛反応 (飢餓適応)であること,糖尿病性腎症では栄養感知シグナ ルの異常が認められることから,糖尿病性腎症ではオート ファジー活性が攪乱されることが推測される。特に糖尿病 で認められる mechanistic target of rapamycin(mTOR)経路の 亢進,AMPK および Sirt1 の発現・活性低下は,オートファ ジーを負に制御するものと推測される(ただし,mTOR 経路 により抑制されるのはカノニカルなオートファジーで,ス トレスによるオートファジーには mTOR 非依存性のもの も知られている)。実際 Tagawa らは,ヒト(2 型糖尿病)お よび OLETF ラット(2 型糖尿病)において,尿蛋白量に応じ たオートファジー活性の低下(オートファジー基質 p62 の 分解低下による蓄積)とリソソームの拡張(OLETF ラット) を報告している29)。また Gödel らは,STZ 投与による 1 型 糖尿病マウスのポドサイトで mTOR 経路が亢進しており, mTORC1経路をポドサイト特異的に抑制すると,尿蛋白量 が減少することを報告している30)。ただし,薬剤による mTOR活性の抑制(ラパマイシンやそのアナログ)は病態を 悪化させるとの報告も散見され,前述の知見と必ずしも合 オートファジー

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致しない31)。Yamahara らおよび Yamamoto らは,高脂肪負 荷により近位尿細管オートファジーが抑制され,尿細管傷 害につながることを報告している32,33)。Yamahara らは mTORの活性化,Yamamoto らはオートファジー基質の質 的・量的変化に伴うリソソーム過負荷をオートファジー活 性低下(あるいは停滞)の原因としている。さらに Yama-motoらはエイコサペンタエン酸(EPA)を高脂肪食負荷マウ スに投与すると,オートファジー活性が回復し,尿細管の 脂肪毒性が軽減することを報告している。  AGE は糖尿病性腎症の進行に寄与することが知られて いる。AGE は血中あるいは糸球体濾過を介して近位尿細管 細胞に取り込まれ,リソソームで分解される。Takahashi ら は尿細管オートファジーとリソソームを介した AGE 分解 の関係を探求し,STZ 負荷尿細管細胞特異的オートファ ジー不全マウスの近位尿細管では AGE がより蓄積してい ること見出した28)。そのメカニズムとして,AGE 存在下で は,その処理のため transcription factor EB(TFEB)の活性化 を介してリソソームの生合成が促進されるが,オートファ ジー不全培養尿細管細胞ではその適応反応が阻害されてい ることが判明した。尿酸結晶により傷害されたリソソーム の分解にはオートファジーがかかわっていることが知られ ているが(リソファジー)34),本モデルではリソソームの障 害は軽度で,リソファジーとは別の機序でオートファジー がリソソームの産生・機能亢進にかかわっているものと考 えられた。  糖尿病性腎症とマイトファジー(傷害されたミトコンド リアを選択的に分解するオートファジー)の関連について もいくつかの報告がある。前述のように糖尿病性腎症では ミトコンドリアが傷害されるので,マイトファジーがその 修復に関与すると予想される。Li らは 1 型糖尿病モデルマ ウス(STZ)ではポドサイトにおいて PINK1/Parkin 依存性の マイトファジー(家族性パーキンソン病において障害され ていることが知られている)が抑制されており,ミトコン ド リ ア の 機 能 異 常 を き た す が,forkhead-box class O1 (FOXO1)を活性化するとマイトファジーが回復し,糖尿病 性腎症の病態が改善することを報告している35)。尿細管に おいても,糖尿病で活性が上昇する尿細管特異的蛋白質 myo-イノシトールオキシゲナーゼが亢進されるべきマイ トファジーを抑制し,病態悪化に寄与していることが示さ れている36)  生活習慣病に起因する CKD 患者(あるいは動物モデル) のある時点での病態には,糖尿病や脂質負荷による直接の 影響,それに対する適応反応,腎傷害に伴う共通の変化な どさまざまな要素が混在しているはずである。ヒトの場合 はこれらに加え,疾患感受性の要素が加わる。本稿でもそ の一端を紹介したように,近年の研究の進展(遺伝子改変 マウス,イメージング技術,オミックス解析など)は,これ ら混在していた変化のなかから,原因と結果をより分け, 従来の常識を覆すような知見をもたらし始めている。ま た,SGLT2 阻害薬の臨床研究における予想外の結果は,同 薬で腎臓あるいは他臓器にどのような変化が生じているか を検証する必要性を認識させている(多くの腎臓内科医は SGLT2阻害薬を軽視していたのではないだろうか?)。腎 臓における代謝経路に関する知見の多くは数十年前に得ら れたもので,同薬によるメタボリックスイッチの本態に迫 るためには,従来の常識に捉われない思考が必要であると 考えられる。   利益相反自己申告: MSD(奨学寄附金),田辺三菱製薬(奨学寄附 金),ノバルティスファーマ(奨学寄附金), 持田製薬(原末提供),興和(原末提供) 文 献

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