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地域産業の活性化を支えるITソリューション

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Academic year: 2021

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地域情報トータルソリューションによる新たな価値の創造

地域産業の活性化を支えるITソリューション

ー中小企業支援アプリケーションー

什So山tionsforActivatingRegionalJndustries

l

赤津昌幸山崎 治 〃α5の〟鬼才A々αね〟05α∽〟†七椚αZαゐ才 万中哲夫 7セ由〟0肋乃Cゐ滋 川崎健治 励如才助紺αSα鬼才 従来の産業構造(マスの世界) 大量消費を支えるために階層的な産業構 造を形成しており,取り引きや情報の涜れが 固定的,一方向的であった。 営

顧客 取り引き 小売店

Eグ

大企業

ない取り引き 中小企業

増き系杏葉少ない針引き

中小企業-1中小企業-2… 部品工場11・・・ ニーズの多様化 市場のグローバル化 産業構造の変化 ビジネスのスピードアップ ネットワーク型社会の形成 系列企業の崩壊 今後求められる産業構造(多様化の世界) 要求の多様化に伴い,ニーズやシーズなどの情報が双方向に流通し,自由な取り引きを 実現するフラットな産業構造が求められている。 幅広い選択範囲 顧客." 小売店 汝 情報循環 顧客二】ズの 早期製品化 取引先の拡大 大手企秦 中小企業・1中小企業-2… ●新ビジネスの創生 ・事業内容の拡大

匝亘蚕蚕室奉珂

中小企業 i 斥 部品工場一1

ベンチャー企業 情報循環

匝亘垂司

/ト\ 部品工場-2… ●取引機会の増加 一中小企業の自立・系列からの脱却・協業の実現 (企画九開発力の向上) 今後求められる産業構造のイメージ 中小企業や大手企業,顧客との間で情報共有空間という「場+を形成し,さまざまな情報をシームレスに流嵐 循環させることによって産業 を活性化し,ベンチャー企業などの新ビジネス創造を支援する。 地域産業を支える中小企業を取り巻く環境は,中国などへの製造拠点のシフトや,系列企業の崩壊など,大きく変化してい る。このような厳しい状況の中で中小企業を活性化するには,付加価値の創造を支えるエンジニアリングカが欠かせない。同 時に,自社が保有する技術・人材などの資産を的確に取引先に伝えることにより,新規取引先を開拓するセールスカを身に付 けることが重要となる。中小企業や地域の産業を活性化するには,新製品や新事業を創出するプランニング力も求められる。 現在,自治体や第三セクターなどが進めているさまざまな産業活性化策の中では,年割こIT(lnbrmationTechno10gy)による 活性化の気運が高まっている。lT活用により,顧客と大手企業,中小企業をネットワークで連携し、情報共有空間という「場+ を介して情朝流通・循環を行うことが可告巨となり,顧客ニーズの把握や新たな取引機会の創軋 新技術導入促進などによる, 地域産業活性化が期待される。 日立製作所は,経済産業省の認可団体財団法人ニューメディア開発協会の指導の下で,中小企業のシーズと大手企業が求め る情報を流通させることにより,中小企業を支援する「中小企業支援アプリケーション+を開発した。 はじめに 近年,製造拠点の海外シフトや系列企業の崩壊などが 進み,中小企業が集中している地域では,地域そのもの の地盤沈下にもつながるため,中小企業活性化対策が急 務となっている。このため,自治体や第三セクターなど の産業支援機関による支援が実施されている。産業活性 化支援策には,業務効率の向上や製造コストの低減を11 的とした中小企業のIT(情報技術)化支援などがある。ま た,加工や鋳造シミュレーションシステムなど,高価な 設備の共同利用サービスの提供や,地域企業の情報発信 を行う「場+の構築などの取り組みもある。 このような地域産業活性化を支援するために,国家レ ベルでもITを活用した支援策が進められている。代表例 として,経済産業省と財団法人ニューメディア開発協会 による,中小企業のシーズと大手企業のニーズなどの情 報を流通させて中小企業を支援する「中′ト企業支援アプ リケーション+の開発事業をあげることができる。 37

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434 日立評論 Vol.84No.6(2002-6) 日立製作所は,従来,財団法人ニューメディア開発協 会の指導の下で研究開発を進めてきた,情報の流通と循 環を実現するために必要とされるデータベースやサービ スの連携技術などを活用し,中小企業支援アプリケー ションを開発した。 ここでは,中小企業支援アプリケーションについて述べる。

地域産業活性化のためのIT活用

地域産業活性化のためには,地域産業を支える中小企 業などの収益向上と受注拡大が重要である。 そのためには,以下の3点の実現が求められる。 (1)他企業との競合優位化ができる付加価値を持つこと (2)付加価値を生かして新規の受注を拡大すること (3)新製品の開発などにより,新事業を創出すること 新たな付加価値を創造するためには,大学などの研究 機関や他企業との連携によって新技術を開発したり,異 なる地域・分野の企業との連携によって既存技術を新た な分野に適用するなどの取り組みが有効である。また, 新たな取引関係を開拓するために,各企業が保有する技 術や付加価値などのポテンシャルを,取引先の大手企業 などに対して,効果的にPRすることが重要となる。新製 品開発を行ううえでは,製品企画や設計を行う会社との 連携や,専門分野を持つ会社どうしの協業などが有効で ある。 これらを実現するためには,中小企業と,大手企業, 研究機関,ほかの中小企業などの間で,シーズとニーズ の情報を流通させる必要がある(図1参照)。 したがって,自治体や産業支援機関によるITを活用し た地域産業活性化の実現には,シーズとニーズの情報を 情報利用者 人材情報 ●共同研究の相手 を模索 ●協業企業を検索 などl中小企業【 企業情報

・芸注先企業を検

笹六

・営業先を検索 大手企業 ・協業企業を模索 中小企業 など 商品情報 ●部品などの発注

先雷撃索

吉宗蓋芸

38 情報共有空間 主な提供サービス ●人材情報検索 ●企業情報検索

圏冊圏

品硯

…業材晶 ㌣h企人商h ズとシーズのマッチ 収益の向上・受注の拡大 新たな付加価値創造 新たな取引関係の開拓 新製品開発への取り組み 情報共有空間 大手企業など 研究機関など 他の中小企業など 新たな取り引き 新技術,製品開発 協 業 シーズとニーズ情報の流通 中小企業 保有技術 保有製品

⊂亘:亘二二二)

図1地域産業活性化の支援の方向性 シーズとニーズの情報の流通により,中小企業の収益向上と受 注拡大を目指す。 流通させる,情報共有空間という「場+の構築がきわめて 重要になる。

中小企業支援アプリケーション

情報共有空間という「場+を作り,利用者のニーズと提 供者のシーズを流通させることで産業の活性化を支援す る具体例が,財団法人ニューメディア開発協会の指導の 下で日立製作所が開発した「中小企業支援アプリケー ション+である。 3.1概 要 中小企業支援アプリケーションの概要を図2に示す。 中小企業や大学など研究機閑は,ネットワークを介し て保有製品や技術,設備,人材などを登録し,情報共有 ング 情報提供者 社会情報

l中小企削_二■賃志諾情報

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商品情報 ●加工社会 など など ∩

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人材情報など ●自治体 ■公共機関 など 図2 中小企業支援アプ リケーションの概要 情報共有空間という「場+ を作り,情幸阿り用者のニー ズと情報提供者のシーズを マッチングさせることによ り,産業活性化を支援する。

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地域産業の活性化を支える什ソリューション435 空間という「場+を介して情報発信を行う。 取引先を探す大手企業や,協業相手を探す中小企業な どは,ニーズを発信することで,必要な情報とのマッチ ングを行うことができる。 3.2 提供する主な機能 中小企業支援アプリケーションで提供する主な機能は 以下のとおりである。情報提供画面の例を図3に示す。 (1)人材情報提供サービス 大学や研究機関の研究者が持つ情報や,企業が持つ人 材情報などを提供し,製品や技術を開発する際に連携す る相手を探す支援を行う。 (2)企業情報提供サービス 企業の特徴や保有技術,設備などの情報を提供し,企 業の新たな取引先や研究者が共同研究を行うときに,相 手企業を探す支援を行う。 (3)商品情報提供サービス 企業が持つ商品や部品の情報を流通させ,製品などの 発注先を探す際の支援を行う。 3.3 システムアーキテクチャ 産業支援機関などがこのようなアプリケーションを導 入する際,システム導入コストがネックとなることが多 いので,システムを効率よく構築することが重要となる。 また,情報流通の「場+の付加価値を高めるためにも,異 なる地域,分野との連携を容易にすることが重要になる。 そのため,中小企業支援アプリケーションは,図4に Å働藤螢′Å湧き て梓セ ルIlフ *呵′孝一′・んp ′頚中小一ピ′ rJ女転今福守 鞘朽網雪滋据 ゎ幻柵 頬麓褒章ま紛拝も 検索条件の入力画面 r州城′仙心血叫 鸞 鮒

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珊瑚守 「 「「rrrrr「 私的㌶鍔㈹叫†爛 でレ 削 「さl′梢盛 「(弟i言凍炉 脚脚醐脚欄湖脚醐 r-r r r rン 「 「 r 紳柏餅綿抑述鵬郎 「撼息申 ′、・ゞか 「萎凛た∋【ぞ一嵐:一芸 「′♪岩切一㌍行終で欄 ㌻レ怒減 軽■乍芸穣蠣 rご†杓冬L礫,貫軌蟹 「ェ:孟去∼・ぞ津鯛 r軒埼J礫-ヨ盲項ナ㌢ 「苧′二懲 捌湘卵濫脚脚 J rJ ㍗▼ r一丁 r rタ 脚醐㌶脚湖脚棚 群"仙こ 憾粧 そ 榊㌫糀印㌫御 伽掛欄欄欄㌫ ′バ..∫ ゲ 山ア rゝ γl r r rl ㍗く r

個別アプリ ケーション (地域個別) 共通アプリ ケーション (分野ごと に共通) 共通 プラット フォーム A地域用 B地域用 中小企業支援 中小企業支援 他分野 アプリケーションアプリケーション ′A地域用 β地域用 個別アプリ 個別アプリ ケーションケーシ畠ン 中小企葉支援 アプリケーション アプリケーション 広域連携情報流通基盤システム 図4 中小企業支援アプリケーションのシステムアーキテクチャ このシステムは,「共通プラットフォーム+,「共通アプリケー ション+,および「個別アプリケーション+の3階層のアーキテクチャ を持ち,開発効率と拡弓長性に優れている。 示すように,「共通プラットフォーム+,「共通アプリ ケーション+,および「個別アプリケーション+の3階層の アーキテクチャとした。 「共通プラットフォーム+は,地域や分野に依存せずに 使える情報流通の基盤となるもので,データベース連携 などの機能を提供する。 「共通アプリケーション+は,中小企業支援,環境関連 産業支援,福祉関連産業支援などの分野ごとに共通とな る機能を提供するミドルウェアである。中小企業支援ア プリケーションの場合,企業情報,人材情報などの登録 機能や,人材,企業,商品などの情報検索機能,利用者 管理など共通的な機能をAPI(Application Program 船舶厳寒溜藤

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尊 機 簸 +▲ 鎚 郎 畷湘 j,そ華 商品情報の提供画面例

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骨髄′磁湖寄 留欝∧速戦滋深 紫賂∨適者 落選′染野 附 ̄Pぺ ★㌻駁ンJ∼ニヰ) 涌範吸食′ 漣犠卑 約約欄納脚棚深 J革′〟経きでγ吟 槽乎電竺.発=γ′、 ,管主1・ニ、! 人材情報の提供画面例 39 図3 中小企業支援アプリケーションの画面例 利用者は,情報検索を行ってビジネス活動に利用する。

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436 日立評論 VoI.84No.6(2002-6) Interface)として提供する。 「個別アプリケーション+は,地域ごと個別のアプリ ケーションであり,実際に利用者が目にする画面などの GUI(GraphicalUserInterface)部分が中心となり,共通 アプリケーションのAPIを活用して開発することができ る。したがって,他地域で同様のアプリケーションを導 入する場合,各地域は個別アプリケーションだけを開発す ればよい。 以上のように,3階層のアーキテクチャと共通機能を 持った中小企業支援アプリケーションを活用すること で,効率よくシステム構築が実現できるとともに,拡張 性のよい情報流通基盤を構築することができる。

広域での中小企業連携への展開

中小企業支援アプリケーションは,情報共有空間とい う「場+の活性化によって効果を高めることができる。そ のためには,1地域だけで「場+を構築するよりも,広域 に分散する複数地域を連携した「場+とすることが有効で ある。また,異なる特徴を持つ複数の地域や,異なる分 野の産業活性化を支援する地域間を連携することによ り,既存シーズと新たなニーズとの出会い場が生まれ, 新技術開発や新製品開発などの取り組みを促進すること が期待できる。 中小企業支援アプリケーションは,広域連携情報流通 基盤システムという共通プラットフォームの上で構築し 利用者 一般利用者 自治体 中小企業 起業家 など E地域(環境関連分野) 環境 DB F地域(福祉関連分野) 福祉 DB 情戟共有空間 B地域(中小企業分野) A地域(中小企業分野) 企業 DB 企業 DB C地域(中小企業分野) 企業 DB 広域中小企業貴濾 企業 DB 注:略語説明 DB(Database) 図5 広域連携の展開イメージ 広域を連携した情報流通により,情報共有空間の「場+の付加価 値が向上し,中小企業活性化を実現することができる。 40 ているため,広域に分散する情報の連携を容易に実現す ることができる。したがって,中小企業支援を行う地域 間を連携した広域中小企業支援の実現や,異なる分野の 中小企業を支援する地域を連携した新たな支援アプリ ケーションの実現が可能となる(図5参照)。 以.Lのように,広域を連携した展開を図ることにより, 利用者増加による販路拡大や多様なユーザーニーズの収 集,異なる分野の企業間の協業など,中小企業活性化に 必要な機会を与えることができる。 ぁわりに ここでは,中小企業の支援を目的に,さまざまな地域 や事業者が持っている情報を流通させる「中小企業支援 アプリケーション+について述べた。 各地域の自治体や産業支援機関は,現在もさまざまな 中小企業の支援策を打ち出している。しかし,景気の低 迷は続いており,今後も中小企業に対する支援策をいっ そう強化する必要があると考える。そのため,日立製作 所は,複数地域や異業種を連携した情報流通による地域 産業の活性化を展開していく考えである。 参考文献 1)宮澤:広域連携事業のご紹介,財団法人ニューメディア 開発協会研究成果レポートNo.3(2001.3) 執筆者紹介

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轟を湊 赤津昌幸 1991年∪音型作柄人祉,システム事業眺社会第ニシステ ム部所属 現在,地域活件化支援システムのエンジニアリング取り まとめ業務に従事 E-mail:こ1katsu(ダミsiji.hitachi.co.jp 山崎 治 1999年株式会社口立システムテクノロジー入社,H立製 作所システム事業部社会第ニシステム部所拭 現在,地域油性化支援システムのエンジニアリング取り まとめ業務に従事 E-mail:0-yamaZaki申)siji,hitachi.c().Jp 万中哲夫 1981年=立製作所入社,情報・通信グループ情報制御シ ステム事業部汎用システム部所属 現在,地域活性化支援システムの開発に従中 E-mail:[email protected]().jp 川崎健治 1993年日立製作所入社,システム開発研究所第5部所属 現在,「1律分散サービスシステムの研究に従事 情報処理学会会員 E一丁】1ail:k-kawasa¢■sdl.llitachi.c(),Jp

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