酸化還元の概念を理解し教育実践力と科学的素養を高める
藍を用いた科学実験教材の開発と実践
教科@領域教育専攻
自然系(理科)コース
酒 井 勇 太
はじめに
小・中・高等学校における理科の学習目標
として挙げられている自然の事物・現象につ
いて職事を深め科学的な自然観を育成する教
材として藍は幅広く用いられている。
本研究室ではこれまでに藍に関する先行研
究として森氏は藍の和音, すくもの製法など
を考慮、した中学校現場における藍を用いた科
学実験耕オを開発し中学校の教育現場での実
践を行いその有効性を報告している1)。猪木
氏はすくも藍と合成インジゴの染色効果に注
目し,
r
すくもj成分の探索,インジゴの染色
機構を電気分解に応用した広領域型科学実験
樹オの開発,実践を行いその有効性を報告し
ている2)。著者は中学校,高等学校の化学領
域において大変重要である f酸化と還7eJに
注目し f酸イり窒元jの概念を理解するため,
身近な素材鑑葉〉を用いた科学実験教材を開
発し,教育現場への導入のための実践法に関
する研究を以下の様に実施した。
館1重軽 高等学校学習指導事襲糧費(理科
編}における化学領域の解説
平成24年度から先行実施される学習指導
要領新課程(理科編)についての解説と変更
点について述べた。
買事
2
寧 藍薬部の舎有成分の研究
第I節 藍 の 栽 培
藍の色素成分インジゴ(青色色素
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インジ
指 導 教 員 今 倉 康 宏
川 町
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インジyレビン (5)
ノレピン(赤色色素)は新鮮藍集中の含有成分イ
ンジカン(無位がインジカーゼという酵素に
より分解され生じるインドキシノl-{無色)iJ~酸
化され生成することが知られている。そのた
めとれらの生合成経路を探求する樹寸開発を
目指しインジカンのみを含有している藍葉の
保存方法(生薬の電子レンジ乾燥及び冷凍保
存鶏を開発した。
第
2
鱒 生 薬 の 官 有 成 分 の 探蕪
藍生葉のメタノーノレエキスからカラムクロ
マトグラフィー, P.TLCにより分離・精製し
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[インジカン
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を単離した。lRl様に
ミキサーで粉砕した藍生薬のメタノー/レエキ
スからカラムクロマトグラフィー, P.TLCに
より分離・精製し
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K
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[インジゴ
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)
J
,
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K-3 [インジノレピン(5)Jを単離した。それらの
構造を種々のフィジカノレデータ及びスベクト
ルヂータを用いて決定しt~o
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ルETY(5l〉生成機構の解明
3
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ルピン(5)へと変化する生合政コ経路を化学
反j志として了噛卒、「るぞデJI.,'化学実艇をの開発
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ジゴ(母、イ:〆立Fレピン(時の生成を確言設でき,
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の生成機構を化学的に実証し
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時間経過を TLCで確認し (2)ミ(カ3)へと変
化することを事鼠容できる実験教材を開発し
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開発しε 本学の学生;を対象に以下の 4つの項
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[参考文献]
1)森義主主寝付ーくも}の色素成分の単離とそれを用
いた喜子糾横断的i総会科学議号令教材の関発(2002)
2)~蓄フ示室孝夫,藍(すくも)の含有成分の探索と化学的
思考力の技摘を育むインジゴを用いた広領域型科学
実験税対の開発と実践に関する存関(2印9)
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