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二輪車の障害物回避動作検出による路面損傷位置推定手法

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(1)Vol.2017-ITS-68 No.6 2017/2/28. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 二輪車の障害物回避動作検出による 路面損傷位置推定手法 宮崎 雄也1. 菱本 圭亮1. 木谷 友哉1. 概要:本稿では,二輪車に搭載した車体運動センサから得られたセンシングデータを元に道路の維持管理 のための路面調査を目的とした,路面状況の推定を行う手法を提案する.二輪車の場合では通常,穴の上 を走行せずに避ける動作を行うが,運動センサから得られる左右方向の加速度等から回避動作を検出する ことで,路面の損傷箇所を推定できると考えられる.本稿では,予備実験で得られた運動センサの値から 2 つの二輪車の回避動作検出手法を提案し,実際の公道での走行のデータによって評価を行った.その結果, 約 250m の公道での試行回数 60 回のデータについて検出精度 70.3%,再現率 86.7%という結果が得られた.. 1. はじめに. 舗装道路の点検の要領を定めたり,公共車両を利用したよ り安価な路面性状調査方法の実証実験を行っている [4] [5].. 道路設備の維持管理にかかる費用が世界中で大きな問題. 簡易的な路面性状推定手法としては四輪車にスマートフォ. になってきている.道路維持管理費を削減するためには,. ンのように,安価な運動センサを搭載した端末を使用して. 道路の長寿命化を図り,道路の傷みが小さいうちに修繕す. 路面の簡易調査を行うための手法がある.Mednis らの研. ることで,トータルの補修費を抑えることが重要である.. 究では,車載したスマートフォンの加速度センサの値を用. 道路の傷みの早期発見のためには,短い間隔で定期的に管. いた 4 つのアルゴリズムを使ってポットホール,段差,マ. 理道路を調査する必要がある [1].日本でも近年,社会イ. ンホールについて検出を行い,75%以上の検出率を得てい. ンフラの老朽化に伴って道路の総点検が進められている.. る [6].また,それらのデータにおいて同じ道を 10 回走行. 日本の道路の総延長は現在 120 万 km 以上であり,全ての. して 4 回以上検出する場合は 92%という高い精度を得てい. 道路について定量的に路面状況を調査することは困難であ. る.Buza らの研究では,タクシーに搭載した加速度セン. る.多くの自治体において,現在の道路路面調査は道路コ. サの値と GPS を用いて機械学習によって数千 km の走行. ンサルタント会社によって行われ,その結果から補修場所. データから道路異常の検出を行い,検出位置の 90%に修復. を決定する.しかし,道路路面調査には専用の高価な機材. が必要な道路異常があった [7].八木らの研究では,四輪車. を必要とし,費用は,補修費と比較しても無視できない額. のダッシュボードの上などバネ上にスマートフォンを設置. である.また,機材の数も少なく,全ての道路を定期的に. し,スマートフォンに内蔵されている 3 軸加速度センサと. 調査することは困難である.そのため,主要道路のみを定. GPS を使用したものが行われている [8].上下方向の加速. 期的に調査して残りは主に市民による通報を元にして補修. 度センサの値からバネ上の加速度を観測し,バネ下の上下. 計画等を立てている.浜松市や千葉市では,民間企業と協. 変位量から路面縦断プロファイルを推定している.推定し. 力して修繕の必要がある危険な道路を市民が通報するため. た路面縦断プロファイルは,専用機器を使用した計測値と. のシステムを開発し,運用しているところもある [2][3] .. 高い相関が得られている.また,バネ上の上下変位量から. しかし,市民からの通報による補修依頼のほとんどは,道. 推定したバネ下の上下変位量から平坦性を求めることがで. 路の傷みが大きく進行してからの通報であるため,道路の. きるため,IRI の算出も可能である [9].単独での検出精度. 長寿命化は困難である.. が悪くても試行回数を増やすことでより良い結果を得るこ. このような問題を解決するために,一般の四輪車に搭載. とが可能であり,コストがかからないスマートフォンなど. したセンシングシステムを利用した路面性状推定に関する. による安価な運動センサを用いた手法では多くのデータを. 研究が数多く行われている.また,国交省や総務省では,. 集めることができる. しかし,世界的には主要交通手段として四輪車だけでな. 静岡大学 総合科学技術研究科情報学専攻. く二輪車も使用されている.特にアジア地域では二輪車の. ⓒ 2017 Information Processing Society of Japan. 1. 1.

(2) Vol.2017-ITS-68 No.6 2017/2/28. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 2.1 先行研究 [12] Bikeinformatics ではこれまでにも,収集したセンシング データの活用先の1つとして二輪車による簡易路面センシ ングを考えており,その中で二輪車独自の動作である穴を 回避する動作の検出に着目し,穴回避動作を検出する手法 フロントバネ上. リアバネ上. を提案してきた. 予備実験で得られた知見を元にハンドル部分のヨーレー トに着目し,回避時に検出されるピークの高さに注目する ピーク検出手法と回避時の理想的なヨーレートの波形を作 成し比較する理想波形比較手法の 2 つのアルゴリズムを考. フロントバネ下 図 1. リアバネ下. センシングシステムの搭載環境. 案し,センシングデータから穴回避動作の検出が可能であ ることを示した .. 方が使用されている [10] .単なる上下方向の加速度の変化. 2.1.1 ピーク検出手法. を用いた路面状況推定には,二輪車においても四輪車で研. ピーク検出法は,二輪車の穴回避動作に正と負または負. 究されているような方法を利用することができると考えら. と正に順にピークが立つことに着目し,ウィンドウサイズ. れる.しかし,二輪車の車体運動は四輪車に比べて車幅が. 区間の中の最大値と最小値を計算し,差が一定値以上であ. 狭いことや,車体を傾けて旋回するなど,四輪車とは異な. れば穴を避けた動作と認識するアルゴリズムである.アル. るため,二輪車特有の挙動を考慮した路面状況推定手法が. ゴリズムのフローチャートを図 2 に示す.w は切り出す. 必要となる.そのひとつとして,路上に穴や障害物があっ. ウィンドウのサイズであり,n はデータのサンプル番号,. た場合に,四輪車では左右の車輪の内側の穴はセンシング. Th1,Th2 はそれぞれ判断のための閾値である.. 不可能であるが,二輪車は車幅が四輪車よりも狭く,車線 内を面的に走行するために,四輪車では検出困難な穴を検 出可能であると考えられる.また,二輪車では走行車線上 に穴があった場合に,穴の上を走行せずに避ける動作を行 う.このときの左右方向の運動センサの値などから回避動. 㛤ጞ. 䜴䜱䞁䝗䜴䝃䜲䝈 䝕䞊䝍䛾䝃䞁䝥䝹␒ྕ 䝇䝺䝑䝅䝵䝹䝗್. 䛜䝃䞁䝥䝹⤊Ⅼ䛷䛺䛔. ǁ͗ Ŷ͗. Ŷнǁ. dŚϭ͕dŚϮ͗. ㉮⾜䝕䞊䝍䛛䜙 ⠊ᅖෆ䛾䝶䞊䝺䞊䝖䛾 ᭱኱್ 䛸᭱ᑠ್ 䜢ィ⟬. ΀Ŷ͗Ŷнǁ΁. ͗ŵĂdž. ͗ŵŝŶ. zĞƐ. 作を検出することで,路面の損傷箇所を推定できる可能性 がある.. Ӎ. ͮŵĂdžͲŵŝŶͮ. zĞƐ dŚϭ. Ӎ. dŚϮ. Ӎ. ͮŵĂdžͬŵŝŶͮ. EŽ. ;ϭͬdŚϮͿ. EŽ. ┤๓Ϯǁ௨ෆ䛻 ✰䜢㑊䛡䜛ືస䜢 ᳨ฟ䛧䛶䛔䛺䛔 EŽ. ✰䜢㑊䛡䜛ື䛝䜢᳨ฟ. 二輪車に車載した運動センサから得られた情報で,路面 損傷箇所を回避する際の挙動を検出し,GPS によってその. zĞƐ. ŶсŶнϭ. 位置の検出する.本稿では,運動センサの値から二輪車の 回避動作を検出する手法を提案し,実際の走行実験のデー. ⤊஢. タによって検証,評価を行った. 図 2 ピーク検出法フローチャート [12]. 2. Bikeinformatics[11] 我々は,二輪車に搭載された運動センサや測位装置から. まず,回避挙動の動作周期に着目し,短いウィンドウサ. 得られるデータを世界中から収集し,多用途に利活用可能. イズに切り出すことで,他の周期の長い動作との切り分け. な二輪車の車体運動ビッグデータの創出を行うための研究. を行う.次に,ウィンドウ内の最大値と最小値の差を計算. プロジェクト Bikeinformatics を推進している.. する.回避動作時は正の値と負の値に高いピークを持つた. 二輪車には 3 箇所の可動部があり,ハンドルによって前後. め,最大値と最小値の差を計算すると,回避挙動を行った. に分けられ,それぞれの上下をサスペンションによって分け. ところで高い絶対値を持つ数値となる.右に避けた場合と. られている.そのため,フロントとリアのそれぞればね上. 左に避けた場合双方に対応するため,最大値と最小値の差. とばね下の 4 箇所に分けることができる.Bikeinformatics. の絶対値をとる.この値を閾値で線引きすることで,数値. ではこれらの 4 箇所にそれぞれ図 1 のように 3 軸加速度,. の高い部分を検出する.. 3 軸角速度,3 軸地磁気の 9 軸運動センサを取り付けて 100 -300Hz でサンプリングする. また,GPS レシーバによって時刻や車体の地理的位置を. 10Hz でサンプリングしている. ⓒ 2017 Information Processing Society of Japan. 次に,単一方向に大きく旋回した場合を誤検出しないた めに最大値を最小値で割った値を計算する.回避動作では 双方向に同様に移動するためピークの絶対値差は小さくな る.単一方向への旋回と回避動作の切り分けを実現するた. 2.

(3) Vol.2017-ITS-68 No.6 2017/2/28. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. めに,求めた値の絶対値がある閾値以下である場合に,路. 䝫䝑䝖䝩䞊䝹䛺䛹. 面損傷位置の可能性があると判断する.こちらも右と左双 方に対応できるように閾値を拡張する. また,一連の動作の中で何度も検出しないように,直近 に穴を回避する挙動が検出されていた場合,以降は検出し ない.この研究では 40m という限定された狭い区間の実験. 図 4. コースの中で 3 人の 3 回ずつという少数の試行に対して検. 想定される回避動作. 出アルゴリズムを設計し検証を行っている.しかし,二輪 㻡㼙㛫㝸䛷 ẁᕪ䜢タ⨨. 車の運動は複雑であり,個人差による影響も大きいため更. 理想波形比較法は,予備実験で収集したデータから回避. ຍ㏿༊㛫㻠㻜㼙. 時の理想波形を sin 波にて作成し,その理想波形を畳み込. 均を正のピークに持ち,最小値の平均を負のピークに持つ 波形である.負の 2 つめのピークは,予備実験の結果から 最小値の半分である特徴を持つ.周期はピーク間の時間の 平均を考慮し 2 秒としている.したがって,全体では 3 秒 間の波形となっている.図 3 は直線走行時に右側に回避し た場合のものである.. 㻝㻜㻜㼙. 㻝㻜㼙. 図 5. み演算し,値が大きくなる場所を探す手法である. 図 3 は直線走行時における理想波形である.最大値の平. 㽢. 㻞㻚㻡㼙. 㻳㻻㻭㻸. 2.2 理想波形比較法. 㻿㼀㻭㻾㼀. に多くの実験データを用いて設計,評価を行う必要がある.. ඲㛗㻝㻡㻜㼙 㻡㻜㼙. 㽢䠖䝟䜲䝻䞁. 穴回避実験コース. ンシングデータを収集する実験を行った.走行中の二輪車 が穴などの路面損傷位置を回避する場合,図 4 に示すよう な一度穴の手前で進路を変更して穴の横を通過し,再度も との走行位置に進路変更を行うといった動作を行うことが 想定される.この時,主に横方向の運動が発生するので左 右方向の加速度,ロールレート,ヨーレートにおいて特徴 的なデータが得られると考えられる.. 3.1 実験環境 図 5 のようなコースを設定し,穴などの路面損傷と想定 したパイロンを避ける場合とパイロンがない場合の走行 データを収集する実験を行った.また,コース前方に配置 図 3. 直線実験の回避挙動の理想波形 [12]. した木材によって路面に段差がある場合の運動データも同. (右に避けた場合). 時に収集した.本研究では,図 5 の回避区間を対象とする. 実験の環境を表 1 に示す.. 運動データのサンプリング周波数を f ,センシング値を. y[t],理想波形を gs [t] とする.理想波形の長さは 3 秒であ る.時刻 t における y[t] との畳み込み演算の結果から値 Cv. 使用センサ. RTK-GNSS ロガー. を求める.Cv は式 1 と表せる.添字 t は運動センサのサ ンプリング周期毎の時刻を表す.. Cv[t] =. 3f ∑. 表 1 実験の詳細 Bikeinformatics 専用センサ. ライダー. 20 代男性 4 人. 使用車両. スズキ レッツ 4 スクータータイプ 50cc. y[t + i]gs [i]. (1). 試行回数. (ライダー 4 は 4 回ずつ). i=0. 求められた Cv[t] の値が閾値以上であれば穴回避動作とし て検出する.. 各ライダー回避ありとなしを 5 回ずつ. 路面 . 浜名湖ガーデンパークの駐車場内.  . アスファルト舗装の路面. 回避対象. 38cm × 38cm パイロン. 本研究では,実験データを補強し,これらの検出手法を 改良して新たな検出手法を提案することでより高性能な路 面損傷位置の推定手法を提案することを目的とする.. 3. 二輪車の障害物回避行動の調査 二輪車の路面損傷位置などを回避する動作をより詳細に 調査するために,二輪車が穴を回避する動作の車体運動セ ⓒ 2017 Information Processing Society of Japan. 以上の環境で被験者はパイロンを路面損傷位置に見立て て回避し,回避動作の運動データを収集した.また,回避 時の走行軌跡を調べるため,RTK-GNSS ロガーを搭載し て通常の GPS による位置情報に加えて高精度な位置情報 も同時に取得した.. 3.

(4) Vol.2017-ITS-68 No.6 2017/2/28. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 3.2 回避行動による車体運動データの計測結果 実験の結果,前輪の可動部分にあるため,方向転換時の 運動が大きく,ばね上にあるために路面からのノイズの影 響を受けにくいハンドルのセンサの値が最も顕著に回避動 作を捉えられていた.例として,図 6 にライダー1のハン ドルに取り付けた運動センサのヨーレート,ロールレート, 横方向の加速度を示す.回避動作は横方向の運動であるの. ライダー 1. ライダー 2. ライダー 3. ライダー 4. 図 7 ライダー毎の回避区間のヨーレート. (a) 回避あり ヨーレート. (b) 回避なし ヨーレート. ら十 cm 精度で測位された走行位置を表している.縦軸は 回避区間始点からの進行方向の距離,横軸は実験コースの 車線の中央(開始地点)からの左右の相対的な位置を表す. これを回避動作の付近で拡大したものを図 10 に示す.こ れを見ると回避時にパイロンを避け始める位置は測位誤差 (c) 回避ありロールレート. (c) 回避なし ロールレート. の範囲を大きく超えた数 m 単位で異なっているが,避け た後に元の車線に戻る際の軌跡はほとんど一致している事 がわかる.また,元の進行方向に向き直る位置も避け始め の動作と比べて波形の違いや位置のばらつきが少ない.そ のため,本研究では回避動作検出の際に避け始めを検出す るより避け終わって元の車線に戻る動作と,その後に元の. (d) 回避あり 横方向加速度 図 6. (e) 回避なし 横方向加速度. ライダー 1 のハンドル部運動センシングデータ. で,特にロールレートとヨーレートに特徴的な波形を観測 できた.横方向の加速度からも回避動作を観測できると予 想していたが,ジャイロセンサに比べてノイズが大きく, 回避動作を顕著に表すような特徴的な波形は得られなかっ. 進行方向に向き直る動作を検出することを考える.図 8 に おける 2 つ目のピークはこの元の車線に戻る動作であり,. 3 つ目のピークは元の進行方向に向き直る動作である.表 2 にライダー毎のこの 2 つのピークの特徴をまとめた.こ ྑ᪕ᅇ. 䐟ᅇ㑊. た.また,ロールレートは回避動作時に大きく反応してい たが,旋回やふらつきなどの他の動作でも大きく反応する. 䐠ᡠ䜛. 䠌. ᕥ᪕ᅇ. 上に,ヨーレートに比べてそれらの動作との切り分けが困 難であるため回避動作検出に適していないと考えられる.. 䐡ྥ䛝┤䜛. 㼅㼍㼣㻾㼍㼠㼑 図 8. 回避動作時のヨーレート波形. 3.3 回避行動の個人差についての考察 図 7 にライダー毎の回避動作付近のヨーレートを示す. この結果から試行毎の差や個人差はあるものの,回避動作 によって図 8 のような 3 つのピークを持つ波形がでている ことがわかる.また,図 8 における 1 つ目のピークについ ては他のピークに比べてピークの高さや位置がまちまちで あり,中にはピークが存在しない試行もある.これは回避 を行う際に避け始める位置が異なっていることが原因であ ると考えられる.図 9 はライダー 4 の回避区間の回避あり の場合と回避なしの場合の RTK-GNSS によって数 cm か ⓒ 2017 Information Processing Society of Japan. 回避あり.  回避なし. 図 9 ライダー 4 の RTK-GNSS による走行位置. 4.

(5) Vol.2017-ITS-68 No.6 2017/2/28. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 図 12. 使用センサ. 表 3 実験の詳細 Bikeinformatics 専用センサ. ライダー. 20 代男性 6 人. 回避動作のヨーレートのピーク値の平均 戻る動作 向き直る動作 2 ピーク間の. 使用車両. スズキ レッツ 4. 時間間隔 (s). 試行回数. 各ライダー 10 回ずつ計 60 回 航空自衛隊浜松基地付近  アスファルト舗装の片道 1 車線道路. 図 10 表 2 ライダー. 回避対象となる悪路. 回避時の走行軌跡. (deg/s). (deg/s). スクータータイプ 50cc. ライダー 1. -13.905. 7.993. 1.384. 路面 . ライダー 2. -10.141. 11.657. 0.869.  . ライダー 3. -15.045. 12.542. 1.407. ライダー 4. -13.732. 13.830. 0.989. 回避対象. 図 12 に示した悪路. 1.162.  . (北緯 34.746889 度, 東経 137.709917 度地点). 平均. -13.206. 11.505. (車線幅約 3m). の詳細を表 3 に示す.対象となる悪路の位置は加速度から 求めた北緯 34.746889 度,東経 137.709917 度の地点とし,. ㊰㠃ᦆയ⟠ᡤ. その地点から半径 15m 以内の点を路面損傷位置として検 出することを目指す.使用機材や車両は予備実験と同様の ものを用い,被験者は実験対象区間を安全に配慮して走行 した.. 3.4.2 得られたデータ 図 13 にライダー 1 の路面損傷箇所を回避した際のヨー レートを示す.公道での回避動作も予備実験で得た図 4 の 図 11. 実験対象区間. れをもとに回避動作の元の車線に戻るときとその後に元の 進行方向に向き直る際の 2 つのピークを持つヨーレートの 波形に着目して穴検出アルゴリズムを設計する.. 3.4 評価用公道走行実験 提案する路面損傷位置推定アルゴリズムのパラメータを 決め,実際の公道走行時のデータに適用した場合の結果の 検証,評価のために路面の損傷位置を回避して走行した際 のデータを収集した.. 3.4.1 概要 図 11 に示すような路面に路面損傷箇所を含む見通しの. 図 13. 公道での回避時のヨーレート. 良い約 250 m の直線の片道 1 車線道路を図の左から右の 方向へ損傷箇所を回避して走行したした際の走行データを. 回避波形と同様な波形が得られていることがわかる.この. 収集した.被験者は 20 代男性 6 人でそれぞれ図 12 に示し. データと予備実験の結果から得られた知見をもとに路面損. た対象区間内の悪路を 10 回ずつ回避して走行した.実験. 傷位置推定アルゴリズムを設計する.. ⓒ 2017 Information Processing Society of Japan. 5.

(6) Vol.2017-ITS-68 No.6 2017/2/28. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report 表 4 ピーク検出手法の公道データ適用結果 ライダー 回避位置での検出数 検出漏れ数 誤検出数. ライダー. ライダー 1. 1. 9. 0. ライダー 2. 4. 6. 1. ライダー 3. 6. 4. ライダー 4. 1. ライダー 5 ライダー 6 合計 表 5. 表 6. ピーク検出手法の公道データ適用結果 (w=1.5) 回避位置での検出数. 検出漏れ数. 誤検出数. ライダー 1. 1. 9. 8. ライダー 2. 10. 0. 5. 0. ライダー 3. 10. 0. 0. 9. 6. ライダー 4. 3. 7. 14. 3. 7. 2. ライダー 5. 3. 7. 8. 5. 5. 2. ライダー 6. 9. 1. 3. 20. 40. 11. 合計. 36. 24. 38. ピーク検出手法の公道データ適用結果の評価指標 精度 (precision) 65.6%. 表 7. ピーク検出手法の公道データ適用結果の評価指標 (w=1.5) 精度 (precision). 48.6%. 再現率 (recall). 34.4%. 再現率 (recall). 61.1%. F値. 45.2%. F値. 54.2%. 3.5 従来の回避動作検出による穴検出アルゴリズムの評価. なった.これは 80m という短い区間の実験コースでの少. 提案手法と比較するため,先行研究で提案されたピーク. 人数での実験結果によってパラメータを決定しており,パ. 検出手法と理想波形比較手法の 2 つのアルゴリズムについ. ラメータや特徴量の設定が不十分であったことが原因であ. て公道で取得したデータに適用し評価する.. ると考えられる.. 3.5.1 ピーク検出手法の公道実験データへの適用結果. 3.5.2 理想波形比較手法の公道実験データへの適用結果. ピーク検出手法を公道での実験データに適用した.パラ. 理想波形比較手法を公道での実験データに適用した結. メータは先行研究と同様に Th1=40,Th2=2,w=0.75 とし. 果を図 16 ,表 8 - 9 に示す.従来手法の提案時点とは. た.その結果,回避動作を検出した地点を地図上にプロッ. Bikeinformatics で使用しているセンシングユニットの運. トしたものを図 14 に示す.また,各ライダー毎の試行に. 動データの Z 軸の向きが異なるため,ここでは図 3 の理想 波形の正負を反転したものを作成し,使用した.また,畳 み込み演算の結果から回避動作を検出するための閾値は先 行研究と同様に 60000 とした. ピーク検出手法に比べて 多くのライダーのデータについてまんべんなく検出できて. 図 14. ピーク検出手法検出地点. 対する検出結果を表 4 にまとめた.これにより求めた精度. (precision),再現率 (recall),F 値を表 5 に示す.また,よ り多くの波形を許容できるようにウィンドウサイズを大き. 図 15. ピーク検出手法検出地点. くし,w=1.5 として再度検出を行った.結果を図 15 表 6 -. 7 に示す.パラメータをチューニングすることで再現率や F 値を上げることができた. 先行研究のピーク検出手法では,実験コース内での直線 実験結果に対しては精度 94.4%,再現率 100%であり F 値 は 97.1%であった.しかし,今回の実験データに対しては ライダー 2,3,6 に対しては高い検出率を出しているが, 全体の半分以上の試行で検出漏れがあり,誤検出も多い. パラメータをチューニングすることで再現率と F 値を上 げることができたが,それでも 50%前後であり,精度は. 50%以下であり,それでも性能が良いとは言えない結果と ⓒ 2017 Information Processing Society of Japan. 図 16. 理想波形比較手法の検出地点. 6.

(7) Vol.2017-ITS-68 No.6 2017/2/28. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report 表 8 ライダー. 理想波形比較手法の公道データ適用結果 回避位置での検出数 検出漏れ数 誤検出数. ライダー 1. 6. 4. 0. ライダー 2. 7. 3. 0. ライダー 3. 9. 1. 0. ライダー 4. 0. 10. 18. ライダー 5. 3. 7. 1. ライダー 6. 8. 2. 0. 合計. 33. 27. 19. 表 9. 理想波形比較手法の公道データ適用結果の評価指標 精度 (precision) 63.5% 再現率 (recall). F値. 55% 58.9%. 図 18. 新ピーク検出法フローチャート. こととし,多くのデータを基に路面損傷位置を検出すると いう検出手法の特性から第二種過誤である偽陰性の結果, つまり回避動作の検出漏れが少なくなることを重視してア ルゴリズムを考える. 図 17. 検出対象とする回避動作時のヨーレート波形. 4.2 新ピーク検出手法 いる.しかし,ライダー 4,5 についてはピーク検出手法と. 新ピーク検出手法は先行研究のピーク検出手法を改良し. 同様に検出率が悪く,全体の評価結果も精度,F 値はピー. て,本研究の予備実験をもとに閾値を定めて回避動作を検. ク検出手法に比べて上がっているものの,大きく変わらな. 出する手法である.予備実験で得られた知見をもとに回避. いことがわかる.. 動作後半の元の車線に戻る動作とその後元の進行方向に向. 4. 路面損傷位置検出を目的とした回避動作検 出システム 4.1 アルゴリズム設計方針. き直る動作の 2 つのピークに着目して,小さな区間に区 切って区間内の波形の特徴量を使って複数の閾値によって 回避動作を検出する.図 18 にこのアルゴリズムのフロー チャートを示す.閾値は 3 つあり,加えてウィンドウサイ. 先行研究での 2 つの手法では設計に使用されたデータ数. ズ w がパラメータとして与えられる.まず,従来のピー. が少ないために,考慮されていない要素が多く,公道での. ク検出手法と同様に一定のウィンドウサイズで区切り,そ. データから全てのライダーの回避動作を検出することは困. の中で最大値と最小値,そしてそれぞれの時刻を求める.. 難であることがわかった.そこで今回の二輪車の回避動作. Th1 で大小のピークの差の絶対値で区切ることでその他の. の調査の結果得られた知見をもとにこれらの手法を改良し. ピークの小さな波形と切り分ける.そして Th2 で最大値. て新たなアルゴリズムを提案する.. と最小値の絶対値が大きくなりすぎないようにする.これ. 調査の結果,回避動作は想定したとおり一度手前で進路. は,旋回や右左折時には,ほとんどの波形で 50(deg/s) を. を変更して通過し,再度もとの走行位置に進路変更を行う. 越えるヨーレートが出ているのに対して,回避動作はピー. といった動作を行っており,ヨーレートの値は図 8 のよう. クが小さく高々 30(deg/s) 程度であることが予備実験や公. に一度正に振れてから負に振れ,最後にまた正に振れると. 道での実験データによって得られた事によるものである.. いう 3 つの山を持つような波形を描いていることがわかっ. そして最後に Th3 によってピーク間の距離の下限を決定. た.また,一連の回避動作の中でも回避後の元の車線に. する.これによって路面の影響などによる周波数の高い動. 戻ってくる動作について試行毎の差が小さいということが. 作との切り分けを行う.これをウインドウをずらしながら. わかった.そこで,ここでは 17 の網掛け部分で示したよ. 適用することで回避動作を検出する.Th1,Th2 の単位は. うな穴回避動作の 2 つのピークを持つような波形の検出を. (deg/s) ,w と Th3 の単位は (s) で与えられる.また,何度. 行うようなアルゴリズムについて考える.. も同じ動作を検出しないために回避動作を検出した場合,. 本研究の目的は同一地点の複数の走行データから統計的. ウインドウをウィンドウサイズの 2 倍スライドさせる.予. に路面損傷位置を推定することであるため,リアルタイム. 備実験によって得られた回避動作の 2 つの波形の特徴量の. で回避位置を求める必要はない.解析はオフラインで行う. 平均値や公道での回避動作の波形を利用して各パラメータ. ⓒ 2017 Information Processing Society of Japan. 7.

(8) Vol.2017-ITS-68 No.6 2017/2/28. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. は w=1.5,Th1=15,Th2=30,Th3=0.5 とした.. るが,相関係数は-1 から+1 の範囲に正規化された値を得. 4.2.1 新ピーク検出手法適用結果. ることができる.そのため各試行間での値の比較が容易に. 先行研究のピーク検出手法と同様に公道での実験デー. 行えると考えられる.理想波形は図 20 のような波形を予. タに適用し,検出地点とその精度について図 19 ,表 10 -. 備実験データから得られた 2 つの波形のピークの大きさや. 11 に示す. 図 19 からは全体的に誤検出が分布しており,. 周期から sin 波を使って作成した.従来手法と同様に各時. 図 20. 図 19. 回避終了時にもとの走行位置に戻る動作の理想波形. 刻からの理想波形との相関係数を求め,その値が閾値を越. 新ピーク検出手法検出地点. えた地点を回避動作検出位置として検出する.. 表 10 新ピーク検出手法の公道データ適用結果 ライダー 回避位置での検出数 検出漏れ数 誤検出数. 4.4 新理想波形比較法適用結果. ライダー 1. 10. 0. 2. に示す.回避動作を検出するための相関係数の閾値は 0.1. ライダー 2. 10. 0. 8. とした.従来の理想波形比較手法に比べて性能は良くなっ. ライダー 3. 10. 0. 0. ライダー 4. 3. 7. 9. ているがライダー 4 の回避動作を検出できておらず,新. ライダー 5. 10. 0. 1. ライダー 6. 9. 1. 2. とがわかる.しかし,この手法では閾値による 2 値の出力. 合計. 52. 8. 22. ではなく-1 から 1 の間に正規化された数値で出力されるた. 公道での実験データに適用した結果を図 21 ,表 12 - 13. ピーク比較手法と比較すると全体的に性能が劣っているこ. め,複数のデータを集計して地点ごとの合算や平均値を求 精度が悪いように見えるが,従来手法に比べて精度,再現 率,F 値の全ての項目で従来手法から大幅に向上している 事がわかる.特に再現率を重視してパラメータを決定した ため,検出漏れは非常に少なくなっている.本研究は,路 面損傷位置を回避しないライダーも存在する中で路面損傷 位置推定するためになるべく多くのサンプルを必要とする ため.検出漏れを抑えたい.そのためこの結果は本研究で は有効であると言える.. めることで全ての試行のデータを余すことなく利用した路 面損傷位置推定を行うこともできると考えられる.. 4.5 考察 従来の 2 つの手法では,ライダー 1,ライダー 4,ライ ダー 5 について回避動作検出の性能が他の 3 人に比べて低 いという結果となった.これはこの 3 人の回避動作のヨー レートの波形の振幅が小さいことが原因であると考えら れる.先行研究で行った実験では回避する動きを限定して パイロンを大きく避けるような動作を収集しているため,. 4.3 新理想波形比較アルゴリズム 本アルゴリズムは従来手法の理想波形比較手法をもとに 理想的な回避動作の波形を作成し,各点での作成した波形 との比較を行って回避動作を検出する手法である.この手 法では理想波形を新たに作成すると同時に比較に使用する 値を畳み込み演算の結果から相関係数に変更した.求めら れる値の傾向は畳み込み演算の結果も相関係数も同様であ 表 11. 新ピーク検出手法の公道データ適用結果の評価指標 精度 (precision) 70.3% 再現率 (recall). 86.7%. F値. 77.6%. ⓒ 2017 Information Processing Society of Japan. 図 21. 新理想波形比較手法の検出地点. 8.

(9) Vol.2017-ITS-68 No.6 2017/2/28. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report 表 12 ライダー. 新理想波形比較手法の公道データ適用結果 回避位置での検出数 検出漏れ数 誤検出数. ライダー 1. 8. 2. 0. ライダー 2. 9. 1. 0. ライダー 3. 10. 0. 0. ライダー 4. 1. 9. 21. ライダー 5. 6. 4. 7. ライダー 6. 10. 0. 0. 合計. 44. 16. 28. 表 13. 新理想波形比較手法の公道データ適用結果の評価指標 精度 (precision) 61.1% 再現率 (recall). 73.3%. F値. 66.7%. ヨーレートの波形は大きく,検出アルゴリズムの検出対象 となっている波形も大きなものとなっている.そのため, ピーク検出手法では小さすぎる波形を捉えることができず, 比較的小さな動作で回避を行った 3 人のライダーについて 検出性能が低下してしまっている.また,周波数の高い路 面の影響による動作などを許容できておらず,誤検出も多 くなってしまった.理想波形比較手法では,波形の振幅の 違いよりも周波数などの波形全体の形が重視されるため, 波形の振幅の違いについてある程度許容できており,ライ ダー 1 についてピーク検出手法よりも良い結果が得られて いるが,本研究の予備実験で得られたように回避をし始め る 1 つめのピークの位置や振幅が不安定でまちまちである ために,全ライダーで検出できていない試行があった. 新たにこれらの手法を改良して設計した 2 つのアルゴリ ズムでは,全体的に性能が向上しており,新ピーク検出手 法では精度 70.3%,再現率 86.7% という高い性能が得られ た.新理想波形比較手法では,精度 61.1%,再現率 73.3% という結果が得られた.これは新ピーク検出手法に比べる と低い性能であるが,従来手法よりは高い性能が得られて いる.そして,相関係数という-1 から+1 の間に正規化さ れたのみを用いて検出しているので,閾値による 2 値の検 出だけではなく重みを持たせた検出が行えるため,地点ご との合算や平均値を取ることによって全てのデータを活か した統計的な路面損傷位置の推定を行えると考えられる.. 5. まとめ. 本研究は,JSPS 科研費 26330102 (基盤研究(C)「二 輪車の車体運動センシングシステムの研究」)の助成を受 けたものである. 参考文献 国土交通省 社会資本整備審議会 道路分科会 道路メンテナ ンス技術小委員会,“道路のメンテンスサイクルの構築に向 け て,” http://www.mlit.go.jp/common/001000130.pdf (参照 2016-12-28). [2] 株式会社シーポイント,“浜松市土木スマホ通報システム いっちゃお!,” http://linkz.jp/icchao.html (参照 201612-23). [3] 千 葉 市,“ち ば 市 民 協 働 レ ポ ー ト ち ば レ ポ,” https://chibarepo.secure.force.com/ (参照 2017-02-03). [4] 国 土 交 通 省 道 路 局,“舗 装 点 検 要 領( 平 成 28 年 10 月 ),” http://www.mlit.go.jp/road/ir/ircouncil/pdf/yobo28 10.pdf (参照 2016-12-28). [5] 日刊工業建設新聞,“総務省/性能劣る路面管理新システ ム/測定車に及ばず、14年度実証結果で判明 [2015 年 4 月 10 日 2 面],” http://www.decn.co.jp/?p=26315, (参 照 2016-04-01). [6] Mednis, Artis, et al. “Real time pothole detection using android smartphones with accelerometers.” 2011 International Conference on Distributed Computing in Sensor Systems and Workshops (DCOSS). IEEE (2011). [7] Eriksson, Jakob, et al. “The pothole patrol: using a mobile sensor network for road surface monitoring.” Proceedings of the 6th international conference on Mobile systems, applications, and services. ACM (2008). [8] 八木浩一, “自動車のばね上観測加速度からの路面縦断プ ロファイルの推定とその精度検証,” 土木学会論文集 E1 (舗装工学), Vol.69, No.3(舗装工学論文集 第 18 巻), I1-I7,2013 [9] 池田拓哉, 東嶋奈緒子, “国際ラフネス指数の計測方法に 関する研究,” 土木学会舗装工学論文集第 3 巻, pp.9–14, (1998). [10] 一 般 社 団 法 人 日 本 自 動 車 工 業 会,“世 界 各 国 / 地 域 の 二 輪 車 保 有 台 数,” http://www.jama.or.jp/world/world/world 2t4.html (参照 2016-02-02). [11] 木谷 友哉, 久保田恭 輔, 高田宏輝, 神村吏, “二輪車の車体 運動解析および二輪車による道路路面調査のためのセン シング機器の設計と試作,” 情報処理学会マルチメディア, 分散, 協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム論 文集, pp.36–43,(2014). [12] 宮崎雄也, 神村 吏, 菱本圭亮, 木谷 友哉, “二輪車車体運動 センシングデータを用いた路面損傷箇所の検出手法の提 案,” 情報処理学会 マルチメディア, 分散, 協調とモバイ ル(DICOMO2015)シンポジウム論文集, pp. 1350-1358, July 2015. (ホテル安比グランド本館&タワー館(岩手県 八幡平市安比)). [1]. 本稿では二輪車の車載運動センシングデータを用いて予 備実験によって得られたデータから先行研究で提案された 検出手法を改良して 2 つの路面損傷位置推定手法を提案し た.公道での走行実験データを用いて評価を行った結果, 先行研究における 2 つの手法の結果に比べて高い性能が得 られたことを示した.統計量を用いて多数のバイクの走行 データから路面の異常検出に応用が期待できる.. 謝辞 ⓒ 2017 Information Processing Society of Japan. 9.

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図 10 回避時の走行軌跡 表 2 回避動作のヨーレートのピーク値の平均 ライダー 戻る動作 向き直る動作 2 ピーク間の (deg/s) (deg/s) 時間間隔 (s) ライダー 1 -13.905 7.993 1.384 ライダー 2 -10.141 11.657 0.869 ライダー 3 -15.045 12.542 1.407 ライダー 4 -13.732 13.830 0.989 平均 -13.206 11.505 1.162 ㊰㠃ᦆയ⟠ᡤ 図 11 実験対象区間 れをもとに回避動作の元の車線に
表 4 ピーク検出手法の公道データ適用結果 ライダー 回避位置での検出数 検出漏れ数 誤検出数 ライダー 1 1 9 0 ライダー 2 4 6 1 ライダー 3 6 4 0 ライダー 4 1 9 6 ライダー 5 3 7 2 ライダー 6 5 5 2 合計 20 40 11 表 5 ピーク検出手法の公道データ適用結果の評価指標 精度 (precision) 65.6% 再現率 (recall) 34.4% F 値 45.2% 3.5 従来の回避動作検出による穴検出アルゴリズムの評価 提案手法と比較するため,
表 8 理想波形比較手法の公道データ適用結果 ライダー 回避位置での検出数 検出漏れ数 誤検出数 ライダー 1 6 4 0 ライダー 2 7 3 0 ライダー 3 9 1 0 ライダー 4 0 10 18 ライダー 5 3 7 1 ライダー 6 8 2 0 合計 33 27 19 表 9 理想波形比較手法の公道データ適用結果の評価指標 精度 (precision) 63.5% 再現率 (recall) 55% F 値 58.9% 図 17 検出対象とする回避動作時のヨーレート波形 いる.しかし,ライダー 4
表 12 新理想波形比較手法の公道データ適用結果 ライダー 回避位置での検出数 検出漏れ数 誤検出数 ライダー 1 8 2 0 ライダー 2 9 1 0 ライダー 3 10 0 0 ライダー 4 1 9 21 ライダー 5 6 4 7 ライダー 6 10 0 0 合計 44 16 28 表 13 新理想波形比較手法の公道データ適用結果の評価指標 精度 (precision) 61.1% 再現率 (recall) 73.3% F 値 66.7% ヨーレートの波形は大きく,検出アルゴリズムの検出対象 となってい

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