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電子計算機による自動制御系の最適設計

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∪・D・C・る81.322.0る:d2-503.3.001.2〕:d21.77ト531.る_52

電子計算機によ

る自動希御系の最適設計

Optimum

Deslgn

Of

Automatic

ControI

With

the

Aid

of

DigitalComputer

l=this paper′=tilizatio=Ofdigilarcomp=terSi=OPtimumdesignof∂UtOmatic

COnt「OIsystemsis discussed.DDS(DigitalDvnamics Simul∂tOr)and DDS-OPT

(DDS Optimization Versio=)are problem-0riented softwaresespeciaIIysuitedfor thea=alys■Sa=ddesig=Ofautomaticco=trOIsystems・Theoptimumdesig=Ofhot

St「ipm=cont「oIsvstemsuslngthissoftwareispresented.

DDSisa kind ofblockdiagramsimulatoren∂bli=gthe=SertOeaS--YCOmPUte

the「espo=SeOftheco=trOIsystemifthestructureoftheco=trO-systemisglVenin

the form of==mericaltabIes・DDS-OPTis∂DDS∂PPe=dedwiththefunctionof

OPtimizationmode・lnthismode.designp∂「∂meterSareaUtOm∂lically∂djustedto

Obtai=OPt■mum「eSPO=Se・As the method of searchi=g the optimum point.a

Parallelta=ge=t methodis=Sedin the DDS-OPT・Bv thisse∂rChing method′the

==mbe「of「equi「edsearchesimre∂SeSO=lyabo=tPrOPOrtio=allytothenumberof designparameters.

T;nhotst=Pm‖co=t「OIsystemisstudiedtoopt■mizedesig=Par∂meterSUnder thecui▲ISt「aintsonimp∂Ctdrop.recoverytime,Offseterrorandmotorcurrent.The

Pe「forma=Cei=dexis de†i=ed as thesum oftheabsoh+teerrOr∂=d the

pen∂■tv

Va山es.Thesepena什yv∂luesaredefinedastheexcessv∂山esovertheconstraintsof

the design

object・The

opt■mum designsareexecuted with2design parameters′ With6desig=Pa「ameterS∂=dwithcha=g■=gtheco=ditionofthedesig=CO=Str∂hts.

The comp=te「desig=g-VeS better per†0rma=Ce tha=thedesign aided bv hum∂n

decisions. n

言 自動制御系の解析,設計にはアナログ計算機,ハイブリッ ド計算機がよく利用される。ディジタル計算機の速度向上に 伴い制御系を非線形系として詳細に解析,設計を行なうこと が可能となってきている。本論文では,制御系のブロック線 図を数表の形式で記述すれば時間応答が容易に計算できる

DDS(DigitalDynamics

Simulator)と,これに最適設計

機能を付加したDDS-OPT(DDS

Optimization Version),

応用例として圧延機制御系の最適設計について述べる。DDS は昭和43年より日立製作所内の多くの設計,研究部門で制御 系の解析.設計に使用されているが,アナログ計算機より1 けた以上少ない時間で制御系の記述ができ,また非線形性を 考慮して制御系を扱えるので現場における調整時間の短縮, 問題の生じ方の減少などの効果が得られている。DDS-OPT は計算機で自動的に最適設計を行なうものであるが,多数の 設計パラメータの最適点を求めること,制御系の性能を定義 する評価関数をどのような形にするかが問題である。最適点 の探索に関してはパラレル タンジェント法を用い設計変数 の増加に対してもほぼ比例的な探索回数の増加で良い方法を 用いており,評価関数としては現実の制御系における設計目 標の概念を考慮した一つの提案を行なっている。圧延機制御 系の設計例では設計者の判断による設計より良い結果が得ら れている。

制御系の解析(動特定の解析)ではIBM(International

SYStemS

三巻達夫* 水野雄弘** 春名公一*** 並木成之*事** 7t上/.9J川+W/7.=J仰Jん/ 斤(J土方比ん/γ†JJVJヱ〃〃/ノ 〟∂∫ぐムJ■〃〃γ〟r= 5ム/ク(′yTJ如 几bmパ・J■

Business Macbines Corporation)のCSMP(Continu()US

Systems Modeling

Pr叩ram)がよく利用されてJiり、わ

が国にも若干の開発があるが1)(2),DDS-OPT(3)のような帖 通設計を行なうソフトウェアはまだ開発されてし、ない。Fトt 製作所は,昭和46年アメリカ航空宇宙局とソフトウェアグ)交 換を行ない,本DDS-OPTは同航空宇宙局ライブラリに_て茫卓二長 されている。 同

DDS(DigitalDynamics

Simulator)

DDSはブロック線図で表現されたシステムを数衷の形で 記述すれば時間応答が容易に得られるソフトウエアである.. DDSの入力情報を大別すると下記の二つに分けられる、.

(a)ブロック線図情報

(b)DDSジョブ

コントロール情報 ブロック線図情報は,表1に示す約60椎の要素を組み介わ せて制御系の構成を記述するもので,普通の線形/非線形系, むだ時間を含む系,サンプル低利御系,論f里判断機構を介む 制御系,パラメータが計算結果により変化する系などを拭う ことができる。ジョブ コントロール情報はブロック緑川怖報 で記述された制御系の時間応答の解法を指定するもので,洋 通のラン,応答を接続Lて解〈、パラメータを自動F小二変え て数種の応答を求める,一最適設計と四つのモ椚ドを有してし、 る。穀後の最適設計モードはDDS▼OPTの機能である。表2 事日立製作所システム開発研究所工学博士 =日立製作所大みか工場 *…日立製作所システム開発研究所 ****口立製作所小史研究∫i朽 31

(2)

電子計算横による自動制御系の最適設計 日立評論 VO+.55 No.8 794

表I DDS要素一覧表 制御系のブロック線図の情報をこのDDS要素を用いて記述する。ブロック要素の

数にほぼ等Lい枚数のカード情報が準備される。

Tab】e l List of DDS Elements

要素 番号 形式 内容

要東

番号 形式 内容 】要素 番号 形式 内容 要素 番号 形式 内容 要素 番号 形式 内容 l 1

時l

間 1 】 Time Ok t :23 11 Wel帥ted SUM 】 0=川+A(11)+帥2)+ Cく13) 】 36 DeadZo[e 0[0†f DLlrOR OL・+【DR l

l

l

芸』

51 Conslant Powe「 0=K*(L)A十C 特 70 DeadT・me O=小一∩△)

3 Step

由二

演 算 要 素 24らGAIN O=K*(l)+C 37 HysterlSIS HL OR

52、

l 〉ariable 0=K*川(Ll)+C 72

吉訪吉品-0=SVF〔(l)〕

閏 数 要 素 lnPUt Ct

Ct A7B 岩Ct 0n of† OL HR 素 Powe「 要 素 Fu[Otjon n……Numbe「ofda†a 4 5 Ramp input

25iA芸TF㌫】C

0=㌔畏:㍑工呂…:王≡呂

38 F「】Ction 「 ̄△ナFT†JO 58 (り巾l)>(Lり MAX O二(11)1f州)>川 73 ら

冒2悠一芸0=D〉F〔川・州

Fun帥0nn.mNumberofdat∂ Sinusdal WaVel叩Ul 26 MULT 0=K*(l)*川)+C 関 数 要 素 40 SIN 0二K*SIN(l卜C ≡59 l M】N

0=‡■【ミ)'.ii■トミ)三吉J;)

0=1州)≧0 Ol吋)<0 :sa叫e△ 75Hold t

760uantjze鵠。

l

‥0

= お K !丁 K.1C K,T、IC

i27

ComplexMUJT

】0=A(1)十B(.1)柵 *い3)*‥4) 41 44 COS SQRT 0=K*00S(り十C 論 理 要 素 60 l l叩Ut S州tCh lK 1十Ts 28 J 弓DlV l l 【

≡0=K州(‖)十C

】 0=Kれて汀⊥C l

;61

AND l 0=(りAND(lり 特 殊 要 素 80 〕sers E【ement Mo.1 く れ 要 素 12 K S‥+Ts) K,T,1C,lC一

l29

Complex !DlV B*川)*い2) 45 ABS 0=K*・ノ刑+C l 62 OR 0=川0「(tl) 81 Users Element

No・21

0=叫)十t(t3)*‥4)〕 13 l K (什「柑州†T25〉K,Tl,丁2,lC,】C′ 非 線 形 要 素

l30喜satu・at・0∩

S+lK。 KllsR 46 LOGlO 0二K*10g川(り十C l

≒63

ExcIu引〉eOR 0=(t)ExO叫l) 】 82 usersl Elementl 1N83 14 K K,山九.ぐ,lC,lC′ 】31 DBadZone D+lノKR KL′lDR 47 LOGE 0=K*10g`(1)十C 64 l NOT 0=Not川 83 Use「S Element lNロー4L 20 ADD 0=(り+(11)+C 0=(l)-(11)←C 32 33 Hysle「isIS L +一 B「Oken l+[e (SymmetrlC) Hし HR 48 EXP 0=K*e‥)十C 0=K*-。=けC l 65 Output Sv山chl 0=(11)十C州)二10十Cif(り=0 87

Reso・ve・1】呂ミミ■三)(ヲ1て三三s(l)

21 SUB

三七ニー戸--lXlX2×3 49 EXPlO ⊆66 1

∼㌶ミEごt2

】 0=‥1)十C仰)=1 (12)十C州1=0 88 Re$OIver20二∨√押了1120十1=t∂n ̄1い1)′`(L) 22 十-・一-SUM P=川+(11)十‥2)+(旧)い4ト(15ト(16) ;

!35

l 0n off L_OR OL``1 50 ATAN l 0=K*ta[ ̄l川‡C l 68 lparameter Mod巾 Constanto=)[Umbe「elem8nt

C(A)-川 89 TeTmlnate Stop(i)≧(11)

表2 二次線形制御系解析のDDSチ ータ DDS使用の簡単な実例。二の例で はブロック繰図情報の次に解;去とLて,固定 ステップ幅積分方式で時間応答,位相面応答 の記錦をし,次に可変ステップ幅積分方式で の記嘉桑,最後にゲイン定数t.0∼2.0を0.2お きに変えて6とおりの応答を指示している。

Table 2 DDS Data for AnalYSis of Seoond Order Linear ControISYStem

120 十 121 1.0

l122

1 1+s

123卜

12。1三5

32 l 0 M C, C C. C, C- C.. コメント Nq 1【 l l8 l 「 16 ≡2斗 32 .4q l l48l■ l l:56 l!l l ll :64 l l72 毛0 】 巾 l 2卜 L l l l !ll l l l ll l l 喜弓ll ll l l 「 l l 2 [lx.1M p【+ E 1 l l L l 】 l l l ll タイトル印字 3 TH E A N A + YS 巾 l0 F SE C 0 NlDl q Rip!巨R■ + lN E!ARl・CO・N 丁 RL口】+ s弓Y S T EMl 1 ll ll l l l l 1】 l 4 11 l l l l l l l l l ll l l l LL l l l 】 一人占手械イ占 5 12 l 6. l l l 11 _l l l 1i l 弓L Lち l l 6 l l 1 】2!0 3 l 1 1 l L ;l l l l l l l l l l l l 1 l7■。■ノク■絹■回l 7 1如0 12 1 l 21弓 l l;2 l 1 l l l l ll 弓1\ l 再 \+ 8 1l21 i 12 2と, 24 1l-.妄■ l l l l l l lLl l l 9 12 2 l =2 3 1】 l l 1 1 1 l l l l 11 l L. 10 12 3 12 4 10 l L 1l l l■ Ll l ll l l l 11 12 3 1 =2 5 24 l ll.・;l l l ll l l l l ll l. 12 15 l l l l l l !l 計馴頁序づけ 13 17 1 l ■l: l l l l l l ヰ 準運 用 14 †8 0≧ l l l l l l. l l l l 計 】 貿 l l 紆 l 了 l 件 15 10 l 1‡ 十 l ・「 ̄ i l l l l 16 】g 【 ol! l ≒ l l l = 】 積分時間幅. 】7 Ol- 0 5 1 l l l L ll l l 【1別 速 18 2∃0 2; 】 l l 出カメ.モ.リ 19 0 1 】 0 【l 12 1 lL l:25l・il l l 】 11 l 】 l 20 2 2 l 巳l l lll l L l l l l l 計算実行指令 1 2 4 2 L ■l li 】 l 1 L l l l 7■.ロ/ソト指令 2 0 1 ll2■1 l l 2 5 ll■ 】 1 時間 3 巾 1 1 2 !5 ll l ll l l l L l ト l Ll l 位相面応答 l l 4 5 】9 l 3 一 l l l l 1 L l ll ■井喜分時間幅自動詞 2 2 l ll l 言十算実行特車 6 2 4 2 ■ l ll l l l 1 l 7 0 l 12 1 1 1 2 5 l l l 7Yロット指令 B 12 1 l 1 2 5 i= ll ll l l l 】 l l 9 1 6 l 1 1 ll;学 !ll■ l l 1 】 ll【 パラメータ変 10 5 3 l 1 1 2 ll l l ;■ :■l! l l ゲイン定数変軍 11 2 2 l l l l ll l l l 軒算実行指令 12 2 4 l 2 l l l l l l l 1 l l l1 ll 13 0 1 1 F L 1 2 l l 1 2 5 l l l l L プロ.ット指令 14 l 1 2 1 1 2 5 l l ll l l1 1 【llL l 15 1 7 3 【 .1 l

1

l l l l 1 l 1 L l ハ7メ=タブン 運用 ‖) 5 3 l l l 2l・■l 0 _;2; l l l l 17 2 2 】 l l l l L1 l 】 パラメータラン 18 2 4 l 2 l l l l l l l 】∃ ケイン定数 19 0 1 † 2 l 1 2 5弓】 l l ll ll ` l l l 】 l l l 1】 l 20 2 3 l l 】l l l l li l .1蔓 l 】 ≦ 【 Fl Ll l DP守甲7 l

(3)

電子計算機による自動制御系の最適設計 日立評論 VOL.55 No.8 795 一兵 は簡単な制御系のDDS入力情報の例を示すものである。計 算結果の一例は図1に示すとおりである。ほかに位相面応答 を記録することも可能であり,またⅩYプロッタを用いる高 精度の図形記録も可能である。 DDSの機能としては,

(1)ブロック線図の部分訂正機能:制御系の構成の部分的な変

更も処理できる。(2)計算ステップ幅の自動調整:計算誤差を

一定範囲内に調整しつつ計算を進める機能。(3)計算順序づけ

の実行:使用者がブロック要素を任意の順に記述しても計算

機が正しい順序づけを行なう。(4)初期演算の実行:微分方程

式の繰返し計算の前に1回の初期計算を行ない計算を早める 機能などがある。DDSの使用法の詳細は他の資料(4)を参照 されたい。 l田

DDSにおける積分方式

DDSは可変ステップ叩副責分方式をj采用しており,積分誤 差を一定の範囲内に調整しつつ計算が進められる。可変ステ 図l 二次線形制御系の応答のラインプリンタ 図形記三録(時間応答) ラインプリンタの時間応 答の記録を示すもので,最大7個までの変数の記!緑が可 能であり,座標軸のスケールは;虔形の変動範固から自動 的に決定される。使用者がスケールを指定する使用;去も 可能である。

Fig.1Line P「mter G「aph of the Second

OrderJinear ControISystem(Time Response)

ップ幅積分方式の効果につし、ては文献(3)を参照されたい。 田 DDS-OPT 最適設計では制御系の構成を示すブロック線凶情報と,利 子卸系の評価関数の情報の両者が必要となる。評価関数は一+弛

に,/g(e,伽,f)d∼と制御偏差e,操作凱畔剛の関数であ

り,これはDDSブロック要素を組み合わせれば簡単に計算 できる。したがって貴通設計モードでは,ブロック線図の特 定の変数値(評価関数の計算値)を妓大/-拉′J、にすることでよ い。DDS-OPTで使用者が指定するものは,

(1)設計パラメータの個数

(2)評価関数の変数番号,最大/殻小の指定

(3)各設計パラメータとブロック要素との対応づけ:設計パ

ラメータの上下限値,最適探索の初期値

(4)その他,最適探索過程をコントロールするファクタ:探

索打切り回数,探索終了条件,黄金分割の担1数 などである。 33

(4)

 ̄最適探索モードではある設計パラメータの値で過i度応答を 計算し,これをくり返しつつ最適パラメータを探索するが,こ の過程では過渡応答そのものは記録せず,く り返し探索時の 設計パラメータの値,このときの評価関数の値のみ逐次記録 される。設計パラメータの数は本質的には制限はないが,本 DDS-OPTの標準では10変数までの最適設計が可能である。 8

DDS-OPTの最適探索アルゴリズム

最適探索手法で最も一般的なものは,最大傾斜法である。 これは等高線に直角に昇ってゆくものであるが,1回の探索 ごとに傾斜方向を常に求めるので試行の回数が増加するのが P., Pd ナノ2_′一 fJ3 fノ】 回2 最適傾斜法の収束およぴパラレルタンジェント法 最適傾 斜法は最大イ頃斜法に対しl変数の最適探索を行ない只,,PI,凸,…たの過程をた どる。パラレルタンジェント法はP‥汽の次に乃、,汽.の延長方向を次に探索す る。 Fig.2 Tangent

Convergence of Optimum Gradient Method and Pa「a】lel Method O g 8 6 5 4 ト00「 岬・

軍旗

(0_O17)

♂1し0う

由11

岬ゼ

(0.0152)(0.015柑り P418 19 電子計算機による自動制御系の最適設計 日立評論 VO+.55 No.8 796 欠点である。これを避けるため,最適傾斜法と称し図2に示 すようにP。点で最大傾斜方向を見つけたらその方向に梗値Pl まで進んでしまい,ここで最大傾斜方向を求め同じ過程を続 ける。この方法は最大傾斜方向を見つけたら,その方向とい う1変数の探索に置き換えて多変数の探索を行なうものであ るが,その欠点は極値に近づくと評価関数の改良される割合

が少なくなること去よび何回の最適傾斜で極値に収束するか

が不明な点である。ここで用いたパラレル タンジェント法は, 「すl変数の二次関数の二最適点は,互いに平行な二つのれ-1次元 の超平面と該二次関数との二つの交線上のそれぞれの極値を 結ぶ直線上にある+という原理に基づいている。れ=2の場合 には,図2に示すように最適点f㌔はP。,P2の延長上にある。 パラレル タンジェント法はこのように2回の最適傾斜探索と このP。,P2の延長方向の探索を行ない,次にこの点で(図2 ではf㌔)最適傾斜を行ない,これとPlを結ぶ方向を探索する。 パラレル タンジェントぎ去では評価関数が二次形式の場合は

(乃一1)回の延長方向の探索で極値に達することができ,二次

形式でない一般の場合でも変数の増加にほぼ比例した探索回 数の増加で最適点を得ることができる。設計パラメータの上 下限値はグラデイエント プロジェクション法により処理し, 指定した範囲内での最適探索を行なうものである。 図3は圧延機制御系の最適設計の探索過程を示すものであ る。ゲイン定数方,時定数rの二つの設計パラメータを,

(芸

:範囲:範囲 0.1∼30.00-0.1 初期値6.0初期値0.01 初期値P。より開始し,二重丸の最適設計値への収束状況を示

している。図中探索点の数(番号)は探索通し番号を示すも

ので,()内の数値は評価関数の値を示すものである。この2

変数の最適設計では,約100回の探索で最適点が得られてお り,後述の6変数の最適設計では,約300回で最適設計がな されている。 j)1 部)

ぜ㌘

(0.0149)

(0.015)恩54,

24 2125 31 32 (175) 33 23 22 18 ■ 1712 )13 (0.043) 27 2826 P5 0 5 10 fJ3 15 芹 20 25 図3 最適点の探索 圧延1幾制御系における2変数(〟,r)の最適点の探索過程を示す。月,よりスタートL パラレル タンジェント;去で二重丸の点に1挟束している。

Fig・3 Searchi=g Process of the OptimumPoi=t With 2 Desig=Pa「amete「s

(5)

電子計算機による自動制御系の最適設計 日立評論 VO+.55 No.8 797 100% トルク 電流オーバシュート

lオフセット

丁-「′■ [+つ± H卜… ≡り汀、=‥叫刊‥・。八射り ■りりい∴ .■.■.〆, ∨〓「+ 「1h [「〔=トリ ー▲[[〕 〔h、 ∼ 丁-‥∨ 「「∴〆い‖ 「+「 「「、jTR「コ+_ ;` ̄1 100% 電 流 (′つ \ ◆⊂〉 (8 3 インパクトドロップ 回復  ̄一時間 図4 設計目標 圧延横制御系では100%負荷変動に対L,インパクトド ロップ,電)充オーバシュートなど四つの性能が重要である。 越えてはならないという設計目標が与えられる。

Fig.4 Desi9n C「ite「ia

十 〟l=1275 T-=1 これらの値に対し 1

打2て丁子話

7 Å2=而・r2=0・002 →111.5e〟0・0017月 1+rg l十0.01β イー 竺トり: ノ]1∴..川++

′/一

′/ し 〔.「1し ′.「 「T卜>1「 \ \ / / 図6 設計者の判断による設計 圧延機の二つの設計パラメータ(ゲ イン定数および時定数)を設計者が適切に盲設計Lた過渡応答。負荷変動に対し 回転数のインパクトドロップ,電動機電流の波形を示Lている。

Fig・6 0ptimum Desi9=by Ma=ualPa「ameter Setti=g

諾ユ

61,5 (ベーススピー

ド,土

24.7(トップスピード) 61.5 (ベーススピード) 65.2×10ヨざ 山12.2「ad/-s 30.4rad/′s 24.7(トップスピード) 1+0.003ざ イー 図5 圧延機制御系のブロック緑匡l 圧延機ASR系のブロック繰回。高速・低速の条件で検討が行なわ れるが,標準では凡Tの二つの設計パラメータを調整する。

Fig.5 B10Ck Diagram of a Hot Strip MillCont「oISystem

l司 ̄ 圧延弓幾制御系の最適設計

圧延機ASR(Automatic Speed Regulator)系では,図4

に示すように100%負荷変動に対するインパクト ドロッフ: 回復時間,オフセット,電流の行き過ぎ量の四つが問題とな る。設計ではこれらの四つの値が設計目標として与えられる。 制御系は図5のg,r二つの設計パラメータを調整する。設計

者の判断による設計では,運転状態(高速,低速)および設

計パラメータの種々な値について検討し,∬=6.0およびr= 0.01に設定され,この場合の応答は図6に示すとおりである。 最適設計の評価関数は前述の設計目標も考慮し,またその 中に設計者が決めるべき定数値の数は少ないほうが好ましい。 すなわちここでは,

評価関数=Ⅳ〔e。,e.十びC。V。r〕+上Tole(榊

0.396 1十0.003ぶ

e-川er=上T〔max{一(e…机0}d汁片〔max

(一(e(∼)+〃),0)〕d∼

c`)Ver=上れ〔max{cいトエ,0}〕d∼

ここで,l呪 び:定数,r:回復時間,rO:過渡応答時間

。(∼):回転速度,C(f):電流,エ,〃,Ⅳ:定数

第1項は設計目標を満たさない量を示し,図7の時間関数 からの超過分に対し大きなペナルティ値Ⅳを乗じている。第 2項は通常の意味の制御系の評価関数である。計算機は第1 項をゼロにし,次に第2項も含めて最小にするように設計パ ラメータの調整がなされる。-▼一般的に表現すれば,設計目標 もしくは設計上押えたい値(たとえば,圧延機制御系で電動 35

(6)

蝶 紳 世 噸 叫r 図7 評価関数の制約値 最適設計のための評価関数は,設計目標を超 過する分に大きなペナルティを与えている。設計目標は本国のように電流およ び回転速度について時間関数を発生L,二の波形からの超過分を取り出Lてい る。

Fjg.7 Penalty Th「eshhold for the Performancelndex

「1「! ̄▼Tr コr「ちて仁「127ら咋■・㌧ノ 【 ト「、、iF■与]『ロト′1El[「=j「三.〕 ∩・、/′ † キ ・・・トキ ノ 図8 6変数最適設計の応答 計を行なった場合の過)度応答を示す。 ップ,電動機電流の波形を示Lている い応答が得られている。

Fig,8 0ptimum Design with 6

日粥Fロ三川礼コTN恥r?。三こr?ご浣TPR PLロ丁〔1し「 72.1 ご7

【1¶ ̄- ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「 ̄】 ̄丁 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「

i--エノキ干二∃

l

十一一十---+

l l___________l__ ■

エー----トト]

∴L___+軒________ラJ∴▲二+.⊥〔.

--トーーーーーートーーー十---HITqCト1IrENTRqL R〔l∴ し占与, 圧延機の6個の設計パラメータの最適設 負荷変動に対し匝ほ云数のインパクトドロ 。電流波形は許容値限度が与えられ,速 Design Pa「amete「s 表3 最適設計の性能比較 圧延機制御系でインパクトドロップなど四 つの値を種々な最適設計について示してある。左端の従来の設計は設計者の判 断による設計であり,計算機による最適設計で2変数,6変数となるにつれ性 能が改善されている。電圧.電流の変化速度も考慮Lた最適設計を右端に示L てある。

Table 3 Pe「fo「ma=Oe Of the Co=trOISystem Desig=ed by Va「ious Types of Optimum Design・

項 目 従来の 設計 最 適 設 計 電圧,電流,変イヒ 速度を加味した 最i薗例 2変数 6変数 設計目標 2変数 設計目標 インパクトドロップ(%) 電三充オーバシュート(%) オフセット値(%) 回復時間(芦) t.38 35 0.198 0.17 0.875 19.9 0,211 0.184 0.98 20.2 D.137 0.124 卜5 20 D.3 0.2 0.99 18.9 0_】9l 0.】8 卜5 20 0.3 0.2 電子計算機による自動制御系の最適設計 日立評論 VOL.55 No.8 798 機の印加電圧や電流の変化速度がある値を越えないように設 計する場合)は全部第1項に規準化して導人する形が好まし いと考えている(3)。 表3は,圧延機制御系で稚々な一最適設計を行なった結果を 示すものである。設計者の設計よりも2変数最適設計のほう がインパクト ドロップも大幅に改善きれ,電流行き過ぎ量も 制限依に入れた設計がなされてし、る。オフセット,回復時間 は若干大きくなっている。図8は6変数最適設計を示したも ので,さらに方1,方2,rl,r2を設計パラメータとして追加し たものであり,2変数の場合に比較し,インパクトドロッ71 電流値はやや悪いが設計目標値内にあl),むしろオフセット, 回復時間を大幅に改善している。図8は6変数最適設計の場 介の応答を示すものである。評価関数の値も2変数の場合よ り25%も改良されている。表3の右端は2変数最適設計で, 電動機印加電圧,電流の変化速度の制限を付した場合の設計 を示すものである。6変数こ敏速設計では速い応答を無理なく 実現しているので電圧値,電流変化速度もこれらの制限値内 にあるが,先の2変数最適設計では制限値は満足していない。 前記四つの設計目標にこれらの制限値を加え,六つの設計目 標値を置いて最適設計を行なえば,制限値を満足させる最適 設計を得ることができる。 l】

言 自動制御系もしくは非線形微分方程式で記述されるダイナ ミック システムの解析に便利な汎用ソフトウェアDDSを開 発した。DDSは多種の要素を内蔵し,多彩な運用,ステッ プ幅可変積分方式,結果の図形記録など高度な機能を有する ものである。制御系の解析,設計にDD Sを使用することは 問題記述の時間がアナログ計算機に比較し1けた以上少ない 時間で行なえること,また非線形惟を加味して問題を扱える ので現場における調整時間の頼縮や問題の生じ方が減少する という効果が得られている。 最適設計を行なうため,DDSに最適点の探索機能を付加 し複数の設計パラメータを上下限値の中で最適に調整する実 用的な手法を開発した。最適設計の具体的な応用としては圧 延機制御系を取りあげ,設計目標よりの超過分に対して大き なペナルティを与え,目標内にはいった場合には通常の意味 での最適を定義する評価関数の提案を行ない,従来の設計者 の判断による設計よr)良し-値,具体的にはインパクト ドロッ プで約30%,電i充行き過ぎ量で40%の改善を得た。 終わりに本研究にあたり,終始ご指導をいただいた日立製 作所システム開発研究所三浦博士,田上博士ならびに本DDS の応用に閲しご指導をいただいた日立製作所日立工場岩田部 長,同大みか工場斉藤部長,またDDSのⅩYプロッタ,最 適探索部分の開発にご協力をいただいた前記システム開発研 究所塩田,山根両氏に深く謝意を表わす次第である。 参考文献 (1)外山,松浦:ブロック線図のディジタル・シミュレーション・ システム・プログラム,第6回自動制御連合講演会,No.340 (1963) (2)的場:アナログ向き人力言語によるディジタル・シミュレー タ(MDAS),電気通信学会誌,49-7,1351∼1356(1966) (3)二巻,水野,春名,並木:電子計算機による自動制御系の最 適設計,計測と制御,11-5,455∼467,(1972) (4)DDS,7dログラム・マニュアル HITAC8400/8500,(1969)

参照

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