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最近のGMDHの方法論と応用

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(1)

白解説〔

,、サ 、警 や

最近の GMDH の方法論と応用

田村坦之・近藤正

1

.

まえがき 最近,システム工学は,環境問題,交通問題,資源問 題など現象が複雑で従来の専門科学のみによる取扱いが 困難な問題に対して,その問題解決への貢献が期待され ている.しかしながら,このような実システムでは,非 常に多くの変数やパラメータを含み,しかも,それらが 相互に結合しあっているために,専門分野の知識のみに 依存してシステムのモデリングを行なうことが一般的に いって困難である.ソ連のキエフ学派に属する A.

G

.

Ivakhnenko らによって提案された GMDH Il吋 '(Group

Method o

f

Data

Handling) は,このような複雑な構 造をもった非線形システムに対して,入出力データから 発見的自己組織化 (Heuristic self-organization) の原 理にもとづいてモデリングを行なう方法論を与えてい る. GMDH は,

i

)

数少ない入出力デ{タで非線形システムのモデリン グを手軽に行なうことができる,

i

i

)

システムの構造に関する先験的な情報を必要とする ことなく,モデル構造の自己選択が!可能で、ある, といった利点をもっているが,その反面いくつかの問題 点も含んでおり, 1968年に基本的 GMDH が提案されて 以来,数々の改良がなされてきた. GMDH の改良は, より適切な複雑さをもっモデ、ノレの構成の方法に関するも のと,モデノレの選択規準に関するものがほとんどであ る. GMDH の基本的概念である自己組織化の原理や基 本的 GMDH の構造に関しては,すでにすぐれた解説5) があるので,ここではこれらについてはふれず,おもに GMDH の実用的な面,つまり,基本的 GMDH のアルゴ リズムとそれに加えられた改良,および, これらの GM DH の実際問題への応用などについて解説する.

2

.

基本的 GMDH

システムの入力変数 (X"

X2

,

X

m

) と出力変数ゆと の聞に 。 =/(x" X2, ・ Xm)

(

-

)

1

0

4

という従属関係があるものとする. (1) 式をシステムの 完全表現式という.システムの完全表現式として,たと えば,多項式, Bayes 関数,周期関数,有理関数などを 用いた GMDH のアルゴリズム叫が,りが考えられている が,ここでは,その中で現在もっとも多く用いられてお り,利用価値の高い Kolmogorov-Gabor の多項式,

。 =ao+ 子 aiXi+ I: 子 aげiXj

+

I:I:I: aiikxixiXk+. …・

,

(2

)

J Ic を用いたアルゴリズム引,')について説明する.この多項 式は,原理的に 2 変数の組合せによる 2 次多項式(これ を部分表現式という), Yk=b

o

+b

1

x色 +b

2

Xj+b

3

XiXj+ ん舟 ;2+b

5

xl

k=I

,

2

,

m(m-l)/2

(3)

を仲介させることによって構成することができる.ここ で仇を中間変数という.以下に基本的 GMDH のアル ゴリズムを示す. 〔ステップ 1

J

システムの入出力変数を決定し,必要があればデ{タ の前処理を行なう. 〔ステップ 2

J

入出力データを,部分表現式(( 3) 式)のパラメータ推 定に用いる training データと,中間変数 (Yk) の選択 に用いる checking データの 2 組に分割する.分割の 方法は training データと checking データを交互に わける方法,あるいは分散の大きいデータを training データに,分散の小さいデータを checking データに わける方法などがよく用いられている. 〔ステップ 3

J

2 変数の組合ぜをつくり training データを用いて, 部分表現式のパラメータ b

o

b

1

,

...んを,最小自乗 法によって推定する. 〔ステップ 4

J

得られた部分表現式により, checking データに対す る自乗誤差, Nch

&Ch=

I

:

( ゆる -Yki)2

(4 )

(2)

を計算する.そして,この値が小さくなるものから順 に L 個の中間変数を選択(閥値的自己選択)し,残りは 捨てる. (4) 式を regularity criterion とよぶ .

N

Ch は checking デ{タの個数をあらわす. 〔ステップ 5

J

Xi=Y

i>Xj=Yj として再びステップ 3 と 4 の操作を繰 返す.このようにして 2 変数の 2 次多項式を多層に 積重ね, checking データに対する自乗誤差が改善さ れなくなったところでこの繰返し操作を打切る. これらの操作により,第 T 層を通過させて計算を終了す ると,出力変数併を,もとの入力変数に関する 2T次の 多項式によって構成したことになる.基本的 GMDH の ブロック図を図 1 に示す.ここで、述べたアルゴリズムで は,部分表現式として(

3

)式の 2 次式を用いているが, このほかに部分表現式として提案されているものを以下 に列挙する. (i) 次式の部分表現式

Yk=bo+blXi+b2Xj

(5) 部分表現式に l 次式を用いると,システムの完全表現 式もやはり 1 次式になる.

(

i

i

)

2 次の部分表現式 双線形の部分表現式として,

Yk=bo+b

,

Xi+b2Xj+b3XiXj

,

(6) 推定すべきパラメータの数を減少させる部分表現式と して, X

k

= 初旬 +(l -W)Xj W: 重み (7a)

Yk=bo+blXk+b2Xk2

(

7

b

)

が提案されている 8)

(

i

i

i

)

2 次よりも高次の部分表現式叫引

Xi=bo+blXi+b2Xi2

(8a) Xj=b

o

' 十 bt' Xj 十九'Xl

(

8

b

)

Yk=CO+C

,

Xi+C2Xj+C3

X.乙 Xj+C. X;"

+c

5

X

j 2 (8c) この式を用いると,第 T 層を通過した段階で,もとの 入力変数に関して 4T

次の多項式が構成される.

以上の議論から明らかなように,基本的 GMDH のアル 、 i2n E X -n h い 1 原データの分割 ll: 中間変数の自己選択 ill: 閥値の最適化 G: 部分表現式の発生器ー 図 1 基本的 GMDH のブロック図 1978 年 2 月号 ゴリズムには,

H

I

.

入出力データの training データと checking デ ータへの分割の仕方を決める,

H2.

各層で選択する中間変数の個数を設定する,

H3.

部分表現式の形を設定する, といった heuristics を含んでいる.このため,予測精度 のよいモデルを得るためには,これらの heuristics の最 適化を行なう必要があり,かなりの回数の GMDH の繰 返し計算を必要とする.さらに,基本的 GMDH にはつ ぎのような問題点が存在する,

L

I

.

同定されるモデルは 3 つの heuristics

HI

,

H2

,

H3 に大きく左右される.

L2.

部分表現式として 2 次以上の式を用いる場合,次 数が低くて,数多くの入力変数を含むモデノレは得 られず,入力変数の数の多いモデルは不必要に複 雑になりすぎる.

L3.

同定されたモデノレの training データに対するあ てはまりはよいが, checking データに対するあ てはまりは悪い. つぎに,これらの問題点を克服するために考えられて きた GMDH の改良点について述べる.

3

.

GMDH の改良 GMDH の方法論的な改良については,問題点 L2 を 克服するために部分表現式の構成の方法に改良を加えた ものと,問題点 L3 を克服するためにモデルの選択規準 に改良を加えたものがほとんどである.まず,部分表現 式の構成の方法のみに改良を加えたものを示す.

(

i

)

(

3

)式に,有意性の検定を用いた変数の逐次選択 法を適用して,部分表現式を構成するアルゴリス‘ム 10)• この方法では,

h

e

u

r

i

s

t

i

c

s

H3 は不必要になり,ま た,問題点 LI の一部と L2 が改善される.しかし, 部分表現式を構成する際に training データの情報だ けを用いるので,問題点 L3 は改善されていない.

(

i

i

)

checking データに対する自乗誤差が最小になる ように部分表現式の形を選択するアルゴリズム 11) この方法でも,

h

e

u

r

i

s

t

i

c

s

H

3 は不必要となり,問 題点 LI の一部と L2 が改善される.さらに L3 もか なり改善される.このアルゴリズムのブロック図を図 2 に示す. これらの 2 つのアルゴリズムでは,基本的 GMDH と 比べて完全表現式は非常に簡素化され,予測精度もよく なることが報告されている. つぎに,部分表現式の構成の方法とモデノレの選択規準 の両方に改良を加えたアルゴリズムを示す.

(

i

i

i

)

unbiasedness

criterion を用いる組合せ的 GM

1

0

5

© 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(3)

X

,

Xm 1 原データの分割l II: 最適な部分表現式の自己選択 ill: 中間変数の自己選択

G

1 :フィノレター IV: 闘値の最適化 G

2

: 単一入力基本関数 図 2 改良形 GMDH(ii) のプロック図 1口 DH のアルゴリズム ω , 18) • この方法は,

1

vakhnenko によって提案されたもの である. 組合せの発生による部分表現式の構成法 12): これは(

3

)式の 2 次多項式を用いるかわりに, 表 1 に示した変数の組合せを発生し, その中である規準

(un b

i

a

s

e

d

n

e

s

s

c

r

i

terion) をもっとも小さくするもの を部分表現式として用いる方法である.

unbiasedness c

r

i

t

e

r

i

o

n

18) この規準は問題点 L3 を改善するために考えられた ものである. まず,入出力データを 2 組 A1> A

2

に分割し,それ ぞれのデータの個数をRb R

2

とする. A

1

をtraining データ , A

2

を checking データとして, 部分表現式 Yk*=fl(Xio Xj) を求める.つぎに,データの割ふりを 交換して A

1

を checking データ , A

2

を training データとして,部分表現式Yk料 =f2(Xi , Xj) を求める. 第 T層の h 番目の組合せに対する unbiasedness

index

t土, φ Rl+R2 nTk= 瓦再三 (Ykr*-Ykr**)2

(9)

である.第 T 層における unbiasedness criterion は, l F N

T

= 云L:

n

Tk (10) k=1 である.ここで , F は第 T 層において選択された中間 変数の個数をあらわす.

unbiasedness

criterion を用いる組合せ的 GMDH のアルゴリズムはつぎのようになる. まず第 1 層では,入出力データを 2 組に分割し,各 入力変数の組合せに対して, 表 1 の多項式の unbi­

asedness

index を計算し,各組合せに対する部分表 現式を決定する,つぎに,

unbiasedness

index の値 の小さい中間変数を F 個選択し, (10) 式の unbiased­

n

e

s

s

criterion を計算する.第 2 層以下では,第 1 層 と同じ計算を繰返して行なう.多層構造の層の打切り は N

T

が改善されなくなったところで行なう. このアルゴリズムでは,問題点Ll の一部と L2 , L3 が改善されている. しかしながらデータを 2 組に 分割しているため, 依然として heuristics

H

1 を必 要とする.また基本的 GMDH に比べて計算量はかな り増加することになる. (i v) 構造安定性とパラメータ安定性を用いるアノレゴリ ズム 14) 構造安定性: データを 2 等分割し,最小自乗法でデータ 1 から求 めた部分表現式のデータ 2 へのあてはまりの程度を自 乗平均誤差で評価し,つぎにデータの役割を交換して 表 1 部分表現式の構成 12)

D

I

2

3

4

5

6

幻阿=引1

I

I

2

2

2

=

4

i

幻円一=斗北1“6

2

日一

5

=司叫

=

32

l

引門…=司叫

a向o

I

勾…=司司叩

a向叩

l

X

円……=ヰ司叩

F

a

向附仇

ω2

2

X

句吋z♂

2

勾円一…一=司司叩吋

a向削帆

a戸州♂引1

勾干円……=ヰ叩吋

a附帆

ω

…戸

A

.X

1

戸山

的2

X

3

2

I

F

門………=司叫叩吋

a偽附帆

5戸州

Z引1

Z 勾2汁+Z引 勾.+ZZ 引 勾4汁Z +Z引 勾sけZ +Z角 Z勾6+Z引1

部分表現式の右辺

Z.+Z2 Z.+Z2+Z

,

Z. 十 Z2 Z5+ Z • Z5+ ね +ZI Z5+Z2 Z6+Z2 Z.+Z2+Z1 Z5+Z2 +Z1 Z6+Z1 +Z2 Z. 十 Z. Z5+ Z • Z6+ Z • Z

,

+Z3+ Z

,

Z.+Z. 十 Z2 Z.+Z3+ Z 2+Z

,

Z5+ Z .+ Z

,

Z5+Z. +Z2 Z6+ Z .+ Z

,

Z5+ Z .+ Z 2+Z

,

1

0

6

(4)

ま Tこは,

AIC=NlogeS/+2(k+

1

)

+ C

。 , N

Sk"= 元EJos-oz)2

k: 変数の個数 を計算し, PSSI71 または AICl引を評価規準にした変 数選択の方法によって自動的に行なう .L は中間変数 の選択個数の最大値を意味するが,この値は heuristic に決めるのではなく,計算機メモリの許される範囲内 でできるだけ大きくとる.層を積重ねるにつれて,中 間変数の個数は次第に減少すると同時に発生器 G4 の 個数が増加する.部分表現式の発生器がすべて G4 に なった層において,層の積重ねを停止する.なぜなら ば,さらに層を重ねても,前層と同ーの中間変数を生 成し, PSS または AIC の値が改善されなし、からであ る.最終的に, システムのモデノレは,最終層に残った 中間変数の(重みつき)平均の形で構成する.このアル ゴリズムで、は, 入出力データを training データと checking データに分割せずに,すべてのデータを用 いてモデノレの予測誤差を推定し, この推定値をできる だけ小さくするように部分表現式の変数選択,中間変 数の選択,多層構造の層の打切りを行なっている.そ の結果,

h

e

u

r

i

s

t

i

c

s

H

1

~H 3 を必要としないアルゴ リズムを構成しており, 問題点 L1~L3 を克服して いる.さらに他の GMDH と比べて,より少ない計算 量で,簡単でしかも予測精度のよいモデルを容易に見 つけることが可能である. 以上の GMDH の改良は, 問題点 L1 ~L3 を克服す るために,部分表現式の構成の方法とモデルの選択規準 に対して行なわれたものである.このほかにも実用的な 見地からいくつかの改良が考えられている.以下にこれ らのアルゴリズムについて簡単にふれておく. (vi) 長期予測を目的とした balance-of-variables criterion を用いるアルゴリズム ω , 20) これは Ivakhnenko によって提案された長期予測 を目的としたアルゴリズムであり,

balance function

を用いるもの, また direct function と inverse

function を用いるものなどいくつかの方法が提案さ れている.これらのアルゴリズムに関しては紙数の関 係上説明を省略するが長期予測に興味のある方は巻末 の文献を参照されたい. (vii) 新しい入出力データに対して逐次的にパラメータ を更新させるアルゴリズム 9) これは,基本的 GMDH によってすでにモデルの構 造が求まっている時に,さらに新しい入出力データが 得られた場合,モデノレの構造は変化させずに逐次形最 小自乗法を適用してパラメータの値のみを更新してい

(

1

2) 自乗平均誤差を求め,それらの和の小さいものを構造 的に安定な部分表現式であるとする.大きいものほど 不安定な部分表現式であるとする. パラメータ安定性: 各 2 次多項式において,データ 1 , 2 で独自に求め た回帰係数が互いに近い値を示す項をパラメータ的に 安定な項,大きく異なっている項を不安定な項とよぶ. これらの安定性を用いたアルゴリズムはつぎのよう になる.各選択層における部分表現式は, (3)式の 2 次多項式に含まれている項の中でパラメータ的に安定 な項のみによって構成し,中間変数は構造的に安定な ものから順に選択する.そして,構造安定性が改善さ れなくなったところで層の打切りを行なう.構造安定 性は Ivakhnenko が提案した unbiasedness

c

r

i

t

e

r

i

o

n

とほとんど同等なものであり,このアルゴリズムにお いても,問題点 L1 の一部と L2 , L3 が改善される が,データを 2 組に分割しているため,

h

e

u

r

i

s

t

i

c

s

H 1

はやはり必要である.

(

v

)

モデルの選択規準に,予測平方和(

Prediction

Sum o

f

Squares) あるいは情報量規準 AIC を用いる

アルゴリズム ω , 16) • このアルゴリズムのブロック図を図 3 に示す.図 3 において , Gl~G4 は部分表現式の発生器を意味す る.どの発生器を選択するかは , N個のすべてのデー タを用いて, !!.(仇 -tþi

¥

2

PSS= I; (._m , ~mm t'Si=可 (XTX)-lxJ

.__)

(

l -

)

一回一

一巨ト

一回一

一匹ト

. 111 X

,

-

X2

-

.

.

.

.

.Tm_l

-

X m

-

νl 1 中間変数の自己選択 (a) プロック図 1 抑 = bo+ b , Xι 十 b, Xj

+

b3Xi Xj

+

b.X~

i

十九 X;

ゴヨーイ y,= b刊 X

i

b, Xj+ b

3

X, あ

二回一川 =bo+ 叫十九 Xj

--êト

器ク

生ツ

発ロ

のプ 式の

現村

川釘沼

什却叩

t4hH 司 3

一「適引

h

最財

-扮改

戸 U 一 S 一図 抑 =bo+b , Xι 十九 X'

1

0

7

1978 年 2 月号 © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(5)

くアルゴリズムである.このような方法を時系列デー タに適用すると,安定な予測値が得られることが報告 されている. (viii) システムの中間表現式を構成するアルゴリズム 2 !l いままで述べてきた GMDH のアルゴリズムでは, 各選択層において中間変数を入力変数にした部分表現 式を構成して,これらを多層に積重ねているために, システムの入出力変数聞に存在する物理的意味を明確 に表現した多項式の構造を正確に求めることは,一般

的に困難であった.しかし,各選択層において,部分

表現式のかわりに,もとの入力変数の一部と出力変数 の関係をあらわず中間表現式を構成することによっ て,ある程度の可能性を見い出すことができる.中間 図 5 イギリス経済における入出力変数の動き的 表現式を用いる GMDH のブロック図を図 4 に示す. じめに,傾向変動を重回帰分析により取り除き,残った ここで , fiω , fiω は各選択!習において構成した i 番 変動に対して,基本的 GMDH を適用している.システ 目の中間表現式をあらわず.このアルゴリズムで、は, ムの部分表現式としては, (3) 式を用いている. 情報量規準 AIC を用いて,中間表現式に含まれる変 世界人口のモデリング 8) 数の選択,中間表現式の選択,多層構造の層の打切り GMDH を動的世界人口のモデリングに応用している. を行なっており heuristics

H

1

~H3 を必要とせ モデルとして,

ず,問題点 L I~L3 を克服している Pn=f(Pn- l> Pト 2 , P

n

-

3

; En , En-bEη_2 , Eη-3 '

以上の GMDH の改良のほかにも,

1

vakhnenko らの グループにおいて数多くの研究がなされており,これら は文献22) , 23) に集大成されている.

4

.

応用例

4

.

1

基本的 GMDH の応用 ここでは,基本的 GMDH の応用例を紹介する. イギリス経済のモデリング 3) Ivakhnenko は,図 5 に示すイギリス経済のデータに GMDH を適用している.ここで, Vjは住民税,む

2

は法

人税, V. は失業者に支払う保険料

V. は資本

V5

は政 府支出,伊b ({J 2 は経済指標をあらわし, 1954年 ~1968 年のデータを用いてシステムの同定を行ない, 1969年度 の仰と仰の値を予測している.同定方法としては,は x

,

x

,

x

,

x

,

1

0

8

第 l 層第 2 層

4iヨ4;;1;1

j{1lイ河主: I コ2

j/-lごjll'

j~/-l _

r - ï

J

';;.,)

f~l? 草葺4J12

1 最適な中間表現式の自己選択 一ーゆ

G

h

G2,

G

3

: 最適な中間表現式の発生器 図 4 改良形 GMDH(viii) のブロック図2日

Fn

,

Fn-

l>

F

n

-

"

Fη 四 3)

(

1

3) を仮定している.ここで, Pη: 第 n 時点、の世界人口, En: 第河時点の l 人当り世界消費エネノレギ「 Fn: 第 n 時点の l 人当り世界食糧生産指数. システムの部分表現式としては, (7)式を用いている. 入出力変数の変動が比較的なめらかな問題に対しては, (7)式のような部分表現式を用いることが有効であるこ とが示されている. 河川の流出量予測日, 91 測定データとして, 日々の鳥川流域(利根川上流)にお ける降水量 (mm) ,水位 (m) ,流出量 (m3/sec) が昭和40 年日月 1 日 ~6 月 30 日までの 2 カ月間にわたって与えら れ,このデータに GMDH アルゴリズムを適用して 1 日 先の流出量の予測を行なっている.部分表現式として は, (6) 式および (8 )式を用いている.同定に用いるデ ータの使用期間は, 予測すべき日の前 30 日聞としてい る.予測期間は, 1965年 6 月 l 日 ~30 日である.従来の 水文学の立場から開発された流量予測モデル(菅原法お よび貯惚関数法)による予測結果との比較を行なってお り,比較結果は図 S のようになっている. その他の応用例: Ivakhnenko らのグループは, 1968年以来基本的 GM DH の応用を数多く行なっており,これらの結果は,雑 誌 rSoviet

A

u

t

o

m

a

t

i

c

ControlJ に報告されている. また,わが国におけるその他の応用例としては,佐藤氏 © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(6)

リ“ハり Q 打、 loo をリ 4 。 l l JF 丘二 JXl 日)日 H •• q( 1) 真相 • • q

,

*itl(CMD

Il)

' " q3

*

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*

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」一一一一」ー-6/25

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6/15

G

!

2

1l

1

9

6

5

河川流出量の予測~9)

6/5

j(j 24 :l2 40 4~

5

6

li4 72 ~初出, ~)(j 10.1 1970 坦 1971 Sangamon 河における (NO:i"-N) レベルの予測ω

(

1970~1971 年)週 H

o

図 7 図 S わめて困難であったが GMDH によって実用的な予測精 度をもっモデノレを構成て、きたことが報告されている. 広域大気汚染濃度パターンの同定 1 1)

,

15)

図 8 に示すような大気汚染濃度パターンの同定を,ア ルゴリズム (ii) と (v) を用いて行なっている.同定方法 のブロック|苅を図 9 ìこ示す.まず,排出源とモニタリン グステーションにおける汚染濃度を関係づける大気汚染 伝播マトリックスを軍回帰分析により同定し,マトリッ クスを用いて,窓問的な汚染濃度パターンの第 l 近似値 を予測する.そして,この予測値とモニタリングステー ションにおける観測値との差に,改良形 GMDH を適用 し,第 1 近似値を補正することによって広域大気汚染濃 度パターンを同定する.観測データのない地点に対する 予測精度は, による空容器回収量予測への応用 24) ,森田氏らによる製 鉄所プロセスのモデリングへの応用 25) などがある.

4

.

2

改良形 GMDH の応用 ここでは,改良形 GMDH

(i), (i

i)

,

(v) の環境汚染 問題への応用例を紹介する.他の改良形 GMDH の応用 例については,巻末の文献を参照されたい. 水質汚染濃度の短期および長期予視~10)

:

これはアノレゴリズム (i) の応用で, Decatur 湖の San­ gamon 河と, Shelbyvill の Kaskaskia 河流域におけ るトウモロコシ地帯 (Corn Belt) の水質汚染を取扱って いる.汚染物質として,硝酸塩をとっており,表 2 に示 す入出力変数聞の関係を GMDH により求めている.汚 染レベルの予測は,離散時間幅が 1 週間の短期予測と, 1 年間の長期予測の 2 つについて行なっている.短期予 測の結果を図 7 に示す.現象が非常に複雑であるために 従来の現象論的な方法によるシステムのモデリングはき Sangamon 河流域における (NOトN) の短期予測に用いる測定変数 10)

Source

CBNS*

CBNS

CBNS

CBNS

CBNS

CBNS

U. S

.

Dept

.

Int

.

U. S

.

Dept

.

Comm.

Dec. Water Dept.

USDC

USDC

USDC

USDC

USDC

USDC

c

a

l

c

u

l

a

t

e

d

c

a

l

c

u

l

a

t

e

d

Variable

(NOiï)

,

Sangamon River

Cisco

(NOã)

,

Sangamon River

Input t

o

Lake Decatur

(NOã)

,

Sangamon River

Montice

l

1

o

(j

15N

,

Sangamon River

Cisco

(j

15N

,

Sangamon River

Input t

o

Lake Decatur

占15N,

Sangamon River

Montice

l

1

o

Discharge o

f

Sangamon River

,

c

f

s

Montice

l

1

o

P

r

e

c

i

p

i

t

a

t

i

o

n

Decatur

P

r

e

c

i

p

i

t

a

t

i

o

n

Decatur

S

o

i

l

temperature 4

"

below surface

Urbana

S

o

i

l

temperature 8

"

below surface

Urbana

Air temperature

,

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1978 年 2 月号 © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(7)

GMDH に関する種々のアルゴリ ズムとその実際問題への応用につい て述べた. GMDH は原理的には, データさえあれば, どの分野にも応 用が可能であるが,対象分野の理論すなわち現象論とは 無関係に,単に入出力データの統計的な解析だけに頼っ てブラックボックスモデルを導出すると,対象分野を理 論的に研究している人たちからは, I理論なき安易なモデ ノレ」としてひんしゅくを買う結果におちいるので注意を 要する.現時点における応用に関する結論としては,対 象となるシステムの非線形性が顕著で,しかもその分野 の個別理論が未発達であり,利用できるデータ数が少な く,モデリングのシステム的方法論としては GMDH 以 外には考えられないときに手軽に応用してみる,といっ た使い方がもっとも適切な使い方ではないかと考える. 今後,さらに有用な改良形 GMDH が開発されることを 期待したい. 染の短期予測によく使われている線 形モデルとの比較を行なっている. 3 時間先の予測精度の比較を図 11 に 示す.線形モデルと比べてかなり予 測精度が改善されていることがわか る. むすぴ

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1

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A. G. Ivakhnenko: The Group Method o

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A. G. Ivakhnenko :

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Problems o

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Engineering Cybernetics;

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6-2

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である.基本的 GMDH に比べて,予測精度が大幅に改 善されていることがわかる. 大気汚染濃度の短期予測 16) アルゴリズム (v) を用いて,汚染質 S02 の 1~3 時間 先の短期予測を行なっている.出力変数としては S02 の 1 時間先の値をとり,入力変数としては S02 の過去 6 時間分の値をとっている.

2

,

3 時間先の予測値は, 同定したモデルに 1 , 2 時間先の予測値を代入すること により求めている.同定に用いたデータの使用期間は 10 日間である.同定は 1 日ごとに繰返し行なっている.図 10 に 1 時間先の予測結果を示す.また,従来から大気汚 企一一企重回帰モデ/レ u 一一自己回帰モデル - G M D H E

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図 10 改良形 GMDH(v) による S02 濃度の 1 時間先の 予測値 16) 図 11

(8)

3

)

A. G. Ivakhnenko

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f

Complex Systems; IEEE Trans. Syst.

,

Man

,

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,

SMC-I-4

,

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4

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A. G. Ivakhnenko

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.

5

)

池田三郎,植木義一 :GMDH( 発見的自己組織化

法)と複雑な系の同定・予測;計調u と制御 14-2 ,

1

8

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1

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.

6

)

A. G. Ivakhnenko and M. M. Todua: Preュ

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f

Random Processes Using S

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Organization o

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7

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Trends o

f

Development o

f

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Automatic Control

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8

)

井原二郎:改良形 GMDH ー動的世界人口モデル

の場合一;システムと制御,

19-4

,

2

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9

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Syst.

,

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,

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Algorithm and I

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Environmental System ;

IEEE Trans.

Syst.

,

Man

,

Cybern.

,

SMC-5-2

,

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2

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.

1

1

)

田村坦之,近藤正:部分表現式の次数を自己選択

する改良形 GMDH とその広域大気汚染濃度パター

ンの同定への応用;計測自動制御学会論文集,

1

3

-4

,

3

9

/

4

5

(

1

9

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7

)

.

1

2

)

N. A. Ivakhnenko and M. Z

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Kvasko :

Comュ

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f

Both Symmetrical

and Nonsymmetrical Polynomials i

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1

3

)

A. G. Ivakhnenko

,

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.

:

Discovery o

f

Physical Laws by GMDH Method with the

Absence-of-Bias Criterion; S

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Automatic

Control

,

6-6

,

3

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)

1

4

)

遠藤明男,畑中浩 :GMDH による非線形制御系

1978 年 2 月号

の同定;制御理論シンポジウム(計担u 自動制御学会

主催),

93/98 (

1

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1

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)

H. Tamura and T. Kondo: Large-Spatial

Pattern I

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Design and

Control

,

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,

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.

1

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)

田村坦之,近藤正:改良形 GMDH による大気汚 染濃度の短期予測;第 9 回確率システムシンポジウ ム講演論文集(日本自動制御協会主催),

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1

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1

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(

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)

.

1

7

)

奥野忠ーほか:続多変量解析法;日科技連(1 976)

.

1

8

)

赤池弘次:情報量規準 AIC とは何かーその意味 と将来への展望一;数理科学,

n

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.

1

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1

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.

1

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A. G. Ivakhnenko

,

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f

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)近藤正,田村坦之:情報量規準 AIC を用いた改良

形 GMDH; 第 3 回システムシンポジウム講演論文

集(計測自動制御学会主催),

1

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A. G. Ivakhnenko

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)

A. G. Ivakhnenko :

The Group Method o

f

Data Handling i

n

Prediction Problems; S

o

v

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Automatic Control

,

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,

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)

佐藤敬:空容器回収量予測への GMDH の応用; システムと制御,

20-7

,

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5

)

森田徹ほか :GMDH による製鉄所プロセスモデ ルの同定;鉄鋼オートメーションシンポジウム講演 論文集(日本自動制御協会主催),

4

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)

.

(たむら ひろゆき・こんどう ただし大阪大学工学 部精密工学科)

1 1

1

© 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

参照

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