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Tracing Sox10-expressing cells elucidates the dynamic development of the mouse inner ear

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Academic year: 2021

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Title

Tracing Sox10-expressing cells elucidates the dynamic

development of the mouse inner ear( 要約版(Digest) )

Author(s)

若岡, 敬紀

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学) 甲第949号

Issue Date

2014-03-19

Type

博士論文

Version

none

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/49083

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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リポジトリ関係(別紙4)/Repository(Form4)

学位論文要約

Extended Summary in Lieu of the Full Text of a Doctoral Thesis 甲第 949 号 氏 名: Full Name 若 岡 敬 紀 Takanori Wakaoka 学位論文題目

Sox10 が発現している細胞を追跡することはマウス内耳の動的な発生を明らかにする

Thesis Title Tracing Sox10-expressing cells elucidates the dynamic development of the mouse inner ear 学位論文要約: Summary of Thesis 内耳は複雑な形をした蝸牛系と前庭系によって成りたち,耳包と呼ばれる外胚葉起源の胚構造物に 由来する。これまでに内耳の発生は様々な方法で解析されてきた。我々は以前,転写因子 Sox10 の ゲノムの下流に蛍光タンパクである Venus を相同組み換えによって導入した Sox10-IRES-Venus マ ウスを作製した。Sox10 は内耳でその発生を通じて発現し続ける。また,Sox10 遺伝子を欠損させ ると蝸牛管の長さが短縮し,らせん神経節のグリア細胞が消失することから,Sox10 は内耳の発生 に重要な役割があると考えられている。本研究は Sox10-IRES-Venus マウスを用いて発生期内耳に おける Sox10 の発現部位を時空間的に解析することによって,内耳の発生を詳細に明らかにするも のである。 【対象と方法】 Sox10-IRES-Venus 妊娠マウスから取り出した胎仔もしくはそこから摘出した内耳を,未固定の状 態のまま蛍光実体顕微鏡(オリンパス SZX7)で撮影した。切片作成時は 4%パラホルムアルデヒド (PFA)で固定後,20%スクロースで浸透させ,O.C.T.コンパウンドで凍結包埋した。薄切はクラ イオスタット(Leica CM 3050 S)を使用した。組織切片を免疫染色した後,共焦点顕微鏡(Olympus Fluoview FV1000)で撮影した。なお Sox10 の発現は,Sox10-IRES-Venus マウスでは抗 GFP 抗体を, C57/BL6 マウス(野性型コントロール)では抗 Sox10 抗体を使用して確認した。 【結果】 Sox10-IRES-Venus マウスの胎仔を蛍光実体顕微鏡で観察すると,Sox10 は発生初期の内耳である耳 板が陥入し始めた胎齢 9.0 日から発現し始め,胎齢 9.5 日では耳包全体で発現していた。胎齢 10.5 日では耳包から内リンパ管が発生し,胎齢 12.5 日では半規管と蝸牛管が,胎齢 13.5 日では卵形嚢 と球形嚢が,胎齢 16.5 日では半規管膨大部が確認され,いずれも Sox10 が発現していた。内耳の 形態がほぼ完成した新生仔でも内耳全体で Sox10 が発現していた。 Sox10 が発現している細胞の組織学的な存在位置を正確に同定するために,それぞれの胎齢期での 内耳切片を作製してその発現部位を共焦点顕微鏡で確認した。陥入した耳板と耳包では全ての内耳 上皮細胞で Sox10 が発現していた。胎齢 10.5 日の内耳では,耳包以外にその周囲で散在している Sox10 陽性細胞がみられ,それらの細胞は胎齢 11.5 日から 14.5 日に背外側経路から内耳に近づき, 胎齢 16.5 日では,蝸牛血管条内で色素細胞に分化していることが観察された。以上のことは,耳 包の周囲で散在していた Sox10 陽性細胞が最終的には内耳に移動して色素細胞に分化する神経堤 細胞であったことを示している。新生仔の内耳では,蝸牛・前庭の支持細胞と半規管など膜迷路を 形成する上皮細胞で Sox10 が発現していたが,有毛細胞と間葉系細胞では Sox10 の発現は観察され なかった。成体の内耳(生後 21 日)についても Sox10 は同様な発現パターンであった。 有毛細胞の分化過程を詳細に解析するために,蝸牛での Sox10 の発現を発生時系列に沿って詳細に

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観察した。胎齢 15.5 日の蝸牛頂部では有毛細胞はまだ分化していなく,一方中部と底部では 1 列 の内有毛細胞が確認され,これらの細胞には有毛細胞のマーカータンパクと共に Sox10 の発現が観 察された。胎齢 16.5 日では蝸牛頂部と中頂部で 1 列の内有毛細胞がみられ,中底部では 1 列の内 有毛細胞と 3 列の外有毛細胞がみられ,いずれの有毛細胞でも有毛細胞マーカータンパクと Sox10 の両方の発現が観察された。しかし底部では,有毛細胞のマーカータンパクだけ発現し,Sox10 が 発現していない1列の内有毛細胞と 3 列の外有毛細胞が存在した。C57/BL6 マウスでも Sox10 はほ ぼ同様な発現パターンであった。以上より,有毛細胞は Sox10 陽性の上皮細胞から Sox10/有毛細 胞タンパク両陽性の未熟な状態を経て最終的に成熟した有毛細胞に分化することが明らかになっ た。これは前庭系の有毛細胞でも同様の結果であった。 【考察】 本研究は Sox10-IRES-Venus マウスを用いて,発生期内耳での Sox10 の発現パターンを時空間的に 明らかにした。Sox10 は陥入した耳板から発現が始まり,そこから分化した膜迷路の上皮細胞で発 現し続けるため,その発現に注目すると複雑な発生期の内耳形態変化を容易に把握することができ た。従来,内耳形態を観察するにはペイントフィリング法が主に用いられてきたが,このマウスを 用いれば組織固定などの特別な処置を要することなく未侵襲の状態で内耳が観察できる。さらにこ のマウスの内耳組織切片の解析では,内耳へ移動する神経堤細胞が蝸牛血管条内で色素細胞に分化 するという系譜を明らかにすることができ,神経堤症で発症する感音難聴の病態解明につながると 考えられる。また,Sox10 の発現からみて内耳有毛細胞の分化系譜を明らかにしたことは,今後の さらなる有毛細胞の発生機序の解明につながると思われる。 【結論】 Sox10-IRES-Venus マウスを利用して,内耳の発生を特別な処置を要することなく可視化すること に成功した。また発生中の内耳において Sox10 が発現している細胞の組織学的な存在位置を時空間 的に解析することで,蝸牛血管条内で色素細胞に分化する神経堤細胞を明らかにし,さらに Sox10 の発現からみた内耳有毛細胞の分化系譜を明らかにした。Sox10-IRES-Venus マウスは,内耳の発 生を研究するのに重要なツールになると考えられる。 Hearing Research

302,17-25(2013)

参照

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