特集 企業成長の鍵を握る戦略情報システム ∪皿C・〔る81.324.078:002.るる〕:る引.3
戦略情報システムを目指した基幹情報システムの再構築
一束ソ一棟武舎社-DevelopmentofTosoh′slntegratedManagementExecutionSystem 東ソー株式会社では,HITACM-680(以下,M-680と略す。)の導入を契機に,
戦略的な情報システムの基盤作りとして基幹情報システムの再構築を行った。 この再構築作業は,システム開発の規模が大きく,開発期間は短期間であった が,エンドユーザー部門の参画,システム開発作業の標準化などによって,予 定どおり昭和63年10月稼動した。 これにより,統合化された基幹データベースが構築され,全社としての情報 の統一・共有化が図れ,次の開発目的である経営計画システム,部門OAシステ ムなどの基盤が整備できた。n
緒 言 化学業界を取り巻〈環境も,同業他社との競争激化,為替 レートの変動など厳しい状況にあり,的確な経営判断ができ る情報の提供,つまり戦略的な情報システムの構築が急務で ある。しかしそのためには,今まで個別に開発されてきた基 幹情報システムの再構築を行い,システム間のレベルを統一 し,一貫性を持った基幹データベースの構築が必要となる。 東ソー株式会社で経営計画システムなど戟略的な情報シス テムの基盤として統合化された基幹情報システムの再構築を 行い,昭和63年10月稼動を開始した。 今後はワークステーション2020/2050を活用し,経営計画シ ステム,分散情報システムの戦略的な情報システムの開発を 目指す。凶
統合情報システム開発のねらい
過去,個別に開発されてきた販売物流システム,財務シス テム,人事システムなどの基幹情報システムは企業の「部門+ のシステムであり,「部門+の自動化,省力化に大きな効果を もたらしてきた。しかし,この基幹情報システムの抱える問 題は,あ〈までも個別に開発され,時系列的に順次開発され てきたため,結果としてシステム間のレベルが統一されず, 情報を一元的に見て,管理することが非常に困難になってき ている。今後,経営・企画レベルに役だつ情報システムの構 築,部門のOA化へと発展させるためには,部門間統合のため のデータベース構築,つまり統合化された基幹情報システム 岩淵節男* 田中知司* 鎌田幹夫** 岡村 明** 高野正彦** 5β由〟β 血α∂〟Cぁざ 7も仇〆才Tb乃α々α 〟詭才∂ 助,邦α(由 A鬼才JⅦ 0血刀佗〝γ打 A払αん戊0 7七々α乃0 の再構築が必要である。しかし,基幹情報システムの再構築 は,大規模開発となるため,段階別に開発することにした。 情報システムの全体計画図を図1に示す。 まず第1期では,個別に開発された基幹情報システムを統 合するために仝システムを再構築し,基幹データベースを確 立する。次の第2期で,このデータベースを基に経営に役だ つ情報提供を行う経営計画システム,エンドユーザーによる エンドユーザーのための部門OAなどの分散情報システムの開 発を行うことにした。第1期の基幹情報システムの再構築は, 非常に大規模な開発ではあったが,当初の予定である昭和63 年10月に稼動することができた。田
統合情報システムの開発
今まで個別に開発されてきた基幹情報システムを再構築す るため,全業務を見直し新たに開発(スクラップアンド ビル ド)した。新たに開発した基幹情報システムとプログラム本数 を図2に整理して示す。同図に示したように開発したプログ ラム絵本数は1万1,400本(1,100万ステップ)という大規模な システム開発であった。開発スケジュールを図3に示す。シ ステム計画から始まり,システム設計,プログラム設計,プ ログラム作成,テストのシステム開発の各々のフェーズを短 期間でシステム再構築を行ってきた。また,仝システムを見 直し再構築するため,コード関係もすべて見直し新コード設 定作業も合わせて行ってきた。なお,M-680をシステム設計 *東ソー株式会社情報システム部 ** 日立製作所大森ソフトウェア工場 85186 日立評論 VOL.71No.2(19朗-2) 86 螢 母 物 凍 経営計画 システム 基幹情報 システム 生 産
璧
貝 財 務 基幹 DB 経営情報 DB屯
実績情報 蓄積DBも
分散情報シ ス テ ム工場FA 支店OA 各部門OA 研究所LA
㌔
ローカル DB注:[コ第1期計画
図l東ソー株式会社情報システム全体計画図 基幹情報システム構築を第l期とL,基幹データ ベースを構築した後,経営計画システム,分散情報システムを開発する。 システム名 サブシステム数 科学計測 800本 販売 1,100本 17 財務 3,600本 15 資材工事 1.100本 人事 1,700本 経営企画 200本 14 生産管理 900本 合 計 11,400本 (1.100万ステップ) 物流 1,400本 購買 600本 図2 システム開発規模 システム再構築ということで,全システム(9システム引サ ブシステム)プログラム総本数l万l′400本(=00万ステップ)を開発した。戦略情報システムを目指した基幹情報システムの再構築187 日程 作業項目 昭和62年 昭和63年 23456789101112123456789101112 l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l 環 境 M-680設置・稼動 高速ディジタル回線の布設 ⇔ +ANの布設 システム開発 システム計画 システム設計・プログラム設計 プログラム作成 テスト 並行ラン ⇔ 本稼動 運用・管理 新コードの設定 教育・操作訓練 移行準備作業 図3 開発スケジュール 昭和62年2月からプロジ工クトを開始し,開発期間が 20か月という短期間でシステム開発を行った。 テスト管理統括グ ループ 業務間インタフェ ース調整 標準パターン開発 委員会 コード設定委員会 ヽ 1 1 1 1 事 1 1 1 1 1 1 1 プロジェクトマネジャ プロジェクトリーダ 共通技術グループ 人事グループ 販売・物涜グループ 財務グルーフ 資材工事グループ 生産・購買グループ ′ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ 注・!;必要な時期に臨時的に設置した委員会 し___-ノ 図4 プロジェクト体制 業務システムを5グループに分け,各業務グループはエンドユーザー,情報システム部門,メーカーの三位一体の体制とした。 フェーズの初期段階で早期導入し,基本項目を整理し,ディ クショナリヘの登録作業(約4万6,000語登録)および標準パタ ーン・部品の開発を行っている。大規模かつ短期間のシステ ム開発が予定どおり開発できた大きな要因は,次の2点に集 約される。 (1)積極的なエンドユーザー部門の参画 エンドユーザーが情報システム部門と一体となってシステ ム機能要件を整理し,テストフェーズでは,膨大な量のテス ト結果を検証するなど積極的にプロジェクトに参画してきた。 これは,開発されたシステムをエンドユーザー部門が積極的 に運営し,日常業務に活用してい〈という目的のためである が,大規模システム開発を行うためには,情報システム部門 の要員だけでは,必然的に不足であり,エンドユーザー部門 の積極的な参画がなければ達成できなかった。
(2)HIPACE菜)(HitachiPhased Approach for High
ProductiveComputerSystem'sEngineering)によるシステ ム開発の標準化 プロジェクトの体制(図4)は,開発すべき業務システムを ※)日立製作所は,EDP部門のシステム開発の効率向上を目的と して,要求分析からプログラム開発・保守までの作業を標準 化し,技法とともに体系化した。 S7
188 日立評論 VOL.71No.2(1989-2) 仙台支店 (8回線)