ov er vie w これまでの家庭へのインターネット普及 やブロードバンド回線の高速化,携帯電話 の普及は,ネットワークのあり方に大きな 変化を与えている。こうした変化に対応す る
NGN
(Next Generation Network
:次 世代ネットワーク)は,IP
(Internet
Pro-tocol
)ネットワーク上で既存の電話サービ スに加え,音声,データ,映像を融合した 新たなサービスを同一のアーキテクチャで 構築し,サービスを提供する共通的な基盤 を提供することで新しいビジネスモデルの 創生をめざしている。NGN
の普及により, さまざまなサービスを柔軟にかつ安全・安 心に利用できる環境が提供され,その利活 用の進展が期待されている。 日立は,社会インフラとしてのNGN
の 構築・発展に向けて,以下の3
分野を主要 近年,われわれを取り巻く社会環境は大 きく変化している。少子高齢化が進展し, 市場のボーダレス化に伴い企業のグローバ ル事業展開は加速している。さらには,地 球温暖化抑制に向けたCO
2削減などの環 境対策への意識が高まってきている。この ような社会の潮流は,われわれのライフス タイルやビジネススタイルに大きな変化を 生じさせている。 一方で,われわれの生活やビジネスを支 えるネットワークには,社会インフラとし て必要とされる高い信頼性や性能が求めら れるとともに,多様化する個人の価値観や 企業における生産性の向上への柔軟な対応 が期待される。 社会環境の変化に応える 次世代ネットワーク overview社会イノベーションの創生に向けた
日立のネッ
トワークへの取り組み
Hitachi’s Challenge for Network Business to Make Progress of Social Innovations
田中
一寿
Kazuhisa Tanaka田中
智佳子
Chikako Tanaka川藤
香織
Kaori Kawafuji社会イノベーション 行政 ・ 製造 通信 ・ 金融 エネルギー スマート グリッド 通信事業者, ビジネス, ライフ ・ コミュニティへの サービス, ソリューション, 製品の提供 交通 次世代交通 システム 環境 次世代ネットワーク(NGN)の発展 情報システム NGN グリーンIT 図1 社会イノベーションの創生に向けた日立のネットワークへの取り組み NGNの発展に向け通信事業者,ビジネス,ライフ・コミュニティの各分野へサービス,ソリューション,製品を提供するとともに,情報システムにより社会イノベーションの創生に貢献 していく。
社会イノベーションの拡大に貢献するネットワークソリューション Vol. No. - 音声・静止画から音楽・動画と,ユーザー が利用するコンテンツ容量は増加の一途を たどっており,コンテンツのリッチ化の進 展が光アクセスネットワークの高速・広帯 域化のニーズを牽(けん)引している。技 術面から見ると,
2000
年初頭にサービス の提供が開始されたADSL
における通信 帯域は1.5 M
ビット/s
程度であったが, 現在ではFTTH
ベースで100 M
ビット/s
∼1 G
ビット/s
が主流となり,今後さらに 高速・広帯域化されたサービスが検討され ている。 日立は,高速・広帯域化の標準化活動を 推 進 し て い るITU-T
(International
Tele-communication Union TeleTele-communication
Standardization Sector
)やIEEE
(Th
e
Insti-tute of Electrical and Electronic Engineers
,Inc.
)などの国際標準化団体への標準化に貢献するとともに,標準に準拠したPON
方式(a)
の光アクセス製品の開発を進め, 通信事業者や
CATV
(Cable Television
)事 業者を中心にグローバルに展開している。 さらに,次世代技術である従来比10
倍の 高速化を実現する10 G
ビット/s
に対応し た光アクセス技術についても標準化に対応 し,信頼性(ビット誤り率10
−12 )の高い双 方向通信を実現する試作製品の開発を完了 している。 一方モバイル分野では,インターネット アクセスや画像,音楽を活用した多彩な サービスを利用できる第3
世代携帯電話方 式(3G
)ユーザーが2007
年末時点で総契 約者数の80
%を超えた。今後,動画の視 聴やより高音質な音楽のダウンロードと いったサービスの拡張や多様化に合わせ て,モバイルアクセスに対する通信速度の さらなる高速化・高品質化へのニーズは高 まっていく。 こうしたニーズに対応するために,通信 事業者向けのモバイルアクセスにおける製 品開発と研究に注力している。具体的に は, す で に 商 用 稼 動 し て い るEV-DO
(
Evolution Data Only
)システムで培った 光・モバイルアクセスネットワーク 事業と位置づけて事業推進している(図1 参照)。 (1
)通信事業者向けに,NGN
の構築,拡 大に寄与する光・モバイルアクセス,光・IP
トランスポート,およびサービス基盤 製品・ソリューションを提供する。 (2
)ビジネス分野向けには,企業の生産性 向上を実現するネットワークソリューショ ン,製品を「CommuniMax
」として提供 する。 (3
)ライフ・コミュニティ分野では,新た なライフスタイルを実現するサービス,付 加価値の高いソリューション,製品を提供 する。 さらに,こうした取り組みを通して,情 報システムにおけるネットワークの信頼 性,性能,付加価値の向上を図るとともに, エネルギー,交通などの分野への適用を拡 大し,社会イノベーションの創生に貢献し ていく。 近年の国内市場を見ると,ブロードバン ド 環 境 を 実 現 す るFTTH
(Fiber to the
Home
)とADSL
(Asymmetric Digital
Sub-scriber Line
)などの契約者数1) は2008
年 末で3,000
万を超えている。またモバイル 環境を提供する携帯電話の契約者数1) は2007
年末時点ですでに1
億超と急増して おり,日本は世界でも有数のブロードバン ド・モバイル大国となっている。 通信事業者は,多種多様な情報をより安 全,安心,快適,便利に利用したいという ユーザーニーズに対応して,事業者設備をIP
ベースで統合し更新していくNGN
の 構築,拡大を図っている。 日立は,通信事業者向けにNGN
の主要 分野となるアクセス,トランスポート,お よびサービス提供基盤分野に対応したソ リューション,製品を提供し,社会インフ ラとしてのNGN
構築・拡大に貢献して いく。 通信事業者のNGNの 構築・拡大に向けた取り組み (a)PON方式PONはPassive Optical Networkの略。 光ファイバの途中にスプリッタを入れ て光を分岐することで,複数の加入者 宅へ光ファイバを引き込む方式。1本 の光ファイバに複数ユーザーを収容で きるため,低コストで光アクセスシス テムを実現することができる。
ov er vie w スからの柔軟な移行を実現するため,この 標準を採用した次世代光トランポートシス テムを製品化し,提供を開始している。 この製品の主な特長は以下の
4
点である (図2参照)。 (1
)高信頼IP
ネットワークの構築が可能MPLS-TP
方式を採用,各種OAM
(Op-eration
,Administration and Maintenance
) 機能(通信経路の接続性確認,高速経路切 り替えなど)を充実化(
2
)既存ネットワークからの移行が可能TDM
(Time-division Multiplexing
) やATM
(Asynchronous Transfer Mode
)など のレガシーインタフェースを収容 (3
)小型・高性能および低消費電力を実現 高密度実装技術,高速信号配線技術を 活用 (4
)新規インタフェース(サービス)追加 が容易 ユニバーサルスロットの具備 一方,IP
トランスポート分野では,通 信トラフィックの急増に伴うルータやLAN
スイッチの高性能化に加え,通信シ ステム全体の消費電力の削減が重要な課題 となっている。中でもネットワークを構成 するルータ,LAN
スイッチなどのネット ワ ー ク 製 品 の 消 費 電 力 は 増 加 を 続 け,2025
年には2006
年における消費電力の約13
倍に拡大すると予測されている。 技術・ノウハウを生かし,次世代モバイル 技術WiMAX(b) やLTE(c) のアクセスゲー トウェイ,および基地局対応の製品・ソ リューションを強化していく。特に国内通 信事業者で商用稼動しているWiMAX
ア クセスゲートウェイや,LTE
向けの端末 移動やユーザーを管理し,パケットデータ ネットワークとモバイルアクセスネット ワークをつなぐEPC(d) などのアクセスゲー トウェイ分野の開発に注力している。WiMAX
,LTE
など,次世代モバイル サービスは今後世界各国で普及が見込まれ ており,開発実績に基づく事業展開を図っ ていく計画である。 ネットワークで伝送されるコンテンツの リッチ化により,トランスポート分野にお けるデータトラフィックが増加している。 経済産業省の予測によると,複数のイン ターネットサービスプロバイダーや学術 ネットワークの相互接続点において2006
年には約640 G
ビット/s
であったデータ トラフィックは,2025
年ごろには約200
倍の120 T
ビット/s
程度へ急増すると見込 まれており,ネットワークの高速・広帯域 化は通信事業者にとって対応すべき課題と なっている。日立は,従来の10 G
ビット/s
と比較してより高速・広帯域な40 G
ビット/s
や100 G
ビット/s
の光信号を波長多重し, 長距離・大容量伝送を実現する光波長多重 化装置の製品化を進めている。 また,IP
ネットワークによる専用線サー ビスのさらなる運用性・信頼性向上や,既 存システムの更改に伴う新しいシステムへ のスムースな移行への要求が高まってい る。こうしたニーズを受けて,ITU-T
および
IETF
(The Internet Engineering Task
Force
)で標準化が進められているネット ワーク全体の経路や帯域などのリソースを 一元的に管理するネットワーク高度化技術 MPLS-TP(e) が注目されている。 日立は,IP
ネットワークによる専用線 サービスの信頼性向上,および従来サービ 光・IPトランスポート サービス制御 ルータ OAM機能充実化 (通信接続性確認, 高速経路切り替えなど) レガシー インタフェース 収容 TDM ATM ・ ・ ・ ルータ ルータ IPトランスポート 光トランスポート (MPLS-TP技術活用) 光トランスポート ルータ NMS 図2 MPLS-TPの概要 ネットワーク全体の経路や帯域などのリソースを一元的に管理し,レガシーインタフェースを収容することでネッ トワークの運用性や信頼性,既存ネットワークからの柔軟な移行性を実現する。注:略語説明 OAM(Operation, Administration and Maintenance),TDM(Time-division Mutiplexing), ATM(Asynchronous Transfer Mode),MPLS-TP(Multi-protocol Label Switching−Transport Profi le), NMS(Network Management System)
(b)WiMAX※1)
Worldwide Interoperability for Mi-crowave Accessの略。IEEEで策定さ れた固定無線通信の標準規格。IEEE 802.16aおよびIEEE802.16dを統 合 したIEEE802.16-2004が正 式 規 格。
ADSL(Asymmetric Digital Subscrib-er Line),光ファイバなどの敷設が困 難な地域,人口密度の低い地域など における「ラストワンマイル」の手段と することを想定して開発された。日本 では2.5 GHz帯が割り当てられ,2009 年から商用サービスの開始が計画さ れている。 ※1) WiMAX,WiMAX フォーラムは,WiMAX フォーラムの登録商標である。 (c)LTE
Long Term Evolutionの略。第3世代 携 帯 電 話(3G)の 方 式 で あ る W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)の高速データ通信 規 格HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)をさらに進化させた, 高速データ通信仕様の一つ。第3.9
世代携帯電話(3.9G)と位置づけられ,
Super3Gとも呼ばれる。3Gの標準化 団体3GPP(Third Generation Part-nership Project)において標準化が進 められている。3Gと同一の周波数帯, 帯域幅を活用することで,第4世代携 帯電話(4G)への円滑な移行を見据 えた技術である。 (d)EPC
Evolved Packet Coreの略。3.9G,3G, 無線LAN(Local Area Network)など のアクセスネットワークを統合的に収 容する次世代オールIPネットワーク。
(e)MPLS-TP
Multi-protocol Label Switching−
Transport Profileの略。IETF(The Internet Engineering Task Force)に より標準化されたパケット交換方式で あるMPLSをトランスポートネットワーク に適用するために,信頼性向上機能 などを追加した次世代伝送技術。IP などのパケットベースのサービスと,レ ガシー系の伝送サービスを一つのイン フラで提供することができる。
社会イノベーションの拡大に貢献するネットワークソリューション Vol. No. - ある。こうしたニーズの実現にあたって は,さまざまなユーザー端末上で電話, データ,放送などのメディアサービスを融 合させる機能を,基盤として共通化するこ とが重要と考える。 日立は,通信事業者向けに多様なメディ アを融合した新しいサービスを迅速に実現 できるサービス提供基盤(
SDP
:Service
Delivery Platform
)を準備している。 特長は以下のとおりである(図3参照)。 (1
)付加価値の高いサービスの提供が可能PC
,テレビ,携帯電話などの端末を連 携させ,電話,データ,放送,網制御など を融合するメディア/サービスコンバー ジェンス機能を提供 (2
)NGN
を介した新しい価値を創出する 環境を提供Web
サービス技術に基づくテレコム/Web
インテグレーション機能により,ネッ トワークの機能を各業種に属するサード パーティへ開放 (3
)マルチプロトコル処理を構築する仕組 みを提供 共通基盤として,認証やセキュリティな どの機能を具備して多様な端末を収容 (4
)システム全体の信頼性や運用性を向上 ビジネスシステム〔OSS/BSS
(Operation
Support System/Business Support
Sys-tem
)〕との連携インタフェースを提供 増大する消費電力を低減するため,日立 は,ネットワークの利用状況に合わせて電 力制御を行い,運用レベルの消費電力削減 を実現するダイナミック省電力システムを 具備した高信頼,高可用なルータ・LAN
スイッチを提供している。 このシステムを適用した電力削減効果 は,端末数が数百台規模のキャンパスネッ トワークの例では,常時フル稼動した場合 と比べて約30
%の電力削減を達成できて いる。 また,さらなる省エネルギー機能の効率 向上に向け,ネットワーク機器にデータト ラフィックの変動をリアルタイムに予測し, その結果を高速にフィードバックする機能 と,通信ロスを発生させない耐久性を具備 させることで,データトラフィックの量に 応じた電力制御による省電力化の研究開発 にも取り組んでいる。 ライフスタイルの変化により,いつでも どこでも多種多様なコンテンツを利用した い,というニーズが拡大している。例えば, 自宅ではPC
やテレビから,外出先では携 帯電話などでさまざまな映像コンテンツへ アクセスし,テレビショッピング,オンラ イン教育などを利用したいというニーズが サービス提供基盤(SDP) 金融 サードパーティ データ 電話 固定 NGN モバイル 共通 基盤 マルチプロトコル処理 認証, セキュリティ 端末 放送 網制御 データベース メディア ビジネス システム (OSS/BSS) 公共 流通 製造 交通 教育 放送/ コンテンツ 健康/ 医療 サービスシステム API(テレコム/Webインテグレーション) メディア/サービス コンバージェンス 図3 サービス提供基盤(SDP)の概要サードパーティに向け共通のAPI(Application Programming Interface)を準備し,新たなサービス開発の加速を促すとともに,OSS/ BSS(Operation Support System/Business Support System)などの管理システムにも注力している。
ov er vie w グローバル化や消費の多様化,少子高齢 化などのマクロ経済の変化,さらには金融 危機以降の経済情勢を受けて,企業におけ る経営課題は多岐にわたっている。こうし た状況下で,企業には以前にも増してス ピード感や柔軟性などが求められている。 特に生産性の向上を図り,顧客満足度を上 げるという点で,ワークスタイル改革が注 目されている。 日立は,「
CommuniMax
」ネットワーク ソリューションおよび製品の提供により, ワークスタイル改革の実現を支援していく。CommuniMax
は,(1
)オフィスにおい て,社員に自由かつ快適なコミュニケー ション環境を実現し,(2
)顧客への対応力 を高め,ビジネスチャンスを最大限に拡大 する業務支援システムを構築し,(3
)さら に,日々の業務を止めない高信頼なネット ワークインフラストラクチャーを構築する など,オフィス・ビジネス・インフラスト ラクチャーの3
分野にソリューション,製 品を提供している(図4参照)。 オフィス向けには,ソフトフォンや固定IP
電話,事業所用PHS
(Personal
Handy-企業の生産性向上に向けた取り組み ワークスタイル改革の実現を支援する CommuniMaxphone System
)などを収容・制御するIP
テレフォニーや,
HD
(High Defi nition
) 画像を提供する高精細・高音質なビジュア ルコミュニケーション,オフィスのフリー アドレス環境で従業員の場所と状態を把握 可能とするツールを提供する。 また,業務支援システムとして,小規模 から大規模までをカバーするコンタクトセ ンターシステムや無線端末を利用して各種 の業務処理を行う機能を提供するワイヤレ スブラウジングなどをソリューションとし て取りそろえている。 インフラストラクチャーとして,ルー タ,LAN
スイッチ,無線LAN
などさまざ まな製品を組み合わせ,高信頼・高品質な ネットワーク構築を実現する。さらに, ルータ,LAN
スイッチには複数のネット ワークを物理的に統合し,論理的に分離す ることが可能なネットワーク仮想化技術 (NPAR
:Network Partition
)機能や,ネッ トワークの電力効率を高めるダイナミック 省電力をサポートし,今後需要が拡大する 企業向けクラウドシステムに対してネット ワークの柔軟性,省電力化を提供していく。 新たなライフスタイルを支えるサービス としてIPTV
(IP Television
)サービスや, 新たなライフスタイルの創生に向けて セキュリティ 対策 顧客サービス 向上 内部統制 対策 ワークスタイル 改革(生産性向上) 社員に自由かつ快適な コミュニケーション環境を 顧客への対応力を高め ビジネスチャンスを最大限に ビジネスを止めない 高信頼なネットワーク コスト削減CommuniMax for オフィス CommuniMax for ビジネス
CommuniMax インフラストラクチャー
図4 「CommuniMax」ソリューションの体系
自由かつ快適なコミュニケーション環境を提供し,ビジネスチャンスを最大限に高め,高信頼なネットワークを提供し,企業におけるワー クスタイル改革の実現を支援する。
社会イノベーションの拡大に貢献するネットワークソリューション Vol. No. - 駅,商店街,地下街などで情報を提供する デジタルサイネージなど,新しいサービス モデルが立ち上がりつつある。また,ホー ムセキュリティやホームヘルスケアといっ た新たなサービスモデルの研究,実証が行 われている。
NGN
はこうしたサービスを支えるイン フラとして今後,重要な役割を担うことが 期待されている。日立は,IPTV
やNGN
を活用したホーム向けソリューション,製 品に注力していく計画である。IPTV
サービスの実現には,高画質映像 をネットTV
に配信する映像配信サーバシ ステム「Videonet.tv
」シリーズを提供して いる(図5参照)。 このシステムは,(1
)デジタルテレビ情 報化研究会が規定するHTTP/RTSP/RTP
(
Hypertext Transfer Protocol/Real Time
Streaming Protocol/Real-time Transport
Protocol
)ストリーミング仕様に準拠したVOD
(Video on Demand
)サービス対応ストリーミングサーバ,(
2
)配信するコン テンツをネットTV
向けのフォーマットに 変換する映像コンテンツ制作支援システ ム,(3
)視聴ライセンスを生成・配信し, 映 像 コ ン テ ン ツ の 著 作 権 を 保 護 す る Marlin(f) 対応デジタルコンテンツ著作権 保護システムから構成される。著作権保護 システムはすでに国内サービスプロバイ ダーで商用稼動している。 ま た, ホ ー ム 向 け 製 品 で あ るHGW
(Home Gateway
)は,さまざまなサービ スを利用することが可能なOSGi(g) フレー ムワークを採用し,IPv6
(IP Version 6
)通 信を基本とするNGN
と家庭内で利用され るアナログ電話や無線LAN
などを連携さ せることができる。またデジタルカメラや プリンタなど,情報家電を接続するホーム サーバとしても利用が可能である。今後, ホームセキュリティやホームヘルスケアな どで活用されるホームネットワークにおけ る中核装置として,サービス利用を含めた さまざまな活用が期待されている(図6 参照)。 本稿では,NGN
構築・拡大に寄与する 日立の取り組みについて述べた。多様化す る個人の価値観や企業における生産性の向 上への柔軟な対応など,社会インフラとし て必要とされる高い信頼性や性能を持つNGN
への期待はますます高まっていく。 エネルギー分野では,発電,送電,変電 などの電力システムが稼動しているが, ネットワークの視点から見ると,安定した 電力を供給するための高信頼な制御用の ネットワークと,顧客サービス向上をねら い,高速・大容量化が進む情報ネットワー クから構成されている。 社会イノベーション創生への寄与 映像配信サーバシステム Videonet.tv ブロードバンド ネットワーク 映像配信 ネットTV端末 ユーザー コンテンツ 提供者 データセンター 配信センター 図5 「Videonet.tv」シリーズの構成 VODサービス対応ストリーミングサーバ,映像コンテンツ制作支援システム,Marlin対応デジタルコンテンツ著作権保護システムより 構成され,高画質な映像をネットTVに配信する。 注:略語説明 VOD(Video on Demand) (f)Marlin M a r l i n D e v e l o p e r C o m m u n i t y (MDC)が技 術 仕 様を策 定する,コ ンシューマエレクトロニクス機器やマ ルチメディアサービスのためのDRM(Digital Rights Management:デ ジ タル著作権管理)規格。デジタルコン テンツの著作権を保護しながら,配信 されたコンテンツを異なる端末間で共 有することを目的に策定されている。 (g)OSGi※2)
Open Service Gateway Initiativeの 略。Java※3) 言語に基づいたオープン なソフトウェア部品化技術。ネットワー クに接続してソフトウェア部品をやり 取りすることで,さまざまなアプライア ンス(情報家電製品,PC,携帯通信 端末,自動車などのネットワークに接 続可能な端末)の機能を柔軟に構築, 変更することをめざしたプラットフォー ム技術であり,OSGi Allianceにおい て標準化が行われている。OSGiを実 装した機器は,動作中のシステムを停 止せずに,ネットワークを介して任意の ソフトウェアのリモート更新や機能追 加が可能になる。OA機器業界で利用 されているほか,自動車,携帯電話, 情報家電製品などへ応用範囲を広げ つつある。 ※2) OSGiは,米国OSGi Allianceの登録商標で ある。 ※3) JavaおよびすべてのJava関連の商標および ロゴは,米国およびその他の国における米 国Sun Microsystems,Inc.の商標または登 録商標である。
ov er vie w IP電話 IPv6マルチキャスト ギガビット対応BBルータ機能 ・ ・ PPPoE(マルチセッション)機能 ・ ・ IPv4/IPv6デュアルスタック対応 多様な宅内機器制御 (OSGiフレームワーク) ・ ・ スピーカ内蔵 (知的音声合成エンジン) ・ ・ カメラ, プリンタ接続 (USB搭載) IP電話 IPテレビ ホームサーバ サービスゲートウェイ インターネット インテリジェント ホーム ゲートウェイ 図6 ホームゲートウェイの概要 NGNを活用し,OSGiフレームワークに準拠することでさまざまなサービス機能が利用可能である。またインターネット,IP電話,IPテレ ビなどのサービスにも対応している。
注:略語説明ほか IP(Internet Protocol),OSGi(Open Service Gateway Initiative),BB(Broadband),IPv4(IP Version 4), PPPoE(Point to Point Protocol over Ethernet*
),USB(Universal Serial Bus) * Ethernetは,米国Xerox Corp.の登録商標である。 情報ネットワークの例では,各家庭にお ける電力利用量の推移を把握できるように するなど,新しいサービスの実現が期待さ れている。こうした大量データを確実に収 集するためには,