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平成19年新潟県中越沖地震時に発生した使用済燃料貯蔵プールの溢流を伴うスロッシング挙動評価

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Academic year: 2021

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(1)主要な研究成果. 平成19 年新潟県中越沖地震時に発生した使用済燃料 貯蔵プールの溢流を伴うスロッシング挙動評価 背 景 当所では、2003 年十勝沖地震の際に、屋外貯蔵タンクに見られたスロッシング被害を踏まえ、波高が増大 して溢流を伴うような非線形スロッシング現象を評価することを目的として、VOF 法に基づく 2 次元流体解 析コード SLOSH-2D ならびにその 3 次元版である SLOSH − 3D * 1 を開発・検証してきた。一方、平成 19 年新 潟県中越沖地震の際に、東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所 1 号機∼ 7 号機原子炉建屋の使用済燃料貯蔵プー ル(以下、燃料プール)の内容水が、スロッシングによりオペレーションフロアに溢れ出す事象が報告され、 このうち、3 号機については、映像記録が公開された。この映像記録には、溢流や複雑な液面動揺挙動が認め られていたために、流体運動や地震応答の観点からの詳細な分析・評価が必要とされていた。. 目 的 当所が開発した 3 次元流体解析コード SLOSH-3D により、映像記録として収録された、燃料プール内容水の 溢流を伴うスロッシング事象を再現するとともに、詳細な自由液面挙動を数値解析的に把握する。. 主な成果 1.現象の再現性 映像記録により、燃料プール内容水のスロッシング挙動として、液面に円錐状に突起した三角波の発生が 認められることや、内容水がプール上縁部から溢流していく状況が確認されている(図 1)。そこで、オペ レーションフロア上の観測地震波 3 成分(南北、東西ならびに上下方向成分)の同時入力による時刻歴応答 解析を実施し、燃料プール内容水の液面に三角波が発生することやそれらの発生位置を再現した。また、 プール内面の角部でスロッシング波高が大きくなり、そこから内容水が溢流することなど、時々刻々のス ロッシング挙動を、3 次元可視化画像により明らかにした(図 2)。これらの液面応答の解析結果は、三角波 の発生位置や溢流発生箇所の観点から映像記録と概ね整合することを確認した。 2.解析に基づく溢流を伴うスロッシング挙動 (1)燃料プール内容水のスロッシング応答特性 水位の時刻歴応答波形に含まれる振動数の卓越成分は、燃料プールを矩形容器と仮定したスロッシング 1 次ならびに 2 次固有振動数に概ね対応する振動数(1 次: 0.25Hz、2 次: 0.36Hz)となっていることが確 認できた(図 3)。また、燃料プール内容水のスロッシングモードは 1 次モードが概ね支配的であり、それ らに、プール内面の角部からの反射波等の影響により、三角波等の液面の乱れが重畳することを把握した。 (2)オペレーションフロアへの溢流状況 燃料プール内容水は、地震動の主要動後半からフロア上に溢流し始め、その後、約 10 秒間で解析モデ ルのフロア領域がほぼ浸水するに至った。それ以降、累積溢水量はほぼ一定値となることを示した(図 4)。 主担当者. 地球工学研究所 構造工学領域 上席研究員 豊田 幸宏 地球工学研究所        首席研究員 田中 伸和. 関連報告書. 「溢流を伴う矩形水槽の非線形スロッシング評価」電力中央研究所報告:N06031(2007年6月). * 1 :計算格子内で流体部が占める割合を設定し、自由液面位置を認識する数値解析法である VOF(Volume of Fluid) 法を用いた数値流体解析コード。本解析コードによれば、水塊の分離・合体ならびに溢流など、自由液面を有す る流動現象を予測可能である。. 94.

(2) 5.原子力発電/原子力技術 プール真上からみた平面図. カメラ視点(黄色の領域 が撮影された概略範囲) 3号機原子炉建物断面イメージ図. 図1 映像記録のスナップショット(東京電力(株)提供CD-ROMより引用) プール内容水の液面に三角波(白いさざ波状の波面)がいくつか発生していることが確認できる。また、 プール画像の手前側のシート下端部が膨らんでいることから、この箇所から溢流の発生が推測される。. 時刻 t=12.5秒. 時刻 t=10.4秒. キャスクピット. キャスクピット. 水位. 5 図2 プール内容水の液面水位の解析結果例 計算開始から時刻 t=10.4 秒(観測波データの時刻 t=39.4 秒に対応)では、赤実線の領域で、液面が局所的に 高い水位となっている。また、青実線の領域の水位が高くなっており、溢流が発生している。一方、計算開 始から時刻 t=12.5 秒では、黄矢印で示すプール内面の角部から溢流が発生している。なお、図の茶色部分が、 オペレーションフロアをモデル化した領域である。. 図3 水位の時刻歴応答波形に含まれる振動数成分. 図4 溢流状況の経時変化. 95.

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参照

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