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[Water Resources Development Projects: Several Reports of the Water Resources Development Projects: Economic Evaluation on Irrigation Development Projects in Thailand]

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Academic year: 2021

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(1)

8

タイにお け るか んが い排 水 開発 とその経済性 を

め ぐ る

2,3

の考 察

日本工営株式会社

Ⅰ か んがい排 水 開発 の経済性 か ん がい排 水 開発 に限 らず一 般 に農業 開発 を行 な うにあた って は,何 に もま して経 済性 の検 討 が要求 され る。経 済性 の と もな わない開発計 画 は,ふ つ う実現 の可能性 に きわ めて乏 しい。 しか し,低開発 国 と くに東南 ア ジア諸 国で は経 済性 に乏 しい とい う理 由だ けで ,開発 の見 込 み がな い と早 計 に結 論 づ け ることがで きない ことが あ る。 それ は こ う した諸 国 にお け るこの種 の 開発計 画 には,そ の推 進 を め ぐり往 々政 治 的な要請 がか らみ合 って くるた めで もあ る。 とはい うものの,経 済性 を無視 して まで開発 を推 進 すべ きだ とは必 らず Lも断言で きな い。 ここで は多 くのか ん がい排水 計 画 の うちと くに経 済性 の検 討 につ いてか な りの作業 が行 なわ れ , また資料 の入 手 が可能 で あ った

Nam Kam

お よび

Lam Pao

の両 計画 を例 にあげて解 析 を行 な うことにす る。両 計 画 と も工 事 がす で に完 了 した とい うわ けで はない。 したが って,紘 済性 の検 討 とい って もこの段 階で は計画書 に示 され た便益 につ いて の検討 の域 を脱 しない。 し か し, タイ国 内で は こう した検討 す ら充分 に行 なわれ て いない実 情 なので , それ だ けで も何 ら か の意義 が あ るもの と考 え る。なお, タイ政府 が計 画 したか ん が い事業 は一 部 を除 いて は比 較 的小 さ く,また検討 に値 す る資料 に乏 しいので ,今 回 は あえて検 討 を加 え る ことを しなか った。 わずかで は あ るが入手 した資 料か ら推 測 した と ころ によれ ば,予測 どお りの事業 効果 がえ ら れて いない ことは事 実 の よ うで あ る. その原 因 な どにつ いては この報 告 の あ とで一応 の見 解 を 述 べ ることに した。 は じめ に

Nam Ram,Lam Pao

両 計 画 につ いて述 べ ることにす る。

I

I Nan Kam

計 画

開発計 画 に関す る経 済性 の検 討 に際 して は,一 般供 給用 電 力料金 と して現 行料 金 を使用 し, 農 業収益 につ いて は農業価 格 を

Bangko

k

市 場価格 の

30%

引 きに見 込 んで い る。 また共 同費 用 の振 り分 けにあた って は,

Nam Pung

か ん がい地 区

1

0,

000ha

の うち

6,

1

00ha

を ダ ム築造 に よ る 自然 流下 か ん がい地 区 とみ な してい る。 さ らに、開発 計画 に使用 す る資金 は工事 期 間を含 めて年 利率

6%

と して い るが, それ 以外 の低利 の資金 を使用 す ることになれ ば現行 の電 力料 金 の 引 き下 げ も可 能 で あ ると予想 して い る。計 算 の概要 を示せ ば表

- 1

の とあ りで あ る。

(2)

と ころで

Nam Kam

計 画 の開 発 に必 要 な 資 金 に建 設 利 息 を年 率6% と して加 算 した結 果 は裳- 2の とお りで あ る。 な お ,洪 水 調節 につ い て は必 要 な資 料 に乏 しか った ので ,振 り分 けは行 な わ れ て い な い 。表- 2か らもわ か る とお り,全 建 設 費 (洪 水 調 節施 設 を 除 く) 20,275,493 ドル の うち ドル貨 建 分 は

1

1,618, 036ドル で , これ は全 体 の 57.3% に あ た る。 また , バ ー ツ貨 建 分 は 8,657,457ドル で ,坐 休 の42.7% に相 当す る。 次 に共 同 目的施 設 の振 り分 け につ い て検 討 して み よ う。 共 同 目的施 設 は ダ ム お よ び 余 施 表-1 工 事 費 一 覧 工 事 費 内 訳 金 額 (令) 電力開発計画工事質 ダ ム

路 発変電所 送 電 線 かんがい計画工事費

Nan Pung

下 流地 区

No

ngHa

ng

湖 周辺地 区 洪水調節計画工事費 水 路 ダ ム 合 計

秦-

2

建設利息を含む所要資金 設 建 設 費 : 内 S貨 建 分 共同目的施設(ダム) 電 力 専 用 施 設 水 路 発 電 所 変 電 所 送 電 線 かんがい専用施設

Nam Pung

下流地 区

No

ngHa

ng

周辺地 区 合 計 洪水調節施設 総 計

$

3,294,931 3,528,028 1,343,217 729,256 569,972 885,583 13,452,534 8,756,031 4,696,503 20,275,493 2,604,520 22,880,013

$

1,601,336 2,324,527 676,578 641,724 579,244 486,979 7,692,175 4,993,564 2,698,611 ll,618,036 6,529,750 3,142,360 1,276,970 1,254,990 855,420 12,454,663 8,105,360 4,349,303 2,500,000 2,057,000 443,000 21,484,403

(

U

s令) 内Baht貨建分

S

L693,595 1,203,503 666,639 87,532 9,272 398,604 5,760,359 3,762,467 1,997,892 8,657,457 (1baht-0.0488) 水 吐 な どで あ って電 力お よ び か ん が い の両 目的 に使 用 され る。 各 々の 目的 の妥 当費 用 の割 合 は 54.99% ,45.01% で あ る。 共 同 目的 施 設 の建 設 費 お よび 年 費 用 を この 比 例 に よ り配分 す れ ば

衣- 3

の よ うにな る. と ころで , 共 同 目的 施 設 の建 設 費 の 振 り分 け細 を加 算 す れ ば ,電 力施 設 の建 設 費 は表-4 Lj)よ うにな る。

項 「

Nam Kam

流 域 農 業 開発 計画

に述 べ られ 表-3 共同目的施設の建設費および年費用 建 設 費 年 賀 用

各 電 力 ・ 1,811,884 162,622 か ん が い 上483,047 133,111 計 3,294,931 295,733

(3)

東 南 ア ジ ア 研 究 て い るの で 参 照 され た い 。 次 にか ん が い 開 発 計 画 の経 済性 につ い て 検 討 す る。 か ん が い部 門 の投 下 資 本 は共 同 目的 ダ ムの 振 り分 け額 を 含 め る と,14,875,824ドル とな る。 これ に必 要 な減価 償 却 ,運 転 維 持 費 の ほ Ⅷー か 年 利 率

6

% の 利 子 を見 込 み ,農 家 の 増加 経 】_ 費 を 加 え て費 用 を算 出す る と と もに,便 益 の 側 に農 家 粗 生 産 増 産 分 を

Bangko

k

卸売市場 _ 第3巻 第4号 秦 -4 電力施設建設費 (寄算 詑 莞芽讐警慧芸振) 設 備 発 電 設 備 ダム(振 り分 け額) 水 路 発 電 所 変 電 設 備 送 電 設 備 合 計 1 1 3,884,357 1,811,884 1,343,217 729,256 569,972 885,583 5,339,912 価 格 の30% 引 き に見 込 ん で 計 上 す れ ば ,1970年 財 政 年 度 にお け る費 用 便 益 計 算 の対 偶 は表- 5 の よ うにな る。 費 用便 益 比 率 は表- 5か ら1,258と計 算 され , また ,超 過 便 益 は25.8% とな る の で ,年 利 率

6

% の金 利 水準 は有 利 な事 業 で あ る と考 え られ る。 最 後 にか ん が い 開発 事 業 に関 す る経 常 収 支 を み る と

義一 6

の とお りで あ る。 表-5 1970年財政年度 における費用便益計算の対照 (Us令) 費 労務費 雇傭労働 自家労働 肥料飼料他 農機具建物 地代,利子,租税 (小 計 かんがい水利費 (以上 計 超過便益 計 支 計 用 485,616 55,968 429,648 21,648 90,288 6,144 603,696) 1,382,016 1,985,712) 512,208 2,497,920 「 農業粗生産額 2,497,920 2,497,920 秦-6 かんがい開発事業の経常収支の評価 (Us令) 収 191,952 297,504 892,560 1,382,016) 512,208 1,894,224 農業粗生産額 労 務 費 肥料飼料他 農機具建物 地代,利子,租税 (小 計 入 2,497,920 △485,616 △21,648 △90,288 △6,144 △603,696) 1,894,224

(4)

家 粗生 産 か ら農 家 経 営 門 お よ びか ん が い水 利 費 (金 利 年 6% お よ び償 却 を含 む) を 控 除 し た剰 余 金 は512,208ドル で , 建 設 費 14,875,824ドル に対 し3.44% とな る。 も しこれ を債 務償 還 に 引 き当て る もの とす れ ば ,29年 で 完 了 す る計 算 とな る。 6% よ り低 い利 率 の借 款 に よ って,71建 設 費 を調 達 しう る

合 を考 慮 す るな らば,明らか に一 層 短 期 の償 還 が期 待 で き る こと にな るO jlI Lam Pao計 画 Lam Pao計 画 で は必 要 とす る計 画所 要 資 金 6,720,000ドル を 国 内外 で 調 達 す る こ とに な って い るo 予定 で は4,800,000ドル を年利 8,% で 国外 か ら, 1,920,000ドル を年 利 3% で 国 内で 調 達 す る。 3ヶ年 の定 設 期 間

の利 息 は 約432,000ドル (国 内外 資 金 と もお よ そ この半 巷B) とな る が , これ は借 入 元 本 に組 み入 れ る。計 画 の運 営 お よ び維 持 費 は年 間 当 り0.54ドル と算 定 され て い るの で ,総 額 で は86,400ドル とな り,30年 間 で は2,592‥ 000ドル とな る。上 に述 べ た条 件 で 30年 の均 等 償還 に要 す る年 間経 費 を試 算 す ると表 - 7の よ うに な る。 と ころで 年 間 の 償 却 引 当可 能 額 は , 計

収 支 (義 - 8) か らみ れ ば599,000ドル で あ る030 項 息 本 元 入 利 借 表7 30年の均等償還 に要す る年間経費 (単位,USS) (計) 各 年 償 還 分 運営維持費(年間) 年 間 経 費 計 3,772,320 2,878,080 1,920,000 4,800,000 5,692,320 7,678,080 189,744 255,456 義一8 計 画 収 支 (年間) (堕位,USS) 計 6,650,400 6,720,000 13,370,400 445,680 86,400 532,080 利地面積 (ha) 農家戸数 (戸) 資 産 販売分生産物 自家消費分生産物 農外収入 (農家粗収入) 営 農 費 (差引農家純収入) 自家消費 J最低生計費 農場改修 生計アローア ンス (差 引償却引当可能額) 計 画 実 施 前 計 画 実 施 後 112,000 160,000 2,555 3,635 1,395,000 6,425,000 285,000 2,979,000 計画による増分 48,000 1,080 5,030,000 2,694,000 219,000 350,000 131,000 139,000 92,000 -47,000 643,000 3,421,000 193,000 829,000 451,000 2,593,000 219,000 351,000 232,000 329,000 0 438,000 0 876,000 0 599,000 2778,000 636,000 2,142,000 131,000 98,000 438,000 876,000 599,000

(5)

東 南 ア ジ ア 研 究 第3巻 第4号 年 の償却 期 間 中の計 画 の全 効 果 は

1

0

年 目か らえ られ る もの と して,最 初 の

1

0

ケ年 間 は

0

か ら直 線 的 に増 加 して

1

0

年 後 に この水準 に達 す る もの とす ると

,

30

年 間 の 引当可 能 額 総 計 は

1

4,

91

3,

6

0

0

ドル とな る。 この ほか 計 画 で は米 の年 間増 産 を

25,

7

80

t

と推 定 し, これ は全 量 輸 出 しうる もの と仮 定 して い る。 輸 出米 につ い て は トン当 り

41.

3

ドル (平 均 プ レ ミア ム

3

2.

6

ドル +輸 出課税

6.

6

ドル +事業 税

1.

6

ドル +地 方 税

0.

5

ドル) を課 徴 しうるか ら,

30

年 間 の この課 徴金 の総額 は

2

2,

5

60

,

00

0

ドル とな る。結 局上 記 の諸 計 算か ら,資 金 返 済能 力 と返済 必 要 額 との比 は

3 :1

と な る。 また建 設 費 な らび に運 営 維 持 費 を無挿 」子 で農 家 に

40

年 均 等 償還 の形 で 負担 させ れ ば ,計 画 の年 経 費 は元 本返 済額

1

6

8,

0

0

0

ドル と運 営維 持 費

86

,

40

0

ドル の合 計

25

4,

400

ドル とな る。 この 額 は年 間 償 却 引当可 能 額 の 約

40%

に相 当す る。 さて次 に便益 につ い て検討 して み よ う。 は じめ にか ん が い につ いて 0 農家 の 年 間直接 便益 は農 家 粗収 入 の増分 か ら

30

年 (平 均

25

年) の償 還 期 間 中の年 間 営農 増分 を控 除 した額 と, この 間 の年 間増 産資 産 増分 との和 で示 され る。 この額 は表- 8か ら次 の よ う にな る。

(

2,1

3

3,

3

6

0×芸

)

+(

5,

0

0

9,

56

8÷30

)-1

,

9

44,

96

0

ドル 計 画 で は現在 の耕 地面 積 中

2,

50

8ha(

5

80

戸)

が貯 水 池 地 区 に含 まれ る。 した が って この地 域 の損失 便益 は現 在 の便益 の

20

% にな り, そ の額 は年 間

9

9,

0

2

4

ドル に もの ぼ る。 これ らか ら計 画 によ る年 間 の直 接 便益 増加 分 は

1

,

8

4

5,

93

6

ドル とな る。 更 に計 画 によ る米 の増 産 額

2

5,

7

80mt

か ら上 記 貯 水 池 建設 によ って失 な われ る

2,

2

40mt

を控 除 した純 増産額 につ いて は,

mt

当 り

41.

3

ドル の税 収 とな り, 年 間

9

71

,

71

2

ドル の 国家直 接 便益 増 とな る。 か ん が い の 間接 便益 につ いて は算定 を行 な って い な い が ,生 産 物 の輸送 ,加 工 ,取 扱 な どを考 慮 す れ ば直 接 便益 の

50

% 程 度 にな ると思 われ る。 また公 共 便益 は通 常 直 接 便益 の 約

1

0

%

とな る。 以上 か らか ん がい計 画 によ る便益 増加 分 は表

- 9

の よ うにな る。結 局 費 用便 益 比 率 は, 義一9 かんがい計画による便益増加分 (単位 ;Us令)

1

,84

5

,

9

3

6

[

i

9

2

2

,

9

9

2 ・

(i) 総 体 的費 用便 益 比率 年 間便 益 (便益 計

)

4,

50

8,

256

各 年 償還 額 お よび運営 維 持 費

5

3

2,

0

80

(ii) 直 接 便益 の費 用便 益 比率

年間便益(

直接便益

L

_

各 年 償還 額 お よび運営 維 持 費

8.

47

㌔言

㌔欝 -5・

30

2

,

7

6

8

,

9

2

8

1

,

7

3

9

,

3

2

8

4,

5

0

8,

2

5

6

(6)

経 済 性 の 検 討

経 済性 の検 討 に よれ ば Nam Kam,Lam Pao の両 計 画 の問 には, 試 算 され た その便益 にか な りのひ らきが認 め られ る。 す な わ ち表-10に示 す とお りで あ るO

こ う した便益 に関 して は事 業 実 施 の段 階で更 に検 討 が行 な われ る ことにな ると思 うので , こ こで 軽 率 に この種 の 問題 を論 ず るの は必 らず Lも妥 当で は ない。 しか し便益 計 算 に対 す る両 者 の考 え方 の 問 に きわ めて 大 きな ひ らきが あ

義一10 Nam Kam,Lam Pao両計画の便益比較 __i -___ : t _ ∴ - -‥二--。 -ニ ー1- -られ る場 合 もあ りう るので , こ こで は こ う し 超 過 便 益 ・ 25.8% 43.0% た点 に視 点 を お いて検 討 を行 な った。 さて ,費 用便益 比 率 の算 出 にあた り Nam Kam 計画 で は,農業粗生 産額2,497,920ドル を便 益 と し, これ を労 務 費 ,か ん がい水 利 費 な どの計 , い いか えれ ば営農 費 で除 して い る。数 式 で 示 せ ば次 の よ うにな る。 農 業 粗隼 単営 農

軌 言霊 謂 20-1・258 農 費 増 分 を控 除 した額 と, この年 の年 間増産 資 産 増加 分 との和 を 算 出 し, これか らこの地域 の 損 失 便 益 を差 し引いて , これ を計 画 によ る直 接 便益 と した。す な わ ち,

+

(

5,

0

09,

568-:-3

0

)-1

,

944,960ドル 1,944,960-99,024-1,845,936ドル また米 の純 増産 額 mt当 り 41.3 ドルの税 収 が あ ると して ,国家直 接 便益 を971,712ドル とみ た。 これか ら直 接 便益 の費 用便 益 比率 は ,

両 計 画 を比 較 す ると,Lam Pao計画 で は資産 増加 分 を直 接 便益 に繰 り入 れ て い るが, Nan Kam 計 画 で は この点 に関 して は Lam Pao計 画 ほ どの配慮 を して いない。 一方 営農 費 の算 出 にあ た って は ,Nam Kam 計画 で は労 務費を繰 り入 れて い るが ,Lam Pao計画 で は必 らず L もこ う した配慮 が な され て い な い. こ う した理 由か ら も両計 画 の費 用便 益 比 率 の 問 に大 きなひ らきが み られ るよ うにな った と思 われ る。次 に これ 以外 の最 も重 要 な問題 と して農業 租Ei:_産 額 を と りあげて検 討 して み よ う。

Nam Ram,Lam Pao両 計画 につ いて粗壁 産額 算 出の状況 を それ ぞれ表 示 した もの が表-ll, 表…12で あ る。 これ らの諸表 か らもわか る とお り, Lam Pao計 画 にみ られ る単 位面 積 当 り増

(7)

東 南 ア ジ ア 研 究 第 3巻 第 4号 加 生 産 量 は Nam Kam 計 画 にみ られ るそれ に比 べ 比 較 的 高 い値 を示 して い る。 そ の理 由 を仔 細 に検 討 して み る と, 主 と して 施 肥 に よ る効 果 に基 づ くこ とに気 付 くに相 違 な い 。 Lam Pao 計 画 で はか ん が い に併 せ て 施 肥 を行 な うが,Nam Kam 計 画 で は 当面 は施 肥 を考 慮 して い な い 。 一 般 に こ う した療 薄 土 壌 地 帯 で はか ん が い だ け よ りもか ん が い に併 せ て 施 肥 を行 な う方 が よ り そ の効 果 を 高 め る こ とが知 られ て い る。 Nan Kam 計 画 で は施 肥 の効 果 を認 めつ つ も, 少 な くと も米 作 につ いて は敢 て 施 肥 を行 な う予 定 を たて なか った 。 それ は肥 料 価 格 が きわ めて 高 く, 義一11 単位面積当 り作物別収量等 (Nam Kam 計画) 種 類 埋」 艶 ー__Pr 米 事 業 蔚 ツ マ フ ナナ 甘 ピ ゴ ケ トウモ ロ コ シ 棉 カ ヒ タ 牧 ク マ コ 一 一 一 一 一 t 事 業 実 施 後 備 ち 69.4 考 1・事業前米価-39.1番/ha 2.-湖水稲作については増加生 産量は590kg/ha-1.99番/ba 3・二期水稲作 と畑作物について は,従来の作付はないので, こ の表の事業後収量をそのまま増 加生産量 として計上 した。 義一12 単位面積当り作物別収量等 (Lam Pao計画) l 事 業 実 施 前 事 業 実 施 後 作 物

固碍収

量価

格伸 格揮

計金額!

別面

積両

二 ∴ 丁 二 ∴ 二 J.hこ.:-・一訂 一 I-i. ll,200;48・000j16,000 2,460∃2,460…2,460 コ マ ! 80 1 ケ ナ フ : 320 棉 突 煙 緑 花 柏 草 豆 0.56!144 r -::・二 二 57.0; 12,240 67.2! 21,504 :∴ 」._ _:∴ 三 80 0・75…96 72・0∃ 5,760 0 0 0 2 0 6 3 8 1 640 00 6 8 44 2 9 8 一 二 40 一 60 00 ⋮

価 格

mt/ha 令/mt

価 格総計金額

42●7.2i 4●06i 968弓 202.6 678.2 喜1.…≡t芝 .≡ 74.9 162.2 1,243,200 486,000 650,880 38,880 72,000 566,400 69,120 現 状 で は農 家 の使 用 にた え え な い こ と,現 段 階 で は 品 種 そ の他 の点 か ら予 期 した ほ どの肥 料 効 果 が期待 で きな い こ とな ど に よ る。 こ う した点 に 関 して は現 在 種 々の批 判 が な され て い るが , 当時 と して は あ るい はや む を え な い もので あ った と も考 え る。

(8)

第 二 に は 流 通 の問題 が あ げ られ るo Lam Pao,Nam Kam 計 画 にみ られ るよ うな 研け也で は普

通 住 産 物 輸 送 の た め の施 設 整 備 が必 らず Lも充 分 に は行 な わ れ て い な い。 した が って 容 量 の大 きな 作 物 は 現 地 加 工 処 理 が可 能 な もの は別と して ,一 般 に輸 送 費 の 関 係 か ら経 済 F和 こは 引 き合 わ な い もの とみ な され て い る。 そ れ に もか か わ らず Nam Ram,Lam Pao 両 計 画 と も こ う し た 作 物 の 栽 培 が広 く計 画 され て い る。 これ に よ り粗 /主産 額 は か な り大 きな もの とな って い る。 流 通 の 問 題 に閏 通 し, 作 付 計 画 の 閲 題 が あ げ られ る。 は じめ に Nam Kam 計 画 につ い て み 表-13 Nam Pung下流地区作付計画 と収量 地 目ぎ 作 物 名 面 積 粗収益額 .

ha

/

ha

粗 収 益 額

S

水 ;

一 期

水 稲 9,000 19・9 179,100 …二 期 水 稲 田 計 ク ノヾ コ ム マ ツ フ 類 ナ イ ナ 一 サ コ ヒ ピ ケ ソ 季 畑畑 小 午 oo ︼ oo O ⋮ 0 3 ' 12 59.0 177,000 356,100 200 589.9 117,980 400 130.1 52,040 630 150.4 ■ 94,752 630 289.1 182,133 420 195.2 81,984 90 82.9 7,461 計 3,000 622,849 庶 草 ク 封 タ ノヾ コ トウモ ロコ シ 800 175.4 140,320 120 200.0 24,000 40 69.4 2,776 40 546.5 21,860 1,000 188,956 60 589.9 35,394 110 130.1 14,311 作 jコ マ 170 137.3 23,341 ナ イ ナ 一 叶 ピ ケ ソ マ ツ フ 類 170 150.4 25,568 170 289.1 49,147 100 195.2 19,520 20 82.9 1,658 小 計 800 168,939 畑 作 計 4,800 980,744 純 収 益 額 畑

7

%

143,280$ 141,600 284,880 686,521 れば義 一 13の とお りで あ る. 義 - 13お よ び宏 一 11か ら もわ か る とお り水 稲 に つ い て は現 在 は 雨 季 に単 作三を行 な う程 度 に と ど ま って い るが , 将 来 は 乾 季 に も栽 培 が 行 な わ れ る条 件 が備 わ り, 2

作 も可 能 とな る。 現 在 の水 稲

培 は 5, 6月 が苗 代期, 6, 7月 が 移

柿期

, 11月 中 旬 以 降

(9)

東 南 ア ジ ア 研 究 第 3巻 第 4号

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図-1 作 付 計 画

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計画) 1ケ月間が収 穫期 とな ってお り,水 稲 と して は早生 ,中生, 晩生 の3種が栽 培 されてい る。早 生 は植付後

80

日, 中生 は

1

2

0

日,晩生 は

1

5

0

日で収穫 が行 なわれ る。計画 作成 にあた って筆者 ら は計画 実施後 にお け る 1期作 , 2期作の水 稲 の輪作 は図- 1の よ うに行 な うことと し, 2期作 稲作終 了後 1期作 に移行 す るまでの休 閑2ケ月 (5月, 6月) 中 に緑 肥 作物 を栽 培 し地力を培 養す ることと した。 畑 作物 につ いて は永年畑 にお け る畑作 と水 田乾季 作の畑作 に区分 す る。永 年畑 は立 地の選定条件 と して雨季 に も作物 の板群 が浸水 す ることのないよ うな高位 部 を選定 し て あ るので,根群域 の深 い作物や生育 期 問の長 い作物 を栽 培す る。計画で は永 年畑

3,

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01

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に たい して は棉

2,

9

0

0ha

を作付 けて農産加工業 と して の将来 の棉紡 工業 と結 びつ けて, また 牧 草畑

1

0

0ha

を導入 して将来 の東北 地域 にお け る酪農 の足 掛 りと した。 そ して また カポ ックを

1

0

0ha

, 更 に甘庶

40

0ha

を導入す ることと した。牧 草,甘庶 , カポ ックは栽 培期 間は通 年で あ るが,棉作 は

5

∼1

2

月で あ り, また

1

∼ 4

月 は水 田裏作期 間 と合致す るので , この期 間 の

2,

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は次 に述 べ る乾季畑 作 に準 じた各 種 の短期畑作物 の導入 を行 な うことと した。 また 水 田裏作 と して の乾季畑作 は短 期 (

1

∼4

月) で あ るので , タバ コ, トウモ ロコシ, ゴマ, ピーナ ツを選定 し,別 に 自家 消費用な らび に近郊小都市 - の補給用 と して,そ さい類 を栽 培す ることに した。畑作物栽 培予定面積 は結局

1

0,

1

00ha

とな る。 (この項 「タイ

Nam Kam

開発 計画」を参照)

Lam Pao

計画 に関す る資料 には,

Nan Kam

計画 にみ られ るよ うな詳細 な作付計画 はみ ら れ ない。表

-1

3

か ら辛 じて その状況 の把 握 がで き るが , ともか くこの地域 で も年 間 にわ た って

(10)

大規 模 な作付 が計画 され て い る。 と くに甘 庶 , トウモ ロ コ シ

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Jj栽 培 が頂 著 で あ る. この よ うな 大規 模 な作 付計 画 は,販売価 格 の過 大 評価 と相 侯 って 租生 産 額 を大 きな もの に した。 な お さき に も述 べ た とお り,Lam Pao計 画 で は費 用便 益 率 の計 算 に使 用す る農 家 粗収 入 の算

7

1日こ当 り, と くに資産 の評価 を行 な って い る。 と くに所有 地評 価額 の算定 が きわ めて高 いので ,農家 粗収 入 が高額 に見 積 も られ てい る。 一方 営 農 費 をha当 り年 間0.56ドル程 度 に しかみ て い な いので , 農 業 純収 入 は結 局 か な り高 い値 とな り,費 用便益 比率 は5.30とい う値 を示 す に至 って い る.。

以上 か らもわか るとお り, た また ま Nam Ram,Lam Pao の 2計

を例 に と って も, その

費用便益 比率 の計 算根 拠 にはい くつ もの差違 が あ る。 したが ってせ っか く便益 計 算 を行 な って て もその値 の比 較 は ほ とん ど意 味 を もたな い こ とにな る。 またそれ ぞれ の計 画 の費 用便 益 比率 につ い て もその算 出 に多 くの仮定 が設 け られ てお り, こ う した仮 定 が崩 れ ると,え られ た数櫓 の妥 当性 は きわ めて小 さい もの にな る. この種 の問題 に関 して はす で に多 くの議 論 も行 なわれ 検 討 も重 ね られ て い るが , と もか く低 開発 国 にお け るか んが い排 水 開発 事業 にたいす る便 益計 算 の手 法 とい った もの につ い て早 急 に再 検 討を行 な う必要 が あ ると考 え る。 参 考 文 献 1・ 斉藤一夫解題 :タイの農業多角化と経済発展,のびゆ く農業 177.1964年1月 pp.1-32. 2・ 尾崎忠二郎 :タイの農業経済概観,農林水産業生産性向上会議 1959年1月発行 3・ 吉宗も己illF'E7遥去37 ン著7 アジア経済協力の展開 東洋経済新聞社 1965年6月 P480 4・ 加藤譲解題 :経済発展における農業の役割 のびゆ く農業175.1964年1月 pp.ト32. 5. 0ttoEckstein:W aterresourcesdevelopment,HarvardUniv.Press.

Cambridge,Mass.achusetts.p300.

6. UnitedNations:MallualonEconomicdevelopmentProject.New York1958.p243. 7. Division of AgriculturalEconomics Office of the Under Secretery of State, Ministry of Agriculture:AgriculturalStatistics of Thailand 1962. Bangkok,

参照

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