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暫定利用の都市への影響とそのマネジメントの効果に関する研究 -みなとみらい21地区を対象として-

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Academic year: 2021

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(1)暫定利用の都市への影響とそのマネジメントの効果に関する研究 ―みなとみらい 21 地区を対象として― 1363142 安江 愛 指導教員 高見沢実教授 野原卓准教授 和多治特別研究教員 1. 序論. る。また、暫定利用により建てた施設を暫定施設と. 1.1 背景・目的. 呼ぶ。設置期間は原則 10 年以内であるが、2009 年. 近年、不況により、大規模な都市開発の途中で事. にこの原則が緩和され、現在では 10 年以上の利用も. 業者が見つからないために開発が進まず、遊休地と. 可能になっている。. なってしまう土地が増えている。これは開発の速度. 2.3 各街区の暫定施設. を遅らせるだけでなく、街のにぎわいを抑える原因. 2017 年 1 月現在、暫定利用を行っている、もしく. にもなりうる。また、少子高齢化や人口減少により、. は行っていた建物は全 17 施設である。. これからの都市は縮減していくと予測され、今まで. 3.暫定施設の分析. 以上に計画通りに開発が進まなくなることも考えら. 3.1 時間軸での分析. れる。そこで本研究では、遊休地を活用する手段と. 当地区の全施設について、開業年と閉業年を時間. して、 「暫定利用」という、一時的な土地の利用を行. 軸に沿って調査すると、2004 年のみなとみらい線開. うものに着目する。この仕組みを導入すると都市の. 通に即して本格開発の住宅が増え、それに伴い日用. 開発にどのような効果が生まれるのかを明らかにす. 品販売の暫定施設「アルカエフ」が開業しているこ. ることで、暫定利用を導入したまちづくりに役立た. となどから、暫定施設も本格開発の施設と同じく、. せることを目的とする。. 当地区の開発に沿って必要な機能を取り入れている. 1.2 方法. ことが分かる。. 大規模な都市開発の過程で暫定利用を導入してい る、横浜みなとみらい 21 地区を取り上げる。当地 区の暫定施設について分析することで、暫定利用は. 3.2 空間的な分析 1995 年から 2016 年までの当地区の開発の変遷を、 3 年ごとに図で表す。. 都市にどのような効果を与えているのかを分析する。 更に、行政、地権者、また事業者にヒアリングによ る調査を行うことで、暫定利用を導入して開発を行 ったことで、開発にどのような効果があったかを明 らかにする。 2.みなとみらい 21 地区の暫定利用 2.1 暫定利用導入までの経緯 みなとみらい 21 地区では、大規模な都市開発の途 中で、開発の調整等を行う目的で 1984 年に「みなと みらい 21 街づくり基本協定」という協定が締結され ており、その中で暫定利用が組み込まれた。 2.2 暫定利用の概要 「みなとみらい 21 街づくり基本協定」において暫 定利用は、 「本格開発が着手されるまでに、期間を限 定して行われる土地の一時的利用」と定義されてい. 40. 図 1 開発の変遷(一部) 駅から遠いなどと、開発の優先順位が低いと考えら れる場所で、暫定利用が多く行われていることが分 かる。このような場所は開発がなかなか進まないこ とも多く、遊休地になりやすいため、暫定利用を行 うのは効果的であると考えられる。 3.3 総面積による分析 当地区の暫定施設の敷地面積と開発総面積を、表 にする。.

(2) る用途に気づくこともできたりした。今後も、暫定 施設として今までに地区内にないものを作りたい。 (2) 地権者の見解 暫定利用が導入され、土地利用の選択肢が広がっ た。時代の流れに応じてルールを変えていく機運が あることは良いことだと思う。今後も様々な選択肢 図 2 総面積の変移. の中で、暫定利用も効果的に利用していきたい。. 図の分析より、暫定施設の敷地面積は常に、当地区. (3)事業者の見解. の開発総面積の 3,4 割を占めていることが分かる。. 暫定利用は事業が開始しやすく、本格開発よりも. 3.4 暫定施設の分析のまとめ. 制約が緩いため、参入しやすい。また、当地区で言. 当地区において、暫定施設は時代に応じ地区に必要. うとホームセンターなどが該当するが、暫定施設と. な機能を担いうること、優先順位の低い場所に多い. した方が建てやすい建物もある。. こと、開発総面積の 3,4 割を占めていることが分か. 4.3 ヒアリングのまとめ 当地区で暫定利用を取り入れた開発を行ったこと. った。 4.暫定利用のマネジメント. で、暫定施設ならではの建物がつくれたこと、土地. 4.1 暫定利用の運営. のテストのようなことができたこと、また、事業者. 当地区では、暫定利用についての規準が「みなとみ. としては参入がしやすいことが分かった。. らい 21 街づくり基本協定」で定められている。この. 5.総括. 協定は、(一社)横浜みなとみらい 21(以下 YMM とす. 都市の開発において暫定利用は、本格開発の前段. る)という、横浜市や地権者などで構成された第 3 セ. 階として土地のテストのような役割を果たし、また. クターが定めたものである。つまり、この仕組みは、. 地区に必要な機能も担いうると結論づける。更に、. 行政だけでなく、地権者も共に作り上げているもの. 他の地域で暫定利用を導入する際は、開発の優先順. である。. 位の低い場所で積極的に導入することや、当該地区. 4.2 暫定利用のマネジメント. の規制によっては暫定施設とした方が建てやすい建. 当地区の開発の主体である YMM、暫定利用を活用. 物もあるということを考慮に入れることで、より効. する地権者、暫定施設を建てる事業者の三者にヒア. 果的に都市の開発に影響を与えていくと期待できる。. リングをすることで、当地区の開発に暫定利用が与. 参考文献 1. 2.. えた影響を明らかにする。 (1)YMM の見解 にぎわいを作るために暫定利用を取り入れたが、 土地のテストのようなことや、当地区に親和性のあ. ゼンリン(1995~2016)「住宅地図」 猪原真理子(2009)「都市開発の過程における暫定利用の 評価」 3. 横浜市(2016)「みなとみらい 21 基本協定」 4. 一般社団法人横浜みなとみらい 21 HP 5. 横浜市 HP. 表 2 各主体へのヒアリング 事業者 周りも空地が多く、本格開発はまだリ スクが高かった 土地が高く簡単には買えない. YMM. 地権者. 暫定利用を行おうと思った経緯. にぎわいが必要 企業の需要. 協定としてきまったことは取り入れていこう まちとして必要な機能は取り入れていくべき. 暫定利用を行う中で副産物的に 生まれたもの. CATSシアターは土地のテスト的な役割 住宅展示場や高級車ディーラーはMM地区に親 ― 和性があると気づけた. 隣接する2施設での相乗効果. 暫定利用を取り入れてみてのメリット. にぎわいがつくれた. 土地利用の選択肢が広がる. すぐ事業が開始できる 事業費が少なくて済む 制約が本格開発よりも緩い. 制度導入によるデメリットは特にない. 10年以上使うと、建物にガタが来る. 暫定利用を取り入れてみてのデメリット 10年以上使ってるテナントが多いこと について 行政と企業の土地に対する考えの違い 最終的にどうしたいか. 10年やり、投資回収できたテナントを 切りあげるタイミングは難しい 10年ピッタリで土地販売の波が来るわけではな いため、10年「程度」というきまりは企業にとって はメリットなのでは ない 全て恒久施設. 可能性が広がるという思い。期間を延長しても 10年で投資回収しきるのは難しい いいということだから、選択肢が広がる ない 全て恒久施設. ― できるだけ暫定利用し続けたい. 41.

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