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沖縄の集落共同体における文庫活動-読谷村の座喜味子供文庫の設立と活動-: 沖縄地域学リポジトリ

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(1)

Title

供文庫の設立と活動−

Author(s)

嘉納, 英明

Citation

名桜大学紀要 = THE MEIO UNIVERSITY BULLETIN(14):

409-419

Issue Date

2009-06-30

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/8229

(2)

沖縄の集落共同体における文庫活動

一読谷村の座吾味子供文庫の設立 と活動一

嘉納

英明

要 旨 本研究は、読谷村座吾味区にお ける文庫活動 に焦点 をあて、その設立過程 と実際の活動 か ら 閉鎖 に至 るまでの歩み を明 らかにす ることを 目的 としてい る。座 喜味子供文庫 は、集落共 同体 における婦人会や子 ども会 を中心 と した地域文化活動 であった。 キー ワー ド/集落共同体,子供 文庫,子 ども会

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ABSTRACT

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1.研究の目的 と方法

松 口武雄 は、沖縄の字 (集落)公民館の活動 について、 「行政の末端組織 としての機能 を担 っ ている一方で、行政 とは相対的に独 立 した地 区独 自の 自治的活動や 、伝統芸能 に象徴 され るよ うな文化活動が活発 に行 われ る場(I)」 であ る と指摘 してい る。 松 田が指摘す るよ うに、 沖縄 の字公民館 における自治的活動や文化活動 は、各字の歴史や風 土に培 われ なが ら様 々な活動 の 態様 を生み出 し、教育文化に係 わる活動 も多様 である。例 えば、戦後初期 の字公 民館 内で成 立 Li し近年に至るまで運営 され ていた保 育 ・幼稚園教育は、集 落で生まれた子 どもの成長 ・発 達を

(3)

育む環境 をかた ちづ くろ うと した地域教 育運動 ともい えるもので あ り(2)、戦 前か らの歴 史を 受 け継 ぐ学事奨励会 は、子 どもの就学や上級学校-の進学 を促すために集落共同体の取 り組み と して各地域 でみ られ た ものであ る(-)。 こ うした集 落共 同体 にお ける様 々な教育的営為 の中 よみたん で も、沖縄 県読谷村 の字公民館 にお ける図書館 ・文庫活動 は、区民の教育文化 に対す る意識 を 高めるために区民 自らが主体 となって設立 した草の根 の教育運動 ともいえるものであ り、地方 の 自治文化活動 の具体的な姿 として存在 してい る。現在 、読谷村 内で図書館 ・文庫活動 を精力 的に進 めている字公民館 は主 に3字であるが、戦後 間 もない頃か ら村 内の字公民館 内で図書 ・ 文庫活動 を展 開 したのは、村 内

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の字 のなかで

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字 を 占める程 (4'、村 民の文化的な意識 は総 _羊′く じて高い ものであったO例 えば、字楚辺 は青年会図書

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冊、児童用

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冊を保持 して村 内一の りを もって展 開 していた といえる。 き ところで、読谷村 内の中で も優れ た図書館活動 を進 めてきたのは、字楚辺 、字波平、字鹿吾 プ人 味の図書館 ・文庫 である。 いずれの字図書館 も、主に区民を対象 に図書の貸出業務 を展開 し、 区民の文化的な教養 を高める地域の施設 として存在 してきた。字楚辺 は、近年 、米軍基地か ら の収入 を基盤 に体育館 附設 の大型公民館 を建設 した

(

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)

。館 内には図書館 を拡充整備 し 常勤の司書 を擁す る等、積極的な図書館活動 を進 めてい る。字波平の図書館 は

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年 (昭和 8)年 に区民か らの蔵書の寄贈 と当時の区長 の尽力 によ り 「波平青年文庫」 として出発 した も のであるo 同文庫 は、沖縄戦 に よ り字公民館 とともに灰煙 に帰 したが

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昭2

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)

、 青年 会独 自の計画 に よって木 造赤 瓦葺

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坪 の図書館建設 を契機 に再始動 した(L')。字座喜味の子供 文庫 は、区民 と子 どもの協 同による草の根 の文庫活動 として知 られ 、 しか も文庫活動 を拠点に 様 々な文化活動 を生み 出 し、村 内外 に大 きな影響 を与 えた活動であった。 これ らの事例 は、地域 の字公民館 を拠点 にシマ社会全体の取 り組み として図書館 ・文庫運動 を組織化 したわけであ り、換言すれ ば、地域 にお ける新たな教 育運動の生成 をみせ るものであ る。 こ うした シマ社会 において組織的な地域教育運動 を生み出 した原動力、加 えて これ を支え る要因 と活動 内容 を明 らかにす ることは、衰退 した と言われ る地域 の教 育力の再生 を考えるひ とづの "手がか り" になるだ けではな く、"成功事例"の要因を析 出す ることで、他地域 に対 して地域教育力の再生の示唆 を与 えることにもなろ う。本研 究では、特 に、 子どもと地域住民 の協同による座吾味文庫 の創 出過程 に注 目したい。 同地域 で文庫運動 を生み FHした原動力 とは 何 であったのか、また、その原動力 を 「子供文庫」 とい う形 に結 実 させ た 「地域の教育運動を 支える力」 を明 らかにす ることで、地域 にお ける教育の組織化の要因を析 出す ることを 臼的 と している。なお、本研究は、字座喜味の子供文庫設立の背景 と過程 を文書資料群 と設立に関わっ た関係 者の証言 をもとに、文庫設立 に関わる区民の活動 を浮 き彫 りに し、子供 文庫の活動の実 際 と文庫活動の閉鎖 に至 るまでの過程 を明 らかに してい く。

2.

地域の教育運動の原動力その

1-

危機意識 と防止対策

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年代以降、読谷村 内では各字毎 に教育隣組 が結成 され始 めた。字座喜味においては

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年 に教育隣組 が結成 され 、字の婦人会長 は教育隣組 の役員 を兼ねていた。 当時、婦人会活動で 指導者的な役割 を果た していた松 田敬子 は、精力的に教育隣組 の結成 と活動 を進 め、子 どもの

(4)

生活 ・学力 ・州席 の向上 と共通語励行 に も力 を注いでいた。教育 隣組結成 の理 由 として松 田は 次の よ うに述べ てい る(6)。 部蕗の組織ができましたのが1962年であります。動機 といた しましては、あちらこちらで青少年の不良 化や学力向上の問題が取 り上げられその対策が講 じられつつあり、私達の部落から一人でもそのような問 題になる7-供をだ してはならないとい う意見が高まってきたからです.そのため婦人会が立ち 卜がって教 市隣組を結成いた しま した。 lJTA行事の年間一一回や二回くらいの集会では実際に身近な問題を話 し合い することはできませんで した。 (略)婦人会長 さんが部落の総責任者 として運営 していくことにな り、二 卜名の組長-さん力はそれぞれ自分の組の責任を持って独 自の活動を始めま したo (傍点-筆者) 松 山の証言 に よる と、青少年 の不 良化 問題や学力 向上 の問題 が地域 の教 育課題 と して挙げ ら れ 、 この問題 児防止対策 の一環 と して婦人会 は教育隣組 を結成 した と述べ てい る。続 けて、松 田は、学校 と保護者 間のお便 り帳 の交換 、各家庭持 ち回 りのぜ ん ざい会 、 レク リエー シ ョン大 会等の親 睦的な行事や子育 てに関す る父母 の研修会等 を計画 ・実施 してい くこ とで、地域 間の 意思疎通 を促 し、加 えて子 どもの教 育問題 は地域 の問題 であ るこ とに気 づかせ た と してい る。 婦人会は青少年 の健全 育成 の 一環 と して教育隣組 に取 り組 む が、1979年 (昭54)結成 の子 ども 育成 会以後 、同会はその役割 を引 き受 け るこ とにな る

座 喜咲子 ども育成 会会則 は 、 「+ども た ちの心身 の健全 な成長及 び福祉 の増進 をはか る こ とを 目的」 (第3条 ) と し、 これ の 目的達 成 のた めの事業 として、①子 ども会活動 を円滑 に進 めるた めの物 的 ・精神 的援助 、②子 ども会 の指導者 の養成 と確保 、③ 生活環境 の整備 の促進 、④子 ども理解 のための広報活動 の実施 、⑤ 会員相互 の研修 の充実の5点 を掲 げた。 地域の教 育に対す る危機 意識 によ り、婦人会 を中心 に教 育隣組及 び地域子 ども会 の結成 を促 し活動 を始 め るが、 「生活環境 の整備 の促進 」 のた めに文庫 の設 立が構 想 され るので あ る。 こ の文庫実現 のためには、地域力の集約 を図 り、それ を文庫 とい う "かた ち" にす るにはキー マ ン (核) の存在 が不可欠 であった。

3.

地域の教育運動の原動力その

2

一地域 の教育 力の組線 化 とキーマ ンの存在 一 地域住 民の十 ども育成会 に対す る期待 に応 えるよ うに、チ ビも育成会 の役員 は、 子供文庫 と い う地域 文庫運動 を提 唱 し、結成 の翌年 には子供文庫設 立 に関わ る資金調達 の議論 を積 み重ね てい く。 ∫-供文庫 の構想 の中心は、座 喜咲子 ども育成 会の環境美化 部長 であった喜友名昇 (後 、 育成 会会長

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年) であ る (次頁 図 「座 喜咲子 ども育成 会組織 図」参 照)。 喜友名 は、子 ども育成 会の組織 の継続 ・発展 を 目的 と して子供 文庫 を構想 し、 当時の状況 につ いて次 の よ うに述べてい る(7'。 1980年に初代の子供文庫が建設された。建設にあたっては、当時の共栄会 (成人会)が計画 して、育成 会の父母が協力 し、資金づくりはざきみ祭 りを企画 し、二 El間さまざまなバザーを行った。また、区民の 方々に寄付金を募ったところ、八十万トl]余のお金が寄せ られた。その資金を基に、十坪程のプレハブづく りの子供文庫を建設 した。内部の本棚や内装などは地元の大工の方々が協力 してくれた。本は、県内の新 聞社やマスコミを通 じて呼びかけ、二千冊程の本が集まったO区民や子供たちの夢と希学の文庫は、子供 会の所動の拠点となって、今Hの了・供会活動の活性化の うえで大きな役割を果た してきたo (傍点一筆一首)

(5)

字座喜味の豊年祭 の前夜祭 に子供文庫設立資金造成 を 目的 としたバサーが開催 され

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年 7月)、 これ らの資金 をもとに座 喜味子供文庫 が設 立 された。子 ども育成会の記録 「視 座喜味 子供文庫 び らき」によると、当初 中古バ スの改装 ・整備 を構想 していたが予算不足か ら中古プ レハブを活用 しての文庫 開設 になった。業者 の協力 に よ りプ レハブ建設後、内部の改装は区在 住 の大工によるボ ランテ ィアによって整備 し、区民に文庫用図書 を呼びかけ集 めたのである。 この間、子 ども育成会 は 5つの班 の育成会や教育隣組 の役員 と会合 を重ね、文庫び らきに奔走 した。子供文庫 は約

3

3

平方 にLのプ レハ ブ平屋 で座 喜味公 民館 の敷地内に建設 されたO各戸

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円の寄付 と座 喜味体育協会 、青年会の補助 を受 けての建設であった。 内部設備 造成基金集 めバ ザーの開催 によ り資金 を確保 して、これで材料 を購入 し区内の大工を始め とす る奉仕作業によっ て完成 してい くのである。 また、喜友名が述べてい るよ うにマス コミを通 しての宣伝 によ り、 「山 口児童文化研 究所 (東京)」 を始 め県外 か ら約

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冊の書籍 が届 け られ 、 さらにラジオ沖 縄 の 朝 の 番 組 「お は よ う 日本 」 で の 「沖 縄 の 子 供 た ち に 本 を 贈 る キ ャ ンペ ー ン 」

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月)効果 に よ り、その

部 の書籍 が座喜味子供 文庫 に届 いた(H)。 ラジオ沖縄 と座喜 味子供 文庫 の橋渡 し役 を果た した松 田敬子 は、次の よ うに述べている(`り。 座喜味子 ども育成会組織図 甲

亘二王l

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匝育看貫召 指導者研修部 文芸部 保 健 体 育部 レク部

環境

化部 l l l l ユ二 四 班 班 班 班 班 ・ b 大 女 -A- ゴく 日 日 目 日 日 成 成 成 成 成 全 会 会 会 会 資料.子ども育成会 「視 座喜味子ども 文庫びらき」 その頃、ラジオ沖縄で奥さまレポーターというものが あって、私は、依頼を受けて引き受けま した。ずいぶん 長いことレポーターをしましたね。私の相当は、読谷や 嘉手納、恩納の地区で、地域の出来事、例えば、梅-の ゴミの投げ捨てのことや子どもの様子、お年寄りの暮ら しのことなど、とにかく、地域のニュースを取り卜げて ラジオで話をするんです。座喜味では、子ともや親が ・ 生懸命に文庫を作ったんだけど、もうお金もなくて、建 物の中味はカラッポ状態。そんなことを話 したら、すぐ にいろんな所から電話が来て、本が大農にやってきまし た。これを文庫に届けたりしました。婦人会も一生懸命 だったね。地域の子どもの教育は、婦人会の仕事だとい う考えがあったもんだから、文庫の本を集めたり、 f・ど もたちに本の読み聞かせもしたりしましたね。 松 田は 「地域 の子 どもの教 育は、婦人会の仕事 だ とい う考 え」 に突 き動 か され 、子供 文庫 の実態 を村 内外 に伝 えた。 また座 喜味の区民は、子供文 庫 の実現のた めに図書 を収集 した り、文庫完成後 は区内の十 どもを対象 に読み聞かせ会 を開 く等 、 地域 ぐるみで子供 文庫 を支 えるのである。 この よ うにみ て くると、子 ども育成会 一書友名 は、地域住 民の期待 に対 して、子供文庫 を設 立す るとい う具体的な提案 を し、そ こに住 民のエネ/レギー を組織化す ることに成功 した もの と いえる。 また、座喜味の婦人会は、子供 文庫の設立に対 して終始支援体制 を組み、特にマスコ ミを効果的 に活用 した。

(6)

4.

地域の教育運動の原動力その

3

ざきみ子供文庫の設立 と住民理解 -「初代の子供文庫は老朽化 し、白蟻が発生 し、またスペー スも狭 くな り活動に支障をきた し」, 子 どもたちか ら 「もっ と広 い文庫 、か っ こいい文庫 が欲 しい」 との声 に後押 しされ uo

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年頃か ら新 しい文庫の建設運動 は始 まった。 当初 、新 文庫 は構想 の中では子供文庫の名称 は使 われず 、 「児童館」 であったQ 子 ども会役員 は児童館建設に対す る区民の協力 を呼びかけ る立 て看板 を区内に設置 しア ピール した。児童館建設には相 当程度 の資金が必要 である。子 ども会 役 員は資金調達のためには区民の協力が不可欠 であることを訴 えた文書 を発行 し、区民の理解 を求めた。 実際の資金づ くりは、読谷 まつ りや 区の豊年祭 、親子エイサーまつ りでのバ ザー、 リサイクル用 品の販売、空 き缶回収等であった。児童館建設 に係 る積立金は

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年度 (昭

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年度) か ら毎年度 実施 され

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年度 (平

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年度 ) には合 計積 立金 は

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万 円余 にな ってい た(1uo 座 喜味 のチ ビも会 は、建 設 資材購 入 の た めの資金 協 力 を呼び か け る立 て看板 作 りを し〔■2-、座音味公 民館前 で建設 資金づ く りのためのバザー を開催す る等 (】3)、育成会 の協力 を得 なが ら自分たちの児童会館の実現 をめ ざ して活動 を進 めたO子 ども育成会は、新館建設運動 を 進める 一方で、触年 5月の学事奨励会において 「座喜味子 ども文庫多読賞」 として個人賞 とファ ミリー賞 を設けて表彰す る等、文庫活動 はそのまま継続 していた=)0

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年 (平

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月、座毒味子 ども育成会に よる第-回の文庫設計図の検討会が行 われ た。 これは実質的な文庫建設準備委員会の発足会であった。検討会では文庫の必要性 とこれ までの 活動の経過報告が 中心 とな り、以後 、文庫建設 準備委 員会 は翌月 の会合 にて 「ざきみ児童館 (仮称)」の建設案 を作成す るに至 るのである。座喜咲子 ども育成会 の 「児童館建設 (仮名)莱

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年 4月

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日」 は、図書館 、子供銀行 、 ミニ美術館 (

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階の空間部分)、区民の学習 の場 を もつ とい う区民の文化交流の場 と して活用 され ることを期待 した ものであ る。 同館 の運営方法 は、退職教員の協力 を得 て平 日は午後3時か ら6時 まで開館 し、土 日は、子 ども会 と育成会の 会員 によるものである。子 ども育成会 は建設業者 との打 ち合 わせ、資金面の検討会 を続 ける一 方、モデルハ ウスや先進的な具志川市立図書館 の見学等の学習 を積み重ね、子 どもの願 う児童 館建設の実現 をめざ して育成会役 員や 区民は運動 を繰 り広 げたのである。 文庫建設準備委員会 は文庫建設実行委員会 に発展 し、子 ども全資金

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万 円、区の補助金

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万 円、 区内寄付金

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万円、企業寄付金

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万円、借入金

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万 円、合計

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万 円の資金での建設 が決定 したO但 し、 建物本体だけは業者側 、電気 ・水道工事及び内装工事は区民に よるボ ランテ ィアの手 によるも のであった。座喜味子供 文庫建設実行委員会 と座 喜味区長 は、子供文庫 の老朽化 と白蟻被害に よる新 文庫建 設の理解 と協力 を得 るため、次の 「趣 意書」 を作成 し、村 内外 と県外- 発送 し た(.5)0 私達がこれまで

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年にわたり子供達の活動の場として、また子供達の読書力向 1二のために大きな役 割を果たして来た子供文庫も老朽化や白蟻の被害などによってその役割を果たす事が出来なくなって 参りましたO 最近、学校-の週5日制の導入にみられる様な教育行政の変化や、学校教育の多様化、子供達の読 書ばなれや学力向上対策など、地域としてこれから取 り組まなければならない問題がたくさんありま す。その様な問題を解決するためには、どうしても子供文庫の建設は必要なものであると考えてお り ます。

(7)

従来の建物はあまりに狭小で、図書の貸 し出しにとどめてお りましたが読書できる場も設定した建 物をと考えました。又、子供達に夢を与える様なメル-ンチックな木の香 りのする、さらに

2

1

世紀の 批判にたえられる様な建物を建設 したいと考えてお りますので、皆様の御協力をよろしくお願い致し ますo 座喜味子供文庫建設実行委員会 実行委員長 喜友名昇 座喜味公民館 区長 蕃山操 建設案 中の 「ざきみ児童館 」の名称 は、後 に 「ざきみ文庫」 に決定 した。 「ざきみ文庫」の 実現 に向けて、子 ども育成会 は区内400世帯 を5班 に分 けて寄付金徴収 を始 めたo 主に区外在 住者 、村 内外 の企業、役場 、議会、模合、学校等 を訪問 し、寄付金 を募 った。 こ うして区民総 出に よる 「ざきみ 文庫」 は

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年11月 に完成 したo建物 は木造

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階建 て、一階は

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平方に、 中二階は

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平方でTLである。

5.

地域の教育運動の原動力その

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ざきみ文庫の運営力 と司書の存在 -「文庫利用 の規定」及び 「ざきみ文庫規約」は

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3

年 10月 に制定 された。 ざきみ文庫は、 座喜味子 ども会 と育成会 を主体 とす るものであ り (ざきみ文庫規約第 9条)、その 目的は、 「生 涯教育、社会教育 を達成す るために、必要な図書及びその他 の資料 を収集 し、整理 し、保管 し て、児童生徒 、父母 、 区民 に提供 し、有効的な利用 をはか ること」 (同規約第2条) である。 ざきみ文庫 は、文庫運営委員会 と図書運営委員会 を設置 し (同規約第3条)、文庫 の経費は寄 付金 、補助金 、その他 を以 って充て られ (同規約第 4条)、専任 の司書 を置 き、規約 、備 品帳 簿、会計簿、利用者貸 出 し簿、 日誌、図書原簿の帳簿を置 くことになっている (同規約第 8条)。 こ うした文庫運営上の規約 に則 り、子供文庫 は活動 を展 開 してい くことになる。 ところで、喜友名昇 は子供文庫 とい う箱物の資金集 めに奔走 した ことを語 り、完成後の ざき み文庫 の運営 については司書の資格 を持つ、山城勢津子

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年迄育成会副会長)の 手腕 を評価 してい る(16)。 我々は建物を作ることに一生懸命で、実際、いろんな方々にお会いして寄付金を募ったりしていたんだ が、建物が出来て、文庫が完成すると、運営方法についてはわからないoもちろん、本を貝うお金

)

卜分 じゃない。山城 さんはいろんなノウハウを知っているもんだから、また、研究会とか補助金のことなんか についても情報を仕入れて、運営に生かしていたね。 山城 は先の 「文庫利用 の規定」 に則 り 「ざきみ文庫」の貸 し出 しの手順 を示 し、文庫 当番表 の作成 、登録 カー ドや利用者名簿の整備 、貸 し出 しの記録 を詳細 に記 した。 また、 早くか ら司 書の視点か ら 「ざきみ文庫 だ よ り」 を発行 して、子供文庫 の活動の状況 を発信 していたのであ る。一方、 子ども会の役員は、 「子 の星 しんぶん」の中で、子 ども会や公民館 、読谷村 の行事 やお知 らせ を発信 した。 山城 は子供文庫 の司書 としての業務 を手がける一方、外部資金 の情報 を収集 しそれ を獲得 し て文庫 の運営 に充てた り、沖縄地域児童文庫連絡協議会に関わる中で著名 な童 話作家 を招いた 読み聞かせ会や児童文庫 に関す る研修 に積極 的に参加 した りして、子供文庫の質的向上に人き

(8)

く寄 与 した。 例 え ば 、 外 部 資 金 に 関 して い え ば 「ノー ベ ル 平 和 賞 を夢 見 るふ る さ と創 世 基 金

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月)」 の

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万 円/分 の 図 書 、 「日本 生命 財 Et]

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月 )」 の

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万 円分 の 図 書 ・ 紙 芝居 購 入 費 、 「伊 藤 忠 記 念 財 団

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月 )」 の

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万 円 の補 助 金 等 の獲 得 が あ り、 これ ら は 、 ざきみ 文庫 の運 営 を 円滑 な ら しめ る もの で あ っ た。 ま た

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月 、沖縄 地 域 児 童 文 庫 連 絡 協 議 会 の役 員 に よ る文庫 調 査 と図 書 支 給

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万 円分 ) が行 われ た り

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7

)

、 同協 議 会 主 催 の 文庫 活 動 関係 者 の ざきみ 文庫 の見 学 ・交 流 を通 して 、他 の 文庫 活 動 に も影 響 を与 えた。 ざ きみ 文庫 を見学 した文庫 関係 者 は 次 の よ うに述 べ て い る(18)0 以前か ら、是非一度は訪ねてみたい と思っていた 「ざきみ文庫」は広い敷地内に建つ公民館 と隣 り合 っ ていま した。静かな集落の中に洋風でかわい らしい感 じの建て物は どこか らも目立ち、子 ども達に 「行 っ てみたい」 とい う意欲 をかきたてるよ うな文庫で した。文庫の中の書架や閲覧台には工夫が凝 らされ、ま たそのJlの行事に因んだ図書の紹介がな されてお り、その時は六月の 「慰霊の E]」に合わせて平和学習に 関す る凶音が紹介 されてお り、運営面で も色々考え られていて、私に とって とて も参考にな りま した。 「ざきみ文庫」設立までの経過について、建設実行委員長の喜友名桜か らお話を伺いその情熱 と地域の方々 の理解 と協力的な態度に感動 しま した。 主宰者か ら、まず初めにこれまでの運営経過 を説明 してもらいま した。 立派な文庫が設立す るまでの苦 労話を説明 して もらい地域の皆様の協力や奉什作業に対する熱心な姿に感心 しま した。又、文庫の中の設 備 には、色々とアイデアがあって特に本棚の形、それか ら子供達に興味を示 してもらお うと、文庫におけ る如月の行 事に開通す る7-供集会や絵本の紹介の仕方、そ して絵本の種類 も選定 されているのには、主'# 者や父兄の伴様の熱心な指導にも気がつきま した。 文庫 の訪 問者 は 、文庫 の 中の書架 や 閲 覧 台 の 工夫 、 月行 事 に 因 ん だ 図書 の紹 介 、 月行 事 に 関 す る -(-ど も集 会や 絵 本 の,紹 介 の仕 方 、絵 本 の種類 の選 定 等 、 山城 の 司書 と して の運 営 能 力 を学 び 、 ま た 、 文庫 設 立 に 至 るま で の経 過 を喜 友名 か らの説 明 を受 け る 中 で 、 「地 域 の 方 々の 理解 と協力 的 な態度 に感 動 」 して帰 路 に就 くの で あ った。 子 供 文庫 は 、 平 日の 月曜 日か ら金 曜 日ま で は午 後 3時 か ら 6時 まで

日曜 日は午 前 9時 か ら

1

2

時 ま で の 開館 で あ った。 図 書 貸 し出 しの 他 に 、大 学 の研 究者 や 教 育者 に よる講 話 、紙 芝 居 制 作 ・実 演 家 に よ る読 み 聞 かせ 会 、 手 作 り絵 本 教 室 等 を開催 し、 見 学者 を積 極 的 に受 け入 れ た。 毎 月 第 二火 曜 日は 、 「小 学 生 読 書 会 」 が 開 かれ 、小 学校3年 生 以 上 な ら誰 で も参加 で き る会 活 動 もあ ったO 司書 ・山城 は、子 供 文庫 の運 営 と活 動 をふ りか え り、 当時 の状 況 につ い て 次 の よ うに述 べ て い る(19)。 私はプ レハブで文庫を しているときか ら司書 として関わっていま した。お金 もない時代だったので、そ の頃、ユネスコか ら助成 を頂いたこともあ りま した。沖縄県子 どもの本研究会や沖縄地域児童文庫連絡 協 議会の会員だった こともあって、助成金の情報などはそこか ら入 ってきま した。 「以前、 どこどこの助成 金をもらった」 とか、 「何 とか財団か ら補助金 をもらった」 とか、そ うい う声や情報を手に入れては、座 卓味の子供文庫 として申請を してきま した。おかげ さまでいろんな方 々か ら助成金を頂 き、文庫の運営を や ってきま した。また、中央公民館 にあった図書館か ら

5

0

冊ほ ど本 を借 りたこともあ りま した。 助成金の情報だけではな く、研究会に参加すると、本や童話の世界で第-線で活躍 している方の情報や 新 しい動きもわか りま したので、是非 とも、座喜味の子供文庫で講座や読み聞かせ会 をして欲 しい と思い ま した。座喜味の 7-どもたちだけではなく、地域の方 々にも良書を紹介 した り、いい意味での刺激 を与え ることはよいと考えたか らで した。 こうした文庫の取 り組みを月1回発行の便 りで流 したのです。 白/))の-f・どもが小学生や小学生だ と、育成会のメンバー として文庫の運営に関わ らない といけない と思 いま したけで、子 どもが大きくなると文庫の運営は後の人に任せ ることにな りま したO文庫の運営は、子

(9)

ども会 と育成会が中心になってすることになっていましたから。 しか し、自分たちが経験 したことや運営 のあれこれについて、後継者になる人に十分引き継 ぐことができなかったん じゃないかと思っています。 今、ふ りかえってみますと、あれほど頑張った座喜味文庫の建設 と運営は結局、自己満姓だったのかなと も思 うこともありました。もちろん、は じめは、座喜味の部落に文庫ができたので、多分、物珍 しさも手 伝ってたくさんの子 どもたちが来ましたが、 しばらくすると、やって来る子どもの数は少なくなってきま した。退職なされた先生をボランティアで司書役をお願いしましたが、来室する子どもの数の少なさにがっ か りしておられたのも事実です。 山城 は、 ざきみ文庫運営 のために外部資金 を積極 的 に活用 した こ と、子供 文庫 を通 して地域 - の文化 発信 を絶 えず行 ってきた ことを述べてい るが 、山城 自身が培 った文庫 の運営方法や 人 的ネ ッ トワー クを後継者 に十分 引 き継 ぎできなかった点 を挙げてい る。 山城 の述懐 と関わ って、 司書役 と して子供 文庫 に協力 した退職 教諭 は 「ざきみ 文庫 一年 の あゆみ」の 冒頭 で 「文庫一 周年 に思 う」 と題 し、以下の こ とを述べ てい るし20'。 私は開館当初から司書役 (3時∼ 6時)をしてお りますが利用者は臼に一人か二人、開店休業の状態も よくありますO文庫は図書を借 りるだけでなく勉強するスペースも充分ありますので、毎 日多くの人が利 jijしてくれるものと夢を持っています。それが、開店休業の状態が続 く時には、私も人間ですから、大衆 -の啓蒙が足 りないと知 りつつ、私は 「招かざる人」で しょうかとつい思 う時がありますO意地感な言葉 になりま したが、私達の文庫は字内外の皆様のご芳志でできた大事な施設です。文庫運営委員会を中心に 対策を練 り、その活用を計る必要があります。 喜友名 昇 (子 ども育成 会) は、上 記の退職 教師の指摘 を認識 し、文庫 の活用 方法につ いて検 討 を重 ね、「広 く区民 に利 用 して も らお うとい う視 点 にた って、英会話教室 ・空手道教室等広 く区民 に呼び か けて い る ところ」 で あ った(21)o しか し、 隣接 す る座 喜 味公 民館 の老朽化 が進 み 、国の補助事業 を得 て規模 を拡大 して新 設 され るのに伴 い、 同文庫 の取 り壊 しが決定 した。 Il」城 勢津子 は、公民館 の新設 と文庫 「移設 」 も検討 され たが、財政 的な理 由に よ り最終的 に撤 去 され た と述 べ てい る(22)。座 喜 味公 民館 の全 面改築 に伴 い

(

2

0

0

5

年)、敷 地 内に立地 していた 子供 文庫 は新公 民館 内の図書文庫 に吸収 され るこ とに よ り、子供 文庫 の活動 は停 ILした。 ここ で、新館 建設 直前 の子供 文庫 を取 り巻 く状況 につ いて付言すれ ば、① 「木造 の子供 文庫 は 白蟻 が発生 し始 め、何年持つ かわか らないo Lか も、 区民の存続 に向けての意識 も低 か った」 とい う声や (2‥∋)、② 子供 文庫 の 日曜 開館 を運 営す る子 ども育成 会 の協力 の難 しさが表面化 し、 日曜 開館 が難 しくな った こ と、③

1

9

8

7

年 度 か ら文庫 を利 用す る者 が減 少 して きた こ と`2イ'、以上 の 点 を指摘す るこ とがで き る。新公 民館 内に所蔵 され た文庫 の活用方法 につ いては、座喜

区の 今後 の課題 とな るもので あ るが 、子 ども会 ・育成会 は、 区内外 の協力 を得 なが らプ レハ ブか ら 始 ま りメル- ンチ ックな子供文庫 を設 立 ・運 営 させ た こ とは、子 ども と大人 と地域 を結びつ け る機 会 をつ くっただ けではな く、子供文庫活動 を営み なが ら子 ども会 ・育成 会 を中心 に様 々な 活動 を切 り拓 いて きたので あ る(25)0

(10)

6.

結語

読谷村の字座音味 とい うシマ社会 において、子 どもの教育文化環境 をかたちづ くりそれ を育 むために起 こった教 育運動 は、中古プ レ- ブの文庫活動か ら始 まったQ シマの小 さな文庫活動 は、子 ども会 とそれ を支 える育成会、区民の理解 と協力 をもとに設立 され 、ま さしくシマ ぐる み の教育文化活動の結晶 ともいえるものであった。 中古プ レ-ブ文庫 は、後 に木造二階建 ての 「ざきみ文庫」 と して生 まれ変 わ ることにな るが、それ の設 立過程 にお いて シマ社会 のエネル ギー を文庫運動 に集約 し、子 どもの夢実現 に全力 を注いだ育成会の リーダー シ ップは、極 めて 高いものであった。 また、子供文庫の運営や そ こにお ける活動 を村 内外 に発信 したことで、 さ らに文庫の理解 と協力 を得 てい くことができたのである。子供文庫の設立は、文庫活動 を通 し て育まれた人 と人 とのつなが りを深めてい くことにな り、子 ども会 ・育成会の様 々な活動 を進 めてい く上で貴重な財産であった。 以上の座 客味子供文庫 の設立過程 に注 目した時、座喜味 とい うシマ社会 において組織的な地 域教育文庫運動 を生み 出 した背景は、地域 にお ける青少年 の不良化や学力向上に関わ る住民の 危機意識で とそれ を教育運動-転化 させ てい くプ ロセスをみせ た。住 民の子育 てに関わる危機 意識 は、教育隣組 とい う地域 の教育組織 を生み出 したわけであるが、 この組織 を活か し、後の 文庫運動 を展開 させてい くためには、複数 のキーマ ンの存在 とそれ を支 える区民の姿があった ことであるO婦人会役員の松 田は、教育隣組 の運動 と連携 して地域 で様 々な行事活動 を通 して 連帯感 を育む仕組み、区民の関心 を地域 の教育問題 に向け させ た点 に注 目できる。 こ うしたシ マ社会の連帯感 を基盤 に子 ども育成会 の喜友名 をは じめ とす る役員 は、子 どもの読書環境 を整 えるために文庫 の設立 とい う具体的な提案 を して、 これ を実現 させ るための運動 を展開 したの であった。座喜妹の子供 文庫構想 の立ち上げか ら設 立に至 るまで、子 ども育成会の役員 と子 ど も会は、いわば、 シマ社会全体を巻 き込んでの運動 を進 めた といえる。 また、子供文庫設立後 、 司書・LJI城 は、業務 を遂行 しなが ら外部機 関 との連携 ・協力体制 を築 きなが ら、外部資金 を獲 得 し、それ を運営費に充て る等の卓越 した文庫 の経営手腕 を発揮 した。座喜味 とい うシマ社会 での子供文庫の設立 と運営 をみた とき、地域の中の連帯感 をもとに しなが ら、文庫設立運動 の キーマ ンが地域の人材 とつなが り、人 と人 を結びつけなが ら地域活動 を展開 したのであった。 座吾味 了・供文庫の設立は、シマ社会 にお ける教育運動 のひ とつのかた ち として我 々に提案 し たのであるが、それが今 日まで継続 できなかった点について付言 してお きたい。確 かに、座喜 味文庫の設立に関わ る住 民のエネル ギーは大 きかったのであ るが、山城 がいみ じくも述べてい るよ うに

山城 による文庫の運営方法や人的ネ ッ トワー クが後継者 に十分 引き継 げなかった点 はあるものの、それ以上に、文庫設 立間 もない頃か ら開店休業状態 になっていた点 に注 目す る 必要がある。住民に よる文庫利用 の激減 は、住民の文庫-の関心の低 さをそのまま物語 るわけ であるが、近郊の村立 中央図書館 の整備充実や県下の小 中学校挙 げての学校図書の読書運動 の 展開等によ り、少 なか らず子供文庫 の運営 に影響 を与 えた もの と考 え られ る。

(11)

<注及び引用文献>

(

1

)

小林文人 ・島袋正敏編 『お きなわの社会教育 - 自治 ・文化 ・地域お こ し-』エイデル研 究所

、2

0

0

2

年 、

3

6

頁). 回研 究入会 にお ける 自由研 究発表 、立正大学

、2

0

0

6

7

月)。

(

3

)

拙稿 「沖縄 にお ける学事奨励会 の展 開 一読谷村 を事例 と して-」 (日本社会教 育学会第

5

4

lnj研 究大会 に お ける 自由研 究発表 、東京農 工大学

、2

0

0

7

9

月)O

(

4

)

読谷村役所総務課 『村 の歩み

』1

9

5

7

、6

0

頁。

(

5

)

当時 の波 平図書館 の運営 をみ る と、図書部長他

3

名 の部員 による運営、貸 出有料制か ら無料制へ移行 、 図書購入 費 の確保 と増 冊等 、利 用者 増 を図 る こ とで

、1

9

5

4

年 (昭

2

9

)

、全琉読書週 間優 秀凶書館 と して 表彰 され てい る。 現在 、 「波平 たんばぼ文庫 」 と呼 ばれ てい る波 平の図書館 は、 日曜 日を除 く週 6日の 午後3時か ら6時 まで開館 してい る。波平 区は、読谷小学校 区内にあ り、波平 に住所 を有す る児童 は、 「波 平 たんばぼ文庫 」 か ら自由に貸 し出 しのサー ビス を享受 で きる0 - 日平均7

-1

0

名 の児 串が訪れ 、

2

0

0

6

年 (平成

1

8

)1

0

1

8

日現在 の蔵 書数 は

9

,

5

4

2

冊 で あ る。 専属 の 司書 は、特 に司書 資格 を有 してい る の で はな く、 児童 - の本 の貸 し出 しを主 な業務 と してい る

。2

0

0

6

年度 の年 間の予算 は

7

万 円であ る。 『波 平の歩み

』7

2

-7

3

頁 を参照。

(

6

)

読谷村座喜 味婦人会編集委員会編 『読谷村座 吾味婦人会

7

5

周年記念誌

』1

9

9

0

、2

9

8

-2

9

9

頁,,

(

7

)

前掲 、『お きなわの社会教育 一 自治 ・文化 ・地域お こ し

』2

0

9

頁。

(

8

)

「琉球新報

」1

9

8

2

1

2

1

日。 なお

、I

lr口児童 文化研 究所 は漫 画 tj':冊の寄贈 に続 き、天体望遠鏡 を贈呈 す る等 、座 喜味子供 文庫 に協 力 した (「琉球新報

」1

9

8

2

1

1

7

日)0

(

9

)2

0

0

7

1

月8日、松 田敬 7-(昭

2

年生)宅 (座吾味

4

2

9

番地) にて聞き取 りを実施 し

、2

0

0

7

1月1

3

日、 再度電話 イ ンタ ビュー にて補足 した。

(

1

0

)

前掲 、『お きなわの社会教育 一 自治 ・文化 ・地域お こ し

』2

1

0

頁。 (ll)座喜味子 ども育成会

1

9

9

0

年度 定期総会資料

」1

7

頁。

(

1

2

)

「琉球新報

」1

9

8

8

5

月22日。

(

1

3

)

「琉球新報

」1

9

8

8

1

2

1

3

日。

(

1

4

)

座 喜 味子供 育成 会 「学 事要 覧

」1

9

8

6

5

月 10日 ・座 喜 味公 民館 、座 喜味 7・ど も育成 会 「学事 要覧」

1

9

8

8

5

2

1

日 ・座 喜味公 民館 、参照o

(

1

5

)

読 谷村座喜 味 「ざきみ文庫 建設 の しお り

」1

9

9

2

年 11月

2

8

日発行 、所収。

(

1

6

)2

0

0

7

1

5

日、喜友名昇 か ら聞 き取 り (於 :座 毒味公 民館)r〕

(

1

7

)

沖縄地域 児童文庫連絡協議会編 「オー トブル ニ ュー ズ」第

7

、1

9

9

2

1

2

j

11

5

日発行。

(

1

8

)

沖縄地域児童 文庫連絡協議会編 「オー トブル ニ ュー ズ」第

9

、1

9

9

3

1

0

1

日発行 。

(

1

9

)2

0

0

7

1

5

山城勢津子 か ら聞 き取 り (於 :座 喜味公 民館 )。 なお

、2

0

0

7

1

1

3

日、再度電 話 イ ンタ ビュー を試 み た。 「祝 平成

1

7

年度 内閣府 善行 青少年及 び 青少年健 全育成功労者 薄行 古少年の 部 (団体)受賞 記念 誌」平成

1

8

(

2

0

0

6

年)

2

1

2

1

、5

頁、参照。

(

2

0

)

司書 ・山城 勢津子編 「ざきみ文庫 一年 のあゆみ」 中の 「文庫 一周年 にノ牡 う 比嘉房雄」 よ り.

(

2

2

)

「沖縄 タイ ムス

」2

0

0

4

6

1

0H

(

2

3

)2

0

0

7

1

5

日、喜友名昇 か ら聞き取 り (於 :座喜 味公民館).

(12)

(24)新餌 ・ざきみ文庫 の榊館 (1992年 11月)前 の牌 喜咲子 ども文庫利 用者別 統計表 (1985年∼1992年)に よる と、1986ifL・度 の1,969冊 を ピー クに翌年 か ら下降 し、1990年度 は461冊、1991年度 は324冊 と激減 し ている (座卓妹 子ども育成会 『1991年度 定期総会』 資料)。

(25)座酔凍 If・ども会 ・育成会 は、座 喜味の伝 統芸能 で ある棒術 の継承や屋久 島体験学習、募金運動 、米吊 基地建設反対 署名運動等 、様 々な活動 を繰 り広 げたO

参照

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