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「地域・大学院循環型保健学リーダーの育成プログラム」の利用に関する意向調査―群馬県および近県の保健医療従事者を対象として―

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地域・大学院循環型保 学リーダーの

育成プログラム」の利用に関する意向調査

群馬県および近県の保 医療従事者を対象として

山 上 徹 也, 小笠原 映 子, 徳 田 継 祐

佐 藤 由 美, 横 山 知 行, 椎 原 康

村 上 博 和

要 旨 【背景・目的】 群馬大学医学部保 学科で採択された,「地域・大学院循環型保 学リーダーの育成プログラ ム」の利用意向を調査した.本プログラムは地域の保 医療従事者を社会人大学院生として受け入れ,地域保 医療の質向上に貢献できる人材を育成することを目的としている. 【対象と方法】 アンケートは平成 19 年 12月∼平成 20年 1月に実施した. 群馬および近県の保 医療スタッフ 4,393名に自記式質問紙を送付し, 回収率は 19.4%, 有効回答数は 775名であった. 【結 果】 本プログラムの利用希望者は 494名 (63.7%) で,そのうち「自身での利用」は 197名 (25.4%), 職場の人の利用」は 297名 (38.3%)であった.本プログラ ムに対する要望・アイデアとして, プログラムの趣旨に賛同する意見が多い一方で, 授業形態等, 入学後の生 活をイメージできる情報が不足しているとの意見があった. 【結 語】 本プログラムの利用者を増やすた めには, より詳細で, 具体的な情報提供が必要である.(Kitakanto Med J 2010;60:311∼319) キーワード:大学院, 利用意向, アンケート調査 .目 的 群馬大学大学院医学系研究科保 学専攻では, 地域・ 大学院循環型保 学リーダーの育成プログラム」が, 平 成 19 年度に文部科学省の大学院教育改革支援プログラ ム (大学院 GP)として採択された.このプログラムは,本 専攻が地域の保 医療の充実・向上に貢献できる人材の 育成を目指して従来から力を入れてきた社会人学生の受 け入れを, さらに強化するものである. 具体的には, 地域 保 医療機関に就業している保 医療従事者を社会人学 生として受け入れ, 所属機関における研究課題を所属機 関と大学との共同で「地域保 学研究プロジェクト」と して遂行する. その研究プロセスを通して, 研究シーズ から研究計画を立案し, 成果を地域に還元する研究能力 と, 所属機関で研究メンバーを組織し, そのリーダーと して研究を遂行する指導・調整能力を体験的に修得し, 地域保 学リーダー」として地域保 医療の実践活動の 中で活躍できるようになることを目指すものである. ま たカリキュラムの面では新たに「地域保 医療研究概論」 を開講し, オムニバス形式であらゆる角度から地域保 医療の知識を習得できる履修モデルとした. 本プログラ ムでは従来本専攻が社会人学生を支援するために実施し てきた,夜間開講,土日祝日開講,長期履修制度に加えて, 職場や自宅での研究を支援するため e-Learning の導入, 教員が職場へ出向いての指導, 統計ソフトを 用できる パソコンの貸し出し, また働きながらの修学を経済的に 支援する研究費補助の支援など社会人学生を支援する内 容となっている. 1 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学医学部保 学科 2 群馬県前橋市昭和町3-39-15 群馬大学医学部附属病院 * 現所属:群馬県高崎市中大類町501 高崎 康福祉大学保 医療学部理学療法学科 現所属:群馬県高崎市問屋町1-7-1 群 馬パース大学保 科学部看護学科 平成22年7月2日 受付 論文別刷請求先 〒370-0033 群馬県高崎市中大類町501 高崎 康福祉大学保 医療学部理学療法学科 山上徹也

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このプログラムが採択された平成 19 年度に, プログ ラムの周知を目的として群馬県を中心とした地域保 医 療機関の管理者・スタッフおよび本学の卒業生・修了生 に対し, プログラムのパンフレットを送付した. 同時に プログラムに対する利用意向および要望を調査し, 大学 院で学習する社会人学生の支援について検討したので報 告する. .対 象 と 方 法 1.調査対象 調査対象は, ① 群馬県内の地域保 医療機関の管理者 およびスタッフ,② 平成 17・18年度本学保 学科卒業生 および保 学専攻博士前期・後期修了生, ③ ②が所属す る群馬県外の地域保 医療機関の管理者およびスタッフ とした.①の群馬県内の地域保 医療機関は,628 機関で あり, 行政機関が 68機関, 医療機関 が 146機 関, 介 護 サービス機関が 398機関, その他として企業・研究所等 が 16機関であった. ②の平成 17・18年度の保 学科卒 業生は 340名, 保 学専攻博士前期・後期修了生は 118 名であった. ③の対象となった県外の地域保 医療機関 は, 152機関であり, 行政機関が 10機関, 医療機関が 120 機関, その他として企業・研究所等が 22機関であった. ①と③に関しては管理者に各 1部, スタッフには機関の 規模に応じて 1∼86部, 質問紙を送付した. 配布数は 4393部となった. 尚, 管理者とは機関における管理者お よび看護, 臨床検査, リハビリテーションの各部門責任 者とした. スタッフとは,看護師,保 師,助産師,検査技 師,理学・作業療法士とした.行政機関は県庁,市町村,保 所等とし, 医療機関は病院, 医院, 診療所等とした. 介 護サービス機関は老人保 施設, 訪問看護ステーション とした. 2.調査期間および調査方法 調 査 は, 平 成 19 年 12月 27日 か ら 平 成 20年 1月 22 日に実施した. 地域・大学院循環型保 学リーダーの育 成プログラム」の利用に関する質問紙, 調査協力依頼書 および本プログラムのパンフレットを対象者に直接また は所属機関を通じて配布した. 無記名自記式調査とし, 郵送法により回収した. 倫理的配慮として, 調査の趣旨, 調査への協力は任意であること, 匿名性が保持されるこ と, 質問紙の提出をもって調査への同意とみなすことを 調査協力依頼書に明記した. 3.調査内容 本プログラムの利用意向については, 自身で利用を 希望する」, 職場の人が利用すると良い」, 利用したい と思わない」, 該当しない」の 4項目から回答を求めた. さらに, 利用の意向を示した者については, 希望 野」, 研究テーマの有無」および「研究テーマと内容」につい ての回答を求めた.また,本プログラムに対する要望・ア イデアを自由記載で求めた. 基本情報としては, 所属機関の種類, 所属機関の所在 地および職種についての回答を求めた. 4.有効回答数と 析対象の区 有効回答数は 852名で, 回収率は 19.4%であった (表 1). 852名の内, 本プログラムの利用意向に対して「該当 しない」と回答した 64名および無回答であった 13名の 合計 77名を除いた 775名を 析の対象とした. 5.統計処理の方法 「利用の意向を示した者」と「利用の意向のない者」 で, 対象者の属性, 所属機関の種類, 所属機関の所在地に 差があるか,χ 検定を行った.さらに,利用の意向を示し た者において, 自身での利用を希望する者」と「職場の 人が利用すると良いと える者」で,対象者の属性,所属 機関の種類, 所属機関の所在地に差があるか, χ 検定を 行った. χ 検定は, SPSS16.0を用いた. 本プログラムに対する要望・アイデアの自由記載に関 しては, 意味の読み取れる単位で 割し, 意味内容の類 似性に基づいてカテゴリー化し, 各カテゴリーに名称を つけた. 次に, 利用の意向を示した者」と「利用の意向 のない者」で, 各カテゴリーとの関連性を検討するため に, テキストマイニングにより 析した. テキストマイ ニングとは, テキストデータから新たな知識を発見する 手法であり, 社会心理学や質的心理学の領域で用いられ ている質的データを 析する方法である. テキストマイ ニングには, テキストデータからの構成要素の生成およ 表1 配布人数・回答者数・有効回答者数 単位 : 人 (%) スタッフ 管 理 者 保 学科卒 業 生前期・後期修了生学 専 攻 博 士 計 配 布 人 数 2,652 1,283 340 118 4,393 回 答 者 数 483 (18.2) 256 (19.9) 67 (19.7) 47 (39.8) 853 (19.4) 有 効 回 答 者 数 470 (17.7) 233 (18.2) 53 (15.6) 19 (16.1) 775 (17.6)

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びこれらを用いた多次元データ解析が含まれる. 本研究 では, 利用意向の有無を質的変数とし, 要望内容のカテ ゴリーを構成要素とした多次元データ解析を, Word Miner (日本電子計算株式会社) を用い実施した. さらに, 対象者の属性, 所属機関の種類, 所属機関の所在地と各 カテゴリーとの関連性についても同様に検討した. .結 果 1.対象者の基本情報 (表 2) 対象者の所属機関の種類は行政機関 380名 (49.0%), 医 療 機 関 308名 (39.7%), 介 護 サービ ス 機 関 67名 (8.6%), その他 19 名 (2.5%), 未回答 1名 (0.1%) であっ た.所属機関の所在地は群馬県内が 605名 (78.1%),群馬 県外が 166名 (21.4%), 未回答が 4名 (0.5%) であった. 群馬県外は, 長野県 55名 (7.1%), 埼玉県 40名 (5.2%), 栃木県 23名 (3.0%), 新潟県 2名 (0.3%), 群馬・埼玉お よび栃木県以外の関東都県 39 名 (5.0%), それ以外が 7 名 (0.9%) であった. 職種は保 師 348名 (40.8%), 看護 師 92名 (10.8%), 理学療法士 49 名 (5.8%), 臨床検査技 師 42名 (4.9%), 作業療法士 16名 (1.9%), 助産師 4名 (0.5%), その他 22名 (2.6%) であった. 対象者の属性は スタッフがもっとも多く 470名 (60.6%), 次いで管理者 が 233名 (30.1%), 卒業生が 53名 (6.8%), 修了生が 19 名 (2.5%) であった. また, 所属機関の種類における対象 者の属性の 布としては, スタッフが行政機関で 342名 (72.3%) と多く、管理者は医療機関に 147名 (63.1%) と 多かった. 所属機関の所在地はスタッフ, 管理者および 修了生の約 80%が群馬県内であった. 2.本プログラムの利用意向と対象者の属性および所属 機関との関連 (表 3) 本プログラムの利用意向に関しては, 494名 (63.7%) が利用の意向を示し, 281名 (36.3%) に利用の意向がな かった. 利用の意向を示した者のうち, 自身での利用を 希望する」との回答が 197名 (25.4%), 職場の人が利用 するとよい」との回答が 297名 (38.3%)であった. 自身 での利用を希望する」および「職場の人が利用するとよ い」の重複回答が 35名であったが, 自身での利用を希 望する」に含めた. 利用意向と属性, 所属機関の種類および所在地との関 連を調べるために, χ 検定を用いて検討した. 利用意向 の有無と属性の関連については, スタッフ (63.3%) と比 較して,管理者 (75.5%) および修了者 (94.7%)で利用の 意向を示す者が多く, 卒業生 (52.8%) で利用の意向を示 す者が少なかった (p<0.01). また, 利用意向と所属機関の種類の関連については, 行政機関 (54.7%)に比べて,医療機関 (71.8%),介護サー ビ ス 機 関 (70.1%), 企 業 お よ び 研 究 所 等 の そ の 他 (84.2%) に, 利用の意向を示す者が多かった (p<0.01). 所属機関の所在地と利用意向には有意な関連は認められ なかった. 3.本プログラムの利用希望者と対象者の属性および所 属機関との関連 (表 4) 本プログラムについて利用の意向を示した 494名のう ち, 自身での利用を希望する」および「職場の人が利用 するとよい」と回答した者と,対象者の属性,所属機関の 種類および所在地との関連を調べるために, χ 検定を用 いて検討した. プログラム利用希望者と対象者の属性と 表2 対象者の基本情報 単位 : 人 (%) スタッフ (n=470) 管 理 者 (n=233) 保 学科 卒 業 生 (n=53) 保 学 専 攻 博 士 前期・後期修了生 (n=19) 計 (n=775) 行 政 機 関 342 (72.8) 26 (11.2) 9 (17.0) 3 (15.8) 380 (49.0) 医 療 機 関 112 (23.8) 147 (63.1) 39 (73.6) 10 (52.6) 308 (39.7) 所属機関 の 種 類 介護サービス機 関 8 ( 1.7) 55 (23.6) 2 ( 0.4) 2 (10.5) 67 ( 8.6) そ の 他 8 ( 1.7) 4 ( 1.7) 3 ( 0.6) 4 (21.1) 19 ( 2.5) 未 回 答 0 ( 0.0) 1 ( 0.4) 0 ( 0.0) 0 ( 0.0) 1 ( 0.1) 県 内 380 (80.9) 187 (80.3) 23 (43.4) 15 (78.9) 605 (78.1) 所属機関 の所在地 県 外 90 (19.1) 43 (18.5) 29 (54.7) 4 (21.1) 166 (21.4) 未 回 答 0 ( 0.0) 3 ( 1.3) 1 ( 1.9) 0 ( 0.0) 4 ( 0.5)

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の関連については, 自身での利用を希望する」との回答 が卒業生で 64.3%と多く, 職場の人が利用するとよい」 との回答は, 管理者 (76.1%) で多かった. プログラム利 用希望者と所在地との関連については, 自身での利用 を希望する」が県内 (37.3%)と比較して県外 (50.5%)で 多かった. 所属機関の種類については, 有意な関連が認 められなかった. 表3 基本情報別利用意向 (n=775) 単位 : 人 (%) 利用意向 あ り 494 ( 63.7) な し 281 ( 36.3) 計 775 (100.0) ス タ ッ フ 272 ( 63.3) 198 ( 42.1) 470 (100.0) 対象者の属性 χ =31.7 p<0.01 (n=775) 管 理 者 176 ( 75.5) 57 ( 24.5) 233 (100.0) 保 学 科 卒 業 生 28 ( 52.8) 25 ( 47.2) 53 (100.0) 保 学 専 攻 博 士 前期・後期修了生 ( 94.7)18 1 ( 5.2) 19 (100.0) 行 政 機 関 208 ( 54.7) 172 ( 45.3) 380 (100.0) 医 療 機 関 221 ( 71.8) 87 ( 28.2) 308 (100.0) 所属機関の種類 χ =23.4 p<0.001 (その他, 未記入を除く n=755) 介護サービス機関 48 ( 70.1) 19 ( 28.4) 67 (100.0) そ の 他 16 ( 84.2) 3 ( 15.8) 19 (100.0) 未 記 入 1 (100.0) 0 ( 0.0) 1 (100.0) 県 内 389 ( 64.3) 216 ( 35.7) 605 (100.0) 所属機関の所在地 χ =0.3 n.s. (未記入を除く n=771) 県 外 103 ( 62.0) 63 ( 38.0) 166 (100.0) 未 記 入 2 ( 50.0) 2 ( 50.0) 4 (100.0) n.s.: not significant 表4 利用意向の内訳 (n=494) 単位 : 人 (%) 利用意向あり 自身 197 ( 39.9) 職場の人 297 ( 60.1) 計 494 (100.0) ス タ ッ フ 129 ( 47.4) 143 ( 52.6) 272 (100.0) 対象者の属性 χ =32.4 p<0.01 (n=494) 管 理 者 42 ( 23.9) 134 ( 76.1) 176 (100.0) 保 学 科 卒 業 生 18 ( 64.3) 10 ( 35.7) 28 (100.0) 保 学 専 攻 博 士 前期・後期修了生 ( 44.4)8 10 ( 55.5) 18 (100.0) 行 政 機 関 92 ( 44.2) 116 ( 55.8) 208 (100.0) 医 療 機 関 84 ( 38.0) 137 ( 62.0) 221 (100.0) 所属機関の種類 χ =3.4 n.s. (その他, 未記入を除く n=477) 介護サービス機関 15 ( 31.3) 33 ( 68.8) 48 (100.0) そ の 他 5 ( 31.3) 11 ( 68.8) 16 (100.0) 未 記 入 1 (100.0) 0 ( 0.0) 1 (100.0) 県 内 145 ( 37.3) 244 ( 62.7) 389 (100.0) 所属機関の所在地 χ =6.0 p<0.05 (未記入を除く n=492) 県 外 52 ( 50.5) 51 ( 49.5) 103 (100.0) 未 記 入 0 ( 0.0) 2 (100.0) 2 (100.0) ※ 1: 自身で利用を希望する ※ 2: 職場の人が利用すると良い n.s.: not significant

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4.本プログラムの利用を希望する研究 野および研究 テーマ 本プログラムの利用意向を示した 494名に希望する研 究 野を確認したところ, 456名から回答が得られ, 看護 学が 215名 (47.1%), 生体・環境保 情報科学が 72名 (15.8%), 理学・作業療法学が 56名 (12.3%), 未定が 113 名 (24.8%) であった. さらに, 研究テーマの有無につい ては, 428名から回答が得られ, 研究テーマがあると回答 した者が 18名 (4.2%), 研究テーマは未定と回答した者 が 410名 (95.8%) であった. 5.本プログラムに対する要望・アイデア(自由記載) 本プログラムに対する要望・アイデアとして, 132名 (スタッフ 71名, 管理者 34名, 卒業生 12名, 修了生 18 名) から 186件の回答があった. 回答のあった自由記載 を意味内容に基づいて 類したところ, プログラムの 周知」(41件), 授業形態」(38件), プログラムの主旨へ の賛同」(28件), プログラムの内容について」(24件), 時間」(18件), 距離」(15件), 経済」(8件), 制度」(7 件), 設備」(5件), その他」(2件)の 10のカテゴリーが 抽出された (表 5). 1)本プログラムの利用希望者と要望内容の関連につ いて (図 1) 「利用の意向を示した者」と「利用の意向のない者」 で, 要望内容との関連性を検討するために, 利用意向の 有無を質的変数とし, 要望内容のカテゴリーを構成要素 とした多次元データ解析を実施した. 布置図として出力 された結果を図 1に示す. 本プログラムについて「自身で利用を希望する」と回 答した者の要望は, 具体的な授業時間, 授業方法, 単位に 関してなどの「授業形態」が多かった. 一方, 職場の人 が利用すると良い」と回答した者は, 職場の人員不足や 家事・育児・介護に伴う「時間」的制約についての意見 を述べていた. また, 本プログラムが地域の保 医療の 質の向上や個人のスキルアップにつながるなど「プログ ラムの主旨への賛同」および職場の理解が得られるよう な「プログラムの周知」に対する要望は利用意向の有無 および利用希望者の違いに関係なくあった. 2)対象者の属性と要望内容の関連について (図 2) 対象者の属性と要望内容との関連性を検討するため 表5 本プログラムに対する要望・アイデア (自由記載) (n=186件) カテゴリー 件数 具体的内容 プログラムの周知 41 職場や地域の理解を得て,円滑に地域保 学プロジェクトを進めるため,本プログラムの内 容を周知してほしい 授 業 形 態 38 夜間開講, 土日祝日開講, e-Learning, サテライトキャンパス, 授業単位の振り替えなど, 社会人が通いやすいようにしてほしい プ ロ グ ラ ム の 主 旨 へ の 賛 同 28 本プログラムは地域の保 医療の質向上につながり, 個人のスキルアップにつながる プ ロ グ ラ ム の 内 容 に つ い て 24 地域保 学プロジェクトの研究テーマ,プロジェクトの申請資格,地域保 学リーダーの目 的・役割などプログラムの具体的なイメージがわきにくい 受験資格や大学院での生活など大学院自体についてわからない 時 間 18 仕事・職場の人員不足, 家事・育児・親の介護などで多忙 距 離 15 通学が遠い, 夜間 18時からの授業に間に合わない 経 済 8 授業料免除, 奨学金, 通学 (駐車場代含む) 等の費用などの経済的支援が必要. 制 度 7 研究の経過中あるいは研究終了後に職場の異動があると, せっかく職場をフィールドにし た研究をしても現場で生かせない.就業を継続したままの大学院進学は就業規則上,不可能 であり,仕事を辞めざるを得ない (身 の保障の問題),職場を研究フィールドとした場合に 得られたデータを研究で利用する際の個人情報保護の関係整備が必要で, 煩雑である. 設 備 5 駐車場が狭く, 舎から遠い. 大学内の研究設備が古く, 大学と共同研究するメリットが乏 しい. そ の 他 2 現場に役立つ研究テーマが必要. 大学側から研究テーマを提示してほしい. 図1 利用意向と要望内容の関係 【自 身】:自身で利用を希望する. 【職場の人】:職場の人が利用すると良い.

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に, 対象者の属性を質的変数とし, 要望内容のカテゴ リーを構成要素とした多次元データ解析を実施した. 布 置図として出力された結果を図 2に示す. スタッフでは「プログラムの周知」および通学に関す る「距離」についての意見が多く,管理者は「プログラム への主旨への賛同」が多かった.また,スタッフおよび管 理者ともに, 時間」, 授業形態」に関する要望が多く,ス タッフおよび修了生には, 職場の異動によっては研究成 果を職場で活かせないなどの「制度」に関する意見や奨 学金などの「経済」的支援に関する要望が多かった. 3)所属機関の種類と要望内容の関連について (図 3) 所属機関の種類と要望内容との関連性を検討するため に, 所属機関の種類を質的変数とし, 要望内容のカテゴ リーを構成要素とした多次元データ解析を実施した. 布 置図として出力された結果を図 3に示す. 医療機関は「プログラムへの主旨への賛同」,「授業形 態」および「距離」に関する要望が多かった.行政機関で は「時間」,「プログラムの周知」に関する要望が多く,介 護サービス機関では「プログラムの内容について」不明 という意見が多かった. 4)所属機関の所在地と要望内容の関連について (図 4) 所属機関の所在地と要望内容との関連性を検討するた めに, 所属機関の所在地を質的変数とし, 要望内容のカ テゴリーを構成要素とした多次元データ解析を実施し た. 布置図として出力された結果を図 4に示す. 県内では「時間」, プログラムの周知」, プログラムの 内容について」不明との意見が多く, 県外では「距離」, 経済」への要望が多かった. . 察 1.本プログラムの利用意向 本調査は, 群馬県内を中心とした保 医療機関等の管 理者・スタッフおよび本学の卒業生・修了生を対象に「地 域大学院循環型保 学リーダーの育成」プログラムの利 用意向調査を実施した. 無記名自記式調査としたが, 回 収率が 20%と低かった. 他県における看護系大学院が実 施した調査では 40%の者が「大学院自体を知らない」, 内容がわからない」と回答しており, 本調査の回収率 の低さは大学院自体の潜在的な認知度の低さに本プログ ラムの新規性が影響したと えられる. しかしながら, 回答者の 63.7%が本プログラムについての利用意向を示 しおり, 自由記載の内容においても利用意向の有無に関 わらず本プログラムの主旨への賛同は多かった (図 1). したがって, 地域保 医療機関と大学とが共同で地域保 学研究プロジェクトを遂行し, 地域の保 医療の充 実・向上に貢献する人材育成のニーズは高いと えられ る. 本調査では, 本プログラムの利用者に「自身での利用 を希望する」と回答した者が 25.4%であった. 同様の大 図2 対象者の所属と要望内容の関係 図3 所属機関の種類と要望内容の関係 図4 所属機関の所在地と要望内容の関係

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学院進学ニーズ調査で三重大学大学院医学系研究科では 24.1%, 愛知県立看護大学大学院では 33.7%, 宮城大学 では病院看護職 22.7%, 行政保 師 21.0% であった. いずれも看護関係職員を対象とした調査ではあるが, 概 ね同様の結果であった.自由記載には,職場の理解・協力 が得られるような「プログラムの周知」,プログラムに該 当する研究テーマ, 地域保 学リーダーの役割など「プ ログラムの内容について」不明という意見とともに, 大 学院での生活や受験資格など大学院自体についての内容 が不明との意見があった. したがって, 本プログラムに ついての詳細な情報提供とともに大学院自体の情報提供 の必要性が示された. 特に大学院受験に関する「資格審 査制度」の認知度は低く, 入学までの流れに関する情報 提供の必要性が示された. さらに, 本プログラムの利用 者に「自身での利用を希望する」と回答した者は, 授業 形態」に対する意見が多く, 職場の人が利用するとよ い」と回答した者にも,自身で利用したいが,家 ・仕事 と学業を両立する時間がないとの回答があった. した がって, 夜間開講, 土日祝日開講, e-Learning の導入, 長 期履修制度などの社会人学生に配慮した「授業形態」や 「時間」的負担を軽減するような支援は, 働きながら大 学院で学ぶ学生への支援として有効であると えられ, それに関する情報提供が必要であることが示された. また, 利用意向を示した者における希望 野および研 究テーマの有無については, 約 25%が希望 野を未定と 回答しており, 研究テーマがある者は 4.2%に限られて いた. 一方, 自由記載による本プログラムへの要望には, 大学側からの研究テーマの提示」があった.これらのこ とから, 大学側から具体的な地域保 学に関する研究例 を提示することは, 地域で働く保 医療従事者が所属機 関で直面している課題を研究シーズとみなし, 解決する 手段として大学院を活用するきっかけになると えられ る. 2.属性別の利用意向 管理職の 75.5%が利用意向を示し, スタッフ (63.3%) と比較して高かった. さらに利用意向のある管理職の 76.1% はプログラムを「職場の人が利用するとよい」と 回答していた.自由記載においても,管理者は「プログラ ムの主旨への賛同」を多く示し, 個人のスキルアップに つながる」という内容が記載されていた. 過去の調査で は「職場の活性化」や「教育・研究・指導者に活用した い」として 88%の看護管理者が部下を大学院へ進学させ たい と えおり, 本調査でも管理者に大学院を活用し た人材育成のニーズが示された. 自由記載による要望内容ではスタッフ, 管理職とも 「授業形態」や「時間」など,現実的に仕事や家 と学業 が両立できる態勢を望んでいた. したがって, 具体的に 働きながら大学院で学ぶという学生生活がイメージでき るような「授業形態」に関する情報提供は,進学希望者の みならず, 彼らを支援する管理職にも必要であると え られた. 卒業生の利用意向は他の属性と比較して 52.8%と低 かった. 大学卒業後, 大学院進学までの期間は平 6.38 年 とされており本調査では卒後 1・2年の者を対象とし たため低くなったと えられた. 修了生はほぼ全員の 94.7%が利用意向を示した. 別に 実施した修了生に対する教育評価の結果では教育内容に 対し高い満足度が得られており, これが高い利用意向に つながったと えられた. 3.所属機関の種類別の利用意向 行政機関に所属する者については, 54.7%に利用の意 向があり, 医療機関 (71.8%), 介護サービス機関 (70.1%) より低かった. 行政機関の職種は保 師が多く, 過去の 保 師への調査結果では, 務員は辞めると再就職が難 しく, 大学院進学への負担が大きい ことを指摘してい る. 本調査の自由記載においても, 行政機関では職場の 異動や身 保障などの「制度」および「時間」に関する 要望と職場の協力体制が得られるような「プログラムの 周知」に対する要望が多かった.本調査においては,本プ ログラムの周知が十 に行われていなかったことによ り, 行政機関に所属する者の利用意向が他と比べて低 かったと えられた. しかしながら, 本プログラムは職 場の課題を研究テーマとしたプロジェクトを支援するこ とから, 研究成果を職場に還元でき, さらに研究に費や す学生の時間的負担を軽減できる可能性がある. した がって,本プログラムは, 制度」面で,大学院進学への負 担が大きいとされていた行政機関に所属する保 医療従 事者が働きながら大学院教育を受けられるための支援の 一つと えられ, 今後プログラムの周知をはかるととも に, 本プログラムの教育効果についても検討していきた い. 4.所属機関の所在地別の利用意向 県内と比較してわずかに県外で利用意向が高く, 県外 の利用意向者は「自身での利用を希望する」者の割合が 高かった. これは県外の対象者は特に本プログラムに関 心のある者が回答したためと えられた. 自由記載の要 望では県外の利用意向者は「距離」や「経済」面に関す る意見が多かった. 従って, 県外の学生は, 特に, 「距離」 や「経済面」に配慮した支援に対するニーズがあり,本プ ログラムにある e-Learning, 統計ソフトを 用できるパ ソコンの貸し出し, 研究費補助, 奨学金等の支援が有効

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であると えられた. 謝 辞 本調査にご協力いただいた保 医療スタッフ, 修了生, 卒業生の方々に深く御礼申し上げます. 文 献 1. 我部山キヨ子, 出口克巳, 大西和子ら. 三重大学大学院医 学系研究科看護学専攻 (修士課程) 設置への期待と要望 看護関係業務に携わる人々の調査結果から. 三重看護学 誌 2000; 3(1): 195-211. 2. 塩野悦子, 山田紀代美, 真覚 ら. 宮城県における看護 職の大学院進学ニーズ調査報告 病院看護職への調査. 宮 城大学看護学部紀要 2005; 8(1): 89-95. 3. 小 万喜子, 平井さよ子, 曽田陽子ら. 愛知県立看護大学 の教育改革に関する調査 (1) 本学大学院への進学及び修 了者雇用に関するニーズの概括. 愛知県立看護大学紀要 2005; 11: 69-78. 4. 山田紀代美, 真覚 , 塩野悦子ら. 宮城県における看護 職の大学院進学ニーズ調査報告 行政保 師への調査. 宮 城大学看護学部紀要 2005; 8(1): 97-102. 5. 平井さよ子, 海老真由美, 山田 子ら. 看護職の大学院へ の進学ニーズに関す る 調 査. 愛知県立看護大学紀要 2002; 8: 33-40. 6. 香春知永,横山美樹.聖路加看護大学学部卒業生の大学院 進学に関する動向調査.聖路加看護大学紀要 1995; 21: 50-56. 7. 金川克子, 大井田隆, 角野文彦ら. 衆衛生看護のあり方 に関する検討委員会活動報告「保 師のコアカリキュラ ムについて」中間報告.日本 衆衛生雑誌 2005; 52(8): 756-764. 図 表 の 説 明 図1∼4の見方 各質的変数を示す円の中心や他の円から離れた位置に記さ れた要望カテゴリーが,その質的変数独自の要望を示し,円と 円が重なり合う場所に記された要望カテゴリーが共通の要望 を示す.

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Survey of the Willingness of Health Care

and M edical Workers in Gunma Prefecture

and Neighboring Areas to Use the Community-Graduate

School Circular Educational Program to Train

Community Health Care Leaders

Tetsuya Yamagami,

Eiko Ogasawara,

Keisuke Tokuda,

Yumi Sato,

Tomoyuki Yokoyama,

Yasufumi Shiihara

and Hirokazu Murakami

1 School of Health Sciences, Gunma University Faculty of Medicine, 3-39-22 Showa-machi, Maebashi, Gunma 371-8511, Japan

2 Gunma University Hospital, 3-39-15 Showa-machi, Maebashi, Gunma 371-8511, Japan * Present address: Department of Physical Therapy, School of Health Care, Takasaki

University of Health and Welfare,501 Nakaorui-machi,Takasaki,Gunma 370-0033,Japan Present address: School of Nursing,Faculty of Health Science,Gumma Paz College,1-7-1 Tonnya-machi, Takasaki, Gunma 370-0006, Japan

Background and purpose: The willingness of the health care workers in Gunma Prefecture and neighbor-ing areas to use the Community-Graduate School Circular Educational Program to train community health care leaders adopted by the School of Health Science,Faculty of Medicine,Gunma University was investigated. This program is aimed to accept community health care and medical personnel in graduate school and nurture them as human resources who can help improve the quality of local health care and medical services. Subjects and M ethods: A questionnaire survey was performed from December 2007 to January 2008. A self-administered questionnaire was sent to 4,393 health care and medical workers in Gunma Prefecture and neighboring areas,and valid responses were obtained from 775 (recovery rate: 19.4%). Results: Of the 775 respondents, 494 (63.7%) were willing to use the program, with 197 (25. 4%) willing to use the program themselves, and 297 (38.3%) wishing their colleagues to use it. Many respondents expressed opinions supporting the aim of the program,but some suggested that information which allows the prospective users to imagine the contents and style of classes and life after admission was insufficient. Conclusion : It is important to provide more detailed and specific information to attract more users to this program.(Kitakanto Med J 2010;60:311∼319)

参照

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