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西ドイツにおける障害児早期教育の現状 : Carolinenhilfeを通して

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(1)西ドイツにおける障害児早期教育の現状 Carolinenhilfeを適して. 関. Current. Trend. of Early. Intervention. in West. Handicapped Mineyo. 健治*. 三根代*・鈴村. SEKI*. for the. Germany. Kenji SITZUMURA**. and. SUMMARY investigation. An. activity. visits. the. of The. marny.. under. institution. an. team.. multidisciplinary. theory. and. for handicapped. of early education, has systematically developed. institution a. edllCation. the. practice,. recognition. and. the. は. Some. in. therapy. and. West. of. the form. in. the Ger-. of home. in. terms. of. therapists,. the. gulf. however,. physicians. through. made. Bayern. found. of w・ages.. problem. じ. the. problems,. between. vas. children. Carolinenhilfe,. of therapy,. contents. between. of early. め. に. 早期教育ほ,その基本理念をPiagetの理論においている。簡潔に言えば,. 「子ども白. 身とその環境を分析することほ,子どもの発達を促進するために必要である。+という考 え方が早期教育の基本となる。つまり,早期教育は,経験を通しての認知構造の養成およ ぴ後の知能・言語・コミュニケ-ショソの発達に役立つと認められているo西ドイツで は,この理論に基づいて,子どもがもつ環境である家庭において経験行動を広げることが 早期教育の可能性の1つであるという考えのもとに,早期教育が実施されている。日本に おいてほ,聴覚障害・視覚障害の早期教育に関しては他の障害と比戟して発達していると いえるが,全体的にほ障害児の早期教育ほ完全なものとほいえない。本稿でほ,現在,秤 政と学問の協力によって組織的に障害児の早期教育が行なわれている西ドイツの実施状況 を調べることにより,日本の障害児早期教育の発展のための資料を得る。ここでほ, *大学院研究生(Research **特殊教育教室(°ept.. Sttldent of Special. in Gradtlate. Education). Cource). 1973.

(2) 関. 178. 年に行政との連携を提唱したProf.. 三根代・鈴村 Dr.. 健治. Speckのもとで,. Bayern州地方を中心として調. 査し,特に早期教育棟関の1つであるCarolinenbilfeの早期教育現場を通した現状を主 に述べる。 障害児早期教育の概要. 障害児早期教育の手立て 障害児早期教育とほ,早期診断,早期理解,早期の特別教育的セラピー及び早期相談の 4つがまとまった集合概念である。つまり,早期教育の「教育+は対象者を最良の状態 で,最良の時期に助言し,保護し,支持していくことである7)0 早期教育が行なわれる前に障害について認識されなければならず,可能 1早期診断 ならば,その原因についても知らされるべきである。それも,機能障害や捜傷といった子 ども側の面だけでなく,保護者側の教育状況,家庭環境についても診断されるべきであ る。これまでほ後者の面までの診断が行なわれなかったので,指導における欠陥があっ た。. 2早期理解. 子どもに,より効果的な早期教育をするためにほ,子どもとの強い結び. つきのある両親と,早期教育を行なうチームの間に相互理解がなければならない。ここ で,早期教育に対する両親の理解が欠落していると,専門家が最良のチームによってセラ ピーを行なったとしても,子どもに十分な影響を及ぼすことはできない。このため,早期 理解においても,ソーシャルワーカーの力が大となる。つまり,両親に単に早期教育につ いての助言を与えて実行させるのではなく,両親の家庭における仕事の状況などを専門家 が理解した上で協力体制を築くことにより,ほじめて早期教育を行なうことがきでるので ある。 3早期の特別教育的セラピー. これは早期教育の核となるものであり,この目的のた. めに早期診断と早期理解が役立つべきである。ここでの目的ほ,発達に障害を受けた,普 たは将来発達の障害の危険のある子どもに特別な訓育を担供するということである。つま り,早期にかつ計画的に行なわれ,現在もっている障害または将来もつ危険性のある障害 を考慮して行なわねばならない。特に重要なことは,予防訓育であり,精神・社会面にお ける偏った発達を妨げる形で訓育を行なっていくことである。障害が重いために予防訓育 だけでは不足であれば,予防訓育に加え,特別な訓育が行なわれる。また,障害をもつ部 位の訓育が障害をもたない部位の訓育を妨げることなく,できるだけ一般的にかつ必要な だけ特別に適用されることが原則となる。障害児においても,普通児と同じ権利があるこ とを忘れてはならない。つまり,子どもからの拒否,自由の要求などについては,訓育と 教育的セラピーを通じて対処すべきである。早期訓育の最も効果的な方法は,多種の専門 家の協力のもとで訓育を行なうことであり,さらに母親をパートナーとして参加させるこ とが重要である。こうした多方面からのつりあいのとれた必要条件を通して適切な目的を 定め,協力のための動機づけを保ちつつ,常に刺激し合いながら実施されねばならない。 4早期相談. 子どもの全教育相談における両親の指導である。早期教育の放めに早期. 診断の第1段階として,対象となる子どもの生活観点について両親と専門家が何度か話し.

(3) 西ドイツにおける障害児早期教育の現状. 179. あうことがある。その際,子どもの訓育可能性だけでなく,子どもの表面上の態度の表わ れにも注意をむけて話しあわねばならない。ここで重要なのほ,専門家が使用する言葉で ある。専門通語,医学用語を用いたり,つきはなしたいい方及び理由や説明をしない話し 方等ほ,相談の成果を失わせる。両親が,何をいわれたのかをはっきりと理解することに よって専門家の助言や説明,指導が生きてくるのであり,早期教育の成功への条件とな る。ここでも,対象ほまず第1に子どもであり次に障害児であることを忘れてほならな い。. 障害児の早期教育の目的と課題 教育目的ほ,. 「国家の全ての子どもに生きるための方向を示すべきである。+という一般. 的定義に準拠し,特に障害児の早期教育の目的は,. 「障害児に障害による負担をできるだ. け軽減させ,個人的社会的生活を援助すること。+である。この目的から解決できる課題 を次にあげる7)0. 1)早期訓育は,障害に対してすぐに影響するのではなく,悪化しないように作用しう る。. 2) 障害の加重がどこにあるかを示し,その加重を軽減する占 r3) 子どもの精神的,社会的発達の偏りをなくすように教育していく。 4)障害児教育を普通教育に近づける。 概念でも述べたように,両親との協力のもとでの教育が1つの大きな課題といえる。こ れまでの障害児早期教育の発達から,早期教育による発達促進効果は,徹底した個人指導 のもとで表われることが証明されているo. しかし,顎実的には,専門家ほ過に1-2回と. いう形で実施するのみであり,専門家による治療効果を上げるには,家庭において毎日子 どもにかかわりのもてる両栽,特に母親の協力が重要である。この協力を得るためにほ, 専門家は両親へ,治療方法の伝達をするだけでなく,両親に対して子どものもつ問題を解 決する側に立つ態度を養成しなければならない。その際専門家は,両親と同じ立場にた ち,両親を援助する形で,最初に両我との協力体制を作っていかねばならない。 概念の発達 1歴史的背景. 早期教育が学習・知能の発達の助けとなることは, 1939年のSkeek が続けられたo 1911年, Huntは4-5歳が発達の最も重要な時期と述べ11),. 皮 Dyeから研究. 1964年,. Bloomはさらに就学前年齢の子どもに関する教育の環境の重要さを述べている12)0 年, CookもBloomと同様,環境を重要として報告している14).. Hunt,. Bloomに基づ. いて,ドイツでほ1967年にLueckertが以下の5つの命題を表わした。 1)子どもはごく早期に周囲とのコンタクトをもち,周囲について学ぷ。このことによ って生活を豊かにすることができ,これは本質的に重要である。 2)知能と才能は固定的なものでほなく,社会・文化的な条件のもとで変化しうる能力 であり,学習手順が影響する。 3)発達初期において,知能と才能ほ特にコミュニケ-ショソ経験,運動経験,認知経 験に関係する。. 1969.

(4) 関. 180. 三根代・鈴村. 健治. 4)知能と才能は6歳で永準に達する。 5)遊具,学習用具による長期のトレーニソグほ特に知能と才能の発達に有効に働くo 同年, Muenchenの4つの幼梅園で精神的教育のために遊びを通しての実験がBrem-. Graeserによって行なわれた3)oこの結果,家庭での訓育の少い子どもは,活動的な還境 1969. において順応が遅れるが,家庭での訓育の多い子どもほ順応が速いことが示された。 年, Schaefer,同年, Painte, 1968-72年, Palmerらによってドイツ連邦国家内において,. 子どもへの指導を通しての早期幼児期のための早期教育プログラムが開発され,その効果 1971年, 1969年, Cordon, 1970年, Lebenstein,同年Karnes, が確認された2)。続いて, Forresterにより,両親への指導を通してのプログラムが開発された4)。このプログラム の開発によって,早期教育は集団での指導よりも母と子のシステムによる個人指導におい &. Kleinらが Sander,Speck て,より効果があることが理解されたoそして1973年には, 学問と行政の協力によってのみ早期教育の発展がみられることを提唱し,実行した13)0. 2行政的背景 1966年にドイツ連邦政府の援助のもとに,. ThomaeがBonnにおいてモデル実験と称. 2年後の して早期教育Lebenshilfeを成立した17)。開始当時は2-3歳7人であったが, 1968年にほ生後4カ月-6歳51人の障害児に増加した。そして1969年,ドイツ連邦教育委 員会において,. 「精神遅滞児のための生活援助,及び精神遅滞児における早期教育勧告+. がなされ,この勧告の対象となったのは障害を既にもっている,及び将来障害をもつ危険 Bundessozial lfegesetz) §39 性のある子ども・青年である。同年,連邦社会援助法(Das -47に就学前年齢における障害児の訓育について,援助と障害の危険性予防が記された。 「就学前教育 1970年,教育政策構想において連邦政府は次の様に確定している。それは, の強化,小学校の改革,特別な訓育・補足プログラムの発達によって,就学義務となった 全ての子どもが普通教育を受けられる。+ということである。つまり,早期教育によって 障害児ほ,必然的な行動・規則をすぐに改善し,障害をなくしうると考えられたのであ る。だが,この2年後の1972年には,文部大臣による「特殊学校の本質に関する体制のた めの勧告+がだされ,就学前年齢の障害児の将来のために適した特殊教育組織を設立すべ きであると理解された。この1970年から1972年の2年間における行政の早期教育と障害児 1973年, に対する考え方の変化は著しく,早期教育に対する理解が深まったといえよう。 教育委員会勧告「障害児及び障害のおそれのある子どもと青年に対しての教育+がださ れ,以下の3点が示された。 1). 1歳での心理学的,知的,感情的発達は,開放的であること(offenheit)と順応で あること(pr邑barkeit)を通してその特徴が示される。. 2)学習心理学の研究において;障害の早期発見と教育の早期開始ほ非常に重要である ことが示唆された。. 3)早期発見と早期教育処置ほ,将来の障害の危険性からの予防と障害の進行の停止 の可能性をつくる。. この3点については,障害児の早期教育の内容を正しく把超されたものとして評価しうる であろう15)0.

(5) 西ドイツにおける障害児早期教育の現状. 181. Bayern州における障害児の早期教育の発展と組織 成. 立. 1974年 学校,幼稚園の中の一部門としてBayern州での早期教育が始まる。この際,障 害児がここへ通う形で行なわれた。 1975年. 訓育の内容と形式についてより分化した指示,医療機関との協力,そして組織に. ついての定義がだされた。. 1982年. 早期教育開始からの8年間の報告がまとめられ,下記の重要性が理解された。. 。早期教育においてほ両親,医師,教育者,セラピスト等の協力が重要である。 。両栽ほ専門家と同等の位置におかれなければならない。. 。教師やセラピストの教育継続ほ重要である。 。1974年の開始当時ほ,セラピーの調整がされず,定期的に行なわれなかったため,悼 害児にとっても援助になることが少なかった。そのため,早期教育所を置くだけでな く,セラピストの家庭訪問の形で家庭でのセラピーを行なうのが障害児にとってより よい状態となる16)0. 早期教育の形式の変化 1セラピー. 開始当時は,両親参加による乳幼児のグループを対象に始められた。これについての反 省点を下記にあげる。 1)両親ほ,家庭において子どもにセラピーをすることはできなかった。 2)各家庭のもつ特殊な問題が発見されなかった。 3)各子どもはグループセラピーにおいては解決できない個有の問題をもっていた。こ れより,家庭訪問の形がとられるようになった1)0. 2共働著 聞始当時ほ各セラピストが,異なる機関に属していたためよりよいセラピーを保証する ための十分な時間がなかった。したがって継続したセラピーのためには常にセラピストの 交代を余儀なくされた。そのため子どもはセラピストに慣れることができず,セラピー全 体が一貫したものとなっていなかった。この反省に基づき,早期教育のためだけのセラピ ストが必要であるということが理解された。. 医師の早期教育に対しての疑問が,開始当時,難点であった。しかし,. Speckによって. 医師とセラピスト間の協力体制がつくられて以来,疑問を解消する方向に至り,現在でほ 医師からの協力を大きく得ることができている1)0 3組織. 早期教育開始当時,組織のあり方,診断,共働における問題点があった。この問題点を 解決するという経験により,早期教育をより効果的に行なうための重要点を理解すること ができた。その結果として,現在定規的に多くの専門家の協力によるチームによって早期 教育が行なわれている。子どもの全人格的発達には,家庭状況をも考慮に入れる方法が必 要と考えられたためである。これをABBILDUNG. 1.に示した。.

(6) 関. 182. ABBILDUNG. 健治. 三根代・鈴村. 1. 2. ABBILD口NG. Soziales Kind. Eltern. ロmfeld. ∫ I I ∫ ∫. Psycbologe Arzt Institut Tberapeutin. ∼. Kind. Psycbologe. Arzt. Familie H Tberapeutin. eilpaedagogin. Oeffentlicbkeit. Heilpaedagogin. Gesellscba托. Team. 9o 80. 70 60. うO r1. 召斗O t可. a. <う0 2o. 10. 197LL75. 76. 77. 78. 79. Jabェ Fig,. 1. Zahlemaessige. Entwicklung. Fruebfoerdereinricbtungen Bayern. Yon. 1974-79.. der in.

(7) 西ドイツにおける障害児早期教育の現状. 183. LL50. 卑う0・O FJ. Fl. 計ooo. BPOradi b e七正餌七. a. ・rl. >jう500. 斗OO甚 白. Ch. き50. も. 岳 ぢ5O00. J3. #. Bloo岩. /. ¢. Sl. 葛2500. 250. 1. A. 20000. .>.1 q. 召15 う00. :1C. ・Il E<. ,巧 く). 200.ヨ rd. in七enBiv b色七pet1七. /. ・ド ¢ A. 150. 冒 Pl 竹. 000. 100 rl. 葛. A. a. う00. SOB. B三. 0 197. 0. 5/7亭6P?777/7878/7冨9/8 j SIchul. Fig.. 2. Anzahl in. ahT. der. betreuten. Kinder. Fruebfoerdereinrichtungen. in I∋ayern. Yon. 1975-80.. 具体的には,現在での早期教育機関ほ他機関に付随することなく,独自の場をもち,そ こが訪問活動(mobile. Dienst)の核となっている。この場を得ることにより,一貫したセ. ラピー,チーム活動といった点が改善されたのである。機関については,. ABBILDUNG2. に示す1〕16)0. 現状と問題点 1対象者とその環境 早期教育機関ほ,開始当時1974年でほ23カ所,. 1年後には2倍になり,その後も年々増 1)。対象となる子どもの数は下記 え1982年にほ106カ所となり現在も増えつつある(Fig. に示すように定期的にセラピーを受けている者の数だけでも1975年から1980年までの5年 間で3.5倍にも増加している。 1982年において20 1カ所の機関で担当する対象者の数ほ, -40人としていたが,対象者の増加が著しく,現在機関によってほ100人をこえる対象者 をかかえている.こういった数値の変化からも早期教育の要請が大であることがわかる0. 年齢別の対象者数についてほ,一般的な早期教育機関がかかえている対象者ほ1歳児が最 も多く,年齢が増すにつれ,人数が減っている。しかしそれでも, 大きな違いはない。これに対して,身体障害だけを扱っている機関でほ, 40%をしめ,. 2歳児でほ20%,. 1-3歳児の人数には 1歳児が全体の. 3-5歳児は10%でそれ以上の年齢でほまた漸増してい. る。言語障害専門,聴覚障害専門,視覚障害専門等についてほ年齢が増すとともに人数が ふえている。これは,身体障害は発見が早いことから,. 1′-2歳の間でセラピーをうけ,.

(8) 184. 閑. 三根代・鈴村. 健治. その結果,乳児園,幼稚園等他機関への移動が可能となったためと考えられる。それに比 べて言語障害は5歳以降に発見が集中し,言語障害の早期発見の困難さがわかった。対象 者と家庭環境の重要性は前に述べたが,. 1978年に両親の仕事別による対象者数の変化につ. いて,大学教育を受けた両親とそうでない労働者として働く両親の間に大きな違いがある ことが報告されている。労働者家庭での対象者ほ全対象者の約40に及ぶが,大学卒家庭で ほ6%にすぎない。この報告のみで断定ほできないが,両親の教育程度にも問題があるよ うに考えられる。また,全体の6%が外国人家庭, 10%が社会的に恵まれない家庭である ことも報告されている。外国人,失業者は年々増えている状況にあり,これはドイツ社会 から生まれた問題点であろう1)0 2アソケ-ト調査からの関係者の意見 1981年に行なわれた早期教育棟開へのアンケート調査に串ると,. 80%の共働者が,早期. 教育の独立存在の良否を是とし,こ叫こよってチームでの活動がよくなり,両親へも良い 影響を与えていると考えている。さらに,異なる早期教育機関との協力ほ重要なものと考 えられており,より密接な協力を希望している。また,. 「早期教育ほ,対象者となる全て. 10%が部 の子どもに均等にわたっているか+という質問に対して,約90%が均等と答え, 「家族中心で行なわれているか+という点でほ, 分的であると答えている。そして, 60% が十分と答え, 40%が不十分と答えている。このことから,機会は十分に与えられても, 重要点である家庭との協力体制下でのセラピーがうまく行なわれていないことがわかる。 他の意見として,ドイツ政府に障害児の届出制を望んでいる。なぜなら,届出後すぐに早 期教育機関に連絡されることによって,早期教育はより有効であると期待されるからであ る。そして,マスメディアを通じて早期教育を啓蒙したり,口伝え,パンフレットの配布 などの方法を使って人々の間に早期教育を浸透させていくことも望まれている。このアン ケートの結果からも,開始当時と比較して組織的にほかなり改善されたことは確かであ る。. 3医師とのコソタクトにおける問題点 医師との協力において1番の問題となっている点は,立場の違いによる上下関係であ る.医師とセラピスト間においてほ,医師が相談にのる,教える,指示するという形が多 く,同等の立場での協力体制が困韓である。共通の認識に欠けるため,両者間に距離がで 普,医師からの情報が充分浸透せず,一方でほ,個人的にほ凍繁にコソタクトを希望して いるのにもかかわらず,コソタクトが希薄になる。また,医師は早期哉育に対する懐疑心 が強いために,対象者の親に対し消瞳的な態度で早期教育を紹介し,その結果,早期教育 の実行が遅れたり,両親とセラピストの関係がうまくいかなくなるということがあった。. こういう点から,早期教育関係者ほ庭師とのより密接なつながりを望み,同時に医師が早 期教育についてのよい理解者として,両栽-の積極的な働きかけをし,発達遅滞の子ども をごく早い時期に早期教育機関-送ることを望んでいる。組織的には,どの早期教育機関 も医師とのつながりをもっているものの,以上のような内容的問題ほまだ残っている。連 絡方法,その原度,内容についてほ,他機関との関係もあわせてTable. lに示している。. この質問は多数回答式なため総計して100%にはならないことを付け加えておく1)0.

(9) 西ドイツにおける障害児早期教育の現状. 朋遥 泣亀z LJ. 訣課欲求課. 欲求訣. 欲求欲求. Cq∞T<のLL? CT)CY?のN▼,ll. NCOくコ) く.D一=〉しD. ey')く.Dl∫つLL? Cq一寸t⊂Or+. く.DLnNCT)く.D ト●Tlm(<). 一可lのト・ N(D. OICOey?く.D q⊃mLL〕「廿. 185. ヰJ. IP∼. 白. ( ・◆J. 読-. Cq). ヰJ. 鮎. 訣課訣欲求. 訣講読. 欲求欲求. .i: 白. 審1<E.,忘Sg溝. く.D(≡)⊂). mト.の⊂). LDCV?くエ〉. O7くつ(≡)【ー. .AU U?. く.Deq`寸l く.DN. m(PCX)ト・ くDmrJm. ・巴1<cq系等tD. 甜 lh芯1・ 亡 0. 'B 5. ・= (乃. ¢. 也. .i: 己 .tj 4) 止. 器量邑. .iF]. 訣欲求講読. 訣欲求. 講読訣訣. ▼づ叩く.¢CY?Tll CY?Cq寸Nm. く.DO)Uつ 寸くェ)CO. LOく亡ILrつN CO■可1COロ). Nロ)0つ■cT)N 亡一寸eつてrLn. ∝)卜■m ぐつ寸T-+. 苫coLL,謁縄. Jl U. ∽. ∼ ( +J. .弓. rq3. ヨ 軸. eqヽー. A U. ll. pi. u⊃. ≠a:,7. 己. 亡. 5;hO. ∽. l占. ロ. qJ ' ̄ロ. 買曾. JI>. 儲暑≡. ー. i,1. .月. .⊥ G. pてコ. ロ V. 鶴. 課講読. 訣講読訣. LL)仁一・L⊂)00寸 ▼11¢1Lf)寸しD. ⊂)COの トI・+LC〉. EY?NET)寸 ⊂)I+【ーtコ〕. ち.D■一寸COm ち.D寸LDl可l-ぺ. の∝)ド =く.D. CつCq∝)eY? LL3く工)N寸. 課講読訣訣. cd. 4∼. 4). Jt: 白. h. ヨ 叫. _q. g ヨ. J5 (. 讃誘3豊. h. ,<U. ヰJ. II. ・●・j. .目. ヨ. 寸. N) .ヒ幻. }. ヨ. 亡. bL). A). 己 ∈. ヰJ. bD. ぐ弓. .E:. 【8. 蜘. コ. N I,ll. 求・講読欲求. 翁ヨ苫忘茎. 課欲求. 欲求訣訣. 茎芸雷. CO「辞Lr)く> Lf)ド.m⊂⊃. Jtj. 空電.空. ∽. I+. 白. U. 4). ? ll. lィ. 亡ヽ. 亡-LOT<LL?. 出己コZ. 4). 己■ J]. y・・1. COト・▼11.Lr). h tD. .i. .Ei. ?T5亀 eq). の. ●l■■1一■. ∼. +⊃ 1市. q). コ. 白日. bD. 4)0. 汁. 白> O∈】. l】 N V ヰJ. LJ・J-. ヨ. 4) J〕. bD. ト1. く弓. 4). g. J]. 4) A). 己 a. ..当 cd. (守. ヰJ. li l , l. l. l. II T<. コ. -. N. ○. l. の. CI). l. l. ¢. 4). 召書毒毒遺 喜一重量遥遠 班. U) の. ト.1. q). bD七. ●議渇 Vq). 竜岩B 巴Z慧. ・名 bB. 5. -. IE3 U. 己 ヨ. の cf). bL). +J h. ロ コ. 4). 巨. ∼ 一イ. 也). 0. 爪. ?. 普. q). 仁q. l!3可 3q〇!aJ ●qJV●snZ●血富q/aⅦtI -t2ul可12叩0)IJaPullOd: 一三吋nat2H ・aqtla甲居JnV. A. I.

(10) 186. 関. ∼ N h. ○. i. 三根代・鈴村. 健治. ○. 己 「4..>a). d Fj. 己 h bD 己 `D. 0000. 00. ○. ○. ○. ○. 0. ○. ○. ○. ,.当 日 く弓 ト1. 也 d 4∼. lq. 4) h. Jj. ¢ t+. 4). -. 表 口. 音萱. 0000. 4). ロ エコ. 00000. 00. 00. 朗. (〕 l■. a. 読a:. U 一+. ¢. ロ. ■一口. ●藍・≡. ト1 4). .i. 眉. 漫鳶. a. 000. 000. 0000. 0. ○. ○. ■■■■ ■■■■■l. .i:. =. く弓 Cd ●llll■ ●■■. N. e4 O. h 4). O. ∽∽. Iロ 4) 4) bL) ○. Jコ U. ●■■. 4). ■・・・・・・イ. ○. 虐. 0000. A. 000. 0000. U. h. .t 4). ∽. D<. A. ・.py 4). (. 也. トl. ト. ①. + ヾJ. 4) -. IL) cd. ト. l_I. ロ. Cq q) -てコ. ロ ト1. J言 4). 4). '「コ. ヨ ヨ. -・・・・・づ. BG. 葦舶毒 也) ゝ1. ;エコ. ●ヽ. 弓rE;. 頚邑冒. C). 宅. G. ヰ・J. i. 事+. eq .e・ ∽. 邑書室毒 事{. J=U 4Y<. 也) l{. C) .J⊃ の +JIJ7<. ¢. ..当. ・.py 4) 由. ト. .ゴ. 己 ¢. 己 ,,q 也. 批書書 毒著書重量 重曹書著書 q). 4). 4) r'cl F] (弓. q) くq. B .≡ 造 出. ー の. 4). 喜晋. -「ロ 白 コ. 4). 己. C) -て,. =. 4). rlコ h. q) ⊂). t-. 4) rU h. Q). ID. ,J= U. 〟. A. ロ. IPI1. (⊃. ロ 0. .,. 14J. 邑 葺. C). IP. a. く弓. Z. ;]. ヰJ. ..bd (弓. 也. .ij ¢ J⊃. ,J= U Ol. ●. ▼・l■. 白. h. ■■ロ. g コ己. く弓. A. α】. 朗・B毒音 蓋等◆邑. b8. 一切 ,<U. ヨ G. 量表 q). 也. 正式5. 3t!1SOug℃!q. aTdt2JatIエ. BtmltuaqtIJal一言. 1吉aqm tⅡ習aエ. q). ○. U 4). ∼ 01. .tj q). 日 ヨ. ・■J. -. d. ?h. ¢. >.

(11) 187. 西ドイツにおける障害児早期教育の現状. 富岳爪 0ヽ 0、I CO rて-0ヽ て ̄. 25. ㍗. の ロヽ. 日. て ̄. 名20 Fl ・l+. >jH15 む. rd. ,llO A. g 5. 葛 0. o/6 Fig.. 3. Anzabl. der. Alter. in der. 60/72. 48/60. 6/12. 12A/fee.T2号M/I:ea5t許8 durcb. betreuten. die Carolinenbilfe. Jabren. 19凱-85.. Kinder. mach. ihrem. (obne 1982)*. Augustinum所属早期教育機関Carolinenhilfe 組. 織. と略す)ほ,. (Heilpaedagogisches CentrumAngustinum. Augustinum. 養護教育セソタ-. :以下HPC. Muenchen市北部のHassenbergl地域を中心とする社会的相談機関をもと. に1968年に創立された。創立当時ほ,養護学校と就学前予備学校がこのセソタ-の機関で Frue(Paedagogisches あったが,その後の1974年に,教育学的早期訓練Carolinenhilfe hfoerderung Carolinenhilfe)がつくられ, 1979年には障害者のための職業訓練所,寮など 1970年よりOberbaがつくられ, HPCによる活動範臥ま乳児から成人にわたっている. yern地区の行政の管轄のもとにあるHPCの活動地域ほOberbayernのMuencben市 中心から北部にかけてである8)0 Diplom-Psychologe (心理学者), Sozialarbeiter (ソーシ 現在のCafOlinenhilfeにほ, Sonderschul1ehrerin (養護学校教員), ャルワーカー), Sozialpaedagogin (社会教育者), (医学的運動訓練師)の6種7人の Diplom-Paedagogin (教育学者), Krankengymnastin セラピストが常勤している。その他医学面でほ, Dr.. KinderpoliklinikのProf.. 師も関係している。そして,. Tecbnischen. Weinmannが主に関係し,. Universitaeten. Muenchen,. Hasenbergl地域における各医. HPCの養護学校の学校長がCムrolinenhilfeの代表者であ. り,事務処理として秘書が1人,ノ合計10人で構成されている。各セラピストと医師の活動 領域についてほ,. Table. 2にあげている5)6)0. 対象者 carolinenhilfeの対象者ほ,乳児から就学前幼児(0歳-6歳)にわたり,障害をもっ.

(12) 188. 関. 健治. 三根代・鈴村. fl .うO C). %o ・rl. 害き0 ¢. rd. 0. Iへ CO# T OICO LLI COて ̄ロヽCO Oヽ Tロヽ. ,12 & d. ヨ10 <. T. T. 0 互・nd er.e,. Behindemng昏n ge. a;. b乞W. Yon B ehinde皿1ng b a.droh七. B5-:. eg慧言海詰:b:…芸fbE Behinderung8. Fig.. 4. Anzahl. der. durch. Behinderungsarten *Anzahl. Avon. 1982. a血. die Carolinenhilfe in der. Jahren. wurde. in. betreuten. 1981185.. Carolinenhilfe. Kinder. nach. (ohne 1982)* nicht. gezaehlt.. ている者,発達が遅れている者,そして今後の発達段階において障害をもつおそれがある. と診断,または推定された者である。障害種類については,すべての範囲にわたる。 Fig. 4のように視覚障害,聴覚障害,言語障害,身体障害,精神障害,その他としては感覚障 害,学習障害,情緒障害,重複障害などが含まれる。この中で,主に身体障害,精神障 育,重複障害が多く,言語障害が増えてきている。言語障害は主に発達の遅れ,情緒障害 が根本原因の者が多く,発声器官における障害をもった者ほほとんどみられない。セラピ ーを受けた子どもの数ほ1981年から1983年にかけてかなり増えていて,それも1歳未満の 子どもが多数セラピーを受けることが可能な現状である6)9〕10)0 セラピー. 1診断. セラピーの初めに対象者の状態を調査する必要があり,その詞蜜の方法とし. て,発達テストを用いているo種類ほ下にあげた7種類で,対象者の年齢,.状態に応じて 選択される。しかし,このテストによってのみの診断でほなく,行動観察などを通して総 合的に判断される。また,医師による診断をもあわせて最終的なセラピーの目的を決め Prof. Dr. Speck : Sonderpaeda(Universitaet Muenchen るo既往歴の調査についてほ, Dr. Weinmann. gogik)とProf.. (KinderpoliklinikMuencben-Scbwabing)の共同開発に. よる質問紙が使用されている6)0 o. Funktioneue. o. Denver. Entwicklungsdiagnostik. Entwicklungsskalen. nach. Hellbruegge.

(13) 西ドイツにおける障害児早期教育の現状 o. Sensumotorisches. Entwicklungsgitter. o. Entwicklungstest. von. o. Testinstrument. zur. geschaediter. Einder. o. Kramer-Intelligenztest. o. Frostig's. von. 189. Kiphard. Strassmeier Erfassung. deb. Entwicklungsstandes. mehrfachbehinderter. EntwicklllngSteSt. 2セラピーの計画とコソトロール. 診断でのテスト結果と行動観察を基に個々の対象者. についてのセラピー計画が以下にあげる点において考えられ,立てられる。基本的行動, 手先の運動,知覚(認知判断能力,理解力,認知的情報処理),言語(機能,理解),社 会・感情的行動.計画設定上,特に重要な点は,セラピーの中に母栽をとり入れていくこ とである.そして,セラピーの鯉続のための目標や方法について母栽に助言し,支持して いく。コソトロールとしては,すべての対象者について約6ケ月ごとに定期的に再テス ト,行動観察を行なっている6)0. 3両戟に対しての援助. 下記の援助を各家庭に応じた形で行なうo下記において,経済. 面や個人面が少なく,社会面が多く記されているが,時にほ早期教育の観点とほ離れた事 がらについても対処していかねばならない。また,物質的な問題は,他の援助組織ととも に解決していく。 1) 子どもの訓育,教育についての問題において両親の相談にのる。 2). 子どもの発達可能性を示す。 oO遊具,学習用具の紹介. 。障害によって遅滞している学習の可能性,自立の可能性についての指示 o他の適切な組織についての情報提供 3)役所関係との接触において援助する。 o少年保護局,公衆衛生局,社会福祉事務所,年金局,職業安定所,税務所等 4)重要な団体への仲介をする。 。福祉連盟,障害児の親の団体,べど-シッタ-,自助団体,児童保護団体 5)一般的な援助をする。 o立場や態度の修正のための相談. o各々の栽の主導性の啓発や,責任の受け入れに関する援助 。行動の見本の指示 6)その他(セラピスト仲間の援助を得て計画的に行う。) o両親の団休との日帰り族行,パーティの実施 o個々の家族間の仲介 oセラピーにおける両親先導の調整. o障害児の休日処置 基本的には,家庭へセラピストが訪問する形で,診断,乍ラビ-が. 4セラピーの実施. 行なわれる。これは, 由にもよる。. 「環境セラピー+の効果を示し,重要なことであり,また以下の理. seh-.

(14) 関. 190. 健治. 三根代・鈴村. 1)セラピーの実施方法を対象となる子どもの家庭環境のもとで決めることができる。 2)訓育処置の実施上の問題点ほ,その家庭での体験によってのみ早期に有効に解決す ることができる。. 3)住んでいる家庭環境の中で母親から詰を聞くことができる。 4)セラピー課題への母親の導入により,その他の家事責任を最初から考慮できるo 各々の対象者について,各家庭-定期的に訪れるセラピストがチームの中から選びださ れ,常に同じ人がセラピーに訪れる。選択ほ子どもの状態や訓育重点,セラピストの経験 背景からきめられる.各々のセラ.ピーほ,定期的なケース論においてチームにより支持, 援助される。つまり,理想的には,対象者と家庭に対する訓育が,高度な専門的課題をも って継続される中で,多く?熟練した専門家が歩みより統合されることであるoそこで, 治療初めに,診断のため,心理学者とセラピストが共に家庭訪問や,治療処置の相談のた めの基藤的情報を得,そしてチームの集りにおいて,対象者のおかれていろ状態での専門 分野の相談をする.セラピー計画の後の詳細な計画は各々のセラピストが個人的基準で計 画を組む。 1回のセラピー時. 訪問ほ1人の対象者について週1回またほ2回,常に同じ時間帯で,. 間ほ約1時間である。しかし,これらほ対象者の年齢,障害や発達遅滞の程度,セラピー の種類によって異なる。なお,就園前,就学前となって他の子どもとの接触が可能,必要 となった対象者や,家庭における朝,対象者,及びセラピストの3者関係でのセラピーよ 3 Schema. ABBILDUNG durcb. ⑦80'9.19 Erste11ung. "Carolinenbilfe Teambespricbung eines. und. Therapieplans. ④80'9. 10. ①80'9. 2, Anruf. Foerderung. einer. die. einer. Telefonat. Mutter. nit. Arzt. behandelndem. Arzt. ca rolinenhilfe. Familie Brief. @80'9A. Mutter. ⑨80'9. 8.. an. nit. Erstbesuch. nit. Erhebung. anamnestischer durcb. Diagnostik. Bezirk. Terminangabe. und. Autrag. ⑥80'9. 16.. Psycbologe. an瓦ostenuebernahme Unterlagen. vorliegende. llnd.bereits. an. Bezirk und. Therapetltin. ⑨81'2. 17.. ⑨80'9. 15. endnigung Psychologe. @80'9.. Zweitbesuch der ersten. ・. und. 21. Beginn. zur. Daten. Vervollstadurcll. Therapeutin der. Therapie. kontrolle. Zwischentestヱtlr. Therapie・. durch. tlnd Thera-. Psychologe. peutin. ⑲81'8. 10. @81'8.. Scblussgutachten. 12. Vorstellung. in einer. Heilpa・. Tagesstaette. edagogischen ⑲81'9. 14. Aufnabme dagogischen. in einer. Tagesstaette. Heilpae-.

(15) 西ドイツにおける障害児早期教育の現状. 191. 2-5人の小さな りも子ども同士の関係によるセラピーが必要である子どもについてほ, グル「プセラピーも行なわれる。グループセラピーは主に週1回,. 1時間半から2時間で 行なわれる。両親への治療処置は両栽にとっての自助わための援助である。しかし両親は 第2のセラピストでほなくi発達過程でのパートナーとしてみることを忘れてほならな い5)6)8)。. ABBILDUNG. 3にセラピーの開始から終了までの流れを示した。. 5チームでの仕事. 日々の活動でほ,各セラピストが各家庭に向うので,セラピスト同士が共にセラピーを (4-5人の子どもによる大グループの. 行なうことば,グループセラピー以外にほない。. 場合)rそのため,過1回約3時間,セラピスト全員と秘書をまじえたチームによる活動, 月1回代表者を交えた会議,. 1-2ケ月に1回の2-3事例をとりあげての医師との会議. がもたれる。チームにおける主な活動を下記にあげる5)6)。 1)障害及び年齢特有の訓育目標目録,習得に役立つ練習,訓育目標維持のための方法 論の作成。 2)多種多様の組織的問題の解明及び計画 3)ケース論 6多種専門家による協力 多種のセラピストが共にセラピーを行なうことば,資金的問題により,定期的にはでき ないが,セラピーにおける問題の解決の最後の手段としては行なわれる。そのためセラピ. ストは,個々のケースの複雑な問題に対処するために思考する自由な時間を必要とし,価 人で問題を解決していく。. 医師との協同ほ特に重要である。つまり計画された治療処置は定期的に医師からの情報 をうけて修正され,対象者は定期的に治療として医師の診断をうける6)0 7. Carolinenhilfeの現状一観察実習を通して-. 1985年11月より4ケ月間,曜日ごとに異なるセラピ大トと共にセラピーに実習生として 参加,観察した。そこでの現状を客観的に述べてみる。. グループセラピーほ毎週永由,午前9時-11時の2時間。情緒・家庭に問題がある3人 の小グループである。個人セラピーでほ,週11ケース11時間のセラピーを5人のセラピス. トについて観察した。このうち重度重複障害が3人(生後17ケ月, 30ケ月, 36ケ月),脂 障害による発達障害2人(生後18ケ月, 30ケ月),アルコール症候群1人(生後41ケ月), 社会面での発達遅滞1人(生後19ケ月),言語発達遅滞3人(生後28ケ月,. 34ケ月,. 28ケ. 月),全体的な発達遅滞1人(生後10ケ月)である.重度重複障害児,月&'障害による発達 障害児にはKrankengymnastinによるポバース法セラピーが週1回とSozialarbeiterin によるプレイセラピーが週1回ずつ行なわれ,社会面での発達遅滞児にはPsycbologeに よるプレイセラピー,言語発達遅滞児,全体的な発達遅滞児にはPaedagoginによるプレ Sozial-paedagogin とKrankengymnastin イセラピー,アルコール症候群の障害児には, をかねたセラピストによるプレイセラピーとポバース法セラピーが行なわれた。ポパース. 法セラピーは,医師の診断書をもとにしたセラピーでどの子どもについても主に, すわりをつくる,. 1人ですわる,立つ,歩く+ことが中心となっている。プレイセラピー. 「首の.

(16) 関. 192. 三根代・鈴村. 健治. ほ遊具を用いる場合と,手遊び・遊戯の場合があり,特に障害の重い子ども,乳児に対し てほ遊具よりも手遊び・遊戯が多かった。この中で特に目立ったこととして,言語発達遅 滞,全体的な発達遅滞にほ特に貧困家庭と外国人家庭(イタリヤ人,トルコ人)にみられ る。外国人家庭での障害児は,ドイツにおいてほ増加している。両我がドイツ語を話すこ とができないために,活動範囲が狭く,子どもの社会的発達や言語発達を妨げている。中 には,母国語における文盲の親がおり,母国語でさえ子どもに教えることができない者も いる。このような家庭に対してほ,外国語の話せるセラピストが選ばれるが,ドイツ人家. 庭への援助と比戟すると数倍の援助をしいられることが多い。 セラピストの問題として,担当する事例が多く,. 1つひとつの事例のために詳細なセラ. ピー計画をたてたり,反省したりする時間が不足していることが挙げられる。そのため 1つの家庭か. に,セラピストの意図が理解できない場面がしばしば観察された。時には,. ら次の家庭へ移動する10分弱の時間でセラピー内容を考えることもあり,子どものその日 の状態を考慮した多面的な内容ほ用意できない。そのために,. 1時間のセラピーの中で,. 異った影響を及ぼす遊具を多数使用し,子どもの思いのままに運ばせるプレイセラピーが. 数多く観察された。対象が乳幼児であるために,毎週同じ曜日の同じ時間帯に訪れること ができても,その都度子どもの状態ほ違い,事前に計画したセラピーを実施することば非 常にむずかしいo. しかし,一貫した内容のセラピーを行うことは決して不可能なことでは ない。概要のところで述べたように,子どもの精神的,社会的発達の偏りをなくすための. 教育が障害児の早期教育であり,そのためには,セラピーの中心となる内容を整えていく ことが不可欠である。 親との会宕がないセラピーがみられた.これは家庭で行なう価値が少ないものと思われ る.この場合の両栽は,セラピストを拒否していることが多い。それだけセラピスTtがか かわりを持つ必要があるわけだが,それが行なわれていない.また,協力的でセラピーの 補助などをする親でも,セラピストが指導した方法でセラピーしているとは限らない。親 がセラピーをするのを拒否するからであるo. また, Krankengymnastikにおいてほ,子ど. もが母親のセラピーに不信をもち,強く拒否してしまうために実施できないということが 生じる。確実な技術をもったセラピストと比較して,母親の場合ほ不安をもっていてそれ が子どもに伝わり,不信感を与えてしまう。早期教育の理論では,両親との協力が重要な ことであり,これが早期教育の中枢となっている。しかし,セラピストの中には理論と実 践とは別のものと考えるものがいて,早期教育の目的が十分に生かされていないことがみ られる。. 理論上は,ケース論を始めとしてセラピー計画作成といった細かいことまで行なうこと になっているが,週1回3時間のミ-テソグでほ,. 1週間の雑務処理と,お互いのコソタ. クトをとることで終わってしまい,事例の話をする余裕がないのが現状である。チーム活 動は相互に連絡しあうだけではなく,裁との協同活動に必要な条件でもある。また,多種 類の専門家との協同においても重要なことである。技術の向上という点からもチーム活動 をもっと充実したものにしていく努力が必要である。この問題ほCarolinenhilfeに限っ たことでほない。.

(17) 西ドイツにおける障害児早期教育の現状. 193. セラピスト自身の問題もある。セラピストは常にセラピーを行うだけでほなく,両親の援助,チームにおける仕事など雑務が多い。更に10事例をこすケースをかかえており, 時には医師や役所への仲介のために半日費やすこともある。しかし,セラピスト個人に支 払われる給料ほ, 1回のセラピー時間内活動に対するものと交通費だけであり,それ以外 の活動に対してほ支払われない。これほ大変重要なことで,家庭を訪問した時対象者が不 在であったり,病気であったりしてセラピーができない時は支給されないのである。さら に,他のセラピストの協力を必要とする時ほ,個人の時間を使わせることになる。多分野 のセラピストとの協力を望んでいるが,給料の問題でできないために自分であらゆること を行うことになるoまた,現在行っているセラピー自体について考えることも時間外であ るために十分にできないということもある。. 各セラピストは自家用車で移動しているが,道路事情の悪化にともない時間が厳守でき なかったり,グループセラピーにおける公用車の運転手の不足があげられる。、運転ほポラ ソティア学生が行っているのだが,なかなかなり手がいない。このような問題もみられ る。. ま. と. め. 障害児の早期教育が組織的に行われている西ドイツの現状を調べる中で, 障害児の早期教育の特徴を知り,. B畠yern州の. Carolinenhilfeの現状や,問題点を探ることができた。. その内容をまとめると次のようになる。 1 Bayernの障害児早期教育の特徴 o1974年に早期教育が始まり,その後セラピー組織,形式,内容がともに充実し,現在 でほセラピストの家庭訪問による形で,多種の専門家の協力の下での一貫性のあるセ ラピーが可能になっている。. o早期教育を受ける子どもの数が増えつづけているが,. 1-3歳の子どもが中心となっ. ている。. 。今後の課題としてほ,医療と教育の#.点について明確にすることや,医師とセラスピ トの認識を統一することなどがある。 2 o. Carolinenhilfeにおける現状 6分野からなる7名のセラピストと医師との協同によりセラピーが行なわれ,現在で は100人前後の対象児をもっている。家庭訪問により行われる個人セラピーと, 5名を集めて行なうグループセラピーがある。. 。セラピストはセラピー以外に,親への援助,チーム内での活動など様々な仕事があ る。. o原則として, 3. 1人の子どものセラピーはチームに拘束されている。. Carolinenhilfeにおける実施上の問題点. 。セラピストが多忙すぎる。また不測の事態によるセラピー時の条件変化や,活動に対 する経済的保障が貧弱である。 。セラピー内容の複雑さにより,個々のケースについて充分内容が検討されていない場. 2-..

(18) 関. 194. 健治. 三根代・鈴村. 合や,問題が解決されないまま実行されることがある。. 。セラピーの協同に関する問題点として,親のセラピーパートナーとしての参加の欠 如,セラピストのコミュニケ-ショソ不足,他の専門家との教育理念,教育内容上の 共通認識の欠如などがあげられる。. 1). Arbeitsstelle. Fruehfoerderung. lnstitut. fue一 Sonderpaedagogik. Fruehfoerderung. (1982) Paedagogische. behinderter. der. und. Universitaet. Behinderung. von. Muencben. betrohter. Kin-. de1∴. 2) 3) 4). Beller,. E.. M.. (Ed). V.. L.. B.. G.. Heilpaedagogisches Koerner, tinum. ll). V.. &. Psycbologie,. Centrum. bebinderter. Augustimm. R. Die. (1984) am. W.. Kinder.. Thomae,. Sozial psychiatrischer. Augustinum. Hasenbergl. am. Bereich. :. Hasenbergl. am. Hasenbergl.. bedrohter. Kinder.. (1982). 10. Heilpaedago・. Jahre.. V.. e.. Heilpaedagogisches. Augus-. Centrum. Fruehfoerderung-Carolinenhilfe. e.. Begabungsforschung. Wissenschaftlichen. Heilpaedagogi・. Ⅴ. Jabresbericht. basale. und. Grundlagen. Bildungsfoerderung.. basalen. der. Sttldien. und. (1979). Praxis. Bildungskommission,. System. im. Raum. Boston.. Fruehfoerderpregramme. Dissertation Das. der. und G. (1969) Head-Start・Zielsetzung. Regierung. Strassmeier,. hresschrift. ∫.:. Ⅴ. Jahresbericbt. I.. (1967). erderung, Schmid-Schoenbein,. -(1982). Wortis,. 23. Bebinderung. Yon. und. Hasenbergl. am. Augustinl皿1. Heilpaedagogik,. 17). Forum,. Schule. und. Universetaet der. und. Bildungsfoe・. Frueherkennung,. Fruehfo-. Begabungs-. Schule rderung. und Psychologie, 7, 8, 9, 12. Sander A., Speck, 0. & Klein, G. (1973) Behindertenstatistik,. gerte. Stimulation.. 1, 2, 3, 6.. 1(1968). kanischen. 16). Early. Carolinenhilfe. (1980) HPC. Heilpaedagogiscbes. e.. Rauch,. Gutachten. 15). (1975). Fruehfoerderung-Carolinenhilfe.. Hasenbergl. sches Centrum Lueckert, H.. 14). R.. Disabilities.. Fruehfoerderung. Centrum. (1983). Koerner,. 13). Elardo,. Fruehfoerderung.. Augustinun. V. am. &. Mue・. VerlagsbllChhandlung.. 10). 12). and. Developmental. Fruehfoerderung. (1978). Marhold. gisches Centrum. 9). und 氏. H.. in vier. 氏.. ll.. Psychologie,. Bradley,. paedagogische Zwiscbenbericht.. und. -(1981). Bericht. Paedagogische. Travers,. Organized Progams Education. of、 Early on Teaching. of Research der Fruehfoerderung ueber die Ergebnisse. on. Handbook Schule. Retardation. Heese,. Research. (1969). M.,. Carolinenhilfe. Carl. 8). Second. Kindergarten,. nchener Caldvell,. Dienst. 6) 7). (1973) :. Brem-Graeser,. Mental. 5). E.. Sonderpaedagogik. des Vorschulprogrammes. der. ameri-. lュnd Psychologie, 6. behindeite und entwicklungsverzoe-. Schule fuer. Muencben.. paedagogischen. in. Fruehfoerderung. Bayern,. Zeitschrift. fuer. 33.. Ⅰ. (1970) Modellversuch Lebenshilfe.. der. Lebenshilfe. Bonn. zur. Frueherziehung.. Viertelja・.

(19)

Fig, 1 Zahlemaessige Entwicklung der Fruebfoerdereinricbtungen in Bayern Yon 1974‑79. OeffentlicbkeitGesellscba托Sozialesロmfeld
Fig. 2 Anzahl der betreuten Kinder in Fruebfoerdereinrichtungen in I∋ayern Yon 1975‑80
Fig. 3 Anzabl der durcb die Carolinenbilfe betreuten Kinder mach ihrem Alter in der Jabren 19凱‑85
Fig. 4 Anzahl der durch die Carolinenhilfe betreuten Kinder nach Behinderungsarten in der Jahren 1981185
+2

参照

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