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昭和基地大気中の二酸化炭素濃度

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Academic year: 2021

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(1)昭和基地大気中の二酸化炭素濃度 村 Atomosphiric. Carbon. LLj. Dioxide. Earuta. 治. 太*. Content. at. Syowa. Station. Murayama*. 1.はじめに. 二髄化炭素ほ大気を構成する成分のなかでほ微量成分に属し,現在の存在量ほ約0.03 %である。このわずかしか含まれていない二酸化炭素が生物活動を支えており,植物の 光合成によって大気中からとりのぞかれ,また生物の呼吸や有機物の酸化分解によって 大気中に放出されている。この他炭酸塩を含む岩石の分解や火山活動などによって二酸 化炭素が大気中に供給される一方,炭酸塩としての除去が行なわれている場合もある。. このような循環がたえずくり返され,夙による混合作用も働いて,大気中の二酸化炭素 濃度ほほぼ一定値を保っていると考えられてきたo また海洋にほ大気中の二酸化炭素の 存在量の約60倍の炭酸が,炭酸水素イオン,炭酸イオンおよび遊離の炭酸として存在 し,大気中の二酸化炭素と平衡を保っていると考えられていた。 近年特に北半球工業地帯を中心に,多量の化石燃料(石炭,石油,天然ガス等)が使. われるようになり,多量の二酸化炭素が大気中に放出されつつある。その結果として大 気中の二酸化炭素濃度ほ年々0.7-1.Oppmずつ増加しつつあると言われている(B. Bolin,.et.. al,. 1963)。第4次南極地域観測の際鳥居によって採集された南極大陸の氷. が,三宅らによって分析された結果,大陸氷に閉じ込められた昔の大気中の二酸化炭素 濃度ほ,最大でも280ppmであることが明らかになった(Miyake,. Y.. et.. al,. 1966)。. 化石燃料を大量に消費している先進工業国ほ,現在主として北半球中経度地方に集中 しており,また大気上層における気団の動きほ東西方向が大部分であるため,人類活動. に由来する二酸化炭素の供給量ほ,南極圏において最も低いと考えられている。大気中 の二酸化炭素濃度ほ人類の生活に種々の影響をもつものであり,地球自体のバックグラ ウンドとしての濃度を知り,物質循環の基礎的データを集積するた捌こ,南極における 二酸化炭素濃度の測定ほ重要な意味をもつものである。. 2.測定法. 2.1.測定装置 測定には東芝ペックマン社製非分散型赤外線ガス分析計NDIR-315型を用いた。吸収 セルの長さ30cm,対称セルにほ255ppmの二酸化炭素ガスを現地で封入し,ボンベ詰 めの255ppmおよび395ppmの漂準二酸化炭素ガスを用いて較正を行なった。自動記 *. 化学教室(°ept.of Chemistry).

(2) 26. 山. 村. 治. 太. 録計ほ毎時150mmの速さで記録紙を送るので,. 5日半毎にこれを交換した。. 2・.2.測定機設置場所 昭和基地ほ南緯69o,東経39o35′にあり,南極大陸の縁から約5km離れた東オング ル島の北端に位置する(Fig. 1)。東,西オングル島とも標高ほ50m未満の低平な島で, 年間を通じて北東-東北東の風が卓越する。 1972年の月別風向頻度をFig. 2に示す。 基地主要部の建物配置図をFig.. 3に,,空気取入口および測定機までの経路図をFig.. に示すo空気取入口は地上2mの高さにあり,周囲の建物の屋根とほぼ同じ高さに相当. l⊥1 ○. O 勺・. FL] ●. CO rr). Fi.3 On. 1Is. LUTZOW-. OLM. (BAY). C7 O4. 90e E. 700S. OL3P Fig.. ∫. A. N.. DEC.. F. E. B.. N. 0. V.. 1.. 6-Okm18. Loca一ity. M. 0. A. C. map. R.. of. 0. Syowa. A. P. Station. 良.. ” A. Y.. T.. )/. Fig・. 2・. Mont山y. distribution. of. Wind. Rose. at. Syowa. Station. (1972). J. U. J. U. N.. L.. 4.

(3) 昭和基地大気中の二酸化炭素濃度. 27. N. + Fig.. 4.. ♂. 蛋. ♂. SS. 項. 飛. 5 0. 田. GeocheTnical. X. sampling. Fig.. 3.. Laboratory. point. Sampling. PREVAILING. point. Syowa. at. Station. WIND. 之J一 Air. Sampling. Point. Analyzer. Gl:OCEE,qICAL. LABORATORY. 20. 10. Fig.. 4.. Set、 Position. of Air. Sampling. Point. and. Analyzer. m.

(4) 28. 村. 山. 治. 太. する。排気用煙突ほ屋根より0・5-1.2m高く突き出しており,基地付近の気温が低いこ. ともあって,排気の上昇,拡散に対して大気の密度差が大きく寄与し,煙突からの排気 は大気中二酸化炭素の測定をほとんど防害しなかった。 2.3.測定機の運用,保守 測定経路図をFig.. 5に示す。毎日数回コックを切り換え,サンプルセルに5-10分. 間ずつ255ppmおよび395ppmの標準ガスを流して0,. 100合せを行ない,その直後. の10分間の測定平均値をその時の二酸化炭素の濃度とした。 Fig.. いると思われる例を示し,. Fig.. 6に正常計測されて. 7に読み取り不可能な記録の例を示す。. Fig.. 7の例に. 示したような記録/くターンは,風の弱い日に現れることが多かった。現地において組み. 立てた後,試運転中に光源ランプが不良となり不良箇所の発見に手間取ったため,. A ;づ. 調椅. 5. 9. 5ppm. 2. S. 5. 2月. ppm. 0ロT. Flow. Silica. meter. Gel. 200ml/min. L. Air. e⊂order. Fig.. #. 5.. Flow. seat. of. measurement.. Filter Pump.

(5) 昭和基地大気中の二酸化炭素濃度. 29.

(6) 村. 30. 山. 太. 治. U fJ. rIE26. 言.・323.. 追払. d) l■ コ ◆J 也 q〉 A EE O ト・+. A. 凹. a. C. 32S. 言. 3皇O A. H. P. R. I. L. Lb ≡. TL=31. >、. ==320.6 U O O > ■せ f:. 止血止. 苫. 凹. ∈ A a. A. 上宝血 J. Y. G 0. U. bl. I+. 村 h lエ. 』風 皿品皿. リ ∈ ウ リ. 320. ♂ U. J. U. A. Y. L. 言.. 【l G. S. U. 2!). n・;. T. nE29. ==321.6. x[322.5. へ√一′へ. .ヱl ∈. q> l■ ゴ. 32O. V Ll 占_.. ● ̄Cl > tウ. E. P. 325. x. x. S. T. E. ”. B. E. 0. a. C. T. 0. U. E. A. n■Z9 富子324.5. n=Z4 貰三323.1. イq. D. 10. IT. A. C. Il. (1972). 8.. Correlation. of. carbon. EトI. V. 貫. 325. x. 320 7t7 0. Fig.. 虹皿』. 15. A. B. E. D. R. モ. 325. C. E. TI. B. E. a. dioxide n=17. content. and. wind.. x=323.5. 訂 JA. ”. A. a. dioxide. (1973). frequency content. of. carbon. (1972,. 3-1973・. 1). ∂)南極の夏季ほ高い値を示した (324±4ppm)。. U. 言. Y. Monthly. 9・. Fig・. 525 U. C) l■ ?. 4月. b)南極の夏が終ると急に低下した。. 忘110 4) EL ∈ ¢ tイ. と5月の月平均値の差ほ2.9ppmもあっ. ー20 \ E. た。. i ∼. 一喜s 'て) F=. =. 7月). c)南極の冬の前半期(特に6月, ほ低い値を示した(319±4ppm)。. 4) >・. o. d)南極の冬の後半期(8月-11月)には E 払 ELl. わずかずつ増加の傾向を示した。. g32S. (319±. 4ppm-323±3ppm,月平均約1ppm. IJ Q) トl ∼ Fl d) U. 増加)。. 喜320 U. e). p4 く⊃ tコ. 1.0. 1972年3月1日から1973年1月31日ま. での11ヵ月間に観測された最高値ほ328. 1975. ppm,最低値ほ317ppm,平均値ほ322± Fig.. 10.. Mean. value. of. 7ppmであった。. month. (Brown,. Brown等による南極点での観測結果. による-ワイでの観測結果(Pales,. ∫.C.. et. al,. C.W.. et. al,. 1965)およびPales等. 1965)とほやや異なったが,その原因.

(7) 昭和基地大気中の二酸化炭素濃度. 31. については更にくわしい研究が必要である。 5.謝. 辞. 現地における測定機の組み立てにほ12次越冬隊の多賀隊員にお世話になり,観測期間. 中の補陽には13次越冬隊の瀬戸,田中両隊員の御助力を得た。またデータ解析と結果を まとめるにあたっては千葉工大・鳥居鉄也教授,気象研究所・杉村行勇博士の御助言を いただいた。筆者が第13次南極地域観測に越冬隊員として参加することができたのほ, 武藤覚教授ほじめ化学教室の諸先生方の御厚意による。ここに深く感謝の意を表する。 献. 文 1). 2) 3). Bolin,. Seasonal. the. 68,. 3899-3920.. Brown,. C・W・. Dioxide. in. Pales,. Keeling,. and. from. Dioxide. 4). B・. J・ C・. and. and. J. Geophys.. Y・. and Res.,. C・D・(1935) C・D・. JI Geophys. Matsuo,. :. The. Res.,. (1965) Res.,. S.(1.936) 5235-5241.. Atm〇spheric. V・a㌃iatiっユin. J・ Geophys.. Keeling,. 7l,. Large-scale. :. M∋ridi〇nal. Keeling,. Antarctica・. in王iawaii・. Miyake,. C・D.(1953) and. :. Gas. :. 70,. The 70,. Mixing. CユrboユDio又ide・. Cっnc3ntTati〇ユOf. as. Deduced-. J・ Geophys.Res., Atm〇spheric. Carbon. Atmっspheric. Carbon. 6077-50S5 Concentratio_n. of. 6053-507F.. Composition. in. ice. Sample. from. Antarcica..

(8)

Fig. 1. Loca一ity map of Syowa Station.
Fig. 4. ♂ 蛋 飛 項 N +SS♂ 5 0 田 GeocheTnical Laboratory X sampling point
Fig. 5. Flow seat of measurement.
Fig. 8. Correlation of carbon dioxide content and wind.

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