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岡山理科大学理学部動物学科棟 (
第
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号館 )
浅 田 伸彦 岡 山理科 大学理学部動物学科 施 設 め ぐ り 1.は じめに 岡山理科 大学は岡山市の中北部の北区、半 田山の 丘陵地 に代 置す る。 当大学理学部動物学科 は、 21 世紀 にお け る動物 学の教 育 ・研 究の あ るべ き姿 の一 つ を追求す るとい う目的 を掲 げて、 2008年度 に 理学部7番 目の学科 と して発足 した。学生定員は 4 0名 、専任 教員9名か ら構 成 され て い る言 わば `■マ イ クロ学科" であ る。 当研 究会報 第1号か ら掲載 さ れ てい る 「施設 め ぐ り」項 を紐解 い てみ る と、殆 ど 全ては文部省 の省令で設置 が義務付 け られた医学部 或 いは医科 大学 に設置 され ている動物 実験施設 、少 数 は農 学部 、薬学部 、研究所或 いは企業 の設置施設 で、理学部1学科 単独 に設置 され て い る飼育 ・研 究 施 設 (樵) は他 に帯 を見ない。 因み に、理 学部動物 学科 も全国唯 一の学科 であ る。 この程 、学 内 キャン パ スの東端 に新棟 は竣 工 した ものの実験機材 や動物 搬 入は未だ全 ては終 了 してい ないの で、本稿 では概 要 を紹 介す る。 2 設計、施工方針 新規建築の開始 と完成時期 、立地条件 、設 計 、施 行 な どの総論 、各論の レイア ウ トの作成 に関 しては 当然 とはい え昼夜 を徹 して議論 した。大学 とい う性 格 上、文部科学省 -の 申請書類や カ リキ ュラムの作 成 、教員配 置な どを平行 して履行 した こ とは言 うま で も無 い。 そ こで新規 建物 の建 立 に於 いては次の様 な項 目な どにつ いて考慮 した。 つ ま り、立地 (キ ャ ンパスの面積 自体が広 くない)、設計 (安全対策は万 全か、内外 が衛生 的か、運営 上機 能 的か、低 ランニ ン グコス トか、地域住 民 を含 めた周 囲の 自然環境 へ 配慮 してい るか)、施 工 (建築 中の教育 ・研 究の継続 可能性 、動物 の搬入時期) な どが挙 げ られ た。議論 を尽 く した結果 、動物学科棟 は岡 山理科 大学 キャン パ スの東端 に位 置 して、南北 に長 い鉄筋 コンク リー ト造で、地 下1階 、地上4階 と屋 上階建 で地上部 の 延 べ床 面積 は約 1,300n了とな った(図 1)。本棟 は 管理 区 (機械 、空調 、配管、倉庫 な ど)、教育 区 (研 究室 、教室、会議室 、実験 室、 トイ レな ど)、動物飼 育区 (飼育室 、検疫室 、 シャ ワー室 な ど) に大別 さ れ (図2)、床 は長尺 シー ト、壁 は AEP、天井は化 粧 PBと使用す る資材 には耐水性 、耐薬 品性 を施す 様 に深 く配慮 した。 [ ]内に仕様 を記す。 図1.岡 山理科大学理学部動物学科棟 (第28号館)の全景 呼rl字 'lf第23号飢 ・TIr,Tr脚 サテい 片 平元凶 1k平 面図 地T Ik 平面 EE 3-平 iiEa 図 2.動物学科棟の平面図55 [建物] 所在 地 :〒700-0005 岡山市北区理大町1- 1 建物 :鉄筋 コンク リー ト造 り 地 下1階、地 上4階 と屋上階 エ レベー ター :地上1階か ら4階 床 面積 :約1, 300nf 3.棟内外への出入 り 動物 学科棟1階の西端、外側 階段 とハ ンデ ィキャ ップ を有す る方- も配慮 した ス ロー プが出入 り口と なってい る。 その後 、利用者 は西側 階段や ス ロー プ の先 の 自動 ドアか ら出入 りす る ことにな る (図3)0 特 に低 学年 の学生 が、棟 内で野生動物 の維持 ・飼育 区域 、動物搬 出入 区域 、検疫検査 区域 に直接触れ る こ とな く分離 され て教室 な どに出入 りす るこ とが可 能 な様 に棟 の外側 には非 常階段 と共用す る階段 も設 けてい る。 近い将来 には、カー ドに よる入退方式 、 テ ンキーな どの認 証装置 な どを組 み合 わせ て、利 便 性 を損 なわない防犯対策 を講 じる必要性 は残 され て い る。 教育 ・研 究の対象 とす る晴乳類 には実験動物 のみ な らず種 々の野生動物 も含 まれ てい る こ とか ら、学 生 な ど-の微 生物 学的 、遺伝 学的 に正確 な知識 や ウ イル スな ど-の感 染症 に対す るモニ タ リン グの意義 を啓蒙す るために、常勤教員 には獣 医師 や検 査技師 の ライセ ンス を有す研 究者 が含 まれ てお り、常時 ・ 非 常時- の迅速 な対処 を可能 に してい る. 以
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に、 新築 された建物の各階の概 要 を紹介す る。 4.地下 1階 「棟の管理、維持 エ リア」 地 下階 は専 ら建物 を包括的 に統合管理 、維 持す る ための機械 、空調、給排水配管 ポ ンプ フロア と電気 設備 な どの管理 、維持機器 室 で、教員や学生が経時 的 に出入 りす るこ とは稀で ある。 図3.動物学科棟 -のエ ン トランス 5. 1階 「学 内共 同利用 エ リア」 1階 は玄関で、入 ると面前 にはホール を設 け、人、 飼育動物 、飼 育 ケー ジ、床敷 、実験機器 な どの搬 出 入を無事故 で容易 とす るためにエ レベー ター を設置 して利 用者 の利便 に供 してい る。エ レベ ー ター の左 隣の壁 には各階 の部屋 の配置 と名称 を記すイ ンフォ メー シ ョン掲 示板 を設置 して よ り位置 を把握 し易 く してい る (図4)。出入 り口以外 は学内共同利 用研 究 エ リア と して、理学部動物学科 を含 めて学 内研 究者 の多様 なニー ズ-の支援 の一環 と して動物学、生命 科 学な どの教育 ・研 究 に供 してい る。 1階 には狭 い なが らも展示 フ ロア も設 け、鳥類 、 大型晴乳類 な どの陸上動物或 いは鯨 な どの水棲 動物 を展示 して岡 山理科大学 自然史博物館 と して学 内の み な らず学外利 用者 - も動物学科 の存在 をア ピール す る。 1階 の維 持 ・管理責任者 は学 内に組織 され てい る 動物実験指針 をガイ ドライ ンに沿 った動物実験管理 委員 会委員 長 と してい るD 2009年度 は私が委員 長 を勤 め させ て も らってい る。実験 を計画 してい る 研 究者 は、全 フ ロアについて実験動物 の維 持 、飼 育 や動物実験 を行 な う前 には、立案 した実験計画の妥 当性 な どについて、 当大学の委 員会 に よる審査 を受 け る必要があ る。研 究 スペー スを使用 して も利用 料 金 は徴収 しない。 棟 の健全 な維 持 に於 いては大別 して二つ挙 げ られ る。 一つは、大学 以外 、動物 系以外 の施設 とも共通 す る省 エネル ギー対策 で、主にエ ア ・コンに由来す る電力量の軽減 が強 く求 め られてい るのは周知 の こ とであ る。動物 系施設 に於 いては飼 育動物-対す る エ ア ・コンに依 存す る温湿度 の一定化 、換気量 の減 少化 とそれ と表裏一体 の動物臭 の防止 が要求 され る, 特 に、動物 は固有 の匂 い を有す る とは言 うものの 、 動物臭 を棟 内外 、地域住 民-いか に して拡散 させ な いか は、ア ンモ ニアの基準値 を以 って して も建 築の 図4.1階 のイ ンフォメー シ ョン掲示板構想段階か ら大きな問題であった。換気 に関 しては、 コンピューター用 の空配管は無 く、空調は専 らヒー トポンプ と一般的な機械給排気設備 で換気す る方法 になる。臭気はそもそも動物 自身か ら発生す るので、 いかに して拡散 させ ないか、拡散量 を減 らすか と考 えられ る。動物飼育室内は、温度 、湿度な どの外部 環境 は自動制御 とは していないが状況の把握は可能 で、高性能HEPA フィル ターで癒過 された清浄 な空 気が一方向に流れ るシステ ムの設置 によ り、飼育動 物 に とっての最高の環境 を提供す ることに した。今 後は飼育用 ラ ックに給排気付 き、エ アカーテ ン方式 な どが求 められ るが、資金 とのせ めぎあい になろ う。
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動物の導入 も予想 され るが、遺伝子実験の封 じ 込め レベルは、狭い棟 に管理 区域 を設置す ることな どは避 けて、利用の利便 も考慮 して全階通 してPl
として、必要 な機器 を導入予定に してい るOなお、 飼育室の構想 については他の飼育室 とほぼ共通 して いる。 1階には良質な小動物の飼育、維持す るために、 面積 が異なる3箇所の全学共同利用飼育室 を設置 し た。飼育動物 は小型げっ歯類 のマ ウス、ラ ッ ト、 ト ゲネズ ミ、トガ リネズ ミ、スナネズ ミ、磨香ネズ ミ、 ウサギ、モルモ ッ ト、鳥、水棲動物 な どが可能 であ るが、マ ウス類が大半を占める と予想 され る。洗浄 ・ 乾燥室の隣には空気或いは水 シャワー室 を設置 して 学生な どの学内利用者や使用器具の安全 と健康管理 に努 める。飼育用飼料な どは倉庫 に保管 して、床面 積は異なるもののHEPAフィル ターな どを装備 した 3箇所の飼育室で小動物 を飼育す ることになる。動 物学科 の全ての飼育室で飼育 され る動物 は、学内の 動物学科以外の研究機 関-の提供 は想定 していない なお、本棟 には事務室は設置 されていないので、 事務職員 も配置 されていない。そのために事務的な 業務や実験者-の各種情報管理 は 自前で行 な うこと になる。棟 の2階に研究室 を設 けてい る教員 は、維 持 ・飼育動物 と近接 してはい るが、防犯 な ど、ある 面では将来改善の余地がある。 6. 2階 「研究室及び会議 ・セ ミナーエ リア」 棟 の東側 には動物生理 ・生化学 と動物保全学 を専 門 とす る3名の専任教員 の研究室 と教員 自身の実験 室が設置 されてい る。一人 あた りの研究室のスペー スは広 く無 く、所謂1スパ ンである。現在 は、私 も 含 めた専任教員 の研究室は異なる建物 に分散 してい るが、動物学科専用棟 の完成 と研 究室の設置によっ て、 コミュニケー シ ョンの不便 さは僅 かなが ら解消 す る と期待 され る。なお、各教員用の実験機器 は本 稿 の脱稿後 に搬入 され る。北西端 には専 ら動物学科 教員の定例 ・随時の教室会議 な どに使用す るセ ミナ ー室 を設置 して、教員間、教員 と学生間、学生間の コミュニケーシ ョン ・コラボ レーシ ョン感 を深める。 学外か らの来訪者 にも使用 して頂 くことが可能 な様 に、黒板、ホワイ トボー ド、スク リーンをセ ッ トし、 56 言わば多 目的エ リアの性格 を有す るフロア として利 用す るO 2階 には動物対象の標本室 を設置 している。1階 のエ ン トランスの展示 フロアが どちらか と言 えば相 対的に大型晴乳動物が対象 とされ るのに対 して、2 階の室 は どちらか と言 えば小型希少動物の保全 ・保 存 を想定 してい る。 7. 3階 「遺伝、生理 ・生化学実習及び飼育エ リア」 3階 と4階は、実験 ・実習室内の機器以外 は、設 計の検討段階か ら机 と椅子の配置 と数、電気のコン セ ン トやガス管の位置、飼育室の数 な どのハー ド面 は共通 の構造 としたO説 明や解説 に使用す るコンピ ューター用 プ ロジェクター も両方の実習室 に予め設 置 した。専任教員の研究室が設置 されていない こと も共通 してい る。設置予定実験機器 な どの ソフ ト面 では言わば ミクロで invt'tro実験が多い遺伝学、生 理 ・生化学実験では、固有で特殊 な解析装置 を使用 す る場合が多 く、 しか も解剖学な ど言わばマクロの 実験機器 との共通性 は必ず しも高い とは言えない。 そ こで、特殊実験機器 を使用す るであろ うミクロ対 象の3階の実習室 と、専 ら組織 な どの外科手術や解 剖 を伴 うマ クロ対象の4階の実習室 とはユニ ッ トや 学生実験機器 の配置 とい う意味で別 の階にお互いに 住み分 けることに した。 その為 に、受講す る学生は 実験科 目や 内容 によって実習室が異なることになる。 最初 に受講す る第1期生-の指導 には大学院の学生T
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な どに協力 して もらう予定でいる。 3階 と4階の実習準備室は、実習室 において実施 され る内容 についての前後処理 として、製氷、蒸留 水製造 な どの運転機器 を設置す る。 飼育室は3室設置 されてい る。面積 は学外 の動物 飼育室 と比較 して決 して広 くはない。3階の飼育室 の広 さは、1階の飼育室 と同様 に利用 目的や飼育 さ れ る動物種 によって異な り、前室の性格 も有す る洗 浄 ・乾燥室 を利用 して清浄 な飼育環境が作 られてい る。空調システムは全て陰圧 空調システム として、 特に感染予防 として給 ・排気にHEPA フィル ターを 設 け、排水 について も化学的 に誤差以下の排水処理 を施 している。 どちらか といえばオープンな性格 を 有す る1階の飼育室 と比較 して、 3階 と4階の飼育 室はやや クローズな性格 を有す る。 また、飼育室 を 共同利用す る と、時 には研究者 の全ての知的要求を 満たす ことが不可能、非効率的にな らない よ うに、 将来的には個 々の研究者が独 自の飼育室 を占有す る ことも予想 され る。 8. 4階 「発生、組織実習、飼育エ リア」 3階の実習室内が言わばinvitroの ミクロ実験 に適 す る機器 を備 えるのに対 して、最上階である4階の 実習室には言わばinvivoのマ クロ実験 に適 した機器 を備 える予定に してい るD3階 と4階共に共通す る ことは、実習室、実習準備室や手術室が動物飼育室57 J / 同 5 屋上階の光景 の近 隣 に設置 され てお り、各種 の実習や 実験の省 力 化 を図 っていることが挙げ られ る。 4階 は実験 ・実習室 内の機器 以外 の-- ド面は3 階 と共通 してい る。専任教員 の研 究室 も設置 され て い ない。 当階で実施す る発 生生物 学 、組織 学や解剖 学 な ど外科手術や解剖 を伴 う4階実習室 はマ クロ解 剖 実習室 の感 を呈 し、マ クロ とは言 え主 な研 究機器 と して高性 能デ ジタル式顕微鏡 な ども必要 とす る。 3階の実習室 とは実習テーマや 目的 は もとよ り、そ れ に基 く実習 内容 、手法 、主な実習設備 も区別 され てい るので、実験者や受講学生 にはむ しろ利用 し易 い とも思 われ る。 4階の実習室 に於 いて も、学生TA には指導の応援 を仰 ぐ。 4階の飼育室 は 3階 と同様 な位 置、広 さを有す る 3室 が設置 されている。各飼育室の広 さは他階の飼 育 と同様 に、利用 目的や飼 育 され る動物種 によって 異 な り、飼育予定動物 の 自然集 団 に よっては必ず し も全 てがSPFや ク リー ン とは限 らない。若 しくは動 物 の 自然集 団 を実験室集 団化す る ことも有 りうる。 従 って、4階の飼育室 に関 して も棟 内外 の学生や動 物 の移動 には細 かい配慮 が必要で 、少 な くて も飼育 室 は独 立 した窒である と捉 えてい 5っ 9.屋上階 「飼育、機器 エ リア」 1階エ ン トランスのオー プ ンフ ロアは言 わば静の -TLニi-` p .い 、「ll - Li ・ ' J ,i --E ・- -L 一一 i;-・_ -メ F jけ ;I.心 TJt崩 .4... : ・・謂 .I .F I 溝 小博物館 とすれ ば、屋 上階 とは言え、動 の小博物館 に相 当す る ことにな る。屋 上階では大型 の水槽 を設 置 して大小 の魚頬 を飼 育 して教育 ・研 究 に資す る予 定である (