• 検索結果がありません。

根付きラベル付きキャタピラのパスヒストグラム距離

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "根付きラベル付きキャタピラのパスヒストグラム距離"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

根付きラベル付きキャタピラのパスヒストグラム距離

Path Histogram Distance for Rooted Labeled Caterpillars

川口 泰雅

1

芳野 拓也

1

平田 耕一

2

Taiga Kawaguchi

1

Takuya Yoshino

1

Kouichi Hirata

2

1

九州工業大学大学院情報工学府

1

Graduate School of Computer Science and Systems Engineering,

Kyushu Institute of Technology

2

九州工業大学大学院情報工学研究院

2

Department of Artificial Intelligence, Kyushu Institute of Technology

Abstract: In this paper, we focus on a caterpillar as a rooted labeled unordered tree (a tree, for short) transformed to a path after removing all the leaves in it. Also we introduce a path

histogram distance between trees as an L1-distance between the histograms of paths from the root

to every leaf. Whereas the path histogram distance is not a metric for trees, we show that, for caterpillars, it is always a metric, simply linear-time computable and incomparable with the edit distance. Furthermore, we give experimental results for caterpillars in real data of comparing the path histogram distance with the isolated-subtree distance as the most general tractable variation of the edit distance.

1

はじめに

木構造データのデータマイニングや機械学習では, 2 つの木構造データの非類似度を計算する必要がある. 木 の非類似度として有名なものに木編集距離 [7] がある. 木編集距離は一方の木から他方の木への変換に要する 編集操作の最小回数で定義される. 木編集距離の計算 は MAX SNP 困難であることが知られている [11]. こ れは木構造が二分木でも同様である [3]. 木編集距離には, さまざまな変種が提案されており [5, 9], その多くがメトリック [5] かつ多項式時間計算可 能である [8, 9, 10]. 特に, 孤立部分木距離 [10] は, 多項 式時間計算可能な変種の中でも最も一般的である [9]. 木編集距離以外の木の非類似度に木の局所情報を基 にしたヒストグラム距離がある [1, 4, 6]. これらは, 木 編集距離の定数下限を与えることが多く, 木編集距離と 比較して高速に計算することができるが, 一般にメト リックとはならない. そこで本論文では, メトリックであることと計算効率 がよいことを両立した木の比較を目的として, パスヒス トグラム距離とキャタピラを導入する. パスヒストグラム距離とは, 木に出現する根から葉ま でのパスとその頻度の組によって構成されるパスヒス 連絡先:九州工業大学大学院情報工学府 〒 820-8502 福岡県飯塚市川津 680-4 E-mail: [email protected] トグラム間の L1距離で定義される距離である. キャタピラとはすべての葉を取り除いたときにパス になる木である [2]. 非常に制限された単純な構造であ るが, 4 節の表 1 に示すように, 実データの中に多く存 在する. したがって, キャタピラ間のメトリックな距離 の定式化は有用であるといえる. 本論文では, キャタピラ間のパスヒストグラム距離に ついて議論する. はじめに, キャタピラ間のパスヒスト グラム距離がメトリックになること示す. 次に, この距 離が線形時間で計算可能であり, 木編集距離およびそ の変種と比較不能な距離であることを示す. さらに, 実 データにおける孤立部分木距離とパスヒストグラム距 離の比較をすることで, その特徴について解析する.

2

準備

本節では, キャタピラのパスヒストグラム距離の定式 化のための諸定義を導入する. 閉路を持たない連結無向グラフを木という. ノード の集合 V , 辺集合 E からなる木 T = (V, E) に対して, v∈ V を単に v ∈ T と表す. 木 T に含まれるノードの|V | を T のサイズといい, |T | で表す. ある特定のノード r を根として持つ木を根付き木と いい, そのノード r を根という. 根付き木 T の根を r(T ) と表す. 人工知能学会研究会資料 SIG-FPAI-B508-06

(2)

T を r = r(T ) となる根付き木とし, u, v ∈ T とす る. r から v までのパスを, 以下のように定義される木 (V, E) とし, これを UPr(v) と表す. UPr(v) = (V, E), V ={v1, . . . , vk} , v1= r, vk = v, E ={(vi, vi+1)| 1 ≤ i ≤ k − 1} . UPr(v) 上のノードのうち v でないものを v の先祖と いう. v の先祖がノード u であることを v < u と表し, v = u または v < u であるとき, v≤ u と表す. また, v を先祖に持つノードを v の子孫という. 特に, v < u か つ v と u が隣接しているとき, u を v の親といい, par(v) で表し, v を u の子という. また, 子を持たないノード を葉といい, T に含まれるすべての葉の集合を lv(T ) と 表す. さらに, ノード v と u の共通の先祖のうち, v(あ るいは u) へのパスが最も短い先祖を最近共通先祖とい い, v⊔ u で表す. ノード v の子の数を次数といい, d(v) で表す. また, d(T ) = max{d(v) | v ∈ T } で定義され る d(T ) を T の次数という. 木に関する基本的な操作は, 木の各ノードを一つず つ調べることである. これを木の走査という. 走査の 手順として, 親を走査してから, 子を走査する先行順走 査と子をすべて走査してから, 親を走査する後行順走 査を考える. ノード v∈ T に対して, v の先行順走査に おける順番を pre(v), 後行順における順番を post(v) と 表す. このとき, u∈ T に対して, pre(v) < pre(u) かつ post(v) < post(u) のとき, v は u の左にあるといい, u は v の右にあるという. 各ノードの子に左右の順序を指定している根付き木 を根付き順序木といい, 指定していない根付き木を根付 き無順序木という. また, 各ノードがアルファベット Σ によってラベル付けされている木をラベル付き木とい い, ノード v のラベルを l(v) と表す. 本論文では, 根付 きラベル付き無順序木を単に木という. 次に, パスヒストグラム距離と比較するために, 木編 集距離を導入する. 定義 1 (編集操作 [7]). 以下の 3 つの操作を編集操作 という. 1. 置換:ノード v∈ T のラベルを置き換える. 2. 削除:T のノード v を削除し, v のすべての子を v の親 v′と連結する. 3. 挿入:ノード v にノード v′の子の一部分を連結 し, v を v′に連結する. ε /∈ Σ とし, Σε = Σ∪ {ε} とする. ここで, ラベル の組 (l1, l2)∈ (Σε× Σε)\ {ε, ε} に対して, 編集操作を (l1 → l2) と表す. ここで, l2 = ε のとき削除, l1 = ε のとき挿入, l1 ̸= ε, l2 ̸= ε のとき置換を表す. また, ノード v, w に対して, (l(v)→ l(w)) を (v → w) とも表 す. γ : (Σε× Σε)\ {ε, ε} → R+ を 2 つのラベル間の コスト関数とするとき, 編集操作 (l1→ l2) のコストを γ(l1→ l2) で表す. 特に断らない限り, コスト関数には 以下が成り立つ単一コスト関数 γ を用いる. γ(l1→ ε) = γ(ε → l2) = γ(l1→ l2) = 1. 定義 2 (木編集距離). 編集操作列 E = e1, e2, . . . , en

コストを γ(E) =ni=1γ(ei) とするとき, 木 T1と T2

の木編集距離 τTai(T1, T2) を以下のように定義する. τTai(T1, T2) = min { γ(E) E は T1から T2を得る ための編集操作の列 } . 定義 3 (マッピング). T1と T2を木とし, M⊆ T1×T2と する. このとき, 任意の (u1, v1)(u2, v2)∈ M が (1)u1= u2 ⇐⇒ v1= v2(一対一対応), (2)u1≤ u2 ⇐⇒ v1 v2(先祖子孫関係) を満たすとき, 3 つ組 (T1, T2, M ) を Tai マッピングという. 誤解のない限り, (T1, T2, M ) を 単に M と書く. また, Tai マッピングを単にマッピン グといい, M ∈ MTai(T1, T2) と書く. M を T1から T2へのマッピングとし, γ をコスト関 数とする. IM と JM をそれぞれ T1と T2のノードの うち, M には含まれないノードの集合, すなわち IM = {u ∈ T1| (u, v) /∈ M}, JM ={v ∈ T2| (u, v) /∈ M} と する. このとき, M のコスト γ(M ) を以下のように与 える. γ(M ) =(u,v)∈M γ(u, v) +(u,v)∈IM γ(u, ε) + ∑ (u,v)∈JM γ(u, ε). 定理 1 (Tai[7]). 以下が成り立つ.

τTai(T1, T2) = min{γ(M) | M ∈ MTai(T1, T2)}.

定理 2 ([3, 11]). T1, T2を木とする. τTai(T1, T2) を計 算する問題は MAX SNP 困難である. これは T1と T2 が二分木でも成り立つ. 最後に, Tai マッピングと木編集距離の変種の一つで ある, 孤立部分木マッピングと孤立部分木距離を導入 する. 定義 4 (孤立部分木マッピング). T1と T2を木とし, M ∈ MTai(T1, T2) とする. M が以下の条件を満たすと き, M を孤立部分木マッピングといい, M ∈ MIlst(T1, T2) で表す.

∀(u1, v1)(u2, v2)(u3, v3)∈ M

(3)

定義 5 (孤立部分木距離). 孤立部分木距離 τA(T1, T2)

を, 孤立部分木マッピングMIlst(T1, T2) の最小コスト

として, 以下のように定義する.

τIlst(T1, T2) = min{γ(M) | M ∈ MIlst(T1, T2)}.

定理 3 ([8]). τIlst(T1, T2) は O(n2d) 時間で計算できる. ここで, n = max (|T1|, |T2|), d = min {d(T1), d(T2)} で ある.

3

キャタピラのパスヒストグラム距

本節では, キャタピラとパスヒストグラム距離を導入 する. C を r = r(C) となる木とする. C からすべての葉 lv(C) を取り除くと UPr(v)(ただし v は C のあるノー ド) となるとき, C をキャタピラという. キャタピラ C について, 残るパス UPr(v) を C のバックボーンといい, bb(C) で表す. すなわち, V (C) = V (bb(C))∪ lv(C) が 成り立つ. 木 T がキャタピラであるかどうかは O(|T |) 時間で判定可能である. T を r = r(T ) となる木とする. T のノード v∈ T に ついて, 以下のようなパス UPr(v) = (V, E) を考える. V ={v1, . . . , vk} , v1= r, vk= v, E ={(vi, vi+1)| 1 ≤ i ≤ k − 1} . このとき, パス UPr(v) を Σ 上の文字列 l(v1) . . . l(vk) とみなし, これを s(r, v) で表す. また, 文字列 s ∈ Σ∗ について, s = s(r, v) となる葉 v∈ lv(T ) が存在すると き, s は T に出現するといい, s が T に出現する頻度を f (s, T ) と表す. さらに, T に出現するすべての文字列の 集合を S(T ) ={s(r, v) | r = r(T ), v ∈ lv(T )} と表す. 定義 6 (パスヒストグラム). 木 T のパスヒストグラム H(T ) を以下のように定義する. H(T ) ={⟨s, f(s, T )⟩ | s ∈ S(T )} . 定義 7 (パスヒストグラム距離). 木 T1と T2のパスヒ ストグラム距離 δPh(T1, T2) をパスヒストグラム H(T1) と H(T2) 間の L1距離として, 以下のように定義する. δPh(T1, T2) = ∑ s∈S(T1)∪S(T2) |f(s, T1)− f(s, T2)|. 例 1. 木同士の δPhはメトリックでない. T1 ̸≡ T2で あるが δPh(T1, T2) = 0 となる以下のような木 T1と T2 が存在し, メトリックの条件である非退化性の反例とな るからである. このとき, H(T1) = H(T2) ={⟨aba, 2⟩} である. a b a a a b a b a T1 T2 例 1 において, T1はキャタピラであるが, T2はキャ タピラでない. しかし, 両方がキャタピラであれば以下 の定理が成り立つ. 定理 4. キャタピラ間の δPhはメトリックである. 証明. この定理の証明のためには, キャタピラ C1と C2 について, δPh(C1, C2) = 0 ⇐⇒ C1≡ C2 であること を示せば十分である. これは, H(C) から C を一意に構 築できることを示せばよい. C を r = r(C) となるキャタピラとする. C のバッ クボーン bb(C) は r = v1, . . . , vk から構成されてい ると仮定する. s(C) = l(v1) . . . l(vk) とする. このと き, 任意の葉 v∈ lv(C) に対して, s(r, v) は v = vkで, l(v1) . . . l(vk−1) が s(C) の接頭辞となる l(v1) . . . l(vk) の形で表すことができる. また, キャタピラにはちょう ど 1 つのバックボーンしかない. このことより, 下記の 手続きによる H(C) から C の構築は一意である. 初めに, H(C) に含まれる最長文字列 l(v1) . . . l(vn) を選び, v1, . . . , vn−1 を C のバックボーン bb(C) とする. 次に, s = l(v1) . . . l(vk) とな る任意の⟨s, f(s, C)⟩ ∈ H(C) に対して, vk を vk−1 ∈ bb(C) の子として, f(s, C) 回追 加する. 定理 5. δPh(C1, C2) は O(|C1| + |C2|) 時間で計算で きる. 証明. C をキャタピラとし, bb(C) は v1, . . . , vnから構 成されているとする. 以下の手続きを i = 1 から n ま で繰り返す. viの子である葉 v について, l(v1) . . . l(vi)l(v) を s とし, viの子のうちラベルが l(v) であ る葉の数を f (s, C) とする. V (C) = V (bb(C))∪ lv(C) かつ V (bb(C)) ∩ lv(C) = ∅ であり, 上記の手続きは C のノードをちょうど 1 回走査 するだけである. よって, C から H(C) の構築は O(|C|) 時間で可能である. 定理 6. 以下の性質を満たすキャタピラ C1と C2が存 在する.

(4)

1. τTai(C1, C2) = 1 だが δPh(C1, C2) = O(λ) であ る. ここで, λ = max{|lv(C1)|, |lv(C2)|} である. 2. δPh(C1, C2) = 2 だが τTai(C1, C2) = O(n) であ る. ここで, n = max{|C1|, |C2|} である. 証明. 根同士のラベルが異なる同型のキャタピラ C1と C2は, 性質 1 を満たす. 一方, 同じ長さのパス C1と C2について, C1のすべ てのノードのラベルが a で, C2のすべてのノードのラ ベルが b のとき, 性質 2 を満たす. 定理 6 より, δPhと τTaiは比較不能であることがい える.

4

実験

本節では, δPhを計算するアルゴリズムを実装し, キャ タピラに適用した結果を τIlstと比較する. τIlstのコス ト関数には単一コスト関数を使用する. データセット には KEGG1が提供する N 型糖鎖と糖鎖, CSLOGS2, dblp3を使用する. 表 1 に各データセットにおけるキャ タピラの数 (#cat) を示す. 表 1: データセットにおけるキャタピラの数. データセット #cat データ数 % N 型糖鎖 514 2,142 23.996 糖鎖 7,984 10,704 74.785 CSLOGS 41,592 59,691 69.679 dblp 5,154,295 5,154,530 99.995 計算に用いるキャタピラは, N 型糖鎖, 糖鎖, CSLOGS のすべてのキャタピラと, dblp からキャタピラを 50, 000 件を選んだもの (dblp) である. これは, dblp のすべ てのキャタピラの数が, すべてのキャタピラの組合せ間 の距離を計算するには大きすぎるためである. 表 2 に キャタピラの情報を示す. 表 2 における ([a, b]; c) とい う表記について, a は最小値, b は最大値, c は平均値を 表す. 表 3 に表 2 の各データセットのすべてのキャタ ピラの組合せ間の距離計算の実行時間を示す. 実験環 境は, OS が Ubuntu Linux 14.04 (64bit), CPU が Intel Xeon E51650 v3 (3.50GHz), RAM が 1GB である.

表 3 より, τIlstより δPhの方が実行時間が小さいこ とがわかる. これは, τIlstの計算時間が O(n2d) であり,

δPhの計算時間が O(n) であることに合致する.

1Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes, http://www.

kegg.jp/ 2 http://www.cs.rpi.edu/~zaki/www-new/pmwiki.php/ Software/Software 3http://dblp.uni-trier.de/ 図 1 はキャタピラの組合せ間における δPh(破線) と τIlst(実線) の分布図である. ここで, 横軸は距離, 縦 軸はその距離の値をとるキャタピラの組合せの割合を 表す. 0 5 10 15 20 25 30 0 2 4 6 8 10 12 14 16 percentage(%) distance Ilst Ph 0 5 10 15 20 25 30 35 40 0 5 10 15 20 25 30 percentage(%) distance Ilst Ph N 型糖鎖 糖鎖 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 0 5 10 15 20 percentage(%) distance Ilst Ph 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 20 30 40 50 60 70 80 90 100 percentage(%) distance Ilst Ph CSLOGS (0 - 20) CSLOGS (20 - 100) 0 0.0005 0.001 0.0015 0.002 0.0025 0.003 0.0035 0.004 0.0045 0.005 100 150 200 250 300 350 400 450 500 percentage(%) distance Ilst Ph 0 5 10 15 20 25 30 35 40 0 2 4 6 8 10 percentage(%) distance Ilst Ph CSLOGS (100 - 500) dblp (0 - 10) 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 percentage(%) distance Ilst Ph 0 0.0005 0.001 0.0015 0.002 0.0025 0.003 0.0035 0.004 100 120 140 160 180 200 220 240 260 280 percentage(%) distance Ilst Ph dblp (10 - 100) dblp (100 - 280) 図 1: δPhと τIlstの分布図. 図 1 より, N 型糖鎖と糖鎖については, δPhと τIlstが 類似しておらず, どちらも正規分布に近い形をとるこ

(5)

表 2: 実験データ. データセット #cat ノードの数 次数 高さ 葉の数 ラベル数 N 型糖鎖 514 ([6,15];6.40) ([1,3];1.84) ([1,9];4.22) ([1,7];2.18) ([2,8];4.50) 糖鎖 7,984 ([1,24];4.74) ([0,5];1.49) ([0,15];3.02) ([1,14];1.72) ([1,9];2.84) CSLOGS 41,592 ([2,404];5.84) ([1,403];3.05) ([1,70];2.20) ([1,403];3.64) ([2,168];5.18) dblp 50,000 ([7,244];11.96) ([6,243];10.94) ([1,3];1.02) ([6,243];10.94) ([7,13];9.86) 表 3: 実行時間. 単位はミリ秒. データセット δPh τIlst τIlstPh N 型糖鎖 300 6,035 20.12 糖鎖 53,170 718,807 13.53 CSLOGS 3,674,530 25,511,072 6.94 dblp 11,496,570 144,162,902 12.54 とがわかる. 一方, CSLOGS と dblp−については, δPh と τIlstが類似しており, ほとんどのキャタピラの組合 せは小さい値をとるが, わずかに大きい値をとる組合せ もあることがわかる. 図 2 に横軸を τIlst, 縦軸を δPhとしたときの, すべて のキャタピラの組合せによる散布図と, τIlstと δPh相関係数 cc を示す. 図 2 より, N 型糖鎖と糖鎖については, 定理 6 で示し た通り, 実験的にも δPhと τIlstが比較不能であること がわかる. 一方, CSLOGS と dblp−については, δPhと τIlstが高い相関係数を示している. この原因として以 下のことが考えられる. 1. CSLOGS と dblpについて, 平均の高さが極端 に小さく, かつ, ノードの数に対して葉の数が極 端に少ないため, δPh ≪ τIlstとなる組合せが存 在しない. 2. dblpについて, キャタピラの根ノードがほとん ど同一であるため, δPh ≫ τIlstとなる組合せが 存在しない. 3. CSLOGS について, 根のラベルが異なるとき, 葉 のラベルのほとんどが異なるため, δPh≫ τIlstと なる組合せが存在しない. 図 3 は, δPh ≪ τIlstもしくは δPh≫ τIlstとなる N 型 糖鎖のキャタピラの組合せである. ここで, δPh(C1, C2) = 2 であるが τIlst(C1, C2) = 5, δPh(C3, C4) = 8 である が τIlst(C3, C4) = 1 である. 定理 6 に関連して次のことがわかる. δPh ≪ τIlstと なるキャタピラの組合わせは, ノードの数に対して葉の 数が少ない傾向にある. 一方, δPh ≫ τIlstとなるキャ タピラの組合わせは, ほとんど同型であるが根に近い部 分の構造が異なる傾向にある. 0 2 4 6 8 10 12 0 2 4 6 8 10 12 14 16 Ph Ilst 0 5 10 15 20 25 30 0 5 10 15 20 25 30 Ph Ilst N 型糖鎖 糖鎖 cc = 0.440433 cc = 0.702997 0 100 200 300 400 500 600 700 800 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 Ph Ilst 0 50 100 150 200 250 300 0 50 100 150 200 250 Ph Ilst CSLOGS dblp cc = 0.934889 cc = 0.996572 図 2: δPhと τIlstの散布図.

(6)

I B C D D D E E E E I B C D B G H D C1=G05056 C2=G04815 I B C D D D B D I C D D D B D C3=G10334 C4=G10338 図 3: δPh ≪ τIlstもしくは δPh ≫ τIlstとなるキャタ ピラの組合せ.

5

まとめ

本研究では, キャタピラのパスヒストグラム距離を導 入し, 木編集距離と比較不能かつメトリックな距離で あり, 線形時間計算可能であることを示した. また, 実 データに対して, 孤立部分木距離との比較をすることに より, その特徴を解析した. 今後の課題としては, キャタピラの構造的特徴を生か して, 高速に計算可能なキャタピラの木編集距離計算ア ルゴリズムを設計し, パスヒストグラム距離と比較す ることが挙げられる. さらに, 本研究の発想を基に, 一 般的な木構造における木編集距離と比較不能かつメト リックな距離の定式化も, 今後の重要な課題である.

参考文献

[1] T. Aratsu, K. Hirata, T. Kuboyama: Sibling dis-tance for rooted labeled trees, JSAI PAKDD’08

Post-Workshop Proc., LNAI 5433, 99–110 (2009). [2] J. A. Gallian: A dynamic survey of graph labeling ,

Electorn. J. Combin. 14, DS6 (2007).

[3] K. Hirata, Y. Yamamoto, T. Kuboyama: Improved

MAX SNP-hard results for finding an edit distance between unordered trees, Proc. CPM’11, LNCS 6661,

402–415 (2011).

[4] K. Kailing, H.-P. Kriegel, S. Sch¨onaur, T. Seidl,

Ef-ficient similarity search for hierarchical data in large databases, Proc. EDBT’04, 676–693 (2004).

[5] T. Kuboyama: Matching and learning in trees, Ph.D thesis, University of Tokyo (2007).

[6] F. Li, H. Wang, J. Li, H. Gao: A survey on tree edit distance lower bound estimation techniques for similarity join on XML data, SIGMOD Record 43,

29–39 (2013).

[7] K.-C. Tai: The tree-to-tree correction problem,

J. ACM 26, 422–433 (1979).

[8] Y. Yamamoto, K. Hirata, T. Kuboyama: Tractable

and intractable variations of unordered tree edit dis-tance, Internat. J. Found. Comput. Sci. 25, 307–330

(2014).

[9] T. Yoshino, K. Hirata: Tai mapping hierarchy for rooted labeled trees through common subforest ,

The-ory of Comput. Sys. 60, 759–783 (2017).

[10] K. Zhang: A constrained edit distance between unordered labeled trees, Algorithmica 15, 205-222 (1996).

[11] K. Zhang, T. Jiang: Some MAX SNP-hard results concerning unordered labeled trees, Inform. Process.

表 3 より , τ Ilst より δ Ph の方が実行時間が小さいこ とがわかる . これは , τ Ilst の計算時間が O(n 2 d) であり , δ Ph の計算時間が O(n) であることに合致する.
表 2: 実験データ. データセット #cat ノードの数 次数 高さ 葉の数 ラベル数 N 型糖鎖 514 ([6,15];6.40) ([1,3];1.84) ([1,9];4.22) ([1,7];2.18) ([2,8];4.50) 糖鎖 7,984 ([1,24];4.74) ([0,5];1.49) ([0,15];3.02) ([1,14];1.72) ([1,9];2.84) CSLOGS 41,592 ([2,404];5.84) ([1,403];3.05) ([1,70];2.20)

参照

関連したドキュメント

We show that a discrete fixed point theorem of Eilenberg is equivalent to the restriction of the contraction principle to the class of non-Archimedean bounded metric spaces.. We

In particular, we consider a reverse Lee decomposition for the deformation gra- dient and we choose an appropriate state space in which one of the variables, characterizing the

We present sufficient conditions for the existence of solutions to Neu- mann and periodic boundary-value problems for some class of quasilinear ordinary differential equations.. We

“Breuil-M´ezard conjecture and modularity lifting for potentially semistable deformations after

Then it follows immediately from a suitable version of “Hensel’s Lemma” [cf., e.g., the argument of [4], Lemma 2.1] that S may be obtained, as the notation suggests, as the m A

In this paper, we obtain some better results for the distance energy and the distance Estrada index of any connected strongly quotient graph (CSQG) as well as some relations between

Takahashi, “Strong convergence theorems for asymptotically nonexpansive semi- groups in Hilbert spaces,” Nonlinear Analysis: Theory, Methods &amp; Applications, vol.. Takahashi,

Section 4 contains the main results of this paper summarized in Theorem 4.1 that establishes the existence, uniqueness, and continuous dependence on initial and boundary data of a