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モデル化された岩盤地盤内を伝パする弾性波の特性についての基礎的研究 (Ⅲ)

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Academic year: 2021

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(1)

モデル化された岩盤地盤内を伝パする弾性波の

特性についての基礎的研究  (Ⅲ)

       桑 原 孝 雄●

       (農学部 構築工学研究室)

The Fundamental Study on the Characteristics of Elastic Waves Propagating through rhe Modeled Rock Foundation (III)

       Takao KUWABARA

    Lahoratoりo∫C。nstnicttonEngineering、FaculりofAgriculture‘

 Abstract : This report describes the Elastic Wave problem in Civil Engineering in relation to the previous repots, (I) and (II).

 Especially, it is showed how the existence of discontinuous layers affects the propagating velocity of elastic waves. These layers have various kind of the compressive strength and the volume.

 Consequently, it is found that the medium, the confining pressure and the number of layer affect the velocity mutually.

      1  ま え が き  筆者は弾性波探査法を応用して,地盤内特に岩盤から成る地盤内を伝パする弾性P波の諸特性か ら‘伝パ経路の物理的条件を類推するに資するための基本的モデル実験を行なっている。  先報l)-2) までに,経路の媒質の強度,封圧力および経路内の不連続面および不連続層の存在が, 種々の方向から伝パする弾性波にいかに影響を与えるかについて,伝パ速度を中心に検討してき た。すなわち, (iy>では,モデルブロック接合面を1つの不連続面と考え,各ブロックの強度 が同じである場合について,組合せブロック系内を伝パする弾性波の伝パ速度について検討し,ま た(H)2)では先の接合面に異質な媒質が存在し,この異質媒質内の物理的条件の相異が弾性波伝 パ速度に与える影響について検討し興味ある結果を得た。  しかしな,がら,以上の結果のみでは,まだまだ,自然状態の物理的性質を類推するに資するため には不充分であるので,本論文では,不連続層として,それをとりまく媒質と構成材料は同じであ るか,その規模ならびに強度を異にする場合について,先報までのものと同様の観点から検討する こととする。        2  実験装置および実験方法について  今回もまた2種類の実験を行なった。その実験に使用した装置は先報までに示したものと同じで あるので説明は略す。  今回の実験の特徴としては,不連続層の規模ならびに強度を,それをとりまく媒質と異にしてい ,る点にある。すなわち,実験その1(実験I)では,不連続層の強度かそれをとりまく媒質の強度 の約4割で,その規棋も厚さ・にして,それをとりまく媒質の約3割に相当する眉を2層から3層を 挿入して行なった。実験その2(実験H)では,不連続層の規模は先の実験Iと同じであるが,構 成材のうち細砂として粗粒率1.32のものを使用し,強度も実験Iの場合の不連続層のものに比して 約2倍強のものを作製して,実験Iと同様の方法で実験した。ここで,これら不連続層ならびにそ

(2)

れをとりまく媒質の強度(圧縮強度)をTable 1 およびTable 2 に示す。

 Table 1 The compressivse strength for Test l   ・Table 2 The compressive strength for Test II

測定番号 - 1  2  3 不連続眉 2   2   7 8   1   1       1   1 隣接媒質 O l < ^ C O 3   8   7 2   2   3 比 0.35 0.40 0.37 (単位:kg/c 「)        (単位:kg/cirf)  つぎに実験Iおよび実験Hでの不連続層ならび叫それをとりまく媒質の設置状態をFig. 1およ びFig. 2にそれぞれ示す。  測定は, Table 1∼2に示した強度時に,両端から各3方向(垂直方向1,斜め方向2)に弾性 波を発生させ,・各方向に対して,シンクロスコープ掃引時間に・して0.5, 1.0. 2.0 msec/DIV の 3回測定記録し,これらより求めた伝パ速度の平均値を各方向に対する伝パ速度とし,次に垂直お よび斜め方向をそれぞれ平均して各設置状態での伝パ速度とした。  なお,弾性波発生方法ならびに測定方法等は先報までに示し・たものと同じである。

二∩

(a)

回炎□

二王]

      (C)

Fig. 1 The systems for Test l

∩四万コ

 (a)

斤目『』

(C) (d)

Fig. 2 The systems for Test II

      4 実験結果とそめ考察  −1.実験Iの場合      ,  まずFig. l-(a)の場合について,垂直入射の場合と斜め入射の場合とでの各測定時圧縮強度 に対する各方向ごとの平均伝パ速度値を側圧力に対してフフロットしたものをFig. 3に示す。この 場合の設置状態ならびに媒質特性は,先報1’(I)に示した場合と全く類似したものであるが. Fig. 3によると,側圧力の増加にともない伝パ速度は増加し,どの強度に対してもほぽ一定割合で増加 しているのがわかる。しかし,伝パ方向@相異による差はあまり顕著なものはみられず,かなりバ ラツ牛がみられる。また,媒質自体の強度変化による伝″速度特性をみるに, Table 1に布ける測 定番号2における場合が最も小さな値となり,ついで測定番号1,測定番号3の順序となっている。 これは,ここで使用している媒質が一定配合のモルタルを使用しており,その打設後の材令経過に 従って測定を行なってIいるため,初期材令時にはかなりの水分が存在するものと考えられる。それ ゆえに,この水分の影響により,上のような結果を生じたのではないかと考える。  つぎにFig. l-(b)に対する結果を先のものと同様にしてFig. 4に示す。

(3)

5 [ o a s / u i 5 ] ︶ AJI0019A 2 1 O ’

四回

N0.10 No. 2 <I>Normal No. 3 c e 9 O D   e e 0 9 < D ○Φ︱ 1 ● ( ● @ Oblique e 9 CD衆3 2

   Confining pressure (ton/head) Fig. 3 The re】ationbetween velocity       and pressure         j ・ [ 0 3 S / U I 5 ] ︶ Aiiooiayv 2 1 0

コmコ

No. 1 o.   ●

No. 2 <D Normal ≫ Oblique No. 3 e    9 e@ 1 < h         0 S e 9 9 ろ95 0 1 2    Confiningpressure (ton/head) Fig. 4 The relation between velocity      and pressure  この場合は,測点間距離は先の場合と同じであるが,その中間に厚さ5cmの不連続層を3層挿 入した場合である。これによると,伝パ速度と側圧ならびに媒質の強度との関係は,先の場合と非 常によく似た傾向を示しているが,全体に先のものより伝パ速度値は小さくなっていることがわか る。なお,その場合の伝パ経路内に占める不連続層の割合は約4割である。  つぎにFig. l-(c)に対する結果をこれまでと同様にしてFig. 5に示す。  この場合は測点間距離はこれまでのものより10 cm 長くなっており, Fig. l-(a)の接合面の 位置に1層づつ不連続層が入った場合のものである。これによると,傾向的には,これまでのもの と殆んど同じであり,伝パ速度位も. Fig. 4の場合と非常に近い値となっている。なお,この場合 の伝パ経路内に占める不連続層の割合は約2割である。  以上実験Iの場合の結果を示したが,不連続層の存在しない場合に比して,不連続層(ここでは 隣接媒質より弱強度のもの)が存在することにより,伝パ速度値は小さくなるどとがわかる。また 不連続層が伝パ経路内に占める割合によっても伝パ速度は影響されるものと思われるが,ここでの 結果のみでは明白なことは判明しなかった。さらに,伝パ方向の組異による影響もここではあまり 著しいものはみられずその結果にはバラツ牛があった。  −2.実験Hの場合  実験nの場合は. Fig. 2に示した図中斜線のものがすべて不連続層としてとりあつかい,斜線 のないものは実験Iでの同じ大きさのものをそのまま利用した。 したがって,この部の強度は, 313 kg/c 「以上の圧縮強度を有している。それでここでは,不連続層の強度変化ならびに側圧力変 化が,垂直および斜め方向から伝パする弾性波の伝パ速度にどのようは影響するかを見ることとす

(4)

4 ︵ 3 3 S / U I 5 ( ︶ Aiioo[aj\ 2 1 0 No. No. No. @ ●ae 1 2 3

匹コ円

○ ① e        e Normal C・Oblique        9 S 9 ( D 9 1      0    1    2   Confining pressure(ton/head) Fig. 5 The relation between velocity      and pressure

2?ヤヤgJ

Pressure

0 1 n / ﹄ ○ (D Normal e 6   m ︵O3S/UI3J︶     ’ 4 A j i o o i a ^ 3 2 1 0 ton/head ︵w  ︵︵︶ e ・eo ' c   a x i e Q ● ( ● 9 Oblique ︵ i   0 8 3 ○○ Q 6 1 き        237   274  308   342       .Compressive Strength(kg/cm2) Fig. 6 The relation between velocity and strength

る。なお,伝パ速度の平均値の出し方は実験Iの場合と同様である。  まず, Fig. 2-(a)の場合に対する伝パ速度と不連続層の強度変化との関係をFig. 6に,側圧 力変化をも加味して示す。乞れによると,多少のバラツ牛もあるが,不連続層の増加にともなう伝 パ速度の増加,および側圧力の増加にともなう伝パ速度の増加する傾向がみられる。 しかしなが ら,ここでも伝パ方向の相異による影響はあまり著しいものではない。  つぎにFig. 2-(b)の場合に対する結果を先の場合と同様にしてFig. 7に示す。この場合は, 先の場合とは,不連続層のmは同じでも,その間に不連続面が増し,層が多くなった点に相異があ る。この図によると,先の場合と同様に不連続眉の強度ならびに側圧力の増加にともなう伝ノ々速度 の増加の傾向は同じであり,また,伝パ方向の相具による伝パ速度の変化は著・しくないが,全体的 に先のものと比較して伝パ速度値は小さくなっているのがわかる。なお,この場合の不連続層の伝 パ経路に占める割合は約4割である。  つぎにFig. 2-(c)の場合に対する結果をこれまでと同様に。してFig. 8に示す。 この場合は Fig. 2- (a)の場合にさらに2層の不連続眉が加わった場合のものである。これによると,不連 続層の強度増加ならびに側圧力増加にともなう伝パ速度の増加傾向は全くこれまでのものと同じで あり,伝パ方向の相異に対する差もあまり著しくないか' Fig. 6の場合に比してどの強度時に対し

(5)

( O 3 S / U I 5 ( ︶ X n 3 0 [ 3 y Y 2 1 0 01(Nl ろ95 9 a >   e e き Confining Pressure

円F]

○ (D e Normal ton/head 9         e ≫ き 237 ○ ( ● Q 9    ecB ○● 274 Oblique ︵ ≫       C D   e e 1 (l e       ≪ > ○ ● 308  342   Compressive Strength (kg/cm^) Fig. 7 The relatioりbetween velocity       and strength Confining Pressure 0 1 C M ( o a s / u i 3 j ︶   X j i o o p y v 2 1 0 [ ○ ( I ) e Normal tor!/head 9   ︵ S B e C M ● (・ 9 Oblique | a x ≫   e Q    237   274  :308  3'I2  Compressive Strength kg/cm2) Fig. 8 The relation between velocity

     and strength ても伝パ速度値はやや減少するのがわかる。なおこの場合の不連続層の伝パ経路に占める割合は約 5割強である。  最後に, Fig. 2-(e)の場合に対する結果をこれまでと同様にしてFig. 9に示す。この場合 はFig. 2−(d)にさらに2層の不連続層が入った場合の結果である。これによると,不連続層の 強度増加および封圧の増加にともなう伝パ速度の増加傾向も,伝パ方向による著しい影響のみられ ない点はこれまでのものと全く同じであるが. Fig. 8の場合に比して,全体的に伝パ速度位は小さ くなっているのがわかる。なお,この場合の不連続層の伝パ経路内に占める割合は約7割である。  以上実験Hの場合の結果を示し,その特性を述べてきたが,こ,こでも実験Iの場合と類似した傾 向をみることができる。  −3.実験Iと実験Hの比較  ここで実験Iと実験nのそれぞれの結果を比較検討する。両実験結果から共通していえること は,媒質の強度ならびにこれに加えられる側圧力の増加により伝パ速度も増加する。しかし,同一 媒質でも不連続層の層数が増すと同じ割合で不連続層が伝パ経路内にあっても伝パ速度は減少す る。不連続層自体の著しく低強度時には伝パ速度も減少する。といった特徴がみられる。  また,不連続層自体の強度が大きいと同じ配置に対しては伝パ速度も大きくなる。  しかし伝パ方向の影響はここでは著しいものがみられなかった。

(6)

Confining Pressure 0 1 ( N l

○ (D e Normal ton/head 5 r o a s / u i i j ︶       X j i o o i a y Y 2 1 0 am    e o● eom 9 ● {} 9 Oblique e3ee 9O 9 e1Φ● ○        237   274   308  342       Compressive Strength (kg/cm'') Fig. 9 The relation between velocity and strength

      5  結     論  以上,弾性波伝パ速度を中心に各場合について検討してきた。この結果から次のような結論が導 ける。  1)一定封圧下で,経路の媒質に不連続層が存在することにより弾性波伝パ速度は影響を受け,   不連続層の数が増せば同一条件下で伝パ速度は減少する。  2)一定封圧下で,不連続層の強度変化により伝ノ々速度は影響を受け,同一条件下で強度が増せ   ば伝パ速度は大きくなる。  3)一定媒質強度下で,封圧力の変化により伝パ速度は影響を受け,封圧力の増加により伝パ速   度も大きくなる。。  4)以上の基本的特性はグラウト効果の判定に利用することができる。  以上定性的にいろいろの条件下での伝パ速度特性を知ることかでき,これらを先報までに得た知 識と総合して実際面への適応も可能と考えられる。なおここでは定量的には論じていないが,今後 伝パ速度以外の要素をも加味して検討したく考える。       あ と が き  この研究にあたっては,昭和46年度高知大学農学部4.回生谷幸蔵君の多大の協力があったことを 記しここに感謝の意を表します。

(7)

ろ97        参 考 文 献 1)桑原孝雄:モデル化された岩盤地盤内を伝パする弾性波の特性についての基礎的研究・(I),高知大学学  術研究報告,第19巻,自然科学第14号,昭和45年 2)桑原孝雄:モデル化された岩盤地盤内を伝パする弾性波の特性についての基礎的研究(n),高知大学学  術研究報告,第20巻,自然科学第6号,昭和46年 (昭和47年9月30日受理) X 、

(8)

Fig. 1 The systems for Test l
Fig. 5 The relation between velocity      and pressure 2?ヤヤgJ Pressure01n/﹄○ (D Normale6  m︵O3S/UI3J︶  4Ajiooia^321 0 ton/head︵w  ︵︵︶ e ・eo 'c axie Q ● ( ●9 Oblique︵i 083○○ Q6 1き        237   274  308   342       .Compressive Strength(kg/cm2)
Fig. 8 The relation between velocity      and strength ても伝パ速度値はやや減少するのがわかる。なおこの場合の不連続層の伝パ経路に占める割合は約 5割強である。  最後に, Fig

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