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平成 28 年度厚生労働省科学研究費補助(

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Academic year: 2021

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(1)

平成 28 年度厚生労働省科学研究費補助(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業

「妊婦健康診査および妊娠届を活用したハイリスク妊産婦の把握と 効果的な保健指導のあり方に関する研究(H27-健やか-一般-001)」

分担研究報告書 研究代表者:

地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪府立母子保健総合医療センター 統括診療局長 兼 産科主任部長 光田信明

メンタルヘルス不調の妊産婦に対する保健指導プログラムの開発と 効果検証についての研究

分担研究者 立花良之 国立成育医療研究センター

こころの診療部乳幼児メンタルヘルス診療科 研究協力者 小泉典章 長野県精神保健福祉センター 鈴木あゆ子 須坂市健康福祉部健康づくり課 赤沼智香子 須坂市健康福祉部健康づくり課 浅野章子 須坂市健康福祉部健康づくり課 樽井寛美 須坂市健康福祉部

鹿田加奈 長野市保健所健康課

清水美枝子 長野市保健所健康課真島保健センター 町田和世 長野市保健所健康課

研究要旨

本研究では、母子保健領域において、メンタルヘルス不調の母親の早期発見とその 後の多機関連携を含めたサポートの推進役となる母子保健メンタルケア・サポーター を養成するため、研修プログラムを作成し、その効果検証を行うこととした。

平成

27

年度に作成したメンタルヘルス不調の母親とその子どものフォローアップ の体制のためのマニュアルをもとに、母子保健メンタルケア指導者研修を開催した。

69

名の参加者があり、アンケートの有効回答は

62

名であった。

アンケートの結果、今後自施設内や他機関関係者とメンタルケアについての研修会 や勉強会を開催したいと考えている参加者は大多数であり、メンタルケアのスキルア ップへのニーズの高さが明らかになった。また、多くの参加者が研修会への満足度の 結果から、本研究で実施したメンタルケアの指導者研修のような研修プログラムの提 供が母子保健関係者のメンタルケアについてのニーズに合致していることが示唆さ れた。研修会から

3

か月後に実施予定のアンケートで、今後本研究のプログラムを検 証していく。今年度の研修のアンケート結果や実施状況をふまえ、次年度以後も、母

(2)

A.

研究目的

健やか親子

21

(第

2

次)において

「妊娠期からの児童虐待防止対策」が 重点課題となっている。

周産期は心理社会的な負荷やホル モンバランスの乱れなどから、メンタ ルヘルス不調を来しやすい時期であ る。周産期においてメンタルヘルス不 調の母親には、産科医・助産師・保健 師などさまざまな職種がかかわるが、

対応方法がまちまちで、精神的な問題 が見過ごされることもあり、また、問 題が見つかったとしても多機関との 連携システムが未整備のため不十分 な対応に終わってしまうことが多い。

平成

27

年度に本分担研究者は厚生 労働科学研究費補助金障碍者対策総 合研究事業(精神障害分野)「うつ病 の妊産褥婦に対する医療・保健・福祉 の連携・共同による支援体制(周産期

G-P

ネット)構築の推進に関する研究」

1で、母子保健メンタルケア・ゲート キーパー研修を開催した。その研修で は、母子保健関係者のメンタルケア研 修へのニーズが非常に高いことが明 らかになり、均てん化のためには効率 の良い研修形態が望ましいと考えら れた。高齢者介護の領域においては、

認知症の人の診療に習熟し、かかりつ け医への助言をはじめとした支援を 行い、専門医療機関や地域包括支援セ ンターなどとの連携の推進役となる 認知症サポート医を養成する仕組み をとっている。そのモデルを参考に、

のほかの支援を行い、地域連携の推進 役となる母子保健メンタルケア・サポ ーターを養成するモデルの効果検証 を行うこととした。平成

27

年度にメ ンタルヘルス不調の母親とその子ど ものサポートのためのマニュアル作 成している。今年度は、そのマニュア ルをもとに、母子保健メンタルケア・

サポーターを養成する研修会「母子保 健メンタルケア指導者研修」を企画・

実施し、研修会前後における参加者の 意識の変化を検証することとした。

B.

研究方法

1

.研修会プログラムを作成。

2

.保健師・助産師・看護師をはじめ とした母子保健関係者向けに研修会 を実施。

3.

研修会の前後で、母子保健のメン タルケアに対する意識、均てん化への 効果を検証することとした。尚、本研 究は研修会の事前に、国立成育医療研 究センター倫理審査委員会で承認を 受けた。研修会前に、事前にアンケー トを配布した。また、研修会当日に、

研修前後でアンケートを実施し、研修 による母子保健のメンタルケアに対 する意識・行動変容の効果について調 べることにした。

研修プログラム

平成

27

年度に開発した、産科分娩施 設においてメンタルヘルス不調の妊 産婦をスクリーニングで同定し、その

(3)

ける、メンタルヘルス不調の妊産婦の フォローアップのマニュアルをもと に、研修会プログラムを作成した。

講義形式で

1)

母子保健のメンタル ケアにおける医療・保健・福祉の連携 と社会資源、

2)

妊娠期・産後・育児 期に起こりやすい母親のメンタルヘ ルス不調の見立てと対応のポイント、

3)

自治体保健師と医療機関の連携の 紹介(小規模地域)、

4

)自治体保健師 と医療機関の連携の紹介(広域地域)、

5

)地域での母子保健メンタルケア研 修会開催にあたってのパッケージ例、

6)

「妊娠期からの切れ目ない支援」の た め の 地 域 母 子 保 健 計 画 策 定 と

PDCA

サイクルの考え方 について 解説し、さらに、グループワークで地 域母子保健におけるメンタルケアの 連携体制構築についての課題整理と 行動計画立案を行うものとした。

C.

研究結果

厚生労働省子どもの心の診療ネッ トワーク事業の一部として、

2016

12

4

日(日)に、国立成育医療研究 センター病院講堂にて、「母子保健メン タルケア指導者研修会」を実施した。

66

名の参加(その他に、オブザーバー として、日本看護協会より

1

名、日本 助産師会より

2

名が参加)があり、ア ンケートの有効回答は

62

名であった。

下記はそこで実施したアンケートの 結果である。

1)

最近

3

か月間でおよそ何人のここ ろの問題で「気になる」妊産褥婦に対 応していましたか。

2)

最近

3

か月間でかかわった妊産褥 婦の総数はおよそ何人ですか。

3)

最近

3

か月間でおよそ何人の特定 妊婦に対応をしていますか。

5.08%

5.08%

6.78%

16.95%

33.90%

32.20%

10.71% 1.79% 7.14%

33.93%

17.86%

28.57%

3.45% 6.90%

20.69%

24.14%

36.21%

8.62%

(4)

4

1

)医療関係者向け質問

この

3

か月間でおよそ何ケースを、保 健師・子ども家庭支援センター(また は類似機関)・児童相談所と連携して 対応されましたか。

保健師

子ども家庭支援センター

児童相談所

5)

自治体関係者向け質問

この

3

か月間でおよそ何ケースを、医 療機関・子ども家庭支援センター(ま たは類似機関)・児童相談所と連携し て対応されましたか。

医療機関

子ども家庭支援センター

児童相談所

7.41%

22.22%

14.81%

25.93% 29.63%

20.69%

3.45%

20.69%

27.59%

27.59%

4.76%

9.52%

19.05%

66.67%

11.11% 11.11%

3.70%

11.11%

18.52%

22.22%

22.22%

5.00%

15.00%

80.00%

28.57%

3.57%

14.29%

14.29%

(5)

7)

メンタルヘルス不調の母親に対す るご自身の自施設内での対応につい て、十分行えていると思われますか。

8)

現在、地域でメンタルヘルス不調 の母親やその子どもの支援について、

自施設内で会合が定期的にあります か。

9)

現在、地域でメンタルヘルス不調 の母親やその子どもの支援について、

他の施設関係者との会合にどの程度 参加していますか。

11)

メンタルヘルス不調の母親への 対応における他機関との連携につい て、うまくできていると思いますか。

12

)あなたの職種について教えてくだ さい。

1.79%

19.64%

44.64%

33.93%

31.58%

3.51%

12.28%

52.63%

21.05%

33.33%

45.61%

16.67%

31.48%

16.67%

35.19%

1.79%

1.79%

1.79%

32.14%

46.43%

10.71%

(6)

13

)今後、メンタルヘルス不調の母親 やその子どもの支援について、自施設 内で研修会・勉強会などを開催してい きたいですか。

14

)今後、メンタルヘルス不調の母親 やその子どもの支援について、ほかの 機関の関係者と研修会や勉強会を行 っていきたいですか。

15)

今回の研修会にご参加いただい て、いかがだったでしょうか。

D.

考察

研修会後に実施したアンケートで は、今後自施設内や他機関関係者とメ ンタルケアについての研修会や勉強 会を開催したいと考えている参加者 は大多数であり、メンタルケアのスキ ルアップへのニーズの高さが明らか になった。また、研修会の満足度につ いての結果から、本研究で実施したメ ンタルケアの指導者研修のような研 修プログラムの提供が母子保健関係 者のメンタルケアのスキルアップの ニーズに合致していることが示唆さ れた。研修会から

3

か月後に実施予定 のアンケートで、今後本研究のプログ ラムを検証予定である。

以下に、アンケートの結果から明ら かになった参加者のメンタルケアの 実情を考察する。

参加者のほとんどが、一定数以上の

8.77%

31.58% 59.65%

35.71%

1.79%

58.93%

3.51%

29.82%

66.67%

(7)

た、直近の

3

か月間で特定妊婦に対応 していると回答した参加者の割合は 約

4

分の

3

であり、残りの約

4

分の

1

の参加者の中には特定妊婦の定義を 把握していない者もいたと考えられ る。母子保健関係者の間で特定妊婦に ついてのさらなる啓発が望まれる。

また、メンタルヘルス不調の母親に 自施設内である程度対応していると 答えた参加者は半数弱であり、メンタ ルケアに対する母子保健関係者の対 応ができているところとできていな いところに二分される現状が明らか になった。今後、メンタルケアをあま り実施しているといえない約半分の 施設も、おのずとメンタルケアに取り 組めるような保健システムを作って いくことが望まれる。

メンタルヘルス不調の母親やその 子どもの支援についての会合が全く ない、と

3

分の

1

弱の参加者が回答し ていた。メンタルヘルス不調の母親に はどの母子保健関係者も対応する機 会があると考えられ、対応を協議する 定期的な場を今後より多くの施設が 持つことを推進する施策が望まれる。

また、大多数の母子保健関係者が他 機関関係者との会合に参加する機会 が非常に少ないか全くないと答えて いた。地域の多職種連携には、関係者 の顔の見える関係づくりの場となる と考えられ1,2、今回の研修会でもその ような会合について講義の中で紹介 した。今後、地域での関係者間の会合 が持たれるような施策が望まれる。

次年度以後も、母子保健メンタルケ

ア指導者研修を厚生労働省子どもの 心の診療拠点病院事業の中で行って いく予定であり、今年度のアンケート 結果や実施状況を踏まえ、次年度以後 さらなる均てん化につなげていく。

E.

結論

自施設内や他機関関係者とメンタ ルケアについて研修会や勉強会を開 催したいと考えている母子保健関係 者は多く、そのようなニーズに対して、

本研修会のような研修プログラムパ ッケージの提供は有意義であること が示唆された。プログラムの有効性に ついては、研修

3

か月後のアンケート を実施して検証予定である。

F

.健康危険情報 特記すべきことなし

G.

研究発表

1

)論文発表

(原著論文)

1. ○

立花良之、小泉典章、樽井寛美、

赤沼智香子、鈴木あゆ子、石井栄三郎、

鹿田加奈 「メンタルヘルス不調の母 親とその子どもの支援のための、妊娠 期からはじまる医療・保健・福祉の地 域連携モデルづくりについて」、子ど も 虐 待 と ネ グ レ ク ト 、

362-366,Vol.18.No.3. 2016.

2

小泉典章、立花良之「精神保健と 母子保健の協働による周産期メンタ ルヘルスへの支援」 子ども虐待とネ グレクト、

231-235

vol.18.No.2

2016

(8)

3

立花良之、小泉典章 「母子保健 活動と周産期・乳幼児期の精神保健」

精神科治療学、

97-103

vol.31.No.2

2016

(書籍)

1.

立花良之、母親のメンタルヘルス サポートハンドブック 気づいて・つ ないで・支える 多職種地域連携 医 歯薬出版、

2016

2

)学会発表

1

.立花良之、幼児期の発達障害児の 診療、第

29

回日本総合病院精神医学 会総会、

2016

11

25

2.

立花良之、妊娠期からの切れ目のな い支援のための地域における医療・保 健・福祉の連携づくりについて、第

13

回日本周産期メンタルヘルス学会学 術集会、東京

2016

11

19

3

.立花良之、妊娠中や産後女性のこ ころの問題について、第

6

回内科疾患 と妊娠フォーラム、

2016

9

24

日、

東京

H.

参考文献

1.

立花良之

,

妊娠・出産・育児にかか わる各時期の保健福祉システムの現 状とあり方

.

精神医学

, 2016. 58(2): p.

127-133.

2.

立花良之、小泉典章、竹原健二、

久保隆彦、森臨太郎

,

うつ病の妊産褥 婦に対する医療・保健・福祉の連携・

協働による支援体制(周産期

G-P

ネッ ト)整備についての研究

.

平成

25

27

「うつ病の妊産褥婦に対する医療・保 健・福祉の連携・協働による支援体制

(周産期

G-P

ネット)整備についての 研究」総合研究報告書

, 2016.

参照

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秋田県健康福祉部健康づくり推進課 辻田博史 秋田県健康福祉部健康づくり推進課 辻真由子 千葉県健康福祉部健康づくり支援課 松下寛

宮田 敏行 国立循環器病研究センター/坂田 洋一 自治医科大学 横山 健次 東海大学医学部付属八王子病院/中村 真潮 なかむら内科 榛沢 和彦

厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業) 分担研究報告書 健康寿命の全国推移の算定・評価に関する研究 ―全国と都道府県の推移―

研究代表者 福井 小紀子 (東京医科歯科大学保健衛生学研究科 教授). 令和

○市保健所健康課 母子保健担当 ○市健康福祉部健康課 保健課(保健指導係・健康推進係) 健康福祉部 健康課 健康づくり課 保健予防係 健康福祉部 健康推進課 健康づくり課

○市保健所健康課  母子保健担当 ○市健康福祉部健康課 保健課(保健指導係・健康推進係) 健康福祉部  健康課 健康づくり課  保健予防係 健康福祉部 

野田 龍也 奈良県立医科大学公衆衛生学講座・講師 川戸美由紀 藤田保健衛生大学医学部衛生学講座・講師 三重野牧子 自治医科大学情報センター医学情報学・准教授 山田

研究分担者 荒井秀典  国立開発研究法人長寿医療センター 副院長 研究分担者 田中弥生 駒沢女子大学人間健康学部健康栄養学科 教授 研究分担者 安藤雄一