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Significance of Cecectomized Rats in Nutritional Studies Ei SAKAGUCHI Laboratory of Animal Nutrition, Faculty of Agriculture, Okayama University Rats

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日本 食 物 繊 維 研 究 会 誌Vol.7No.1(2003)

総 説

栄養 研 究 にお け る盲 腸 切 除 ラ ツ トの有 用 性

坂 口 英

岡山大学農学部家畜栄養学研究室

Significance of Cecectomized Rats in Nutritional Studies

Ei SAKAGUCHI

Laboratory of Animal Nutrition, Faculty of Agriculture, Okayama University

Rats have an enlarged cecum to be considered as an adaptive structure to variable food quality. The cecum plays an important role to utilize indigestible and fermentable food materials in the rat. Cecectomy results in faster transit of digesta connecting lower digestibilities of food components in the rat. The response of the transit and retention of digesta to the feeding of indigestible food materials is similar to that in human, where the inverse response is often recognized in normal rats, suggesting that cecectomized rats are useful in the study concerning digesta movement in the gut. Some of nutritional and physiological effects of dietary fiber and fermentable food components are extinguished by cecectomy. Some inverse results are obtained in the rats with or without cecum in the nutritional and physiological studies. Fermentation in the large gut is modified largely by cecectomy. Although the cecectomized rat has some possibilities as a useful experimental animal, there is a limitation to use the cecectomized rat as an experimental animal in the study of the function of fermentable food materials. Further comparative studies are needed in the functions of the digestive tract between human and the cecectomized rat for the strict qualification of the usefulness in human nutrition studies.

Key words: cecum, gut fermentation, digesta flow, cecectomized rat

 ラ ッ トは消 化管 に幅 広 い食性 に対応 す る構 造 と解 釈 で き る明 確 な盲腸 を備 えて い る。盲腸 は食 物繊 維 な ど 発 酵性 食 餌成 分の利 用 にお いて重 要 な役割 を演 じて い る。盲 腸切 除 は消 化管 内容 物 の通 過 を速 め,食 餌成 分 の消化 率 を低 下 させ る。難 消 化性 食餌成 分 が消 化管 内 容 物 の通 過時 間や滞 留 時 間 に及ぼ す効 果 は,正 常 ラ ッ

トで は ヒ トとは逆 の反応 を示 す が,盲 腸 切 除 ラ ッ トで は ヒ トと同様 の反応 を示 す 。 この よ うな消 化管 内容物 の動態 に関す る試験 で は,ヒ トの実 験動 物 と しての ラ ッ トの有用 性 が評価 で きる。正 常 ラ ッ トで は明確 に発

現 す る食 物 繊 維 な ど の 栄 養 生 理 効 果 の い く つ か は,盲 腸 切 除 ラ ッ トで は 発 現 しな い 。 ま た,正 常 ラ ッ トと 盲 腸 切 除 ラ ッ トで,逆 の 試 験 結 果 が 得 られ る こ と も あ る 。

さ らに 大 腸 内 発 酵 は 盲 腸 切 除 で 大 き く変 化 す る 。 し た が っ て,盲 腸 切 除 ラ ッ トは 有 用 な 実 験 動 物 と して の 可 能 性 を 秘 め て は い る が,大 腸 発 酵 性 食 餌 成 分 の 機 能 評 価 等 に 用 い る 時 に は 注 意 が 必 要 で あ る。 ヒ トの 栄 養 試 験 に お け る 有 用 性 を厳 密 に 評 価 す る た め に は ヒ トと盲 腸 切 除 ラ ッ トの 消 化 管 機 能 の 差 異 と類 以 性 の 更 な る検 討 が 求 め ら れ る。

〒700‑8530岡 山 市 津 島 中1‑1‑1(Tsushimanaka1‑1‑1,Okayama.shi,700.8530,Japan)

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J. Jpn. Assoc. Dietary Fiber Res. Vol. 7 No.1 (2003)

1.は じ め に

 ヒ トの 栄 養 の 実 験 に ラ ッ トが 利 用 され る よ う に な っ た の は,20世 紀 初 頭 と い わ れ て い る 。 そ の 後 ラ ッ トは 様 々 な試 験 研 究 の 実 験 動 物 と して 用 い られ,栄 養 学 の 進 展 に貢 献 して き た 。 ラ ッ トが栄 養 研 究 の 実 験 動 物 と して 用 い ら れ る よ うに な っ た理 由 は,一 言 で い え ば, 実 験 動 物 一 般 に 要 求 され る 「求 め る情 報 が 確 実,容 易 に 入 手 で き る適 切 な 動 物 実 験 系 」 と して の 資 質 を 備 え て い る と い う こ と に な ろ う。 現 在 ま で の 動 物 試 験 に お け る 成 果 が ヒ トの 試 験 結 果 と 一 致 す る こ と も 多 い の で,ラ ッ トの 試 験 結 果 を直 接 ヒ トに 外 挿 す る 場 合 も多 い 。

 近 年 大 腸 の 生 理 と栄 養 的 な機 能,ま た そ の 機 能 を 介 し た栄 養 と体 内 代 謝 と の 関 連 等 に我 々 の 意 識 が注 が れ る よ う に な り,ヒ トの 栄 養 を対 象 と した 実 験 動 物 と し て の ラ ッ トの 意 義 を 再 度 吟 味 す る 必 要 が 生 じ て い る 。

ヒ トと ラ ッ トは 食 性 が 類 似 して い る に も か か わ らず 消 化 管 形 態 に 明 ら か な 違 い が あ る。 最 も大 き な 違 い は ラ ッ トに は 結 腸 か ら明 確 に 区 分 され る大 き な 盲 腸 が あ る こ と で あ る。 こ の 盲 腸 の 機 能 が ど の よ う な も の で,ど の よ う に ラ ッ トの 栄 養 に 関 与 して い る の か,そ して 盲 腸 を 含 む ラ ッ トの 大 腸 と ヒ トの 大 腸 との 機 能 的 類 似 性 は ど の 程 度 な の か,と い っ た 疑 問 につ い て 明 確 な答 え を 出 す の は 簡 単 で は な い 。 こ の 問題 の 解 決 を め ざす な ら ば,ま ず,ヒ トの 大 腸 と ラ ッ トの 大 腸 の 微 生 物 叢, 代 謝(消 化),吸 収,分 泌,運 動,内 容 物 移 行 な どの 実 態 と そ れ に 関 係 す る様 々 な 生 理 機 能 を,様 々 な 条 件 下 で 把 握 し比 較 す る こ と が 求 め られ よ う 。 さ ら に比 較 的 簡 単 に 行 え る盲 腸 切 除 時 の ラ ッ トの 大 腸 機 能 と栄 養 との 関 連 を正 確 に 把 握 す る こ と も,こ の 問 題 の 答 え を 探 す た め に 有 益 な情 報 を 提 供 して くれ そ うで あ る 。

 古 く か ら,盲 腸 の 存 在 に は 関 心 が持 た れ て い た よ う で,四 半 世 紀 以 上 前 か ら ラ ッ トの 栄 養 に 対 す る盲 腸 切 除 の 影 響 が 調 べ られ,栄 養 素 利 用 に お け る盲 腸 の 意 義 が 認 め られ て い る 。

 それ に も拘 わ らず,盲 腸 の存 在 に注 意 を払 った研究 はそれ ほ ど多 くは ない 。 その理 由 と して,古 典 的 な栄 養 学で は大 腸 が関 わ る栄 養現 象 に は あま り大 きな注意 が払わ れ てい なか っ た ことが あげ られ よ う。近年 大 腸 発酵 性 の食 餌成 分 の栄養 生理 作 用 の解 明 など,大 腸機 能 を介 した栄養 現象 にか かわ る研 究 を ラ ッ トを実験動 物 と して進 め る上 で,得 られ た試験 結果 を盲 腸 の存 在 を無 視 して解釈 す るこ とは,そ の結 果 を ヒ トに外 挿 す

る 場 合 の 判 断 の 信 頼 性 を薄 め る可 能 性 が 考 え られ る 。  栄 養 学 の 進 展 に 大 き く貢 献 して き た実 験 動 物 と して の ラ ッ トの 有 用 性 は 現 在 で も さ ま ざ ま な 面 で い さ さか も揺 ら ぐ こ と は な い 。 しか しな が ら,大 腸 機 能 が 関 与 す る試 験 結 果 の 解 釈 が 求 め られ る こ と が 多 い 現 状 で は,ラ ッ トと ヒ トの 大 腸 機 能 の 類 似 性 と相 違 点 を正 確 に 評 価 す る こ と を 避 け て 通 る こ と は で き な い 。 本 稿 で は,実 験 動 物 ラ ッ トの 有 用 性 と限 界 の 把 握 に 資 す る こ と を め ざ して,先 達 の 貴 重 な デ ー タ を も と に,ラ ッ ト の 消 化 管 機 能 の 特 徴 と盲 腸 切 除 ラ ッ トの 栄 養 研 究 に お

け る有 用 性 の 評 価 を 試 み た 。 2.ラ ッ トの 消 化 管 機 能

 哺 乳 動 物 は 幅 広 い 体 重 分 布 を示 す が,一 般 に 基 礎 代 謝 量 は 代 謝 体 重(kgα75)に 比 例 す る')の で ラ ッ トの よ うな 小 型 の 齧 歯 類 に と っ て は 体 重 あ た りの エ ネ ル ギ ー 要 求 量 は 大 型 の 動 物 に比 べ る と大 幅 に増 大 す る 。 ま た,

た ん ぱ く質 要 求 量 は エ ネ ル ギ ー 代 謝 量 に 比 例 す る2)の で,エ ネル ギ ー 要 求 量 と同 様 に,小 型 の 動 物 で は 大 型 の 動 物 に 比 べ る と 体 重 あ た りの タ ンパ ク 質 要 求 量 は大 きい 。 こ の よ う な栄 養 的 制 約 は,小 型 の 動 物 の 生 存 に と っ て 食 性 と消 化 管 機 能 が重 要 な 意 味 を もつ も の と考 え ら れ る。

1)消 化 管 の構造

 ラ ッ トは比較 的 小型 の齧 歯類 で,食 性 は雑 食 と され てい る。齧 歯類 な どの小 型 の動物 は その大腸 に盲 腸 を 備 えて い るの で,盲 腸 発酵 動物 と も呼 ばれ て い る。 比 較 的体 重 の大 きい動物 種 には盲 腸 が発達 した動物 種 は あ ま り見 られ ず,む しろ結 腸 の発達 が顕 著 で あ る。 盲 腸 や結 腸 で は例 外 な く微生物 活 動 が活 発 に行わ れ,動 物 の栄 養 に種 々 の形 で貢献 してい る。小 型 齧歯類 の 盲 腸 は内容物 を貯留 す るこ とで微 生物 活動 をサ ボ ー トす るが,繊 維質 の消 化 は必 ず しもす べて の盲 腸発 酵動 物 が高 い とは限 らない。

 表1は 小型 の動 物種 の繊 維消 化 率 を示 して い る。 ラ ッ トは ウサ ギ と同程度 の繊 維消 化 率 を示 すが,他 の小 型 の動物 に比 べ て低 い3‑6)。ウサギ は純粋 な草 食 性 の動 物 で あ り,そ の消 化管 には発 達 した巨 大 な盲腸 が備 わ ってい る。 ラ ッ トは雑 食性 で 盲腸 は比 較 的単純 な形 状 を して お り,容 量 もウサギの 盲腸 ほ ど大 き くな い。 こ の こ とは小型 の動 物種 間 の繊維 消 化能 力 の違 い に は大 腸 の容量 だけで は な く,内 容物 の 移行 や貯 留様 式 の違 い が関係 す る ことが考 え られ る。

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日本 食 物 繊 維 研 究 会 誌Vol.7No.1(2003)

2)盲 腸 発 酵 動 物 の 大 腸 内 容 物 の 移 行 と滞 留

 大 腸 内 の 内 容 物 の 移 行 と貯 留 様 式 は 動 物 種 に よ っ て 異 な る。 種 々 の 盲 腸 発 酵 動 物 の 大 腸 内 容 物 の 移 行 は 特 徴 的 な2つ の パ タ ー ン に 分 類 され る 。 す な わ ち,消 化 管 内 容 物 の 液 状 部 分(液 相)と 固 形 粒 子 状 部 分(固 相) を 全 く分 離 す る こ と な く盲 腸 内 で 均 一 に 撹 拌 さ れ る 型,そ し て 液 相 が 固 相 部 分 か ら分 離 され 盲 腸 内 に 選 択 的 に 貯 留 され る型 で あ る 。 前 者 は モ ル モ ッ トや ヌ ー ト

リア,マ ー ラ,デ グ ー な ど の 南 米 を起 源 とす る齧 歯 類 に 多 く見 ら れ,こ れ らの 動 物 種 で は繊 維 消 化 率 は比 較 的 高 い(表1)。 後 者 で は 液 相 内 容 物 の 選 択 貯 留 の 程 度 が動 物 種 に よ っ て 異 な り,ラ ッ ト,ハ ム ス タ ー は 比 較 的 軽 度 の 選 択 貯 留 が 認 め られ る 。 ウ サ ギ が こ の 型 の 機 能 を 備 え る典 型 的 な 動 物 で あ り,盲 腸 内 に は 微 粒 子 状 の 食 餌 残 渣 を 含 む 液 相 内 容 物 が他 の 食 餌 残 渣 と 明 確 に 分 離 され 選 択 的 に 貯 留 され る 。 この 大 腸 機 能 に 類 似 した 機 能 を 備 えて い る動 物 と して,コ ア ラ や リ ン グ テ イ ル ポ ッサ ム が 知 られ て い る7‑9)。

3)ラ ッ トの 消 化 管 内 容 物 移 行 の 様 相

 図1は アル フ ァル フ ァ50%を 含 む飼 料 を与 え て,午 前10時 に 消 化 管 内 容 物 マ ー カ ー を 与 え,そ の 後1,3, 5,7,10,14時 間 後 に 消 化 管 を採 取 して 各 部 位 に残 っ

て い る マ ー カ ー の 量 を 測 定 し,全 回 収 量 に 占 め る 割 合 を 示 して い る 。 固 相 マ ー カ ー は 胃 と盲 腸 で の 存 在 割 合 が 大 き い の で,ラ ッ ト消 化 管 の 内 容 物 貯 留 部 位 は 胃 と 盲 腸 と み な せ る。 胃 に お け る マ ー カ ー の 存 在 割 合 の 減 少 速 度 に 比 べ て 盲 腸 で は 残 存 割 合 の 減 衰 が 緩 や か で あ る 。 こ の こ と か ら 胃 で の 内 容 物 の 滞 留 時 間 は比 較 的 短 く,盲 腸 で は 比 較 的 長 時 間 マ ー カ ー が貯 留 され て い る こ と が わ か る10)。

 図1に 示 され て い る マ ー カ ー残 存 割 合 の 経 時 変 化 に 対 して 指 数 回 帰 式 を あ て は め る こ と が で き る。 盲 腸 に 対 して は 上 部 の 消 化 管 か らの 流 入 が途 絶 え た と み な さ れ る時 間 帯(マ ー カ ー 投 与 後5時 間)か らの 減 衰 に対 して 指 数 回 帰 式 を あ て は め る 。 こ の 指 数 回 帰 式 の 回 帰 定 数 の 逆 数 が 胃 と 盲 腸 で の 内 容 物 平 均 滞 留 時 間 に な る 10)。 こ の よ うに して 求 め た 胃 と盲 腸 の 内 容 物 滞 畜 時 間 の 測 定 値 を 同 様 の 手 法 に よ っ て 求 め た ウ サ ギ,ハ ム ス タ ー の 測 定 値 と と も に表2に 示 した 。 ウ サ ギ の 消 化 管 内 の よ う な 固 相 と液 相 の 明 確 な 分 離 は起 きな い が,ラ

ッ トの 胃 で は 固 相 を,盲 腸 で は液 相 を 選 択 的 に 貯 留 す る こ と が 示 され て い る。 以 上 よ り,ラ ッ トの 盲 腸 は 内 容 物 を貯 留 す る主 要 な 部 位 で あ り,固 相 よ り も液 相 部 を 長 く留 め る傾 向 が あ る と結 論 で き る 。

 ヒ トの 消 化 管 と 非 常 に よ く似 た 構 造 の 消 化 管 を備 え

表1草 類を含む飼料 を摂取した種々の後腸発酵動物の繊維消化率

(a)粗 繊 維10%以 上,セ ルロース(Hinz1969a);(b)チ モシー100%,粗 繊 維(Uden&Van  Soest,1982);(c)ア ルファルファ100%,セ ルロース(Vander   Noot&Gilbreath1970);(d)ア ルファルファ100%,セ ルロース(Paul‑Murphy1982)(e)ア ルファルファ50%,セルロ ス(Keys  et  al.1969);(f)

オーチャード グ ラス50%,セ ルロース(Keys  et  al.1969);(9)ア ルファルファ100%,粗 繊 維(Slade&Hintz1969);(h)ア ルファルファ50%, ADF(Sakaguchi  et  al.1992);(i)ア ルファルファ50%,ADF(Sakaguchi&Nabata1992);G)ア ルファルファ50%,ADF(Sakaguchi  et  al.

1987);α)ア ルファルファ50%,ADF(Sakaguchi&Ohmura1992)

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Cr‑CWC(固 相 マ ー カ ー)

Co‑EDTA(液 相 マ ー カ ー)

図1ア ル フ ァル フ ァ50%を 含 む 飼 料 を与 えて,午 前10時 に 消 化 管 内 容物 マ ー カー を与 え1,3,5,7,10,14時 間 経 過 後 に 消 化 管 を採 取 して 各 部 位 に残 っ て い るマ ー カ ーの 量 の 全 回収 量 に 占め る割 合 を示 す 。各 プ ロ ッ トの 値 は4頭 の 平 均値 で あ る 。小 腸 と結 腸 は前 半 部 と後 半 部 を等 長 に 分割 した 。

た ニ ホ ンザ ル の 内 容 物 滞 留 時 間 の 測 定 例11)で は,高 繊 維 飼 料 と低 繊 維 飼 料 条 件 下 で,最 短 通 過 時 間 は そ れ ぞ れ 高 繊 維 飼 料 で 固 相 が10.2時 間,液 相 が10.2時 間,低 繊 維 飼 料 で 固 相 が12.2時 間 液 相 が12.2時 間 で あ っ た 。 ま た平 均 滞 留 時 間 は そ れ ぞ れ 高 繊 維 飼 料 で 固 相 が24.7 時 間,液 相 が25.3時 間,低 繊 維 飼 料 で 固 相 が22.5時 間, 液 相 が22.7時 間 で あ り,固 相 と液 相 の 間 に ほ と ん ど差

が認 め られ ない 。ニ ホ ンザルの 消化 管 が ヒ トの消 化 管 と同 じ機 能 を持つ と仮 定 す る と,大 腸 に貯留 槽 を持 た な い ヒ トで は大腸 の 内容物 貯留 機能 は ラ ッ トとは異 な

るとい え る。

4)結 腸 の内容 物分 離機 能

 多 くの小 型盲 腸発 酵動物 の 結腸 は液 相 内容物 の 分離

表2胃 お よび 盲 腸 に お け る内 容 物 平 均滞 留 時 間(h)

Cr:Cr‑牧 草 細 胞 壁(固 相 マ ー カ ー)Co:C(rEDTA(液 相 マ ー カ ー)

平 均 滞 留 時 間:表1の マ ー カ ー残 存割 合 の経 時 変 化 に 当て はめ た 指 数 回帰 式 の 回帰 係 数 の 逆 数.

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や 微 生 物 を 選 択 的 に 分 離 す る 結 腸 分 離 機 構(colonic  separation mechanism)と 呼 ば れ る機 能 を 備 えて い る 。

これ ら は 盲 腸 内 で の 微 生 物 活 動 を 支 え る機 構 とみ な す こ と が で き,以 下 の2つ の 型 に 分 け られ る。

 固 相 内 容 物 か ら液 相 内 容 物 を 分 離 す る機 能 は ウ ォッ シ ュバ ック(wash‑back)型 と 呼 ば れ12),内 容 物 中 の 固 形 物 粒 子 に 依 存 す る分 離 機 構 で あ る(図2)。 結 腸 の 蠕 動 運 動 と盲 腸 側 に 向 か っ て 動 く逆 蠕 動 との 組 み 合 わ せ が 液 相 内 容 物 の 盲 腸 へ の 選 択 的 な貯 留 を もた らす と さ

れ て い る'3}。液 相 内 容 物 に は 可 溶 性 の 栄 養 素 や 微 粒 状 の 食 餌 成 分,微 生 物 な ど が 含 ま れ,こ れ ら が 盲 腸 内 に 集 積 す る こ と に な る 。 こ の 分 離 機 構 は ウ サ ギ の 結 腸 に 最 も顕 著 に認 め られ る。

 も う一 つ の 分 離 機 構 は粘 液 依 存 性 分 離 機 構 で 粘 液 ト ラ ップ(mucus‑trap)型 と 呼 ば れ る12)(図3)。 こ の 分 離 機 構 で は,ま ず 結 腸 内 に 分 泌 さ れ る粘 液 に 結 腸 内 容 物 か ら微 生 物 が移 行 し選 択 的 に保 持 され る 。 次 に 微 生 物 が混 ざっ た粘 液 は 結 腸 内 の 前 後 方 向 に走 る2列 の 膨 起

図2近 位 結 腸 に お け る粒 子 依 存 型( wash‑back type)内 容物 分離 機 構 の概 念 図

微粒 子状 食 餌 残 渣 とバ ク テ リア を含 む 液 相 内 容物 が 結 腸 分 節 運 動 に よ って 大 粒 子 内容 物 か ら分 離 され,逆 蠕 動 に よ って盲 腸 側 に運 ばれ,大 粒 子 内容 物 は 結 腸 の蠕 動 運 動 に よ っ て肛 門 側 へ と運 ば れ る と考 え られ て い る。

図3近 位結 腸 に お け る粘 液 依 存 型( mucus‑trap type)バ ク テ リア分 離機 構 の概 念 図

バ ク テ リア は結 腸 内 容 物 か ら粘 液 層 へ と移 行 し,バ ク テ リア を トラ ップ した粘 液 は 腸管 膜則 に 前 後 方 向 に走 る襞 壁 に 挟 まれ た溝 部 に 移 動 し,こ の 部 分 の 盲 腸 側 へ 向 か う蠕 動 に よ っ て盲 腸 へ と運 ば れ る.こ の流 れ に の って バ ク テ リアは 盲 腸 に 集積 す る と考 え られ る.

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に 挟 まれ た溝 の 部 分 に 移 行 す る 。 そ して この 部 分 の 逆 蠕 動 に よ っ て 微 生 物 は 粘 液 と と も に 盲 腸 に 運 ば れ る 14)。 この 分 離 機 構 は 大 腸 で 固 相 と液 相 が ウ サ ギ ほ ど 明 確 に 分 離 され な い 種 々 の 齧 歯 類 に 認 め られ る14‑16)。ラ ッ トで は 近 位 結 腸 内 の 微 生 物 の 不 均 一 な 分 布 が 観 察 さ れ て い る17)ので,ラ ッ トも粘 液 依 存 性 の 微 生 物 逆 送 機 構 を 備 え て い る可 能 性 が 考 え られ る。

5)食 糞

 食 糞 は ウ マ を は じめ とす る 多 くの 草 食 性 単 胃 動 物 だ け で は な く肉 食 動 物 の イ ヌ や ネ コ も食 糞 を行 う こ と が 知 られ て い る18.19)。特 に 微 生 物 発 酵 の 場 と して 盲 腸 を 備 えて い る 動 物 は しば しば あ る い は 日常 的 に 食 糞 を行 う 。 微 生 物 生 産 物 の 消 化 吸 収 を 高 度 に 達 成 す る手 段 と 考 え られ る 食 糞 は 前 述 し た結 腸 分 離 機 構 に よ っ て 支 え ら れ て い る こ と は 疑 い が な い16)。ラ ッ トや マ ウ ス も例 外 で は な く 日常 的 に 食 糞 す る こ と が 観 察 され て い る20.

21)。 食 糞 の 栄 養 に 対 す る 貢 献 度 は,比 較 的 小 さ な 発 酵 槽 を 備 え た 動 物 で は 大 き く,ま た 食 餌 の 質 が低 い(栄 養 素 密 度 が 低 い 高 繊 維 の 食 餌)ほ ど大 き い と い う22)。

 市 販 の 固 形 飼 料 条 件 下 の ラ ッ トで は 食 糞 は 日常 的 に 行 わ れ る が,成 長 中 の ラ ッ トの 方 が 成 熟 ラ ッ トよ り も 食 糞 回 数 は 多 い23)。ラ ッ トが 排 泄 す る 糞 塊 は タ ンパ ク 質 に富 む 含 水 糞(軟 糞)と 繊 維 質 に 富 む硬 糞(通 常 糞) の2種 類 あ り,含 水 糞 を 選 択 的 に 摂 取 す る と され て い る24)。この こ と は ラ ッ トが 盲 腸 糞 食 性 の 動 物 で あ る可 能 性 を 示 す もの で あ る。 ウサ ギ で 典 型 的 な 盲 腸 糞 食 は,

質 的 に 劣 り,あ る い は 量 的 に不 足 す る 食 餌 タ ンパ ク質 の 有 効 利 用 を 可 能 に す る機 能 とみ な す こ と が で き るの で,ラ ッ トに は幅 広 い 栄 養 環 境 に適 応 で き る能 力 が 備 わ っ て い る と み なす こ と が で き る 。

 ち な み に,栄 養 的 に 優 れ た 市 販 の 固 形 飼 料 条 件 下 の マ ウ ス で は,食 糞 はB群 ビ タ ミ ン や 葉 酸 な ど の ビ タ ミ ン の 補 給 以 外 の 栄 養 的 意 義 は 認 め られ な い と い う25)。

ラ ッ トで も 良 質 の 飼 料 条 件 下 で は 食 糞 の 栄 養 的 役 割 は 限 定 さ れ た もの と考 え られ る 。 しか しな が ら,盲 腸 の 機 能 と密 接 に 結 び つ い て い る 食 糞 は,ラ ッ トの 消 化 機 能 の 一 部 と して 組 み 込 ま れ た もの と して 評 価 す べ きで あ ろ う。

表3ラ ッ トの 栄養 生 理 に及 ぼ す 盲 腸 切 除 の 影 響

↑ 上 昇 ・増 加 ・増 大,↓ 低 下 ・減 少,→ 影 響 な し

(1)Dryer  et  al.(1975),(2)Ambuhl  et  al.(1979),(3)Williams&Senior(1982),

(4)Ebihara  et  al.(1984),(5)有 塚 ら(1992),(6)海 老 原 ら(1983),(7)海 老 原 ら(1984), (8)Ohta  et  al.(1994),(9)Fukushima  et  al.(1999)

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日 本食 物 繊 維 研 究 会 誌Vol.7No.1(2003)

3.ラ ッ トの 消 化 管 機 能 と 栄 養 素 利 用 に 及 ぼ す 盲 腸 切 除 の 影 響

1)摂 食 量,増 体 量,消 化 率(表3)

  Dreyer  et al.26)はラ ッ トの 盲 腸 切 除 は 飼 料 乾 物 消 化 率 を9%低 下 さ せ た と 報 告 して い る 。Ambuhl  et al.27) は 配 合 飼 料 給 与 条 件 下 の ラ ッ トに 盲 腸 切 除 を施 す と, 飼 料 摂 取 量 は 擬 手 術 ラ ッ トの14.7g/dに 対 して15.9 g/dと 増 加 し,増 体 重 は 擬 手 術 区 と差 は 見 られ な か っ

た と い う 。 こ の 時,有 機 物 消 化 率 は77.8%か ら73.0%

に,粗 タ ンパ ク 質 消 化 率 が83.0%か ら79.4%に,炭 水 化 物 消 化 率 が74.6%か ら69.0%に 下 が り,糞 中 水 分 含 量 が41.6%か ら54.8%に 上 が っ た と 報 告 し て い る 。 Williams&Senior28)は ラ ッ トの 盲 腸 を取 る と粗 タ ンパ

ク 質,可 溶 性 炭 水 化 物,セ ル ロ ー ス,ヘ ミセ ル ロ ー ス の 消 化 率 が 低 下 した が,脂 肪 消 化 率 は低 下 し な か っ た と報 告 して い る。 この 時,与 え た配 合 飼 料 の 摂 取 量 は 盲 腸 切 除 ラ ッ トで 増 加 せ ず,摂 取 可 消 化 エ ネ ル ギ ー は 低 下 し た が,増 体 重 は 対 照 の87%で あ っ た と い う。 ま たFukushima  et al.29)は米 糠 を与 え た ラ ッ トで は 盲 腸 切 除 に よ っ て 増 体 重 が減 少 し た と報 告 して い る 。 一 方, 無 繊 維 飼 料 や 食 物 繊 維 を5%含 む 飼 料 を 用 い た有 塚 ら30)の実 験 で は,盲 腸 切 除 ラ ッ トは 盲 腸 を持 つ ラ ッ ト に 比 べ て 摂 食 量 が 多 い 傾 向 を 示 し て い る 。 ま た, Ebihara  et al.31)は半 精 製 飼 料 で も小 麦 フ ス マ を10%添 加 し た飼 料 で も盲 腸 切 除 が摂 食 量 に 影 響 せ ず,タ ンパ

ク 質 と灰 分 消 化 率 が 小 麦 フ ス マ を与 え た と きに の み 低 下 し た と報 告 して い る 。 さ ら にOhta  et al.32)やNagata  et al.33)は,食 物 繊 維 を5%含 む 半 精 製 飼 料 を ラ ッ トに

与 え た試 験 で は,盲 腸 切 除 は 摂 食 量 と成 長 に影 響 して

い な い 。Ohta  et al.32)はこ の 試 験 で 盲 腸 切 除 はMgの 吸 収 を低 下 さ せ た が,Caの 吸 収 は 影 響 を 受 け な か っ た

と報 告 して い る。

 この よ う に,飼 料 摂 取 量 や 体 重 増 加 に 対 す る 盲 腸 切 除 の 影 響 は,報 告 に よ っ て 異 な る が,盲 腸 切 除 に よ っ て 飼 料 摂 取 量 が減 少 した場 合 で も,そ の 程 度 は 小 さ く 十 分 な 成 長 を 示 して い る 。 この 点 か らは,盲 腸 は ラ ッ トの 栄 養 に と っ て 重 要 な 器 官 で は な さそ う に み え る 。 しか し,飼 料 成 分 の 消 化 率 は 盲 腸 切 除 に よ っ て 影 響 を 受 け,繊 維 や タ ンパ ク 質,ミ ネ ラル の 消 化 率 が低 下 す る 。 この こ と は 盲 腸 が 食 餌 成 分 の 消 化 吸 収 に 関 わ っ て い る こ と を 明 確 に 示 して い る 。

2)結 腸(表3)

  Ambuhl  et al.27)は盲 腸 の 除 去 が 小 腸 の 重 量 や 長 さに は 影 響 しな か っ た が,結 腸 の 重 量 を増 大 させ,長 さ を 伸 ば し た と 報 告 して い る。 ま た,有 塚 ら30)も盲 腸 切 除 に伴 い 結 腸 部 が 有 意 に 肥 大 す る こ と を 示 して い る 。 結 腸 は 盲 腸 の う し ろ に 位 置 す る の で,盲 腸 を 切 除 され た 場 合 に,結 腸 が 代 償 的 に 発 達 し盲 腸 の 機 能 を 一 部 担 お う とす る 可 能 性 が 考 え られ る。

 しか しな が ら,Williams&Senior28)は 盲 腸 切 除 は 結 腸 の 長 さ を 伸 張 させ た が,湿 重 量 は 増 加 す る傾 向 は あ る も の の 有 意 で は な か っ た と 報 告 して お り,海 老 原 ら34)の報 告 で は結 腸 を伸 張 させ る傾 向 は 見 ら れ た も の の 湿 重 量 は ほ と ん ど 影 響 は認 め ら れ て い な い 。 こ れ ら の 盲 腸 切 除 が 結 腸 の 長 さや 重 さに 及 ぼ す 影 響 の 報 告 に よ る違 い は,盲 腸 切 除 後 の 飼 育 期 間 や 飼 料 の 物 理 性, 消 化 性 と関 係 す る よ う に 見 え る 。 す な わ ち,盲 腸 切 除 後 の 経 過 日数 が長 い か 与 え られ た 飼 料 の 粒 子 サ イ ズ が

表4糖 アル コ ール を16日 間 摂 取 した 正 常 ラ ッ トと盲 腸 切 除 ラ ッ トの 盲 腸 内 有 機 酸 濃 度

(Shahidul未 発 表 デ ー タ)

A,B;a,b正 常 あ る い は 盲 腸 切 除 ラ ッ ト群 間 で 異 な る 文 字 間 に 有 意 差 あ り(P<0.05).

★★,★★★正 常 ラ ッ トの 同 一 飼 料 群 と有 意 差 あ り(そ れ ぞ れP<0.01,P<0.001)

(8)

J. Jpn. Assoc. Dietary Fiber Res. Vol. 7 No.1 (2003)

大 き く消 化 性 が低 い 方 が,盲 腸 切 除 に よ っ て も た ら さ れ る 結 腸 の 代 償 的 な適 応 の 程 度 が 大 き くな る と い え そ

うで あ る 。

 盲 腸 切 除 に よ っ て 結 腸 のNaとClの 輸 送 能 が 亢 進 す る こ と も示 され て い る35)。こ れ は,結 腸 の 表 面 積 や 重 量 が 増 加 す る だ け で な く,粘 膜 上 皮 細 胞 の 増 殖 や 機 能 の 亢 進 に よ っ て も た ら され る とい う。

 海 老 原 ら36)に よ れ ば,ラ ッ ト結 腸 に お け る1,2‑

dimethylhidrazine(DMH)誘 導 の 発 ガ ン は 盲 腸 を 切 除 す る と腫 瘍 発 生 数 は 変 わ らな い もの の,大 き な腫 瘍 が 多 発 した と い う。

 盲 腸 切 除 に よ っ て 結 腸 内 の 有 機 酸 濃 度 と組 成 が 変 化 す る(表4)。 半 精 製 飼 料 で 飼 育 した 盲 腸 切 除 ラ ッ ト の 結 腸 内 有 機 酸 濃 度 は 同 様 に飼 育 し た盲 腸 を持 つ ラ ッ

トの 盲 腸 内 有 機 酸 濃 度 に 比 べ る と大 幅 に 低 く,有 機 酸 中 の 短 鎖 脂 肪 酸 の 割 合 や 短 鎖 脂 肪 酸 の 組 成 も大 幅 に 異 な っ た 。 大 腸 発 酵 は 盲 腸 が 存 在 す る時 に 比 べ る と 明 ら か に 不 完 全 と い え る 。

3)消 化 管 内 容 物 通 過 時 間

  Ambuhl  et al.27)はラ ッ トの 盲 腸 切 除 は 消 化 管 内 容 物 滞 留 時 間(51Cr‑EDTA)を 有 意 に 短 くす る こ と を示 し

た 。Williams&Senior28)は 消 化 管 全 体 の 内 容 物 通 過 速 度(酸 化 ク ロ ム)は 擬 手 術 ラ ッ トの6.6時 間 に 対 して, 盲 腸 切 除 ラ ッ トで5.0時 間 で,こ の 差 は 有 意 で あ っ た

と報 告 して い る 。 盲 腸 切 除 に よ る ラ ッ トの 消 化 管 内 容 物 通 過 時 間 短 縮 効 果 は 海 老 原 ら34・36)によ っ て も示 され て い る。 ち な み に 小 腸 ま で の 通 過 速 度 に は 盲 腸 切 除 の 影 響 が あ っ た と い う報 告 は な い 。 この よ う に,ラ ッ ト

の 盲 腸 は 消 化 管 内 容 物 の 貯 留 部 位 と して 重 要 な 役 割 を

もつ 。

4)食 糞

 ラ ッ トの 盲 腸 を 切 除 す る と 食 糞 が 途 絶 え る こ と は な い が,食 糞 回 数 は 減 少 す る。 そ の と き 正 常 な ラ ッ トで 認 め られ る2種 類 の 糞 は盲 腸 切 除 に よ っ て 明 確 な 区 別 は 失 わ れ37),糞 中 の タ ンパ ク 質,ビ タ ミ ン含 量 は 正 常 ラ ッ トが 排 泄 す る含 水 糞 と硬 糞 中 の 含 量 よ り も少 な く な っ た と い う38)。し た が っ て 盲 腸 が 含 水 糞 の 生 成 に 重 要 な 役 割 を もつ こ と は 明 ら か で あ る 。 こ れ ら の こ と か ら,盲 腸 切 除 ラ ッ トの 食 糞 は ほ とん ど 栄 養 的 な 意 義 は 失 わ れ て い る もの と判 断 で き る。

5)体 内 栄 養 素 代 謝

 無 繊 維 飼 料 を 与 え ら れ た ラ ッ トで は 盲 腸 切 除 を して も血 漿 コ レス テ ロ ー ル 値 に対 す る効 果 は認 め ら れ て い な い39)。米 糠 を与 え た ラ ッ トで は 糞pHが 盲 腸 切 除 で 上 昇 し,血 清 総 コ レ ス テ ロ ー ル,HDL‑コ レ ス テ ロ ール, 肝 臓 コ レス テ ロ ー ル 濃 度 が 高 い 値 を示 した29)。こ の 時 糞 中 短 鎖 脂 肪 酸 濃 度 は盲 腸 切 除 で 低 下 した と い う。 セ ル ロ ー ス を5%含 む 飼 料 あ るい は グ ア ガ ム を5%含 む 飼 料 を 与 え た ラ ッ トで は 盲 腸 切 除 が 血 中 の グ ル コ ー ス,脂 質,イ ン ス リ ン レベ ル に影 響 を及 ぼ さ な か っ た が,グ ア ガ ム摂 取 時 の 門 脈 血 漿 中 短 鎖 脂 肪 酸 濃 度 は, 盲 腸 切 除 に よ っ て 酢 酸 が1/2に,プ ロ ピ オ ン酸 が1/10 に減 少 し た とい う報 告33)も あ る 。

4.盲 腸 切 除 ラ ッ トの 食 餌 成 分 に 対 す る 反 応 1)消 化 ・吸 収(表5)

 フ ラ ク トオ リ ゴ 糖(FOS)の 飼 料 へ の 添 加(5%)

表5難 消化性成分のラッ ト消化管機能に及ぼす効果

↑ 上 昇,↓ 低 下,→ 影 響 な し,↓ や や 低 下

(1)海 老 原 ら(1984),(2)坂 口&河 内(1998),(3)Ohta  et  al.(1994),(4)Hara  et  al.(1996)

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日 本食 物 繊 維 研 究 会 誌Vol.7No.1(2003)

は正 常 ラ ッ トで は 糞 乾 物 量 を 増 加 させ な い が,盲 腸 切 除 ラ ッ トで は 糞 乾 物 量 の 増 加 と正 常 ラ ッ トで は 起 こ ら な か っ た糞 中L‑乳 酸 の 増 加 が 観 察 され て い る32)。こ の 時,正 常 ラ ッ トで はFOSの 添 加 でCa,Mgの 吸 収 率 が 増 大 す る が,盲 腸 切 除 ラ ッ トで はFOSの 添 加 はMg吸 収 率 の み 増 大 させ,Ca吸 収 率 に は影 響 し な か っ た と い う 。

ま た,Haraeta1.40)は 腎 不 全 で 低 下 した ラ ッ トの カ ル シ ウ ム吸 収 は 、 易 発 酵 性 の グ ア ガ ム部 分 分 解 物 を飼 料 に5%添 加 す る こ と に よ っ て 回 復 す る が,盲 腸 を 切 除 す る と回 復 効 果 が 消 失 した と 報 告 して い る 。 これ らの こ と か らCaとMgの 吸 収 機 構 が 異 な る 可 能 性 が 考 え ら れ る が,こ の こ と が ヒ トの 結 腸 と 同 様 の 現 象 で あ れ ば 興 味 深 い 。

 海 老 原 ら36)の報 告 で は,盲 腸 切 除 ラ ッ トに お け る無 繊 維 飼 料 へ の 小 麦 フ ス マ の 添 加 は タ ンパ ク 質 消 化 率 の 低 下,糞 量 の 増 大,消 化 管 内 容 物 最 短 通 過 時 間 の 短 縮, 結 腸 内 容 物pHの 低 下 を も た ら して い る 。 こ れ らの 効 果 は 正 常 ラ ッ トで の 結 果 と 同 様 で あ る。

 著 者 らは,盲 腸 切 除Wistar系 成 熟 雄 ラ ッ トに シ ョ糖 あ る い は フ ラ ク トオ リ ゴ糖(FOS)を5%添 加 し た 半 精 製 飼 料 を 与 えて30日 間 飼 育 し,そ の 間 に消 化 管 内 容 物 滞 留 時 間 の 測 定 と代 謝 試 験 を 行 っ た 。FOSの 添 加 で 粗 タ ンパ ク質 消 化 率,窒 素 蓄 積 効 率(蓄 積 量/吸 収 量) が低 下 し,盲 腸 を もつ 正 常 ラ ッ トで 見 られ た 現 象 と異 な っ て い た 。 こ の 時,粗 灰 分 消 化 率 は 向 上 し,ま た FOSの 添 加 に よ っ て 大 腸 の 組 織 と内 容 物 重 量 が 増 大 し た 。 こ の 点 は 正 常 ラ ッ トで の 試 験 結 果 と一 致 した41)。

2)糖 代 謝(表6)

  Nagata  et al.33)は盲 腸 切 除 ラ ッ トの 血 中 グ ル コ ー ス, シ ュ ク ロ ー ス 負 荷 後 の 血 中 グ ル コ ー ス 濃 度 の 経 時 変 化 に 及 ぼ す グ ア ガ ム の 効 果 を調 べ て い る。 グ ア ガ ム の 添

加 は 血 中 グ ル コ ー ス 濃 度 を正 常 ラ ッ トの 場 合 と同 様 に 低 下 させ,シ ュ ク ロ ー ス 負 荷 後 の 血 中 グ ル コ ー ス の 変 動 も正 常 ラ ッ トと 同 様 に 推 移 して い る。

3)脂 質 代 謝(表6)

 ビ ー ト繊 維 は ラ ッ トの 血 漿 コ レ ス テ ロ ー ル 低 下 効 果 を もつ が,盲 腸 切 除 ラ ッ トで は ビ ー ト繊 維 の コ レ ス テ ロ ー ル 低 下 効 果 は 発 現 しな か っ た 。 ま た,無 繊 維 飼 料 で 飼 育 した ラ ッ トの 盲 腸 を切 除 す る と 中 性 ス テ ロ ー ル 排 泄 が 増 加 す る が,ペ ク チ ンや ビ ー ト繊 維 の 飼 料 へ の 添 加 が 盲 腸 切 除 ラ ッ トの 中 性 ス テ ロ ール 排 泄 量 を更 に 増 加 さ せ る こ と は な か っ た と 報 告30)さ れ て い る 。 Nishimura  et al.39)も同様 に,盲 腸 切 除 ラ ッ トで は ピ ー

ト繊 維 の コ レス テ ロ ー ル 低 下 効 果 が 発 現 しな い こ と を 示 して い る 。

4)ミ ネ ラ ル 代 謝(表6)

  Sakai  et al.(2000)42)は 胃 切 除 に よ って も た ら され る 血 中 鉄 量 の 低 下 は 盲 腸 を切 除 しな い ラ ッ トで はFOSの 添 加 に よ っ て 血 中鉄 量 の 低 下 を 抑 制 し た が,胃 切 除 と 同 時 に 盲 腸 切 除 した ラ ッ トで はFOSを 添 加 して も血 中 鉄 量 の 低 下 を改 善 で き な か っ た こ と か ら,胃 切 除 後 に よ る貧 血 症 状 のFOSに よ る 改 善 効 果 発 現 に 盲 腸 が 役 割 を演 じて い る と結 論 して い る 。

5)消 化 管 内 容 物 滞 腸 時 間

 無 繊 維 飼 料 に小 麦 フ ス マ を10%添 加 す る と,盲 腸 を もつ 正 常 ラ ッ トで は 消 化 管 内 容 物 最 短 通 過 時 間 は 大 幅 に 短 くな っ た が,盲 腸 切 除 ラ ッ トで は,小 麦 フ ス マ 添 加 の 通 過 時 間 短 縮 効 果 は 認 め られ な か っ た と報 告 さ れ て い る31‑34)。フ ラ ク トオ リ ゴ糖(FOS)や ガ ラ ク トオ リゴ 糖 の 飼 料 へ の 添 加 は 消 化 管 内 容 物 最 短 通 過 時 間 に

表6難 消化成分の体内代謝に及ぼす効果

↑ 上 昇,↓ 低 下,→ 影 響 な し

(1)Nagata  et  al.(1996),(2)有 塚 ら(1992),(3)Nishimura  et  al.(1993),(4)Sakai  et  al.

(2000)

(10)

J. Jpn. Assoc. Dietary Fiber Res. Vol. 7 No.1(2003)

は 大 き く影 響 し な い が,滞 留 時 間 を大 幅 に増 加 す る43)。

こ の 時,消 化 管 内 容 物 マ ー カ ー(Cr‑CWC,Co‑EDTA) の 糞 中排 泄 の 経 時 変 化 は,典 型 的 な 盲 腸 発 酵 動 物 型 を 示 し,マ ー カ ー 摂 取 後 急 激 に 濃 度 が ピ ー ク に 達 し た あ と指 数 回 帰 式 に 乗 っ た減 衰 を示 す 。 一 方,盲 腸 を 切 除 した ラ ッ トで は,消 化 管 内 容 物 マ ー カ ー(Cr‑CWC, Co‑EDTA)の 糞 中排 泄 の 経 時 変 化 は,マ カ クザ ル や ウ マ の よ う な 結 腸 発 酵 動 物 と類 似 し た パ タ ー ン,す な わ ち マ ー カ ー 濃 度 が ピ ー ク に 達 した あ と比 較 的 速 や か な 減 衰 を示 し,FOSの 添 加 は 消 化 管 内 容 物 滞 留 時 間 を短 縮 した41)。FOSを 摂 取 す る と ヒ トで は消 化 管 内 容 物 通 過 時 間 は 短 縮 され る傾 向 が あ る44)ので,盲 腸 切 除 ラ ッ

トで は 同 様 の 効 果 が 認 め られ た こ と に な る 。 ま た 盲 腸 切 除 ラ ッ トに糖 ア ル コ ー ル を与 え る と 内 容 物 滞 留 時 間

が短 縮 され た(Shahidul,未 発 表 デ ー タ)。

5.ま と め

 ラ ッ トは 盲 腸 を持 つ こ と で,ヒ トと は 異 な っ た 大 腸 機 能 を 持 つ こ と は 明 らか で あ る。 盲 腸 は 結 腸 の 作 用 と の 共 同 作 業 に よ る 内 容 物 貯 留 を 果 た す こ と に よ っ て 微 生 物 活 動 を 支 え,微 生 物 生 産 物 は 食 糞 を 通 して ラ ッ ト の 栄 養 に貢 献 して い る こ と も 明 ら か で あ る 。 こ こ に あ

げ た 実 験 デ ー タ の い くつ か は ラ ッ トの 栄 養,特 に 消 化 ・吸 収 に お け る 盲 腸 が 果 た す 役 割 を無 視 で き な い こ

と を示 して い る 。

 一 方,ラ ッ トの 盲 腸 を切 除 して も,通 常 飼 育 下 で は 成 長 や 増 体 重 に 影 響 は な い 。 この こ と か ら盲 腸 が 栄 養 に 果 た す 役 割 は ほ とん ど な い と 判 断 す べ き で は な い 。 考 え う る す べ て の 栄 養 素 を 含 み 適 切 に設 計 され た 良 質 の 飼 料 条 件 下 で は,盲 腸 切 除 試 験 に よ っ て は 盲 腸 の 存 在 意 義 を 見 い だ しに くい 。 盲 腸 は 日常 の 食 餌 残 渣 の 貯 留,微 生 物 活 動 の 保 証 な ど に よ っ て,体 内 エ ネ ル ギ ー 栄 養,体 内 窒 素 と 排 泄 な ど 様 々 な栄 養 生 理 的 機 構 の 一 部 を担 っ て い る こ と は,多 くの デ ー タ か ら明 らか で あ る 。 し た が っ て 盲 腸 は,小 型 の 動 物 が生 存 で き る食 餌 条 件 の 幅 を広 げ る た め の 消 化 戦 略 と位 置 づ け る べ きで あ ろ う。 ち な み に,ラ ッ トよ り発 達 した 盲 腸 を もつ 草 食 性 の ウ サ ギ,ヌ ー ト リ ア,ハ ム ス タ ー で も 同 様 に, 適 切 な 飼 料 条 件 下 で は 盲 腸 切 除 が成 長 や 増 体 重 に ほ と

ん ど影 響 しな い 。

 盲 腸 を切 除 され た ラ ッ トの 大 腸 は,そ の マ ク ロ な 形 態 と消 化 管 内 容 物 の 移 行 パ タ ー ン,難 消 化 性 糖 質 摂 取 時 に お け る 内 容 物 滞 留 時 間 の 反 応 は,明 らか に 結 腸 発 酵 動 物 の 場 合 と類 似 して い る 。 こ れ らの 点 を対 象 と し

た 試 験 の 場 合 は,盲 腸 切 除 ラ ッ トの 試 験 結 果 を ヒ トに 外 挿 す る こ と は 可 能 で あ ろ う。

 しか し な が ら,盲 腸 を切 除 され て い な い ラ ッ ト(正 常 ラ ッ ト)で は,食 物 繊 維 や 発 酵 性 糖 質 の 摂 取 に よ っ て さ ま ざ ま な 栄 養 生 理 効 果 が 発 現 す る が,こ れ らの 効 果 の い くつ か は盲 腸 切 除 ラ ッ トで は 発 現 し な い 。 食 物 繊 維 や 発 酵 性 糖 質 の 効 果 の う ちの い くつ か は大 腸 内 発 酵 を 介 して 発 現 す る と考 え られ る の で,発 酵 部 位 と し て の ヒ トの 大 腸 と盲 腸 切 除 ラ ッ トの 大 腸 との 間 の 類 似 性 の 程 度 に は 十 分 に 注 意 を払 うべ きで あ る。

 実 際 に,ラ ッ トの 結 腸 は 短 く,盲 腸 切 除 ラ ッ トの 大 腸 容 量 は 体 重 比 で も極 め て 小 さい も の に な る が,ヒ ト の 結 腸 容 量 は 大 き く しか も相 対 的 に長 い 。 ま た 発 酵 性 糖 質 を 与 え ら れ た 盲 腸 切 除 ラ ッ トの 結 腸 で の 発 酵 性 は,量 的 に 劣 る だ け で は な く,有 機 酸 産 生 パ タ ー ン が 正 常 ラ ッ トの 盲 腸 とは 大 き く異 な る 。 した が っ て,特 に発 酵 性(質 と 程 度)や 吸 収 が 問 題 に な る よ う な 実 験 に盲 腸 切 除 ラ ッ トを 使 用 した場 合,デ ー タの 解 釈 と ヒ

トへ の 外 挿 に あ た っ て 慎 重 な 考 慮 が 必 要 で あ ろ う。

 ま た,食 物 繊 維 あ る い は 食 物 繊 維 様 物 質 に 対 す る反 応 性 が 盲 腸 を もつ ラ ッ トと 同 じ反 応 を 示 す 現 象 も あ る 反 面,盲 腸 切 除 ラ ッ トで は,正 常 ラ ッ トと は反 応 性 が 異 な る場 合 も あ る 。 こ の よ う な盲 腸 切 除 ラ ッ トで 見 ら れ る食 餌 成 分 に 対 す る さ ま ざ ま な 反 応 性 と,ヒ トに 対 す る食 物 繊 維 あ る い は 食 物 繊 維 様 物 質 の 効 果 との 類 似 性 に つ い て の 詳 細 な 検 証 は,盲 腸 切 除 ラ ッ トの 実 験 動 物 と して の 有 用 性 の 判 断 に と っ て 欠 く こ と が で き な い 。

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(平成15年6月10日 受 理)

参照

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