Q:英語の歴史は₄₄₉年に始まるということですが、
今日のように世界共通語となったのはなぜで すか?
A:英語の使用者数の推移を見ると、古英語期の
₁₀₀₀年は約₁₅₀万人でした。近代英語期の₁₆₀₀ 年でも約₆₀₀万人です。
Q:少ないですね。
A:はい。この時代までは英語は主としてブリテン 島の中でのみ使用されていました。ところが
₁₈₀₀年代になると英語使用者は約₂₀₀₀万人~
₄₀₀₀万人に増えます。その理由はイギリスの 海外進出です。
Q:清教徒の一団であるピルグリム・ファーザーズ がメイフラワー号でアメリカ大陸に来たのが
₁₇世紀ですよね。
A:₁₆₂₀年のことです。その後、北米大陸からカ リブ海地域、さらに₁₈世紀に入ると南アジア、
オセアニア、アフリカ、東南アジアへと英語 圏が広がっていきました。₂₀世紀には英語使 用者は爆発的に増加し、現在ではその数は約
₁₀億人~ ₁₅億人と推定されます。
Q:₂₀世紀以降に英語話者が増えたのは、アメリカ の影響が大きいのでしょうか?
A:はい。政治、経済、娯楽など様々な面でアメリ カが世界をリードしたことが英語話者の増加 の要因であることは否定できません。₁₉世紀 においては外交や芸術分野ではフランス語が、
言語学や化学などの分野ではドイツ語が用い られていましたが、現在ではいずれも英語に その地位を取って代わられています。
Q:航空管制官とパイロットとの交信もそれがたと え日本人同士であっても用いられる言語は英 語ですからね。英語は国際語ですね。
A:先ほど現在の英語話者は₁₀億人~ ₁₅億人いる と言いましたが、そのうち英語母語話者は約
₃億₈₀₀₀万人です。また第二言語としての英語 話者は約₃億₅₀₀₀万人です。彼らは英語とは別 の母語を持ちつつも、議会や高等教育の場で英 語が使用される地域で生活しています。イン ドやシンガポールなどですね。さらに私たち のように外国語としての英語話者が約₇億₅₀₀₀ 万人います。
Q:英語母語話者よりも英語を母語としない英語話 者の方がはるかに多いわけですね。
A:英語が国際語であることを如実に表していると も言えます。これだけの数の英語非母語話者 が世界各地に存在するということは、英語に は様々な変種があるということです。
Q:日本人も日本語訛りの英語でいいから、自信を 持ってどんどん喋ればいいわけですね。では 参考文献をお願いします。
A:『世界の英語を映画で学ぶ』山口美知代編、松 柏社(₂₀₁₃年)です。
英語と言えば、大抵はイギリス英語かアメリカ英 語を思い浮かべるのではないでしょうか。一方オー ストラリアでは、todayをto dieの様に発音するこ とは広く知られていますが、この様な知識は断片的 なものではないでしょうか。本書では世界で使われ ている様々な英語の特徴を、体系的に扱っています。
しかも映画を通して学べるという点が大きな特徴と なっています。
全体の構成としてはイギリスの英語、アメリカの 英語、アイルランドの英語など₇つに大きく分類し、
代表的な映画を題材にして、それぞれの英語の概要 や発音、文法などの特徴から文化・歴史的背景まで を解説しています。そして映画のあらすじが提示さ れ、セリフの中からそれぞれの英語の解説をしてい ます。本書では、そのセリフが映画の冒頭から何分 後に出てくるのかを表示したり、扱う映画はDVD などで入手しやすい物を選ぶなどの配慮がなされて います。
本書で様々な英語に出会ってみてはいかがでしょ うか。請求記号は₈₃₈||Yamで、本館の第一閲覧室 に配架されています。
さて諸般の理由により、この連載は今回で終了す ることになりました。志半ばで大変残念なのですが、
様々な方から声援を送って頂き、₃₅回を迎えること が出来ました。出来ればまた何かの機会に、この続 きを書くことが出来ればと願っています。
長いようで短かった連載ですが、お読み頂いた皆 様に心より御礼申し上げます。
にゅうがく なおや
(福井工業大学准教授・英語学・英語史)
ふじい たつや(司書・主幹・アジア関係図書館)
入学直哉、藤井達也
言語学、はじめの一歩 (₃₅)
図書館員の文献紹介と 資料の活用
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