注射剤製造における異物低減方法及び改善事例
2021年2月19日
脇坂盛雄
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注射剤の異物低減方法
評価系を確立する
・目視で見える異物だけでなく小さな異物も ・客観性を高める
製造工程を評価する
・サンプリングで汚染させない ・異物混入のポイントを理解する
不溶性異物と不溶性微粒子に関する正しい理解 ・マネイジメント層が理解していない
・担当者に任せず、マネイジメント層の責任
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1.注射剤の異物対策の難しさ
1) 欧米の異物検査と日本薬局方の異物検査の違い 2) たやすく / 明らかに検出できる異物の大きさとは ( 17 局の改訂)
3) 官能検査の観点から検査員のバラツキと評価 4) なぜ、海外の製造所では
注射剤の異物が問題にならないか 5) 異物検出の確率と母不良率との関係
6) 自動異物検査機検出力と目視検出力との関係 7) 自動異物検査機検出力と目視検出力との関係 8) 不溶性異物/微粒子への健康への影響
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1) 欧米の異物検査と日本薬局方の異物検査の違い 欧米と日本では基本的に差はない。
essentially free from visible particulates(USP) Solutions for injection, examined under suitable conditions of visibility, are clear and practically free from particles(EP)
差が生じているのは、日本のユーザーが外観に対し て要求基準が高く厳しく見ている為
結果として海外製品の注射剤の異物対策がされてい ないと、日本で販売する時は問題になり、
実際、不溶性異物のために製品回収が多くあった。
各社が対応したのか、最近はかなり減って来た。
4Visible Particles: Regulatory and Compendial Requirements
John G. Shabushnig, Ph.D.
Insight Pharma Consulting, LLC June 2014
http://www.pda.org/docs/default-source/website-
document-library/chapters/presentations/ireland/visible- particles---regulatory-and-compendial-
requirements.pdf?sfvrsn=6
5
Particulate Size Ranges
1 - 100 μm Sub-visible
•Light Obscuration (あいまい)
•Microscopy
•Flow Microscopy
•Coulter Counter
>100 μm Visible
•Manual / Human
•Semi-Automated
•Automated
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European Pharmacopeia USP Visible Particulates in Injections
Inspection conditions defined –Harmonized with EP
–2,000-3,750 lux
–Black and white backgrounds –No magnification
–5 sec viewing against each background –Swirl (回転) and/or invert (逆) sample
⇒日本薬局方もハーモナイズへ
Conclusions
•High sensitivity to visible particulates by global authorities.
•Requirements are often ambiguous (but getting better).
•Movement towards global harmonization of manual inspection conditions.
条件はハーモナイズされていくが、日本は結局 お客様が“異物あり”と言われたら、対応するこ とには変わらないのではないか。
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2) たやすく / 明らかに検出できる異物の大きさとは JP に定められている 1,000Lx は観察には少し照度 が不足している。3,000Lx辺りが見やすい。
訓練を受けた検査者で、1分をかけて観察して 50μm(長径)の異物だと、検出率は約50%
80μm (長径)の異物だと、検出率は約 80 %
100μm (長径)の異物だと、検出率は約 100 %程度。
よって、目視では多くの人は 50μm 以下の異物の 検出ができないと思われる。補助装置を使って見る ことで、 10 ~ 50μ mの異物を見ることができる。また、
50 ~ 100μm の異物も容易に見ることができる。
⇒ 17 局で白黒バックでそれぞれ 5 秒、照度 Up
103) 官能検査の観点から検査員のバラツキと評価 データが客観性を持ちにくい理由
・人が観察するために人によるバラツキ
・可視可能な大きさの異物は突発的に入るので、
根拠のあるデータを得るにはサンプル数が多くなる 人のバラツキを少なくするために、方法や観察時間 を一定にすること。
人の教育訓練を行い、レベルを一定以上とする。
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4) なぜ、海外の製造所では
注射剤の異物が問題にならないか
・海外の製造所では、海外の人は日本人が問題に するような小さな異物が見えていない。
・医療機関でも同様に見えないため問題にならない。
・日本で言う外観不良が問題になることはない。
プエルトリコ(粉末充填) / イタリア(シリンジ)
ドイツ(シリンジ) / ベルギー(凍結乾燥)
の製造所に注射剤の異物低減のための指導に行っ たが、日本の要求レベルが理解できない。
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海外製造所での異物対策の難しさ
(評価方法 / 製造方法 / 直接容器の問題)
(海外製造品 米国編)
無菌粉末充填の注射剤に繊維含め異物が多い
製造所を訪問し、現場を確認する。3ゲンの確認 製剤に異物が多い。製造に問題があるのでは?
⇒十分洗浄を行っている。
⇒最終リンス液を確認することにした。
⇒目視で見たところ、異物は見えない。
明るいところで念入りに見たところ(50μmレベル)
異物が多数見つかった。
しかし、現地の人は見えなかった。
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海外製造所での異物対策の難しさ
(評価方法 / 製造方法 / 直接容器の問題)
次回実務担当者2人(製造販売会社&販売会社)が 訪問した。バイアル観察機をエアー便で送付
バイアル観察機で、最終リンス水を見て貰った。
現地の人も異物が非常に多く見ることができた。
⇒
それから非常に協力的になり、一緒に異物改善に 取り組んでくれた。
⇒現地の人をやる気にさせるかどうかがキー
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海外製造所での異物対策の難しさ
(評価方法/製造方法/直接容器の問題)
現地調達の
バイアル瓶 / アンプル⇒ガラス異物多い ゴム栓⇒付着異物(特に繊維)が多い
洗浄で 100% 除くことは難しく、どうしても資材由来の 異物が製品に入る
⇒日本製の資材を提供する場合も 海外の人による目視レベルが低い
5) 異物による製品(海外製造所 / 国内販売品)回収 注射剤の参考品の評価
(参考品に異物があり製品回収)
販売名: (1)ゲムシタビン点滴静注用200mg「ファイザー」
(2)ゲムシタビン点滴静注用1g「ファイザー」 製品回収
対象ロット、数量及び出荷時期
(1)ゲムシタビン点滴静注用200mg「ファイザー」
ロット番号 出荷数量 出荷開始時期 使用期限 14CH501 5969箱 2014年02月07日 2016年10月 J98782 1757箱 2014年12月24日 2016年10月
(2)ゲムシタビン点滴静注用1g「ファイザー」
包装:1バイアル
ロット番号 出荷数量 出荷開始時期 使用期限 14CH601 1960箱 2014年02月07日 2016年10月 14CH602 1869箱 2014年10月27日 2016年10月
販売名: (1)ゲムシタビン点滴静注用200mg「ファイザー」
(2)ゲムシタビン点滴静注用1g「ファイザー」 製品回収
回収理由 2015年3月27日
当該製品は海外の委託製造所にて製造しておりますが
、米国FDAの査察を受けた結果、製造工程の管理に問 題があると判断されました。そのため、海外製造所にお いて保管されている参考品の異物試験を実施したところ
、一部のロットから繊維状の異物が認められました。出 荷済み製品の品質に影響のないことを現時点で保証で きないと判断しましたことから、これまでに出荷した全ロ ットを自主回収することといたしました。
⇒
1)海外当局の査察に伴う製品回収
2)参考品に繊維異物が見つかったための製品回収
⇒異物は見逃し。参考品は異物のない製品を!
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米国でガラス微粒子による注射剤の自主回収 製品回収
回収理由 2019/03/20
2019年3月15日付のFDAの発表によると、Hospira, Inc.は、8.4%重 炭酸ナトリウム注射液50mEq/50mL (1mEq/mL)3ロットを、病院/施 設レベルで自主回収を行っている。回収は粒子状物質の存在に より開始され、ガラスであることが確認された。ガラス微粒子を 静脈内投与した場合、異物に反応して局所刺激または腫脹を生じるこ とがある。より重篤な潜在的転帰には、血管の閉塞および凝固が含ま れ、重要な臓器が侵されると、生命を脅かす可能性がある。
発表時点でHospira, Inc.は、これらのロットについて、この問題に関 連する有害事象の報告を受けていない。ラベルには、投与前に粒子状 物質および変色を視覚的に調べるよう医療従事者に指示する明確な 記述が含まれているため、発見の可能性によってリスクが低下する。
参照:Hospira, Inc. Issues a Voluntary Nationwide Recall of 8.4%
Sodium Bicarbonate Injection, USP Due to the Presence of Particulate Matter
米国でガラス微粒子による注射剤の自主回収 製品回収 a Pfizer company, is voluntarily recalling lot numbers 79- 238-EV, 79-240-EV and 80-088-EV, NDC# 0409-6625-02, of 8.4% Sodium Bicarbonate Injection USP, 50 mEq/50 mL (1 mEq/mL), Wholesalers/Distributors/Hospitals in the
United States and Puerto Rico from August 2017 to September 2017.
NDC Lot Number Expiration Date Strength 0409-6625-02 79-238-EV 1JUL2019 50 mEq/50 mL 0409-6625-02 79-240-EV 1JUL2019 50 mEq/50 mL 0409-6625-02 80-088-EV 1AUG2019 50 mEq/50 mL Configuration/Count Case Pack 4 x 25, 50mL
2019年7月2日付のFDAの発表によると、Fresenius Kabi社はガラス微 粒子の混入の可能性によるフルオロウラシル注射液2ロットの自主回
https://ptj.jiho.jp/article/136124
Products containing glass particulate should not be administered intravenously due to the potential for life-threatening
consequences. Reports in the literature suggest that sequelae of thromboembolism, such as pulmonary emboli, phlebitis,
granulomas, or fibrosis may occur.
To date, Fresenius Kabi has not received any complaints or reports of adverse events related to this recall.
The company is issuing this notification after finding glass
particulate in five vials in retained sample inventory of lot 6120341 during an inspection for a quality investigation. The second lot (6120420) is included in the recall as a precautionary measure as it was produced in the same filling campaign.
https://ptj.jiho.jp/article/134026(他の製品でもガラス異物で回収 2019年3月15日付のFDAの発表)
https://ptj.jiho.jp/article/131939(他の製品でもガラス異物で回収 2018年7月31日付のFDAの発表)
販売名:ナファモスタットメシル酸塩注射用50mg「旭化成」 製品回収 対象ロット 数量及 出荷時期
NTB419H 2,078ケース(10本/ケース)令和元年7月1日~令和元年8月6日 回収理由 2019/10/11
ナファモスタットメシル酸塩注射用50mg「旭化成」を溶解後、バ イアル内にガラス片(約9mm×6mm)が混入していたとの連絡 を医療機関から受けました。調査の結果、製造時にバイアル 破損が発生していたことが確認され、その破片が混入したもの と推定されました。当該ロットの他バイアルへの混入の可能性 を否定できないため、自主回収を行います。
⇒アンプルやバイアル瓶のガラス片の製造時の混入防止は既 に各社対策済みのはずであるが? 何が問題だったのだろう か? ・ラインのカバー ・超音波、ジェット洗浄
・破損した場合のライン上のバイアル瓶廃棄 など
溶解液からのガラス片混入の可能性はなかったのでしょうか?
販売名:ミノサイクリン塩酸塩点滴静注用100mg「タイヨー」 製品回収 対象ロット 数量及 出荷時期
2 4,775箱 2018年4月24日 ~2019年11月12日 回収理由 2019/11/13
同一製造ラインで製造された他社製品において、ガラス異物 が発見されたという品質情報を入手しました。これを受けて、
弊社製品について確認したところ、当該製品の2ロットについ てガラス異物を認めました。調査の結果、当該ロットは製造 中に発生した破瓶処理が遅れ、また、廃棄区分が適切でな かったことが疑われる
ことから、自主回収を行います。
⇒委託先の同一ラインで他社製品の回収があり、1ロットだ けに限定されるとの根拠データがあったのでしょうか?
虫のモニタリングで発見されていたのでしょうか?
販売名:(1)ピバレフリン点眼液0.1%
(2) ピバレフリン点眼液 0.04 % 製品回収
対象ロット 数量及 出荷時期
2 20,840個 2019年2月14日&2019年9月4日 回収理由 2019/11/28
同一製造ラインで製造している他社製品において、ガラス異 物が発見されたという品質情報を入手しました。調査の結果
、当該製品においてもガラス異物の混入が認められたため 混入の可能性があるすべてのロットを自主的に回収すること にいたしました。
⇒同一ラインでの回収2社目です。
ガラス異物対策は難しくないです。ガラス容器、洗浄、破損、
フレークス対策を行っていれば防ぐことができます。
販売名 ハーセプチン注射用 60 製品回収
対象ロット 出荷数量(箱) 出荷時期
19C080E 2022年2月 29,109 2020/1/21 2020/3/2
回収理由 2020年3月16日
ハーセプチン注射用60の製造番号19C080Eにおいて、医療機 関から製品バイアル内にガラス片が混入しているとの報告を受 けました。調査の結果、製造ラインでバイアル破損が発生し、そ の破片が混入したと推定されました。当該製造番号内での他の バイアルへの混入の可能性が否定できないこと、また現在流通 中であることから、自主回収することと致しました。
⇒該当ロットだけの回収です。他のロットに広がっていないか、他の製 品に広がっていないかの根拠データがないと当局は回収を広げていま す。
ガラス異物は他のロット、他の製品に広がっている根拠は難しいです。
この製剤が癌の適応なので、欠品を回避するために苦情のあったロッ トだけにされたと思います。
販売名 グラン注射液 M300 製品回収
対象ロット 出荷数量(箱) 出荷時期 19211H 2、960本 2019年7月17日
回収理由 2020年5月11日
グラン注射液M300の製造番号19207H(海外出荷ロット)の長期安定 性試験12か月目において、製品アンプル内に不溶性異物を認めまし た。調査の結果、不溶性異物は内因性のタンパク質と特定されました
。発見されたのは1アンプルのみですが、製造番号19207Hと同一の充 填ロットである製造番号19211H(国内出荷ロット)においても、同一事 象の発生が完全に否定できないことから自主回収させていただくことと いたしました。
危惧される具体的な健康被害
これまでに発見された1アンプル以外に不溶性異物の報告はなく、工場に保管されていた製品 の調査においても同様の不具合は見つかっておりません。また、不溶性異物に起因すると考 えられる健康被害の報告もございません。なお、不溶性異物は内因性と考えられることから、
当該製造番号の製造工程における他規格への異常等はなく、そのため無菌性への影響もあり ません。 ⇒容易に見つかる不溶性異物だったのでしょう。安全に問題 ないのになぜ回収されたのでしょうか?
販売名 アネレム静注用 50mg 製品回収
対象ロット 出荷数量(箱) 出荷時期
3 75,410本 2020年7月26日
回収理由 2020 年9月2日
アネレム静注用50mgの製造番号YA9701において、医療機 関から製品バイアル内にガラス片が混入しているとの報告 を受けました。現在調査中ではございますが、他のバイアル への混入が否定できないことから、当該製造番号の製品並 びに当該製造番号の製品と同一の製剤ロットから製造され た製造番号YA9702及びYA9703の合計3ロットを自主回収 することといたしました。
⇒海外製造と思われる。
ガラス異物対策は一番容易な対策ですが、どうなっていたの でしょうか?
6) 異物検出の確率と母不良率との関係
異物の検出は、異物が大きくなると検出されやすくな る正の相関があるが、異物の大きさで小さくなると検 出率は下がる。 検査後の異物の本数推移
検出率 20% 40% 60% 80% 100%
異物の大きさ 極小 微 小 中 大 異物の本数 10 10 10 10 10 検査機1回後の本数 8 6 4 2 0 検査機2回後の本数 6.4 3.6 1.6 0.4 0 異物の本数 20 20 20 20 20 検査機1回後の本数 16 12 8 4 0 検査機2回後の本数 12.8 7.2 3.2 0.8 0 27
6) 異物検出の確率と母不良率との関係 検査1回後の残存不良率 母不良率 検出率 80% 検出率 60%
1% 0.2% 0.4%
2% 0.4% 0.8%
4% 0.8% 1.6%
8% 1.6% 3.2%
母不良率が高いと、自動検査機で検査実施後も、
不良品が残存するため、母不良率が高いロットは、
複数検査を行うなど工夫が必要になる
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7) 自動異物検査機検出力と目視検出力との関係
人が行う場合;
十分訓練を受けた検査者が
1分間 /3000Lux 下 / 白黒バック背景
見た時に 50μm (長径)の白異物が 50% の検出率 異物の大きさが100μmを超えると100%に近づく 観察時間の減少に比例して検出力は下がる 異物が回転している場合に検出しやすいため、
繊維異物や下に沈んでいる異物も検出しやすい。
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7) 自動異物検査機検出力と目視検出力との関係 自動異物検査機が行う場合;
標準粒子は実際の製品で発見される異物よりも
検出されやすい。標準粒子(球形) 実際の異物(様々)
検出は異物の面積の影(電圧変化)
そのため、繊維の面積は小さくなり検出されにくい また、浮遊異物は自動検査機が苦手としている 浮遊異物の検出もできるようになってきたが、
検出力は液中異物より弱い。
回転させても浮き上がらない異物も苦手である。
自動検査機はメーカー間の差があるが、
人が1分かける検査よりも検出力が高まっている。
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8) 不溶性異物/微粒子への健康への影響 文献から
・文献で人の健康に影響したのは調べた範囲でなかった。
・動物実験で多量のガラス片を注射したら閉塞を起こした 報告はある。
医療現場の使用時の異物発生
・アンプルをカットした場合、数重のガラス片が混入する。
ワンポイントアンプルはそれまでのカットアンプル(タング ステン、カラーブレイク、やすり)に比べかなり少ない。
・ゴム栓付注射剤はコアリングで時々異物苦情が来るが、
小さいゴム栓からの異物が発生する。
2.注射剤の異物検査
1) 不溶性異物
・非破壊による異物のサイズ/形状測定 ・限度見本の設定
・標準見本/限度内見本/限度外見本の違い ・標準粒子と実際の異物を用いる場合の違い ・官能検査の手法による標準見本の設定 ・検査者の評価/訓練/認定
2.注射剤の異物検査
1) 不溶性異物
・QC試験方法
・目視による方法(観察方法と観察時間)
・観察機を用いる方法
・判定基準(n数と欠点数Cの設定)
・凍結乾燥製品(ゴム栓)の溶解
・凍結乾燥製品(アンプル)の溶解(ホールバーニング)
・製造の目視による全数選別 ・凍結乾燥製剤
・溶液
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2.注射剤の異物検査
2) 不溶性微粒子 ・ろ過試験方法
・光遮蔽(HIAC)測定方法 ・観察機を用いる方法 3) 異物の同定方法
・異物の取り出す時の注意事項 ・顕微鏡FTIRによる測定
・電子顕微鏡X線マイクロアナライザーによる同定
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1) 不溶性異物
・非破壊による異物のサイズ/形状測定 異物の苦情の同定
異物不良品の原因究明
異物検査員の認定用サンプル作成 時に必要
アンプル/バイアルに入った状態で、異物の形状/大きさを測 定せずにろ過して異物を捕囚すると、目的と異物を捕囚でき たのか、他の異物を捕囚したかの判断ができない。
⇒トレーサビリティが取れない方法になる 実体顕微鏡非破壊の状態で測定する。
慣れるまでは、1時間かかっても異物を見つけることができ ないが、慣れると5分くらいで、
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1) 不溶性異物
・非破壊による異物のサイズ/形状測定
実体顕微鏡は被写界深度(焦点が合う範囲)がある程度あ るため、溶液中の異物に焦点を合わせられる。
方法;
・1mm方眼紙をアンプルの下に敷く。
接眼レンズにスケールを入れ、
方眼紙の1mmとの齟齬を確認しておく。
・アンプル/バイアルを固定する台を作る。
その台は顕微鏡で見る範囲は空いている。
・アンプル/バイアルを台の上に置き、
焦点を液中に合わせる。
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1) 不溶性異物
方法;
・液を揺らすことにより、異物が動く。
その動いている異物を見つける。
最初は倍率は20倍くらいにし、
異物が見つかれば100倍くらいまで拡大する。
形状を写し、長さを長径と短径を測定する。
異物の種類、色なども記載する。
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限度見本(異物の大きさ)の設定
・標準見本/限度内見本/限度外見本の違い 標準見本; 品質の標準を示した見本
限度内見本;その見本までは良品とする。
その見本より若干大きいものまで良品となる 限度外見本;その見本と同じものは不良品とする。
その見本より若干小さいものまで不良になる
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標準粒子と実際の異物を用いる場合の違い
標準粒子の特徴
・樹脂性の標準粒子は分布を持っている ・樹脂性の標準粒子は球形が多い
・1アンプルに、標準粒子を1個入れるのは難しい ・標準粒子なので再現性が高い
・同じ長径の不良品の異物より、
標準粒子は体積が大きく検出されやすい。
作成方法
・標準粒子を無塵水(異物のない水/0.45μmろ過など)に 入れ、1~2個/10~20mLまで希釈(アンプルの容量により)
・アンプル内に異物が1個のものについて、実体顕微鏡で サイズを測定する。
官能検査の手法による標準見本の設定
実際の不良品から作成
・不良品の中から、判定に使いたい大きさの異物が 1個だけ入っている不良品を見つける。
・実体顕微鏡で異物の形状を大きさを測定する。
・長径50μmの異物が含まれているものを幾つか見つける ・それをA,B,C,D,Eとした場合、検査者①~⑤人に
小さい順に並べる。
・検査者によって大きさがバラツイているものは避け、
バラツキが少ない異物の入っている不良品を標準とする ⇒人により感じる大きさが異なるものは除外する。
QC 試験方法
・目視による方法(観察方法と観察時間)
・目視で見える異物の大きさ(時間と明るさ)
・観察機を用いる方法
・判定基準(n数と欠点数Cの設定)
・凍結乾燥製品(ゴム栓)の溶解
・凍結乾燥製品(アンプル)の溶解(ホールバーニング)
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QC 試験方法
目視による方法(観察方法と観察時間)
・検査者を認定する
・観察灯、観察設備を定める。
明るさ1,000Lux~3,000Lux 白/黒バック
・観察時間を定める(時間により検出力が変わる)
・見方のSOPを定める。
例;白/黒バックでそれぞれ、3回以上反転させる
・異物が見つかった場合は限度見本と比較して判断する
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苦情で官能検査が威力を発揮したケース
クリーム製品の匂いがおかしいとの苦情が1件
⇒製造所で調査⇒問題ないとの回答 2~3日後にまた匂いの苦情が(2件目)
⇒製造所で調査⇒問題ないとの回答 おかしいな?と疑問抱いた。
2~3日後にまた匂いの苦情が(3件目)
⇒製造所で調査⇒問題ないとの回答
明らかにおかしいと判断して行動を起こした。
匂いの苦情が3件も続くことは限りなく低い
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苦情で官能検査が威力を発揮したケース
製造所の評価方法が正しくないのではとの疑義
⇒3件も続いた(ロットは同じものと別のもの)のに 製造所は問題なしとの考え
⇒官能検査ハンドブック記載の手法を使い 官能検査員の選定を行った。
官能検査は思い込みや、人によるバイアスが入りや すいため、官能検査は
検査員、SOP、環境などを一定にすることが重要
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官能検査の手法(一対比較法)
http://www.mac.or.jp/mail/120701/02.shtml より
3点識別法
2つの試料を識別するために、どちらか一方を2個、他方を1個、合計 3個をパネルに提示して、異なる1個を当てさせる方法である。
組合せの作り方には、次の2つの方法がある。
(1) ( A ・ A ・ B ) 3つの中から同じものを2つ選ぶ
(2) ( A ・ B ・ B ) 3つの中から同じものを2つ選ぶ ~
(6) ( A ・ B ・ B ) 3つの中から同じものを2つ選ぶ これをn=5~7個のセットを作って行う
AとBが違っている時は、官能検査員の選定に使う。
官能検査員が匂いを識別する能力がある時は違いの有無を確認する
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官能検査の手法(一対比較法)
官能検査員
製品AとB(事実) 能力がある 能力がない
匂いが同じ Ⅰ 差がでない Ⅱ 差が出ない 匂いが異なる Ⅲ 差が出る Ⅳ 差が出ない 1回目当り 確率1/2(0.5)
2回目当り 確率(1/2)2(0.25)
3回目当り 確率(1/2)3(0.125)
4回目当り 確率(1/2)4(0.063)
5回目当り 確率(1/2)5(0.031) 3.1%
6回目当り 確率(1/2)6(0.016)
7回目当り 確率(1/2)6(0.008) 0.8%
46
官能検査の手法(一対比較法)
クリーム製品は通常生産したものと明らかに匂いが違ってい た。愛用のお客様は優れた官能検査員でもあった。
これまで製造所に検査員が匂いを確認していたが、微妙な 匂いの違いがわからない検査員が匂いの検査をしていたこ とがわかった。
原因はクリームと蓋の間に置く、パーチメントをキャップに糊 付ける、その糊が問題であった。
問題は、物流に数十ロットのクリーム製品があり、
出荷してよいかの判断が求められた。
⇒微妙な匂いが分かる間の検査員で信頼度を高めて匂い の試験を実施したところ問題はなかった。⇒苦情なし
官能検査の手法(その他の手法;順位検定)
匂いの苦情品が数ロットあった場合、
ロット内が同じとの前提で
ロット間で匂いの強さに差があるかを出す方法
順位検定
該当ロットが5ロットあった場合
匂いを識別できる官能検査員にそれぞれのロットのサンプ ルを匂いの強い順に並べる。
匂いに差がなければ順位はバラツキ
官能検査の手法(その他の手法;順位検定)
検査員(又は回数) 表内は匂いの強い順番 ロット 1 2 3 4 5 6人目 合計点 合計点/6人 A 1 3 2 2 1 2 11 1.8 B 2 1 1 1 2 1 8 1.3 C 5 2 4 4 3 5 23 3.8 D 4 4 3 3 4 3 21 3.5 E 3 5 5 5 5 4 27 4.5 1位に来る確率は1/5
(1+2+3+4+5)×6人=90 90/(5ロット×6人)=3 3点を中心値と見なして、そこからどれだけ離れているか?
離れているとは違いがある確率が高い
49
・目視で見える異物の大きさ(時間と明るさ)
訓練を受けた検査者で、1分をかけて観察して 50μm (長径)の異物だと、検出率は約 50 %
80μm (長径)の異物だと、検出率は約 80 %
100μm (長径)の異物だと、検出率は約 100 %程度。
人による異物の検出=検査者×照度×時間
(剤形毎に)・照度と時間は決める
17 局は白黒バック各々5秒= 100 ~ 200μm 以上 目的は、医療現場で検出されない
・人は訓練と認定を行う
50
QC 試験方法
観察機を用いる方法 ・観察機;
・下から強い光(1~3万Lux)
・回転させて気泡を消すことができる ・5~10μm以上は見ることができる ・3回回転させ異物の有無を確認する。
・異物が見つかった場合は限度見本と比較して判断する
51
QC試験方法
判定基準(n数と欠点数C、限度見本の大きさの設定)
例; 溶液(アンプル/バイアル)
・n=50 C=0 で最初は設定
⇒その後、安定してきたので、n=10 C=0 ・限度内見本 白ゴミ(繊維以外) 約50μm 繊維 約200μm 凍結乾燥/粉末充填(溶解する場合)
・一回目 n1=10 C=0
C1≧1の時は一回目の試験を破棄し、
二回目 n2=10 C=0
・限度内見本 白ゴミ(繊維以外) 約200μm
繊維 約500μm 52
n=50と10の違い(c=0の場合) ロット合格率
選別後の母不良率
50C
0p
0q
50 10C
0p
0q
102% (合格 0.98 ) 37.1% 81.7%
1% (合格 0.99 ) 60.5% 90.4%
0.5% (合格 0.995 ) 78.2% 95.1%
0.1% (合格 0.999 ) 95.2% 99.0%
不溶性異物試験を定位置検査(包装後)、
巡回検査(選別している間あるは、包装前)がある。
包装後だと、包装しなおしのリスクを抱えている。
53
n
1=10⇒n
2=10(c=0の場合) ロット合格率
選別後の母不良率
10C
0p
0q
10不合格率 繰返し後 2% (合格 0.98 ) 81.7% 8.3% 88.5%
1% (合格 0.99 ) 90.4% 9.6% 99.1%
0.5% (合格 0.995 ) 95.1% 4.9% 99.8%
0.1% (合格 0.999 ) 99.0% 1.0% 99.99%
不溶性異物試験を定位置検査(包装後)、
巡回検査(選別している間あるは、包装前)がある。
包装後だと、包装しなおしのリスクを抱えている。
繰返し後=
10C
0p
0q
10+不合格率×
10C
0p
0q
1054
QC試験方法
判定基準(n数と欠点数C、限度見本の大きさの設定)
例; 大容量注射剤(500mL)
・n=10 C=0 で最初は設定
・限度内見本 白ゴミ(繊維以外) 約100μm 繊維 約500μm
QC 試験方法
日本薬局方
第1法;溶液である注射剤及び用時溶解して用いる 注射剤の溶剤はこの方法による
白色光源の直下,2000 ~ 3750 lxの明るさの位置で,肉眼 で白黒それぞれの色の背景において約 5秒ずつ観察すると き,たやすく検出される不溶性異物を認めてはならない.た だし,プラスチック製水性注射剤容器を用いた注射剤にあっ ては,上部及び下部に白色光源を用いて8000 ~ 10000 lx の明るさの位置で,肉眼で観察するものとする. なお,観察 しにくい場合は適宜観察時間を延長するものとする.
QC試験方法
日本薬局方
第2法;用時溶解して用いる注射剤はこの方法による 容器の外部を清浄にし,異物が混入しないよう十分に注 意し て,添付された溶解液など若しくは注射用水を用いて溶 解又は 懸濁し,白色光源の直下,2000 ~ 3750 lxの明るさ の位置で, 肉眼で白黒それぞれの色の背景において約5秒 ずつ観察すると き,明らかに認められる不溶性異物を含ん ではならない.なお, 観察しにくい場合は適宜観察時間を延 長するものとする.
(第1法)澄明で、たやすく検出される
(第2法)澄明で、明らかに認めれる
この差を違いは各社で判断することになる
57
たやすく検出される / 明らかに認められる の違い
この差の違いは各社で判断することになる。
一般的には明らかに認められる異物の方が大きいと解釈さ れている。それは、溶液であれば、全数異物検査を行うこと により、不良品を除くことができる。しかし、用時溶解して用 いる注射剤は試験に不適合の場合、全数異物検査で異物 の入っている製品を除去できない。破壊試験で溶解して初め てその製品が適か不適かわかるためである。製品が適合せ ず、出荷できないリスクをある一定の確率以下にしたいとの 考えで、用時溶解して用いる注射剤の文言を変えている。ま た、破壊試験であるため、試験操作中に異物汚染させ、その ために試験が適合しない場合も否定できないため、“明らか
”との言葉で、そのリスクを各社ご判断してくださいとのことで
ある。 58
QC 試験方法
凍結乾燥製品(ゴム栓)の溶解 ・針刺しで行う方法
針刺しで行う場合は、コアリング(ゴム栓の刺し屑)が 混入するリスクがある。
シリンジの先にフィルター(0.45μm)を付け、十分フィル ター、針を洗浄した後、ゴム栓の真ん中に刺し、水を入 れて溶解する。
・ゴム栓を外す方法
外す時に異物を混入させてしまうことがあるため、
注意して行う。 アルミを取る。周りを洗浄する。ゴム栓を 外して、フィルターを通した水を入れて溶解する。
59
QC 試験方法
凍結乾燥製品(アンプル)の溶解(ホールバーニング)
アンプルの外側を洗浄する。
ガスバーナーの炎を横向きにして細い火炎にする。
⇒ 熱せられたところが膨らみ外に向かって破れる
破れると穴の開いた個所はガラスが熔け、
小さな穴が開く。
その穴からフィルターを通した水を入れて溶解する。
⇒アンプルの凍結乾燥品をこれで実施したところ異物ゼロ 製造のレベルの高さ&試験方法のレベルの高さ証明
60
検査者の評価 / 訓練 / 認定
・訓練用のサンプルの作成
・アンプルに大きさがわかっている異物が1個入っている 不良品を用意する。
異物の種類;白ゴミ、有色ゴミ、ガラス、金属、繊維など 異物のサイズは30μm~200μm、繊維は100μm~500μm 異物のまったく入っていない良品も用意する。
良品10本、不良品40本の計50本に通しNoを付ける。
別紙に1~50番にアンプルがどのような異物が入っている かを記録しておく。
61
検査者の評価 / 訓練 / 認定
・認定用のサンプルの作成
・訓練用のサンプルをランダムにして、どのサンプルに 異物が入っているか、入っていないかはわからない。
異物が入っている場合でもどんな大きさでどのような 異物かは、認定試験を受ける人にはわからないように する。
62
検査者の評価 / 訓練 / 認定
訓練の方法
訓練用のサンプルを用いて、1分、3000lux、白黒バックで 50μm以上の異物が見つけられるように練習する。
認定の方法
認定用のサンプルを用いて、1分、3000lux、白黒バックで 異物の有無、あったときは異物の種類とだいたいの大きさ を記入する。
認定のサンプルを見る前に、50μm、100μmのサイズの 異物のサンプルを見て、大きさを把握する。
事前に基準を設けておき、判定する。
α と β の誤りの両面から
検査者を認定する
認定用のサンプルを用いて2回確認する
人の五感(目)を使う方法であり、個人差が大きい
・30μmの異物を見つけ、かつ異物のないものを 100%異物なしと2回とも正しく判断する人
・異物のないものを50%異物ありと判断し、
50~80μmの異物のサンプルを50%異物ありと 判断する人(αの誤り50%、βの誤り50%)
第1種の過誤
(αの誤り;あわてものの誤り/良品を不良品)第2種の過誤
(βの誤り;ぼんやりものの誤り/不良品を良品)⇒両方の規定を設ける;α≦5% β≦10%
製造の目視による全数選別
・凍結乾燥製剤
凍結乾燥製剤だと、中に入っている異物は見えない。
そこに沈んでいる異物、側面に見える異物を除く。
・溶液
1本毎、複数持って行うかを決める。
観察時間を決める。
観察方法を決める
拡大鏡を用いる場合もある。
異物に厳しい病院向けには特別に検査したことも
65
・バック製剤の不溶性異物検査(製造と QC )
日局の試験;
プラスチック製水性注射剤容器を用いた注射剤にあっては,
上部及び下部に白色光源を用いて8000 ~ 10000 lxの明る さの位置で,肉眼で観察するものとする.
⇒
日局の試験は異物があってはならないとの試験ではなく、
ある程度は認めている。プラスチック製水性製剤の異物検 査はまだ人に依存している。検査時間は異物の検出力の正 比例の関係があるため、大きな異物が見つかった場合、逸 脱報告を出してあるいはSOPで検査に要する時間を長くす るなどの工夫を行う。充填最初は時間をかけて検査するなど QCは工程にFBできるように早めの段階で検査を行う。
66
最新の全数自動検査機の特徴
AIM8000シリーズ(BOSH)の検査装置
①透過光をベースにしたSD方式
高速回転直後の停止時、動く物と動かない物識別
②カメラ検査
2台のカメラでの画像で透過光と反射光で異物識別
⇒
・液中異物(①&②)
・浮遊異物(②)
・沈殿異物(②)
その他;容器の外観不良(クラック/傷、汚れなど)
67
2) 不溶性微粒子
注射剤の不溶性微粒子試験法は、注射剤中の不溶性微粒 子の大きさ及び数を試験する方法である。第1法で試験がで きない場合(試験溶液として25mLの調整が不可能、あるい はたん白質製剤などで第1法では規格値を超える場合)に は第2法を用いて試験する。ただし、本試験法は乳剤性注射 剤及び懸濁性注射剤には適用しない。
第1法 光遮蔽型児童微粒子測定装置などによる方法 装置のキャリブレーションを行う
第2法 顕微鏡法による方法(ろ過試験)
メンブランフィルター 25mmまたは13mmを用いる
68
2) 不溶性微粒子
第1法 光遮蔽型児童微粒子測定装置などによる方法
・装置のキャリブレーションを行う ・標準粒子でのキャリブレーション
・エアーの脱気
・希釈/そのまま測定
・液量が多いと回転させながら(回転子も洗浄)
第2法 顕微鏡法による方法(ろ過試験)
・慣れが必要(目の前で動くので酔う)
初めは5分やるだけで精一杯、慣れると1時間も
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試験関係 行うべき試験を行っていない
・意図的に純度試験と注射剤の不溶性微粒子試験 が未実施( 2007 年頃から 2010 年春頃まで)
→ 製品回収と行政処分 記録が残らない試験
→ 必要な試薬・フィルターの発注記録から判断 → 内部通報 → 会社は未実施はないと判断 → 内部告発(新聞社へ) → 会社は未実施ありと
⇒・多能工化(一人でずっと担当させない)
・生データの残らない試験項目はダブルチェック
・要員増 ・マネイジメント強化 など
702) 不溶性微粒子
・観察機を用いる方法
日本薬局方の不溶性微粒子試験には使えないが、
簡便な方法として、工程で微粒子の状況を確認するのに 使用できる。
観察機は自動検査機販売先に提供;
ある受託メーカーでは、観察機を用いて 全数異物検査を行っているところもある
2) 不溶性微粒子
第1法 光遮蔽型児童微粒子測定装置による方法 大容量注射剤; 1mL 中の個数に換算するとき 10μm 以上 25 個以下、 25μm 以上 3個以下
100mL 未満の小容量の注射剤; 1容器当たり
10μm 以上 6000 個以下、 25μm 以上 600 個以下 第2法 顕微鏡法による方法
大容量注射剤; 1mL 中の個数に換算するとき 10μm 以上 12 個以下、 25μm 以上 2 個以下 100mL未満の小容量の注射剤; 1容器当たり
10μm以上 3000個以下、25μm以上 300個以下
USP
PARTICULATE MATTER IN INJECTIONSTest 1.A (Solutions for parenteral infusion or solutions for injection supplied in containers with a nominal content of more than 100 mL)—The preparation complies with the test if the average number of particles present in the units
tested does not exceed 25 per mL equal to or greater than 10 mm and does not exceed 3 per mL equal to or greater than 25 mm.
Test 1.B (Solutions for parenteral infusion or solutions for injection supplied in containers with a nominal content of less than 100 mL)—The preparation complies with the test if the average number of particles present in the units tested does not exceed 6000 per container equal to or greater than 10 mm and does not exceed 600 per container equal
to or greater than 25 mm. 73
3) 異物の同定方法
・異物の取り出す時の注意事項
・顕微鏡FTIRによる測定
・電子顕微鏡X線マイクロアナライザーによる同定
74
異物を取り出す時の注意事項
容器中の異物の同定する場合、単純にフィルターにろ過す る場合があるが、それはとてもリスクを持った方法である。
目的とした異物ではなく、違う異物(操作中からの汚染も 含め)を取り出してしまう場合が多くある。
異物を同定するのであれば、非破壊の段階で、実体顕微 鏡で異物の大きさと形状を確認する。
フィルターにろ過後、顕微鏡で同じ大きさの異物を探して、
非破壊時のものと同じものを見つけなければならない。
異物は一つだけでなく、できれば3~5つほど代表する異物 を同定することがよい。
75
非破壊で異物の大きさと形状の測定
実体顕微鏡あるいは、マイクロスコープでバイアル 瓶(またはアンプル)の外から異物を見つける。
異物は動いていないととても発見が難しい。バイア ル瓶を回転しないように台に置き、縦に少し揺らすこ とで、異物が動く。その動きを捉えて見つける。
バイアルの下に 1mm の方眼紙を置き、接眼レンズ にスケールを入れて 1mm を測定し補正する。
この方法は慣れるまでは数時間かかるが、慣れる と5分くらいで目的とする異物を見つけることができ る。
76
顕微鏡 FTIR による測定
100μm程度の異物であれば、
FT-IRの顕微拡散反射でIRを測定可能 実際の例
注射剤の経年で析出した異物を測定 IR チャートが研究部門で推定した結晶と 指紋領域で異なっていた
⇒再度、検討したところ、当初の化合物の 二量体であった。
77
電子顕微鏡 X 線 マイクロアナライザー による同定
分析(元素特有の特性X線を測定)
・波長分散;特定元素を検出
・エネルギー分散;測定可能な元素を同時に検出 エネルギー源
・蛍光 X 線
・電子顕微鏡の電子線 4つの組み合わせ
・蛍光 X 線の波長分散⇒定量
・電子顕微鏡のエネルギー分散⇒定性
⇒電子顕微鏡で像が見える
78電子顕微鏡 X 線 マイクロアナライザー による同定
電子顕微鏡に付けた X 線マイクロアナライザーで異 物の元素の同定(昔は無機だけ、今はCも)ができる
測定するためのカーボン台に異物を移し替えるこ と、台の上で異物が動かないことがキーになる。
カーボン台(電子顕微鏡の異物を乗せる台)には両 面テープを貼り付ける。実体顕微鏡下で、23 G 位の 注射針で異物を移し替える。
針の金属に異物は付着しないので、両面テープの 粘着部分を針でこする。そうするとわずかに粘着成 分が移行し、針に異物を付けることができる。
非破壊で異物の大きさと形状の測定
ドイツの製造所を訪問
したところ、実体顕微鏡で異物の有無を確認していた。
(これまで訪問した製造所では唯一)
異物のサイズは測定していなかったので、測定方法を指導 した。
異物サイズの計測技術の伝達
;海外製造所の製剤の全数選別/包装/検査を委託している 製造所に異物の写真とサイズを計測する技術を指導し、
異物が見つかった時は、写真を添付して報告して貰うことに した。
間違いを知らずに行う(余談)
ある製造所での不溶性異物試験の失敗
日本薬局方(JP)の不溶性異物試験では人が見るの でわかり難いと判断し、バイアル瓶を開封し、フィルタ ー上にろ過した異物を顕微鏡で観察し、 50μm 以上 の異物があると不適としていた。
ここでの間違いは、
1) JP の試験方法を理解していないこと。
2)バイアル瓶の開封時に異物汚染させていたこと そのため何度やっても試験が適合せず、造るロット 造るロットが不適になっていた。
81
フィルター上の異物を顕微鏡下で動かす方法
ある委託先製造所でのこと;
まつ毛を針の先に付けたものを使っていた。
まつ毛の先は細くなっていて、かつ弾力があり、
異物を動かすのに便利であった。
顕微鏡下で動かすには、練習が必要 練習すると上手くなる
(顕微鏡下での手術でゴッドハンドと呼ばれている ドクターは練習をとことん行ったと)
82
3.改善 / 指導事例
1) 繊維低減(輸液剤など)
2) アンプル成形時の異物対策 3) グラスファイバー混入改善
4) フレークス発生原因とその改善
5) 処方成分によるフレークスの発生(リン酸塩)
6) 不溶性微粒子の改善Ⅰ
(シリコン塗布ゴム栓、シリンジ)
7) 不溶性微粒子の改善Ⅱ(輸液の経年での増加)
8) 導入品の異物低減(プラスチックアンプル)
9) 不溶性異物の経年での増加
(原薬の出発物質の変更)83
3.改善/指導事例
10) 資材からの影響(ポリ袋)
11) 高額な製品の異物対策
(ガラス溶着している異物の除去)
12) 開発段階の取組みⅠ(海外製造品 イタリア編)
13) 開発段階の取組みⅡ(海外製造品 ベルギー編)
14) 開発段階の取組みⅢ(海外製造品 ドイツ)
15)間違った改善事例の取組み(委託先との協同)
16) 不溶性微粒子の改善Ⅲ(添加剤由来)
17) 海外製造品の水際での異物対策 (外観選別/包装表示委託先)
18)粉末充填品(海外製造)の
不溶性異物試験不適合時の対策方法
841) 繊維低減(輸液剤など)
不溶性異物試験( JP )において、一番簡単に発見し やすいのは繊維異物である。
そのため、不溶性異物による製品回収リスクを減ら すためには、繊維異物を減らすことである。
繊維異物は以下の改善を行うと大きく削減できる。
85
1) 繊維低減(輸液剤など)
1.充填液の初流を確認する。
多くの人が、フィルターを通しているのに何故異物が入るの かと疑問を持つ人がいる。フィルター自身が繊維異物を発生 している。
そのため、水でのリンスの量、それから薬液の最初の流す 液量(初流)をどれだけ棄て中ればならないかのバリデーシ ョンが重要になる。
この時、正しい結果を得たいなら、評価方法を限りなく客観 性を持たせる方法で行わないと行けない。
86
1) 繊維低減(輸液剤など)
1.充填液の初流を確認する。
ある製造所での体験では、評価が適切でなかったため、思 い付きで製造の改善を行ってみたがさっぱり効果がわから ず、いつまでたっても改善しなかったケースがある。私が製 造所に行き検証したところ、評価方法がまったく意味を持っ ていなかった。
つまり、1mmの誤差を測定したいのに、1cmの物差しで計測 しているようなものであった。
ライン洗浄水と薬液初流の流す量の兼ね合いが適切になれ ば、薬液からの繊維異物はかなり削減される。
1) 繊維低減(輸液剤など)
2.無塵衣のタオルを液が接するライン、部品の清拭 には使わない。
無塵衣だから繊維が出ないと思い込んでいる方もい るが、無塵衣は通常の繊維より長く繊維が取れ難い だけのことで繊維異物の原因になる。
無塵タオルをライン清掃から使わないだけで、
かなりの繊維異物が減った経験がある。
1) 繊維低減(輸液剤など)
3.ゴム栓
ゴム栓からの繊維異物は多い。ゴム栓の洗浄はなかなか難 しい。ゴム栓に付着していると、シャワーではなかなか落ちな い。
洗髪し、たくさんシャワーを身体に流したのに、湯船につか ると毛髪が浮いてくる体験をなさった人は多いかと思う。
またガラス容器に有効か超音波洗浄もゴム栓洗浄にはあま り効果がない。
バブルと一緒に下から水を流し、オーバーフローさせる方法 が効果的である。
89
1) 繊維低減(輸液剤など)
3.ゴム栓
ゴム栓はゴム栓メーカーで洗浄済みのものもあり、かなりの 良いレベルになっている。
ゴム栓洗浄で異物汚染させる場合もあり、どちらにするかは よく評価して判断することになる。
私の経験で、ゴム栓に付着している繊維が多いと、洗浄して も製品に繊維異物が残っていた。
つまり、母不良率が高いと、洗浄は完全に取り除いているの ではなく、何割かの繊維を取り除くだけなので製品に残る。
⇒海外の委託先のシリンジには日本の洗浄済みゴム栓を 洗浄せずに使用している。
90
2) アンプル成形時の異物対策
1)ガラス微粉の付着
硬質ガラスはガラス管(生地管)を加工
その時の刃物による切断微粉が熱せられて柔 らかくなったガラス表面に付着する。そのため、
切断は刃物よりも火炎による切断を行っている 昔のガラスメーカーの切断場所にはガラスの微粉 の山があった。吸引していてもどうしても、ガラスの微 粉が混入していた。
91
3) グラスファイバー混入改善
1.グラスファイバー混入
ある製造所の凍結乾燥製剤に、棒状の繊維が何個か見 つかった。それを取り出し、X線マイクロアナライザーで評価 したところガラス成分だった。つまりグラスファイバー(GF)。
そこで、その製品に水を充填して各段階からサンプリングし て評価した。
・ガラス瓶の超音波&ジェット洗浄後のバイアル瓶には含ま れていなかった。
・薬液を充填したバイアル瓶には含まれていなかった。
・凍結乾燥機のチャンバーに入れた段階のバイアル瓶には 含まれていなかった。
・凍結乾燥後のチャンバーから取り出したバイアル瓶には、
GF(棒状の繊維)がたくさん見つかった。 92
3) グラスファイバー混入改善
2.原因究明Ⅰ(仮説設定&検証)
凍結乾燥機で混入したとの判断で、凍結乾燥機に使われて いる素材をいろいろ検証したが、同じ成分のものはなく、
また、凍結乾燥機からそのような異物がでるところがなった。
洗浄済みガラス瓶には含まれていない 洗浄前のガラス瓶には含まれている
⇒
超音波洗浄&ジェット洗浄では落ちなかったのではないか?
落ちなかったGFがなぜ凍結乾燥後に出て来たのか
93
3) グラスファイバー混入改善
2.原因究明Ⅰ(仮説設定&検証)
仮説
;水が凍る時の体膨張率でガラス内面にくっ付いている異物 を剥がしたのではないか
実験;
ガラス瓶を試験用の超音波洗浄でよく洗浄した後、水を入れ 冷凍庫で凍らせた後、確認したところ、GFがたくさん見つか った。
GFは超音波洗浄&ジェット洗浄では落ちずに、凍結乾燥後 に剥がれ不溶性異物になっていることがわかった。
94
3) グラスファイバー混入改善
2.原因究明Ⅱ(混入箇所追求)
ガラス瓶を成形している硝子会社で同じGFを使っていな いか調査したところ、 成形後に冷却する徐冷炉の断熱材に 同じGFが使われていた。最近、レンガからGFの断熱材に変 更したとのことであった。そのGFの性質を調べると、軟化温
度が1,300℃であった。ちょうど、ガラス管(成形前)を
1,500℃前後で加工しており、 徐冷炉にはいる時が、
1,300℃を上回っていた。そのために、ガラス瓶の表面がま
だ軟化している状態の時に、 舞っていた軟化点が1,300℃ のGFも表面が少し熔けていたため、お互いが熔けた状態で 融着した。この融着はかなりの力であり、超音波洗浄やジェ ット洗浄では剥がすことができなかった。
成形工程の徐冷炉の断熱材が原因であることがわかった。
3) グラスファイバー混入改善
3.対策とその確認
徐冷炉のGFを軟化点の高いGFに変更したところ、凍結乾 燥後のGFは無くなった。ガラス瓶を受け入れ時に全ロットに ついて、ガラス瓶に融着しているかを確認した。
徐冷炉の材質変更により、融着しているGFは減った。
ところが、暫くすると増えて来た。
再度ガラスメーカーに行き成形現場を確認した。金属にガラ スとの接触を和らげるために断熱テープを使っていた。
その断熱テープを持ち帰り分析したところ、同じ材質のGFだ った。 断熱テープの軟化点も同じく低いものだった。それを 別のものに切り替えたところ、GFの融着は完全に無くなった