中部経済同友会
Hotel Nikko, San Francisco 2013
年11月27日
石井正純
Managing Director –AZCA, Inc.
早稲田ビジネススクール客員教授
シリコンバレーのイノベーション・エコシステム
とハイテク最新事情
自己紹介
東京大学工学部(計数工学科)、スタンフォード大学大学院(Computer Science)
日本IBMにてシステム開発、システムズエンジニアリング
30年にわたる経営コンサルティング(McKinsey & Co.にて日米欧のクライエントに対して グローバル戦略の支援、AZCAにて日米ハイテク企業の新規事業開発支援)
15年以上のVC経験(Pacific Technology Venturesの取締役、Sierra Ventures、Sofinnova 、 Techno Venture のアドバイザー、Noventi のManaging Director およびVenture Partner)
これまでLogitechやIA Global など多数のベンチャー企業および上場企業の役員経験
PARC (Palo Alto Research Center)のSenior Executive Advisorとして日米間のオープン・イ ノベーション推進
早稲田大学ビジネススクールおよび静岡大学工学部大学院にて客員教授としてイノ ベーションとアントレプレナーシップ担当
日米起業協議会 (US-Japan Innovation and Entrepreneurship Council)や文部科学省大 学発新産業創出拠点プロジェクト (START)の推進委員会のメンバーとして日本におけ るアントレプレナーシップ推進
北加日本商工会議所(2007年会頭)、The Japan Society of Northern California などの理 事。1
Silicon Valley* の立地
*- “Silicon Valley” という言葉は1971年にDon Hoeflerが雑誌Electronic News の中の”Silicon Valley in the USA” という連載記事で初めて使用した。
50 マイル
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他地域では見られないシリコンバレーの特質
3 出典: NVCA; Joint Venture Silicon Valley “The 2012Silicon Valley Index”
多様な文化的背景
人口の36
%が外国生まれ
技術系プロフェッショナルの55
%が外国生まれ 50%が家庭では英語以外の言葉を話す
高い教育レベル、優秀な大学、研究機関
44
%が大学卒以上(全米平均27
%)、68%
が短大卒以上(全米平均54
%)
トップ25
の大学院のうち8
校がカリフォルニア州(Stanford University, UC Berkeley
など) LBNL
、PARC
、SRI International
などの研究機関 ベンチャー育成の豊富な資金源
$12BのVC投資(2011年) -
全米$28.7Bの41% 300
社以上のベンチャーキャピタル会社 -全米842
社(2011
年) ハイテク産業のメッカ
15,000社のハイテク企業
就業人口170
万人(全人口260
万人)のうち45
万人がハイテクに従事
人口は全米の1%
、特許出願数は全米の12
%シリコンバレーが源泉となるハイテクノロジーの波
4
1950 1960 1970 1980 1990 2000 2005
通信・インターネット
半導体、IC PC、コンピュータ・システム、周辺機器 ソフトウェア ライフサイエンス 1.0 ナノテクノロジー グリーンテック
世界のデファクト・
スタンダードの創生
1939
ライフサイ エンス2.0
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世界的に著名な企業が密集するシリコンバレー
5 AZCA
William Hewlett &
David Packard
Elon Musk
Andy Grove
(3rdemployee)
Pierre Omidyar
(French-born Iranian-American )
Larry Ellison
Steven Jobs
Bill Gates William Shockley
Sergey Brin
Jerry Yang Mark Zuckerberg Reid Hoffman
SV のイノベーション・エコシステム
6
起業家
優れた大学・研究 VC 機関
弁護士事務所 会計事務所 コンサルタント ヘッドハンター 投資銀行 調査会社 etc.
起業家
大学・
VC
研究機関弁護士事務所 会計事務所 コンサルタント ヘッドハンター
投資銀行 調査会社
etc.
イノベーション・エコシステム
・インキュベーター
・アクセラレーター
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インキュベータ: “Silicon Valley in a Box”
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Y Combinator I/O Ventures
Plug and Play Tech Center 500 Startups
The Foundation Institute
AngelPad
nestGSV
First Floor Labs @AOL Dog Patch Lab
GreenStart
LightSpeed Summer Fellowship
Environmental Business Cluster Lemnos Labs
JFE Network
Triple Ring Technologies
InCube Labs The Foundry
Coronis Medical Ventures
AZCA Venture Partners
Cirtec Medical Systems Theranova
Fogarty Institute of Innovation
QB3@953
QB3 Garage@UCSF
Mission Bay Innovation Center
QB3 Garage@Berkeley
出典:AZCA
Y Combinator
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要するに・・・
カネが集まる
• 人が集まり
• 情報が集まり
• 技術が集まり
知の集積が行 なわれる
9
VC投資の行き先 - カリフォルニア州が独り勝ち
10 0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1995 2000 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
100% ($Billion) =
8.0 105.2 23.6 27.6 31.9 30.0 20.4 23.3 29.5 26.7
California Silicon Valley
Other California New England Other Region
Midwest Texas
NY Metro Northwest
出典: NVCA
シリコンバレーを支える基盤(カルチャー)
キーワード1: Openness ( オープンネス)
多
様な文化的背景の人たち、初対面の人たちに対するオープンネス(肩書きや所属先 は関係ない)
新しいアイデア(技術、ビジネスモデル)に対するオープンネス“Out of the Box Thinking”
キーワード 2 : Tolerance for Failure (失敗に対して寛容)
「失敗」は学ぶ良い機会“Opportunity to learn”
「1
割打者でも大成功」*“Many, many attempts behind a few success”
起業家にとってのリスクは低い“Low risk, high return”
* -山中伸弥京都大学教授、京都大学での記者会見(2012年10月9日)
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ビッグデータ
インターネット・アーキテクチャー
ディジタル・ヘルス
ロボット
最近のトピック
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IOT が生み出すデータの量
Brontobyte 10
27Yottabyte 10
24Zettabyte 10
21Exabyte 10
18Petabyte 10
15Terabyte 10
12Gigabyte 10
9Megabyte 10
6Yottabyte: NSAやFBIなどの政府機
関が人々に関して持っている情報量Brontobyte:
近い将来IOTから生成され るセンサーデータの量を語る場合の基準2016年時点で1.1ZBのインターネットのトラフィック量
近い将来のデジタル・ユニバース
現在ののデジタル・ユニバース
(250兆枚のDVD)
CERNのLarge Hadron Colliderは1秒間に1PBのデータを生成
毎日500TBの新しいデータがFacebookのデータベースで消費される
現在毎日1EBのデータがインターネットで生成されている(2億5千万枚のDVD)
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ビッグデータのランドスケープ
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出典:Bloomberg Ventures bigdatalandscape.com
コミュニケーション・ネットワークの進展
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第一世代 第二世代 第三世代?
システム 電信システム
Phone System
インターネット Internet
ディシミネーション Dissemination CCN, CON, NDN
フォーカス 電線 エンドポイント
パケット・スイッチング
データ、コンテント
特徴 • 電線と他の電線を繋げる
• 電線がコストの大部分
• 付加価値は通話回線をダイナミック に接続すること
• 電話番号は相手の電話の名前では なく、相手に回線を接続するための
「プログラム」
• 「回線接続経路」から「エンドポイン ト」へ
• データは目的地の住所を持ったパ ケットで送られる
• システム規模が大きくなれば信頼性 も向上
• ダイナミックなラウティングがシステ ムを強靭にする
• TCP/IPの成功が情報通信の世界を
大きく成長させた
• データはIPアドレスに限らずあらゆ る「Name」(IP, VPN tunnels, zeroconf address, multicast, proxies, etc.)によ りリクエスト、「住所」ではない
• データの信頼性と整合性はチャネ ルではなくデータそのものにより保 障される
• ビットを時間と空間で移動させること の出来るどのようなデバイスも使用 可能
課題 • 回線接続の必要性は集中化と独占 化を招く
• システムがスケールアップすると信 頼性が落ちる
• 通話者間の回線が接続されるまで は情報の送受信ができない
• インターネットにつながっていれば 誰とでもつながるが、そうでなけれ ば孤立
• グローバルに「知られてしまう」ユ ニークなIPアドレス
出典: AZCA分析
CCN (Content Centric Networking)
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CCNの基本機能
• Content routing
• Caching
• Content signature
• ContentはName (X)に
よってアドレスされる出典: ACM SIGCOMM Computer Communication Review (Volume 43, Number 3, July 2013) 16
今はプロセッサー、データ・
ストーレッジはとても安価 ネットワークの有効利用
IP アドレスを使わないアーキテクチャー
出典:PARC
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IPアドレスを使う限りセキュリ
ティの問題は続くIPアドレスを使わないイン
ターネット・アーキテクチャーCCNパケット
©2014 AZCA, Inc.
出典:PARC
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各国一人当たりの医療費と平均(2009年)
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000
70 75 80 85
日本
ハンガリー メキシコ
米国 イギリス
韓国
Linear Trend Line
一人当たりの医療費 (US$)
平均寿命(年)
出典: IMF
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各国の肥満率
20 0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010
肥満率
米国
イギリス
スペイン フランス
カナダ
韓国
イタリア スイス
アイルランド ハンガリー
ディジタル・ヘルス
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ロボット
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新規事業開拓におけるSV活用の方法
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高
低
コミットメント の度合い
得られる 情報の価値
コーポレート VC ( CVC) の設置
インキュベータの設置
既存 VC に CVC をアウトソース
既存 VC へ LP 投資
社内プロジェクトの切り出し
現地調査会社、コンサルタントの活用
商社・ブローカの活用
日本人駐在員の活用
出張ベースで情報収集
展示会、コンフェランスなどへの出席
公開資料へのアクセス
コーポレート・
ベンチャリング
グローバル展開を可能にする SV のエコシステム活用
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イノベーション・エコシステム 弁護士事務所
会計事務所 コンサルタント ヘッドハンター 投資銀行 調査会社
etc.
優れた大学
・研究機関
起業家
VC
シリコンバレー で成功すれば グローバル市 場での成功の 確率は高いと いえる
ハードウェア、ソフト ウェアの先端技術
先端的なビジネスモ デル
ハード、ソフト、ビジ ネスモデルを含むイ ノベーションエコシス テムの活用
新しいビジネスモデ ルを世界で一番最 初に試すことが出来 る先端市場SV の活用における日本企業の課題
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ベンチャー企業との意識のズレ
日本企業はR&D
主体でプロセス志向、SV
のベンチャー企業はビジネス主体 で目標志向 意思決定のスピードが遅い
他国の競合は責任者が来ていて話を聞いてその場で決断、ビジネスのス ピードが全く違う
現地への権限委譲がないため、日本本社にいちいちお伺いを立てている間 に相手が興味を失う、あるいは他社に持っていかれる メリハリの利いた意志決定で前に進めない
適切なリスク(calculated risk)
も避けようとする
ポートフォリオの考え方の欠如
一度足を突っ込むとずるずる深みにはまる? アライアンスのためのお金の使い方、位置付けが困難
ベンチャー投資はR&D
部門の探索費用? 財務部門の関わり?SV の有効活用にはトップのコミットメントが必須
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©2014 AZCA, Inc.
シリコンバレー活用にはトップマネジメント・レベルでの 持続的コミットメントが必須!!
成長を担うためのトップの役割
現時点での中核事業はすでに稼ぐ仕組みが出来上がっているはず。放ってお いても廻るはずのもの。
トップは将来の収入をどう稼ぐかを考えることに集中する。
トップにしか出来ない判断。
既存の成功事業とは違うビジネスモデルの新事業のために新組織を作り、経営資 源を配分する判断
既存部門の反発を抑えて新部門の後押しをするのもトップの仕事
利益率と成長のための投資のどちらか大事かという判断トップの強いリーダーシップのもとにトップダウンで
迅速な意志決定をしていく!!
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