ストロボ照明による雪結晶の簡易撮影法
著者 石坂 雅昭
雑誌名 富山市科学文化センター研究報告
号 9
ページ 97‑98
発行年 1986‑09‑20
URL http://repo.tsm.toyama.toyama.jp/?action=repos
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富山市科学文化センター研究報告第9号,pp.97‑98(1986)
短 報
ス ト ロ ボ 照 明 に よ る 雪 結 晶 の 簡 易 撮 影 法
石 坂 雅 昭 富山市科学文化センター
雪の結晶の顕微鏡撮影にはさまざまな照明 法が考えられてきた。中谷らによる「斜め透 過光による照明法」,映画監督の吉田による
「カラー撮影のための吉田の照明法」,光源を 2個用いることによって吉田の方法を応用し た小林による「二光源によるカラー撮影のた め の 照 明 法 」 な ど が 知 ら れ て い る 。 こ れ ら の 方法については,小林(小林,1969)の 雪 の結晶の二色光源による顕微鏡写真撮影法 にまとめられている。ここで述べる方法は,
二 光 源 の 光 源 と し て ス ト ロ ボ 光 を 用 い る 方 法 である。ただし,実際の使用にあたってはコ ン デ ン サ ー レ ン ズ な ど の 光 学 系 を 用 い ず に ス トロボ光源とフィルターのみで構成している
ス ト ロ ボ 光 源 を 用 い る こ と に よ っ て 電 源 を 電池にすることができるので,撮影場所の制 約が少ない。また,全体を小さくまとめるこ とができるので携帯に便利であるなどの利点 があるほか,例えば感光度ISO64のフィルム を用いて1/60秒の露出で撮影でき,ぶれや 光 源 に よ る 熱 の 心 配 を し な く て す む と い う 利 点もある。このことは富山などの暖候地での 撮影にとってたいへん都合のよいことである豆
さ ら に , ス ト ロ ボ の 場 合 は 原 理 的 に は そ の 数 をいくらでも増やせるので例えば二光源を従 来の二色光源として使用してさらに一光源を 反 射 光 と し て 使 う と い っ た こ と も 可 能 で あ る ≦ 特 に 雲 粒 つ き 結 晶 の 撮 影 の 場 合 な ど は 反 射 光 を 必 要 と す る こ と が あ る の で こ の 方 法 が 利 用 できる。
図 l に ス ト ロ ボ 照 明 を 実 体 顕 微 鏡 に 組 み 込 んだ装置の概観を示した。構成は図2に掲げ
9?
た。実際に使用したものは,ズーム式のオリ ンパス実体顕微鏡sz型,露出計はミノルタ 社のフラッシュメーター,同付属品のブース ター,ストロボはサンパック社のsP140(ガ イドナンバー14)である。適正な露出は,顕 微鏡の接眼部の一つに受光素子を組み込んだ アダプター(ブースター)を取り付け,それ を露出計(フラッシュメーター)に導き測光 することで割り出すことができる。しかし,
実際はストロボと被写体との距離とフィルタ ーの選択によって,一度適正な露出が決まっ てしまえば,その都度測光する必要はなく,
ブースターや露出計は絶対に必要なものでは ない。フィルターのJ−1はバックグラウン ドの色調をきめるもので,色フィルターと乳 白色板を合わせて使用している。後者は,ス トロボの散乱光を利用するために使う。J−
2は無くてもよいが,使う場合は乳白色板で
図 ‑ 1 装 置 の 概 観
石 坂 雅 昭
A
A
K
EC B
B
︽望︶
Snowcrystal
署
1 G l l n 価一
ざ坐
皿︑︵0, ,
F‑1
F‑2
図2.顕微鏡撮影装置の構成図
A . カ メ ラ B ・ 実 体 顕 微 鏡 の 鏡 筒 C ・ ブ ー ス タ ー D . 露 出 計
E . シ ン ク ロ コ ー ド F 1 〜 3 . ス ト ロ ボ フ ラ ッ シ ュ G . 透 明 ガ ラ ス H ・ 増 灯 ア ダ プ タ ー J 1 〜 2 . フ ィ ル タ ー K ・ し │ ノ ー ズ
4 − つ
め ' 0 c
395‑398
図版には,この装置で撮影された雪結晶の 写真(リバーサルカラーフィルム)をモノク
ロフィルムに複写したものを掲げた。
装置は容易に携帯でき,電気設備の無い野 外でも簡便に撮影が可能なので,冬期にスキ ー場の頂上部などで雪の結晶の写真を撮影す ることができる。図版に掲げた写真はすべて 岐阜県の新穂高ロープウェイ上部駅西穂高口 (標高2,156m)において撮影されたものであ る 。
文 献
小林禎作,1969.雪の結晶の二色光源による 顕微鏡写真撮影法.低温科学・物理編,27:
図 版
本装置で撮影した雪の結晶写真。
本装置で撮影した雪の結晶写真。撮影場所,西 穂高□。1,2,3,5は1986年2月2(1日,4,
6は同年2月19日に撮影。気温はそれぞれ−
12℃,‑8.5℃であった。元フィルムの背景色は青 色である。
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