石炭灰を大量使用したコンクリートの最大混合量と強度予測 [ PDF
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(2) 100. アルミナボールのふるい径(mm) 10 20 30 40. 0. 50. 1. 400 方法1 方法2 方法3 方法4. 350. 0.8. ●黒塗:使用粉体 ○白抜:アルミナボール. 40. 組成:0 組成:0 組成:0.2 組成:0.2 組成:0.4 組成:0.4 組成:0.6 組成:0.6 組成:1.0 組成:1.0. 20. 0. 0. 図1. 20. 40 60 80 100 粉体のふるい径(μm). 使用粉体とアルミナボールの 粒度分布曲線. 120. 300 間隙量(!/m3). 60. 間隙比 P. 通過率(%). 80. 0.6. 0.4. 図2. 3. 3. 単位水量(!/m ). 250 200 150 100. 0.2. 0 0 (C+FA40). 900kg/m. 方法1 方法2 方法3 方法4. 0.2. 0.4. 組成 x (V. FA10. 0.6. 0.8. /(V +V C. FA40. +V. FA10. )). 1 (FA10). 組成と各方法における 間隙比の関係. 体の粒度分布と相似になるよう,各組成においてアル ミナボールの各球径の混合割合を変え,粗骨材の実積 率試験用の鋼製容器にジッギングにより詰めることで 間隙比を求めた(方法 4)。なお,粒度分布計の値から. 50. 種類 セメント 石炭灰 細骨材. 記号 C FA S. 混和剤. AD2. 0. 0. 200. 400 600 800 3 単位石炭灰量(kg/m ). 1000. 図3. 石炭灰とセメントが構成する 間隙量と水量の関係. 表4. 使用材料. 物性 3 普通ポルトランドセメント,密度:3.16g/cm 2 3 比表面積:3830cm /g,密度:2.36g/cm 3 壱岐産海砂,表乾密度:2.58g/cm ポリカルボン酸系高性能減水剤. 計算した石炭灰の粒度分布曲線と使用したアルミナボ 表5. ールの粒度分布曲線を図 1 に示す。どの組成において も,アルミナボールの粒度は使用粉体の粒度とほぼ一. No.. W/C (%). N F1 F2 F3 F4 F5 F6 F7 F8. 65. 致していることが分かり,粒度分布が相似であるとみ なすことができる。 2.3. 実験結果及び考察. 図 2 に組成と各測定方法による間隙比の関係を示す。 乾燥状態の混合試料の間隙比を求める場合(方法 1)に. 3.. は,粒子同士の凝集が起こっていると考えられるため. 3.1. W/P (%) 65 50 40 35 30 27 25 22.2 20. 調合条件(コンクリート換算) W (kg/m3). C (kg/m3). 185. 285. FA (kg/m3) 0 85 178 244 332 400 455 550 640. S 混和剤 (kg/m3) ((C+F)×%) 840 747 646 574 477 403 343 0.7 239 1 140 1.5. 石炭灰を大量使用した硬化体の空隙特性 実験概要. 間隙比が最も大きくなっている。実際に水で練混ぜる. 石炭灰を大量使用したコンクリートの強度予測に先. ことにより得た間隙比(方法 2)は, 方法 1 より小さく,. 立ち,石炭灰の使用の有無及び混合量による硬化体の. 混和剤を使用して得た間隙比(方法 3)はさらに小さい. 空隙構造の違いに関して基礎的な知見を得るために,. 結果となった。これは,混合試料の状態が方法 1 から. 水銀圧入法による空隙構造特性に関して検討した。. 方法 3 になるにつれて,粒子同士の分散が容易となり,. 3.2. 凝集度合が低下したことに起因するものと考えられる。. 使用材料及び調合. 使用材料を表 4 に,調合を表 5 に示す。調合は,水. また,粒子同士が凝集を生じない場合と考えられる間. セメント比 65%,単位水量及び単位セメント量を一定. 隙比(方法 4)は,方法 3 とほぼ同じ値となっている。. とし,単位石炭灰量を変えたコンクリートにおいて,. ここで,図 3 に単位石炭灰量を増加させた場合におけ. 粗骨材を除いたモルタル部分とした。. る,セメントと石炭灰が構成する間隙量と水量の関係. 3.3. 実験方法及び測定項目. を示す。セメントと石炭灰が構成する間隙量は,図 2. 試験体はφ5cm×10cm の簡易型枠に打込み,所定の. で示した各測定方法から得られる最小間隙比を用いて. 試験材齢(3,7,28 日)まで 20℃封緘養生を行った。また,. 求めている。図中の方法 3 及び方法 4 における最小間. 各材齢の圧縮強度試験終了後の供試体から上下約 1/4. 隙比から得られる間隙量と単位石炭灰量の関係から,. 部分を削除した後,粉砕し,網ふるいを用いて 2.5mm. 900kg/m3 あたりで,構成粒子間の間隙量が単. ∼5mm の試料を採取し,その後アセトンにより水和を. 位水量を超えることが分かる。すなわち,式(4)の基本. 停止させ,一日 105℃乾燥したものを細孔分布の測定. 仮定を満たさない条件となり,コンクリートへの石炭. 試料とした。細孔分布の測定は,水銀圧入式ポロシメ. 両者とも. 灰最大混合量は られる。. 900kg/m3. あたりが限界であると考え. ータを用いて,細孔直径 6nm∼90μm の範囲で細孔径 分布を測定し,細孔容積を求めた。. 31-2.
(3) 40. 100. 100 材齢3日. 材齢3日 材齢7日. 80. 材齢28日. 30. 材齢28日. 材齢7日. S=89.2(1−P50/100)4.34. 材齢28日. r = 0.913 80. r =0.875. 2. 圧縮強度 S (N/mm ). 20 15 10. 60. 材齢7日 S=70.7(1−P50/100)4.34 r =0.912. 40. 材齢3日 S=66.7(1−P50/100). 40. 4.34. r =0.935. 20. 60. 0. 25. S (N/mm2). 硬化体中の総空隙量(vol%). 35. 20. 5 0. 0. 100. 200 300 400 500 単位石炭灰量(kg/m3). 600. 700. 0 40. 0 0. 10. 20. 30. 40. 50. 50 60 70 80 セメントの水和率α(%). 90 100. ペースト当たりの50nm以上の空隙量 P50(vol%). 図4. 3.4. 単位石炭灰量と硬化体中の総 空隙量の関係. 図5. 50nm 以上の空隙量と圧縮強度 図 6 の関係 表6. 実験結果及び考察. 図 4 に,硬化体中の総空隙量(vol%)と単位石炭灰 量の関係を示す。図から,単位石炭灰量が変化しても 総空隙量(vol%)はほぼ一定であることが分かる。. セメントの水和率αと S0 の関係. 各材齢におけるセメントの水和率(%). 材齢. 材齢3日. 材齢7日. 材齢28日. セメントの水和率. 49(%). 66(%). 84(%). してもセメントの水和率は一定であると考えられる。. 図 5 に硬化体中のペースト体積当たりに換算した. 以上から,各材齢におけるセメントの水和率は表 6 に. 50nm 以上の空隙量 P50(以下,単に 50nm 以上の空隙. 示す値をとるものとした. 量とする)と強度 S(N/mm2)の関係を示す。図より,. の水和熱に基づいて定められた値(水セメント比 65%,. 50nm 以上の空隙量が少なくなるほど強度は大きくな. 普通セメント,20℃)である。. 4)。なお,この値はセメント. ることが分かる。また,50nm 以上の空隙量と強度は. 図 6 に,式(8)の S0 を変数として最小 2 乗法で近似し. 各材齢において明瞭な相関がある。ここで,Balshin3). て求めた各材齢ごとの S0 とセメント水和率αの対数. が提案した空隙率と強度の関係式をもとに,P50(vol%). Log(α)の関係を示す。両者の関係は,図のように直線. と強度 S(N/mm2)の関係を式(7)で表した。. 関係を示し,式(9)となる。. S = S0&$1 ' %. P50 #. k. ! 100 ". S0=−93.4+93.3Log(α). (7). (9). ここで,式(9)を式(8)に代入することにより,P50. ここに, S:圧縮強度(N/mm2). から強度 S を求める式(10)が得られる。. S0:各材齢における P50 が 0 になるときの. P50 # & S=(−93.4 + 93.3Log(α) )*$1 ' ! 100 " %. 材料組織の強度(N/mm2). 4.34. (10). 式(10)より,ペースト体積当たりの 50nm 以上の空. k:実験定数 ここで,実験定数kは,各材齢において一定と考え られる。そこで,図 5 において,式(7)の S0 とkを. 隙量 P50(vol%)が分かれば,強度 S は推定可能となる。 4. 空隙構造形成のモデル化による強度予測. 変数として最小 2 乗法で近似した時のkの値の平均値 を用いて,. 調合段階において強度を予測するため,ペースト体 積に対する総空隙量(vol%)をセメントの水和進行を考. k=4.34. 慮したモデルをもとに定式化することにした。ここで, セメント 1cm3 は水和反応によって 2.13cm. とした。よって式(7)は式(8)となる。. S = S0&$1 ' %. P50 #. ! 100 ". 4.34. ト水和物を生成すると仮定した. (8). 5). 3 のセメン. 。その場合,石炭灰. を外割混合したペースト体積に対する総空隙量. ここで,各材齢において,水和セメントと未水和セ. V(vol%)は,以下の式(11)で定式化できる。ただし,. メントの割合が変化する,すなわち,材料組織の結合. 材齢 3∼28 日において石炭灰のポゾラン反応は起きな. 力が変化するため,S0 はセメントの水和率で変化する. いものと仮定した。. と考えられる。また,図 4 において,単位石炭灰量が 変化しても硬化体中の総空隙量(vol%)は変化していな い。すなわち,同一材齢であれば単位石炭灰量が変化. 31-3. . ! # ! # 1& & * VC ! ' 0$1 ' V W + VC ' $ 2.13 * ! * VC 100 " 100 " /% % , (11) V2 V W + VC + V FA.
(4) 40 r = 0.960. 1 材齢3日. 35. 60. 50nm以上の空隙量 P50(vol%). 材齢3日 P50=0.547・P. 材齢7日 材齢28日. 30. r = 0.951. 25. 40. 材齢7日 P50=0.479・P. 20. r = 0.920. 15. 20. 材齢3日 材齢7日. 10. 材齢28日 0. 0. 0 20 40 60 80 ペースト体積当たりの総空隙量V(vol%)(計算値). 図7. 材齢28日 P50=0.459・P. 5. β=0.578-0.0918Log(t) r = 0.927. 0.8. 係数β. ペースト体積当たりの総空隙量 P(vol%)(実測値). 80. 0.6. 0.4. 0.2. r = 0.914. 0. 10. ペーストの体積当たりの空隙 量の計算値と実測値. 20 30 40 50 総空隙量 P(vol%). 図8. 60. 0. 70. P と P50 の関係. 1. 10 材齢 t(日). 図9. 100. 係数βと材齢の関係. 100 r = 0.914. ここで,V:ペースト当たりの総空隙量(vol%) 80 強度の実測値 (N/mm2). VW:単位水量(!/m3),VC:単位セメント量(!/m3) α:セメントの水和率(%) VFA:単位石炭灰量(!/m3) この式(11)を用いた計算結果 V(vol%)と実験から 求めた硬化体中のペースト体積当たりに換算した総空 隙量 P(vol%)(以下,単に総空隙量とする)の関係を図 7. 60. 40. 20. 材齢3日 材齢7日. に示す。計算結果と実験結果がほぼ一致することが分. 材齢28日. かる。すなわち,式(11)から計算した空隙量 V(vol%). 0. と実験から求めた総空隙量 P(vol%)との関係は, V≒P. 0. 図 10. (12). 20. 40 60 80 強度の計算値 (N/mm2). 100. 強度の計算値と実測値の関係. とみなすことができる。次に,図 8 に,実験で求めた. 使用した硬化体の強度を精度良く推定できることがわ. 総空隙量 P(vol%)と 50nm 以上の空隙量 P50(vol%)の. かる。. 関係を示す。図より両者は同一材齢でみた場合,直線. 5. 結論. 関係にあることから,P50 を次式(13)で表すことにした。 P50=βP. (13). 本研究では,構成粒子間の間隙比に着目し,セメン トと石炭灰が構成する間隙量と水量の関係から,コン. β:各材齢で近似して求めた直線の傾き. クリートへの石炭灰混合量の限界量が 1m3 当たり 900kg. また,上記のβと材齢tの対数 Log(t)の関係は図 9. 程度であることを明らかにした。また,石炭灰のポゾ. に示すように,直線関係を示し,次式(14)で表せる。. ラン反応が起きない初期材齢において,石炭灰を外割. β=0.578‐0.0918Log(t). (14). で大量使用したコンクリートの強度を調合段階におい. ここで,式(13)に式(11)及び式(14)を代入すること. て推定できることが分かり,その手法を示した。. により,式(13)より計算した総空隙量 V(vol%)から. 参考文献. 50nm 以上の空隙量 P50(vol%)を求める次の式 (15)が. 1)松藤泰典他: 「石炭灰を外割大量使用するコンリートの. 得られる。. 調合に関する研究」,コンクリート工学論文集,第 12. P50={0.578‐0.0918Log(t)}V. (15). 巻第 2 号,2001. この式(15)を式(10)に代入することにより,式(11). 2) 松藤泰典他: 「石炭灰外割コンクリートの最適調合に関. より計算した総空隙量 V(vol%)から強度が求まる次の. する研究」,日本建築学会大会学術講演梗概集,pp.207. 式(16)が得られる。. ∼208,2001. S={ 93.4+93.3Log(α)}× 1 (0.578−0.0918Log( t))V . 01 ' 100 / ,. 3)羽原俊祐:「コンクリートの構造とその物性」,セメン 4.34. ト・コンクリート,No549,1992. (16). 4)南條毅一他:「高強度化のための材料−結合材−」,コ. 図 10 は,式(16)から算出した計算値と実測値の関係 を示したものである。図より,式(16)で石炭灰を大量. ンクリート工学,Vol.32,No.7,1994 5)A.M.Neville,コンクリートの特性,技報堂,1979. 31-4.
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