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資本市場の国際化 と国際会計

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Academic year: 2021

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(1)

資本市場の国際化 と国際会計

勲 酎

PM

周 桂 林

妄 いい

1 会計基準の国際的標準化 と調和化

標準化 (standardization)は厳格 な規定 また は規律 の設定 を意味 し、調和 化 (harmonization)は包括的な範囲の中での規定 または規律の柔軟 な適用 を意味す る 標準化の例 としては、国際会計基準委員会 (IASC)が公表する国際会計基準 (IAS) があ り、 また、調和化の例 と しては、 ヨーロ ッパ連合 (EU)が財務報告 の国際的 比較可能性 (comparability)を高めるために採択 した相互承認 方式がある

標準化 と調和化 は、国際会計の多様性 を狭める とい う観点か らは、同 じ意味 を持 っている しか し、接近方法の観点か らは、標準化は国家間の多様 な会計基準 に対 す る単一化、 または統一化 を指向する反面、調和化 は多様 な会計基準の国家間の比 較可能性 、 または相互間の承認性 を指向す る

2 標準化の必要性 とメリッ ト

会計 システムの国際的標準化の必要性 は、国内の会計 システムの産業 または企業 間標準化の必要性 と同一の見地か ら出発 する 国際的標準化 は、会計情報の国際的 比較可能性 を高め、情報の経済性お よび有用性 を高める。具体的には、会計 システ ムの国際的標準化 を通 じて、会計情報の供給者 (企業)、外部利用者 (投資家、債 権者、租税当局等)お よび規制機関は、次の ようなメリッ トが期待で きる

(D 会計 システムの国際的標準化 は、会計情報の信頼性 と比較可能性 を高めるこ とがで きる

② 会計 システムの国際的標準化 は、国際証券市場での上場の活性化 と資本市場 の国際化 を推進す ることがで きる

(2)

(彰 国際会計法人 (国際職業会計士団体) と租税当局は、会計 システムの国際的 標準化 を通 じて、監査お よび租税業務の効率化 を高めることがで きる

3

標準化の限界 と制約要因

標準化の必要性 とメ1)ッ トが認識 される一方、そ こには限界 と制約要因が存在す る まず、標準化 とい う用語 を会計 システムの国際的統一化の概念 として解釈す る とすれば、標準化 は過去 と現在 は もちろん、未来 にも実現で きない理想的な目標で あろ う 用語 の上で よ り柔軟性 を持つ調和化の概念が、現実的 な目標 にな りうる。

標準化 を実現す るための制約要因は、次 の とお りである

(∋ 現存す る会計 システムの国家間の差異が大 き過 ぎて、この ような差異の原因 が完全 に取 り除かれない とい う現実があること

② 国際的標準化 を実行 し、監視で きる法的拘束力 (強制力)が欠如 しているこ と

(参 依然 として国家主義

( n a t i o n a li s m)

が進行 している状況 にあること

4

国際的標準化の ための国際機関 または団体

会計 システムの国際的標準化 に関与、 または影響 を与 える国際機構 と団体 には、

国際連合

( UN) 、OECD

、国際貿易協力体

( Tr a d eUni o n s )

な どの政治 ・経済関連 の国際組織 と

、I ASC、I OSCO、I FAC

な どの会計 ・証券関連の国際組織があ る 前者の組織 は、間接 的 に会計 システムの国際的標準化 に影響 を与 えるの に対 して、

後者の組織 は、会計 システムの国際的標準化 に直接的に関与 している

1)国際政治 ・経済組織

a )UN ( Un i t e dNa t i o n s )

1 9 7 6

年 に構成 された専門家団体

( Gr o u po fEx p e r t s )

を通 じて、多国籍企業の情 報開示

( i n f o r ma t i o nd i s c l o s ur e )

を扱 っている

。1 9 8 3

年 には標準化努力の一環 とし て、会計 と報告の国際基準 に関す る政府 間の専 門家団体

( Thel n t e r go ve r nme n t a l

Wo r k i n gGr o u po fI n t e r n a t i o n a l St a n d a r d so fAc c o u n t i n ga n dRe p o r t i n g;I S AR)

を 設立 した。そ して

、I SAR

、1 9 8 9

年 に、多国籍企業の会計 と報告 に関す る目的お よび概念

( Ob j e c t i v e sa ndCo nc e p t sUn d e r l yi n gFi n a nc i a lSt a t e me n t s )

を発表 し た。

(3)

b) OECD (OrganizationforEconomicsCooperation&Development)

OECDは、 多国籍企 業 と政府 間の信頼 を強化 す るため に、1976年 に多国籍企 業 の ガ イ ドライ ン (GuidelinesfわrMultinationalEnterprises)を発表 した。1979年 には 改正 も行 ってい るが 、多国籍企業 さえ ガ イ ドライ ンの存 在 を意識 で きない くらい に、

最小 限 の要件 だけ を提 示 してい る C) WTO (WorldTradeOrganization)

ウル グア イ ・ラウ ン ドを通 じて、多国 間の貿 易協 定 の締 結 を主導 し、国家 間の交 易 の障害 要素 を除去 して貿 易紛 争 を解決 す る機 構 と して出発 した WTOは、国際法 上 の強 力 な拘 束力 (強制 力) を持 ってお り、国際 会計 の標準 化 に多 くの影響 を与 え てい る。WTOは、AccountingRoundを通 じて 会計 分野 の国際 的標準化 に積極 的 に 関与 してい る

WTOは、国家 間の会計 の差 を、資 本 の 自由 な流 れ を妨 げ る貿 易 の壁 と して認識 し、多 国間の協 定 を通 じた会計 基準 の相 互認 定 を強力 に推 進 してい る。 会計 システ ム以外 に も、会計専 門家 間の 自由 な交 流 の ため に、WTOは会計専 門家資格 の 国家 間の相互認定 を推 進 してい る (表 1‑1参照 )

[表 1‑1]主要 国の公認 会計士 数

国 会計士 数 人 口千 名 当会計 士 数 会計 士 数 考 (1992) (1992) (2000)

カ ナ ダ 53,000 1.69 フ ラ ンス 12,00() 0.20 ド イ ツ 6,000 0.08 オ ラ ンダ 8,000 0.41

日 本 ll,000 0.08 12,707 イギ リス 156,000 2.33

ア メ リカ 301,000 1.07 334,726

資料 :ComparativeInternationalAccounting,Nobes&Parker,1995,p4

2) 国際会 計 ・経 済組織

a) lASC (JnternationalAccountingStandardsCommittee)

1973年 に会計 専 門家組織 に よって創 設 され た IASCには、現 在112の 国が参加 し

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てお り、現在 まで40個 の会計基準 を公表 した。IASC の体系 的な活動 と、今 まで発 表 された国際会計基準 に対す る肯定 的な評価 に もかかわ らず、次の ような否定的 な 評価 を受 けるこ ともある

第 1には、IASC の会員国家が国際会計基準 を最大 限 に受 け入れることを勧 め る だけで、会員国 に国際会計基準 を強要す るこ とがで きない。第2には、IASCが イ ギ リス とア メリカの影響 をあ ま り受 け過 ぎている とい う事実である この ような否 定的評価、地域協力の拡大 、そ して資本市場 の国際化 に伴 うIOSCOの影響力増大

を考慮す る とき、 これか らIASCの機能が弱体化 される可能性がある

韓国は IASC の会員国であるが、活動 に対す る参加や国際会計基準の遵守 な どに お い て は消極 的で あ った しか し、1998年 に行 われ た企 業 会計 基準 の改 正 で は、

IASを最大 限 に反映 した。

b) 10SCO (lnternationatOrganizationofSecuritiescommissions)

国際証券監督者機構 の組織 は、最近の増 えつつあ る国際株式上場 とともに、その 影響力が急速 に増加 してい る。1992年 に IOSCOが国際監査基準 を承認 し、1993年 には IASの第7号 (キ ャッシュ ・フロー) を承認 したが、IOSCO は国際会計基準 の よ り多 くの修正お よび補完 を求めている 国際市場の上場 を通 じた資本市場 の国 際化 を促進す る と同時 に、国内の投資家 を外 国の会計基準 か ら保護 しようとす る各 国の証券規制機関は、会計 システム (少 な くて も上場お よび報告基準)の国際的標 準化 に実 質的 な影響力 を行使 してお り、 これか らも会計基準の国際的標準化 に当た

って大 きな役割 を担 うであろ う。

C) lFAC (lnternationalFederationofAccounts)

1977年 に創設 された組織 で、会計専 門家の国際的協力 と会計 システムの標準化 を 目的 と してい る。IFACの主 な関心事 は国際監査 で あるが 、会計教 育、経営倫理 、 管理会計分野 な どに も関心 を もっている

地域協 力の発展 とともに多 くの地域 的な会計専 門組織が登場 し、大部分の組織 は 地域 的関心 を代弁 しなが ら、IFAC お よび IASC との協 力の もとで地域的 または国 際的標準化のための努力 を行 っている。

5 資本市場の国際化 と国際会計

国 ご との多様 な会計 システムは、企業の国際化 に直接 的 または間接 的な影響 を及 ぼす要素 として、比較 ・分析 と国際的調和 のための努力の対象 になって きた。 国際 会計の観点 か らの国別会計 システムは、国際的環境 の変化 に能動 的 に対処す る よ り

(5)

受動 的姿勢 を堅持 して きた結果 、会計 の国際的標準化 (standardization)ない し調 和化 (harmonization)の問題 は最近 まで重要で はなか った。

国際会計 の ダイナ ミックで能動 的 な変化 は、金融市場 、特 に資本市場 の国際化 と 密接 な関係 がある 資本市場 の国際化 は、主 に外 国人 (または外 国企業)の 自由で 活発 な国内投資活動 を意味 す る しか し、多国籍企業 を中心 に始 まって最近急速 に 増 えつつあ る国際上場 (cross‑borderlisting)は、海外 の直接 金融 を可能 にす る資 本市場 の国際化の もう1つの尺度 といえる 各国が国際上場 の促進 を通 じた資本市 場 の国際化 を推進す る過程 において、国別会計 システムは国際的標準化 ない しは調 和化 に向けて能動 的 に動 いている

[図 1‑1]の左側 は、世界各国の会計 の国際的標準化 ない しは調和化のための 国別努力 を示 している。 この ような形態 において、国際会計 は国家別会計 制度 の比 較 、分析 を通 じて相互 に接近で きる部分 を模索 し、標準化 ない しは調和化 を試み る しか し、個別 の国家が どの ような方向 を選択 す るかは、全面的 に各国 に任 されてい て、国際会計 はその趨勢 を静観す る しかない静的で受動的 な形態 となっている

これ に対 して、 [図 1‑日 の右側 は、各国が国際上場 を推進 しなが ら国別会計 シ ステムが上場 関連会計基準 を中心 に、標準化 ない しは調和化 されていることを示 し ている つ ま り、会計 システムの国際的標準化 に向か う国際会計 の ダイナ ミックで 能動的 な形態 となっている 特 に国別会計 システムの共通領域 (1次共通点線) を 形成 した国際上場 会計基準が究極的 には、国別の国内上場会計基準 まで を国際的 に

[図 1‑1]会計の国際的標準化

(6)

標準化 または調和化 させ る局面 (2次共通点線 ) に導 く可能性 をみせている

各国は国際上場 を促進す るため に、 上場 関連 の会計基準 を外 国企業が受 け入れ ら れ る ように国際会計基準 を承認す るな どの、国際化のための多角的努力 を行 ってい る しか し、国内企業の上場お よび報告基準 と異 なる別途の外 国企業の上場お よび 報告基準 は、国内企業 を会計 コス トの面 か ら相対的 に不利 に させ ることがあ りうる この ような不利益 を減 らす ため には、各国は国際上場会計基準 を国際化 させ る と同 時 に、国内上場会計基準 を同 じ方向 に国際化 させ る しかない。要す るに、国際上場 を通 じた国別の資本市場 の国際化過程 は、会計 の国際的標準化 ない しは調和化 に向 か う動 因 を提供す る と同時 に、国際会計の ダイナ ミックで能動的 な面 を浮 き彫 りに

している

6 国際会計の将来方向

資本市場の国際化 は、国際会計 の ダイナ ミックで能動 的 な面 を浮 き彫 りにす る と 同時 に、会計の専 門領域 に多 くの課題 とチ ャ レンジを与 えている

WTOは、国別会計基準 の多様性が資本 の国家 間の 自由な流 れ を塞 ぐ要因 と して みてい る。IOSCOも、同一の見地か ら資本市場別会計基準 を中心 に、会計 システ ムの国際的調和 または標準化努力 を積極 的 に主導 している したが って、各国の会 計 システムは、国際化 と国内化 を同時 に達成す る方向 に動 くだろ う

国別会計 システムが国際化 と国内化の二重 の圧力 を受 けてい るの と同様 に、国際 会計 も標準化 と調和 化の二重の圧 力 を受 けてい る. 標準化 は画 一性 の概念であ り、

調和化 は柔軟性 を備 えた概念 であ る 国際会計 は国際的標準化 と調和化の二重の圧 力の中で、最近では地域 共同体内の相互承認方式 とい う解決法 に向かって動 いてい る

EU の相互承認方式 は、会員国間の会計基準 の差 を縮 め るための多角的な努力の 結果であ り、 これは、会員国間の頬似 の経 済的 ・社 会的与件 によって裏付 け られて い る。 これ と類似 な超 国籍 的 デ ィスクロー ジ ャー ・システム (multijurisdictional disclosuresystem,MJDS)が アメリカ とカナ ダの間に存在 して両国間の上場 を容易

に してい る。 これは北米 自由貿易協 定 (NAFTA)と して メキ シコを含 む地域調和 体系 に拡大 されてい る この ような多国間相互承認方式 は、IOSCOが資本市場 の 国際化のため に積極的 に推進 している方式で、APECな どの地域協力 に拡大 され る 方向 にある

(7)

[付記】 本稿 は、筆 者が 国際会計 講演 会 (神 奈 川大学経営 学部

、2 0 0 0

1 0

4

日) で行 った報告原稿 (朝鮮語) に、講演 会での報告 を一部加筆 して まとめ られ た

ものであ る。原文 の 日本語訳 につ いては林桂 賢君 (神奈川大学大学 院経営学研 究科 ・博 士後期課程 1年) が行 った。 また、会計 の専 門用語 お よび 日本語訳 の 監訳並 びに校正 につ いては、筆者お よび訳 者の7承 の もとに照屋行雄 (神奈川 大学経営学部教授 )が行 った。

参照

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