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JSAI International Symposia on AI 2018 JSAI-isAI 研究会報告 国際シンポジウム JSAI International Symposia on AI 2018 (JSAI-isAI 2018) 開催報告 年 11 月 12

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1.国際合同ワークショップ形式での開催

2018年 11 月 12 日(月)~ 14(水)までの 3 日間, 慶應義塾大学日吉キャンパスにて,人工知能学会国際 シンポジウム JSAI International Symposia on AI 2018 (JSAI-isAI 2018)が開催されました.JSAI-isAI は,人 工知能に関する情報発信と共有の場を提供し,国際ワー クショップを日本発で育成することを意図するものとし て,毎年多くの参加者を集め,2018 年で連続 10 回目の 開催となりました. 各ワークショップでの発表形式も多様で,通常の講演 に加えて,招待講演やパネルディスカッション,ポスター 発表,グループワークなど,インタラクティブな議論が できるようなさまざまな工夫が凝らされています. それぞれのワークショップ名と略称は以下のとおりです.

● Workshop 1:11th International Workshop on

Juris-informatics(JURISIN 2018)

Workshop 2:Artificial Intelligence of and for

Business(AI-Biz 2018)

● Workshop 3:Skill Sciences 2018

● Workshop 4:Logic and Engineering of Natural

Language Semantics 15(LENLS 15)

● Workshop 5:3rd International Workshop on

SCIentific DOCument Analysis(SCIDOCA 2018)

● Workshop 6:Intelligent Data Analytics and

Applications JSAI-isAIの参加者の推移を見ると,2013 年は 6 WS で 130 名,2014 年 3 WS で 98 名,2015 年 8 WS で 246 名, 2016年 7 WS で 177 名,2017 年 7 WS で 203 名,そし て,2018 年の参加者は 160 名で,海外からも 17 か国合 計 36 名の参加者がありました. JSAI-isAIでワークショップを開催する主な特典は, 以下の三つがあります. 1) 本学会から,招待講演者の招聘費用などの予算補 助が受けられる. 2) 会場手配や参加登録システム,受付やコーヒー ブレイクを共通化するため,ワークショップオーガ ナイザーはワークショップの内容の充実に専念でき る. 3) 発表論文の中から選抜された論文がポストプロ シーディングスとして,Springer の LNAI シリー ズの書籍に掲載される. 国際シンポジウム JSAI-isAI は,2019 年も開催を予 定しており,ワークショップ提案を募集します.本報 告を読んで興味をもたれた方は,ぜひご提案ください. 詳しくは,国際シンポジウム JSAI-isAI の Web サイト (https://www.ai-gakkai.or.jp/isai/)をご覧く ださい. 以下,各ワークショップからの開催報告です. 2.国際ワークショップ開催報告

Workshop 1:11th International Workshop on Juris-informatics(JURISIN 2018)

法情報学に関する国際ワークショップ “Juris-Informatics (JURISIN)”は今回で 12 回目となります.隔年で開催さ

れる International Conference on Artificial Intelligence and Law(ICAIL)の 16 回や毎年ヨーロッパで開催さ れる International Conference on Legal Knowledge and Information Systems(JURIX)の 31 回には及びませ んが,JURISIN は ICAIL や JURIX に並ぶ「人工知能 と法律」に関する国際ワークショップとして海外でも認

国際シンポジウム

JSAI International Symposia on AI 2018

(JSAI-isAI 2018)開催報告

小島 一浩(産業技術総合研究所)

坂本 真樹(電気通信大学)

研究会報告

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知されてきています. 今回の JURISIN 2018 においても,例年と同じよう に法的推論のモデル,議論や交渉のエージェント,法概 念のオントロジー,法律知識ベースの管理や検証,法律 文書の翻訳,法情報学の社会的影響,ほかの多くの話題 について論文を募集しました.また,JURISIN の関連 イベントとして,法情報の抽出や法情報の推論に関する 第 5 回 Competition on Legal Information Extraction/ Entailment(COLIEE)の論文募集も行いました.これは, 与えられた事件に関して関連の判例を検索したり,与え られた事件の記述の中で判決につながる重要なパラグラ フを識別したり,法令を参照して YES/NO 質問に回答 したりする競技です. ワークショップの初日(11 月 12 日)は JURISIN の 通常セッションとして,8 件の論文発表と湯淺墾道教 授(情報セキュリティ大学院大学)による招待講演が なされました.湯淺教授は,“Introducing information communication technology into civil litigation in Japan”という題で,我が国の民事裁判に ICT 技術を 導入してきた経緯や今後の計画について講演なさいまし た. 二日目(11 月 13 日)は COLIEE セッションとして, 9件の論文発表と 2 件の招待論文発表と Douglas Walton 教授の招待講演がなされました.Walton 教授は“Logical and Legal Relevance”という題で法的な適切性と論理 的な適切性の関連について講演されました. 参加者は 40 名程度であり,その約 3 割が,カナダ, イギリス,ベルギー,オランダ,ポルトガル,ノルウェー, ルクセンブルグ,中国,ボツワナなどの海外からの参加 者でした. 発表の中では,自然言語処理に関するものが増えてき ていることや,ニューラルネットワークを用いたもの, AIのリスクに関するものなど,新しい研究動向が表れ てきています.  JURISIN 2018 チェア: 新田 克己(国立情報学研究所,産業技術総合研究所)

Workshop 2:Artificial Intelligence of and for Business (AI-Biz 2018)

11月 13 日に開催された AI-Biz 2018 では,ビジネス におけるさまざまな課題と人工知能技術の応用をテー マとして,1 件の招待講演と 10 件の研究発表が行われ, 合計の参加者は約 20 名であった.招待講演は,SIIT, Thammasat University, Thailandの Dr Ryoju Hamada 氏 に よ る「Two-Storied ELSI Guidelines: Inclusive Coverage to Individual Solutions」であった.学術界で は,ELSI(Ethics, Law, and Society Implementation) に関するガイドラインが制定されているが,人工知能研 究に対してそれらが適切であるかどうかが議論になって いることを,事例を含めてわかりやすく説明いただいた. また,COLLAGREE と呼ばれる AI ベースの合意形成 支援システムについても紹介いただいた. 一般発表の第 1 セッションでは,非経済価値指標を利 用した人的資本の測定方法に関する「Indicating human capital including non-economic value」,Fuzzy C Means を用いた新しい産業分類法を提案した「Constructing industry classifications through fuzzy clustering」, スーパーマーケットが発行するポイントカードによ る顧客分類を行った「Towards Capturing Mercurial Customers based on the Transactional Data」の 3 件 が報告された.午後の第 1 セッションでは,実数値 GAを利用した最適変数選択法を提案した「A Study of Variable Selection within a Framework of Real-coded Genetic Algorithm」,組織の多様性を定義するフォー ルトラインによる分析結果を報告した「Influences of Faultlines on Organizational Performance」,交通渋滞 を解消するためのスマートな群衆管理システムを提案 した「A Novel Smart Crowd Management System to Reduce Traffic Congestion in Sri Lanka」,研究開発プ ロジェクトの相互作用を分析した「A New Technique Validating for the Visualization of R&D Project Status in Proceeding R&D Project:Collaboration with Text Mining and Physics Model」の 4 件が報告された.午後 の第 2 セッションでは,Peer-to-Peer 融資に関する個々 の借り手の信用リスクを測定するための機械学習モデル を提案した「Prediction of Credit Risk for P2P Lending Using Logistic Regression」,エコカーの市場占有率 に対する環境政策の効果をシミュレーションで検証し た「Analyzing Three Agent Relations of Government, Companies, Consumers under Environmental Policy for Eco-cars」,中国金融市場におけるニュースと株価を 用いて極性辞書を構築する方法を提案した「Building a Financial Polarity Dictionary for News Analytics Using Stock Prices Information on Chinese Stock Markets」 の 3 件が報告された.

ワークショップ終了後には,軽いディナーミーティン グを行い,参加者間での交流が深まった.JSAI からの 図 2 COLIEE の表彰式

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補助金に感謝している.今回が第 3 回の AI-Biz ワーク ショップであったが,ファイナンス,経営組織分析,産 業分類,消費者行動分析,モデル変数選択,交通政策, 研究プロジェクト分析などの企業が抱えるさまざまな課 題に対して,機械学習やテキスト分析,ネットワーク分 析,エージェントモデル,ファジィクラスタリングなど, ビジネスと人工知能技術に関連する幅広い研究報告があ り,成功裏に終了した.  AI-Biz 2018 チェア: 倉橋 節也(筑波大学) Workshop 3:Skill Sciences 2018

2018年 11 月 12 日,Skill Science に関する国際ワー クショップを開催しました.発表件数は 15 件,うち口 頭発表が 2 件でインタラクティブ発表が 7 件,パネル討 論での発表が 5 件でした.また松田英子先生(東京大学 情報学環,講演時は東京農工大学)が我々の依頼に応じ て講演してくださいました.発表者・聴講者合わせまし て約 30 名が参加しました. 身体知研究会は前身となったグループの発足以来,10 年以上活動しています.2007 年に初めて国際ワーク ショップを開催しましたが,その後しばらく国内研究会 に活動を限定していました.2015 年に国際ワークショッ プを再開し,以来 4 年連続でこの時期に学会の支援を得 て国際ワークショップを開催しています. 今回のワークショップでは,基本的な身体機能からス ポーツ,音楽まで幅広い話題を取り上げることができ, 身体知研究の広がりがわかるプログラム構成となりまし た. 基調講演をしてくださった松田英子先生は運動学習が どのような刺激により促進されるか,また異なった運動 の学習が干渉しあう条件は何かといった先進的な話題を 紹介してくださいました.今後,技能獲得支援を考えて いくうえで貴重な知見が得られました. ワークショップ運営に際しては参加者間の交流が盛ん になるよう工夫しました.例えば昼食時に軽食を用意し, 昼食時間帯でも会場にて議論を続けられるようにしまし た.通常ですと会場周辺の飲食店に移動して昼食をとる ため,1 時間から 1 時間半ほど休憩が必要となりますが, その時間を 50 分に短縮できました.さらにインタラク ティブ発表を昼食後の時間帯に設定しました.昼食時の 気楽な会話が良い影響をもたらし,研究に関して活発な 議論ができました. それほど規模が大きくない会議ですが,4 年連続で開 催しましたので,以前参加してくださった方が今回も来 てくださるなど,継続性が出てきたことはうれしい点で す.一方で同時開催している研究会間の交流がもう少し あればなお良いのではないかと思いました.昼食後のイ ンタラクティブセッションには他のワークショップ参加 者も訪れてくださり,異なった視点から貴重な意見をい ただくことができました.30 分間でもよいので複数の 研究会が時間帯を合わせてインタラクティブセッション を開催したら相互に交流でき,有益ではないかと思いま す.このような会を継続的に運営できますのも国際ワー クショップを運営してくださっている会員および事務局 の皆様のおかげと感謝しております.  SKL-2018 チェア: 藤波  努(北陸先端科学技術大学院大学) Workshop 4:Logic and Engineering of Natural

Language Semantics 15(LENLS 15)

2005年に国際ワークショップ Logic and Engineering of Natural Language Semantics(LENLS)が発足しま した.このワークショップは,自然言語の意味論・語用 論,形式哲学,論理学,人工知能,およびコンピュータ 言語学に関する議論と学際的な情報発信の場を提供する ことを目的としています.2018 年 11 月 12 ~ 14 日にか けて,JSAI-isAI 2018 において,ワークショップの現在 までの集大成となる 15 周年記念会議が開催されました が,これまで多くの研究者が研究を発表され,このワー クショップは,意味論と語用論のインタフェースの研究 で,国際的にも高く認知されてきております. 今回の LENLS 15 では,1 時間の招待講演が二つ,30 分の応募による研究発表が 22 ありました(応募講演総 数は 31 件でした).参加者数は約 50 人でした.招待講 演者は Pauline Jacobson 教授(Brown University)と Daniel Gutzmann教授(University of Cologne)で, Jacobson教授は意味論と語用論間のインタフェースの 観点から省略現象について話され,文法的競合の概念の 問題を議論されました.Gutzmann 教授は言葉の表出性 の現象について講演され,表現性豊かな形容詞の統語論 的分析を提案されました. 提出論文によって議論されたテーマは,統語論─意味 論─語用論のインタフェース,条件文の意味論,感情表 出の意味,データ型理論,表現性意味論,カテゴリー文法, 態度動詞および証拠性など多岐にわたり,さまざまな観 点からディスカッションを行うことができました.テー マが取り扱う範囲が広く,かつ深いディスカッションが 図 3 インタラクティブセッション

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できるという点が LENLS の魅力だと思っております. 全体として,今回のワークショップは,開催者,参 加者の相互にとって非常に実り多く,有意義なものでし た.意味論語用論学会で国際的な研究を進めるために, この研究方法の伝統を将来も維持していきたいと思って おります.開催にあたり,プログラムコミッティの皆さ まに,厚く御礼申し上げます.末筆ではございますが, isAI 2018を計画実施してくださいました小島一浩教授 に,深い感謝の意を表させていただきます.ありがとう ございました.

 Chair:Osamu Sawada(Mie University)

 Co-chairs:Daisuke Bekki(Ochanomizu University/   JST CREST)

Elin McCready(Aoyama Gakuin University) Koji Mineshima(Ochanomizu University/

JST CREST)

Workshop 5:3rd International Workshop on SCIentific DOCument Analysis(SCIDOCA 2018) 本ワークショップは 3 回目の開催となりました.これ までの会議に引き続き,技術文書の解析に関する論文を 募りました.生命科学や物質科学などの分野では毎月数 千本の論文が出版されており,科学技術文書を構造化し 処理する技術が求められています.本ワークショップは, 自然言語処理や情報検索の技術を用いて,肥大化する論 文の検索や論文から情報を抽出する技術を発展させるこ とを目的に開催されました. 前年と同様に,未発表のものだけでなく,すでに出版 している研究や,他で発表予定のものも幅広く受け入れ ました.論文選定の時点では,既発表・未発表の区別は 行いませんでした.昨年と同様ロングペーパとショート ペーパの 2 種類の論文を募集しました.ロングペーパ は 14 ページまで,ショートペーパは 7 ページまでとし, それぞれ 30 分(20 分発表+質疑)と 20 分(15 分+質疑) のオーラル発表の時間を割り当てました.結果として 7 件のロングペーパと 7 件のショートペーパの計 14 件を 採択しました.本ワークショップは国内外より 30 名の 参加者を集め,11 月 12 ~ 13 日の 2 日間にわたり,以 下のようなセッション構成で開催しました. ● Relation ExtractionTerms and KeywordsTable and Graph AnalysisClassification and ClusteringExtraction of Information Resources

招待講演者として,Allen Institute for Artificial Intelligence の Miles Crawford さんを招へいし,Semantic Scholar’s Document Analysis at Scaleというタイトルで講演して いただきました. 昨年度までと比較して,論文に特化した情報の特徴付 けが各研究で進捗していることがわかりました.また, 多様化する自然言語処理の技術を論文の情報抽出という 観点から一望することができ,このまとまった展望を参 加者が共有することができたと考えます.論文からの情 報抽出は,重要な新事実の普及や発見など多くの有益で 実用的な側面をもっており,このようなワークショップ を継続して開催していくことの重要性を再確認しまし た.  SCIDOCA 2018 チェア: 松本 裕治(奈良先端科学技術大学院大学), 野村 尚新(国立情報学研究所)

Workshop 6:Intelligent Data Analytics and Applications

Intelligent Data Analytics and Applications(IDAA 2018)は,2018 年に発足しました. このワークショップは,人工知能の研究や応用を行う さまざまなコミュニティの研究者ならびに実務家を今回 の公開討論の場にお迎えし,人工知能(AI)技術応用で の創意,成果,ご体験を発表していただき,参加者の皆様 と分かち合っていただく斬新なイベントです.このワー クショップでは,人工知能によるデータ分析の有用性を 示す応用を見据えた新しい知見,方法,システムや問題 解決の手立てに関する発表をスコープとして扱います. IDAA 2018では 1 回の招待講演と 8 回の 30 分間の応 募講演がありました(EasyChair の記録によれば,合 計 12 件の応募がありました).参加人数は約 20 名で した.招待講演者は Jen-Wei Huang 教授(National Cheng Kung University)で,講演は“Unknown but Interesting Social Recommendation”についての内容 で,ユーザにとって未知だが興味があるアイテムの発 見を行うアルゴリズムに関するものでした.このアル ゴリズムは,従来の類似度ベースや CF(collaborative filtering)ベースの手法における以下の二つの問題─(1) 推薦されたアイテムが極めて一般的なら,対象ユーザは すでにそのアイテムに詳しい可能性,(2)そのアイテム に詳しいユーザからの推薦では興味が沸かない可能性─ を解決するものです. 提出いただいた論文の中で議論したテーマは,画像 処理,医療技術,推薦システム,フィンテック技術など 図 4 LENLS 15 発表風景

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の問題を含みます.講演者には,理論的で実践的な自身 の研究成果を参加した皆様と共有していただくことがで き,このワークショップは予想どおりの成功を収めまし た.台湾からの参加者は,この経験を台湾に持ち帰って いただければ,台湾 AI 協会(TAAI)は,将来 JSAI と のこのような協力を支援してくれることでしょう.他の プログラム委員会の会員諸兄,論文をレビューしていた だいたレビュアーの皆様,ならびに JSAI-isAI 2018 を 準備していただいた関係者の方々に,この場をお借りし て厚く御礼申し上げます.ありがとうございました.  Co-chairs:

Chih-Chieh Hung(Tamkang University, Taiwan) Hui-Huang Hsu(Tamkang University, Taiwan) Chun-Hao Chen(Tamkang University, Taiwan)

図 1 一般講演の様子
図 5 Jen-Wei Huang 教授の招待講演

参照

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