アジア太平洋地域 の経済統合 と技術移転
中 條 安 芸 子 中 村 敏 ・ 夫
Economic Regionalism in Asian and Pacific Region and the Rela- tionship Between Technology Transfer and Human Capital
Akiko Nakajo
Toshio Nakamura
It is widely said that a rapid economic growth in Asian region now is the engine of development in the world.
The questions which we examine in this paper are •, (1) the current and future role of economic regionalism in Asia, (2) direct investment which has contributed to the growth in this region, (3) technology transfer from Japan to other Asian countries, and (4) the factors which determine technology transfer.
The recent trend of economic regionalism has offered some possibilities to change, positively or negatively, economic balance of power in the world. We consider the meaning of economic regionalism and sub-bloc
(intra-bloc) ones in Asia.
It should also be added that direct investment to and within this area has played an important role to encour- age economic development. We especially focus on "South-South cooperation (cooperation among developing countries) "or" two-step cooperation" which shows investment flow from NIEs to other Asian countries to boost economy. Some comments from the persons concerned we obtained in Indonesia, Thailand, Myanmar, and Vietnam suggest that serious problems in development process, such as lack of infrastructure, human re- source, energy supply, have occurred.
Technology transfer, mainly from Japan to other Asian countries, shows that technology gap still remains in this area. We will carefully examine what encourages technology transfer and how it leads to economic growth, finding the importance of technological opportunity and human capital.
It is obvious that technological opportunity and capacity both of which consist of human capital have a crucial role in economic success.
What our discussion makes clear is that economic growth cannot be achieved without learning process coupled with in-house R &D activity to absorb superior technology.
1.は じ め に
本 研 究 は発 展 途上 国 、 と くに ア ジ ア地 域 にお け る地 域 経 済統 合 の進 展 並 び に技 術 移転 に 関 して ま と め た もの で あ.る。 前 者 に関 して は ア ジ ア 太平 洋 経 済協 力(APEC)とASEANを 中心 に地域 協 力 の現 状 や
課 題 につ い て 触 れ た。 ま た、 技 術 移転 の主 役 で あ る 日本 の 直 接 投 資 の歴 史 的推 移 、 特 徴 を分析 し、 そ の た め の現 地 調 査 と して イ ン ドネ シ ア 、 タイ 、 ミャ ンマ ー、 ベ トナ ム4ヵ 国 を取 り上 げ て い る 。
後者 の技 術 移 転 に関 して は 、域 内技 術 格 差 の 現 状 と技 術 的 機会 、経 済 成 長 との関 連 につ い て 分析 を 試 み た。 円 高 に よ る と 日系 企 業 ア ジア進 出が ブ ー ム化 して い る トレ ン ドを踏 ま え、 発 展 途 上 国側 か ら の技 術 移転 の 重 要 性 が 指 摘 され 、 日本 の ア ジ デ経 済 発 展 へ の 貢 献並 び に南 北 問 題 の 視 点 か ら本研 究 が 行 わ れ た訳 で あ る。
2.地 域経 済 圏 の 拡 充
(1)ア ジ ア 太 平 洋 協 力(APEC)の 意 義
今 後 の世 界 経 済 で注 目 され るの は ア ジ ア地 域 の興 隆 で あ る。 現 在 の世 界 経 済 は欧 州 のEU、 北 米 の NAFrA、 そ して ア ジ ア太 平 洋 のAPEC、 さ ら にASEAN10な ど欧 米 亜 三極 経 済構 造 の 様 相 を呈 して い る。 もち ろ ん 、 これ らの リー ジ ョナ リズ ム(地 域 経 済 圏主 義)に 対 して、 ウ ル グ ア イ ・ラ ウ ン ド合 意 で 発足 したWTO(国 際 貿 易 機 構)が グ ロー バ ル エ コノ ミー分 野 の新 国際 秩 序 構 築 に お け る 中核 に位 置 づ け られ る。
円高 の 進 行 に よっ て、 日本 国 内 は産 業 空 洞 化 の 懸念 が 表面 化 す る ほ ど日系 企 業 の ア ジ ア進 出 に加 速 が つ き、高 度 経 済 成長 を続 け る 中国 や ベ トナ ム投 資 ブー ム が起 きて い る。 逆 に、 同 地 域 か ら安価 な工 業 製 品 の流 入 が価 格 破 壊 の一 因 に な っ てい る。 い ず れ に して も、 日米 欧 の ア ジ ア成 長 地 域 に対 す る関 心 は急 増 して お り、協 調 と競 争 が 隣合 っ て発 展 して い くで あ ろ う。
米 国 に と って 、 市 場 統合 で は先 駆 したEU(欧 州 連合)に 加 えて 、万 一 ア ジ アに 米 国排 除 の経 済 圏 を作 られ る こ とは 長期 的 に見 て 、世 界 市 場 の二 分 の 一 の 主 導 権 を失 うに等 しい ほ どの不 安 材 料 で あ る。 そ れ もニ ー 世 紀 に 向 け て 世 界 で最 も経 済 成 長 が期 待 され る ア ジ ア地 域 だ け に 、 な お さ ら問 題 視 した。
米 国 の ア ジ ア太 平 洋 地 域 で の ビジ ネ ス ・プ レゼ ンス維 持 の た め に も、EAEC(東 ア ジ ア経 済 会 議)構 想 は厄 介 な存 在 に映 って い た 。 ブ ッシ ュ前 政 権 以 来 、 この 地域 の 通 商経 済 権 益 の確 保 の ため に、対 米 協 調 路 線 に反 対 す る ア ジ ア ・グ ル ー プへ 米 国 は 苦 慮 して い る。
とこ ろが 、 中 国 は九 三 年 六 月 に マハ テ ィー ル首 相 の 訪 中 に 際 して 、・李鵬 首 相 がEAECへ の積 極 的 支 持 を表明 した 。 韓 国 な ど も協 力 す る 旨 を公 式 に発 表 した 。 もち ろ ん 、 日本 の協 力 支 援 が な く して は、
い か な る東 ア ジ ア経 済 圏 の構 想 も実 の あ る形 に な る まい 。 そ こで 、期 待 の大 きい 日本 と して もい つ ま で も米 国 に考 慮 して不 支持 を にお わせ てお くの は得 策 か ど うか疑 問 とい え る。 当 の米 国 政 府 もマ レー シ ア との不 仲 が 他ASEAN諸 国 との 地 域 協 力 の 足 か せ に な る と判 断 して 、APECとEAECの 共 存 を暗 に 認 め る方針 に変 更 した 。APEC強 化 に向 け て 、 米 国 の ア ジ ア戦 略 の軌 道 修 正 と もい え る経 済外 交上 の 妥 協 で もあ る 。 ク ア ラル ン プ ール の 国 際 戦 略 研 究 所 を訪 問 した 際 、研 究 員 た ち は異 口 同 音 に、 「米 国 は太平 洋 に線 を引 くよ うな排 他 的NAFrAを 作 っ てお い て 、EAECを つ ぶ そ う と して い る」と反 論 す る。
地 域 経 済 統 合 に程 遠 い ア ジ アの 新 地域 フ ォー ラ ムの 結 成 に真 っ 向 か ら反 発 す る米 国 にASEAN側 の不 信 感 が 募 る。 な お 、 ア ジ ア諸 国 とEU首 脳 が集 ま るASEMはEAECメ ンバ ー 国が 受 皿 だ 。
もち ろん 、 米 国 のAPEC強 化 に よる ア ジ ア太 平 洋 共 同体 の構 想 に とっ て、EAEC構 想 の存 在 が ネ ック と なる の は将 来 も変 わ ら ない 。 ク リ ン トン米 大 統 領 は93年7月 の東 京 サ ミッ ト来 日時 の演 説 で 、 「ア ジ ア太 平 洋 の 貿 易 は世 界 に対 して 開 か れ るべ き で あ る」と力 説 して 、 米 国 抜 きの ア ジ ア 地域 の 経 済 圏 構 想 に反 対 を表 明 した 。
米 国 とASEAN及 びNIES側 との 温 度 差 が 明確 にな っ た 点が2つ あ る。 同 床 異 夢 の"コ ミ ュニ テ ィ ・デ ザ イ ン"か ら生 じて い る 。 米 政府 はで きる だ け早 急 に経 済 共 同体 を構 築 す る狙 い を持 っで い た 。 つ ま り、貿 易 自 由化 、市 場 開放 を推 進 し、NAFrAを 拡 大 す る受 け皿 と して の「太 平 洋 経 済共 同体 」構 想 で あ る 。一 方 のASEAN側 は緩 や か な フ ォー ラム を考 え てお り、 一 時 は意 思 対 立 が表 面 化 した が 、米 国側 の 早期 論 の撤 回 で一 応 収 ま った 。95年11月 の 大 阪 総会 で は2010年 に向 け ての 同 地域 の貿 易 、 投 資 の 自 由 化 ス ケ ジ ュ ー ル が話 題 に な っ た。 米 国 の ク リ ン トン大 統 領 は 国 内事 情 で 欠 席 した が 、非 公 式 首 脳 会 議 で は加 盟18ヶ 国 ・地 域 の首 脳 が 一 堂 に集 い 、前 回 の 「ボ ゴー ル 宣 言」の 実 現 に向 け て大 変 有 意 義 な会 合 で あ っ た。
今 後 は、 加 盟 国 を ど こ まで 広 げ るの か 、 ア ジ ア太 平 洋 地 域 の 二 大 国 一米 中 を ど うバ ラ ン スす る か、
96年ll月 マ ニ ラ総 会 で の個 別 品 目の 自 由化 交渉 、rrA協 定 な ど課 題 は 多 い。 なお 、APECの 歩 み は下 の 表2‑1に ま と め て あ る 。 ア ジ ア 主 要 国 の 経 済 及 び輸 出 成 長 率 は表2‑2に 示Lて あ る。
表2‑1APECの 歩 み
年 月 一 重 要事 項 参加 国等
1989 1 ホ ー ク豪 首相(当 時)が ア ジ ア太 平 洋 地域 の 議 シ ス テ ム創 設 を提 唱
11 第1回 閣 僚 会 議 開 催(キ ャ ンベ ラ) オ ー ス トラ リ ア 、ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド、マ レ ー シ ア 、タ イ 、イ ン ドネ シ ア 、フ ィ リ ピ ン 、ブ ル ネ イ 、シ ン ガ ポ ー ル 、米 国 、カ ナ ダ 、韓 国 、日 本 の12か 国
1990 7 第2回 閣 僚 会 議 開 催(シ ンガ ポ ー ル)
1991 11 第3回 閣 僚 会 議 開 催(ソ ウ ル) 中 国 、香 港 、チ ャ イ ニ ー ズ ・タ イ ペ イ(台
「ソ ウル 宣 言 」を採 択 湾 〉参 加(91年)
1992 9 第4回 閣 僚 会 議 開催(バ ン コク)
事 務 局 、APEC基 金 、賢 人 会 議 の創 設 を合 意
1993 11 第5回 閣 僚 会 議 開催(シ ア トル) ・メ キ シ コ、パ プ ア ・ニ ュ ー ギ ニ ア 参 加 ・
第1回非公式首脳会議 開催
「APEC首 脳 の 経 済 展 望 に関 す る声 明」を発 表r
㌔ 貿 易 投 資 委 員 会 、パ シ フ ィ ッ ク ・ビ ジ ネ ス ・ フ ォー ラ ムの 設 置 を 決定
1994 11 第6回 閣 僚 会 議 開催(ジ ャ カル タ) チ リ参 加(94年) 第2回非公式首脳会 議開催引
「APEC経 済 首 脳 の共 通 の 決 意 の宣 言 」(ボゴ ー ル宣言)を採択
経済委員会 の設置 を決定
1995 11 第7回閣僚会議 開催(大阪) 第3回非公式 首脳 会議開催
「APEC経 済 首 脳 の硬 度 を 宣言 」を採 択
「行動指針」を採択
APECビ ジ ネス 諮 問委 員会 の 設 置 を決 定 齒
1996 11 第8回 閣僚 会 議 ・第4回 非 公 式 首脳 会 議(マ ニ ラ) 96年 末 で新 規 加 盟 凍 結 期 間 終 了 、ロ シ
開催 ア ・イ ン ド等 参 加 意 志 表示 が あ る
以 後97年 カ ナ ダ 、98年 マ レ ー シ ア 、99年 ニ ュ ー ・ ジ ー ラ ン ドにて 閣 僚 会 議 開 催 予 定
(資料)通商 産業省
表2‑2ア ジア 主 要 国 の経 済 及 び輸 出 成 長 率
91‑95年 平 均 96年GDP 91‑95年 輸出平均 96年 輸 出
ホ ン コ ン 5.5 4.9 14.8 10.6
韓 国 7.5 6.8 13.1 11
シ ン ガ ポ ー ル 8.6 8.3 16.2 10.1
台 湾 6.7 5.1 56.4 7.3
イ ン ドネ シ ア 8.5 6.8 12.6 11.2
マ レ ー シ ァ 8.5 8.5 13.5 11.3
フ ィ リ ピ ン 8.5 8.5 14.6 12.8
中 国 11.8 9.6 17.4 7.2
(出 所)DRI/マ グ ロ ー ヒ ル
(2)ア ジ ア の サ ブ地 域 経 済 圏 の役 割
ア ジ ア太平 洋 地域 の 地域 経 済組 織 の 中心 は 「ASEAN」 で あ る。 また 、EAEC構 想 も今 後 重 要 な組 織 に な る可 能 性 は残 され て い る。ASEANの 将 来課 題 は、 通貨 、金 融 、 貿易 の 自由化 、 地域 統 合 、 並 び に格 差 の是 正(1人 当 た りの 国 民 所 得 は最 高 の シ ンガ ポ ール と最低 の カ ンボ ジ ア で100倍 の差)な どが 焦 点 で
あ る 。
そ れ ら以外 で公 式 、非 公 式 に サ ブ地 域 経 済 圏 と して 浮 上 して きた主 要 な組 織 ない し構 想 を紹 介 した い。 今 後 の ア ジ ア地 域 の リー ジ ョナ リズ ム の展 開 と 日米 の 関係 を理 解 す る上 で の ヒ ン トに な ろ う。
まず 、ASEANが 尽 力 して創 設 したAFrA(ASEAN自 由 貿易 地域)の 存 在 に注 目が集 ま る。 域 内 分 業体 制 を 目指 す 多 国籍 企 業 に と っ て、 促 進 剤 の役 目を持 つ 。主 た る貿 易 自由 化 の 方 式 は「CEPT」で 略 され る共 通 効 果特 恵 関税 制 度 に基 づ く もの。93年1月 か ら15年 間 に全 工 業 製 品 の域 内 関税 を5%以 内 に引 き 下 げ る プ ロ グ ラム で あ る。 自動 車 部 品 な ど関 税 引 下 げ の具 体 的 ス ケ ジ ュ ー ルが 決 定 され て い な い業 種
も存 在 し、 今 後 の詰 め が期 待 され る 。 い ず れ に して も、AFrAの 発 展 が 東 南 ア ジ ア の地 域 内分 業 体 制 を促 進 し、 成 長 セ ン ター の 役 割 を加 速 す る こ とは 間違 い ない 。
次 に、 エ マ ー ジ ング市 場 の代 表 、 中 国 を座 標 軸 とす るサ ブ経 済 圏が 「華 南 経 済 圏」で 、非 公 式 な名 称 なが ら最 も注 目 され る華 僑 ・華 人 圏 とい え よ う。 地理 的 に は 中 国南 部 沿 海 地 域 の福 建 省 、広 東 省 に ホ ン コ ン、 台 湾 が 経 済 圏 の一 員 に な る。 発 展 の バ ロ メ ー タ は97年 の ホ ン コ ンの 中 国 返 還 後 の役 割 で あ る。 英 中 間 に返 還 後 を め ぐる ギ ク シ ャ ク した 関係 が生 じてお り、 そ の 修 復 が どの よ うに可 能 な の か最 大 の 関心 事 項 に な っ て い る。 この 地 域 は80年 代 か らの 開放 政 策 や 外 資 導 入 政 策 の加 速 、 台 湾 や 東 南 ア ジ ア華 僑 の対 中接 近 な どが 折 り重 な って対 中投 資 ブ ー ムが 起 きて い る。 特 に、福 建 省 一台 湾 、 広 東 省 一 ホ ンコ ン な どをパ ー トナ ー と した投 資、貿 易 両 分 野 の拡 大 店 舗 は驚 異 的 で あ る 。 ま た、 中 国沿 海 開 放 都 市 並 び に経 済 特 別 区 に外 資 導 入 が進 み 、景 気 過 熱 、 イ ン フ レが 懸念 され る 。一 方 、 内陸 部 、 農 村 部 との所 得 格 差 も深 刻 で、 さ らに郡 少 平 後 の 中 央 集 権 体 制 の維 持 も重 大 関 心 事 とい え る。
ASEAN諸 国 が 前 述 のAFrAを 急 き ょ創 設 しよ う と走 った 原 因 の 一 つ が 、 申 国 の急 速 な工 業 化 に焦 り を感 じた こ と に他 な ら ない 。 台湾 は外 貨 準 備 高 が 世 界 トッ プ圏 に ラ ンク され る。 一 人 当 た り名 目GNP も1万 ドル 強 と高 く、 ガ ッ トの オ ブ ザ ー バ ー加 盟 を果 た して い る。 エ レク トロ ニ ク ス産 業 を は じめ 台 湾 経 済 の 世 界 経 済 へ の 影 響 力 は軽 視 で きな い 。
ASEANと の 関係 強化 が著 しい イ ン ドシナ地 域 で も地 域 協 力 の動 きが 出 て い る。 そ の代 表 例 が 「バ ー ッ経 済 圏」と呼 ば れ る もの で 、 別 名 「イ ン ドシ ナ経 済 圏 」と も言 う。 対 象 国 は提 唱 国 の タイ を軸 に ラオ
ス 、 内 戦終 結 の カ ン ボ ジ ア、 ドイモ イ(刷 新)を 旗 印 に経 済 計 画 を遂 行 す るベ トナ ム 、民 政 移 行 が課 題 の ミ ャ ンマ ー の5ヶ 国 で あ る 。 この 構 想 は88年 に チ ャイ チ ャ イ ・タ イ首 相 が提 唱 した イ ン ドシ ナ諸 国 との 関 係 強化 構 想 をベ ース に名 付 け た もの 。 バ ー ツ は もち ろ ん タイ の通 貨 で 経 済優 等 生 の タイ の経 済 界 が この 地域 との経 済 交 流 を 目指 して い る。 イ ン ドシナ 地 域 で は公 式 な経 済 開 発 組 織 が古 くか ら依存 して い た。57年 に タイ 、 ベ トナ ム 、 ラ オス 、 カ ンボ ジ ア4ヶ 国 が結 成 したfメ コ ン委 員 会 」が そ れ で あ る。 出発 点 は メ コ ン河 の水 資 源 開発 を柱 とす る総 合 地 域 開発 計 画 の 受 皿機 関 と しての 創 設 で あ った 。 78年 に は タ イ、 ラ オス 、 ベ トナ ム 三 ヶ国 が暫 定 メ コ ン委 員 会 を設 立 して 活動 を再 開 した。 しか し、 カ ン ボ ジ ア はそ の後 内 戦 に見 舞 わ れ た 。 また 、 タ イ とベ トナ ム との 関係 もそ の 間疎 遠 で あ り、 結 局 休 眠 状 態 で あ った 。現 在 は カ ン ボ ジ ア に新 政 府 が 樹 立 され 、投 資 ブ ー ム に湧 くベ トナ ム もASEANへ の正 式 加 盟 が 昨 年 夏 に実 現 した。 イ ン ドシナ 総合 開 発 の際 出発 は 間 近 とい え よう。 前 述 の 「バ ー ッ経 済 圏」と
「メ コ ン委 員 会 」は コ イ ンの 表 裏 の よ う な相 互 関 係 を持 つ 。
こ の ア ジ アが 今 後 の 日米 欧 先 進 国 に とっ て ます ます重 要 な地域 に な る根 拠 は枚 挙 にい とまが な い。
従 来 の原 材 料 の供 給 基 地 の み な らず 先 進 国 労 働 コス トの 高 等 並 び に 円高 に起 因す る生 産拠 点 の移 転 先 、 産業 再 配 置 先 と して 必要 不 可 欠 な地域 に な って い る。NAFrA施 行後 の メキ シ コ と対 米 貿易 構 造 が 類 似 し、 ライ バ ル 関係 に あ る こ と も確 か だ。 さ らに 、 ポス ト中 国の 主役 イ ン ドを含 め 地 球 人 口 の 半分 を 占め る巨 大 な潜在 マ ー ケ ッ トが成 長 発 展 を な し遂 げ て、 工 業 製 品 の 一 大消 費 市 場 と して必 要 な役 割 を演 じて い く。
い ず れ に して も、 日本 に とっ て ア ジ ア との 連 帯 は単 な る市 場 拡 大 で は な く、"垂 直"か ら"水平"統 合 型 相 互 依 存 関 係 と して も増 々重 要 にな ろ う。
しか し、 懸 念 され るの は ア ジ ア の エ ネ ル ギ ー 受 容 のバ ラ ンス が崩 れ るの が 時 間 の 問題 とい う こ とで あ る 。東 南 ア ジ ア、 中国 の 工 業 化 に よ る旺 盛 なエ ネル ギ ー 需 要 に よっ て2005年 に は 台湾 、韓 国 、 中国 で の エ ネ ル ギ ー危 機 は表 面 化 す る。 日本 で も2010年 位 に は同 じリス ク が待 ち構 え て い る 。 産油 国 の 中 国 が石 油 輸 入 国 に な っ た ご と く、 産 油 国 イ ン ドネ シ アで も原 子 力発 電建 設 が 大 規 模 プ ロ ジ ェ ク トに浮 上 して い る。 ア ジ ア の繁 栄 を支 え て きた 豊 富 な エ ネ ル ギ ー資 源 の供 給 不 足 が 深刻 に な る前 にAPECを は じめ地 域 的 な対 策 が 迫 られ て い る。
3.直 接 投 資
(1)円 高 要 因
ア ジ ア諸 国 の繁 栄 ・発 展 要 因 は、貿 易 ・投 資 の 自由化 に よ る開放 政 策 一投 資 受 入 れ環 境 整 備 一 の役 割 が大 きい 。 特 に 、外 資 導 入 に よる直 接 投 資 拡 大 が 推 進 され た 。投 資 受 入 れ先 は 雁 行 形態 を な し、特 異 な投 資 シ フ トを立 証 して い る。 まず 、 日本 側 の行 動 を整 理 す る と、1985年 の プ ラザ 合 意 に よる 円高 が 日本 企 業 を アジ ア進 出 を促 した 。 日本 か らの 直接 投 資 規 模 は進 出 規模 で計 測 す れ ば 、 アジ ア 地域 が 1995年 末 まで7643社 、 米 国 が3752社 と米 国 を大 幅 に上 回 る 。 す で に、 日本 の対 ア ジ ア輸 出 は対 米 輸 出 を超 え てい る。 そ れ も、 従 来 の 資 本財 輸 出 が 部 品/中 間財 輸 出 に主 力 が 移行 し、 さ らに部 品 の 現 地 生 産 化 が 進 んで い る。 その 結 果 、 域 内 分 業 化 が 活 発 とな り、 自力 成 長 力 をつ けて い る。 そ の潮 流 は対 日 輸 出競 争 力 の 向上(開 発 輸 入)に リ ン クす る。
こ う して み る と、 日本 企 業 の対 ア ジ ア投 資 拡 大期 サ イ ク ル は次 の3期 に 区分 で きる。 第1期 が1973年 の変 動 為 替 相 場 移 行 、第2期 が1985年 プ ラ ザ合 意 に よる 円 高 、 第3が100円 前 後 の 円高 時 代 で あ る。 現
在 ア ジ ア で は 分 業体 制 一互 換 ネ ッ トワ ー ク型 進 出 が 成 され て い る。 次 頁 表3‑1に 日本 の 国別 対 外 直 接 投 資 の推 移 を ま とめ て あ る 。投 資 件 数 の ア ジ ア地 域 の急 増 は比 較 的 中小 企 業 が 多 い 点 を示 して い る。
一 方、 外 資 受 入 れ は1vlES‑ASEAN4の うち タ イ、 マ レー シア か らイ ン ドネ シ ア、 フ ィ リ ピ ンー さ ら に 、 中 国 一 ベ トナ ム ー ミャ ンマ ー、 と労 働 コス トの上 昇 に伴 っ て シ フ ト して い る トレ ン ドが 理 解 で き る。 外 国直 接 投 資 は マ レー シ ア、 中国 は比 較 的依 存 度 が 高 い。 他 国 は国 内投 資 全 体 比 で は高 くな い。
外 国 直接 投 資 の 効 果 は、 需 要 面 で は 、 第1に 短期 的効 果 は投 資 の拡 大 、 第2に 開発 輸 入 の 場 合 は輸 出 増 大 効 果 が 挙 げ られ る。 供 給 面 で は、 第1に 、 外 国 の優 れ た技 術 並 び に被 投 資 国 の 資源 の組 合 せ 一生 産 向 上 一新 た な比 較 優 位 の 創 出、 第2に 、 投 資 国 の経 営 資 源 や技 術 移 転 を通 じた被 投 資 国 の技 術 水 準 の 向 上 一 日本 の 部 品 輸 入 に よ る現 地 地 場 企 業 の ウ エ イ ト上昇 。 第2に 、 貿 易 ・産業 構 造 の 高 度 化 に よ る輸 出拡 大 、 第3に 、生 産性 の 向 上 、 が 挙 げ られ る。 逆 に 、投 資 誘 致 の 阻害 要 因 は イ ン フラ 未 整 備 で あ り、 フ ィ リ ピ ンの 場 合 、:一 深 刻 な 電 力危 機 に陥 り、 外 国投 資 め停 滞 を招 い た 。
(2)南 南 協 力 と 日本
ア ジ ア の 世 界GDPシ ェ ア は 上 昇 し、1988年 東 ア ジ ア5.5%が1993年6.5%に 、 日 本 が そ れ ぞ れ16 .6%、
18%と 上 昇 し て い る 。 ア ジ ア の 投 資 需 要 は1995‑2004年(10年 間)の ア ジ ア 発 展 途 上 国 全 体 で1.3‑1.5 兆 ドル の 新 規 を 必 要 と す る 。
ま た 、 世 界 銀 行 報 告 書 「東 ア ジ ア の 奇 蹟 」で は 、 申 国 、 台 湾 、 香 港 を 含 む 「中 華 経 済 地 域 」の 市 場 規 模 を 購 買 力 平 価 レ ー トで 計 測 す る と、2002年 に 日 本 を抜 き 、 米 国 と 同 水 準 とい う 。 しか し 、 ク ル ー グ マ ン(1994)は 「ア ジ ア 諸 国 の 成 長 は ほ と ん ど資 本 、 労 働 と い う 生 産 要 素 投 入 の 増 大 だ け で 説 明 が つ き 、 技 術 進 歩 な ど を 示 す 全 要 素 生 産 性(TotalFactorProduction)の 寄 与 が 低 い 」と 問 題 提 起 す る 。
も う 一 つ の 特 徴 はNIES諸 国 に よ る ア ジ ア 他 地 域 へ の 投 資 増 加 潮 流 で あ る 。 「南 南 協 力 」と か 先 進 国 一 中 進 工 業 国 経 由 の 「ツ ー ス テ ッ プ 協 力 」と も称 さ れ 、 先 進 国 と並 び 重 要 な 担 い 手 に な っ て い る 。 イ ン ド ネ シ ア 経 済 開 発 で は 日 本 のODAと タ イ 、 フ ィ リ ピ ン な ど が 資 金 と 人 的 資 源 で 協 力 す る 。 例 え ば 、 ベ ト ナ ム の 場 合 、1988‑95年 に170億 ドル の 投 資 を 受 け 入 れ た が 、 そ の 国 別 順 位 は 、1位 台 湾(シ ェ ア17.9
%)、2位 日 本(11%)、3位 香 港(9.2%)、4位 シ ン ガ ポ ー ル(8.5%〉 、5位 韓 国(8%)と 日 本 以 外 は ア ジ ァ 域 内 新 興 工 業 国 で あ っ た 。 ま た 、 ミ ャ ン マ ー の 場 合 、1995年 末 の 累 積 承 認 ベ ー ス は31億 ドル に の ぼ る 。 投 資 国 順 位 は1位 英 国(シ ェ ア20.9%)、2位 シ ン ガ ポ ー ル(19.6%)、3位 フ ラ ン ス(15.1%)、4位 タ イ (14.4%)、5位 米 国(7.8%)、6位 マ レー シ ア(714%)と な っ て お り、 日 本 が 入 っ て い な い 。 な お 、 韓 国 、 台 湾 の 地 域 別 の 対 外 直 接 投 資 額 の 推 移 は 次 頁 表3‑1の 通 りで あ る 。 韓 国 は 東 南 ア ジ ア 、 台 湾 は 米 国 の 比 重 が 極 め て 高 い 。
所 得 水 準 の 上 昇 と耐 久 消 費 財 の 普 及 に も相 関 関 係 が 見 ら れ る 。 所 得 が 一 定 段 階 を 超 え る と 消 費 が 爆 発 的 に拡 大 す る 。 そ の 好 例 が モ ー タ リ ゼ ー シ ョ ン に よ る 自 動 車 産 業 の 興 隆 で あ る 。 現 在ASEANの 需 要 の8割 を 日本 メ ー カ ー が 供 給 して い る 。
表3‑1日 本 の 国 別 対 外 直 接 投 資 の推 移
国 ・地 域 1993年 度 1994年 度 1995年 度
件 数 金 額 件 数 金 額 件 数 金 額
北 米 953 17,591 534 18;525 551 22,394
欧 州 .・. 9.204 221 6,525 260 8.281
中 国 goo 1,954 636 2,683 770 4,319
イ ン ド 5 39 17 101 23 125
趁 塑 互 ヱ蓮 辻̲二̲
一 一一一 ̲̲:̲̲̲二̲̲=̲̲̲̲ 一イ ン ドネ シ ア 115 952 116 ...!. 168 1,548
一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一̲
タ イ 127 ・:! 126 740 147 1;196
一 一 一 一 一 一一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一̲
シ ン ガ ポ ー ル 97 735 69 1,101 94 1,143
一 一 一 一 一 一一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一̲
香 港 184 1:,447 112 1,179 119 1;106
一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一
ブ イ リ ピ ン 56 236 75 683 100 692
一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一̲̲
マ レ ー シ ア ㌧ 92 892 51 772 57 555
一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一̲
台 湾 41 343 39 292 52 430
一 一 一 一 一 一 一 一 一 一̲̲ 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一
韓 国 34 289 27 420 25 433
一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一̲̲
そ の他 22 105 22 290 74 365
中南 米 327 ... 303 5;499 300 3,741
ア フ リ カ 52 630 35 :ee 37 367
中近 東 16 251 12 1: 3 148
大洋 州 168 2;275 68 1,507 83 2,716
合 計 e 41,514 2,478 .i. 2;863 49,568
(資料)大蔵省 国際金 融局国際資本課
表3‑2韓 国 ・台 湾 の地 域 別 の 対 外 直 接 投 資 額 の 推 移 (百万 ドル)
年 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94
韓 国 東 南 ア ジ ア 18 7 132 45 130 300 431 519 .・ 1,092
申 央 ア ジ ア 10 80 71 41 32 40 59 75 86 38
北 米 30 81 189 99 283 435 463 392 396 573
中南米 3 3 4 14 55 36 42 36 44 49
欧州 39 6 7 19 20 95 9Z 144 190 456
ア フ リ カ 0 0 1 1 8 27 18 29 31 116
オ セ ア ニ ア 16 8 6 3 42 26 20 23 35 22
合 計 1.16 184 411 224 570 959 1,125 1,21& 1,256 2,347
台湾 ア ジ ア 4 8 21 69 296 603 930 370 664 559
米 州 36 47 80 130 624 839 659 449 740 988
欧州 1 0 0 12 2 96 60 46 256 22
ア フ リ カ 0 1 1 1 8 13 5 17 0 19
大 洋州 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
合 計 41 57 103 219 931 1,552 1,656 .. 1,661 1,617 (資 料)皿ieBankofKorea「OverseasDirectInvestmentStatisticsYearbook」
台 湾 「華 僑 及 外 国 人 投 資 ・技 術 合 作 統 計 月 報 」
4.現 地 調 査 の 結 果
日本 の 直接 投 資 並 び に経 済協 力 の現 状 と受 入 れ国 側 の対 日意識 、課 題 を理 解 す るた め に、 イ ン ドネ シ ア 、 タイ 、 ミャ ンマ ー、 ベ トナ ム4ヶ 国 を訪 問 し、 関 係 者 に ヒ ア リン グ して み た。 以下 は そ の要 旨 を ま とめ た も の で 、 日本 の協 力 に肯 定 的 な コ メ ン トが 多 い の が特 徴 で あ る 。
イ ン ドネ シア
外 務 省 ヤ ス ベ ル ・ジ ャ ミー ル次 長
● 日本 は大 変 重 要 な ア ジ ア に於 け るパ ー トナ ーで あ る。 今 後 は経 済 だ け で な く、 政 治 、安 全 保 障 面 で も大 事 な 国 に な るで あろ う。 日本 一 イ ン ドネ シア の相 互 依 存 関係 は ます ます 重 要 にな る と考 え て い る。 ま た 、 そ れ だ けの 便 益 、 相 互 が あ る と思 う。
● これ か らは地 理 的 な問 題 、 日本 一 イ ン ドネ シ アの2国 間 関係 にお い て は 、 主 た る 問題 は な い もの と考 えて い る。 そ の意 味で は、 日本 一 イ ン ドネ シ アが今 後 検 討 す るの は 、 地域 、 地 域外 の 問題 を どう評価 して い くか で あ ろ う。 そ の 前 に 、 日本 の貢 献 とい う もの は今 まで は経 済 協 力 とい う資 金 面 の 内 容 で あ って 、 また そ れ 自体 は プロ ジ ェ ク トも成功 して い る。 しか し、今 後 は科 学 技術 、環 境 、 社 会 問 題 、 文 化 とい っ た面 で も協 力 して ほ しい 。 た また ま、 昨 年 建 国50周 年 の大 きな行事 が あ り、 日本 は文 化 セ ンタ ー の 設 立等 に対 して 大 変 経 済 面 で も協 力 して くれ た 。
● 日本 の 海外 経 済協 力基 金 の20%の 資 金 が イ ン ドネシ ア に まわ って い る点 も我 々 は理解 して い る。
● パ リの 国 際 イ ン ドネ シ ア援 助 会 議 にお け る 日本 の 貢 献 も十 分 認 め て い る。
● また 日本 は投 資 に関 して も イ ン ドネ シ アの 第 一位 で あ り、95年12月 まで の 累計 で271億 ドル とい う非 常 に大 きな金 額 にな って い る。
● また そ れ に関 して は、 輸 出 面 で は 日本 へ の輸 出が 、石 油 ガス 等 エ ネル ギ ー部 門 に特 化 して しま っ て い る。 そ の金 額 のパ ーセ ン トも85%と 非 常 に高 い もの で あ っ て、 非石 油 ガ ス関 係 の 対 日輸 出 を 増 や した い 。
● しか しなが ら、 なか な か 日本 の国 内事 情 もあ り、 農 業 ・水 産物 等 の対 日輸 出 は高 い関 税 に阻 まれ て十 分 な効 果 を得 て い ない 。 そ うい う意 味 で は、 石 油 ガ ス 以外 の貿 易 イ ンバ ラ ンス とい う もの は 過 去5年 間非 常 に大 きい とい う こ と を 日本 側 も理 解 して ほ しい 。
イ ン ドネ シ ア大 学 日本 研 究 セ ン タ ー ヘ ル ー ・ク チ ャ ン ロ ・ヤ クテ ィー 所 長
● 日本 のODAに 対 す る 評価 を行 う にあ た り、NGOを 導 入 す る こ とが好 ま しい と思 う。 ま た、 日本 か らイ ン ドネ シ ア に対 す 経 済 協 力 で 、 中小 企 業 の技 術 移 転 の 問題 を重視 して い る。
● イ ン ドネ シ ア と 日本 の外 交 を含 め た 地域 問題 に 関 して は、APECの 成 功 が94年 の ボ ゴ ー ル宣 言 ま で は 求 心 力 を持 っ て い た が 、 そ の 後 大 阪 を含 め てAPECそ の もの に求 心 力 が あ る よ う に思 え な い 。 つ ま り、 農 業 問題 や 他 の 問 題 で 自 由化 の構 想 が 後 退 して い る。
● 日本 イ ン ドネ シ ア 関係 に関 して は 、 もっ と日本 政府 が大 学 同士 の協 力 関係 を確 立 す る こ とに重 点 をお い て欲 しい し、NGOの 存 在 を十分 理解 して 戴 きた い。
タ イ
外 務 省 東 ア ジ ア局 ノ ラ チ ッ ト次 長
● 日本 と タイ の2国 間 関 係 は 問 題 ない 。
● 問 題 ない とい う 日本 とタ イの 関係 に お い て、 経 済 ・通 商 問 題 で は、 ど う して も貿 易 赤 字 が大 きす ぎ る。 タイ の貿 易 赤 字 の96%は 日本 が 占 め て い る。40年 間 ず っ とタ イ側 の 一方 的 な赤 字 で あ る 。 総 額 も年 々増 え て い る とい う点 は重 要 な 問題 とは言 える 。 た だ、 日本 は貿易 全 体 か ら見 て も、平 均 して タイ が輸 出 す る貿 易 額30〜40%を 占め る非 常 に重 要 な 国 で あ る 。
● 日本 が タイ に輸 出 してい る品 目 も、必 需 品 が多 く効 用 化 の為 に必 要 な もの も多 いの で 、 そ れ 自体 を減 らす わ け には い か ない 。 逆 に 日本 に対 す る輸 出 は農産 物 が圧 倒 的 に多 い 。米 とか 果物 等 で あ る。水 産 物 も多 い 。最 近 や っ と工 業 製 品 の 中 の部 品 が 日本 に輸 出 され る よ うに な った が 、数 量 的 に は非 常 に少 な い 。 日本 とタ イの 問 に は 、 日本 タ イ経 済合 同委 員 会 とい う ものが あ って 、政 府 間 レベ ル の協 議 を して 、 そ の点 につ い て は 毎 回 タ イ側 が 指 摘 してい る。
● 特 に これ か ら予 定 して い るの は、 タイ の輸 出 に対 す る 日本 側 の基 準 、 水 準 が非 常 に高 す ぎる とい う こ と。例 え ば、 衛 生 面 に 関 して は、 病 気 の免 疫 問 題 や 、 生 鮮 食 品 に関 して の検 査 が厳 しす ぎ る。 海 老 とか 豚 肉 に 関 して は 、 例 え ば料 理 して 、 生 で な い形 で輸 出 す る よ う に とい う指 導 もあ る。 そ うい う事 を含 め た 日本 政 府 の基 準 認証 衛:生問 題 の シ ス テ ム とい うの は非 常 に厳 しい と我 々 は考 え て い る。
● 投 資 に関 して は円 高 が進 んで い るの で 、 タイ に対 す る企 業 進 出 が非 常 に最 近増 え てい る。 そ の反 面 、 か な りの企 業 進 出 の為 に、 タイ側 の熟 練 労 働 力 が 必 要 で あ る とい う点 が指 摘 され る。 タイ と
して は東 南 ア ジア の 中心 とい うハ ブ とい う考 え方 を持 って い る の で、 今 後 日本 企 業 が タイ を 中心 にASEANで の 活 躍 をす る こ とを期 待 した い 。
● ミャ ンマ ー に関 して は、 今 後 タ イ を活 用 して ミ ャ ンマ ーへ の経 済 協 力 、 技術 協 力 を考 え て い くの も一 案 で あ る。 タイ は ミャ ンマ ー の経 済 ・文 化 につ い て 日本 よ りは るか に詳 し く知 って い る。 ま た 、 軍 事 政権 の ミ ャ ンマ ー に 日本 が直 接 援 助 し難 い とい う こ と も知 っ てい る。 タ イ を利 用 す る と い う こ とも一 つ の 考 え方 であ る。 また 、 タイ と ミャ ンマ ー は 国境 を接 して い る ので 、 国 内 問題 的
な扱 い もあ る。
●EAEC構 想 に 関 して は 、 決 して 反 欧 米 的 な動 き と位 置 づ け る こ とは な い だ ろ う。EAECが 保 護 主 義 に な る とい う こ と もな い と思 う。 マ レ ー シ ア が 発 想 した こ とだが 、 い ず れ オ ー ス トラ リ ア、
ニ ュー ジー ラ ン ドも これ に参 加 す る こ と を考 え れ ば、 別 に ア ジ ア人 対 白人 的 な要 素 で は な い と思 う。 しか も、 これ か らASEANに イ ン ドシ ナ3ヵ 国が 加 盟 してい け ば、EAECよ り もア セ ア ン とい う考 え方 が 中 心 に な っ て い くの で は な い か と思 う。
● 今 後21世 紀 にか け て のASEANの 将 来 像 で あ る が 、 ま だ経 済面 で は競 争 関係 とい う澗 題 が あ る に して も、 や は り大 きな問 題 は領 土 問題 が 各 国 の 間で あ る とい うこ とで あ ろ う。民 族 紛 争 そ の もの はか な り少 な くな って い く と思 う。 また 地域 協 力 と して 、 シ ンガ ポ ー ルか ら中 国へ 向 け て のハ イ ウ ェイ 建 設 とか 、或 い は鉄 道 建 設 とい う よ うな地 域 協 力 とい う ものが 今 後 重要 な プ ロジ ェ ク トと な って い くだ ろ う。 また、 エ ネル ギ ー資 源 の確 保 とい う問 題 も今 後 とも重 要 な課 題 として残 る。
そ うい う意 味 でASEANの21世 紀 へ の 方 向 性 とい うの は、 経 済 、政 治 、外 交 面 に お い て色 々 な課 題 はあ る と思 うが 、 それ が 克 服 出来 な い 問 題 で は ない と思 う。
NTTバ ン コ ク駐 在 員
● 日本 勢 はNTTを 柱 に タイ通 信 市 場 に幅 広 く参 入 して い る。NTTはTr&T社 に約20%、 金 額 に して 1400万 ドル を出 資 し、1993年10月 か ら電 話 サ ー ビス を 開始 した 。具 体 的 に は、バ ン コ ク を除 く地 方150万 回線 の電 話 増 設 事 業 にTT&Tの 戦 略 的パ ー トナ ー と して参 画 した 。 つ ま り、 技 術 面 、 運
用 面 で の協 力 、 指 導 、 さ らに役 員2名 を派 遣 して 経 営 に タ ッチ して い る 。1994年5月 に は タイ証 券 市 場 に上 場 した ほ どの 成 功 を収 め た 。前 述 の 増 設 事 業 とは、5年 間 の建 設 期 間 に よるBTO(ビ ル ド ・トラ ンス フ ァ ー ・オペ レー シ ョン)方 式 で実 施 され、 完 了 後 に タ イ電 話 公社 へ 資 産 を移 転 す る契 約 で あ る。 この 増 設 事 業 は他 にテ レ コム ・ア ジ ア社 が バ ン コ ク市 内電 話 回線260万 回線 の 建 設 、 タイ電 話 公 社 が 残 りの全 国地 域 で80万 回線 建 設 を請 負 って い る。 ち なみ に、電 話 普 及 率 はバ ン コ クが 百 人 中27人 、 タイ 国 内 平 均 が 百 人 中6人 とな って い る。
日本 が誇 るPHSの 新 規参 入 も当地 で は話 題 を まい て い る。 チ ャバ リ ッ ト副 首相 直 々の 呼 びか けで 事 業 社 間 の 妥 協 が 成 立 した。 そ の結 果 、4月 に入 って 、 タ イ電 話 公 社 はPHS新 事 業 の展 開 を原 則 的 に認 め た 。 固定 電 話 事 業 者 のTT&T及 び テ レ コム ・ア ジ ア2社 の 申請 に対 し、 「PHSは 固 定 電 話 の付 加 サ ー ビス 」と解 釈 して の 認 可 で あ る。
ミ ャ ンマ ー
経 済 大 学 ウ ・マ ウ ・サ ン学 長
●88年 ソ連 が崩 壊 した こ とに ミャ ンマ ー も影響 を受 け て、 軍 の ク ー デ タが あ って 、世 界 状 況 の 変 化 の 中で 、 市 場 経 済 化 を達 成 す る よ う努力 して い る。 特 に ミ ャ ンマ ー政 府 は イ ン フラの 拡 充 に努 力 して 、現 在 の経 済 計 画 に お け る経 済 成 長 率 は7%か ら8%と い う非 常 に高 い もの を持 っ て い る 。 ミャ ンマ ー の 経 済 発 展 は今 後 も期 待 で きる 。
外 務 省 バ ・ト ゥイ ン 国 際 機 関 経 済 局 長
● 現 在 に お い て はODAは 日本 が 一 位 で あ る。
● 中央 計 画 を ミャ ンマ ー は持 っ てい る。 地 方分 権 とい う考 え 方 を今 後 持 つ よ うに したい が ソ連 式 の 中央 計 画 とい う もの が今 まで 中心 だ った 。 しか し、 最 近 は土 地 そ の もの が 自作 農 に開 放 され 、 中 小 企 業 の 育 成 とい う考 え方 も出 て きて い る 。
●88年 の ク ー デ ター 以 来市 場 経 済 を導入 して い るが 、90年 代 に そ の成 果 が 現 れ 、農 産 物 はか な り増 産 され 輸 出 に向 け られ て い る。 従 って88年 以 前 は農 村 経 済 とい う もの は国 際価 格 との ギ ャ ッ プが あ っ て 、 か な り苦 しい生 活 だ った が 、 現 在 は 農村 の 生 活 も安 定 して い る 。現 在 の と こ ろ ミ ャ ン マ ー の 経 済 成 長 率 は6%〜8%で 、 農村 部 が80%を 占め て い る の で、 農村 の所 謂 農 業 振 興 が 逆 に都 市 の 繁 栄 を支 えて い る と い う のが 現 状 で あ る 。
● 投 資 に関 して は外 貨 を100%自 由 化 に した 。 そ うい う意 味 で ミ ャ ンマ ー へ の投 資 を期 待 した い 。 そ して 、 先 程 の農 業 振 興 に 関 して は4つ の 河 川 を利 用 して 、今 後発 展 させ た い が まだ 灌 漑事 業 そ の もの は 不 十分 で あ る。 将 来 的 に水 力 発 電 を 日本 の援 助 を もっ て建 設 出 来 た らいい と個 人 的 には 思 って い る 。
● 何 れ に して も、農 地 の 開放 に よ って 、零 細 農 家 が 非 常 に増 え て い る。 また仏 教 の教 えが 非 常 に強 い とい う信仰 心 もあ り、 また 、社 会 そ の ものが 法律 よ りも慣 習 等 を大事 に し、僧 侶 が 非 常 に尊敬 され て い る社 会 で あ る。 そ うい う ミ ャ ンマ ーの 社会 的 な 問題 とい う もの を先 ず 理 解 しな けれ ば 、 ミ ャ ンマ ー で の具 体 的協 力 は十 分 成 果 を挙 げ る こ とは で き ない だ ろ う。
● 最 近 は タイ との 国境 も開 放 され 、 国境 貿 易 とい う もの が盛 ん に な って い る。 そ うい う もの が 市場 価 格 で 進 ん で い る とい う こ とが 挙 げ られ る 。
● また為 替 に関 して は、 オ フ ィ シ ャル レー トはH三C外 国為 替 交 換 で1ド ル がIFECと 我 々 は 規 定 して い る が、 実 際 の市 場 レー トの差 が15倍 以 上 とい う非 常 に大 きな もの が あ って、 こ の二 重 為 替 制 度
が 外 国 資 本 に とっ て は 国 内で の ビジ ネ ス を や りに く く して い る とい う先 入観 とな って い る 。 そ の 辺 が 、IMFが 為 替 施 策 を強 く言 って い る理 由 で あ ろ う。IMFに 関 して ロ シ ア も服 従 して い る とい
うこ とを考 え て い るが 、 我 々 はや は り独 自の 政 策 とい う もの を尊 重 した い 。
● 対 日輸 出 に関 して は農産 物 が 中心 で モ ヤ シ豆 だ とか それ ほ ど大 きな もの が ない 。従 って今後 の 日本 との協 力 とい うの は対 日輸 出 の面 で農 産 物 の市 場 の拡 大 を期 待 した。 また 円高 に よっ て 日本 企 業 が 中国 や イ ン ドに進 出 して いる ようだが 、 ミ ャ ンマ ー に も組立 工場 とい う形 での進 出が や っ と最 近 見 られ て き た とい う点 を評 価 して ほ しい 。 そ うい う意 味 で の外 国投 資 とい う もの は大 歓 迎 で あ る。
● 日本 か らの ミ ッシ ョンは か な り増 えて きて 我 々 政府 高 官 と会合 を持 つが 、 投 資 に関 して はす ぐに 返事 が な い とい う不 満 が あ る。 恐 ら く調査 を して結 論 を出 す の に 時 間 が か か るの だ ろ う。
日系 総 合 商 社 ヤ ン ゴ ン事 務 所 所 長
● 当 社 は ミ ャ ン マ ー で 初 め て の本 格 的 工 業 団 地 を 開発 中 で あ る 。 国 道3号 線 沿 い で広 さは90ヘ ク ター ル 。 ヤ ン ゴ ン空港 か ら6㎞ 地 点 の 住 宅 ゾ ー ンエ リア だ 。96年2月 に政府 の許 可 を得 て 、3月 か ら着工 した 。造 成 工 事 鳳97年12月 完 成 予 定 で あ る。 土 地 は リース で50年 間認 め られ て い る。 周 辺 は住 宅 ゾ ー ンに な りつ つ あ るの で、 誘 致 企 業 は労 働 集約 型 の軽 工 業 に限 定 され る。 問 い合 わせ は 日本 の み な らず た くさ ん来 て い る 。 ミャ ン マ ー に は まだ急 激 なハ イ テ ク産業 は無 理 で あ る。 ミャ ンマ ー の ポ テ ンシ ャ リテ ィー は 高 い 。 タ イ や マ レー シ アに で きる こ とは この 国 の人 々 は絶 対 で き る。 産業 発展 の潜 在 性 は大 い にあ る 。 ミャ ンマ ー政 府 は環 境 問題 を気 に して い る ので 、 当社 が環 境 基 盤 作 りの お 手伝 い を してい る とこ ろ で あ る。
東 南 アジ アの 経 済 は 、マ レー シ ア、 タイ 、 イ ン ドネ シ アが 相 当前 進 して い る 。ベ トナム が後 ろ の 方 か ら追 い か け、 ミ ャ ンマ ー は まだ 顔 を 出 した ばか り とい う様 相 で あ る 。 ミ ャ ンマ ー 、 ベ トナ ム、 カ ン ボ ジ ア、 ラオ ス は 日本 に相 当期 待 を して い る。 ア ジア の よう に 日本 と一 緒 に成長 を期 待 で きる 国 々 は少 ない 。
今 、 ミャ ンマ ーが 最 も欲 しい もの は 民 間 の 長期 低 利 資 金 で あ る 。電 力 ・道 路 ・鉄 道 ・区 画整 理 等 の イ ンフ ラ整 備 が 必 要 で あ る。
ベ トナ ム
国 際 関 係研 究 所 ス グエ ン ・シサ ン副 所 長
● 中 国 の影 響 に 関 して は、 非常 に懸 念 して い る。 中 国 が経 済 大 国 に なる ど うか は、 困難 な問 題 が い くつ かあ る。 例 え ば資 本 が あ ま りない とい う こ と、技 術 力 が あ ま りな い こ と、 これ を海 外 か ら導 入 す る こ とに よっ て、 経 済大 国 に な る可 能 性 はあ る。 日本 とベ トナ ム が共 同す る こ とに よ っ て、
中 国 に影 響 を与 え る こ と は可 能 で は な いだ ろ うか 。 ア メ リカ もベ トナ ム に 関心 を持 って、 先 般 国 交 を回 復 した が これ は あ くま で もア メ リ カ の 国益 の 上 で ベ トナ ム を利 用 し よ う とす る もの で あ る。 日本 とベ トナ ム の関 係 が 、 あ ま りに も通 商 ・経 済 問題 が フ ィバ ー して い る こ とは好 ま しい と は、私 は 思 わ ない 。 あ くまで も政治 ・安 全 保 障 ・外 交 とい う問題 を含 め た総 合 的 な 日本 ・ベ トナ ム関 係 が 必 要 で あ り、特 にベ トナ ム がASEANに 加 盟 した い とい うこ と と、南 シ ナ海 に問 題 が 山 積 み して い る こ とを考 え れ ば、 そ うい った 面 で の ベ トナ ム との関 係 を構 築 して欲 しい 。
計 画 投 資 省 対 外 経 済 関係 局 ウ ン局 長
● 経 済 方 針 はベ トナ ム 計 画投 資 省 は計 画 省 と投 資省 が合 併 して で きた もの。91〜95年 の5年 間 経 済
計 画 は 経 済 的 な多 少 の トラ ブル が あ った もの の 、 そ れ な りの成 果 が あ り、96年6月 の 共 産 党 大 会 及 び 国会 に て96〜2000年 の 新経 済計 画 が 決 定 され た。 その 点 日本 の協 力 は是 非 必要 で あ り、 ベ ト ナ ム の近 代 化 や 経 済 開 発 に向 け て の期待 は大 き く、95年 日本 ベ トナ ム 開発 セ ミナ ーが 行 われ 、 今 後 も行 わ れ てい くだ ろ う。96年 か らの5ヵ 年 の 新経 済計 画 はGDPで9〜10%の 高 い伸 び を予 想 して お り、 食 糧 は2000万 トン とい う規 模 を期 待 し、 工 業 は14%増 、 サ ー ビス は12%増 を期 待 して い る。 い ず れ にせ よ5ヵ 年 計 画 は96年10月 の 国会 で採 択 され 、 実 行 に移 さ れ る。
農 業 は80年 代 に比 べ て農 産 物 ・穀物 の増 産計 画 は拡 大 し、 結 果100万 トンの増 産 が あ った 。米 につ いて は現 在 世界 第3位 の輸 出 国 とな って い る。今 後 も米 の増 産 は大 き く経 済 に影響 して い くだ ろ う。
投 資 につ い て 、96年 か らの5ヵ 年計 画 で は外 国 資本 が190億 ドル必 要 で あ って 、 そ れ を60の 国 と地 域(台 湾)に 投 資 す る よ う に働 きか け て い る と ころ。 日本 の 投 資 につ い て は90〜95年 は 日本 は第3 位 で あ っ た が 、95年 だ け を み る と 日本 は第1位 に上 が っ て い る 。 昨 年 は65件 の投 資 の 認 可 を 行 い 、12億 ドル の投 資 が行 わ れ た。 日本 の対 ベ トナム投 資 の特 徴 は、①95年 か ら開始 、 ② 大 規模 、
③ ベ トナム の 経 済 成長 、 に大 き く寄 与 す る。 但 し、投 資 に至 る まで 調査 期 間が 長 い 、 しか し実 行 に移 す と早期 に行 っ て くれ る。例 え ば ガ ラス 工 場 や セ メ ン ト工 場 、 工 業 団地 に一 層 の 投 資 の 拡大 を行 っ て い る 。 日本 以 外 の重 要 な投 資 国 は香 港 ・台湾 ・韓 国で あ る。最 近 ア メ リカ も入 って きて い る 。 但 し投 資 は ホ ーチ ミン付 近 のベ トナ ム南 部 に集 中 してお り、今 後 は北 部 、 中 央 部 へ の投 資 を希 望 す る 。 ベ トナ ム は外 資 法 の改 正 に よ り100%の 外 資 導 入 も可 能 で あ り、BOT(ビ ル デ ィ ン グ ・オ ペ レー シ ョ ン ・トラ ンス フ ァー〉で も可 能 で あ る。 民 営化 も進 ん で お り、 電力 や エ ネル ギ ー へ の 投 資 もお願 い した い 。
経 済協 力 は、ODAも 日本 は第1位 で あ り、 グ ラ ン トも含 め て20億 ドル の援 助 を行 っ て きた。 つ ま り、2300億 円 の 円借 款 を して きた 。 昨 年700億 円 の新 た な 円借 款 を結 ん で お り、 ベ トナ ム の経 済 開発 に役 立 っ て い る 。
産 業 政 策 、 と くに 自動 車 政 策 につ い て は、 各 国 の 関 心 が 高 く11社 が 認 可 を得 て い る 。 需 要 が2万 台 以下 な の で過 当競 争 に な りか ね ない 。 また 部 品産 業 も同 時 に受 け入 れ ない と ロー カ ル コン テ ン
ト率 が 上 が らな い 。 オ ー トバ イ は輸 入 関 税 が 高 い の で現 地 生 産 が 進 ん で い くこ と を期 待 す る 。
商務 省 国 際 機 関 欧米 局 ミン局 長
● ドイ ・モ イが86年 に始 ま り市 場 経 済 が 進 み つ つ あ り、 国 民 の 中 に も共 産 党 の 閉鎖 的 ・計 画 経 済 に 替 わ る 開 放 的 経 済 の有 効 性 が 理 解 され つ つ あ る。
● ベ トナ ム政 府 は外 貨導 入 を歓 迎 した い 。外 貨 に関 す る法律 整 備 や通 商 交 渉 に も有 能 な人 材 を育 成 して い き たい 。 商務 省 の 国際 機 関経 済局 は15人 の専 門 ス タ ッフが い るが 、 もっ と国際 的 な仕 事 が で き る よ うな研 修 を した い の で 日本 政 府 の協 力 をお願 い し たい 。
● ベ トナム はASEANに 加盟 したが 、APECやwroの メ ンバ ーで は ない。今 後 加盟 に向 けて努 力 した い。
●APECに つ い て は、 まだ オ ブザ ーバ ー だ が加 盟 に向 け て 努 力 した い。
● 特 に ア メ リカ との 関係 強化 が貿 易 振 興 に有 効 で あ る 。ASEANと の 関係 は ま だベ トナ ム が比 較 優 位 に あ る産 業 が あ る だ ろ うか ら、ASEANと 協 力 して い きた い 。
ドンス ア ン ・ニ ッ トフ ァ ク トリー 日越 合 弁 工 場:下 着 ・子 供 用Tシ ャ ツ製 造 リー ・ナ ム フ ァ ン総 裁
● 三 進 交 易 、片 倉 工 業 の お 蔭 で 、 数年 前 か ら 日本 に製 品 を輸 出 して い る。3社 の努 力 で う ま く行 っ
て い るが 、 まだ 解 決 し なけ れ ば な ら ない 問 題 もあ る。95年 は 日本 の不 況 、 円高 の 影響 で、 我 々 は 450万 ピ ー ス販 売 で きた 。96年 は年 間1000万 ピー ス が 目標 で あ る 。今 まで順 調 に来 てい る の は、
自助 努 力 もあ るが 、 日系企 業 側 のお 蔭 で あ る。 我 々 に対 して 関 心 を持 っ て い ただ い て い る こ と に つ い て は有 り難 い 。
我 々 の工 場 は も と も と中国 か らの援 助 で1958年 に設立 され た。 当 時 ベ トナ ム北 部 は開放 さ れ てい た が 、 フ ラ ンス の 紡 績 工 場 が1つ あ っ た だ け で あ る 。 当 時 の 中 国 の機 械 は古 く、技 術 も中 国の も の で あ っ た。3年 後 に ヨー ロ ッパ の機 械 を 導 入 して 以 来 、1965年 の ベ トナ ム戦 争 ま で輸 出 してい た 。1965年 〜1992年 まで の 生 産 は ほ とん ど国 内 向 け であ っ た。
ハ ノ イ には別 にモ ス キ ー工 場 が あ り、 タ オ ル を専 門 に生 産 してい る。 他 に も工 場 が あ るが 、昔 か ら当工 場 で トレー ニ ン グ を して管 理 者 ・技 術 者 を育 て 、 他 の工 場 に配 属 させ て い る。 ベ トナ ム工 場 省 の大 臣(当 工 場 前 総 裁)も 当工 場 か ら巣 立 って い っ た。
ベ トナ ム の経 済改 革 は':・ 年 か ら始 まっ て ま だ10年 しか 経 って い ない 。 投 資 に 関す る法 律 は88年 に で きた 。
ベ トナ ムの投 資 政 策 が あ っ たが 、 す ぐに は展 開 で きなか った 。91年 まで は国家 の圧 力 で仕 事 を進 め て きた 。91年 以後 は 国家 か ら資 金 を出 して も らっ て責 任 を持 っ てや って きて い る。 我 々 に とっ て難 しい 問 題 は資金 で あ る。 国 内 銀行 の金 利 は 高 い。外 国か らの投 資 を入 れ る の は何 もな い と こ ろ に対 して で あ る。 今 後 も色kな こ とが あ るで あ ろ うが 、 発 展 して い く。
ベ トナ ム政 府 が 現在 考 え て い る こ とは 、 国 営企 業 を株 式 会社 にす る こ とで あ る 。89年 か ら試験 的 に株 式 会 社 に移 す とい う話 が あ った が 、様 々 な 条件 が 整 わ なか っ た た め に私 は 断 わ った 。 しか し 現 在 は株 式 会 社 に な る予 定 を もっ て い る 。
以 上 、4ヵ 国 の現 地 で各 界 の 関係 者 を ヒ ア リ ン グ したが 、 そ の結 果 の ア ジ ア 諸 国 の構 造 的問 題 と し て 、① イ ンフ ラ不 足 、② 人 材 の育 成 、③ 都 市 問 題 、④ す そ野 産 業 の 整 備 、⑤ エ ネ ル ギ ー ・環境 問 題 、 が 重 要 課 題 に浮 上 して い る こ とが わ か る。
5.域 内技 術 格 差 と技 術 移 転
(1)各 指標 に見 る技 術 格 差
ア ジ ア太 平 洋 地域 の特 に東 ア ジ アの 経 済 発展 に注 目す れ ば 、 国 内総 生 産 の高 い 実 質 成長 率 に み られ る よ う に、 経 済 の 規 模 は大 き くな っ て きて い る。 しか し一 方 で 、 この地 域 の技 術 格 差 は まだ存 在 す る と考 え られ る。 域 内 の 技 術 格差 を把 握 す る 間接 的 な指 標 と し て、 た とえ ば産 業 別 の 就 業者 数 、 産 業 別 の 生 産 額 等 が 挙 げ られ よ う。 これ は ロ ス トウ の発 展 段 階 説 、 ペ テ ィ=ク ラー ク の法 則 に基 づ け ば、 経 験 上 経 済 の発 展 に伴 い 産業 構 造 が 高 度化 す る とさ れ る か らで あ る 。
グ ラ フ5‑1産 業 別 従 業 者 数[製 造 業 の 割 合(%)]
た だ しデ ー タ の 年 次 は 次 の 通 り;日 本(1994)イ ン ド(1989)イ ン ド ネ シ ア(1992)韓 国(1993)シ ン ガ ポ ー ル(1993)タ イ(1991)中 国(1991)(国 際 労 働 機 関 「労 働 統 計 年 間 」)よ り作 成 。
グ ラ フ5‑2経 済 活 動別 国 内 総 生 産(建 設 業 を除 く)
た だ し デ ー タ の 年 次 は 次 の 通 り;日 本(1992)イ ン ド(1991)イ ン ドネ シ ア(1992)韓 国(1992)シ ン ガ ポ ー ル(1992)タ イ(1991)中 国(1990)(国 際 連 合 「国 民 経 済 計 算 統 計 」〉よ り作 成 。
また 、確 か に輸 出主 導 に よっ て経 済 成 長 が 実 現 した面 も無視 で きな い 。
しか しなが ら、 経 済 の グ ロ ーバ ル 化 に よ り先 進 国 の 経 済 活動 の シ ス テ ム に途 上 国 が 取 り込 まれ て い る ケ ース が 多 くな れ ば 、必 ず し も産 業 構 造 は第 一 次 産 業 か ら第 二次 産業 、 第三 次 産 業 へ と順 当 に移 行 す る とは限 ら ない 。輸 出 の増 大 も、 そ の 国の 産 業 が 自力 で 国 際競 争 力 を つ け 、世 界 市 場 に製 品 を供 給 してい る結 果 で は な い か も しれ な い。 特 に、 こ の地 域 の 工 業 化 が 日系 企 業 の海 外 進 出 に伴 う もの が 中 心 で あれ ば 、 さ き に挙 げ た各 指 標 は技 術 格 差 を表 さない 。 土 地 と労働 者 を提 供 して生 産 活 動 に参 加 し つつ も、 自立 的 発展 が 実現 で きず に い るか も しれ ない 。 そ して 、技 術 の格 差 は縮 ま って い ない こ とに な る 。
Hobday(1995)の モ デ ル にお い て も、 技 術 格 差 を埋 め よ う とす る追 随 者 は、 輸 出 に よっ て技術 を学 習 し、 や が て 開発 ・応 用 、 新 しい デザ イ ン、 自主 的 な研 究 開発(R&D)を 行 う よ うに な る と してい るが、
そ う した 連 続 型 の技 術 の 習 得 ・普 及 モ デ ルが 果 た して妥 当 か ど うか 、 安 易 に は 判 断 で き ない の で あ る 。
(2)技 術 移 転 お よび 技 術 協 力 の現 状
中條(1995)で も指摘 した よ うに 、東 ア ジ ア地 域 の技 術 の流 れ は 日本 か ら他 の ア ジ ア地 域 へ とい うほ ぼ一 方 通 行 的 な もの に な って い る。技 術 貿 易 の よ うす を総 務 庁 「科 学 技 術 研 究 調 査 報 告」に よ り概 観 す れ ば、 平 成6年 度 の 日本 か らア ジ アへ の技 術 の 輸 出 は、全 体 の46.8%を 占 め、 前 年 と比べ て も15%の 増 加 と著 しい伸 び を見 せ てい る。 逆 に技 術 の輸 入 に関 して は わず か な 件 数 しか 実績 が な く、 表5‑1に お
け る 支 払 額 と受 取 額 の倍 率 は ゼ ロ で あ る。
表5‑1国 別 の 技 術 貿 易(平 成6年 度)(対 ア ジ ア 地 域)
技術輸 出 技術 輸入 支払額/受取額
相 手国 件 数 受取額 件 数 支 払額 (倍)
イ ン ド 221(2.4) 43(0.9) 一 一 一
イ ン ドネ シ ア 429(4.7) 152(3.3) 1 X X
韓 国 1307(14.4) 531(11.5) 9 3 0.01
シ ン ガ ポ ー ル 224(2.5 265(5.7) 5 0 o.00
タ イ 610(.6.7) X62(7.8) 3 X X
中 国 1869(20.5) 473(10.2) 35 2 o.00
(内 台 湾) 1090(12.0) 300(6.5) 25 1 o.00
フ ィ リ ピ ン 121(1.3) Zs(0.6> 一 一 一
マ レ ー シ ァ 419(4.6) 217(4.7) 一 一 一
表 中 の()内 の 数 字 は全 体 に 占 め る割 合(%) 受 取 額 、 支 払 額 と もに単 位 は億 円
技 術 輸 出 の 内 容 につ い て は 、 た とえ ば、 産 業 別 に輸 出件 数 と金額 をみ れ ば(表5‑2)、 件 数 の 多 い順 に電 気 機 械 工 業 、 機 械 工 業 、 化学 工業 、 また金 額 の多 い順 で は電気 機械 工 業 、輸 送 用 機 械 工 業 、 化学 工 業 とな っ て い る。