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Academic year: 2021

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(1)

外国語教育研究

Foreign Language Institute

センター年報

2 0 1 1 年度

金沢大学外国語教育研究センター

(2)

目  次

巻頭言 1

スタッフ 2

組織/共同プロジェクト 3

2011 年度事業報告

  日誌/ FD 出張日誌/外部資金獲得研究/スタッフの出版物 4 - 5

  講演会 6 - 7

  研究会 8 - 9

  教育改善事業/ e-learning 活動/コラム 他 10

  検定試験・検定模擬試験 11

  留学支援事業 12

  社会貢献事業 13

  その他の活動 14

  センター刊行物/購入語学教材 15

  教材紹介 16

(3)

平成16年に金沢大学は『金沢大学憲章』を制定した。旧国立大学は法律によって設置された機関であった ので、不思議なことに、自らが依って立つ理念というものがなかった。しかし、法人化で各大学は自らの持続 性と正統性の確保のために、すでに存在する組織の存在の意義を創出するというやや倒錯した経緯により、金 沢大学も「建学」の理念を定めた。

その金沢大学憲章の教育の項に「金沢大学は、学生の個性と学ぶ権利を尊重し、自学自習を基本とする」と ある。大学という主体が自学自習を基本とするのなら、先生が教える部分は減ってしまう、つまり教員削減の 判じ物なのだろうか、と疑う者もいるかもしれないが、これは日本語の多義性を最大に発揮している文で、そ のココロは「金沢大学では、自学自習が基本である」ということだろう。ならば、金沢大学の学生は、自学自 習ができなければならないわけだ。

最近は「自律的学習能力」という素敵な言葉がある。この学習能力がないと、どんなに金沢大学が教育環境 を整えても、憲章にあるような教育は成立しない。しかしながら、困ったことは、近年の学生からこの力が急 速に失われつつあるように感じることである。そして、外国語教員として更に困ったことに、外国語科目ほど この自律的な学習が必要な教科はないのである。

ある会議で工学部卒業生のアンケートの紹介があった。社会に出てから英語がこんなに大切だと分かった、

大学でもっと教えて欲しかった、といった内容である。このような話を聞くと、外国語学習がどういうものか 結局は分からなかったのだ、と思う。設計製図や電気回路で問題に直面すれば、工学部生なら自らの不学を羞 じるであろう。学校で「教わっていたはず」だからだ。しかし、英語では、自分ができないのは学校で教わら なかったからだ、と思う。なぜだろうか?それは、社会に出て使う英語のすべてがあらかじめ授業で教わるこ とができる、という前提があるからではないか。しかし、外国語科目ではこれは無理な相談なのである。

もしかしたら、会社で英語メールを書くときにすぐに役に立つ表現を教えて欲しかった、ということなのか も知れない。だが外国語教育では、「今すぐに役に立つ」ことは「すぐに役に立たなくなる」ことと同義なの である。たしかに電子メールの書き方を扱う授業も存在する。だが、15回で取り扱う英語素材はたかだか数ペー ジであり、また、どのような職場や場面状況でもそのまま使える汎用的なサンプルは存在しない。だから学生 がこの授業で学ぶべきは、英語素材それ自体ではなく、社会に出てから先輩や相手先のメールなどを参考にし て、自分の用途にあったメールが構成できる力である。これは外国語学習のすべての面で言えることである。

教師が学生に接することのできる時間は有限である。有限な時間の中で個別の事項を教授するだけなら学習 も有限である。しかし、その有限の時間の中で自らで学ぶ力を養成できれば、学習は将来にわたり無限に続く。

外国語教師は、例えば、一つ一つの単語を教えるのではなく、自分で語彙を学び増やしていく、その方法と態 度を教えるような教育の実践が必要である。さもないと、自ら学ぶ力は育たず、「先生」を常に必要する「非」

自律的な学習者を生み出すだけである。それでは社会に出て問題に直面したら学校を責める他責性のある学生 しか生まれない。

一方で、件の卒業生の不満が、自ら学ぶ力を育てる教育が金沢大学の授業になかったとすれば、その責任は 重く、私たち教員は真摯に反省すべきである。大学憲章の理念を実践するためには、個々の教員が果たすべき 教育上の役割はいままで以上に重く、その困難さも増しているようだ。一層の研鑽が求められる時代である。

巻 頭 言

自ら学ぶ力 ...

センター長

澤 田 茂 保

(4)

John Ertl(ジョン・アートル)准教授

文化人類学

榎本 剛士(えのもと たけし)准教授 言語人類学、社会語用論

4月着任

大藪 加奈(おおやぶ かな)教授 英語文学、英語教育

數見 由紀子(かずみ ゆきこ)教授 英語学・言語学

小林 恵美子(こばやし えみこ)准教授 コミュニケーション学、日米比較文化論

澤田 茂保(さわだ しげやす)教授 英語学・言語学

西嶋 愉一(にしじま ゆいち)准教授 自然言語処理

根本 浩行(ねもと ひろゆき)准教授 社会言語学

John Bintliff

(ジョン・ビントリフ)教授 英語教育

結城 正美(ゆうき まさみ)教授 アメリカ文学、環境文学

渡邊 明敏(わたなべ あきとし)教授 ユートピア思想史・デザイン史

ド イ ツ 語

佐藤 文彦(さとう ふみひこ)准教授 近現代ドイツ・オーストリア文学

Bastian Nonnenberg

(バスティアン・ノネンベルク)講師 現代日本社会研究

10 月着任

フランス語

三上 純子(みかみ じゅんこ)教授 フランス文学

Emmanuel Antier

(エマヌエル・アンティエ)准教授 言語文化教授法、フランス語教育

中 国 語

杉村 安幾子(すぎむら あきこ)准教授 中国現代文学

趙   菁(ちょう せい)准教授 日本語学、日中言語比較

矢淵 孝良(やぶち たかよし)教授 中国古典文学

李   慶(り けい)教授 中国古典文学・文献学

スタッフ

(5)

組織/共同プロジェクト

プロジェクトA

大藪、アートル、榎本、數見、佐藤、三上、結城

 プロジェクトAは金沢大学言語科目における到達目標の明瞭化と厳正な成績評価の実現に向けた研究を 行っています。英語班は、前年度に実施したCEFR(ヨーロッパ共通言語参照枠)による英語力自己判断アン ケートの結果もふまえ、Can-Do表記による英語Ⅰの到達目標を作成し、共通教育英語グループに提案しまし た。初習言語班は、初習クラスの現状を反映させたCan-Do表記やより詳しいA1レベルの設定、CEFRに基づ

く教科書の有効性を検証しました。 (大藪加奈記)

プロジェクトB

矢淵、小林、澤田、杉村、趙、西嶋、根本、渡邊

 今年度から中国語班が編集した『アカンサス初級中国語』を統一テキストとする中国語Aの授業を開始し ました。また今後、センターにおけるプロジェクト研究を基盤B以上の科研費獲得に結びつけようとの構想の もと、上海の小学校における英語教育の実態調査にメンバーを派遣しました。一方、e-learning教材の開発、

試験方法・問題の開発等については、十分な成果を上げることができず、来年度以降の課題となりました。

(矢淵孝良記)

企画委員会

教員会議の議題決定 企画部間の連絡・調整

教育開発企画部

(渡邊、大藪)

外国語教育の企画・運営・点検 異文化理解教育の企画・運営・

点検

研究開発企画部

(結城、榎本)

研究誌の企画・刊行

教育研究プロジェクトの企画

FD企画部

(矢淵、小林、根本)

授業改善の企画

センター事業の点検・評価

教員会議

センターの管理・運営等に関する 審議

学習支援企画部

(三上、澤田、西嶋、杉村、アートル)

語学検定試験の実施・学習支援冊 子の企画・刊行

e-learning の企画・運営

広報・社会貢献企画部

(數見、趙、佐藤)

ホームページ等の広報活動 公開講座等の社会貢献事業の企画

(6)

2011年 5月31日 第1回研究会「初習言語と共通教育特設プログラム」

6月8~20日 ランチョンセミナー・外国語ウィーク

  10日 第1回講演会「大学の『国際戦略』を考えるために -マーケティングとブランディ ングを中心に-」

  13・16日 フランス語検定模擬試験    26日 第74回中国語検定試験

7月26日 第2回研究会「高等教育の国際化と日米大学併願をめぐる動向」

8月27・28日 TOEFL-iBT

10月25日 第3回研究会「英語Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのレベル設定について」

11月15・17日 フランス語検定模擬試験 

  22日 第4回研究会「ライティング・センターの概要及び金沢大学ライティング支援室の 実践報告」

  23日 2011年度秋期ドイツ語技能検定試験   27日 第75回中国語検定試験

2012年 1月23~27日 ランチョンセミナー・語学研修紹介

  31日 第5回研究会「初習言語Aとヨーロッパ言語共通参照枠-ドイツ語・フランス語を 例に-」

2月6日 第2回講演会「言語教育とGlobal Articulation : 留学前・中・後における自律的な 言語学習をめざして」

  11~12日 英語指導力開発ワークショップ 3月4日 TOEFL-iBT

  5日 第3回講演会「『国際共通語としての英語』とは?-多文化社会における英語使用 のビジョン-」

  25日 第76回中国語検定試験

  26日 第6回研究会「『英語を使った授業』に関するアンケートについて」

  末日 『言語文化論叢』第16号、『外国語教育フォーラム』第6号、『センター年報(2011年度)』

発行

  末日 『英語学習ハンドブック』、『初習言語ガイドブック』、『英語力をのばしたい皆さん のための英語Ⅱ/英語Ⅲ授業案内』発行

2011年 5月27日 日本フランス語教育学会2011年度春季大会(三上)

6月4日 大学英語教育学会(JACET)第28回中部支部大会(數見)

8月16~19日 在日フランス大使館主催「DELF/DALF(フランス語試験)のテスター資格研修」(ア ンティエ)

₂₀₁₁年度事業報告

日  誌

FD出張日誌

(7)

外部資金獲得研究

スタッフの出版物

11月12~13日 日本フランス語教育学会2011年度秋季大会(アンティエ)

12月10日 大学英語教育学会(JACET)2011年度中部支部12月定例研究会(榎本)

2012年 3月10日 JACET教育問題研究会主催「CEFRに関する研究会」(數見)

  13日 国際研究集会2012「大学における外国語教育の目的―『ヨーロッパ言語共通参照枠』

から考える」(アンティエ、榎本、三上)

  13~15日 ブリティッシュ・カウンシル主催「Going Global 2012」(澤田)

  25~26日 第26回関西フランス語教育研究会(アンティエ)

  27~31日 TESOL主催「TESOL International Convention & English Language Expo」(榎本)

◎資金の種別、年度、研究課題名、研究者名の順で示してあります。

新規

科学研究費補助金 基盤研究(C)、2011-2013年度、

 「オンライン異文化相互学習ネットワークを用いた第二言語学術リテラシー発達過程の研究」、根本浩行 科学研究費補助金 基盤研究(C)、2011-2014年度、

 「アーミッシュとイスラム系児童文学にみる宗教的世界観の構築と受容」、大藪加奈(代表者)、ジョン・ビ ントリフ、三上純子、佐藤文彦(以上、本センター所属)、杉原利治、大藪千穂(以上、岐阜大学教育学部)

継続

科学研究費補助金 基盤研究(C)、2010-2012年度、

 「日米大学生の飲酒、喫煙の動機付けと抑止要因:分化的強化と拡大抑止理論の検証」、小林恵美子 科学研究費補助金 基盤研究(C)、2010-2012年度、

 「新しい文法教育のためのリアル・タイムと場面の制約のある言語形式の基礎的研究」、澤田茂保 科学研究費補助金 基盤研究(C)、2009-2011年度、

 「交渉教育理論を適用した英語教育の教材開発研究」、數見由紀子(代表者)、大藪加奈、ジョン・アートル (以上、本センター所属)、東川浩二(金沢大学法学系)

科学研究費補助金 若手研究(B)、2009-2011年度、

 「江戸時代の養生論の現代的意義に関する研究—国学者の養生論における養生と教養の関係」、趙 菁

根本浩行 The Management of Intercultural Academic Interaction:

Student Exchanges between Japanese and Australian Universities

Cambridge Scholars Publishing

2011

6

1

日発行

(8)

大学の国際化が叫ばれて久しいけれど、どのよう な戦略に基づいて国際化を推進しようとしているの か、日本の多くの大学では明確でなく、ただ文科省 の示す事例に沿った横並びの施策があるだけのよう に見えます。そこでこの講演会では、海外から数多 くの留学生を受け入れているイギリスの大学の実情 を知るべく、イギリスの公的な国際文化交流機関お よびブランド構築サポート企業から講師を招き、お 話を伺いました。

強調されたのは、イギリスの大学では戦略的に マーケティングとブランディングに取り組んでいる ということでした。とりわけ印象に残ったのは、イ ギリスの大学の教職員がみな自身の大学の強み、す なわちブランド力を熟知しているということでし た。ブランドの構築には「組織の内部を分析し、ぶ

れない“ビジョン”“ミッション”“バリュー”を示 す」と同時に「感性に訴えかけるメッセージ性」も 重要との説明が加えられました。

本学も国際化を推進するに当たり、何をブランド 力(=売り)にするのか、全学的コンセンサスを得 る必要性を痛感させられました。そして本学の現状 に思いを致し、ブランドの構築については外部の専 門家に委ねる

ほかないので はないかとい うのが率直な 感想です。

(矢淵孝良記)

この講演会は本セ ンターと留学生セン ターが合同で、「地 域に根ざした国際化 モデルの推進」事業 の一環として開催さ れました。講師の宮 崎先生にはまず、中 学校、高等学校と大 学 間 で の 英 語 学 習 の 協 働 連 携 の 必 要

性をご提示いただき、各教育機関の連携の課題は、

articulation(連続性・整合性)として留意される べきであるという見解をご説明いただきました。次 に、海外留学をする日本人学生が減少傾向にある原 因として、目標言語習得に対する学習効果測定が低 いことや自己成長のために留学経験を組み込むこと が出来ていないことをご指摘いただき、ブラジル人 留学生の事例や早稲田大学で宮崎先生ご自身が取り 組んでおられるオンデマンド講座をもとに、出発 前、留学中、帰国後のプログラムのarticulationの 必要性と自律学習能力育成のための継続的支援のあ

講 演 会

大学の「国際戦略」を考えるために

―マーケティングとブランディングを中心に―

田 中   梓

(British Council Japan)

トム・メイーズ

(British Council Japan)

宮 下 幸 子

(Yuit)

白 井   静

(Yuit)(6月 10 日)

言語教育とGlobal Articulation:

留学前・中・後における自律的な言語学習をめざして

宮 崎 里 司

(早稲田大学大学院日本語教育研究科教授)(2月6日)

(9)

鳥飼玖美子氏を迎えて開催されたこの講演会は、

学内・外から多くの参加を頂き、大変有意義なもの となりました。

講演ではまず、英語をとりまく今日の状況が示さ れ、英語がもはや「母語話者(ネイティブ・スピー カー)」の占有物ではないことが強調されました。

こうした状況を受けた英語教育のあり方として、日 本学術会議が2010年に提示した(アカデミック)

リーディング・ライティングやプレゼンテーション を核とする「リテラシー教育」としての英語教育理 念が紹介されましたが、ここから鳥飼氏は、言語と 文化、コミュニケーション、言語使用についてのよ り深い考察へ、聴衆を誘います。

そもそも「コミュニケーション能力」とは何か。

応用言語学の分野で古典ともなっている理論的枠組 みを参照しながら、「文法」に関する知識のみなら ず、様々な社会文化的状況において「適切」に「一 貫性」をもって言語を使う力、すなわち、コンテク スト化された言語使用への視座が導入されると、ど のような英語が実際に使われているのか、という経 験的な視点から立ち上がってくる「国際共通語とし ての英語」が姿

を現しました。

そして、「異質 な他者」との対 話的関係性、相 互作用を視野に 入れた「異文化 能力」という着 地点へ、国際共 通語としての英 語は我々を導き

ます。話題は多岐にわたりつつも、実はすべてがつ ながっていることが段階を追って、明示的に示さ れ、一般参加者にとっても、英語に関する発想を転 換するための貴重な機会となったと確信していま す。

学生・教員を問わず、フロアからの質問に鳥飼氏 が丁寧に答えて下さったことは、特に印象的でし た。講演終了後も、最後の一人まで、質問に来た学 生に真摯に向き合うその姿に、講演の説得力を根底 で支える氏のお人柄を見た気がします。

(榎本剛士記)

「国際共通語としての英語」とは?

―多文化社会における英語使用のビジョン―

鳥 飼 玖美子

(立教大学特任教授)(3月5日)

り方を解説していただきました。また、日本語教育 や英語教育担当者、留学の送り出し・受け入れ先の administration担当者が意識化すべき内容をご提示

いただき、質疑応答では、派遣留学制度とそれに伴 う言語学習法の組織化に関して議論いたしました。

(根本浩行記)

(10)

初習言語の課題の一つに、初級レベル(言語A)

の修了者がほとんどB ~ Cレベルの授業を履修し ないということが指摘されている。専門教育との時 間割上の問題、履修上限による制約など、原因は多 岐にわたるが、モティベーションの欠如も理由の一 つに挙げられる。そこで英語Ⅱ・Ⅲの履修者増を図 る英語関連の特設プログラムの顰に倣い、標記の報 告を行なった。今回はプログラム修了認定に必要な 単位数を中心に報告したが、参加者からは、言語科 目関連の授業だけでなく、異文化理解教育等の授業

も対象としたらどうかなど、内容にまで踏み込んだ 意見が寄せられた。今後、そうした意見を参考にし ながら、全学の

理解が得られる プログラム案を 考えたい。

(矢淵孝良記)

研 究 会

初習言語と共通教育特設プログラム

矢 淵 孝 良

(5月 31 日)

授業の明確なレベル設定は厳正な成績評価のため にも重要であり、プロジェクトAでは主にその研 究を行ってきました。この研究会では、プロジェク トAのこれまでの成果についての報告がありまし た。特に昨年度後期に実施した英語力自己判断アン

ケートをもとに、学生自身が英語Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのレベ ルや、在学中に到達したいレベルをどのように認識 しているかの報告と、CEFR(ヨーロッパ共通言語 参照枠)にもとづくCan-Do表記による英語Ⅰのレ ベル設定についての提案がありました。参加者から

英語Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのレベル設定について

大 藪 加 奈

(10 月 25 日)

本報告の主たる目的は、2011年3月10日~ 12日 に香港で開催されたGoing Global 2011(主催:ブ リティッシュカ ウンシル)と6 月8日に大阪で 開かれたシンポ ジウム「日米大 学併願とアメリ カ留学後のキャ リアを考える」

(主催:米国大使館)への参加をとおして得られた 知見の共有にあった。生徒の学力の高さにおいては アジアが際立っているにもかかわらず大学の世界的 評価は英語圏が断然強いという事実に着目し、2つ のイベントで議論された点(知識経済発展をめざし た大学間パートナーシップ、大学の「投資」と教育・

企業の「収益」の関係、等)を紹介しながら、アジ アの大学ひいては本学に求められている国際化の

〈中身〉を検証した。

(結城正美記)

高等教育の国際化と日米大学併願をめぐる動向

結 城 正 美

(7月 26 日)

(11)

 近年、日本国 内の大学の正規 課程外において 学生の文章作成 を支援するライ ティング・セン ターが設立され ています。本学 にも「地域に根 ざした国際化モデルの構築」事業の一環として、「留 学生を対象とした日本語ライティング支援室」が発

足しました。本研究会では、発表者が前半で国内外 におけるライティング・センターの理念や支援内容 を紹介し、後半で本学のライティング支援室の支援 内容と利用状況を個別相談の対話例を示しながら紹 介しました。発表者は、各大学の実態に合わせた運 営内容の検討や質の伴った個別相談を実施する必要 性を述べました。質疑応答では、海外のライティン グ・センターの運営方法や、ライティング支援室を 本学に長期的に位置づけるための課題に関して議論 を行いました。 (松田佳子記)

ライティング・センターの概要及び金沢大学ライティング支援室の実践報告

松 田 佳 子

(研究国際部国際課ライティング支援研究員)(11 月 22 日)

共通教育言語科目の初習言語Aは、週2回の授 業を「文法」と「会話」に分けて実施しています が、今回の研究会では、ドイツ語およびフランス語 Aの会話クラスの到達度について、ヨーロッパ言語 共通参照枠(CEFR)のレベル設定やCan-do記述 文に対応させて分析した結果を報告しました。その 後の討論では、CEFRに準拠した教科書を用いて授 業を実践しているドイツ語およびフランス語のネイ ティブ教員や他の外国語教員を交えて、CEFR準拠 型の教科書を週2回の授業で導入する試みやCEFR の試験の単位認定化など、コミュニケーション能力 を重視した外国語教育と本学における初習言語教育

の今後の課題について、有意義な意見交換を行いま

した。 (佐藤文彦記)

初習言語Aとヨーロッパ言語共通参照枠 ―ドイツ語・フランス語を例に―

佐 藤 文 彦・三 上 純 子

(1 月 31 日)

もさまざまな意見が出され、有意義な研究会となり ました。この研究会で得られた意見も加えた到達目 標案が、プロジェクトAから共通教育英語グルー プに提案されました。 (大藪加奈記)

(12)

教育改善事業

教育開発企画部の事業として本年度も授業のため の教材支援活動を行った。授業で使用するテキスト、

補助教材、DVD、カセットデッキ及びテープなどの 要望があったが、すべて予算の範囲内で購入するこ とができた。自宅でのリスニング練習機器に関しては、

担当者によって希望する機器が異なるが、今後はセ ンターの備品として統一した機器を揃えるのが望まし いのではないかと思われる。貸し出し機器の返却に 関しては、教員の指示や掲示による注意喚起のみで は徹底しない恐れがあるので、何らかの対応策を講 ずる必要があるであろう。教材支援以外では、新規 の語学研修先の開拓のため、結城教員のカナダ・ユー コン・カレッジの調査費用を支出した。 (渡邊明敏記)

e-learning活動

 本センターで運用している英語e-learning教材 ALC NetAcademy2について、アカンサスポータル で使われている統合認証に対応するための準備を進 めている。来年度以降、アカンサスポータル内から直 接ALC NetAcademy2に飛べるようになり、利便性 が大きく向上する。これを機に積極的にご活用いただ き、英語力の維持・向上に役立てていただければ幸 いである。

 統合認証への移行にあたっては総合メディア基盤 センターに多大なご支援ご協力をいただいた。ここに 感謝の意を表したい。 (西嶋愉一記)

英語の特設プログラム

今年度より、「英語ステップアップ」と「英語国際 コミュニケーション」の二つの共通教育特設プログラ ムが発足しました。本プログラムの根本には、「入学 時ではなく、卒業時の英語力を最高に」という理念 があります。

今年度は共通教育充実経費の充当を受け、英語の 使用目標に合わせて科目履修モデルを図示した「リー フレット」を作成しました。引き続き、特設プログラ ムの具体像を示しながら、英語使用のイメージと提 供されている英語科目とが合致するよう、働きかけて いきます。そのことを通じて、個々の学生が在学期間 を通じた英語力アップの計画を立てる際の具体的な 手助けとなるような、学生に寄り添ったプログラムを 展開できればと思います。 (榎本剛士記)

オンライン英語レベルチェック(2010年度の事業)

本年度の英語の共通教育特設プログラムの開設に 先立ち、本センターでは昨年度、英語の習熟度を診 断できるサイト「オンライン英語レベルチェック」を 作成しました。このサイトは、センターが共通教育 の特別教育事業費の配分を受けて開発したもので、

2011年4月から運用されています。特設プログラムの 対象となる英語Ⅱ・英語Ⅲの履修を考えている学生

(とくに1年次生)が、短時間で自身の習熟度を確認 でき、適切な履修の指針を得られるように設計されて

います。 (數見由紀子記)

教育改善事業/ e-learning活動/コラム 他

コ ラ ム 退職にあたって

センターにお世話になって早9年になります。研究・教育いずれも古いタイプに属します ので、センターのミッションに十分貢献できなかったことが心残りです。ホームページで教 材紹介を担当しましたが、これは仕事というよりは趣味として楽しませていただきました。

センターの組織自体が今後どうなるか流動的ですが、金沢大学における外国語教育の要とし ての役割は堅持していただきたいと願っております。以前のようにすべての学生に2ヶ国語 を履修させる体制に戻るのは難しいかもしれませんが、学生の関心が英語だけではなく、そ れ以外の言語や地域へ広がるよう願って止みません。

渡邊 明敏

(13)

TOEFL-iBT

 本年度もTOEFL-iBTを3回(8月27・28日、3月 4日)実施した。2日連続で行ったためか、8月27日 の受験者は3名と少なかったものの、残り2回は申し 込み段階で満席、当日はそれぞれ13名(8月28日)、

15名(3月4日)が受験した。

 残念なのはID不備のために受験できなかったケー スが出てしまったことである。TOEFLは規定が厳格 に決められているので、ID不備は受験できないばか りか受験料は返還されない。今後受験を希望する学 生諸君には、今からパスポートを取得しておくことを 強く推奨したい。 (西嶋愉一記)

ドイツ語技能検定試験

 2011年度秋期ドイツ語技能検定試験(独検)は、

11月23日に本学総合教育講義棟で行なわれた。春 期の金沢星稜大学ともども、北陸三県では唯一の試 験場である。本学学生の級別受験者数(延べ数)と 合格者数(括弧内)を以下に挙げる。

春期 秋期 合計

1 級 4( 0) 4( 0)

準1級 5( 2) 5( 2)

2 級 7( 5) 4( 3) 11( 8)

3 級 7( 1) 16(12) 23(13)

4 級 6( 4) 5( 4) 11( 8)

5 級 0( 0) 0( 0) 0( 0)

合 計 20(10) 34(21) 54(31)

 昨年度に比べ、受験者総数で12名、合格者数も 6名増加した。とりわけ春期の4級受験者・合格者 の増加が目を引いた(昨年度はともにゼロ)。ドイ ツ語を学習し始めたばかりの1年生が受験したもの と思われる。独検受験(そして合格)によって彼ら の学習意欲が高まったとすれば喜ばしい限りであ る。今後さらなる上級への挑戦が期待される。他方、

合格は叶わずとも、派遣留学から帰国した学生が1 級・準1級の併願に挑戦する姿もまた頼もしく映っ

た。 (佐藤文彦記)

フランス語検定模擬試験

 2011年度実用フランス語技能検定試験の日程に 合わせ、春は6月13、16日、秋は11月15、17日に、

3・4・5級の模擬試験を実施した。参加者は3級

9名、4級9名であった。

 仏検受験者の方は延べ68名であった(下記の表 参照、括弧内は合格者数)。1級・準1級に合格者 が出たことは喜ばしい。1級合格者は派遣留学に よりフランスの大学でDALF C1を取得した学生で ある。また、今年度は検定試験による単位認定の申 請者が増え、14名に上った。主に3年以上の学生 が未修得単位の充足のために利用しているようであ る。仏検の活用方法は様々であるが、授業外の学習 を進める手立てとして、今後も学生たちに周知を 図ってゆきたい。 (三上純子記)

春季(6/19) 秋季(11/20) 合計

1 級 1( 1) 1( 1)

準1級 1( 1) 1( 1)

2 級 1( 0) 6( 3) 7( 3)

準2級 8( 6) 6( 5) 14(11)

3 級 12(11) 4( 2) 16(13)

4 級 9( 9) 16(16) 25(25)

5 級 1( 1) 3( 2) 4( 3)

合 計 32(28) 36(29) 68(57)

中国語検定試験

 今年度の中国語検定試験は、第74回・75回の二 回を日本中国語検定協会の実施に合わせて行なっ た。3月末に実施予定であった第73回が東日本大 震災の影響で中止になったため、例年よりも実施回 数は一回少ないのだが、準4級と準1級の受験者数 は昨年度と同様であり、2級受験者は昨年度より増 えている。

 3級・2級の合格者数が伸びないのは、例年と変 わらない。昨年度に課題とした3級受験相当の学習 者へのサポートが、より強く求められてきていると 言える。まずは中国語Bの授業や授業外における指 導と助言を通して、来年度は3級受験者の合格者数 増加を図りたい。

 各級の級別受験者数は以下の通り。括弧内は合格 者数である。 (杉村安幾子記)

第 74 回

(6/26) 第 75 回

(11/27) 合計 準1級 0    2( 0) 2( 0)

2 級 8( 3) 7( 0) 15( 3)

3 級 6( 4) 11( 5) 17( 9)

4 級 8( 5) 2( 2) 10( 7)

準4級 2( 1) 2( 2) 4( 3)

合 計 24(13) 24( 9) 48(22)

検定試験・検定模擬試験

(14)

留学準備授業

 今年度は英語Ⅱと英語Ⅲで留学準備クラスを16 科目開講しました。その内訳は、TOEFL 準備クラ ス(8コマ)、異文化適応対策クラス(4コマ)、そ して外国人留学生とのジョイントクラス(4コマ)

です。ジョイントクラスには、留学希望の学生と共 に、留学帰りの学生もおり、留学に関するノウハウ を伝授してくれます。また、留学予定(希望)の協 定校からの交換留学生と授業をとおして親しくな り、留学先で交流を続ける学生もいました。

(大藪加奈記)

エジンバラ大学語学研修

 英国スコットランド、エジンバラ大学の研修(夏 期・春期)には、31名が参加しました。学生たち はホストファミリーに滞在し、研修先が提供するツ アーや行事に参加しました。英語を学ぶだけでな く、世界遺産都市エジンバラが提供する文化(舞台 芸術、建築、美術館・博物館、スポーツ、食べ物飲 み物等)やスコットランドの自然に触れて3週間を 過ごし、ロンドン研修も3日間行いました。

 事前学習では、海外で起こりうる危険について、

英語シミュレーションやロール・プレイを行いまし た。2012年度からは、研修準備をかねた授業(英 語Ⅱ・語学研修)が開講され、現地での生活や文化 体験、英語力向上をさらに充実させることができる ようになります。 (大藪加奈記)

ワシントン大学語学研修

 シアトルの美しいキャンパスで開かれる語学研 修、今年度は8月28日~9月18日の日程で7名の 学生が受講しました。学類・学年別受講者は、医学 類1年:4名、国際学類2年:2名、法学類2年:

1名です。全員、女子学生でした。

 この研修には2つのプログラムがあり、リスニ ング&スピーキングを中心とする英語研修と文化 体験を組み合わせたLanguage&Culture に3名、

大学留学に必要な英語力のトレーニングを行う Orientation to Academic Skillsに4名が参加しまし た。キャンパスでの授業、他の学生との交流、そし

てホームステイをとおして、学生たちは〈使える英 語力〉がいかなるものかということを実感したよう

です。 (結城正美記)

ハワイ大学語学研修

 夏期(8月)と冬期(2月)に開講されるホノル ルのハワイ大学マノア校での3週間の語学研修、夏 期プログラムは本学前期の試験期間と完全に重なっ ていたため受講者は1人[学校教育学類2年]でし たが、冬期分には9名の学生[医学類1年:3名、

国際学類1年:1名、2年:2名、人文学類 1年:

1名、自然システム学類:1名、学校教育学類3年:

1名]が参加しました。

 研修は、午前中(冬期は午後)は口頭表現力向上 を目指した英語のトレーニング、その後に文化体験 やハワイ大学学生との交流という内容です。フレン ドリーな学習・生活環境、美しい海と山、そして合 衆国のなかでもとりわけ豊かな異文化環境を誇るホ ノルルで、学生たちは英語による異文化コミュニ ケーションの感触を確実につかんだようです。

(結城正美記)

モナシュ大学語学研修

 世界一住みやすい都市オーストラリア、メルボル ンで学ぶことのできるこの語学研修には、今年度は 前期1名、後期9名が参加しました。クラス分け試 験を経て個々のレベルにあった学術英語養成集中 コースを5週間受講し、いろいろな国から来ている 学生たちと肩を並べて切磋琢磨しながら実際に英語 圏の大学の授業で必要とされる学術能力習得の土台 づくりをしました。また、イギリス、オーストラリ アの大学入学用の語学試験IELTSを研修の最後に 受験することで自らの学習到達度を確認することが できました。近年留学用の語学試験としてIELTS の有用性が再確認されてきていることもあり、将来 派遣留学を目指す学生には良い刺激となったようで

す。 (根本浩行記)

留学支援事業

(15)

英語指導力開発ワークショップ

本センター主催「英語指導力開発ワークショッ プ」を平成24年2月11 日・12日に開催しました。

文部科学省委嘱事業としての初回から数えて今回が 5回目で、一昨年度からは金沢市と本学の連携事業 となっています。

今年度のテーマは「多重知能を生かして英語を 学ぶ ― MI理論を使った英語教育」で、ハーバー ド大学のH・ガードナー教授が提唱したMI理論

(Multiple Intelligence Theory)を基に、学習者の 様々な感覚や能力を生かした統合的な学習で英語力 を高める教授法について考えました。

各セッションでは、同理論で人間に潜在的に備 わっているとされる8つの知能(言語的・論理/数 学的・音楽的・視覚/空間的・身体運動的・対人 的・内省的・博物的知能)について、講師を務めた 本センターの大藪と本学非常勤講師3名が、各知能 に焦点をあてた教授法の可能性を示し、参加者は英 語で意見交換や活動を行いました。講師に加え、本 センターのBintliff 、數見、趙と本学非常勤講師の母 語話者4名が実施・運営や英語活動をサポートしま した。

最後のセッションでは、小学校と中学校・高校の グループに分かれての模擬授業と、全体での互評を 行いました。各グループが短い準備時間で複数の知 能を無理なく取り込み、楽しみながら学べる完成度 の高い授業を披露しました。参加者の英語指導力の 高さに圧倒されながらも、皆様の充実した表情か ら、本ワークショップが参加者の多重知能を刺激 し、英語指導力の新たな次元の開拓につながってい くものと考えています。 (數見由紀子記)

公開講座

 「世界の川の文化論」と題して、6月に開講しま した。

第一回 「チグリス・ユーフラテス流域の人々と文化」

大藪加奈

第二回 「中国の河川文化」 杉村安幾子 第三回 「フランスの河川文化」 三上純子

第四回 「アメリカの河川文化」 アートル・ジョン 第五回 「ドナウ川流域の文化」 佐藤文彦

 世界の河川とその流域の都市や文化の諸相を解説 し、人間社会の興隆に果たす川の役割を考えるとい う趣旨の講座でした。源流から河口まで、さまざま な顔を見せる川や、民族・言語・宗教を異にする集 団が共存して暮らす川、国家の象徴である川や、右 岸と左岸で激しく対立した歴史を持つ川…。川を語 る事で、一国・一地域だけではなく、地理的・社会 的・歴史的なつながりの中で、流域の人々の文化や 暮らしをみるこ

とができたので はないか、と思 います。今年は 48名 の 受 講 者 がありました。

(大藪加奈記)

金沢市との連携事業

 金沢大学と金沢市との包括協定に基づく連携事業 として、本センターは市教委学校指導課と協力して

「小中一貫英語教育充実発展プロジェクト」を担当 している。今年度は「英語指導力開発ワークショッ プ」と「外国人留学生と小学生の交流」を実施した。

前者については上述のとおり。後者については国際 課国際交流係を通じて約10名の留学生を市内の小 学校に派遣した。近い将来、異文化理解に関心を持 ち、英語の運用能力にすぐれた学生が本学に入学す ることを期待している。なお、本事業は大学から特 別事業費の交付を得て実施したものである。

(矢淵孝良記)

社会貢献事業

(16)

ランチョンセミナー「外国語学習特集」

 大学教育開発・支援センター主催の2011年度「角 間ランチョンセミナー」において、本センタース タッフが「外国語学習ウィーク」の8回のミニ講義 を担当した。なお朝鮮語については、6月15日(水)

に非常勤講師の宋有宰先生にお話いただいた。

(佐藤文彦記)

第39回 6月8日(水)

 今日から始めるTOEIC対策 西嶋 愉一 第40回 6月9日(木)

 大学生としての継続的英語学習法 小林恵美子 第41回 6月10日(金)

 英語海外語学研修の紹介―参加者の声を聞こう!

大藪 加奈 第42回 6月13日(月)

  モナシュ大学語学研修体験談・IELTSで勝ち取

る派遣留学 根本 浩行

第43回 6月14日(火)

 ドイツ語の魅力と学び方 佐藤 文彦 第45回 6月16日(木)

 中国語の魅力と学び方 矢淵 孝良 第46回 6月17日(金)

 フランス語の魅力と学び方 三上 純子 第47回 6月20日(月)

 ラテン語の魅力と学び方 渡邊 明敏

ランチョンセミナー「語学研修紹介」

 本センタースタッフを中心に英語圏語学研修の紹 介を行い、139名の参加がありました。学生アンケー トには、「語学研修のイメージがわいた」「経験者 の声が聞けてよかった」「語学研修や留学がしたく なった」などの声が多数寄せられました。今後も語 学研修の周知をはかり、研修参加を促進させたいで

す。 (大藪加奈記)

第68回 1月23日(月)

 モナシュ大学研修/ IELTSで勝ちとる派遣留学 根本 浩行 第69回 1月24日(火)

 ワシントン大学研修・ハワイ大学研修の案内 結城 正美

第70回 1月26日(木)

 エジンバラ大学(タフツ大等その他の研修を含む)

 研修の案内

大藪 加奈  齋藤 嘉臣(国際学類)

第71回 1月27日(金)

 ユーコンカレッジ、シドニー工科大学研修の案内 結城 正美  志村  恵(留学生センター)

教養教育全学研究会

 第14回の今年度は、「共通教育とティーチングア シスタント(TA)制度」をテーマに、11月7日、

自然科学系図書館AVホールで開催された。本セン ターの矢淵孝良(共通教育委員会FD委員会委員長)

が「共通教育におけるTA活用の現状と課題」を報 告し、山内正平千葉大学普遍教育センター教授が

「千葉大学におけるTA制度―普遍教育を中心にし て」と題する講演を行なった。矢淵報告では、現状 を分析した上で、同一科目でありながら非常勤講師 の授業にはTAがつかない、TAごとに業務の差が 大きい等の課題を指摘した。このTA制度は、教育 企画会議の教育改革部会が扱う主要なテーマの一つ になっており、今後、言語科目としての対応を問わ れる可能性もある。 (矢淵孝良記)

海外留学フェア2011

 7月1日に留学生センター主催の「海外留学フェア 2011」が開催され、本センターの教員が交流協定校 からの留学生や派遣留学経験者とともに、来場者の 派遣留学や語学研修などの相談に応じました。また、

例年どおりTOEFL- iBTトライアルコー ナーも担当し、試験 と教材について説明 を行いました。

(數見由紀子記)

その他の活動

(17)

学習支援冊子

『英語学習ハンドブック』(2012年度版)

 大学での効果的な英語学習に 役立つ情報や履修のアドバイス などを収録

 ◎新入生に配付

『初習言語ガイドブック』(2012年度版)

 本学で開講している初習言語 の紹介や履修上の注意などを収

 ◎新入生に配付

『英語力をのばしたい皆さんのための

 英語Ⅱ/英語Ⅲ授業案内』(2012年度版)

 英語Ⅱ・英語Ⅲを目的や関心 ごとに分類した授業案内  ◎学務係で希望者に配付

紀要

『言語文化論叢』第16号

 外国語教育法、外国語学・外国語文学、異文化コ ミュニケーションに関する論文等を掲載

『外国語教育フォーラム』第6号

 外国語教育に関する論文、授業実践報告等を掲載

語学教材[2011年度購入分]

・ENGLISH JOURNAL (CD付)

・CNN ENGLISH EXPRESS (CD付)

・英検1級 全問題集 2011年版(CD付)

・TOEFLテスト英熟語850

・TOEICテスト 英単語 超入門編 他 53点

ド イ ツ 語

・独検過去問題集 2011年度版

・らくらく旅のドイツ語

・やさしいドイツ語の教科書

・日本語から考える!ドイツ語の表現 他 5点

フランス語

・実用フランス語技能検定試験 2011年度版 1級

(CD付)

・言いたいことが言える、書きたいことが書けるフ ランス語の作文

・フランス語ホームステイライブ 他 6点

中 国 語

・中国語ジャーナル (CD付)

・聴く中国語 (CD付)

・中検準1級・1級問題集 2011年度版(CD付)

・日本語から考える!中国語の表現 他 16点

韓 国 語

・韓国語ジャーナル(CD付)

・ハングル能力検定試験 過去問題集 第6巻 1級

・日本語から考える!韓国語の表現 他 10点

そ の 他

・スペイン語検定対策5級・6級問題集

・ロシア語文法便覧 他 12点

2012

未来への扉 大学で学ぶ新しい外国語

2012 年度

英語力をのばしたい皆さんのための 英語Ⅱ/英語Ⅲ授業案内

2012

金沢大学外国語教育研究センター

センター刊行物/購入語学教材

(18)

英 語

『英語語源辞典』 (寺澤芳雄著、研究社)

 このコーナーを私が担当するの も今回が最後ですので、私の愛読 書を紹介します。辞書とは言え、

引く辞書というよりは読む辞書で す。英語は印欧語族に属しますか ら、この辞書によってフランス語 やラテン語・ギリシア語との関係 だけではなく、遠くはペルシアや インドの言葉との関係を知ることができます。この辞 書で判るのは、言葉がもともとの意味から完全に離れ てしまう程大きく変化する一方で、何千年の時を経て も変化しない「核」の部分が存在することです。例 えば、computerという言葉の中にラテン語のputo「考 える」という要素が含まれていること知るのは楽しい ことです。少々高い本ですから図書館などで利用し てください。

(渡邊明敏記)

ドイツ語

『手紙・メールのドイツ語』

(マルコ・ラインデル著、久保川尚子訳、三修社)

 タイトルでは「手紙」が先に来 ていますが、本書の特徴は「メー ル」のドイツ語がとても充実して いることです。留学のための書類 を提出する、食事やデートに誘う など、公私ともにさまざまなシチュ エーション毎の例文が掲載されて いるので、これらを応用すること ですぐにでもドイツ語のメールが書くことができま す。その準備段階として、ドイツ語特有の文字の入 力の仕方なども丁寧に解説されています。だけどみな さんにとって一番の問題は、自分のドイツ語のメール や手紙を受け取ってくれる相手を見つけることかもし れませんね。そんな時はまず、ネイティブ教員や留学 生に話しかけることから始めましょう。本書にはドイ ツ語に限らず、ことばでコミュニケーションを取る際 のエチケットがふんだんに紹介されているので、その 点でも大いに役に立つはずです。 (佐藤文彦記)

フランス語

『言いたいことが言える 書きたいことが書ける フ ランス語の作文』 (藤田裕二ほか著、三修社)

 今回ご紹介するのは、初級から 中級への架け橋となる作文教材で す。シンプルな文をフランス語に する方法を学びながら、基礎力を 養成することができます。前半は フランス語で表現する際の考え方 を示した基礎編、後半は日常のコ ミュニケーションの場での会話を 想定した実践編で、いずれも練習問題が付いていま す。初級文法を終えたばかりの学習者に特にお薦め したいのは基礎編です。「基本文型を学ぼう」で初級 文法を復習し、その後、主語のとらえ方、冠詞や時 制の間違えやすい点など、日仏の言語の違いに関わ る表現の問題に取り組むとよいでしょう。日本語に多 いオノマトペの訳し方など文化的な違いに触れた項目 もあり、楽しんで学べると思います。 (三上純子記)

中国語

『口を鍛える中国語作文―語順習得メソッド(中級 編)』CD 2枚付き (平山邦彦著、国際語学社)

 中国語の文を組み立てるとき、最 も重要なポイントが語順であること、

中国語学習者の誰もが理解するとこ ろでしょう。「もし~なら、…する」

という条件文を例にとると、テキス トには“如果~、就…”などとあり ますが、“如果明天下雪、就我不去。”

は誤りで、“我就不去。”と言わなけ ればなりません。理由は“就”が副詞だからです。むろ んそうした理屈の勉強も必要ですが、より大切なのは、

“就我不去”と言ったときに「変だぞ」と感じるセンス です。そのようなセンスを得るためには、正確な文が口 をついて出るまで、すなわち暗唱できるまで繰返し練習 するという地道な勉強が必要不可欠です。

 本書はそうした勉強に最適な教材です。全75課、1 つの課に8つの例文があり、およそ1日1時間の勉強で 1課を暗唱できるようになるでしょう。「中級編」とある ように、初級レベルの学習を終えた人、中検3級~2級 をめざす人向けの教材です。最初の課のほうが難しい ので、第11課くらいから始めてもよいでしょう。

(矢淵孝良記)

教材紹介

(19)

(総合教育1号館2 F)

外国語教育研究センター年報 2011年度

2012年 3 月発行

金沢大学外国語教育研究センター 広報・社会貢献企画部編 920

1192 金沢市角間町

電話:076

264

5760  fax:264

5993 http : //fliwww.ge.kanazawa-u.ac.jp/

flijimu@adm.kanazawa-u.ac.jp

(20)

参照

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