低級脂酸 ( ㍗ ‑ h y d r o x y b u t y r i ca c i d ) に よる睡眠賦活脳波
一 非定型 睡眠波 の臨床 的意義 を中心 に ‑
福 島 裕
FUKUSHIMA̲YUTAKA
山 谷 勇
YAMAYA̲YUZO
古 市 康 昌
FURUICHLYASUMASA
渡 辺 俊
WATANABE̲SHUNZO
弘 前 大 学 医 学 部 神 経 精 神 医 学 教 蔓 ( 主任 佐藤時治郎 教授)
⊂ = コ
r 白 〕 橋 剛 天
TAKAHASHLTAKEO
東 北 大 学 医 学 部 精 神 医 学 教 室 ( 主任 和 田豊治 教授) ( 1 3.I I I.
1968.受 付)
い と ぐ ち
現在 臨床 脳波 に使用 され てい る賦 活法 とし ては,過呼 吸 ・閃光刺激 ・開閉眼 ・音 刺激 ・ 睡 眠 ・注射 賦 活 な どが あげ られ る.そ の 中で
も,最 も賦 活効果 の高 い方法 は,注射賦 活 と 睡眠賦 活 で あ る. これ まで, カル ジア ゾ‑ル
・メジマイ ドな どの注射賦 活 が広 く用 い られ て来 た が, それ らは健康正 常者 に も可 成 り高 率 に異常波 を賦活 し得 る こ と が 知 られ て い る. これ に対 し,睡眠賦 活法 は賦 活手段 が睡 眠 とい う生理 的現 象で あ り,方法 的 には よ り
1 2 )
理 想 的 な賦 活法 とい え る. ところで, 睡眠賦 活 法 と し て は 自然睡眠 が最 も理 想的 であ る 那,限 られた 記録時 間内 に 自然 睡眠 を得 る こ とは困難 な こ とが多 い.そ こで,入眠 を促進 す るた め種 々 の催 眠剤 が使用 され る.従来 , 使用 され て きた主 な催 眠剤 には
Seconal,Ra‑vona
な どの
Barbiture誘 導体 ,お よび非
‑ Barbiture系 の
methy1‑2‑0rthotolyト3quina‑8)
zolone‑4 (Hyminal)
,
Monosodi9)um trich‑lorethylphosphate (Triclory
l ),
Ethchlor‑ 13)vynol(Nostel)
があ る・ しか し, これ らは 何れ も催 眠剤 であ り,生理 的 に脳内 に存在す
る物 質 では ない. しか も, これ らの うちのあ る ものは非生理 的 な脳波 を 生 ず る こ と が多
し ヽ .
1)
2 )
1960年
Benda&Perl占S ,
Laboritらに よ り
,T‑aminobutyricacidの 中間代謝産 物 で あ り,正 常脳 内物 質 であ る
γ一hydroxybutyric acid( 以 下
OBAと略称 す る) に中枢神 経抑 制作 用の あ る こ とが報 告 され,更 にそ の後 の
3 ) 〜5 )
臨床研 究 に よ って麻酔剤一特 に静 脈 麻酔剤 と して の価値 が強調 され た.
OBA
は経 口, 静脈 内投 与のいずれ に して も容 易 に血 中か ら脳 血液 関門 を経 て脳 内 に入
3 )
る といわれ
(Blumenfeldら),電 気生 理学 的 お よび薬理学 的研 究 よ り, その作 用部位 は脳 幹 部 で あ ろ う と考 え られ てい る
(Giarman4 ) ら).
われ われ は
OBAに麻 酔, 作用 が あ り, しか も生理 的 に脳 内 に存 在 す る低 級脂酸 の一種 で あ る こ とか ら,本剤 が睡眠脳 波賦 活 剤 に極 め て適 した睡眠導 入 剤 として使 用 され得 るので は ないか と考え, この研 究 を行 な った .
被検 者 な らび に投 与方法
本研究 の被検者 は
183名で, その年令 は 3
福島 ・古市 ・ 山谷 ・渡辺 ・高橋 表 ∴ 令 ㌦ 「⊥ : 莱 ・L.i ∩ ′小 下 才 r 才 子 才
上以 15 加 洲 00 訓 以 才 〜 〜 〜 ) T f n U l ごU rl 1 l
l1 1 l り J 3 4 こJ
一二「転換者 の年 分分 有 と催眠 効 果
り ノ ー⊥
火UnU 3C CC .C 3 り tJ 3
リ一り ] りJ l l‑ 81 7 7
.Jり∩ り 3 、hリ ∩ U
LD9 ︹‑
父U8 、h 二 〇 L〇
t‑才か ら
72才 にわ た る. そ の年 令分 布 は第 1表 の 如 くで あ る.
本研 究 にお い て は , カフ セ T Lあ るい は シロ ソプの 形 で経 口的 に投 L j J ‑され た .そ の投 与 量 は
1( )才以 下で は
1g, 1 0
‑ 15才 で2g, 15 才 以上 では
3gを一 応 の基 準 と した が, さ らに 年 令 ・一 般 状 態 の考 慮 の 下 に投 与 量 が決 定 さ れ L
た .成 績
1) 値眠 効 果
本 則 服用 後
6( ) 分 以 上経 過 して も睡 眠 の得 ら れ な か った もの は無効 と判定 され た が ,全 例 1 83 例 中, 無 効 は 45例 で あ i ),結 局催 眠 効 果 は 75
%(t 38 例) に 認 め ら れ た ( 第 1表参 描 ).
第 2 表 薬 桓 ・ 剤て ) , ( こよる 僅 眠 効 果 の 比 較
催 眠 剤 警 眠 効 果
()BA
(
シロ ッ7 ‑ f Jプセ 7 ン
TriT̲orylt シ 憲 プ Sec(つllal 錠
80
965二 2
',〃ク〃
J 脚 68 m 65
剤 形 に よる催 眠効 果 の比 較 , お よび 他 の催 眠 剤 の睡 眠 効 果 との 比 較 では , 本 剤 シ ロ ップ
(80%)は カプセル
(5200 ) に くらべ , は る か に そ の催 眠 効 果 の 高 い こ とが示 され た . ま
9 )
た 自験 に よる
Tricloryl
,Seconalとの比 較 で は , 本 剤 は 前 者 (シ ロ ップ899 わ, 錠剤68
00)には劣 るが, 後 者 ( 錠 剤
6500')には 摩 る とい う成 績 を得 た ( 第
2表 ).
i Z) 脳 波昧 活 効果
催 眠 効 果 の あ った
138例 につ い て , そ の異 常波賦 活 効 果 につ い て検 討 す る と, そ の うち 48例
(3500) に賦 活 効 果 をみ た .賦 活 効 果 は 安 静 時記 録 にみ られ な か った 異 常 波 を賦 活 し た ものお よび安 静時 にみ られ た異 常 所 見 が睡 眠 に よ って 明 らか に増 強 した もの を も って陽 性 と した . もちろ ん異 常 波 賦 活 効 果 は , 各疾 患 に よ って 異 な るが, そ 0) 嵐 監別賦 活 効 果 は 第
3表 の ご と くで, て んか ん の 他 に は 脳 掻 揚 , 脳
卒中後遺 症 な との器 質性 嘆息 で 高率 で あ った .
宥 こ う長 ⊥ 圭 遮 弓
吊列数 と 勧 告 効 果 所
見例 数 くり。)
賦活 効 果
て 頭 沖 荷 脳 悩 臓 躍 そ
ん か ん
部 外傷後 遺症
経
症\ノ
\ノ、‑ ノ\ tノ \‑ノ 9
L‑(リ L‑ TT 9 り 一
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lり 一 7
20 3
(hnU ハb 一〇
31
り︼CC 3
'D1
計 1 3〜 う( l oo) 35 %
こ こで, て ん か ん 群 につ い て 各種 睡 眠賦 活 の賦 活効 果 と本 剤 に よ るそ れ とを比 較検 討 し てみ る と ( 第
1図 ), 自然 睡 眠 では異 常 脳 波 出現 率 が 67 % と最 も高 く,
OBAは
620/ 6で こ れ につ ぎ,Tr
icloryl,Seconalに 優 って い る ・
しか し,
OBAで 異常 波 賦 活 率 が高率 で あ っ た の は,6‑1
4(‑ / . † e ( 一 陽 性 頼 政 の 出 現 ( 2 5, 9 , , 6)が 他 に比 較 して 高率 で あ った た め で あ り, 事実 また 陸 眠 波 形の非 対称 性 出現 や 発作 波 出現 で は ,
OBA誘 発 睡眠 脳 波 が他 の それ に劣 る と い う成績 で あ った . な お , 本 研 究 に お い て
OBAに よ って
6‑14C/SeC陽 性 砕 波 が可 成 り良 く誘 発 され る こ とが 明 らか に され た こ とは 見 逃 し得 な い 告で あ る.
3
)非 定 型 睡眠 波 の 出現
睡 眠 の際 に は, 睡 眠 の経過 に伴 って脳 波 パ
タ ー ンの 上 に も段 階 的 変 化をあ る こ とが 知 ら
れ て い る.す な わ ち, 第 4表 に示 され る ご と
脳 波 出 現 率 眠 波 非 対 称 頭 部 焦 点
第
1屋i各桓睡 眠 賦活 の賦 活効 果 の比較 (てんか ん群 )
第 4 表 自然 睡 眠 にお け る睡 眠 深 巧日和 j jT ‑ ) と脳 波 像 の相関
陸 掛
宋度 脳 波 像 の 特 徴
傾
眠期
言葉 S 3照 度減 少 ( 抑 制 期 )
軽睡 眠初 期
5‑6r の 〟汲 J /
L‑ ・50・ L W 程 覧 ( 逮 波 期 ) 頭 ] 頁 ・中心 回部 に癌 波
(hump)
の出現
軽 睡 眠 期 諸 芸 状 波
rSpindle欄探 睡 眠 期 1‑3ド/ L l ‑ i , ( ・ 1 ( X )〜50O
J L V の 大徐波
( 境 涯 期 )
( 紡 錘波 期 )
(丘
波 期 )
き推 移であ る. この よ うな脳波 ハ ター ンの変
‑ 14 陽 性 頼 波
化は薬剤 に よる誘 発睡眠 の際 に もみ られ るの
か普通 である. これ に対 し,
OBA誘 発睡眠
の脳波 では,一般 に徐波 成分 の混 入が多い傾
向がみ られ た ( 第
2図). しか も, なか には
明 らか に 自然睡眠時 の脳波像 と異 な った波形
を示す場合 が少な くない ことが明 らか に され
た.す なわ ち, 入眠初期 よ り前頭部 優位 の間
軟性律動性高振 巾徐波 の出現 をみ るこ とが あ
り,時 には この よ うな高振 巾徐波が入眠以 前
に出現す る こ と もあ る ( 第
3図参照). この
よ うな脳波ノ、タ ー ンは,正 常睡眠 の経過 にお
い てはみ られ る こ とのない ものであ り,本稿
では これ を仮 りに非定 型睡眠波 として述べ る
36 0
LFp RFp
福島 ・古市 ・山谷 ・渡辺 ・高橋
50LJVl
1
sec
第 2 図 37 才̀ 男子 ,高血 圧症 .軽睡眠初期 の脳波 .単極導出. ( A) 自然睡眠時 の脳波で, 矢印は橋渡 . (B) 同一記録 中で
,OBAを投与 し,入眠 させた際の脳波で
,(A)とほぼ同 じ睡眠 深度の記録で ある.鹿波 ( 矢印)がやや遅 いはか りで な く,全般に徐波 の混入が多 くみ られ る.
L :左 側.R : 右
側.Fp:前頭極
,C:中心L H l部,0 :後頭部 .
ことにす る. 被換老 中26 例
(19,0ノ0')にみ とめ られたが, ここの非定型睡眠波 は,睡眠効果 のみ られた の波形 の出現 は明 らか に睡眠深度 とは無 関係
第 3 図 28 才 , 男子 .神経症.OBA投 f 享 ‑ に よ り. r 即 指した両側性 の約 3( /S t ・ ( .律動 性詣 掘 巾徐波 ( 非 r / t
T型睡 眠波 )の例 .
であ り,特定 の症例 において 入眠前或いは入 眠初期 か ら出現 し, しか もこの よ うな症例 で は癌波 ・紡錘波 な ど正常 自然睡眠 におい て出 現す る波形が一般 に不 明瞭 である とい う傾 向 がみ られた. この よ うな結果 か ら,非定型睡 眠波形 が何 らかの臨床的意 義 を 有 す る可 能 性 が推定 された ので, この波 形 と臨床所 見 と の相関を検討 した .その結果,臨床診 断 ・年 令
・OBA服用量 ( 体重
転あた りの量) な ど の因子 と本波形 出現 との間 には何 らの相 関関 係を認め るこ とは出来 なか ったが,精神神 経 学的所見の有無 に よ って中枢神経 系の器質性
障害群 と非器質性障害群 の両群 に分類 し, こ れ らを比較す る と, この波 形出現率 につ いて 前者 では36%,後者 では1 5% と両者 の間 に有 意 の差
(P<0.05)を認 めた (第
4図参照).つ ま り,本波形は体重 k g あた りの投与 量 と は関係な く,大脳 に器質性障害 を有す る疾患 群 で よ り多 く出現す る とい う成績 であ った.
ところで, この非定型 睡眠波 は一般 に左右
対称性 に出現す るが,稀 には非対称性 の出現
をみ るこ ともあ る. この よ うな非対称性非定
型睡眠波 は本被検例 中
2例 (
1.4,0 / o) にみ ら
れたが, 何れ も既 に安静時記録 におい て脳波
3 62
価
‑0 ‑ 90‑ I
mg
‑1 一 0 8
XX
●
‑ ● ●
群Y : X
yX TI
If]70 1 60 1 50 ‑ 40
一一 一 ‑
1
‑30 ‑
●●●●
●● ●● ●● ●● ● ●●●● ●
●●●● ● ●● ●● ●● ●●●● ●
̲+̲ +++ ̲+ ̲. ̲
福島 ・古市 ・山谷 ・渡辺 ・高橋
IXXXXXXX
一
∵‑●● ●● ●● ●●●● ●●● ●■ ●
●●●●●●●● ●● ●● ●●●● ●● ●● ●
●●●●●●++'+ .:.:・: +'[ 「 .'
⁝4...】
‑ 20‑ ●定型睡眠 波 形 I
‑ 10‑
×非定型睡眠 波 形
第 4kr 定型 ・非定型睡眠波形 とOBA服
用量 (mg/k g)
波 形の非対称性 出現 がみ られた症 例であ る.
この ことか ら本波形 の非対称性 出現は大脳 の 非 対称性 出現 と類 似 の臨床脳波学 的意義 を有 す るもの と考え られ る ( 第 5・6図参照).
考 捷
6 )
睡眠賦 活法 は
1946年
Gibbs夫妻 に よ り提 唱 され て以来,臨床甘 酢動 二は欠 くことので きな い賦 活法 とな ってい る.睡 眠 賦 活 法 と し て は, 自然睡眠が巌 も理 想的 であ るが,成 人で も限 られた記録時 間 に 自然睡眠 を得 ることは 困難 な こ とが 少な くない .ま して小 児や緊張 状態 にあ る被検者 では脳波記鐘 それ 自体 が困 難 であ る.そ こで, この よ うな場合,催 眠剤
に よる睡 眠‑ の導入 が必 要 とな る.
睡 眠賦 活剤 として使用 され る催眠剤 は一定 時間内 に行 なわれ る脳波検査 のため に入眠 さ せ る 目的で使用 され るの で , 催 眠 効 果 が高 く, しか も即効性 で,副作用や毒性が少 ない とい うことが 必要 であ る. しか し一方,脳波 判読 の上 か らはその誘発睡 眠脳波パ タ ー ンが
自然睡眠 のそれ に近 い ことが望 ま しい . 従来一般 に使用 されて きた睡眠昧活 剤 には 主 として
Barbiture酸 系の催 眠剤
(Seconal,
Ravona)が あ るが, これ らは脳波上 に特 有 な速波 の出現ない しは増強 を示 し, しば しば 脳波 の判読 を さまたげ る とい う点、 で問題が あ
つ J̲ / ‑.
本副の睡 眠脳波航活剤 としての効果 を,そ れ ら従来 の催 眠剤 のそれ と比較す る と,催 眠 効果 の点 では,本 剤 シロ ップは
80%有効 とい う成績 で,
Triclorylシ/ ロ ップの
89%にはや や劣 るが,
Seconal錠 の
65%よ り可成 り優 る 有効率 であ る とい え る.一方,てんかん患者 群 につい てみた異常波賦活効果 では,発 作波 賦活 ・非対称性睡眠波 出現 な どの点 で, 自然 睡眠
・Tricloryl誘 発 睡 眠 のそれ にやや劣 る ものの,
6‑14C/Sec陽性疎波賦活 の点 では本 剤誘発睡眠 は 自然睡眠 を含 む他 の睡眠 に優 る とい う成績 を得 た.本 剤 が
6‑14C/LW陽性麻 波 を良 く誘発す る とい うことにつ い ては既 に 1 0 ) 田甲 らも報告 してい る.
6‑14C/.W陽性頗波 出現率 の比較 にあた っては,被検 対象群 の年 令 分布, その他 の因子 の考慮 ・分析 がな され る必要 があ るので,本剤が特徴 的 に高率 に本 異常波 を誘 発す る と即 断す る ことは許 され な いであろ うが,少な くとも本 剤 が 良 く
6‑14 C/S e ( .陽性称波 を誘 発す る とは結論 出来 よ う.
ところで,本 剤が睡 眠賦 活剤 として特 に問 題 とな る点 は,いわゆ る非定型睡眠波出現 で あろ う.著者 らが本稿 で非定型睡 眠波 とした
l l )
脳波像 につ い ては,既 に山田 ら,お よび田中
1 0 ) l l )
らが記載 してお り, 山田 らは これが明 らか に
自然睡眠波形 と異 な る脳波像 であ る と述べ て
い る.我 々の症例 では, この波形の出現率 は
二 . .:‑ 二 ‑ ‑̲‑:‑̲‑:̲: I̲十 ユ ニ ー 二 二
● ●
●
●第 5図 37 才男 +,脳血 管障害 .安静度畦時記録 . / i ‑ . ‑ 前 側頭 動 二限 局性 に 不規則 な徐波 の 旧 現をみ る.
19,0
/ Oであ った . この脳波パ ター ンは, そ の出 徹 され得 るで あろ う.ただ, これが本 剤 によ
現様 式 .波形 よ り, もしこれ が 自然陸 日 民脳波 る睦 眠賦 活 におい て特徴 的 に多 く出現 した と
にお い て出現 した な らば, それ は発作 波 と見 い う成績 よ り考え, 本波 形の 出現が
OBAの
3 64 ‑
福島 ・古市 ・山谷 ・渡辺 ・高橋
二
∵ ∴
. ̲ J L ▲ 一 .
」‑、 へ′\ JJ√ヘノ
㌦.lJ へ 第
6図 第
5図 と同一症例の同一記鍬 こおける
OBA投 5‑ 後の脳波.左側前部に
2‑3C . S 打 の律動 性高振 巾徐波の出現をみ る,
中枢神経 系に対す る薬理作用 に よる ものであ ろ うと推定 され る・
OBAによ って賦活 され
た この非定型睡眠波が,それ 自体 ,異常波で あ るか否かの結論 は一義的 には困難 であ り, 未 だ保留 されなけれ ばな らない と考 え るが, 著者 らの研究 において本波形が全例 の
19%に のみ認 め られ, しか もそれが器質性障害群 で 高率
(P<0.05)に出現 し, また,安 静覚醒 時 の非対称性異常所見 と一致す る非対称性 の 出現 をみた症例が あ った とい う結果か ら,少 な くとも本波形 につ いての臨床脳波的意義が 十分評価 され て よい もの と考 え る.生理 的 に 脳 内に存在す る物質 に よって, この よ うな 自 然睡 眠 には認 め られ ない非定型睡 眠波が生 じ た ことは興味 のある こ とであ り, さ らに本剤 の 神 経 生 理 学 的 追究 が望 まれ る ところであ る.
結 語
われわれは γ‑hydroxybut yri caci d ( OBA) を各種精神神経疾 患患者
183例 に対 して脳波 陸 眠賦活剤 として使用 し,本剤 の睡 眠賦活剤
としての価値 を検討 した .
1)
催 眠効果 は シロ ップで
80%, カプセル では
52%に認 め られた.
2 ) てんか ん群 についての異常波賦 活効果
は62%にみ られたが,特 に
6‑14C/Sec陽性棟 波の賦活効果
(25%)が高 か った.
3)
本斉U 誘発睡眠波形は生理 的 自然睡眠 の それ とは異 な り,徐波化 の傾 向が大 き く,特 に
19%においては 前頭部 に優位 な間敵性律動 性高坂 巾徐波 ( 非定型睡眠波) が 入眠前 ない
しは入眠初期 か ら認 め られた .
4)
この非定型睡眠波は大脳器質性障害群 において高率 ( 36% ) に認 め られた.
稿を終 えるにあた り,御指導を賜わ った和 田豊 治前教授 と御校閲いただいた佐藤時治郎現数夜に
深謝いた します .
薬剤の試供 を受けた小野薬品 ・科研化学両社に 謝意 を表 します .
文 献
1 )BET l ‑ r ) A,P.e tPERLES ,R∴ Et udeexper i ‑ me nt a l edel ・ A bai s s eme ntdel a vi gi l a nc eparl a
「but yr ol ac t one.Com t .Re nd. ,1 96 0,251,1 31 2‑
1 31 3.
2)LABORI T,H.
,Jot / ' AI ' Y ,I .M. ,GERAL ' D ,J . e t FABI A: ( Ⅰ ,F∴ Sur un s us t r at met a bol i que ac t i onc ent r al ei nhi bi t r i c el e4‑Hydr oxybut yr a t e deNa.Pr es smi d. ,1 9 60,50,1 867‑1 869.
3)BLL T MENFELD ,Mリ SUI ( TA T ,R G.and MARMEL,M.H.:Sodi um gamma‑ hydr oxvbut y‑
r i c aci d.A new anes t he t i c adj unva nt .Cur r
.Res .Anes t hリ1 962,41 ,721 ‑ 72 6.
4)GI Ar く MA I T J ,N.∫.a nd ScHMI DT ,K .F.:
Someneur oc hemi c a】as pec t soft hedepr e s s ant ac t i on of㍗ ‑ But yr ol ac t one on t hec e nt r alnerv‑
ouss ys t em.Br i t .J ,Phar maco1 . ,1 9 63,20,563‑
56 8.
5)BESSMA N ,S.P.and SKOLNI C I く ,S.∫ .:
Gamma‑ Hydr oxybut yr a t e and Gamma‑ But yr ol ・ ac t one:Conc ent r a t i on i n r a tt i s s uesdur i ng an‑
es t hes i a.Sci enc e,1 9 64 ,1 43 ,1 045‑ 1 04 7.
6)GI BBS,E. L and GI BBS,F. A∴ Di agnos t i c and l oc al i z i ng val ueofe l ec t r oe nc ephal ogr aphi c s t udi esi ns l e ep.Pr oc.As s .Res .Ner v. & Me れt . Di s . ,1 9 46,26,366.
7)和 田豊治 :臨床脳波,1 9 5 7 ,金原出版, 東京 . 8)清水隆麿 :新催眠剤 me t hyト2‑or t hot o】 yト3 qui nazol one‑ 4 に よる臨床脳波賦活法 .精神医学, 1 962,4,483.
9)佐藤正敏,也 :新催眠薬 Tr i c l or yl に よる臨 床脳波賦活法.脳 と神経 ,1 9 65,17,729‑ 733.
1 0)田中善立 ,他 : Gamma‑ hydr oxybut yr a t e に よる臨床脳波賦活法に関す る研究 .脳 と神経,1 966 , 18,655‑ 6 62.
l l )山田悦秀,他 :低 級 脂 肪 酸 ( 7 ㌧But yr ol ac ‑ t one
,「Hydr oxybut yr at e)の催眠作 用に関す る脳 波学的検討 .条件 / 反射,1 9 65,61,8 0‑ 84.
1 2)福島 裕 :異常脳波賦活法‑賦活法の選択 と 実施の基礎理論 ‑.臨 床脳 波,1 9 66,8,4ト46.
1 3)福島 裕,他 :AB‑1 404 ( Pl aci dyl) に よ
る脳波陸ヨ 民賦活 .精神医学,1 9 67,9,53‑ 57.
:366 - t~~ .~dJ .Ill·O::- •i/JfjlJ. .~t\'tr
SLEEP EEG INDUCED BY GAMMA-HYDROXYBUTYRIC ACID -Lcith !'Jpecial referencc to the clinical significance of the
so-called "([("pical sleep patter/l"--
By
Y UT AKA FUKUSHIMA*, YA.8UMASA FURUICHI, YUZO Y AMAYA, SHUNZO WATANABE and TAKEO TAKAHASHF*
*Department of Nt'urops.vchiatry, Hirosaki Uni"1·ersit)·
SI-!/fJO! of jWedicin('. Hirosaki (Diredor: Pro.r T. SA TO)
*-;;-Department of Psychiatl:V, Tohol..'u Ulli-z'ersity
SI-!100! (~f1IJedi('ine, Soulili (Director: Prr~t: T.WADA)
The authors applied gamma-hydroxybutyric acid to sleep activation In EEG ex- amination and estimated its value in clinical EEG. The drug was given orally to 183 neuropsychiatric patients.
Results:
1) In 7500 of the subjects, sleep record was obtained in 60 minutes after the drug administration.
2) While sleeping, 6- 14 C/sec positive spikes \vere not infrequently observed and the pattern in 2500 of epileptics.
3) The drug was prone to produce unusual increase in slow waves even in the light sleep stage and paroxysmal bursts of high voltage slow waves, the authors' so- called "atypical sleep pattern".
4) The "atypical sleep pattern" seemed obviously to be induced by the drug;
however, it was seen with significantly higher incidence in patients with organic brain syndromes than in those with non-organic.
(Autoabstract)