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中国国有企業 の資金調達

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川 井 伸 一

は じめ に

本 稿 は1979年 以 来 の国 有 企 業 の経 営 管 理 制 度 の 改革 の 一 環 と して 資 金 調 達 の 改 革 動 向 とそ の 問 題 点 につ いて 検 討 した い。 企 業 の資 金 は 旧来 の財 務 会 計 シ ス テ ムの 枠 組 み の も とで は固 定 資 産 投 資 の た あの 「固 定 資 金 」,経 常 的 な 生 産 流 通 活 動 に 使 用 され る 「流 動 資金 」,特 定 され た項 目 に専 門 に使 用 す る 「専 用 資 金」 の三 つ に 大 別 され,そ れ ら はそ れ ぞ れ 別 個 に管 理 され 収 支 均 衡 され るべ き こ とが求 め られ て い た(U。 本 稿 で は主 に固 定 資 金 お よ び 流動 資 金 の枠 組 み と運 用 に つ い て検 討 す る。 専 用 資 金(生 産 発 展 基 金 ・ 新 製 品試 作 基 金 ・予 備 基 金 ・従 業 員 福 利 基 金 ・奨 励 基 金 な ど)に っ いて は

関連 す る範 囲 内 で取 り上 げ た い。

近 年,国 有 企 業 経 営 の主 要 な問 題 の一 つ と して 資金 不 足 問 題 が 指 摘 され て い る。例 え ば,1993年 に お け る国 有 企 業 の流 動 資金 の 緊 張状 況 に つ い て の調 査 に よ れ ば,95.5%の 企 業 が程 度 の差 こそ あ れ 緊張 して い る と回 答 し て お り(非 常 に緊 張55.3%,比 較 的 緊 張31.5%,や や 緊張8.7%),逆 に 資 金 に余 裕 が あ る と回 答 した企 業 は わず か1.4%に す ぎな い(2)。この 資 金 不 足 の た め に,銀 行 か らの借 入 金 へ の依 存 と返 済 が大 きな負 担 とな り,ま た 企 業 間 の売 掛 金 回 収 の困 難 ・買 掛 金 の支 払 の滞 り(い わ ゆ る 「三 角 債 」)が 全 国 で 大 量 に発 生 して い る こ と も報 じ られ て い る。 しか し他 方 で,1980年

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代 の改 革 の なか で 国 有 企 業 の 資 金 需 要 と使 用額 が 大 幅 に 伸 び て い る。 資 金 需 要 の伸 び の主 要 な原 因 は企 業 の 固定 資産 投 資拡 大 の 欲 求 が 極 め て 強 い こ とに あ る と いわ れ る。 こ う して国 有 企 業 が一 方 で 資 金 不足 に 陥 って い るに もか か わ らず,他 方 で積 極 的 な投 資拡 大 を め ざ す とい う行 動 様 式 は一 見奇 妙 にみ え る。 国 有 企 業 は な ぜ この よ うな行 動 が可 能 な の だ ろ うか。 こ こで は企 業 の資 金 調 達 を 制 度 と運 用 面 か ら検 討 す る こ とを通 して この 問 題 に接 近 した い。

本 稿 の具 体 的 な 検 討 課 題 は以下 の とお りで あ る。 す な わ ち 第 一 に,1980 年 代 以 降,企 業 の 資 金 調 達 の 制 度 枠組 み は ど の よ う に変 化 した の か 。 第 二

に,調 達 資金 の構 造(資 金 源泉 の構 成)は 実 際 に ど の よ うに変 化 した の か。

第 三 に,資 金 調 達 の 変 化 は企 業経 営 に い か な る問 題 を もた ら した の か 。 ま た1980年 代以 降 の企 業 金 融 の改 革 は企 業 の資 金 効 率 化 を もた ら した の か。

こ う した課 題 を こ こで は国 有 工 業 企 業 に 即 して 検 討 した い。

1企 業資金調達制度の改革

1)改 革 以 前 の資 金 調 達 制 度

改革 以 前(1970年 代 以 前)の 国 有 工 業 企 業 の 資 金 は基 本 的 に国 家 予 算 内 の 財政 資金 計 画 に基 づ いて 国 家 財 政 お よ び国 家 銀 行 の管 理 統 制 下 に置 か れ て い た。

まず,固 定 資 産 投 資 の た めの 固 定 資 金(基 本 建 設 投 資 資 金 と更 新 改 造 資 金 な ど)は 国 家 の予 算 に組 み 込 まれ た 基 本 建 設 投 資 計 画 と更 新 改 造 計 画 に 基 づ き国 家 財 政 か ら無 償 で 給 付 され た 。 そ れ は実 質 的 に は国 家 所 有 者 に よ る直接 投 資 で あ り,従 って 固 定 資 金 に よ り形 成 さ れ た固 定 資 産 はす べ て国 家 所 有 に帰 した。

更 新 改造 の 資金 は基 本 的 に企 業 の減 価 償 却 基 金 を原 資 を す る もの で あ る が,減 価 償 却 基 金 は1966年 以 前 はす べ て国 家 財 政 へ 上納 され,財 政 が統 一

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的 に配 分 支 給 して い た。1967年 か ら国 家 財 政 へ の上 納 が 改 め られ,す べ て 上 級 主 管 部 門 お よ び企 業 に留 保 され る こと に な り,更 新 改 造 資金 と して使 用 す る ことが 認 め られ た(3)。この点 で は財 政 が 資金 を支 給 す る こ と はな く な ったが,基 本 的 に主 管 当局 の管 理 下 に置 か れ て い た。

企 業 の留 保 利 潤 は全 額 ま た は ほ とん どを国 家 財 政 に 上納 しな けれ ば な ら な か った の で,留 保 利 潤 か ら生 産 発 展 資金 を取 り出 す こ と は ほ とん ど不 可 能 で あ った。 ま た固 定 資金 を 国家 銀 行(中 国 人 民 銀 行 や 国 家 建 設 銀 行)か

ら借 り受 け る こ と も全 く認 め られ て い な か った。 こ う して 固 定 資 金 は圧 倒 的 に国 家 財 政 の給 付 に依 存 せ ざ るを え な い状 況 に あ った の で あ る。 国 家 財 政 か らの無 償 給 付 体 制 の も とで は企 業 が返 済 リス クを 負 う こ と は な く,国 家 の ソ フ トな予 算 制 約(「 大 鍋 の 飯 」)の も とで企 業 の 自 己負 担 能 力 を無 視

した過 大 な固 定 資産 投 資 が進 め られ た。

次 に,流 動 資金 は大 き く二 っ の部 分 に 区別 され た。 す な わ ち 「定 額 流 動 資金 」 と 「非 定 額 流 動 資金 」 で あ る。 前者 は一 定 期 間 ご との 当 局 の査 定 に 基 づ き ノル マ と して 資金 計 画 に組 み込 まれ る経 常 的安 定 的 な 流 動 資 金 で, そ れ は具 体 的 に は 「準 備 資金 」(原 材 料 ・部 品 購 入)・ 生 産 資金 」(仕 掛 品 ・半 製 品)・ 製 品 資金 」(在 庫 ・製 品)な ど か ら構 成 され る。後 者 は査 定 を受 け ず 資金 計 画 に組 み込 ま れ な い主 に流 通 過 程 の 流 動 資 金 で あ り,具 体 的 に は 「決 算 資金 」(出 荷 商 品 代 金 ・未 収 金)・ 貨 幣 資 金 」(現 金 ・預 金)か らな る。

さて,流 動 資 金 の管 理 に つ い て は時 期 に よ り三 っ の方 法 が実 施 され た(4)。

最 も主 要 な方 法 は二 元管 理(「 両 口管 理 」,「双 軌 制 」)で,流 動 資 金 の大 部 分 を 占あ る 「定 額 流動 資 金 」 は国 家 財 政 か らの 無 償 給 付 に よ る,ま た定 額 基 準 を越 え る部 分(「 超 定額 流 動 資 金 」 と呼 ば れ,季 節 的 臨 時 的 な流 動 資 金)は 国家 銀 行 か らの有 償貸 付 に よ る もの で あ る。 この 方 法 で は,財 政 給 付 の定 額 流 動 資金 お よ び銀 行 貸 付 の超 定 額 流 動 資 金 部 分 の 比 率 は時 期 に よ

り異 な る。 例 え ば,銀 行 貸 付 部 分 の比 率 は1951‑54年 で は10〜15%,

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1958年 で20%で あ り,1966‑71年 は比 率 に関 す る統 一 規 定 は なか っ た。

第 二 の 方 法 はす べ て の 定 額 流 動 資金 を 国 家 財 政 が統 一 管 理 し(「単 口管 理 」,「単 軌 制」),無 償給 付 す る もの で あ る。こ の方 法 は1955〜57年,1962

〜65年 ,1972〜79年 に実 施 され た 。第 三 の 方 法 は定 額 流 動 資金 の す べ て を銀 行 が 管 理 し,統 一 的 に融 資 す る もの(「単 口管 理 」)で,1959〜61年 実 施 さ れ た。 もっ と も,当 時 にお いて 資 金 管 理 で は依 然 と して 財 政 部 門 も 管 理 を担 って い た ので 財 政 的 性 格 の強 い もので あ った と いわ れ る。

以 上,短 期 的 な例 外 を除 い て,流 動 資 金 の管 理 お よ び供 給 にお いて 国 家 財政 が圧 倒 的 に主 要 な役 割 を は た して お り,国 家 銀 行 は お もに臨 時 的 季 節 的 な 資金(「 超 定 額 流 動 資 金 」)の 融 資 に お い て補 助 的 な役 割 を果 た して い た とい え る。 この よ うに固 定 資金 お よ び流 動 資 金 の いず れ に お いて も国 家 財 政 の 果 た す比 重 は圧 倒 的 で あ った。

改 革 以 前 の流 動 資金 貸 付 管 理 の 問題 点 と して は以 下 の点 が指 摘 さ れ て い る(5)。す な わ ち,第 一 に,資 金 供 給 の ル ー トお よ び 資金 管 理 の責 任 主 体 が統 一 せ ず 分 か れ て い た こ と。 っ ま り,企 業流 動 資金 は国 家 財 政,企 業 主 管 部 門,銀 行 の 三 者 が そ れ ぞ れ 別 個 に 資 金 を供 給,管 理 し,相 互 の統 一 的調 整 が 困 難 で あ った こ とで あ る。 財 政 部 門 が最 も主要 な 役割 を果 た しっ つ も, 全 面 的 な管 理 ・監 督 を 行 え る部 門 は一 っ もな か った。 第二 に,流 動 資金 の 供 給 は一 部 分 が 銀 行 の 有 償 貸 付,大 部 分 が 財 政 の 無 償 給 付 で あ っ た た め に,企 業 は無 償 で 資 金 リス クの な い定 額 流 動 資 金 の 獲 得 を争 う こ とに な っ た。 そ の結 果,銀 行 信 用 の 統 一 的 調 整 機 能 が 発揮 で きず,同 時 に在 庫 増 な ど に よ り企 業 の 定 額 流 動 資 金 の 占用 水 準 は きわ め て 高 く,資 金 返 済 の遅 延 もひ ど く,資 金 使 用 効 率 が 低 か った こ とで あ る。 第 三 に,定 額 流 動 資 金 が 一一度 査 定 さ れ一 定 期 間 固 定 され る こ と と生 産 販 売 の 不 断 の 増 大 との 間 の 矛 盾 を 解 決 で き な い こ とで あ る。 工 業 企 業 の 定 額 流 動 資 金 は1952‑81年 あ い だ に わ ず か に 数 回 査 定 され た だ け で あ り,ま た1979年 の 査 定 額 が 1980年 代 か ら90年 代 初 ま で の あ い だ そ の ま ま 適 用 さ れ た 場 合 も 多 か っ

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た。 従 って,査 定 され た資 金 ノ ル マ は生 産 の拡 大 に伴 う資金 需 要 の増 大 に 対 応 で きず,企 業 の最 低 限 必 要 な資 金 水 準 さ え補 充 す る こ とが で きな か っ た。 第 四 に,企 業 は流 動 資 金 の運 用 に対 して 経 済 責 任 を負 わず,価 格 低 下 な ど に よ る製 品 の 廃 棄 損 失 を速 や か に処 理 しな い た め に,流 動 資金 の 回転 が 滞 り,最 終 的 に は財 政 資 金 や 銀 行 貸 付 に依 存 して 穴 埋 め す る こ と が 多 か った と い う。

2)1979年 以 降 の資 金 調 達 制 度 の改 革 (1)固 定 資 産 投 資 資 金

[基本 建 設 投 資 資 金]

まず 国 家 予 算 内 の基 本 建設 投 資 資 金 の制 度 改 革 にっ いて 。1979年8月, 国務 院 は基 本 建設 投 資 資 金 を 旧 来 の 財政 無 償給 付 か ら銀 行 貸 付 に変 え る こ

とを試 行 す る決 定(「 掻 改 貸 」)を 行 った。1979年 は単 に4つ の 地 域 で 貸 付 が試 行 され,人 民 建 設 銀 行 に よ る貸 付 額 は8000万 元 にす ぎ なか った。1980 年 に は大 部 分 の地 域 で試 行 され,上 海,湖 北 省 な どで の 銀 行 貸 付 の 比 重 は す で に 当該 地 方 の固 定 資産 投 資額 の半 分 以 上 に達 した。 銀 行 の 固 定 資 産 投 資貸 付 額 は80年 に20億 元 近 くに な り,81年 に は49億 元 に達 して,工 部 門(電 力,冶 金,機 械,石 油,化 学 工 業,軽 工 業,紡 織 な ど)の 建 設 単 位 で返 済 能 力 の あ る もの は基 本 的 に銀 行 貸 付 を実 行 した(6)。さ らに1984年 末 の暫 定 規 定 に よ り85年1月 か ら国 家 予 算 内 の 基 本 建 設 投 資 はす べ て 財 政 給 付 か ら銀 行 貸 付 に改 め る こと と な った(7)。こ う して 予算 内 の 固 定 資 産 投 資 お よ び固 定 資 産 使 用 にっ い て無 償 制 か ら有 償 制 に転 換 した。

擾 改 貸 」 基 本 建 設 投 資 貸 付 の方 法 は国 家 基 本 建 設 投 資 計 画 と国 家 予 算 に基 づ い て,ま ず 財 政 か ら人 民 建 設 銀 行 に資 金 が 給 付 さ れ(「 財 政 掻 付 」), さ らに人 民 建 設 銀 行 が 予 算 内 基 本 建 設 計 画 に基 づ いて そ の資 金 を企 業 に有 償 貸 付 す る もの で あ る。 貸 付 の 利 率 は銀 行 貸 付 の な か で 最 も低 い水 準 に設 定 され た(8)。人 民 建 設 銀 行 が 回 収 した 貸 付 資 金 はす べ て 国 家 財 政 に納 め ら

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れ る。 そ の意 味 で は財 政 給 付 か ら銀 行 の貸 付 制 へ の転 換 で はあ るが,銀 行 が み ず か らの利 潤 動 機 で 自主 的 に貸 付 を行 うの で はな く,依 然 と して 国 家 財 政 の性 格 が強 く残 って い る。

旧来 の基 本 建 設 投 資 の財 政 無 償 給 付(嬢 款)は1985年 に一 旦 廃 止 され る こ とに な った が,1986年 に な って一 部 の返 済 能 力 の乏 しい建 設 ・事 業 単 位 に対 して復 活 す る こ とに な った。例 え ば,国 防,民 間 科 学 研 究 項 目,学 校, 収 入 の な い事 業 項 目,行 政 部 門 の官 庁 舎 ・宿 舎,倉 庫 な どの建 設 単 位 で あ

る。

次 に,「 掻 改 貸 」 基 本 建 設 投 資貸 付 と は別 枠 の銀 行 基 本 建 設 投 資 貸付 が 1980年 代 初 か ら実 施 され た 。 これ は国 家 基 本 建 設 計 画 に 基 づ くもの の,予 算 内 の投 資 資 金 で はな く一 般 の銀 行 貸付 で あ る。 当初 人民 建設 銀 行 が 担 当

した が,1984年 か らそ の他 の専 業 銀 行(工 商 銀 行,農 業 銀 行,中 国 銀 行 な ど)も そ れ ぞ れ一 部 の 貸 付 業 務 を 担 当 す る よ う にな った。 この場 合 の 貸 付 資 金 の 源 泉 は,銀 行 の 収 益 蓄 積 に基 づ く自 己資 金,各 種 建 設 単 位 が 銀 行 に 預 けて い る専 用 基 金,財 政 が 銀 行 に貸 し付 けた 資 金 な どで あ る。 基 本 建 設 投 資 貸 付 の 対 象 は,独 立 採 算 の 法 人 資 格 を も ち,自 ら経 済 責 任 を 負 う こ と が で き,製 品 の販 路 が あ り,経 済 効 果 が よ く,総 投 資額 の10‑30%以 上 の 自 己資 金 を もっ 国 有 企 業 お よ び集 団 所 有 制 企 業 と され た。 銀 行 が こ の貸 付 を行 うに は一 般 に融 資 先 企 業 の財 産 を抵 当 に入 れ るか,返 済 能 力 の あ る法 人 が 担 保 保 証 を提 供 しな けれ ば な らず,そ れ は借 款 契 約 の なか に明 記 され る。 銀 行 が 基 本 建 設 投 資 貸 付 項 目か ら回 収 した資 金 は,国 家 の 貸 付 計 画 と 基 本 建 設 投 資 計 画 に基 づ いて 自 ら項 目 を選 択 し運 用 す る こ とが で き る と さ れ た(9)。

第 三 に,銀 行 の間 接 金 融 方 式 以 外 に直 接 金 融 方 式 が 公 認 され た こ と で あ る。 す な わ ち,企 業 債 券 お よ び株 式 の発 行 に よ る長 期 資 金 の調 達 が可 能 と な った。企 業 債 券 に っ い て は1987年 に 「企 業 債 券 管 理暫 定 条 例 」が制 定 さ れ,ま た株 式 発 行 にっ いて は一 部 で の試 行 を経 て1990年 以 降,次 第 に法 制

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化 が進 ん で い る。

[更新 改 造 資 金]

次 に更 新 改造 資金 の調 達 に つ い て。 従 来,更 新 改 造 資 金 の調 達 は減 価 償 却 基 金,大 修 理 基 金,技 術 改造 資 金 な ど に よ って い た。 こ の な か で最 も主 要 な もの は減 価 償却 基 金 で あ るが,1978年 に減 価 償 却 基 金 の50%が 企 業 に 留 保 さ れ更 新 改 造 資 金 と して使 う こ とが 認 め られ た。 残 りの50%は 庫 に納 め,政 府 が 統 一 配 置 し使 用 す る こ と と され た。1979年 か ら1983年 ま で は国 有 企 業 固定 資産 に対 して 企 業 か ら 占用 費 を徴 収 す る こと が実 施 さ れ た。1985年 に は減 価 償 却 基 金 の70%が 企 業 に留 保 さ れ更 新 改 造 資 金 と して使 用 し,残 り30%は 上 級 政 府(関 係 部 門,省 ・自治 区 ・直 轄 市)に 上 納 し,そ こが管 理 使 用 す る こ と と され た(io)。こ う して減 価 償 却 基 金 は そ の 大 部 分 が 企 業 の 内部 自己 資金 と して使 用 され る よ う に な っ た。 そ の他,企 業 の利 潤 留 保(生 産 発 展 基 金 ・新 製 品試 作 基 金 な ど)に 基 づ いて 技 術 改 造 を行 う こと も自 己資 金 の活 用 形 態 で あ る。

更 新 改 造 資 金 の調 達 は企 業 内部 の 自 己 資金 か らだ けで は な く,さ らに銀 行 か らの 専 有 借 款 お よ び国 家 財 政 か ら給 付 され る資金(潜 在 力 掘 り起 こ し 革 新 改 造 給 付 金)も あ る。 いず れ も 「専 用 資 金 」 と して位 置 づ け られ て い た が,固 定 資 産 投 資 の性 格 を もつ と考 え られ る。 この よ うに して 更 新 改 造 資 金 の 調 達 源 泉 も固 定 資 産 投 資 資 金 と同 様 に多 様 な ル ー トが形 成 され た の で あ る。

(2)流 動 資 金

改 革 以 前 の 流 動 資 金 管 理 は前 述 の よ うに基 本 的 に国 家 財 政 に よ る資 金供 給 制 の 性 格 を 強 く もって い たが,1983年 の改 革 に よ り流 動 資金 はす べ て 中 国 人 民 銀 行 に よ る統 一 管 理 ・貸 出 の 制 度 に変 わ っ た。 人 民 銀 行 が1984年 に 中 央 銀 行 と して 位 置 づ け られ て後 は,工 商 銀 行 が 統 一 管 理 す る こ と に な った。

1983年 の 改 革 の 主 要 内 容 は以 下 の4点 で あ る(ID。第 一 に,企 業 流 動 資 金

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を 国 家 財 政 が 支 給 す るの を 停 止 し,す で に企 業 にあ る財 政 給 付 され た 流 動 資 金 はそ の ま ま企 業 に留 保 使 用 し,人 民 銀 行 が 統 一 管 理 す る。 この よ う に して 流 動 資 金 に お け る旧 来 の 分 割 管 理 体 制 を 改 め,人 民 銀 行 に よ る資 金 供 給 と資 金 管 理 の統 一,貸 付 管 理 と行政 管 理 の統 一,責 任 と権 利 の統 一,監 督 とサ ー ビスの統 一 を 図 った。

第 二 に,従 来 の 定額 流 動 資 金 の 査 定 方 法 を 改 め,先 進 的 な 平 均 販 売 収 入 資 金 率 に基 づ い て 流 動 資 金 計 画 占用 額 を 査 定 す る。 旧 来 の 定額 流 動 資 金, 超 定 額 流 動 資 金 管 理 に よ る貸 付 方 法 を 取 りや め,毎 年 の 販 売 計 画 に基 づ い て 一 回 調 整 す る。 国 家 が 下 達 した 流 動 資 金 回 転 の 加 速 指 標 を 達 成 す る こ と を 前 提 に生 産 と販 売 が 増 加 す れ ば 流 動 資 金 占用 額 を 相 応 に増 加 させ る。 こ れ は従 来 の 固 定 した定 額 資 金 と変 動 す る生 産 販 売 活 動 との 矛 盾 を 解 決 す る と同 時 に,流 動 資 金 使 用 のむ や み な増 加 を抑 制 す る ため の 基 準 を設 定 した もので もあ る。

ち な み に工 業 企 業 に 対 す る従 来 の 定 額 流 動 資 金 貸 付 は1984年 以 降,流 動 基 金 貸 付 と改 称 さ れ企 業 自 己流 動 資 金 の実 有 量 が 規 定 の比 率 に被 覆 す る 部 分 に た い して銀 行 が貸 し付 け る もの とさ れ た。 ま た工 業 企 業 に対 す る臨 時 的季 節 的 な貸 付 で あ る超 定 額 流 動 資 金 貸 付 は生 産 回 転 貸 付(期 間1年 以

内)お よ び臨 時 貸 付(期 間6カ 月以 内)な ど に改 め られ た(12)。

第 三 に,異 な る業 種,企 業,製 品 お よ び資 金 の種 類 に対 して差 別 的利 子 を実 施 す る。 定 額 資金 の低 利 貸 付 を廃 止 し,計 画 の枠 を超 え た貸 付 は相 応 に利 子 を 引 き上 げ るか 「変 動 利 子 」 の方 式 を採 用 す る。 回転 資金 の貸 付 に は統 一 利 子 を実 施 す る が,回 転 資 金 計 画 を 達 成 し資 金 を 節 約 した 場 合 に は,利 子 を 引 き下 げ る。 他 方,計 画 を達 成 せ ず,よ り多額 の 資金 を 占用 し た 場 合 に は統 一 利 子 の20%の 範 囲 内 で付 加 利 子 を求 め る(企 業 の留 保 利 潤 か らの 支 出)。 この よ うに して利 子 の挺 子 作 用 を発 揮 さ せ,「 優 れ た 者 を 援 助 し,劣 っ た者 を 制 限 す る」 方 針 の 実 現 を 図 る もの と され た 。

第 四 に,企 業 の 自 己流 動 資 金 補 充 制 度 を開 設 す る。 銀 行 が 査 定 した企 業

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流 動 資 金 計 画 占用 額 の なか で 従 来 の 国 家 財 政 給 付 流 動 資 金 と企 業 自 己流 動 資 金 との 合 計 額 が 一 定 の 比 率 を 占め る こ とが 要 求 され た。 す な わ ち,工 業 企 業 の場 合 は70%以 上,物 資供 給 企 業 と集 団所 有 工業 企 業 は50%以 上, 商 業1,2級 卸売 り企 業 は20%以 上,商 業3級 卸 売 り企 業 と小 売 り企 業 は 60%以 上 で あ る。 も しこ の水 準 に不 足 す る時 は不 足 分 は企 業 が留 保 利 潤 か ら引 き 出す 生 産 発 展 基 金(10‑30%の 範 囲 内)に よ って逐 次 補 充 しな け れ ば な らな い。 ま た地 方,部 門,企 業 が 自 己調 達 資 金 で 固 定 資 産 投 資 をす る 場 合 に は,30%の 自 己流 動 資 金 を もた ね ば な らな い。 それ を前 提 に して は じめて 銀 行 は貸 付 を 行 う こ とが で き る。 も し企 業 が 規 定 に基 づ き 自 己流 動 資 金 を 補 充 しな い場 合 は,銀 行 は新規 の 貸 付 を 停 止 し,か っ 同 額 の流 動 資 金 貸 付 額 を 回 収 す べ きで あ る と され た。

1986年8月 の中 国 工 商 銀 行 の 暫 定 条 例 に よれ ば,工 業 企 業 に対 す る流 動 資 金 貸付 の 限度 額 は次 の数 式 に よ る もの と され た ㈹。 す な わ ち,

貸 付 限度 額=前 年 の定 額 流 動 資金 平 均 占用 額 ×規 定 の 自 己流 動 資 金 比 率 (70%)一(国 家 財政 支給 流動 資 金+自 己 流 動 資 金)

要 す るに,流 動 資金 利 用 額 の一 定 比 率 は 自己流 動 資金 に よ る こ と と し, 企 業 自 ら資 金 リス クを負 い,同 時 に銀 行 か らの借 り入 れ比 率 を制 約 しよ う

とす る もの で あ る。以 上 の規 定 に よ り,1983年 以 降,企 業 の流 動 資 金 の 源 資 は第 一 に銀 行 貸 付,第 二 に企 業 の 自 己流 動 資 金,第 三 に 国家 財 政 が す で に支 給 した流 動 資 金 の三 っ か ら構 成 さ れ る こ とに な った。

1983年 の 規 定 は ま た流 動 資 金 貸 付 に っ い て さ ま ざ ま な 禁 止 ・制 限 事 項 を 明記 して い る。 す な わ ち,① 流 動 資 金 と銀 行 貸 付 を流 用 して基 本 建 設 お よ び そ の他 の財 政 性 支 出 を行 って は な らな い。 ② 流 動 資 金 と銀 行 貸 付 を流 用 して未 だ納 入 して い な い税 金 と利 潤 の支 払 に充 て て は な らな い。 ③ 流 動 資 金 と銀 行 貸 付 を流 用 して 欠 損 を 補 填 して は な らな い。 ④ 流 動 資 金 と銀 行

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資 金 を流 用 して 消費 性 基 金 と従 業 員 福 利 に支 出 して は な らな い。 ⑤ 流 動 資 金 と銀 行 貸 付 を流 用 して 割 当 費 用 の 支 払 に 充 て て は な らな い な ど で あ る㈲。 この こ とは裏 を か え せ ば,流 動 資金 貸 付 金 が実 際 に は い ろ い ろ な形 で流 用 さ れ て い る こ と を示 唆 して い る。

2固 定資産投資資金の調達実態

1)固 定 資産 投 資 の構 成 と動 向

現 行 の 計 画 管 理 体制 の も とで の 国有 単 位 の固 定 資産 投 資 は4っ の部 分 か ら構 成 され る。 す な わ ち,基 本 建 設,更 新 改造(固 定 資 産 の更 新 と技 術 改 造),商 品 住 宅 建 設(1990年 以 降 か ら),お よ び その 他(基 本 建 設 投 資計 画 と更 新 改 造 計 画 に入 らず,総 投 資額 が5万 元 以 上 の もの)で あ る。 改革 以 降 の国 有 工 業 企 業 の 固 定 資 産 投 資 の 動 向 は表1の とお りで あ る。

表1.国 有 工 業単 位 の 固定 資 産投 資 (単位:億 元)

固定資産 基本建設投 資

投資総額 軽 工業 重 工業 更新改造投 資

"!

275.6 50.9 224.7 113.9

1981 380.4 216.0 43.4 172.6 142.9

1982 467.4 260.6 46.5 214.2 170.8

1983 546.6 282.3 38.8 243.5 207.5

1984 653.5 341.6 42.4 299.2 225.4

1985 913.7 446.5

63.4 383.1 351.1

1986 1159.8 531.6 82.3 449.4 479.2

1987 1407.2

..

99.1

583.7

584.6

1988 1709.1 796.1 112.6 683.5 774.0

1989 1597.0 822.5 123.1 699.4 623.2

1990 1747.6 952.6 121.8

.1.

647.5

1991 2113.2 1147.2 152.3 994.9 783.2

1992 2759.5 1458.3

217.4 1240.9 1076.7

(『中国 工 業 経 済 統 計 年 鑑1993』,27頁 。)

:1

10

(11)

表 に よ れ ば,1992年 を1981年 と比 較 す る と固 定 資 産 投 資 総 額 は7.2倍 に,基 本 建 設 投 資 は6.7倍 に,更 新 改 造 投 資 は7.5倍 に そ れ ぞ れ大 幅 に増 加

した。 もっ と も,1981‑82年 は経 済 引 き締 め に よ り基 本 建 設 投 資 が80年 よ り下 が って お り,ま た1989年 も同 様 の 理 由 に よ り固 定 資 本 投 資 が 減 少 して い る(基 本 建 設 投 資 は増 加 して い る もの の更 新 改 造 投 資 が大 幅減 少 し た)。逆 に1985年,1987‑88年,1992年 は固 定 資 産 投 資 が大 幅 に伸 び て い る。 そ の意 味 で,固 定 資 産 投 資 は経 済 の景 気 動 向 と強 く関 連 して い る。

各 年 度 の 固 定 資 産 投 資 の 結 果,1978年 か ら93年 ま で に 国 有 工 業 企 業 (独立 採 算 制)の 固 定 資 産 原 価 は3193.4億 元 か ら19066.4億 元 へ と増 加 し (6.0倍),ま た固 定 資 産 純 額(残 存 価 値)は2225.7億 元 か ら13304.4億 元 へ と増 加(6.0倍)し て い る(15)。

2)固 定 資 産 投 資 資 金 の 源 泉

まず,基 本 建 設 投 資 資 金 の調 達 源 泉 の 構 成 にっ いて み て み た い。 国 有 工 業 企 業 の状 況 は資 料 の 制 約 か ら詳細 が 不 明 で あ る ので,こ こで は二 次 的 接 近 と して 国 有 セ ク タ ー単 位(国 有 企 業 だ けで な く国 家 機 関,事 業 単 位 を も 含 ん で い る)の 基 本建 設投 資 資金 を と りあ げ る。 その 動 向 は表2の とお り で あ る。

固 定 資産 投 資 資 金 の 源泉 は当年 度 の 資 金 源 泉 に限 って み れ ば,以 下 の7 っ の種 類 に 区別 され る。 す な わ ち,国 家 予算 内 資 金,国 内 貸 付,株 式,債 券,外 資利 用,自 己調 達 資 金 お よ び そ の他 資 金 で あ る㈹ 。

国 家 予算 内 資金 と は各年 度 の 国 家 予算 に組 み込 まれ た投 資 資 金 で,国 家 予 算,地 方 財 政,企 業主 管 部 門 が建 設単 位 に直 接 給 付 した投 資 資 金,銀 行 に委 託 して貸 付 け る基 本建 設 給 付 金(「 掻 改 貸 」 基 本 建 設 貸 付 を含 む),中 央 基 本 建 設 基 金,企 業 単 位 に給 付 した懇 親 改造 給 付 金,お よ び中 央 財 政 が ア レ ン ジす る専 用 項 目建 設 給 付 金 で あ る。

国 内 貸 付 は企 業 ・事 業 単 位 が国 家 銀 行 お よ び非 銀 行 金 融機 関 か ら借 り入

(12)

表2.国 有単位 の基本建設投資資金 の源泉 と比重

(単位:億 元 ・%)

予算内資金 国内貸付 外資利用 自己調達

そ の 他

1979 41980.0

1981 25256.8 33

1983 34658.2 549.0 132.3 18127

1985 38135.5 18817.5 746.8 34031.6 928.5 1988 38224.2 28518.1 21813.9 48931.0 201 1990 36421.3 37922.2 22413.1 53031.1 208 1992 30810.2 83127.6 33411.1 124341.3 296 1993 4329.4 111824.2 4569.9 199143.1 60913.2 備 考:パ ーセ ン トは各 年 度 に お け る資 金 源 泉 の比 率 を示 す。

そ の 他 の 項 目 は債 権 ・株 式発 行,企 業集 団 内 金融 機 関 の 融 資 な どを含 む と考 え られ る。

(1979‑1983年 は 『中 国統 計 年鑑1984』,310頁 。1983年 は 『中 国統 計 年 鑑1984』,301,303,333頁 よ り算 出 。 た だ し,自 己調 達 額 は そ の 他 投 資 と合算 して い る。1981,1983年 の 自 己調 達 の比 率 は 『中国 統 計 年 鑑1987』513頁 よ り 推 定 。1985‑1993年 は 『中 国 統 計 年 鑑 1994』,146頁 。)

れ た固 定 資 産 投 資 用 の各 種 借 り入 れ を指 し,具 体 的 に は銀 行 が 自 己資 金 と 預 金 を利 用 して行 う貸 付(基 本 建 設投 資貸 付 な ど),上 級 主 管 部 門 が 行 っ た 貸 付,国 家 専 用 項 目貸 付 お よ び地 方 財 政 専 用 項 目資 金 か らの 貸 付,国 内 準 備 貸 付,回 転 貸 付 な どで あ る。

自 己調 達 資 金 と は前 述 した よ う に,固 定 資産 投 資 用 の上 級 主 管 部 門,地 方,お よ び企 業 単 位 の 自 己調 達 資 金 で あ り,そ の 源泉 は予 算 外 資金,企 の利 潤 留 保,減 価 償却 基 金,大 修 理基 金 な どで あ る。 また株 式 と債 券 の発 行 な ど の 直接 金 融 や 外 資 利 用 は1979年 代 以 降 の 改 革 の な か で 新 た に採 用 され た方 式 で あ る。

表 に よれ ば,1980年 代 以 降 の 資金 源泉 は金 額 で は そ れ ぞ れ増 大 して い る が,構 成 比 重 で は大 き く変 化 し構 成 が 多元 化 して い る。 第 一 に予 算 内財 政 資 金 は1979年 に は80%を 占め た が,81年 に は57%に 減 少,85年36%, 90年21%,93年 に は9%ま で に低 下 して い る。1980年 代 以 降予 算 内 資金 の

一82一

12

(13)

比 重 は大 幅 に減 少 した の で あ る。 予算 内 資 金 は国 有 単 位 の 基 本 建 設 投 資 資 金 の 源泉 と して も はや主 要 な位 置 を 占め な くな って い る と い え よ う。 従 っ て,予 算 内 資 金 に基 づ く 「掻 改貸 」 投 資 資 金 も同 様 に そ の位 置 はか な り小

さ い もの にな って い る。

第 二 に,国 内 貸 付 の比 率 は1983年 の9%か ら92年 に は28%へ と増 大 し て い る。93年 に は 金 融 引 き締 め に よ り貸 付 の 比 率 が 若 干 低 下 して い る。

1980年 代 の 改 革 が 基 本 建 設 投 資 資 金 の 財 政 給 付 の一 元 的 体 制 を 改 め銀 行 貸 付 の道 を開 い た こ と は前 述 した とお りで あ る。

第 三 に外 資 利 用 は1980年 代 に金 額,比 率 と もに大 幅 に増 大 した。た だ し 1990年 以 降 金 額 で は継 続 して増 大 して い る もの の,比 率 で は む しろ や や低 下 しっ っ あ る。 外 資 利 用 は借 款 と直 接 投 資 を含 むが,国 有 企 業 に関 して い え ば ほ ぼ合 弁 企 業 や 合 作 企 業 の 設 立 に伴 う直 接 投 資 の利 用 で あ る。

第 四 に,自 己 調 達 資 金 が か な りの 比 重 を 占め て い る こ とで あ る。1980年 代 初 頭 で 約33%を 占 め,80年 代 半 ばか ら後 半 にか け て ほ ぼ3割 余 りで安 定 的 に推 移 し,90年 代 に は4割 以 上 を 占 め る よ うに な って い る。 これ は地 方 政 府 ・企 業 の 予 算 外 資 金 の利 用 が 近 年 大 幅 に増 大 して い る こと を背 景 に

して い る と考 え られ る。

次 に,更 新 改 造 投 資 資 金 ・その 他 投 資 の源 泉 につ い て み た もの が表3で あ る。 表3は 更 新 改 造 投 資 資 の み で な く,そ の他 固 定 資 産 投 資 項 目 を含 ん で い る。 表 に よ れ ば予 算 内 投 資 資 金 の比 重 は1979年 の 時 点 で す で に小 さ く,約25%で あ っ たが,そ の後 も大 幅 に比 率 を下 げ,近 年 で は極 め て小 さ い もの に な って い る。 外 資 利 用 も増 大 して い る もの の 比 率 は極 め て 小 さ い。 最 大 の 源 泉 は 自 己調 達 資 金 で あ り1985年 を例 外 に ほ ぼ一 貫 して全 体 の6割 以 上 を 占 め,金 額 も近 年 大 幅 に増 大 して い る。 第 二 の源 泉 は国 内貸 付 で景 気 変 動 に よ る 増 減 を み せ つ つ も全 体 の3割 前 後 の 水 準 を 占 め て い る。 従 って,更 新 改 造 資 金 の調 達 で は そ の ほ とん ど を 自 己調 達 資 金 と国 内 貸 付 で 賄 って い る い る と いえ よ う。

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表3.国 有 単 位 の 更 新 改 造 ・そ の 他 投 資 資 金 の 源 泉

(単 位:億 元 ・%)

予算内資金 国内貸付 外資利用 自己調達

1979 43.624.8 19.911.3 112.463.9

1981 34.915.5 142.420.5 1.3 142.463.4

1983 40.811.4 232.422.9 2.7 232.464.9

1985 21.83.6 370.161.1 5.6

214.335.4

1988 28.32.4 381.632.1 26.0 778.665.5 1990 18.61.8 275.126.7 33.9 735.671.5 1992 21.51.2 613.534.9 53.2 1119.963.8 備 考:外 資 は 更新 改造 の み の数 字 を示 す。

1985‑1992年 の 自 己調 達 は そ の他 固 定 資産 投 資 を含 む。

(『中国 統 計 年 鑑 』1993年 版,182頁 。1983年 版,333頁 。)

表 に は 示 して い な い が,更 新 改 造 資 金 の 一 部 で あ る 技 術 改 造 資 金 は 近 年 そ の 比 重 を 低 下 さ せ て い る 。 す な わ ち,国 有 部 門 の 固 定 資 産 投 資 総 額 に 占 め る 技 術 改 造 投 資 の 比 率 は1989年 が35.5%で あ っ た が,1990年31.0%, 1991年28.4%,1992年28.2%,1993年27.7%と な っ て い る(17)。技 術 改 造 資 金 の 不 足 が 問 題 と な っ て い る 状 況 を 反 映 して い る 。

3)「 掻 改 貸 」 方 式 の問 題 点

1980年 代 に お け る固 定 資 産 投 資 資 金 の調 達 に お け る改 革 の特 徴 は 前 述 の よ う に調 達 ル ー トの 多 元 化 で あ り,財 政 ル ー トが低 下 し,銀 行 の 間 接 金 融 や 自己 資 金 の ル ー トが 大 きな比 重 を 占 め るよ うに な った こ とで あ る。 国 家 財 政 に よ る無 償 給 付 制 か ら建 設 銀 行 に よ る貸 付 に改 め た こ と も(「掻 改 貸 」)重 要 な改 革 と して注 目 さ れ る。 こ こで は,こ の 「掻 改 貸 」 の 方式 に つ

いて そ の 問 題点 を み て み た い。

第 一 に 「掻 改貸 」に お け る権 限 ・責 任 ・利 益 の 主 体 が 不 統 一 で あ る こ と。

まず,「掻 改 貸 」の 実 施 以 後 も各 年 度 の 予算 内基 本 建 設 項 目の配 置 は一 貫 し て 財 政 部 門 の 提 出 した 基 本 建 設 予 算 の 枠 に 基 づ い て 計 画 委 員 会 が 決 定 し,

一84一

14

(15)

指 令 性 計 画 を 実 施 して い る。「掻 改貸 」の貸 付 項 目 の決 定 も計 画 委 員 会 が行 な って い る。 建 設 単 位,建 設 銀 行 は こ の点 の決 定 権 が な い。 建 設 単 位 は指 令 性 計 画 に基 づ いて 与 え られ た投 資 額 に応 じて建 設 活 動 を行 うの で あ り,

その 支 出 に は経 済 的 責 任 を負 わ な い。 建 設 銀 行 は国 家 財 政 か ら支 給 さ れ た 資 金 を基 に指 令 性 計 画 に従 い貸 付 を行 い,そ して回 収 した 「擾 改貸 」 資 金 の元 本 利 子 は す べ て 国 家 財 政 に上 納 しな け れ ば な ら な い こ と に な っ て い る。 従 って,建 設 銀 行 の貸 付 は基 本 的 に商 業 貸 付 で は な く財 政 資 金 に基 づ く政 策性 貸付 で あ り,建 設 銀 行 は 自 らの 経 済 利 益(利 潤)を 追 求 で き る立 場 に はな い。財 政 が 回 収 した 「掻 改 貸 」資 金 は計 画委 員 会 が再 分 配 す るが, 期 日 まで に 回収 され な い もの は延 期 す る こ とが で き,ま た確 か に回 収 で き な い場 合 は上 級 部 門 の批 准 を経 て 返 済 免 除 を 申 請 で き る よ う に な って い る。 こ う して,投 資 決 定 者 で あ る計 画 委 員 会 は経 済 リス クに対 して責 任 を 負 わ な い の で あ る。 こ う した状 況 は 「計 画 委 員 会 が料 理 を注 文 し,銀 行 が 金 を支 払 う」,「建 設 銀 行 と建 設 単 位 の双 方 に は権 限 も責 任 もな い」 と言 わ れ て お り㈹,か つ て の 財 政 に よ る供 給 制 の 弊 害 を い ま だ 克 服 しえ て い な い。

第 二 に,よ り理 論 的 な 問題 と して 「掻 改 貸 」 に は資 本 所 有 者 と債 権 者 と の混 同 が 内在 して い る こ とで あ る。「掻 改 貸 」に よ り形 成 され た 固 定 資 産 の 所 有 主 体 は 国 家 で あ り,国 家 は企 業 へ の投 資者 と して 本 来 自 ら出 資 した 範 囲 内 に お い て企 業 の債 務 に対 して責 任 を負 う立 場 に あ る(有 限 責 任)。 しか し,「 嬢 改 貸 」 の方 式 は所 有 者 の投 資 資 金 を企 業 債 務 に変 え る こ とに よ っ て,企 業 債 務 に対 して有 限 責 任 を お う企 業 所 有 者 を企 業 に対 す る債 権 者 と して み なす こ と に な る。従 って,国 家 と企 業 との 財 産 権 関 係 が 曖 昧 と な り, 資 本 所 有 者 と債 権 者 とが 混 同 され る事 態 が 生 じる こ と に な る。 この結 果, 国 家 が 企 業 の 固 定 資産 投 資 を増 や せ ば 増 や す ほ ど,企 業 は国 家(銀 行)に 対 す る債 務 負担 を増 大 させ る とい う こ とに な った。 企 業 の 資 本 所 有 者 と債 権 者 との混 同 とい う点 に お い て 「掻 改 貸 」 の改 革 は大 きな 矛 盾 を 抱 え て い

(16)

た とい え る㈹。

第三 に,「嬢 改貸 」 は財 政 の無 償 給 付 を銀 行 の 有 償 貸付 に 転 換 させ,企 業 は形 式 上 返 済 責 任 と リス クを負 う形 とな った。 政 策 的 に は企 業 が こ の返 済 責任 と リス ク負 担 か ら資 金 の効 率 的 運 用 を はか る こ とが 期 待 さ れ た。 しか しな が ら,そ の後 の経 過 は基 本 建 設 投 資貸 付 が急 増 し,投 資 資 金 効 率 の悪 さか ら資 金返 済 が保 証 さ れ な い事 態 が拡 大 した。 固 定 資 産 投 資 貸 付 の増 加 はす で に 表2・3で み た よ うに 国 内銀 行 に よ る貸 付 と 自 己調 達 の二 っ の要 素 が 大 きな 役割 を は た して い る もの の,「掻 改 貸 」基 本 建 設 投 資貸 付 の残 高 も増 加 す るい っぽ うで あ り,1980‑89年 の10年 間 で1000億 元 以 上 に達 し た伽)。固 定 資 産 投 資 貸 付 が 急 増 した 要 因 と して は,① 低 利 子,② ソフ トな 返 済 制 約,③ 企 業 の 「投 資 飢 餓 症 」 が 考 え られ る。

まず 低 利 子 で あ るが,銀 行 の 固 定 資産 投 資貸 付 の利 子 率 は1980年 代(特 に後 半)に は次 第 に高 くな った もの の,1987‑89年 の 一 般 固 定 資 産 貸 付 利 子 は1年 期 で8‑10%,10年 期 で10‑16%の 範 囲 で ほぼ推 移 した 。 ま た

掻 改 貸 」 の 予 算 内 基 本 建設 投 資 の 貸付 利 子 は元 来極 め て低 く,1984年12 月 の 規 定 で は業 種 に よ って異 な る もの の,ほ ぼ2.4%か ら4.2%の 範 囲 内 に あ った(2D。イ ン フ レに よ る価 格 上 昇 を考 慮 に い れ る と,実 質 の利 子 率 は 更 に低 く,特 に イ ンフ レが 特 に進 ん だ 時 期(例 え ば1988‑89年)に は マ イ ナ ス の 水 準 に さえ な った。 そ の 意 味 で 利 子 率 の制 約 は極 め て 弱 い もの で あ った。

次 に,ソ フ トな返 済 制 約 に つ い て は税前 利 潤 か らの返 済(「 税 前 還 貸 」) が 代 表 的 で あ る。税 前 利 潤 返 済 の方 式 は1983年 の 「利 改 税 」の実 施 に と も な って 導 入 され た もの で あ るが,こ れ が 「掻 改 貸 」 基 本 建設 投 資 貸 付 や 技 術 改 造 用 の 「専 用 資 金 」貸付 に も適 用 され た の で あ る。規 定 で は 「嬢 改 貸 」 貸 付 の元 本 利 子 は まず 企 業 の 自 己資 金 か ら返 済 し,不 足 す る部 分 は新 増 利 潤 か ら返 済 しな け れ ば な らな い と さ れ た。 しか しなが ら,実 際 に は新 建 項 目で は ま ず企 業 に 自己 資金 が足 りな い こ と,拡 建 ・改建 項 目 で は企 業 の 自

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己資 金 返 済 の比 率 を規 定 して い な い こ と もあ って 大 部 分 の 企 業 は税 前 利 潤 か ら返 済 し て き た。 ま た 貸 付 利 子 を 企 業 コ ス トに 算 入 す る こ と もで き た(箆)。税 前 利 潤 返 済 は,税 前 返 済 分 は課 税 対 象 利 潤 か ら控 除 され る た め に 所 得 税 ま た は上 納 利 潤 を軽 減 さ せ る効 果 が あ る。 企 業 は返 済 負 担 を 国 家 財 政 や消 費 者 に部 分 的 に転 嫁 させ て い るの で あ る。 また 場 合 に よ って は返 済 の延 期,返 済 利 子 の 減 免 な ど も行 わ れ た。前 述 の1980‑89年 ま で の 「掻 改 貸 」 貸 付 残 高1000億 元 余 に対 して89年 ま で に 回収 さ れ た 元 利 合 計 は90 億 元 にす ぎ なか った(%)。

さ らに,銀 行 と企 業 と の あ い だ の貸 付 契 約 自体 に もか な りル ー ズな と こ ろが あ っ た こ とで あ る。 あ る統 計 に よ れ ば,1987年 ま で に 中 央 レベ ル の

擾 改 貸 」投 資 貸 付 項 目 は約 七 千 あ った が,そ の うち三 千 近 くは貸 付 契 約 を 結 ん で いな いか,契 約 を結 ん で いて も資 金 返 済 計 画 を確 定 して い な い。 そ う した項 目の 貸 付 額 は貸 付 総 額 の 半 分 以 上 を 占 め て い た と もい わ れ る(24)。

こ う した ソ フ トな 制約 の た め に企 業 の 元 来 の 「投 資 飢 餓 症 」 が絶 えず 復 活 す る こ とに な った。 投 資 飢餓 症 と は企 業 と政 府 主 管 部 門 が 生 産 拡 大 の た め に外 延 的 な設 備 拡 張 を 強 く願 望 す る傾 向 を 指 す が,返 済 圧 力 の極 め て弱 い ソ フ トな予 算 制 約 の も とで は企 業 は 自己 の返 済 能 力 を 超 過 して も高 い投 資 願 望 を もっ こ とに な る。 そ れ は ま た投 資効 率 や投 入 産 出比 率 の 向 上 に対 す る 自覚 を マ ヒさせ る背 景 と もな る。

以 上 の よ うに 「掻 改 貸 」の 固定 資 産 投 資 貸 付 は大 き な問 題 を 抱 え て お り, 旧来 の 財 政 の よ る資 金 供 給 制 を根 本 的 に 変 え る もの で は な か った。 そ し て,固 定 資 産 投 資 総 額 に 占 め る予 算 内 資 金 源 泉 の比 重 が近 年 極 め て 小 さ い こ と(表2・3)か ら分 か る よ うに,予 算 内 資 金 を使 う 「掻 改 貸 」 自体 の 比 重 も極 め て 限 定 され た もの と な って い る ので あ る。

(18)

3流 動 資 金 の調 達 と利 用

1)流 動 資 金 の構 成 と変 化

まず,1980年 代 に お いて 国 有 工 業 企 業 の 流 動 資金 占 用額(使 用 額)は 生 産 販 売 量 の増 大 に応 じて表4に み られ る よ うに大 幅 に増 加 した。 ま た定 額 流 動 資 金 の 占有 額 も増 大 して い る も の の,そ の 増 加 率 は相 対 的 に低 く, 従 っ て流 動 資 金 占有 額 に 占 あ る定 額 流 動 資 金 の比 重 は次 第 に低 下 して い る。

この 背 景 に は定 額 流 動 資金 の ノル マ水 準 が毎 年 査 定 され るの で はな く, 数 年 お き に査 定 され るた め に一 旦 査定 され る と次 回 まで原 則 固定 され る こ とが 考 え られ る。 地 域 に よ って は ノル マ 査定 の 間 隔 はか な り長 期 化 し,例 え ば湖 北 省 国 有 大 中 型 企 業 の場 合,1983‑84年 に査 定 され た ノ ル マ水 準 が 1990年 時 点 で も継 続 して い た(25)。ま た杭 州 市 の大 中 型 国 有 企 業 の例 で は

表4.国 有 工業企業 の流動 資金 占用額

(単位:億 元 ・%)

流動資金年末占用額 うち定額 流動資金

1979 1109.0

"1

1135.7

1981 1163.7

1982 1231.9

1983 1291.5

1985 1623.29

1987 3516.45 2349.9666.8%

,..

4392.69 2882.4065.6

1989 5923.08 3725.2662.8

1990 7597.02

4267.9556.1

1991 9267.03 4771.8551.5

1992 11141.09 5506.4949.4

(『中国 工 業経 済 統 計 年 鑑1993』,116頁 。 『中国 統 計 年 鑑 』1984 年 版,262頁 。1986年 版,243頁 。)

..

18

(19)

1979年 に 査 定 した ノ ル マ が1990年 代 初 に 至 る ま で 継 続 し て い る と い う㈱ 。 この結 果,生 産 販 売 の 拡 大 に と もな う定 額 流 動 資 金 の実 際必 要 額 と 査 定 額 との あ い だ に ギ ャ ッ プ(査 定額 の 不 足)が 生 じる こ と に な る。 こ の 不 足 率 は湖 北 省 国有 大 中型 企 業50社 の調 査(1990年)で は,全 体 の平 均 で 35%(大 型 企 業36%,中 型 企 業32%,中 央 所 属 企 業40%,省 所 属 企 業 25%,市 県 所 属 企 業23%)で あ り,比 較 的 に言 え ば大 型 企 業 や所 属 レベ ル の 高 い企 業 の ほ うが 不 足 率 が 大 き い(27)。

第二 に,1983年 の企 業 流 動 資 金 の 銀 行 に よ る統 一 管 理 貸 付 政 策 が始 ま る 前 の段 階 に お い て,工 業 企 業 の流 動 資 金 構 成 はす で に大 き く変 化 して い た。 す な わ ち1978年 の 流 動 資 金 に 占 め る財 政 給 付 と銀 行 貸 付 の比 率 は そ れ ぞ れ65%,35%で あ った が,1982年 に は そ れ ぞ れ6%,94%と な った 。 ま た1978‑82年 に工 業 商 業 企 業 の流 動 資 金 の増 加 分 の82%が 銀 行 貸 付 で あ り,財 政 給 付 分 は18%に す ぎ な い。つ ま り,1983年 以 前 の段 階 に お い て 工 業 企 業 流 動 資金 へ の財 政 給 付 は大 幅 に 減 少 し,す で に極 めて 小 さ な比 重 を 占 め るに す ぎな くな った一 方 で,銀 行 貸 付 が 圧 倒 的 な比 重 を 占 めて い た の で あ る。 この 傾 向 は1983年 の 人民 銀 行(の ち工 商 銀 行)に よ る流 動 資 金 の統 一 管 理 政 策 で確 定 した。

第 三 に,流 動 資 金 占用 額 に 占 め る企 業 の 自己 流 動 資 金 の 比 率 が 大 幅 に減 少 した こ とで あ る。 そ の状 況 は表5に 示 した とお りで あ る。

表5に 示 さ れ て い るよ うに,1970年 代 末 の 改革 開 始 当 初 は定 額 流 動 資 金 に 占 あ る 自己流 動 資 金 の割 合 は50%台 で あ った が,1980年 代 以 降 の 自 己 流 動 資 金 比 率 は全 般 的 に か な り低 下 して い る。1993年 時 点 で は全 国 の国 有 企 業 の 定 額 流 動 資 金 に 占 め る 自己 流 動 資金 比 率 は一 般 的 に は20%前 後 で あ る。 これ は言 いか え れ ば,定 額 流 動 資金 の 約80%は 外 部 資 金,す なわ ち 銀 行 な ど の金 融 機 関 か らの貸 付 に よ って賄 って い る こ とを 意 味 して い る。

銀 行 貸 付 の比 重 の大 きさ が うか が え る。 こ う した 自己 流動 資 金 の 低 い水 準 は1983年 以 降 の 政 策 規 定 の 水 準 よ り大 幅 に下 回 って い る。

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表5・ 企 業 定 額 流 動 資 金 に 占め る 自己 流動 資 金比 率(単 位:%)

定 額 外 の流 動 資 金 を も含 め た流 動 資 金 総 額 に 占 め る 自 己流 動 資 金 の比 率 は さ らに低 い傾 向 に あ る。 例 え ば1986年 の3000余 企 業 の 項 目調 査 に よれ ば,自 己調 達 流 動 資 金 比 率 は13%で あ った(zs)。最 近 の 事 例 で は1994年 2756企 業(う ち 国 有 企 業 は74%,集 団 所 有 制13%,外 資 系7%を 占 め る)

に対 す る調 査 に よ れ ば(謝,流 動 資金 総 額 に 占 あ る 自己流 動 資金 の比 率 状 況 は表6の とお りで あ る。

表 に よ れ ば,国 有 企 業 の 場 合,自 己 流 動 資 金比 率10%未 満 の企 業 が過 半 数 に及 ん で お り,30%未 満 の 企 業 は実 に87%を 占 め て い る。 ま た国 有 企 業 が そ の他 の所 有形 態 の企 業 に比 べ て 自己流 動 資 金 比 率 の極 め て低 い こ と が 分 か る。 さ らに,全 国18都 市 の市 属 国 有 企 業 の 自己流 動 資金 比 率 は実 に

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(21)

表6.全 国2756企 業 の 自 己流 動 資 金 比 率 (単 位:%)

国有

企業 集体 企業

外資系 企業

私営 企業

大型 企業

中型 企業

小型 企業

10%未 満 45.0 53.8 13.8 29.8 47.8 45.4 32.5

10‑20% 21.3 22.0 17.1 24.1 33.2 23.8

20.0

20.0

20‑30% 12.5 io.s 20.9 13.6 16.7 12.8 12.0 13.3

30‑40% 6.7 4.9 12.6 9.9 is.7 4.8 7.8 7.5

40‑50 5.4 3.5 13.8 5.8 is.7 4.3 5.4 11.3

50%以 上 9.1 5.0 21.8 is.s 16.7 6.5 9.4 15.4

(「宏観 改 革 與 企 業 発 展:企 業 家 的 反 応 與 期 望 一1994年 中 国 企 業 家 問 巻 調 査 主 報 告」

『管 理 世 界』1995年 第1期,155頁 。)

4.6%で あ った とい う(3°)。1983年の 政 府 規 定 で は地 方,部 門,企 業 が 自 己調 達 資 金 で 固 定 資 産 投 資 を 行 った場 合,30%の 自 己流 動 資金 比 率 は最 低 限 確 保 す べ き要 件 で あ り,ま た 銀 行 か らの 流 動 資 金 貸 付 を受 け る 前提 条 件 と さ れ て い た 。 この 点 か ら言 え ば,大 部 分 の 国 有 企 業 は この条 件 を満 た して い な い こ とに な る。

2)自 己流 動 資 金 不 足 の原 因

前 述 よ うに企 業 の 自 己流 動 資金 比 率 が 低 く自己 流 動 資 金 額 も少 な い こ と の原 因 に は以 下 の諸 点 が考 え られ る。

第 一 に は,留 保 利 潤 や予 算 外 資 金 か らの補 充 不 足 で あ る。1983年 以 降 の 政 策 規 定 で は利 改 税 実 施 企 業 で は毎 年 留 保 利 潤 か ら留 保 す る生 産 発 展 基 金 の少 な くと も10%を 自 己流 動 資 金 と して補 充 す る こ と,ま た経 営 請 負 制 実 施 企 業 で は生 産 発 展 基 金 の10‑30%を 補 充 す る こ とが求 め られ た。 し か し,実 際 に は多 くの企 業 は こ の規 定 を守 って い な い。 例 え ば,大 部 分 の 企 業 は規 定 よ り は るか に少 な い生 産 発 展 基 金 の5%以 下 しか補 充 して い な い と い う(31)。ま た1982‑84の 各 年 度 で 企 業 の 予 算 外 資 金 支 出 の なか で 流 動 資 金 用 と して用 い られ た の は わ ず か1%足 らず で,1985年 も4%以 下 で

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あ った ㈹。

この 直接 的 な背 景 に は留 保 利潤 の分 配 に対 す る企 業 経 営 者 の選 好 の 問題 が あ る。 利 改税 の実 施 後,多 くの小 型 国 有 企 業 と利 潤 の わ ず か の企 業 は留 保 利 潤 の分 配 に お い て まず 第 一 に従 業 員 の奨 励 金 と福 利 基 金 を保 証 す る こ とを優 先 し,次 に固 定 資産 投 資 の た め の蓄 積 に ま わ した。 自 己流 動 資金 の 補 充 と して 用 い る こ と は ほ とん ど の 企 業 が 「根 本 的 に 考 え て い な い 」 か

順 番 の最 後 に回 す 」状 況 で あ った とい う(認)。例 え ば,税 後 留 保 利 潤 の う ち の80%を 従 業 員 の奨 励 基 金 と し,20%を 予算 外 の 自己調 達 に よ る固 定 資 産投 資 に まわ す とい う具 合 で あ る(訓)。留 保 利 潤 にお け る消 費 性 部 分(奨 励 基 金 と 福 利 基 金)へ の 分 配 の 増 大 傾 向 は 経 営 請 負 制 改 革 の な か で 顕 著 と な った。

第二 に は,流 動 資金 の他 の用 途 へ の流 用 で あ る。前 述 の よ うに1986年8 月 の 中 国 工 商 銀 行 の 暫 定 規 定 は,流 動 資 金 や銀 行 貸 付 資 金 の 流 用 を 禁 止

し,具 体 的 な禁 止 事 項 を明 示 して い た[す なわ ち,基 本 建 設 お よ び そ の他 の財 政 性 支 出 に あて る こ と,未 実 現 の 税 金 ・利 潤 の 支 払 に あて る こ と,赤 字 の補 充 に あて る こ と,従 業 員 の消 費 基 金(奨 励 金)・ 福 利 基 金 支 出 に あ て る こ と,割 当 費 用 に あ て る こ と](35)。しか しな が ら,流 動 資 金 の流 用 は実 際 に は広 くみ られ た。例 え ば 漸 江 省 の あ る麻 紡 績 工 場 の 事 例 で は,1990年 度 の 平 均 流 動 資 金 占 用 額 は5227万 元(源 泉 構 成 は 財 政 支 給1087万 [20.8%],自 己 流動 資 金1265万 元[24.2%],銀 行 貸 付4056万 元)で あ っ たが,そ の使 用 先 は基 本 建 設1080万 元,奨 励 金 ・福 利 基 金 の不 足 分 補 充 1205万 元,専 項 基 金 赤字 の補 充523万 元,企 業 赤 字 の 補 充391万 元,製 品 売 買 の純 未 収 金(未 収 金 一 未払 い金)の 補 充1059万 元 で あ った(36)。つ ま り流 動 資 金 総 額 の大 部 分 が 政 策 規 定 に違 反 して流 用 さ れ て い る の で あ る。

そ の主 要 な流 用 先 は従 業 員 の奨 励 金 ・福 利 基 金 お よ び基 本 建 設 ・更 新 改 造 な どの固 定 資産 投 資 で あ った。 逆 に い え ば,企 業 の従 業 員 の 消費 性 資金 お よ び 固定 資 産投 資 の拡 大要 求(「 投 資 飢 餓 症 」)が 流 動 資金 の正 常 な使 用 を

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(23)

表7.国 有工業企業の資金効率 の低下

(単 位:%)

生 産額 占用

固定資産原価 資金利潤率 資金利税率

流動 資金比 率 実現利税比率

1978 24.815.524.233.0

"1

24.316.024.830.2

1982 22.214.423.429.8

1984 22.314.924.226.9

1986

19.910.620.728.9

1988

20.210.420.625.8

1989 17.57.217.227.7

1990 12.93.212.431.8 1991 12.32.911.831.7 1992 12.42.79.729.9 1993 12.93.29.7

(『 中 国 工 業経 済 統 計 年 鑑1994』,57頁 。)

抑 圧 して い るの で あ る。

第 三 に,よ り基 本 的 な要 因 と して国 有 企 業 の 資 金 効 率 が 低 下 して い る こ とが あ る。 企 業 の資 金 効 率 の低 下 は製 品販 売 の不 良 と滞 貨,資 金 回 収 の不 良,資 金 回 転 の長 期 化,固 定 資 産 投 資 の盲 目的 拡 大 と投 資 効 率 の低 下 な ど の諸 側 面 に示 さ れ る(即)。

ち な み に1979年 以 来 の 国 有 工 業 企 業(独 立 核 算 制)の 資 金 効 率 の 動 向 は 表7に み られ る とお りで あ る。 資金 効 率 は1980年 代 以 降 次 第 に 明 らか に 低 下 して お り,特 に1986年 お よ び1989年 以 降 に 顕 著 な 減 少 が み て とれ る。

3)「 三 角 債 」 問 題

上 述 の よ うな企 業 の 自 己資 金 不 足,資 金 効 率 の低 下,売 れ行 き不 振 に よ る滞 貨 増 大 な どを 背 景 に,1988年 秋 か らの経 済 引 き締 め を契 機 と して いわ ゆ る 「三 角 債 」問 題 が 表 面 化 した 。「三 角 債 」 とは企 業 間 の 商 品取 引 に お け

(24)

る支 払 代 金(債 務)の 焦 げ付 きで あ り,そ の状 態 が単 に2つ の企 業 間 だ け で な く,取 引 企 業 間 の 全体 に不 良 債 権 ・債 務 焦 げ付 きの 関係 が連 鎖 的 に生 じて い る状 況 を指 して い る。 この状 況 に お い て個 々 の企 業 は販 売 先 か らの 売 掛 金(債 権)の 回 収 が 困 難 で あ り,そ れ故 に原 材 料 購 入 先 へ の 買掛 金(債 務)の 支 払 が滞 って しま って い る の で あ る。

三 角 債 整 理 へ の対 策 は1990年4月 に 国 務 院 三 角 債 整 理 指 導 小 組 が 成 立 した こ とに よ り本 格 的 に開 始 さ れ た。 国 家 銀 行 か らの貸 付 資金 投 入 な どに よ り同年 末 ま で に1600億 元 の 三 角 債 が 整 理 され た 。 それ は90年3月 以 前 の三 角債 総 額2600余 億 元 の 約60%に 当 た る とい う㈹ 。 同 年 末 に は三 角 債 整 理 指導 小 組 は三 角債 整理 を翌 年 も継 続 して い く こ と決 定 した が,1991年 前 半 に は ま た 三 角 債 が増 加 し,同 年5月 に は三 角 債 総 額 は2000億 元 に 達

した とい う(39)。1991年末 まで に 全 国 で 国 家 銀 行 の 貸 付 資 金 計306億 元 お よ び 地 方 政 府 ・企 業 の 自己 資 金24.5億 元 を投 入 して 計1360億 元 の 三 角 債 を 整 理 した 。306億 元 の資 金 注 入 対 象 は固 定 資 産 投 資 項 目 で234.5億 元[う ち 基 本 建 設 投 資148.7億 元,技 術 改 造投 資81.3億 元],流 動 資 金 項 目で71.5 億 元 で あ る㈹ 。 三 角 債 整 理 の 主 要 対 象 が 固 定 資 産 投 資,と りわ け基 本 建 設 投 資 項 目 にあ った こ とが 分 か る。1992年 も三 角 債 整 理 指 導 小 組 は資 金224 億 元[銀 行 貸付 資 金214億 元 と地 方 ・企 業 の 自 己 資 金10億 元]を 注 入 して 三 角 債830億 元 を 整 理 した。 こ う して 政 府 は91‑92年 の2年 間 に計555 億 元 の 資 金(銀 行 貸 付520億 元,地 方 ・企 業 の 自 己資 金35億 元)を 投 入 し て 不 良 債 務 を 計2190億 元(う ち固 定 債 務427億 元,流 動 債 務1763億 元) 整 理 した(411。こ う して 三 角 債 問 題 を 基 本 的 に 解 決 した と され た 。

しか しなが ら,そ れ は一 時 的 な 解 決 にす ぎな か った。1993年 夏 以 降 イ ン フ レ対 策 と して 金 融 引 き締 め を 強 め た こ とを 契 機 に ま た三 角 債 が 増 大 し, 1993年11月 時 点 で 約3500億 元,さ らに94年11月 に は約6000億(対 年 比70%増)と 急 増 して い る(42)。

三 角債 は経 営 資金 難 の複 合 的 現 象 で あ り,従 って そ の発 生 原 因 に つ い て

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24

表 に よ れ ば,1992年 を1981年 と比 較 す る と固 定 資 産 投 資 総 額 は7.2倍 に,基 本 建 設 投 資 は6.7倍 に,更 新 改 造 投 資 は7.5倍 に そ れ ぞ れ大 幅 に増 加 した。 もっ と も,1981‑82年 は経 済 引 き締 め に よ り基 本 建 設 投 資 が80年 よ り下 が って お り,ま た1989年 も同 様 の 理 由 に よ り固 定 資 本 投 資 が 減 少 して い る(基 本 建 設 投 資 は増 加 して い る も

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