赤阪正純 (httLグnup五
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余 りの美 しさ(3)
回
α,bが互いに素であるとき, 定理① より,
α″+う
y=1
となる整数 ″,υ が存在す る
この とき,任意の整 数 οに対 して,両辺 を
0倍
すると,α(ο″
)+♭
(ου)=οが得 られ る
さて
,以
上の内容をテーマに した入試問題 を 紹介 しよういずれもかな りの高難度です
例 題
p,9を
互いに素な正整数 とする(1)任
意の整数 ″に対 して,p個の整数″―p9
を ク で割 った余 りは全 て相 異 な る こ と を証 明せ よ
(2)″ >沙
gな
る任 意 の整数 ″ は,適
当な正 整 数 α,み を用 いて ,=pα +9ら と表 せ る ことを証 明せ よ[2008年奈良県 立医大前期]
考え方
この問題│ま基本定理の証明の流れそのま まです (2)は,″ =pα +9♭ ょり″一 う9=pα
だか ら,″― ιgが pで割 り切れることを意味 して い ます
このこ とと(1)との関係 が読 み取れ るで
しょうか
0 (1)背
理法で証明する″―た9と ″―ι9(1≦ た<ι ≦
p)を
クで割った余 りが等 しいとすると,
″― た9=pα 十″
″―ι
g=ρβ
ttγ
∴
(J―た
)9=p(α―β
)pと ,が
互いに素なので,ι一たは,の
倍数である ところが,1≦
々<ι ≦pょ
り,1≦
ι―た≦p‑1だから
,ι
―たはっの倍数にはならない よって,t,L
rテ
ιんグ周じ'〜■ 問
3
場苺た狙
傷'気
4ゝ想 も
ク
たtFt
矛 盾 少 々酷 な問題 ですね
したがって,p個の数
″‑9,″
‑29, ,″
―pC
をpで割 った余 りは全て異なる(2)″
>p9よ リク個の整数″
‑9,7‑29,…
,″p9
は全て正の整数である
(1)よ り
,こ
れ らを 夕で割 った余 りは全て異な ん その余 りは 夕個の整数0,1,…,p̲1の
いずれかであることから,pで割って余 りが
0で
あるも のが必ず 1つ 存在する一
このときの たを うとし,pで害」った ときの商 を α とすれば,
″― う9=pα
とな る
すなわち,″ =pα
+9夕
とな る正整数 α,わ が存在するよって,題意は証明 された
例 題 0以 上 の 整 数 ″ に 対 して
,C(″
)で ″ の 下 2桁を表 す こ と に す る 例 え ば,
C(12578)=78,C(6)=6で あ る π を2 で も
5で
も割 り切れ ない正 の整数 とす る.(1)″,υ が 0以 上の整数のとき,
C●″
)=COυ
)な らば,C(″)=C(υ)で あることを示せ
(2)CO駆
)=1と
なる0以
上の整数 ″が存 在 す るこ とを示せ│ [1999年 京都大前期 文系]
考え方
(1)は
「2つの数 の下
2桁
が等 しい」←→「2つの数 の差 は100で割 り切 れ る」
この こ とに気 づ けば問題 ないで し ょう (2)は典 型 的 な 「存在証 明
Jで
すC(″
)は″ に下2桁
なので0か
ら99の 100個の値 しか取 りえない こ とに注 目 しよ う大筋 で基 本 定理 の証 明方法 と同 じなのです が
,な
か な か気 付 きに くい と思 い ます 文 系 に とって は
理各 も
ムソやわ ヽヽ、r物
[lt
子η,ムτす
赤阪正純
(httpソフ
lnupri web fc2 com) 余 りの美 しさ(4)
轟ξ£
TI(潤Ⅲ …ゲ 「
C)(1)
C(π″)=C(πy)
←⇒π″ と πυの下
2桁
が等 しい←⇒π″― πyが loOで割 り切 れ る
←⇒ズ ″一 γ)が 100で害」り切れ る
π は
2で
も5で
も割 り切れ ない数 なので,π は100 で割 り切 れ ない よって,″一 υが100で割 り切れ る ことにな り,″ と υの下2桁
の数 は等 しいC(″)=C(υ)
β
̲
を考 え る と,こ
れ らはすべて異 な るなぜ な ら
じう か
ば
,0≦づ
<′≦ 99な る整数 づ , ノに対 し
,C(π
づ )=C(″
)とすると
,(1)より
,C(づ)=C(′)となり
,グ =′となるので矛盾するからである
したがって,C(η・0), C(π・1), , C‐(π・99)
の中に, 0から 99ま での数が 1回 ずつ現れ るの で,C(″″
)=1と
なる0以 上の整数 ″が存在する例 題
″υ平面上,″ 座標 ,υ 座標が ともに 整数であるような点(物,π )を格子点 とよぶ 各格子点 を中心 として半径 γの円がえがかれて お り,傾き
││の
任意の直線 はこれ らの円の どれか と共有点をもつ とい うこのような性質 をもつ実数 ″の最小値 を求めよ
[1991年東京大前期理系]
考え方
まず問題の意味わか りますか
要す る に
,格
子点を中心とする半径 γの円がいっぱいあっ て,傾き ―卜 のどんな直線でも,どれかの円 と必 ず交わるための アの条件を求めよ,と いうこと半 径がそこそ こ大 きければ直線 と必ず交わ るで しょ うし,逆に半径が小 さすぎると,直線が円と円の隙 間を縫 うように進んで,全く交わ らないかもしれま せん
そ うなる半径 ″の限界値 (つま り最小値)を求め よとい うことです
ポイ ン トは, 定理 ② です これを知 らない とキ ツイで しょう
■
0
傾 きが 一:一 の直線
2″ ‑5υ
― α=0を
ιαとする
ιαに最も近い格子点 とιαとの距離 を ごα とすると
,ι
αと共有点をもつ円が存在する条件 はγ≧ごα
これが任意の αで成立す るための条件 は,ααの最 大値 を ν とすると,″ ≧/1fである
格子点(π,π)と ιαとの距離 は
V笏
2π ‑5π― α
2π
‑5η 一 αν′
22+(̲5)2
〆ホ%ニハ
こ こで
,2π ‑5η
はす べ ての整 数値 を とる こ と がで きるなぜ な らば,任意 の整数 た に対 して,
笏
=3た
,κ =た とおけば,2(3々)‑5(た
)=た となるか らである
したが って,α にもっとも近い整数 を Ⅳ とすれ
ばあ=上持参デ生なの■
γ≧Ψ
<Ю
Ⅳα≦÷より
,任
意の実数αに対して,(※)が成 立す るための ″の条件 は,
︲一勅
″ >
Ⅳ
‑l
Ⅳ α つ ま り,円
の半径が γコヽ
/+1
≧轟 であれば,傾き
2 一5
よって,求
?る
「?最イヽ値は″=2洗
面である■
″ 注 解答の意味わか りますか つ ま り,2π‑5π はす べ て の整 数 値 を表 す こ とが で き るの で,任意 の α に対 して,α に一番 近 い整 数 を都 合 よ く決 め るの です.例え ば α=12な らば 2π
‑5π
=1,α=37な ら 2π ‑5π =4と い う具 合 に これ を 満 た す (れ
,″)が
直線 に最 も近 い格 子 点 で す こ の とき,α と αに最 も近 い整数 Ⅳ との距離 (差)は:以下 にな ります(下図参 照) 1 、
■ =
の任意の直線 と必ず交わることになるのです