• 検索結果がありません。

「子どもの保健」におけるマインドマップ活用の試 み

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "「子どもの保健」におけるマインドマップ活用の試 み"

Copied!
9
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

「子どもの保健」におけるマインドマップ活用の試

著者 矢野 潔子

雑誌名 静岡大学教育実践総合センター紀要

巻 25

ページ 271‑278

発行年 2016‑03‑31

出版者 静岡大学教育学部附属教育実践総合センター

URL http://doi.org/10.14945/00009460

(2)

静 岡大学教育学部附属教育実践総合 セ ンター紀要

No 25 p 271〜 278(2016)

く 実践報告〉

「子 どもの保健」におけるマイン ドマップ活用の試み

矢野

 

潔子 摯

Application of Mind Maps to Children's Healthcare Programs

Kiyoko YANO

要旨

保育士養成課程等における必須科 目「子 どもの保健」では、保育現場 において、子 ども一人一人の心身の状態 や発達の過程 を踏まえた保健的対応、子 ども集団全体の健康 と安全を図ることのできる基礎的な知識・ 技術 を習 得す ることが求め られる。 しか し、その内容は専門性が高 く、学生が苦手意識 をもつ科 目の一つ となつている。

そ こで本研究では、学生が r子 どもの保健」の授業内容に興味や関心 をもち、 さらに授業の理解 を深めること を 目的 として、マイン ドマ ップを活用 したノー トテーキングを試みた。実施後に行つた無記名 自記式質問紙調査 の結果では、講義内容の理解 とマイン ドマ ップに関す る評価 との間に相関が認め られ、マイン ドマ ップ活用によ るノー トテーキングは学習理解の助けになつていることが示唆 された。

キーワー ド:マ イ ン ドマ ップ

 

保育士養成

 

子 どもの保健

 

教授 法

は じめに

子 どもにふ さわ しい生活時間や生活 リズムをつ くれ ない保護者、不安や悩みを抱える保護者の増加による 養育力の低下、児童虐待の増カロ 、家庭や地域社会の教 育力の低下な ど、子 どもを取 り巻 く状況が変化 し、保 育所に期待 され る役割は大きくなつてきている に 労 省

,2008)。

2008(平 成 20)年 3月 、改定保育所保育指針が厚 生労働大臣によ り告示 され、各保育所には保育指針に 基づ く保育を豊かに展開 していくことが求められてい る。保育所保育指針 とは、保育所における保育の内容 や これに関連す る運営及び子 どもの最善の利益のため、

全国の認可保育所が一定の保育水準を担保するための 仕組みについて法令 として定めたものである。

保育所保育指針の改定を受 け、 2010(平 22)年 3 月 24日 、保育士菱成課程等検討会は

'保 育士養成課 程等の改正について (中 間ま とめ )」 を提言 し、保育 士養成課程改正のなかで、教科 日の新設や教科 目の名 称の変更について言及 した。

子 どもの保健 は、従来の 「小児保健」を 「子 ども の保健 I(講 義 )」 及び 「子 どもの保健 Ⅱ (演 習 )」

として、名称変更案 として示 されたものである。 「小

児保健」か ら 「子 どもの保健」への名称変更理 由とし て、保育現場 において、子 ども一人ひ とりの心身の状 態や発達の過程を踏まえた保健的対応を行 うことや、

子 ども集団全体の健康 と安全を考えること等の重要性 をかんがみたことがある (厚 労省

,2010)。

よつて、

保育士養成課程 においては、子 どもを取 り巻 く状況の 変化、教科の新設や名 称変更に至った経緯 を踏 まえ、

各科 目の内容の見直 しや改善を図ることが望まれ る。

子どもの保健に関する研究としては、小林

(2013)

の母子手帳を活用した子どもの保健

Iの

実践報告や、

森本

(2012)の

アンケー ト調査による子どもの保健Ⅱ の授業内容検討などがあるが、その数は少ない。

山本 ら

(2007)は

、小児保健に関する科 目について、

テキス トに使用 されている用語のほとん どが医学用語 であ り、授業内容 も理解度が高 く、再試験者の多い科

目の一つであると指摘 している。

「子 どもの保健」は、保育士養成課程等 (大 学の子 ども学部や短期大学の保育科、専門学校な ど )に おけ る必須科 目の一つである。指定保育士養成施設指定基 準 「教科 目の教授 内容」では、子 どもの保健に関す る 科 目の内容 として、子 どもの保健

Iと

子 どもの保健 Ⅱ に分け明記 されている。子 どもの保健 I(講 義・ 4単

*静

岡大学学術院教育学領域

(3)

矢野潔子

位 )の 内容は、①子どもの健康と保健の意義、②子ど もの発育・発達と保健、③子どもの疾病と保育、④子 どもの精神保健、⑤環境及び衛生管理並びに安全管理、

⑥健康及び安全の実施体制であり、子どもの保健Ⅱ

(演 習・

1単

位 )は ①保健活動の計画及び評価、②子 どもの保健と環境、③子どもの疾病と適切な対応、④ 事故防止及び健康安全管理、⑤心とからだの健康問題 と地域保健活動か らな り、保育士 として子 どもの健康 支援 を行 うために欠かせ ない教 科目であると考えられ

る。

そ こで、本研究では学生が r子 どもの保健」の授業 内容に興味や関心をもち、 さらに授業の理解 を深める ことを 目的 として、マイン ドマ ップ (Mind Map)を 活 用 した ノー トテ∵キング (Notetaking)を 試みた。

マイ ン ドマ ップ とは、放射思考を図で表 した もので あ り、思考全般 に使 えるツ こル として、Tony Buzan によ り開発 された。放射思考 とは、人間の脳が思考 し、

ア イデ ィア を生 み 出す 過程 の こ とをい う

(3uzan,

2013)。 またヾマイ ン ドマ ップは考 えていることを視 党化でき、記憶、創造性 、学習の 3分 野で大きな効果 を発揮す ると考えられている (Buzan,2013)。

マイ ン ドマ ップを学習のツール として利用 した教育 には、マイン ドマ ップを活用 したライティング活動報 告 (和 田

,2010)、

留学生を対象 とした ドキュメンタ リー映像視聴 の記録 としてのマイン ドマ ップ利用 (飯

,2012)、

マイン ドマ ップを利用 した疾患の全体像 を把握する試み (末 松 ら ,2014)な どがある。また、

自己紹介、議事録、プ レインス トー ミング、システム 開発への活用事例 も報告 されている (平 鍋 ,20∞ )。

このよ うに、マイ ン ドマ ップは講義ノー トや議事録 と して、 さらにアイデ ィア発想への応用 として活用 され ている。

本 研 究 で は 、マ イ ン ドマ ップ の特徴 と して 平鍋

(2009)が

示 したプ レイパ ック効果、一貫性、容易性

という利点をノー トテーキングに用いることにした。

 

実施方法

まず、

A大

学の保育士養成課程における「子どもの 保健」に関する科目構成及び概略について述べ、実施 対象及び期間、具体的なノー トテーキングの方法につ いて説明する。

子どもの保健の構要

現行の指定保育士菱成施設指定基準 「教科目の教授 内容」では、必修科目・保育の対象の理解に関する科 目として、 「子どもの保健

I(講

義・

4単

)J及

「子どもの保健Ⅱ

(演

習・

1単

)」

が定められてい る。

A大

学の保育士養成課程では、

2011(平

23)

年度入学生から、指定保育士養成施設指定基準に沿つ た新カ リキュラムヘと移行 した。

A大 学保育士養成課程における子 どもの保健に関す る科 目について、表

1「

開講科 目名」に示す。 A大 学 では、指定保育士養成施設指定基準で定められている

「子 どもの保健

I」

講義 4単 位 を 「子 どもの保健

I」

と '子

どもの保健 Ⅱ」、各 2単 位に分 けて運用 してい る。

科 目担当者は、子 どもの保健

Iは

非常勤の小児科医、

子 どもの保健 Ⅱ及び子 どもの保健Ⅲは、看護師免許を 有す る専任教員である。

開講時期は、 1年 次前期に子 どもの保健

I、

1年 次 後期に子 どもの保健 Ⅱ、 2年 次前期 に子 どもの保健Ⅲ

となつている。

授業内容は、概ね指定保育士菱成施設指定基準 「教 科 目の教授 内容」で示 されてい る各教科 目の内容 に 沿ちている。

開講科 目名

A大

学の開講科目

1目

小児保健 (講義・実習)

5単

1日

小児保健 儲 義

)2単

小児疇 (演

)3単

子 どもの保健

I(講

)

4単

子 どもの保健 Ⅱ

(演

)

  1単

子 どもの保健I 子 どもの保健 Π 子 どもの保健Ⅲ

(潮

2単

(講

2単

(演)

1単位

2.実 施科 目及び対彙者

実施科 目は子 どもの保健 I(講 義 )と し、その履修 生 55名 を対象 とした。主たる履修 者は 1年 次生であ

る。

実施時期は 2013年 度後期 とし、講義全 15回 の うち、

第 2回 か ら第 13回 までの計

12回

において、マイン ド マ ップを用いたノニ トテー キングを試みた。

なお、授業評価は定期試験 (筆 記 )及 び課題提出に て行い、ノー トの記載内容等については評価対象か ら 除いた。

「子 どもの保健 Ⅱ」の授業内容について表

2に

示す。

授業の構成は、 1回 目の講義で提示す る 「 B保 育所の 保健計画」を参考資料 とし、

4〜 6月

、 7〜

9月

10〜

12月 、

1〜3月

の 4期 に分けて各国のテーマを設定 し た。

子どもの保健

Iの

学習目標は、①子 どもの心身の健 康増進を図る保健活動の意義を理解する、②子どもの 疾病とその予防法及び適切な対応について理解する、

③保育における環境及び衛生管理並びに安全管理につ いて理解する、④嗜設等における子どもの心身の健康 及び安全の実施体制について理解する、以上

4つ

であ

託:)●

│■

(4)

「子どもの保健」におけるマインドマップ活用の試み

子 どもの保健 ■の授業内容 (2013年 度)

る。

これ らの学習 目標は、指定保育士養成施設指定基準 に示 されている 「子 どもの保健 I(講 義・ 4単 位 )」

の 目標を参照 し設定 した。

チは、太さを変化

(太

い→細い

)さ

せるように促 す。

(5)1プ

ランチに

1ワ

ー ド、キーワー ドを書く 文章化せずに、単語で記入させる。

(6)楽

しんで描く

自分らしく、独自のスタイルで倉1造的に描 くこと を意識させる。なお、事前にマイン ドマ ップの記 哉内容や出来栄え等は、評価の対象としないこと を説明した。

 

評価方法

調査方法及び項目

マイン ドマ ップについての自己評価、及び授業評価 に関する調査を無記名自記式質問紙、留置法により実 施 した。

調査は、授業最終日に行つた。調査協力の依頼に際 して、口頭にて調査の趣旨及び成績評価には影響 しな いこと、強制ではないこと、調査協力の同意が得られ る場合は、質問紙の提出をもつて同意 したものとみな す旨を伝えた。質問紙は、別室に設置 した回収箱にて 回収 した。

質問紙の調査項目は、マイン ドマップについて 「① 中心のイメージを丁寧に描けましたか」、 「②伎

(ブ

ランチ

)は

、中心から外側に広がるように描けました

J、

「③枝のすぐ上に単語や絵が描けましたか」、

「④カラーベンや色鉛筆などを使つてカラフルに描け ましたか」、 「⑤ 自分な りの系統立てができま した か」、「⑥楽 しく描くことができましたか」の

6項

及びマイン ドマップに関する感想についての自由記述 欄を設けた。 さらに、子どもの保健 Ⅱの講義内容につ いて、 「講義の内容は理解できましたか」及び講義の 感想について自由記述を求めた。

各質問項目には、

 rは

ぃ」 「ぃぃぇ」 「どちらとも いえない

Jの 3件

法で回答 してもらった。

分析方法

「①中心のイメージを丁寧に描けましたか」、「②

(ブ

ランチ

)は

、中心から外側に広がるように描け ましたか」、 「③枝のす ぐ上に単語や絵が描けました か」、 「④カラーペンや色鉛筆などを使つてカラフル に描けましたか」、 「⑤ 自分なりの系統立てができま したか」

t「

⑥楽 しく描くことができましたか」及び

「講義の内容は理解できましたか」の

7項

目について、

単純集計を行つた。

次に、「講義の理解

Jと

マイン ドマップに関する上

6項

目について、クラメールの連関係数にて分析を 行つた。統計ソフ トは、lBM SPSS Statistics

Version 22を

使 用 した。 マ イ ン ドマ ップ に 関す る 自 由記 述 につ い て は 、質 的 内 容 分 析 を行 つた (U Flick, 2011)。

(マ

インド

保育所における保健計画

2

3 4

5

6

7

8 9 10

11

衛生的な健康生活

,生

理的欲求 内科検診

,歯

科検診

,身

体測定 手洗い

,歯

みがき

ア レルギー対策

事故対策

,ハ

ザー ドマ ップ

10‑12月

水遊び

,熱

中症対策 身体の働 き・仕組み

1〜 3月

感染症対策

,予

防接種 保護者支援

,保

健指導

3.ノ ー トテーキングの方法

マイ ン ドマ ップを描 くためには、い くつかの決ま り がある。 W Read(2005)は 12の ルール を示 してい る。また、

T Buzanら (2013)は

、マイン ドマ ップ作 成の ヒン トとして loつ あげている。それ らを参考に して、本研 究ではノー トテーキングの基本 6項 目とし て学生に示 した。

学生に示 した ノー トテーキングの基本 6項 目、及び 指導上の留意点について以下に述べ る。実施に際 して は、各回、授業の冒頭で講義のテーマについて解説 し、

講義テーマのイ メージを描 く時間を設 けた。また、授 業終了前に ノー トを整理する時間を

10〜

15分 間設定

した。

(1)A4ノ ー ト (見 開き A3)を 使用す る

マイ ン ドマ ップでは、無地の自い用紙を横長に使 うことが推奨 されている。そ こで、事前に無地の

A4ノ ー トを準備 し、履修生全員に第 1回 目の講 義で配布 した。

(2)テ ーマ を中央にイラス トで描 く

講義テ マ をイメージイ ラス トとして描かせ る。

2〜

3分 程度、描 くための時間を設ける。

(3)カ ラフルに描 く

色鉛筆や カラーペ ンを各 自で準備 させ る。色を付 けるこ とで、記憶 を促す よ うに意識 させる。

(4)中 心か ら外側に向けてプランチを広げる プランチ とは、枝や線のことを意味する。プラン

14

15

4〜 6月

(5)

矢 野潔子

 

結 果

1.学

生が作成 したマイ ン ドマ ップ

1及

び図

2は

3回

目の講義 「衛 生的な健康生 活」 において、図

3及

び図

4は

13回目の講義 「感染 症対策及 び予防接種」 にて学生が記録 した ノー トであ る。

作成 され た もの を見 る と、マイ ン ドマ ップのテーマ となるタイ トルが 中心 に描 かれてい るこ とが分かる。

1及び図2は、 「衛 生管理」であ り、図3及び図

4

は 「感 染症対策」 とな つてい る。 中央 に描 かれたイ ラ ス トは、セ ン トラル eィ メー ジ

(central image)と

呼ばれ 、特徴的な絵 を使 つて印象 を強 める効果 がある

(平

,2009)。

1は星、図2は家 、図3はマ スク を した女の子、図

4は

ワニが 中央 にテーマ と共 に描 か れ てい る。 さらに、セ ン トラル・ イ メー ジの周 りに枝

(ブ

ランチ

)を

伸 ばす よ うに加 え、キー ワー ドを書 き 入れ なが らさ らに枝 を広 げ るな ど、 「Ⅱ 実施 方法」

において ノー トテー キングの基本 として示 した方法 に 従 つてい る とい えよ う。

2.調

査結果の概要

履修者数

55名

を対象 として行 つた無記名 自記式質 問紙調査 の回収 率 は、

94.54%(52名 )で

あった。表 3に各項 目の回答結果 を示す。

マイ ン ドマ ップに関す る6項目にお いて、 「はい」

と回答 した者 が最 も多 か つた ものは 、 「枝

(ブ

ラ ン

)は

、中心か ら外側 に広が るよ うに描 けま したか」

及 び 「楽 しく描 くこ とがで きま したか」の

2項

目で あ り、いずれ も

37名 (71.16%)で

あ つた。次 いで 、

「 自分 な りの 系 統 立 て が で き ま した か 」

33名 (63.46%)と

なってい た。

「枝 のす ぐ上 に単語 や絵 が描 けま したか」 と 「カ ラーペ ンや色鉛筆 な どを使 つてカラフル に描 けま した か」の

2項

目につ いて は、約

6割

が 「いい え」及び

「どち らともいえない」 と回答 していた。また、マイ ン ドマ ップに関す る

6項

目にお いて、全項 目 「はい」

と回答 した者 は

10名

(19。 23%)、 全項 目 「いいえ」

又 は 「どち ら と もい え な い」 と回答 した者 は

2名 (3.84%)で

あった。

講義 の内容 につ いて は 、

46名 (88.46%)が

「講義 内容 は理解 で きた」 と回答 していた。

3.講

義 内容の理解 とマイン ドマ ップとの関係 次 に、講義内容 の理解 とマイ ン ドマ ップ評価 の関連 性 をみ るために、マイ ン ドマ ップに関す る

6項

目につ いて、

4項

目以上 に 「はい」 と回答 した者 を高評価群 (=2)、

4項

目以上 に 「いいえ」 と回答 した者 を低 評価 群

(=1)と

して分析 を行 つた。 なお 、マイ ン ド マ ップの評価 につ いて、 「はい」 と 「いいえ」の回答 数 が共 に

3で

あった

7名

を除 く

46名

分 を分析デー タ

テー マ 「衛生管理」

テーマ「感染症対策」

テーマ「衛生管理」

「感染症対策」

図 4  テー マ

(6)

「子どもの保健」におけるマインドマップ活用の試み

回答結果

(n=52)

項 目

はい (%) いいえ (%) どちらともいえない (%)

中心のイメージを時間をかけて丁寧に描 けた (プランチ

)は

中心か ら外側に広がるように描けた 枝のす ぐ上に単語や絵が描 けた

カラーペンや色鉛筆などを使つてカラフルに描けた 自分な りの系統立てができた

楽 しく描 くことができた 講義内容は理解できた

23(4423)

37 (71 16)

23(4423)

20 (38 46) 33 (63 46) 87 (71.16) 46 (88 46)

9(1731)

4 (7 69) 13 (25 00) 13 (25 00) 0 (11 54)

1(1.92)

0(0∞

)

(3846D

0119

(3077)

(36 54)

(25 00)

(26 92)

(1154)

20

1︲

16

︲9

︲3

︲4

4 Fisherの正確確率検定結果

理解できなかつた (%) 理解できた (%) (片)

中心のイメー ジを時間をかけて丁寧に描 けた

低評価 高評価

5(962)

1(1.92)

24

615)

22(4231)

0 157

枝 (プ

ランチ

)は

中心か ら外側に広がるように描けた

低評価 高評価

2(385) 4(769)

13(25∞

)

33(6346)

0 565

枝のす ぐ上に単語や絵が描けた

低評価 高評価

0 (11 54)

0(0∞

)

23(4423) 23(4423)

0.023

カラーペ ンや色鉛筆な どを使 つてカラフルに描けた

低評価 高評価

4(769)

2 (3.86)

28 (53.86) 18 (34.61)

0 578

自分な りの系統立てができた

低評価 高評価

5(962)

1(192)

14 (26 92) 32 (61 54)

0 020

楽 しく描 くことができた

低評価 高評価

3(577) 3(577)

12(23

08)

34 (65 38)

0 225

として用いた。

その結果、講義内容の理解 とマイン ドマ ップの評価 との間には、弱い正の関連が認 め られた

(乃

′ =293, pく

.05)。

さらに、マイン ドマップ

6項

目のうち、講義内容の 理解の助けになつている項 目を明ら力ヽこするために、

「講義内容の理解」と各項目について Fisherの 正確 確率検定を行つた。なお、

3件

法で得た回答から「は

Jと

回答 した者を高評価 (=2)、 「いいえ」及び

「どちらともいえない

Jと

回答 した者を低評価

(=

1)と

した。分析結果を表

4に

示す。 「校のすぐ上に

単語や絵が描 けた」

(′

=.023)及 び 「自分な りの系 統立てができた」

(′

=020)の 2項 目において有意 差 (ρ く 05)が 認められた。

4.マ インドマップに日する自由記載の内書

マイン ドマップの感想について、

47名 (9038%)

から自由記述による回答を得た。

記載内容について、マイン ドマップに関する内容を 含む一文を分析単位 として、質的内容分析の手順

(小

日,2011)に よリコー ド化 した。分析数は 53で あり、

難 しさ】、 【慣れが必要】、 【描き方の工夫】、

(7)

矢野潔子

表 5  マインドマップに関する感想

カテゴリー

サブカテゴリー 代表的な自由記述回答 回答数

難しさ

描くのが難しかつた

描くのが難しいと思いました

最後までうまくまとめることが金 ませんでした

校の描き方が難しかつた

項 目によつて技を広げられたり,広 げきらなかつたりして少し難しいなと感じた 技を大きく伸ばせなかった

自分なりの方法がよい

自分なりにまとめた方が書きやすかつたです

イメージがわかなかった

イメージがあまりなかつた

慣れが必要

慣れると楽しくなってきた

償れてくると自分らしいノート作りを楽しめたので良かつたです 慣れてきたらだんわ しと書き九 分かり楽しくなつていつた

最初は描き方に迷つた

最初はどう描く力継 つた

最初は描くのが難しくて苦戦しましたが

,後

半になつてくるとなんとなく分かつてきた

慣れると考えが広がる

債れてくるといろいろなアイディア,意 見,考 えなどが出てくるようになった

償れるまで時間がか力い た

債れるまでに時間がかかつた

慣れると上手にまとめられた

書き方が債れてくると

,自

分なりにノートも上手くまとめられるようにわ た

描き方の工夫

見やすくする

もつと色ペンを使つたり ,見 やすいマップにすればよ力つたなつて思いました

ノートいつぱいに書く

字を結 くい ヽ てノートいつぱいに書いて見やすくすればよかった

i夫

力ヽ つと必要だと思つた

発想の広がり

関連させて勉強できた

語句からたくさん関連させて勉強することができた

(プラン角 がよく描けた

新鮮で

,自

分のペースで好きなように枝をのばすことができた

5

発想が広がった

自分の発想を広げることもできました

理解と記憶

見て分かりやすい

自分で重要な水イントをビックアッノし

,ま

た復習も,見 てパット分なるのでいいなと思 セヽ ました

理解が深まった

自分で考えなきゃだから理解が深まつた

記憶に残つた

記憶に残つたので良かつた

楽しさ 楽しかつた

描くのが楽しかつたです

絵をかくのが月きだつたので楽しかつたです

見辛さ

見にくかつた 枝に字を書くので

,ま

とめた後にとも 見にくく感じま

1ジ

1

身体を使う 手も頭も使った

大学に入つてノートに奢くことが少なくなっていたので頭も手も使い良力つ た

1

発想の広が り】、 【理解 と記憶】、 【楽 しさ】、

見辛 さ】、 【身体を使 う】にカテゴリー化できた。

考察

講義の内容については、

46名 (88.46%)が

「講義 内容は理解できた」と回答していた。さらに、講義内 容の理解 とマインドマップの評価 との間には、弱い正 の関連が認められたことから、マイン ドマップによる ノー トテーキングは、講義内容の理解 を深める功けに なつていることが示唆された。特に、調査項目の

6項

目のうち、講義内容の理解と「枝のすぐ上に単語や織 が描けた」、及び講義内容の理解 と「自分なりの系統 立てができた」の項目間において有意差が認められ、

単語や絵が描ける、又は自分なりの系統立てでノー ト

テーキングができた学生は、講義内容が理解できてい たと考えられる。

高橋 (2012)は

(マ

イン ドマップが学習効果を高め る要因として、思考整理因子、対争把握因子、作業効 率因子の 3因 子があるという。思考整理因子とは、自 分の考えを明確にすること、物事をまとめることであ る。対象把握因子とは、物事の全体像及び細部を把握 すること。作業効果因子とは、時間を有効に使 うこと、

効率的に作業をすることであり、非文章化が求められ る。本研究では、 「単語や絵が描ける」は高橋がいう 思考整理因子や作業効率因子にあたり、 「系統立てが できる」は対象把握因子であるといえる。つま り、

ノ■ トテーキングの方法 として示 した、枝のすぐ上に 単語や絵を描くことや自分なりの系統立てを意識する

(8)

「子どもの保健」におけるマインドマップ活用の試み

ことは、学習効果を高めることになり、子 どもの保健 の授業にマイン ドマップを活用する際の留意点となる。

また、平鍋 (2009)は 、マイン ドマップの特徴とし て、①プレイパック効果 :思い出させること、②一貫 性 :全体を見渡せること、③遠記性

:す

ばやく記述で

きること、④容易性 :誰 でも描 けること、⑤半構造

:

構造を柔軟に変更できること、⑥生産性 と創造性 :描 いていて楽 しいことを掲げている。

本研究では、マイン ドマ ップの特徴 とされ るプ レイ バ ック効果、一貫性、容易性 を期待 してノー トテーキ ングを実施 した。マイ ン ドマ ップに関する感想をみる と、カテ ギリー 【理解や記憶 1に 関連す ると思われる プ レイバ ック効果や一貫性 について、 【楽 しさ】に示 されるよ うな生産性 と創造性についての記載がみ られ た。つま り、マイン ドマ ップを活用 したノー トテーキ ングにおいて も、マイ ン ドマ ップの特徴であるプ レイ バ ック効果や一貫性、生産性 と創造性 が活きていると 考える。

また、図

1及

び図

2に

示す ように、授業

3回

目にて、

マイ ン ドマ ップを活用 したノー トテーキングができて いた。 この ことか ら、速記性や容易性 とい うマイン ド マ ップの利点は、講義中のノー トテーキングにおいて も活用できると思われる。

しか し、一方では多 くの者が難 しさを感 じていた。

よって、マイン ドマ ップを活用 したノー トテーキング には、ある程度 の慣れが必要であ り、授業 における ノー トテーキングとしてマイ ン ドマ ップを活用するた めには、練習課題 を課すな ど、準備 時間を設 けること が必要であると考 える。

 

おわ りに

本研究では、学生が 「子 どもの保健」の授業内容に 興味や関心をもち、 さらに授業の理解 を深めることを 目的 として、マイ ン ドマ ップを活用 したノー トテーキ ングを試みた。授業後に行つた調査では、学生の

8割

以上が 「講義内容は理解できた」 と回答 してお り、講 義内容の理解ができた学生は、マイン ドマ ップに対す る評価 も高 くなつていた。 この ことか ら、マイ ン ド マ ップによるノー トテーキングは、講義内容の理解 を 深める助けになることが示唆 され る。

単語や絵 を描 くためには、 自分の考えを明確にする ことが必要であ り、系統立てるためには記載内容を把 握することが重要である。マイ ン ドマ ップを活用 した ノー トテー キングでは、単語や絵を描 くこと、系統立 てることの 2点 を学生に意識 させ ることで、講義内容 の理解につ ながることが期待できる。

また、マイン ドマ ップを活用す る際には、事前の練 習が欠かせ ないことも分かつた。マイン ドマ ップを書 手 とす る学 生のために も、まずは事例検討 な ど、グ ループワー クでの活動にマイン ドマ ップを用いること

を提案 したい。

今後の課題 として、筆記試験等の成績 とマイ ン ド マ ップ との関係性 について追及 し、知識の習得度など、

客観的な学習効果 をみてい く必要がある。

腑辞

ノー トを資料 としてご呈示いただきま した 4名 の学 生 さんをは じめ、調査 ご協力いただきま した子 ども学 科の学生の皆様に感謝いた します。

参考文献

飯島有美子 (2012)  「マインドマップによるノート

テー キングの試み― 「日本事情 Jク ラスにおける ド キュメンタ リー映像視聴の記録 として一」

 

関西国 際大学研究紀要 .第

13号 ,pp 187 194

ウィ リアム・ リー ド (2005)  『 マイ ン ドマ ップ・

ノー ト術』

 

東京 ,フ ォ レス ト出版 ,205p

ウヴェ・ フリック 著 ,小 日博志 監訳 (20H)  「第

23章 コー ド化 とカテ ゴリー化 質的内容分析」

『新版 質的研究入門』

 

東京 ,春 秋社,pp.393‑

400

厚 生 労働省

 

「保育所保 育指針解説書

(平

20年 4 月 )」 ,厚 生労働省雇用均等・ 児童家庭局保育課

http://www mhl■ go 

p/bunya/kodolno/hoiku04/pdf /hoikuo4b.pdf,(2015年 12月 15日

間覧

)

厚生労働省

 

「保育 ILa成 課程等の改正について (中

間ま とめ )平 成

22年

3月 24日 J,保 育士養成課程 等検討会

http://―

 mhlw go jp/shingi/2010/03/dl′ s0324‑

6ap001 pdf,(2015年

12月 15日

閲覧

)

小林陽之助 (2013)  r子 どもの保健

I」

の講義に おける母子健康手帳の活用―出生時の体測値 を例に 一」

 

大阪総合保育大学紀要

 

第 8号 ,pp 209‑

213

末松篤樹

,野

口善令

,横

江 正道ほか

(2014) '誰

教 えて くれ なか った診 断学・ 中級編 ―鑑別診断 を絞 り込む ―」

 

日本プライマ リ・ ケア連合学会議

 

37巻 1号, pp.36‑38

高橋文徳

(2012) 

「マイ ン ドマ ップが学習効果 を高 める要因の検証」

 

尚細学園研究紀要

B自

然 科学

 

6号 ,pp H‑18

トニー・ ブザ ン

,パ

リー・ プザ ン 著

,近

田美季子 訳

(2013) 

『新版 ザ・マイン ドマップ』

 

東京,

ダイヤモン ド社

,277p

平鍋健児

(2009) 

「マイン ドマップによるアイディ ア発想と整理術

情報の科学と技術

,59巻

10号,

pp 498‑504

森本 美佐

(2012) 

「保育 の視 点か ら見た 「子 どもの 保健

2J授

業 内容 ―保 育者 と学生のア ンケー ト結果 か ら一

J.奈

良 文 化 女 子 短 期 大 学 紀 要

 43号

(9)

矢野潔子

pp 149‑157

山本泉

,中

島賢介

,善

本順 子

(2007).「

専 門科 日の 理解に必要な語彙指導のあり方の研究

:保

育者養成 校 としての取 り組み」

 

北陸学院短期大学紀要

 

39号 , pp 5針

77

和 田一 菜

(2010).「

マ イ ン ドマ ツプ を用いた ライ テ ィング活動 の試 み一 日標言語 で考え、構成す る力 の育成 を 目指 して」 長崎大学留学生セ ンター紀要 18号

,pp.81つ

6.

参照

関連したドキュメント

割合 10% 30% 10% 50%

専門科目 保育士養成課程 1 年 233 234 割合    履修上の留意点・ルール レポート 調査報告書 小テスト

頻度21 具体的な絵 頻度7 抽象的な絵 表4 「具体的な絵」 と 「抽象的な絵」 の出現頻度 表 5 第 2 回授業のミニッツペーパーの記述内容

問題の二つ目は,母語からの翻訳に頼りきっている点であった.石橋の研

 ⑨ 自分の健康に関心を持ち病気の予防などに必 要な活動を進んで行う。  ⑩

問7 新生児に普通に見られる反射運動で、ある時期になると消えていくものを原始反射というが、

問1 次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」4(2)「幼児期の終わりまでに育ってほしい