梅花女子大学 機関リポジトリ
避難所看護活動における保健師との連携の在り方 : 東日本大震災における看護師の活動から
著者 國松 秀美, 河村 諒, 臼井 千津
雑誌名 梅花女子大学看護保健学部紀要
号 10
ページ 13‑21
発行年 2020‑03‑20
URL http://doi.org/10.20832/00000211
避 難 所 看 護 活 動 に お け る 保 健 師 と の 連 携 の 在 り 方
- 東 日 本 大 震 災 に お け る 看 護 師 の 活 動 か ら -
Examining Increased Cooperation by Public Health Nurses at Shelters with Respect to Nursing Care Activities: Learning from
the Activities of Nurses in the Great East Japan Earthquake
國 松 秀 美 1) 河 村 諒 2) 臼 井 千 津 3) Hidemi Kunimatsu Ryo Kawamura Chizu Usui
【 要 旨 】 避 難 所 に お い て , 被 災 者 の 救 護 お よ び 日 々 の 暮 ら し に 目 を 向 け て 効 果 的 な 活 動 を 実 行 す る た め に は 市 町 村 保 健 師 と 避 難 所 で 活 動 す る 看 護 師 の 密 な る 連 携 が 強 く 望 ま れ る . 本 研 究 に お い て 筆 者 は , 東 日 本 大 震 災 ( 以 下 震 災 と す る )発 生 後 , 被 災 地 外 か ら 避 難 所 に 支 援 に 入 っ た 看 護 師 の 実 践 内 容 と 保 健 師 と の 連 携 の 必 要 性 に つ い て 分 析 し , 避 難 所 看 護 活 動 に お け る 保 健 師 と の 連 携 の 在 り 方 に つ い て 検 討 し た . 東 海 ・ 近 畿 圏 内 の 病 院 勤 務 者 で 震 災 後 被 災 地 避 難 所 に お い て 看 護 実 践 経 験 が あ る 看 護 師 300 名 に 自 記 式 質 問 紙 調 査 を 実 施 し た . 結 果 よ り 看 護 実 践 で は , フ ィ ジ カ ル ア セ ス メ ン ト , 診 療 を 必 要 と す る 人 の 把 握 と 必 要 な 処 置 , 慢 性 疾 患 管 理 な ど が 80%を 占 め , 健 康 の 予 防 , 生 活 支 援 に 関 す る 情 報 提 供 な ど の 活 動 は , 10~ 40%で あ っ た . ま た 92%の 看 護 師 は , 保 健 師 と の 連 携 が 必 要 と 考 え て い た . 災 害 発 生 初 期 に 必 要 な 対 策 を 講 じ 地 域 住 民 の い の ち と 健 康 を 守 る た め に は , 市 町 村 保 健 師 と 地 域 に 在 住 す る 看 護 職 間 の 連 携 シ ス テ ム の 構 築 が 急 務 で あ る .
キ ー ワ ー ド : 避 難 所 看 護 活 動 災 害 看 護 保 健 師 看 護 師 東 日 本 大 震 災
Ⅰ . 緒 言
こ の 十 数 年 本 邦 で は , 激 甚 災 害 の 発 生 が 顕 著 で , 多 く の 犠 牲 を 払 っ て き た . 自 ら の 被 災 地 に お け る 避 難 所 看 護 経 験 で は , こ れ が 経 済 的 に 発 展 し た 日 本 の 現 状 な の か と 驚 愕 す る ほ ど , 劣 悪 で 雑 然 と し た も の で あ っ た . こ の 経 験 は , 避 難 所 看 護 の 研 究 を 行 わ な け れ ば な ら な い と い う 認 識 の も と に , 研 究 の 動 機 づ け と な っ た .
避 難 所 は , 1946 年 の 南 海 地 震 を 契 機 と し て , 1947 年 に 制 定 さ れ た 災 害 救 助 法 の
「 災 害 に 際 し て , 国 が 地 方 公 共 団 体 , 日 本 赤 十 字 社 そ の 他 の 団 体 及 び 国 民 の 協 力 の 下 に , 応 急 的 に , 必 要 な 救 助 を 行 い , 災 害 に か か っ た 者 の 保 護 と 社 会 の 秩 序 の 保 全 を 図
る こ と 」 を 目 的 と し て 設 置 さ れ て い る . よ っ て , 避 難 所 は 災 害 に よ り 生 活 基 盤 で あ っ た 家 や 職 場 , 田 畑 や 大 切 な 人 を 失 う な ど 人 的 ・ 物 的 被 害 を 被 っ た 被 災 者 が 生 き る た め の シ ェ ル タ ー で あ り 「 生 活 の 拠 点 」 で も あ る .
避 難 所 で 暮 ら す 人 々 の 命 と 健 康 を 守 る た
め の 重 要 な 役 割 は , 阪 神 ・ 淡 路 大 震 災 よ り
避 難 所 を 開 設 お よ び 管 理 す る 自 治 体 保 健 師
と 日 本 看 護 協 会 ・ 都 道 府 県 看 護 協 会 が 派 遣
す る シ ス テ ム 化 さ れ た 災 害 支 援 の 看 護 職 ら
が , 組 織 的 に 避 難 所 の 看 護 を 担 っ て き た .
活 動 に 際 し て は , 被 災 地 域 , 被 害 状 況 を
ア セ ス メ ン ト し , 看 護 と し て ど の よ う な 役
割 を 果 た せ ば よ い の か と い っ た 課 題 を 持 ち
二 次 災 害 の 危 険 が 少 な く な い 状 況 に お い て も 看 護 を 実 践 し て き た 。 こ れ ら の 活 動 は , 社 会 的 に 評 価 を 得 て き た . し か し , 支 援 活 動 を 行 う 看 護 師 の 多 く は , 医 療 機 関 に 働 く 看 護 師 で あ る 。 そ れ に 加 え て 日 常 看 護 の 経 験 の み で 初 め て 被 災 地 避 難 所 に お い て 活 動 す る 。 他 方 で , 市 町 村 保 健 師 の 避 難 所 看 護 活 動 経 験 に つ い て も 発 災 後 初 め て 従 事 す る 者 が 多 く , 避 難 所 看 護 に つ い て は 課 題 を 残 し て い る 。
そ の よ う な 中 で 避 難 所 看 護 の 在 り 方 を 再 考 す る 機 会 と な っ た の は 東 日 本 大 震 災 ( 以 下 震 災 と す る ) で あ る . 震 災 で は , 被 害 が 広 範 囲 に お よ び 避 難 所 数 の 実 態 も 把 握 が 困 難 と な り , 孤 立 し た 地 域 ・ 避 難 所 な ど に 救 援 物 資 が 届 か ず , 避 難 住 民 ら の 生 命 の 危 機 的 状 態 に 陥 る 寸 前 の 避 難 所 も 多 数 報 告 さ れ た . そ の よ う な 状 況 の 中 , 泊 ま り 込 み 体 制 で 活 動 し た 災 害 支 援 ナ ー ス は ,「 被 災 者 の 生 活 に 目 を む け る こ と が 重 要 で は な い の か 」 と い っ た 現 状 報 告 や 課 題 を 提 案 し た .
ま た , 被 災 地 の 市 町 村 保 健 師 の 活 動 報 告 で は , 地 域 全 域 が 被 災 し , 地 域 保 健 活 動 拠 点 も 喪 失 す る な か で , 保 健 師 の マ ン パ ワ ー 不 足 に よ り ひ と り の 保 健 師 と し て 目 前 の 対 応 が 精 一 杯 で あ っ た と 述 べ て い る (宮 崎 , 2013).
そ こ で , 避 難 所 開 設 と 同 時 期 よ り 避 難 所 に お い て 生 活 す る 人 の ニ ー ズ を 把 握 し , 連 携 ・ コ ー デ ィ ネ ー ト す る こ と が , 被 災 者 の 命 と 健 康 を 守 る 看 護 に 繋 が る と 考 え , 市 町 村 保 健 師 と 避 難 所 で 活 動 す る 看 護 師 の 連 携 の 在 り 方 に つ い て , 看 護 師 側 か ら 検 討 す る こ と と し た .
Ⅱ . 研 究 目 的
震 災 に お い て , 被 災 地 外 か ら 避 難 所 に 派 遣 さ れ た 看 護 師 の 看 護 実 践 内 容 と 被 災 地 保 健 師 と の 連 携 の 必 要 性 に つ い て 分 析 し , 避 難 所 看 護 活 動 に お け る 被 災 地 保 健 師 と の 連
携 の 在 り 方 に つ い て 検 討 す る .
Ⅲ . 用 語 の 操 作 的 定 義 1 . 看 護 職
保 健 師 ・ 助 産 師 ・ 看 護 師 を 指 す が , 本 研 究 で は , 保 健 師 , 看 護 師 と す る .
2 . 災 害 支 援 ナ ー ス
都 道 府 県 看 護 協 会 が 実 施 す る 災 害 支 援 ナ ー ス 養 成 研 修 を 受 講 し て い る も の で , 都 道 府 県 看 護 協 会 の 登 録 の 有 無 に 関 わ ら ず , 日 本 看 護 協 会 が 派 遣 し た 看 護 職 ( 保 健 師 ・ 助 産 師 ・ 看 護 師 )と す る
3 . 支 援 ナ ー ス
震 災 時 に , 日 本 看 護 協 会 以 外 か ら 派 遣 さ れ た ボ ラ ン テ ィ ア 参 加 を 含 む 看 護 職 と す る 4 . 被 災 地 保 健 師
被 災 地 域 の 市 町 村 保 健 セ ン タ ー な ど の 組 織 に お い て , 保 健 師 活 動 全 体 を 調 整 ・ 実 践 す る 保 健 師 と す る
5 . 避 難 所 看 護
震 災 後 の 避 難 所 に お い て 被 災 直 後 よ り , 救 護 ・ 医 療 活 動 に 関 わ る だ け で な く , 地 域 住 民 の 生 活 全 般 を 支 援 し , 健 康 維 持 す る た め の 看 護 と す る
Ⅳ . 研 究 方 法 1 . 研 究 対 象 者
東 海 ・ 近 畿 圏 内 の 病 院 勤 務 者 で , 震 災 後 被 災 地 の 避 難 所 に お い て 看 護 実 践 経 験 が あ る 看 護 師 300 名
2 . 調 査 期 間
2015 年 4 月 25 日 ~ 8 月 31 日 3 . デ ー タ 収 集 方 法
県 看 護 協 会 長 お よ び 病 院 管 理 者 に 研 究 の
趣 旨 お よ び 倫 理 的 側 面 に つ い て 説 明 し , 調
査 協 力 を 依 頼 し , 調 査 承 認 を 得 ら れ た の ち
研 究 協 力 者 の 推 薦 を 得 た . 研 究 協 力 者 に 必
要 書 類 を 郵 送 し , 研 究 参 加 者 に て 配 布 を し
て も ら っ た . 質 問 紙 に は , 研 究 者 自 身 の 所
属 と 氏 名 , 研 究 目 的 , 調 査 内 容 と 方 法 匿 名
避難所看護活動における保健師との連携の在り方方 式 に よ る 回 答 方 法 , 倫 理 的 配 慮 , 調 査 票 の 回 収 方 法 , 研 究 結 果 の 貢 献 に つ い て 記 載 し た も の を 配 布 し た . 調 査 に 同 意 し た 研 究 参 加 者 は , 回 答 後 同 封 の 返 信 用 回 答 封 筒 に 入 れ て 無 記 名 に て , 密 封 し , 研 究 者 宛 に 郵 送 し て も ら っ た .
4 . 質 問 紙 の 構 成 内 容
質 問 紙 は , A3 用 紙 1 枚 (裏 表 ) で , ア ン ケ ー ト 調 査 の 内 容 は , 震 災 に お け る 看 護 活 動 実 態 と 保 健 師 と の 連 携 に つ い て , 明 ら か に す る た め に , 災 害 支 援 ナ ー ス 活 動 報 告 お よ び 保 健 師 の 活 動 実 態 や 役 割 に つ い て 述 べ て い る 文 献 ( 藤 井 , 橋 本 , 2007, 斉 藤 ら , 2013)を 参 考 に 質 問 項 目 を 作 成 し た . 質 問 項 目 は , 基 本 属 性 と し て , 年 齢 , 性 別 , 職 位 , ベ ッ ド 数 , 災 害 支 援 ナ ー ス 登 録 の 有 無 等 に つ い て 挙 げ た .
被 災 地 に お け る 看 護 活 動 内 容 に つ い て は , 構 成 要 素 と し て ① 被 災 状 況 把 握 の 情 報 収 集 ② 被 災 者 の 健 康 状 態 の 観 察 と 援 助 ③ 災 害 医 療 お よ び 処 置 ④ 健 康 予 防 ⑤ 感 染 対 策 ⑥ 環 境 整 備 ⑦ 生 活 支 援 ⑧ 地 域 で の 活 動 ⑨ 自 立 支 援 ⑩ 連 携 の 10 項 目 と し , 作 成 し た . 質 問 紙 は , 被 災 地 に お い て 災 害 看 護 活 動 の 経 験 が あ る 看 護 師 に よ る プ レ テ ス ト を 実 施 し , 質 問 の 表 現 内 容 や 回 答 項 目 の 妥 当 性 を 検 討 し た .
5 . デ ー タ 分 析 方 法
デ ー タ 分 析 に は , 統 計 ソ フ ト SPSSVe22 を 用 い て 分 析 を 行 っ た . 基 本 属 性 ・ 看 護 活 動 内 容 に つ い て は , 単 純 集 計 を 行 っ た . 看 護 活 動 の 内 容 , 保 健 師 と の 連 携 の 必 要 性 に つ い て は , 職 位 や 過 去 の 活 動 経 験 , 災 害 看 護 教 育 受 講 の 有 無 が 影 響 す る の で は な い か と 考 え , χ
2検 定 を 用 い 分 析 し , 有 意 水 準 は , 5%と し た . 職 位 に つ い て は , 分 析 時 に 主 任 以 上 の 職 位 を 管 理 職 と し , 管 理 職 と ス タ ッ フ の 2 群 と し た .
自 由 記 載 に 関 し て は , 類 似 性 の あ る も の を 分 類 し , 保 健 師 と 連 携 す る た め に 必 要 な
事 項 を 抽 出 し た .
Ⅴ . 倫 理 的 配 慮
県 看 護 協 会 長 お よ び 病 院 管 理 者 か ら 同 意 を 得 た う え で , 研 究 協 力 者 の 看 護 師 に 研 究 の 趣 旨 , 個 人 や 施 設 の 匿 名 性 の 保 護 , 調 査 に 協 力 し な い 場 合 で も 不 利 益 の 無 い こ と な ど を 記 し , 同 意 が 得 ら れ た 時 の み , 質 問 紙 の 返 送 を 依 頼 し た .
な お , 本 研 究 は , 愛 知 医 科 大 学 看 護 学 部 倫 理 審 査 委 員 会 の 承 認 受 け 実 施 し た (承 認 番 号 : 81).
Ⅵ . 結 果
東 海 ・ 近 畿 圏 内 の 病 院 に 勤 務 す る 看 護 師 300 名 に ア ン ケ ー ト を 実 施 し た .
ア ン ケ ー ト 回 収 数 は 135 名 で , 回 収 率 は 46% , 有 効 回 答 率 は , 98%で あ っ た .
今 回 の 研 究 で は , こ の う ち 避 難 所 の み で 活 動 し た 113 名 (回 収 数 の 83.7%)を 対 象 と し た .
1 . 対 象 の 属 性 (表 1)
年 齢 別 で は , 40 歳 代 43 人 (38.9%) が 最 も 多 く , 次 い で 30 歳 代 33 人 (29.2%), 50 歳 代 25 人 (22.1%) , 20 歳 代 1 人 (0.9%) 60 歳 代 1 人 (0.9%)で あ っ た .
性 別 で は , 男 性 26 人 (23.0%), 女 性 87 人 (77.0%)で あ っ た .
職 位 で は , ス タ ッ フ が 49 人 (43.4%) と 最 も 多 く , 主 任 相 当 28 人 (23.0%), 師 長 相 当 24 人 (21.2%)で あ っ た .
ベ ッ ド 数 は , 500 床 以 上 が 57 人 (50.4%) と 最 も 多 か っ た .
災 害 支 援 ナ ー ス の 登 録 者 46 人 (40.7%) で あ り , 東 日 本 大 震 災 時 に 登 録 し て い た 者 12 人 (10.6%)を 合 わ せ る と 58 人 (51.3%)で あ っ た . 登 録 し て い な い 者 52 人 (46.0%) で あ っ た .
派 遣 経 緯 で は , 看 護 協 会 か ら の 要 請 に 応
え た が 53 人 (6.9%)次 い で , 医 療 チ ー ム の
一 員 と し て 派 遣 と な っ た が 48 人 (42.5%),
ボ ラ ン テ ィ ア 6 人 (5.3%) で あ っ た . 過 去 に 活 動 経 験 が あ る 者 は 16 人 (14. 2%), 活 動 経 験 の な い 者 は 97 人 (85.8%) で あ っ た .
表 1 対 象 者 の 属 性
2 . 活 動 内 容
1 ) 被 害 状 況 把 握 に 関 す る 情 報 収 集 ( 図 1) 避 難 所 で 活 動 し た 看 護 師 は , 被 害 状 況 把 握 に 関 す る 情 報 収 集 に お い て , 活 動 場 所 お よ び 周 辺 の 人 的 被 害 状 況 の 把 握 を 行 っ た 者 が 63 人 (55.7%), 物 的 被 害 状 況 の 把 握 を 行 っ た 者 が 61 人 (53.9%) で あ っ た . 被 災 地 で 活 動 す る 看 護 師 の 約 50%以 上 が , 活 動 前 に 被 害 状 況 の 把 握 を 行 っ た 後 , 活 動 を 開 始 し て い た .
2 ) 被 災 地 に お け る 看 護 活 動 ( 図 2 )
避 難 所 看 護 活 動 の な か で 最 も 多 か っ た の は 健 康 状 態 の 観 察 と 援 助 で あ り , フ ィ ジ カ ル ア セ ス メ ン ト 83 人 (73.5%) , 診 療 を 必 要 と す る 人 の 把 握 と 必 要 な 処 置 80 人
(70.8%), 慢 性 疾 患 の 管 理 76 人 (67.2%)で あ っ た .
次 い で , 感 染 予 防 対 策 の 実 施 ( 手 洗 い ・ う が い 等 )79 人 (69.9%), 薬 に 関 す る 相 談 77 人 (68.3%)で あ っ た . 健 康 の 予 防 , 環 境 , 生 活 支 援 に 関 す る 情 報 は , 10~ 40%
程 度 で あ り , 医 療 お よ び 健 康 状 態 観 察 な ど の 活 動 に 比 べ て 少 な い .
図 1 被 害 状 況 把 握 に 関 す る 情 報 収 集 (n = 113)
「 複 数 回 答 」
職 位 と 活 動 内 容 に お い て 有 意 差 が あ っ た も の は , フ ィ ジ カ ル ア セ ス メ ン ト ( p<0.
05) と ボ ラ ン テ ィ ア 情 報 の 提 供 で あ っ た
( p<0.01). ま た , 過 去 の 活 動 経 験 が 有 無 と 活 動 内 容 で は , 継 続 処 置 に 有 意 差 が あ っ た (p<0.05)(表 2) .
3 )地 域 で の 活 動 (図 4)
避 難 所 で 活 動 し た 看 護 師 は , 地 域 へ の 巡 回 安 否 確 認 の 活 動 を 50 人 (44.2%) が 行 っ て い た . ま た , 自 立 支 援 に お け る 生 活 に 必 要 な 情 報 (仮 設 な ど の 住 居 情 報 ・ 行 政 情 報 ・ 医 療 情 報 )提 供 は 38 人 (33.6%) で あ っ た . 4 )他 職 種 と の 連 携 ・ コ ー デ ィ ネ ー ト に 関 す る 活 動
避 難 所 に お い て 看 護 活 動 を 行 っ た 看 護 師 が 最 も 多 く 連 携 し た の は , 医 療 チ ー ム 96 人 (85.0%)で あ っ た . 保 健 師 と の 連 携 は , 73 名 (64.6%), 介 護 士 や ヘ ル パ ー , ボ ラ ン テ ィ ア の 役 割 分 担 を 行 っ た 者 は , 49 名 (43.4%) , 自 治 会 役 員 と 連 携 し た 者 は 47 名 (41.6%) で あ っ た (図 5) .
項目 カテゴリー (n=113)(%)
年齢別 20歳代 1(0.9)
30歳代 33(29.2)
40歳代 43(38.9)
50歳代 25(22.1)
60歳代 1(0.9)
無回答 9(8.0)
性別 男性 26(23.0)
女性 87(77.0)
職位 スタッフ 49(43.4)
主任相当 26(23.0)
師長相当 24(21.2)
副部長相当 2(1.8)
部長相当 1(0.9)
その他 4(3.5)
無回答 7(6.2)
ベッド数 200床以下 19(16.8)
300~500床 33(29.2)
500床以上 57(50.4)
無回答 3(2.7)
災害支援ナース登録者 登録している 46(40.7)
登録していない 52(46.0)
東日本大震災当時登録 12(10.6)
無回答 3(2.7)
派遣経緯 ボランティア 6(5.3)
看護協会からの要請 53(46.9)
医療チームとして 48(42.5)
その他 6(5.3)
過去の活動経験 あり 16(14.2)
なし 97(85.8)
避難所看護活動における保健師との連携の在り方
3 . 保 健 師 と の 連 携 の 必 要 性
保 健 師 と の 連 携 に つ い て は , 非 常 に 必 要 だ と 思 う 72 名 (63.7%) , 必 要 だ と 思 う 32 名 (28.3%), あ ま り 思 わ な い 5 名 (4.4%),
無 回 答 4 名 (3.5%) で あ っ た . 非 常 に 必 要 だ と 思 う , 必 要 だ と 思 う , を 合 わ せ る と 104 名 (92.0%)が 連 携 は 必 要 だ と 考 え て い た .
図 2 被 災 地 に お け る 看 護 活 動 「 複 数 回 答 」
図 3 避 難 所 に お け る 地 域 活 動
連 携 が 必 要 な 理 由 と し て 自 由 記 載 を 分 類 し た 結 果 , ① 情 報 共 有 効 率 的 な 活 動 が で き る ② 地 域 住 民 と の 関 係 性 が 構 築 さ れ て い る
③ 保 健 師 と 連 携 す る こ と で 看 護 が 継 続 で き る ④ 通 常 業 務 を 早 期 再 開 す る 必 要 が あ る ⑤ 被 災 者 で あ り な が ら 多 大 な 役 割 を 担 っ て い る で あ っ た ( 表 3) .
保 健 師 と の 連 携 を 強 固 な も の に す る た め
図 5 他 職 種 と の 連 携 ・ コ ー デ ィ ネ ー タ ー 活 動
「 複 数 回 答 」
表 2 職 位 と 過 去 の 活 動 経 験 (n= 113 複 数 回 答 )
に 看 護 師 に 必 要 な 条 件 に つ い て は , ① 支 援 活 動 中 は 、 情 報 を 共 有 し 連 携 を 深 め る ② 保 健 師 の 役 割 を 理 解 す る ③ 平 時 か ら の 顔 の 見 え る 関 係 づ く り で あ っ た ( 表 4) . 職 位 と 過
項目 χ2値 p値 χ2値 p値
人的 4.255 .642 1.187 .552
物的 6.505 .369 1.585 .453
ライフライン 8.158 .227 5.523 .063 情報収集なし 10.812 .094 0.712 .700 トリアージ 5.771 .449 0.712 .700 フィジカル 12.881 .045* 4.402 .111 診療・処置 7.117 .310 4.224 .121
慢性疾患 5.143 .526 2.079 .354
こころ 2.86 .826 0.791 .673
診療介助 9.151 .165 2.531 .282
継続処置 5.149 .525 6.409 .040*
与薬・点滴 2.623 .855 1.687 .430
医薬品 8.777 .187 1.546 .462
記録 3.383 .759 2.028 .363
DVT 2.938 .817 0.712 .700
筋力・体力 4.264 .641 2.219 .330
脱水 2.966 .813 1.08 .583
広報 3.037 .804 0.501 .778
予防こころ 2.798 .834 0.718 .698
感染予防 6.129 .409 4.155 .125
集団感染 11.656 .070 1.241 .538
必要薬剤 8.7 .191 1.289 .525
環境 8.404 .210 2.717 .257
水確保 3.88 .693 0.814 .665
トイレ 5.888 .436 3.339 .188
過去の活動経験 職位
安全な保管 4.534 .605 1.069 .586
緊急避難 6.435 .376 0.38 .827
環境・安全 12.153 .059 2.801 .246 居住区調整 4.547 .603 1.132 .568
食生活 2.625 .854 1.736 .420
身体清潔 11.553 .482 0.672 .955
排泄 11.327 .501 1.463 .833
睡眠 5.316 .504 5.059 .080
生活必需品 10.853 .093 0.555 .758
薬相談 3.083 .798 2.494 .287
地域巡回 4.441 .617 1.567 .457
訪問看護 8.603 .197 0.365 .833
生活情報 5.632 .466 0.555 .758
介護 1.611 .952 7.206 .287
ボランティア 26.547 .00** 2.33 .312 保健師連携 26.547 .00** 6.006 .199 医療チーム 2.11 .909 0.283 .868
役割分担 18.014 .115 7.506 .111
自治会役員 12.819a .382 2.39 .664 *p<0.05 **p<0.01
去 の 活 動 経 験 お よ び 教 育 経 験 別 に よ る 保 健 師 と の 連 携 の 必 要 性 に つ い て は 有 意 差 (p < 0.05) を 認 め な か っ た (表 5) .
表 3 保 健 師 と 連 携 が 必 要 な 理 由 (人 )
「 自 由 記 載 」
表 4 保 健 師 と の 連 携 を 強 固 に す る た め に 看 護 師 に 必 要 な 条 件 (人 )「 自 由 記 載 」
表 5 職 位 ・ 活 動 経 験 ・ 教 育 経 験 と 保 健 師 と の 連 携 の 必 要 性 (n=104)
Ⅶ . 考 察
質 問 紙 調 査 結 果 で は , ア ン ケ ー ト 回 収 率 が 46%に 留 ま っ た . こ の 理 由 と し て , 看 護 管 理 者 へ 協 力 依 頼 を 行 っ た こ と な ど か ら 研 究 参 加 者 の 手 元 に 届 く の が 遅 れ た こ と , 災 害 看 護 に 関 連 し た 調 査 協 力 が 多 く 重 な っ た こ と な ど が 推 察 さ れ た .
1 . 看 護 師 の 避 難 所 看 護 実 践 内 容
避 難 所 看 護 活 動 の な か で 多 か っ た 活 動 内 容 は , フ ィ ジ カ ル ア セ ス メ ン ト , 診 療 を 必 要 と す る 人 の 把 握 と 必 要 な 処 置 , 慢 性 疾 患 の 管 理 , こ こ ろ の 状 態 な ど 健 康 状 態 の 観 察 と 援 助 な ど , 日 常 的 な 看 護 で あ っ た . 次 い で 診 療 介 助 , 医 療 品 お よ び 医 療 材 料 の 確 保
・ 管 理 , 診 療 記 録 ・ 看 護 記 録 の 作 成 と 引 き 継 ぎ , 感 染 予 防 対 策 の 実 施 な ど 災 害 医 療 お よ び 処 置 , 感 染 に 関 す る 活 動 で あ っ た .
ま た , 生 活 支 援 に 関 す る 活 動 で は ,「 薬 に 関 す る 相 談 に 応 じ た 」 と い う 内 容 が 多 く 見 ら れ た . こ の よ う に , 看 護 師 の 避 難 所 看 護 実 践 に お い て は , フ ィ ジ カ ル ア セ ス メ ン ト や 処 置 , 慢 性 疾 患 管 理 , 感 染 予 防 な ど の 病 院 で 通 常 行 っ て い る 看 護 は , 速 や か に 実 践 出 来 て い た こ と が 明 確 と な っ た . し か し 看 護 師 に よ る 健 康 の 予 防 に 関 す る 活 動 , 環 境 に 関 す る 活 動 は , 40%程 度 に 留 ま っ て お り , 被 災 者 の 生 活 環 境 や 暮 ら し の 視 点 , 地 域 の 健 康 状 態 を ア セ ス メ ン ト 出 来 る 視 野 を 広 げ る こ と が 課 題 で あ る こ と も 明 ら か と な っ た .
黒 田 , 神 崎 (2012)は , 避 難 所 で は ,「 人 間 」 と 「 暮 ら し 」 に 看 護 の 視 点 を 置 き 全 体
カテゴリー サブカテゴリー
地域住民情報を持っている(29)
役割分担ができる(2)
役割の共有ができる(1)
活動報告を行う(3)
情報交換を行う(2)
情報収集時間が短縮できる(3)
活動の効率化が図れる(1)
住民とのコミュニケーション(3)
住民との顔の見える関係(15)
被災者居住地域の特徴を理解している(5)
地域住民の健康状態を把握(2) 住民の安心感(1)
生活支援対策(5) 感染予防対策(3) 合併症予防(1)
被災者の状況に合わせた支援(3) 継続看護(15)
支援は一時的なもの(5)
妊産婦・新生児・乳幼児保健指導(3) 地域住民の健康状態を把握(2) 健康管理・予防対策(2) リーダー的な役割(3) 業務調整(2) 行政への対応(5) 問題の抽出(1)
連携調整(2)
活動統制(1)
被災地保健師も被災者(1) 情報を共有し
効率的な 活動ができる
地域住民との関係性 が構築されている
保健師と連携すること で看護が継続できる
通常業務を早期再開 する必要がある
被災者でありながら 多大な役割を担って
いる
カテゴリー サブカテゴリー
ミーティング(6) 記録を共有(3) 情報交換(3)
派遣保健師・看護師引継ぎ(1) ニーズ調査の連携(1) 業務分担(4) 専門職の連携(1) 予防の連携(1) 被災住民との連携(1) 情報交換システム(1) 教えあい(1)
被災地保健師が休養できるシステム(2)
保健師の人数 保健師の業務内容 保健師の必要性 地域情報・ニーズ情報 地域住民の予防活動 地域住民の健康管理 情報交換できる場 保健師の役割共有 平時からの連携 活動報告会 要支援者の情報交換 共同研修
支援活動中は、
情報を共有し 連携を深める
保健師の役割を 理解する
平時から顔の見える 関係作り
項目 カテゴリー
χ
2値 p値職位 スタッフ 3.452 .75
管理職
活動経験 あり 0.902 .34
なし
教育経験 あり 0.064 .80
なし
p <0.05 避難所看護活動における保健師との連携の在り方