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266 ──和光大学総合文化研究所年報『東西南北2012』

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実行委あいさつ 震災後のいま、職と労働を考える (緊急ティーチイン@和光大学 震災・脱原発を考え る) ‑‑ (第3回ティーチイン 職と労働 : 震災後を 生きのびる労働のかたち)

著者 井上 輝子

雑誌名 東西南北 : 和光大学総合文化研究所年報

巻 2012

ページ 265‑266

発行年 2012‑03‑19

URL http://id.nii.ac.jp/1073/00001290/

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実行委あいさつ ──────────────────────────────

震災後のいま、職と労働を考える 井上輝子 所員/現代人間学部教授

正直なところ、私は 3

.

11以後しばらくの間パニック状態でしたが、日常生活が 回復するにしたがって、色々と考えねばならない問題を意識し始めました。この 食品は安全かどうかといった身近な問題から、原発を許してしまった日本社会の あり方や研究者として組織人としての自分の身の処し方、東京がこんなにも東北 を植民地化していた問題、被災者支援や復興計画に女性の視点が入りにくいしく みの問題など、考えるべきテーマ、改善すべき課題が山とあることに気づきまし た。その矢先に、実行委員会へのお誘いをいただき、参加させていただくことに なったしだいです。

かつて私も参加した1970年代初頭のウーマンリブでは、しばしばティーチイン 形式の集まりを持ちました。ティーチインとは、参加者全員が、組織の中の地位 や役割を超えて、個人個人として、対等な立場で自由に意見を交換する「筋書き のない討論会」を指します。震災・原発という、歴史上初めて経験する大事件に 対して、どう向き合っていくのか、今後私たちは何をすべきかといった、簡単に は答えの出ない大テーマを語り合うには、通常の講演会やシンポジウムではなく、

ティーチインという形式が有効だと思われます。

さて、今日、第 3 回のテーマは、「職と労働」です。地震や津波によって、東北 地方の農業、漁業、牧畜業は、大きなダメージを受けました。工場や事務所、店 舗が流失したり損壊して、職を失った方々が多数おいでです。こうした工場運休 や失業の続出は、被災地以外でも、広がっています。私の周りの学生たちの話を 聞いても、就職はもちろん、アルバイトさえ求人が少なくなっている実情があり ます。

他方、原発の現場で、劣悪な労働条件下で働いている作業員の方々がいます。

何段階もの下請けを通して、ここで働くことになった作業員の雇われ方、働き方 には、日本の雇用と労働にかかわる問題が、集約的に表れているように思います。

今日は、職と労働をめぐる、こうした暗く危ない現状を打破して、安全で安心 な労働、仕事を、どのように確保し創り出していけるのか、いくべきなのかを、

皆さんといっしょに考えたいと思います。

進行としては、まず竹信三恵子さんと鎌田慧さんのお二人から発題していただ き、その後、会場の方々も含めて、討論をしていく予定です。竹信さんは 3 月ま

緊急ティーチイン@和光大学:震災・脱原発を考える

── 265

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で朝日新聞社にお勤めで、さまざまの労働現場を取材し、『ルポ 雇用劣化不況』

などの著書を刊行されておいでです。4 月から私たちの同僚として、和光大学現 代社会学科で教育・研究にたずさわっておられます。先日被災地にも取材に行か れたと聞きます。今日は日本の、特に震災後の雇用の現状と今後の課題について、

話していただく予定です。また、竹信さんは最近スタートした「東日本女性支援 ネットワーク」の共同代表も務めていらっしゃいます。そちらの活動についての お話もうかがえればと思います。

鎌田さんは、フリーの立場で長年日本の労働の現場を取材され、『自動車絶望 工場』などのすぐれたルポルタージュをまとめてこられたことは、皆さんご存知 だと思います。鎌田さんは原発問題にも早くから関心を持たれ、全国の原発地域 を回って『日本の原発地帯』『原発列島を行く』など、多数の著作を発表されて います。鎌田さんが回られたのは、福島や浜岡はもちろん、六ヶ所村、東海村、

柏崎・刈羽、上関町、伊方町等々、数え切れないほどです。各地の取材を通じて、

電力会社と行政が一体となって貧しい地域が原発を受け入れざるを得ない状況を 作ってきた実情を、具体的に解き明かしておいでです。

今日は原発誘致の実態と地域産業の現状、働くことの意味の変化などについて、

お話いただきたく思います。

[いのうえ てるこ]

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和光大学総合文化研究所年報『東西南北2012』

参照

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