Masaki TAKATA: X-ray Structure Determination of Endohedral Metallofullerenes Endohedral metallofullerenes are novel forms of fullerene-related materia

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全文

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総合報告(学 会賞受賞論文)

X線 回 折 法 に よ る金 属 内包 フ ラー レ ンの 構 造 研 究

島根大学総合理工学部

高 田昌樹

Masaki TAKATA: X-ray Structure Determination of Endohedral Metallofullerenes

Endohedral metallofullerenes are novel forms of fullerene-related materials, which encage metal atom inside a carbon cage. The recent X-ray structural studies of metallofullerenes, Sc@C82 and Sc2@C84, by the synchrotron powder diffraction experiment are presented to illustrate the usefulness of the MEM/Rietveld analysis, which is a self-consistent iterative way in

combina-tion with the MEM (Maximum Entropy Method) and Rietveld analyses. The obtained MEM

charge densities clearly reveal the distinct features of encapsulated metals inside the fullerene

cages as well as endohedral cage structures for Sc@C82 and Sc2@C84.

1.は じ め に 1985年 め サ ッ カ ー ボ ー ル 型 炭 素 分 子C60の 発 見1)か ら 15年 が経 と う と して い る現 在,フ ラ ー レ ン は,新 材 料 開 発 を 目指 した物 質科 学 にお け る 最 もAttractiveな 研 究 テ ー マ の 一 つ に成 長 した.最 近 の10年 間 は,C60の み な らず, さ ま ざ ま な カ ー ボ ンネ ッ トワ ー ク を基 本 とす る,高 次 フ ラー レ ン(C2n:2n>60),金 属 内 包 フ ラ ー レ ン,ナ ノチ ュ ー ブ,フ ラ ー レ ン超 伝 導 体,フ ラ ー レ ンポ リマ ー等 の フ ラ ー レ ン関 連 物 質 が,多 くの 研 究 者 に よ って 発 見 ま た は生 み 出 さ れ て き た.そ して,そ れ ら の 物 質 の構 造,物 性 に つ い て 広 範 な研 究 が 行 わ れ,フ ラ ー レ ン科 学 とい う 大 きな研 究 分 野 を形 成 す る に至 っ た.そ の な か で も,結 晶 構 造 解 析 は,こ れ らの物 質 の ケ ー ジ構 造 をベ ー ス とす る特 異 な 構 造 ゆ え に,C60の サ ッカ ー ボ ー ル 型 構 造 の 証 明 を は じめ と して,こ れ まで,フ ラ ー レ ン科 学 の発 展 に 重 要 な役 割 を果 た して きた. C60を 始 め とす る フ ラー レ ン分 子 は,π 電 子 雲 の 広 が り を考 慮 す る と,直 径 が 約4Aの 球 状 の 空 間 が 内 部 に存 在 す る.こ の 空 間 は周 囲 を炭 素 の 電 子 雲 で 取 り囲 ま れ,外 部 と遮 断 さ れ た 真 空 の 空 間 で あ る.金 属 内 包 フ ラー レ ン とは,こ の 広 い 真 空 の 内 部 空 間 に 金 属 原 子 を 閉 じ込 め た もの で あ る.こ の 金 属 内 包 フ ラー レ ンの 創 製 は,こ の 量 子 化 され たエ ネ ル ギ ー準 位 を持 つ オ ン グス トロ ー ム ス ケ ー ル の 空 間 に 金 属 原 子 を “内 包 ” す る 事 で ,超 伝 導等 の 新 しい 物 性 発 現 を期 待 され る こ とか ら,多 くの研 究 者 に よっ て 精 力 的 に取 り組 まれ て きた.そ れ らの研 究 は,サ ッカ ー ボ ー ル 型 分子C60の 発 見 当 初 か ら行 わ れ て お り,こ れ まで,金 属 を 内包 され て い る と思 わ れ る多 くの フ ラ ー レ ンの存 在 が 質 量 ス ペ ク トル に よ っ て確 認 さ れ,分 離 ・ 抽 出 が 報 告 され て い る.し か し,“ フ ラ ー レ ン分 子 に実 際 に金 属 が 内包 され る か ど うか”,“ 内包 され た 金 属 は フ ラ ー レ ンの 中 の ど こ に い る の か ” とい う物 性 研 究 以 前 の 根 本 的 な 問 題 に対 して,結 晶 構 造 解 析 に よ る最 終 的 な解 答 を得 る の は 非 常 に 困 難 を 極 め た.そ の様 な 状 況 の 中 で 1995年,我 々 は マ キ シマ ム エ ン トロ ピー法(MEM)2)と い う ま っ た く新 しい 構 造 解 析 法 を用 い て,Y原 子 が 実 際 に 高 次 フ ラ ー レ ンで あ るC82ケ ー ジ に 内 包 さ れ て い る (YC82がY@C82で あ る:“@” は “内 包 ” を 意 味 す る) 様 子 を直 接 観 察 す る こ と に初 め て成 功 し,金 属 内 包 フ ラ ー レ ンの存 在 の 決 定 的 証 拠 を提 示 した .3)これ以降,金 属 原 子 を2個 内包 す るSc2@C844)や,Sc@C82,5)La@C826)の 一 連 の詳 細 な金 属 内 包 構 造 を 明 らか に して きた .ま た,こ の研 究 が,MEMと リー トベ ル ト解 析 法 を組 み 合 わ せ た新 しい 粉 末 精 密 構 造 解 析 法(以 降MEM/Rietveld法 と呼 ぶ) の 開発 の契 機3)と な っ た.以 前,結 晶 学 会 誌 に,Y@C82の 構 造 研 究 を紹 介 した.7)本 稿 で は,こ のMEM/Rietveld法 の 詳 細 に つ い て 紹 介 し,Sc@C82,Sc2@C84の 新 しい 研 究 成 果 も含 め て,X線 回 折 法 に よ る 金 属 内 包 フ ラ ー レ ンの 精 密 構 造研 究 の 一 端 を紹 介 す る. 2.金 属 内 包 フ ラ ー レ ン の 生 成 金属 内包 フ ラー レ ンの 生成 に は主 に直流 ア ー ク放 電 法 を 用 い る.こ の 方法 は フラ ー レ ンの 大 量 合 成法 と して 一般 に 良 く知 られ てい る.金 属 内包 フ ラー レ ン を生成 す る場 合 は 陽 電極 の グ ラ フ ァイ ト棒 に 目的 の金 属 を ドー プ した混 合 ロ ッ ドを用 い て ア ー ク放 電 を行 う.生 成 した煤 の 中 にはC60, C70,C84等 の 空 の フ ラ ー レ ンの他 に重 量 比 で 数%程 度 の 金

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X線 回折 法 に よ る金 属 内 包 フ ラ ー レ ンの 構 造 研 究 属 内包 フラ ー レ ンが 含 まれ て い る.こ の煤 か ら,高 速 液 体 ク ロ マ トグ ラ フ ィー法(HPLC)に よ り,8)目 的 の 金 属 内 包 フ ラー レ ンだ け を分 離 ・精 製 す る.本 研 究 で 用 い た 試 料 は,す べ て,名 古 屋 大 学 理 学 研 究 科 物 質 理 学 専 攻,篠 原 久 典 教 授 の研 究 室 で 生 成 され た もの で あ り,詳 細 は,同 教授 の著 書9)を 参 考 に して い た だ きた い. こ れ まで の研 究 か ら,多 くの 金 属 原 子 の 中 で も,La,Y, Sc等 の3族 元 素 の金 属 原 子 が 特 に効 率 よ くフ ラ ー レ ン に 内 包 され る事 が 分 か っ て い る.そ の他 に も,Ce,Pr,Nd, Gd,Er,Tm,等 の ラ ン タ ノ イ ドの金 属 原 子 やTi等 を 内包 して い る と思 わ れ る 金 属 内包 フ ラ ー レ ンの 精 製 が 報 告 さ れ て い る.こ れ ら の金 属 は イ オ ン化 ポ テ ン シ ャル が 比 較 的 低 い 金 属(∼6.8eV)で,こ の こ と は,後 述 す る金 属 内 包 フ ラ ー レ ン分 子 内 で の 金 属 原 子 か ら フ ラ ー レ ン ケ ー ジへ の 電 荷 移 動 と安 定構 造 に密接 に関 連 して い る.ま た, 金 属 原 子 はC60分 子 で は な く,C82やC84と い った 特 定 の, も っ と大 きな サ イ ズ の 高 次 フ ラ ー レ ン に 取 り込 まれ や す い.さ らに,Scを 内 包 した フ ラー レ ンは,な ぜ か1個 だ け で は な く,2∼4個 の複 数 個 のSc原 子 を内 包 して い る と 思 わ れ る物 も報 告 され て お り,こ れ らの 金 属 内 包 フ ラ ー レ ンの 構 造 を知 る事 は生 成 の メ カ ニ ズ ム を探 る上 で も重 要 で あ る. 3.放 射 光 粉 末 回 折 実 験 MEMに よ る モ デ ル フ リー な構 造 解 析 が 成 功 す る か 否 か は,デ ー タの 信 頼 性 の 高 さ に大 き く依 存 す る.そ の 様 な精 度 の 高 い デ ー タ測 定 の手 法 と して,放 射 光 粉 末 法 が 最 適 で あ る と考 え,こ れ まで,高 分 解 能 放 射 光 粉 末 法 の 精 度 向 上 につ い て 検 討 を行 って きた.そ の 結 果,放 射 光 実 験 施 設 にお い て,イ メ ー ジ ン グ プ レー ト(IP)を 用 い た カ メ ラ法10)と 長 尺 ソー ラ ー ス リ ッ トを用 い た平 行 ビー ム 光 学 系(BL-3A)11)の2つ の 方 法 を確 立 し,目 的 に応 じ て使 い 分 け て き た.フ ラ ー レ ン化 合 物 の場 合,大 量 の試 料 の生 成 単 離 が 困 難 で,微 量 の試 料 しか 得 られ な い こ と, 吸 収 係 数 が 比 較 的 小 さい こ とか ら,図1に 示 した よ う な IPを 用 い た 透 過 法 で 測 定 を行 った. 試 料 は ガ ラ ス キ ャ ピ ラ リ ー 中 に封 入 さ れ た もの を用 い る.粉 末 回折 デ ー タの 測 定 は,PF,BL-6A2,BL-16で 巨 大 分 子 用 ワ イセ ンベ ル グ カ メ ラ(半 径286mm)と 我 々が 自作 した 大 型 デバ イ シ ェ ラ ー カ メ ラ(半 径572mm)を 用 い て行 わ れ た.ま た,一 部SPring-8で も測 定 を行 っ た. 入 射X線 の 波 長 は1.0A,露 出 時 間 は デ ー タ の 統 計 性 を で きる だ け上 げ る た め イ メ ー ジ ング プ レー トの ダ イ ナ ミ ック レン ジ を フル に活 用 で きる 長 時 間露 出(数 十 分 か ら1 時 間程 度)に 設 定 した. 4.MEM/Rietveld解 析 法 に よ る フ ラ ー レ ン の 電 子 密 度 解 析 4.1MEM/Rietveld法 本 研 究 の構 造 解 析 の成 功 はマ キ シマ ムエ ン トロ ピ ー法 (MEM)の もつ 構 造 予 測 性 とい う特 性 に よ る と ころ が 大 きい.MEMは 測 定 さ れ たX線 回 折 デ ー タ に 合 う よ う に 物 質 の 電 子 密 度 分 布 を求 め る モ デ ル フ リー な解 析 方 法 で あ る.2)こ の こ とが,複 雑 な構 造 を持 ち平 均 構 造 の 原 子 配 列 モ デ ル を予 測 す る の が 非 常 に困 難 な フ ラー レ ン分 子 を 含 む 化 合 物 の 構 造 解 析 を容 易 に し た と い え る.特 に, MEM/Rietveld法 の 考 案 が ブ レー クス ル ー とな った.こ の 章 で は,こ の新 しい方 法 につ い て 詳 解 を行 う. 図2に,解 析 の フ ロ ー チ ャ ー トを示 す.ま ず,あ る程 度 分 か っ て い る予 備 的 な 構 造 モ デ ル を基 に リー トベ ル ト 解析 を行 う.こ の 時 の リー トベ ル トフ ィ ッテ ィ ン グ結 果 は,例 え ば図3(a)の 様 に な る.こ の 図 で は,2本 の 粉 末 回折 線 が重 な り合 って い る場 合 を模 式 的 に示 して あ る. こ の 時,構 造 モ デ ル は最 終 的 な もの で は な い の で ,“+” で示 して あ る観 測 強 度 と実 線 で 示 して あ る 計 算 プ ロ フ ァ イ ル は,図 の 様 に,一 致 しな い状 況 が 生 じる.こ こ で, 図11Pを 用 い た デ バ イ シ ェ ラ ー カ メ ラ(PF,BL-6A2).

(The experimental arrangement of Synchrotron X-ray powder experiment using Imaging Plate as a detector.)

図2MEM/Rietveld法 の 解 析 の フ ロ ー チ ャ ー ト.(Flow

chart of the MEM/Rietveld analysis.)

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図3MEM/Rietveld解 析 に お け る 観 測 強 度 の 見 積 も り 方 の

模 式 図.(The process of estimation of observed in-tensities in MEM/Rietveld analysis.)

こ の予 備 的 な フ ィ ッテ ィ ン グの 結 果 を基 に,各 測 定 角 度 θで の 観 測 強 度Yobs(θ)を 式(1)に よ り,各 反 射 の 計 算 強 度,Y1cal(θ),Y2cal(θ)の 比 率 で測 定 強 度Y1obs,(θ),Y2obs (θ)に 振 り分 け “仮 の” 観 測 構 造 因 子 を決 定 す る. 〓(1) そ の 結 果,図3(b)に 示 した よ う に,観 測 強 度 を そ の ま ま用 い た,観 測 構 造 因 子 の 見 積 も りが 行 わ れ る事 に な る. そ の 観 測 構 造 因 子 を用 い てMEMに よ り電 子 密 度 分 布 を 求 め る.得 ら れ た電 子 密 度 に 一致 す る よ うに,リ ー トベ ル トの予 備 解析 で 用 い た構 造 モ デ ル を改 良 す る.そ して, 新 し く求 め られ た モ デ ル を基 に リー トベ ル ト解 析 を再 び 行 う.こ の 過 程 を,モ デ ル とMEM電 子 密 度 が ほ とん ど一 致 す る まで 行 う.こ れ に よ り,リ ー トベ ル ト解 析 で の フ ィ ッテ ィ ン グ精 度 も向 上 し,(1)式 に よ る 強 度 の 振 り分 け も 無 理 な く 行 わ れ る よ う に な る.こ の 様 に, MEM/Rietveld法 は,MEMの 構 造 予 測 性 を利 用 した セ ル フ コ ンシ ス テ ン トな “構 造 精 密 化 ” の 方 法 で あ る. 4.2Intrinsicに 重 な り合 っ た反 射 の 取 り扱 い MEM/Rietveld法 で は,リ ー トベ ル ト解 析 の プ ロ フ ァ イ ル分 離 機 能 を導 入 す る事 で,観 測 デ ー タ中 の す べ て の 反 射 の 観 測 構 造 因 子 を求 め る事 が で き,よ り精 度 の 高 い 電 子 密 度 分 布 を求 め る事 が で き る よ う に な る.し か し,そ の 一 方 で,観 測 強 度 の 見 積 も りに リー トベ ル ト法 を用 い る事 に よ って 現 れ る新 た な問 題 もあ る.そ れ は,Intrinsic に 重 な り合 った 反 射 の 個 々 の観 測 強 度 の モ デ ル 依 存 性 で あ る.実 際 の電 子 密 度 か ら得 られ る,こ れ らの 反 射 の観 測 強 度 に は,結 合 電 子 等 に よ る 電 子 密 度 の変 形 の 情 報 も 含 ま れ て い る.し か し,リ ー トベ ル ト解 析 で用 い る 自由 原 子 モ デ ル に は そ の 様 な 情 報 は含 まれ て い な い.そ の た め,モ デ ル か らの計 算 強度 の比 で分 割 され た強 度 で は,こ れ らの 情 報 の 一 部 が 失 わ れ た もの と な っ て し ま う.に も か か わ らず,そ の 観 測 構 造 因 子 を用 い てMEMに よ っ て 得 られ る電 子 密 度 分 布 に は結 合 電 子 等 の 描 像 も明確 に現 れ て い る.よ っ て,そ の電 子 密 度 分 布 か ら計 算 され た結 晶 構 造 因子 は,リ ー トベ ル ト解 析 の モ デ ル に比 べ て,よ り結 晶 内 の 電 子 密 度 分 布 に忠 実 な もの で あ る と考 え られ る.こ れ は,そ の他 の 重 な り合 っ て い ない 反 射 の 観 測 強 度 に も,そ の よ う な構 造 情 報 が含 まれ て い る か らで あ る. そ こで,MEM/Rietveld法 で は,面 間 隔 が 等 しいIntrinsicに 重 な り合 っ た 反 射 の 構 造 因 子 に つ い て は,そ の 合 成 構 造 因子,12)G,の 大 き さ を変 えず にMEMに よ っ て推 定 され た結 晶 構 造 因子 の 比 に 再 分 割 し,観 測 構 造 因 子 の精 密 化 を行 う プ ロ セ ス が 最 終 段 階 で 必 要 とな る.13)そ の方 法 を 2本 の 面 間 隔 の 等 しい 反 射 が 重 な っ て い る場 合 を例 に以 下 に述 べ る. あ る 角 度2θ に観 測 さ れ た面 間 隔 が等 しい 反射 を,モ デ ル の計 算 強 度 を基 に分 割 し,得 られ た観 測 構 造 因 子 をFobs (h),Fobs(k)と し,MEMに よ って 推 定 さ れ た 電 子 密 度 分 布 か ら計 算 さ れ た 反 射 の 結 晶 構 造 因 子 をFMEM(h), FMEM(k)と す る.観 測 値,MEMに よ る推 定 値 両 方 に つ い て,合 成 構 造 因 子 は次 の様 に な る. 〓(2) 〓(3) こ こ で,mh,mkはh,k反 射 の 多 重 度 因 子 で あ る.FMEM (h),FMEM(k)とGobs,GMEMを 用 い て,Fobs(h),Fobs(k) を 次 の よ う に 再 分 割 す る. 〓(4) この新 た に得 られ た観 測 構 造 因子,Fobs,を 用 い てMEM 解 析 を行 う.精 密 化 の 収 束 は,精 密 化 に用 い た す べ て の 反 射 の 変 化 量 が 誤 差 の 範 囲 に 収 ま っ た 時 と し,次 式 を収 束 条 件 と して い る.

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X線 回折 法 に よ る金 属 内 包 フ ラ ー レ ンの 構 造 研 究 (5) この 条 件 を満 た した 観 測 構 造 因 子 を用 い てMEM解 析 を 行 い,得 ら れ た電 子 密 度 分 布 が,最 終 結 果 とな る. 4.3解 析 例 MEM/Rietveld解 析 の具 体 例 と して,ア ル カ リ金 属 ドー プ フ ラ ー レ ンRb2CsC60の 解析 を例 に 説 明 す る.Rb2CsC60 の基 本 構 造 は,C60分 子 のFCC格 子の 四 面 体 隙 間 にRb,八 面 体 隙 間 にCsが 位 置 す る こ と まで は分 か っ て い る.14)こ の 時,C60分 子 が 単位 胞 中 で,ど の 方 向 に向 い て 配 向 して い る か は,多 くの モ デ ル を仮 定 す る事 が で きる.し か し, こ のC60分 子 の 配 向 を決定 す る の は 非 常 に困 難 で あ る.そ こ で,配 向 に つ い て の 情 報 は わ か ら な い と し て, MEM/Rietveld法 の最 初 のPreliminary Modelと して,C60が

自 由 回転 を して い て均 一 な球 殻 の 電 子 密 度 分 布 を持 つ と い う最 も簡 単 な モ デ ル を仮 定 した.こ の モ デ ル に よ り,ま ず 予 備 的 な リー トベ ル ト解 析 を行 っ た.そ の結 果 を 図4 (a)に 示 す.積 分 強 度 に基 づ く信 頼 度 因 子RIは15%で, モ デ ル が 不 十 分 で,構 造 が 決 ま っ て い な い事 が わ か る. 実 際 に,高 角 部 分 に わ た って 計 算 強 度 と測 定 強 度 は 一致 して い な い.し か しな が ら,こ の 予 備 的 な リー トベ ル ト 解 析 を基 にMEMに よ る電 子 密 度 を得 る事 が で き る.そ れ が,図5(a)で あ る.図 に は(110)面 の 断 面 の 等 高 線 図 が 示 して あ る.等 高 線 は電 子 密 度 の 低 い領 域 の み 書 か れ て い る.ド ー プ した 金 属 の原 子 位 置 は,電 子 密 度 が 非 常 に高 くな って い る.図 の 中 央 に見 られ るの は,C60の 断 面 で あ る.等 高 線 図 を見 る と,電 子 密 度 は 一 部 が 高 く な っ て お り,自 由 回 転 に よる均 一 な電 子 密 度 の 描 像 に は な っ て い な い.む しろ,C60の 回転 は止 まっ た描 像 に な っ て い る.す な わ ち,測 定 強 度 に 基 づ く新 た な構 造 モ デ ル をMEM電 子 密 度 は我 々 に教 え て くれ て い る.そ こで,こ の 得 ら れ た 電 子 密 度 に見 られ る球 殻 上 の電 子 密 度 の 高 い 位 置 に,炭 素 原 子 を仮 定 して モ デ ル を作 り直 す.す る と, 各C60分 子 が 六 員 環 を最 近 接 のRb原 子 の 方 向 に 向 け て, お互 い に90度 回転 して1/2の 確 立 で 配位 す るMerohedral Disorderと い わ れ る構 造 モ デ ル(図6)に 一 致 す る事 が 分 か っ た.そ こ で,Merohedral Disorderに 構 造 モ デ ル を改 良 して再 び リー トベ ル ト解析 を行 う と図4(b)の 様 に フ ィ •}4(a)Rb2CsC60‚ÌPreliminary Model‚É Šî ‚à ‚- ƒŠ •[ ƒgƒx ƒ‹ ƒg‰ð•Í ‚Ì Œ‹ ‰Ê.(b)Rb2CsC60‚Ì ƒŠ •[ ƒg ƒx ƒ‹ ƒg ‰ð•Í

‚Ì •Å •I Œ‹ ‰Ê.((a) Preliminary Rietveld fitting of

Rb2CsC60 based on the homogeneous spherical shell

density model for C60. (b) Final Rietveld fitting of

Rb2CsC60.)

•}5(a)•}4(a)‚Ì ƒŠ •[ ƒgƒx ƒ‹ ƒg‰ð•Í ‚É Šî ‚à ‚-(110)MEM

“d Žq –§ “x •ª •z(b)MEM“d Žq –§ “x •ª •z ‚Ì •Å •I Œ‹ ‰Ê.1.0 •`3

.0[e/•ð3]‚ÌŠÔ ‚ð0.5[e/•ð3]ƒX ƒe ƒb ƒv ‚Å “™•‚ •ü ‚ª

•‘ ‚© ‚ê ‚Ä ‚¢ ‚é.((a) The MEM charge density of

Rb2CsC60 based on the first Rietveld fitting of Fig.4 (a).

(b) The final MEM charge densities. Contour lines are drawn from 1.0 to 3.0 [e/•ð3] with 0.5 [e/•ð3] intervals.)

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ッ テ ィ ン グ の 結 果 は ド ラ マ テ ィ ッ ク に 改 善 しRIが 一 気 に 3%ま で 下 が っ た.こ の 結 果 は 通 常 の リ ー トベ ル ト解 析 と し て は 最 終 解 と し て 受 け 入 れ る 事 が で き る も の で あ る. こ の 事 か ら,MEMに よ る 構 造 予 測 性 が フ ラ ー レ ン の 構 造 解 析 に と っ て い か に 強 力 な 手 段 で あ る か が わ か る. こ の リ ー トベ ル ト解 析 の 最 終 結 果 に 基 づ く 電 子 密 度 分 布 を 図5(b)に 示 す.図5(a)と 比 較 し て 電 子 密 度 分 布 は ス ム ー ス に な り,ゴ ー ス ト と思 わ れ る ア ー テ ィ フ ィ シ ャ ル な 細 か な ピ ー ク は 消 え て い る.中 央 のC60ケ ー ジ の 断 面 はMerohedral Disorderの 描 像 を は っ き り と 再 現 し て い る.こ のC60ケ ー ジ 上 の ピ ー ク の3次 元 的 分 布 を 見 る た め に,等 電 子 密 度 面 を 図7(c)に 示 し た.図6の Merohedral Disorderの モ デ ル と 良 い 一 致 を 示 して い る の が 良 くわ か る.MEMに よっ て得 られ た電 子 密 度 分 布 に基 づ くX線 強 度 と観 測 強 度 の フ ィ ッテ ィ ン グ結 果 を,図8 に 示 す.観 測 され た粉 末 回折 強 度 はMEM電 子 密 度 か ら 計 算 され た 各 反 射 の ブ ラ ッ グ強 度 と非 常 に よ い 一致 を示 し,観 測 強 度 に 基 づ くR-factorは1.6%で あ っ た.こ れ は, 最 終 的 なMEM電 子 密 度 分布 の信 頼 度 因子 が1.6%で あ る こ と を 意味 す る.

図6 C60‚ÌMerohedral Disorder Model. (The merohedral disorder model of C60.)

•}7ƒA ƒ‹ ƒJ ƒŠ ‹à ‘® ƒh •[ ƒv ƒt ƒ‰•[ ƒŒ ƒ“ ‚Ì “™“d Žq –§ “x –Ê(2.0

e/•ð3).(The equi-contour (2.0e/•ð3) density map for the MEM charge densities of Li2CsC60, K2RbC60 and

Rb2CsC60. )

図8Rb2CsC60のMEMに よ る 電 子 密 度 分 布 か ら 計 算 さ れ た 回 折 強 度 に基 づ く粉 末 回折 パ タ ー ン フ ィ ッテ ィ ン グ.

(Fitting for Rb2CsC6o based on the calculated intensi-ties from the final MEM charge density.)

•}9A2BC60Œ^ ƒA ƒ‹ ƒJ ƒŠ ‹à ‘® ƒh•[ ƒv ƒt ƒ‰•[ ƒŒ ƒ“ ‚Ì ’´ “` “± “] ˆÚ ‰· “xTC‚Æ Ši Žq ’è •” ‚Ì ŠÖŒW‚Ì ƒO ƒ‰ƒt.Še “_ ‚É ƒh •[ ƒv

‚µ ‚½ ‹à ‘® –¼(A2B)‚𠎦 ‚µ ‚Ä ‚ ‚é.(K. Tanigaki et al.

: Nature 352, 222 (1991).) (Relation between Tc

and lattice constant for A2BC6o. The open circles and

squares are Tc-lattice constant relations for K3C60

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X線 回折 法 に よ る金 属 内 包 フ ラ ー レ ンの 構 造研 究 4.4ア ル カ リ金 属 ドー プ フ ラ ー レ ンの構 造 研 究 こ こ で,Rb2CsC60の 結 果 を示 した 機 会 に,我 々 の ア ル カ リ金 属 ドー プ フ ラ ー レ ンの 構 造 研 究 につ い て も簡 単 に 紹 介 して お く.ア ル カ リ金 属 ドー プ フ ラ ー レ ンで は,こ れ まで イ オ ン半 径 の 大 きな 金 属 原 子 を ドー プす る事 に よ ってC60分 子 間 の距 離 が 広 が り,格 子 定 数 が 大 き くな り, 超 伝 導 転 移 温 度 が 上 昇 す る事 が 知 ら れ て い た.14)図9に, そ の 格 子 定 数 と超 伝 導 転 移 温 度 の 関 係 の グ ラ フ を示 す. しか し,ド ー プ した金 属 原 子 と炭 素 ケ ー ジ との 結 合 形 態 の 違 い等,詳 細 な 電 子 密 度 レベ ル で の 構 造 まで は議 論 さ れ な か った. MEM/Rietveld法 で 解 析 した,ア ル カ リ金 属 ドー プ フ ラ ー レ ンのMEM電 子 密 度 分 布 を図7(a) ,(b),(c)に 示 す.Li2Csc60,K2RbC60,Rb2CsC60の 電 子 密 度 を,C60分 子 お よびLi,K原 子 の 等 電 子 密 度 面(2.0eÅ-3)に つ い て 3次 元 的 に示 した もの で あ る.超 伝 導 を示 さな いLi2CsC60 で は フ ラー レ ン ケ ー ジ上 の 電 子 密 度 はLi原 子 の あ る方 向 に わ ず か に集 中 し,Cs原 子 の 方 向 で は電 子 密 度 が 薄 くな りケ ー ジ に穴 が あ い て しま っ て い るが,自 由 回転 に近 い 描 像 に な っ て い る こ とが わ か る.一 方,超 伝 導 を 示 す K2RbC60(Tc=23K)とRb2CsC60(Tc=31K)で は,C60 ケ ー ジの 回転 は ほ と ん ど止 ま り,“Merohedral Disorder” で あ る こ と を示 して い る.こ れ は,超 伝 導 を示 す 物 質 で は,C60ケ ー ジ と ドー プ した ア ル カ リ金 属 の 間 に強 い 相 互 作 用 が 働 い て い る 事 を示 して い る.実 際 にMEM電 子 密 度 か ら原 子 サ イ トに 局在 した電 荷 を見 積 もっ た とこ ろ, 超 伝 導 を示 さ な いLi2CsC60はLi,Csと もに,ほ とん ど中 性 に近 い 電 子 数 が 原 子 サ イ トに局 在 す る一 方,Tcが 上 昇 す る に連 れ て,ケ ー ジへ の 電 荷 移 動 量 が 多 くな っ て い る 事 も明 らか に な っ た.こ の よ う に,超 伝 導 の発 現 に 関係 し て い る と 思 わ れ る 電 子 レ ベ ル で の 構 造 の 違 い を MEM/Rietveld法 に よ り明 らか にす る事 が で きた.15)こ れ らの 結 果 は,C60分 子 に つ い て 特 別 な構 造 モ デ ル を仮 定 す る事 な く,純 粋 に 実 験 デ ー タ をMEMで 電 子 密 度 分 布 を イ メ ー ジ ン グす る こ と に よ り得 る こ とが で きた 結 果 で あ る.こ の よ う なMEMの 特 長 が 金 属 内 包 フ ラ ー レ ン の 構 造 解 析 に非 常 に威 力 を発 揮 した. 5.金 属 内 包 フ ラ ー レ ン の 金 属 内 包 構 造 の 決 定 前 述 の とお り,1995年,我 々はMEM/Rietveld法 を用 い てY@C82の 放 射 光 粉 末 回折 デ ー タ を解 析 し,得 られ た 電 子 密 度 分 布 か ら,Y原 子 が 実 際 にC82ケ ー ジ に内 包 され て い る様 子 を直 接 観 察 す る こ と に世 界 で 初 め て成 功 した.3) 得 られ たMEM電 子 密 度 分 布(図10)か ら,イ ッ トリ ウ ム は ケ ー ジ の 中 心 で は な くケ ー ジ の 内 壁 近 傍 に存 在 して い る こ とが 実 験 的 に 明 ら か に な っ た.そ れ まで 金 属 内 包 フ ラ ー レ ンの 詳 細 な構 造 研 究 は 理 論 的 な予 測 が 先 行 し, さ ま ざ ま な構 造 モ デ ル が 提 唱 され て い た.こ の構 造 解 析 図10Y@C82分 子 の 断 面 のMEM電 子 密 度 分 布.0.5 [e/Å3]ス テ ッ プ で 等 高 線 が 書 か れ て い る.(The

sec-tion of MEM charge density of Y@C82 molecule. Contour lines are drawn with 0.5 [e/•ð3] intervals.

の 成 功 に よ り,金 属 原 子 位 置 に つ い て の 論 争 は,日 本 の

理 論 グ ル ー プ の 予 測 し た 構 造 モ デ ル が 実 験 結 果 に 一 致 す る こ と で 決 着 が 付 け ら れ た.そ して,こ の 結 果 を 基 にW. Andreoniた ち は,La@C82メ タ ロ フ ラ ー レ ン のLa原 子 位 置 に つ い て,フ ラ ー レ ン ケ ー ジ 内 の 準 安 定 位 置 を ラ ン ダ ム に 移 動 す る と し て い た 従 来 の モ デ ル を修 正 し,Y@C82 と ほ ぼ 同 様 の 構 造 モ デ ル を 新 た に 提 唱 す る16)な ど,我 々 の 結 果 は 理 論 的 な 安 定 構 造 予 測 お よ び 物 性 研 究 に も重 要 な 情 報 を 与 え つ つ あ る.し か し,さ ら に,金 属 内 包 フ ラ ー レ ン の ケ ー ジ 構 造 お よ び ,内 包 さ れ た 金 属 原 子 の ケ ー ジ と の 位 置 関 係 に つ い て は,実 験 的 に 明 ら か に す る 必 要 が あ っ た.特 にSc@C82は,13C-NMRに よ る 対 称 性 の 決 定 が,Scの 常 磁 性 的 性 質 に よ り不 可 能 で あ る た め,X線 構 造 解 析 が ケ ー ジ 構 造 決 定 の 唯 一 の 実 験 手 段 で あ る.ま た, 複 数 個(∼4個)金 属 原 子 を 内 包 して い る と 考 え ら れ て い る 金 属 内 包 フ ラ ー レ ン も 合 成 さ れ て い た が,複 数 個 の 内 包 構 造 に つ い て も,確 認 さ れ て い な か っ た. そ こ で,我 々 は,ケ ー ジ 内 に そ れ ぞ れ1個 お よ び2個 の 金 属 原 子 を 内 包 し て い る と考 え ら れ て い るSc@C82と Sc2@C84の 詳 細 な 電 子 密 度 分 布 を 求 め,金 属 内 包 フ ラ ー レ ン の ケ ー ジ 構 造,ま た,実 際 に2個 と も カ ー ボ ン ケ ー ジ に 内 包 さ れ て い る の か,さ ら に,内 包 さ れ て い る と す れ ば ど の よ う な 形 態 で 金 属 原 子 内 包 さ れ て い る の か を 明 ら か に し た.4),5) 5.1Sc@C82とSc2@C図 のMEM電 子 密 度 分 布 得 ら れ た 粉 末 回 折 パ タ ー ン は い ず れ も空 間 群P21(mon-oclinic:a=18.362(1)Å,b=11.2490(6)Å,c=11.2441 (7)Å,β=107.996(9)°;Sc@C82,a=18.312(1)Å,b= 11.2343(6)Å,c=11.2455(5)Å,β=107.88(1)°;Sc2@C84) の 複 雑 な パ タ ー ンで あ っ た.図11(a),(b)にSc@C82と Sc2@C84の リ ー トベ ル ト解 析 の パ タ ー ン フ ィ ッ テ ィ ン グ の 最 終 結 果 を そ れ ぞ れ 示 し た.そ し て,MEM/Rietveld法 日本 結 晶 学 会 誌 第41巻 第2号(1999) 117

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図11(a)Sc@C82,(b)Sc2@C84の リ ー ト ベ ル ト解 析 の 最

終 結 果.(The results of final Rietveld fittingof

(a) Sc@C82 and (b) Sc2@C84.)

図12(a),(b)Sc@C82,(c)Sc2@C84の 等 電 子 密 度 面.

(The equi-contour density map for the MEM charge densities of (a), (b) Sc@C82 (2.1 e/•ð3) and (c)

Sc2@CM (1.3 ei•ð3). に よ り,最 終 的 に 図12に 示 したSc@C82とSc2@C84の MEM電 子 密 度 分 布 を得 た. 5.2Sc@C82 図12(a),(b)はSc@C82の2.1e/Å3等 電 子 密 度 面 を3 次 元 的 に 示 した もの で あ る.六 員 環 や 五 員 環 に よ っ て形 成 さ れ た フ ラ ー レ ンケ ー ジ の 中 に1個 の 電 子 密 度 の 固 ま りが 存 在 してい る のが 見 え る.MEMに よっ て得 られ た電 子 密 度 は 全 電 子 密 度 分 布 そ の もの で あ る か ら,こ の 部 分 に局 在 す る電 子 の 数 か ら,原 子 また は イ オ ン を同 定 す る 事 が で き る.得 られ た電 子 密 度 か ら局 在 した 電 子 数 を見 積 も っ た と こ ろ,Sc2+の 電 子 数 に ほ ぼ 一 致 して18.8[e] で あ った.よ っ て,カ ー ボ ンケ ー ジ 中 の 電 子 密 度 の 固 ま りはSc2+イ オ ンで あ る こ とが 同 定 され,Sc@C82がSc原 子 をC82炭 素 ケ ー ジ に実 際 に 内 包 し,Sc2+C822-の 電 子 構 造 を持 つ 事 が 明 らか に な っ た.安 定 に内 包 され たScが2 価 の 状 態 で あ る か,3価 で あ る か は,理 論 計 算 に よ る 予 測17)や,Electron Paramagnetic Resonance(EPR)の 実 験 結 果 に 基 づ く推 定 か ら,18)長い 間 論 争 に な っ て い た.そ して,我 々 はX線 回折 法 に よ りSc@C82の 電 子 構 造 につ い て も,直 接 的 な実 験 証 拠 を提 示 す る事 が で き た. “空 ” のC 82フ ラ ー レ ンに は9個 の異 性 体 が 存 在 す る事 が 知 られ て い る.19)図13に そ の 異 性 体 の構 造 の 一 覧 を示 して あ る.そ れ ぞ れ の ケ ー ジ の もつ 対 称 性 で 分 類 して あ る.こ れ ら のす べ て の 構 造 は,安 定 な フ ラ ー レ ンケ ー ジ を形 成 す る上 で重 要 な 規 則 で あ る孤 立 五 員 環 則(Isolated Pentagon Rule:IPR)を 満 た して い る.こ れ は,フ ラ ー 図13C82フ ラ ー レ ン のIPRを 満 た す 異 性 体.(K. Kobayashi:

Dissertation for a Degree of Doctor of Science, Tokyo Metropolitan University (1997)‚æ‚è) (The structures of the C82 isomers.)

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X線 回折 法 に よ る 金 属 内 包 フ ラ ー レ ンの 構 造 研 究 レン で は2つ 以 上 の 五 員 環 が 隣 り合 わ せ にな る事 は な い とい う,フ ラ ー レ ンの トポ ロ ジ ー を考 え る 上 で 最 も基 本 的 な 原 理 と な って い る もの で あ る.で は,実 際 に はSc原 子 は,こ れ ら の 中 で ど の異 性 体 に 安 定 に 内 包 さ れ る の ろ うか?こ の 問 題 は,金 属 内 包 フ ラー レ ンの 生 成 の メ カ ニ ズ ム を探 る 上 で も重 要 な 問 題 と され て き た .図14に 都 立 大 の 小 林,永 瀬 ら に よ る理 論 計 算 に よる 構 造 安 定 性 を比 較 した グ ラ フ を示 した.19)縦 軸 に相 対 エ ネ ル ギ ー を とっ て あ り,エ ネ ル ギ ー の最 も低 い もの が 安 定 構 造 と し て存 在 しや す い こ と に な る.点 線 で 示 され た “空 ” のC82 ケ ー ジ の場 合 で は,C2(a)の 対 称 性 を持 つ ものが 最 も安 定 で あ る事 に な る.実 際 に,フ ラ ー レ ン を生 成 して み る と,C2(a)の 対 称 性 を持 つC82の 収 量 が 圧 倒 的 に多 い事 が 報 告 され て い る.し か し,我 々 の 結 果 か ら も明 らか な よ う に,Sc@C82で は,+2の 電 荷 移 動 が 起 こ る 事 に な り,フ ラー レ ンケ ー ジ は0822と な る.そ の 場 合,グ ラ フ は点 線 か ら実 線 へ と大 き く変 化 し,“ 空 ” のC82で は 非 常 に不 安 定 で あ っ たC2vケ ー ジ が 最 も安 定 とい う こ と に な る.金 属 内 包 フ ラ ー レ ンの 構 造 安 定 性 と密 接 に関 連 す る 要 因 が,内 包 さ れ た 金 属 原 子 か ら フ ラ ー レ ンケ ー ジへ の 電荷 移動 で あ る な らば,最 も量 産 さ れ るSc@C82の 構 造 が C2Vの 対 称 性 を持 つ は ず で あ る.よ っ て,ケ ー ジ 構 造 を 決 定 す る事 は,金 属 内 包 フ ラー レ ンの 構 造 安 定 性 につ い て の 議 論 に と っ て 決 定 的 な実 験 証 拠 を与 え る事 に な り, 長 い 間X線 構 造 解 析 の 結 果 が 待 た れ て い た. 図12(a),(b)は,そ の 問 題 に 明確 な解 答 を与 え た も の で あ る.ケ ー ジ の 電 子 密 度 分 布 に は,は っ き り と六 員 環 と五 員 環 のパ ター ンが 見 ら れ る.図13のC2vの 対 称 性 図14C82(点 線)とC822-(実 線)の 相 対 的 な 構 造 安 定 性. い ず れ の 線 もC2(a)ケ ー ジ に 対 す る 相 対 エ ネ ル ギ ー で 表 して あ る.(K. Kobayashi: Dissertation for a

Degree of Doctor of Science, Tokyo Metropolitan University (1997)‚æ‚è) (Relative stabilities of C82 (a dotted line) and C822- (a full line) isomers. Each line represents the energies (kcal/mol) of the isomers relative to that of the C2 (a) cage.)

を持 つC82の 構 造 モ デ ル と,六 員 環,五 員 環 の 配 列 が MEM電 子 密 度 の 結 果 と一 致 して い る事 が わ か る.こ の こ とか ら,Sc@C82の ケ ー ジ構 造 はC2Vの 対 称 性 を持 つ事 が 実 験 的 に 明 ら か に な っ た.本 研 究 に よ る結 果 は,金 属 内 包 フ ラ ー レ ンの 構 造 安 定 性 と金 属 原 子 か ら フ ラー レ ンケ ー ジへ の電 荷 移 動 が 密 接 に関 係 して い る と い う理 論 的 な 予 測 を裏付 け る事 に な っ た. 図12(a)で わ か る よ う に,Sc原 子 は ケ ー ジ の 中 心 で は な く,ケ ー ジ側 に 近 い 偏 っ た 位 置 に安 定 に存 在 して い る.こ の 事 は,Y@C82の 結 果 と も 一致 す る.ま た,図12 (b)か ら わ か る よ う に,Sc原 子 はC82ケ ー ジ の 六 員 環 に 隣 接 して 位 置 して い る こ と も分 か っ た.こ れ らの,ケ ー ジ構 造 とSc原 子 の 位 置 関係 は理 論 計 算 に よ る安 定 な 金 属 内 包 構 造 と一 致 す る.ま た,Sc原 子 と最 近 接 の 炭 素 原 子 の 距 離 をMEMの 電 子 密 度 か ら求 め た と こ ろ,2.53(8) Åで あ っ た.こ れ も,理 論 的 に予 測 され て い たSc-Cの 最 近 接 距 離,2.497-2.498Å と良 い 一 致 を示 して い る.20) 5.3Sc2@C84 前 述 の様 にSc@C82で は,1個 の金 属 原 子 が フ ラー レ ン ケ ー ジの 中心 か ら外 れ た と こ ろ に安 定 に位 置 して い る こ とが わ か っ た.で は,2個 内 包 した場 合 の 金 属 内 包 構 造 は どの よ う に な る の で あ ろ うか?図12(c)はSc2@C84 の1.3eÅ-3等 電 子 密 度 面 を3次 元 的 に示 した もの で あ る. 六 員 環 や 五 員 環 に よ っ て 形 成 され たC84フ ラ ー レ ンケ ー ジの 中 に2個 の 電 子 密 度 の 固 ま りが 存 在 して い る の が見 え る.こ の 部 分 に局 在 す る 電 子 の 数 はSc2+の 電 子 数 に ほ ぼ 一 致 して18.8[e]で あ っ た.よ っ て,カ ー ボ ンケ ー ジ 中 の2つ の 電 子 密 度 の 固 ま りはSc2+イ オ ンで あ る こ とが 同 定 さ れ,Sc2@C84は,実 際 に2個 のSc原 子 を 内 包 す る 金 属 内 包 フ ラー レ ンで あ る こ とが 明 らか に な っ た.そ し て,2個 のSc原 子 はD2dのC2の 対 称 軸 に沿 っ て ケ ー ジの 中 心 に対 称 に配 位 し,図12(c)の 手 前 に見 られ る 六 員 環 に挟 まれ たC=C二 重 結 合 の直 上 に位 置 す る こ とが 明 ら か に な っ た.4) こ の 研 究 が 始 ま る ま で,2個 のSc原 子 は,21個 あ る C84異 性 体 の う ち,D2d,Cs,C2Vの 対 称 性 を持 つ もの に 内 包 さ れ やす い と考 え られ て い た.そ の 中で も,D2dの 対 称 性 を持 つ もの が エ ネ ル ギ ー 的 に安 定 で あ る と さ れ て い た.21)図 の 電 子 密 度 に もは っ き りと した,六 員 環,五 員 環 の 形 が 見 ら れ る.こ れ らの配 列 パ ター ンか ら,Sc2@C図 はD2dの ケ ー ジ の対 称 性 を持 つ こ とが 実 験 的 に 決 定 さ れ た.ま た,こ の結 果 は,C13-NMRの 実 験 結 果22)と 一 致 を 示 して い た.今 回 得 られ たMEM電 子 密 度 に よ る 金 属 内 包 構 造 の描 像 は,Sc2@C84の 安 定 構 造 の 理 論 的 予 測 の 方 法 論 の妥 当性 を指 示 して い る. 5.4Sc原 子 の フ ラ ー レン ケ ー ジ 内 で の振 る 舞 い こ れ まで の我 々 の 結 果 は,理 論 的 に予 測 して い た 金 属 内 包 フ ラー レ ンの構 造 に は っ き りと した イ メ ー ジ を 実 験 日本 結 晶 学 会 誌 第41巻 第2号(1999) 119

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図15(a)Sc@C82,(b)Sc2@C84分 子 の 断 面 の 等 高 線 図. 0.3[e/Å3]ス テ ッ プ で 等 高 線 が 書 か れ て い る.(The

sections of the MEM charge densities of (a) Sc @ Cs2 and (b) Sc2@CM molecules. Contour lines are drawn with 0.3 [e/•ð3] intervals.)

証 拠 と して 与 え た こ と に な る.そ して,予 測 され て い な か っ た金 属 原 子 の ケ ー ジ 内 で の振 る舞 い を,実 験 的 に 明 らか に して くれ た.図15にSc@C82とSc2@C84分 子 の 断 面 の等 高 線 図 を示 す.Sc@C82で は,Sc原 子 の 電 子 密 度 が,カ ー ボ ン ケ ー ジ の外 壁 に沿 っ て,近 接 す るC82ケ ー ジの 六 員 環 程 度 の大 き さに 広 が って い た.一 方,Sc2@C84 で は,2個 のSc原 子 の 電 子 密 度 が 涙 滴 状 の 形 に大 き く変 形 して い る.こ の よ うな 電 子 密 度 の 大 き な変 形 は,原 子 の コ ア の 領 域 ま で及 ん で お り,熱 振 動 に よる もの で あ る と考 え られ る.こ の 事 は,低 温 実 験 に よ る確 認 が 必 要 で あ り,実 験 を計 画 して い る.今 回 明 らか に な っ たSc@C82 とSc2@C84と で 見 ら れ る 金 属 原 子 の振 る 舞 い の 違 い は, 金 属 原 子 か ら フ ラ ー レ ン ケ ー ジへ の 電 荷 移 動 に よ って 形 成 さ れ た ポ テ ンシ ャル と金 属 原 子 と の相 互 作 用 の 違 い に よ っ て 生 じた もの で あ る と考 え ら れ る.こ の よ うな 内 包 さ れ た 金 属 原 子 の 詳 細 な 描 像 に つ い て は,MEM/Rietveld 法 に よる 解 析 で初 め て 明 らか に な っ た こ とで あ り,今 後 の 金 属 内 包 フ ラ ー レ ンの 物 性 研 究 に とっ て 重 要 な 情 報 に な る と思 わ れ る. 6.あ と が き 名 古 屋 大 学 の篠 原 研 究 室 で は,現 在 もSc4@C82を 始 め とす る さ ま ざ まな 新 しい 金 属 内 包 フ ラー レ ンを次 々 と生 み 出 して い る.我 々 の 研 究 グ ル ー プ も,最 近,La@C82, Sc3@C82と い っ た 金 属 内包 フ ラ ー レ ンの 構 造 解 析 に 成 功 した.ま た,東 京 大 学 の 寿 栄 松 研 究 室 で はLa@C82の 単 結 晶 の育 成 に成 功 し,北 陸先 端 科 学 技 術 大 学 院大 学 の 岩 佐 義 宏 氏 はCe@C82の 磁 性 に つ い て の 研 究 を ス ター トさ せ て い る.こ の 様 に,金 属 内 包 フ ラ ー レ ンの研 究 は,生 成 か ら物 性 研 究 へ と大 き な展 開 を見 せ て お り,そ れ らの 基 盤 をな す 結 晶 構 造 解 析 は,今 後 も重 要 な位 置 を 占め る こ と に な る で あ ろ う.そ して,結 晶 学 に と っ て,金 属 内 包 フ ラー レ ンを含 む フ ラ ー レ ン科 学 は,ま す ます 魅 力 的 な研 究 分 野 とな っ て い くもの と思 わ れ る. 以 上 示 して きた様 に,MEM/Rietveld法 は,詳 細 な モ デ ル を予 測 す る こ とが 難 しい フ ラー レ ン化 合 物 の 結 晶構 造 解 析 に とっ て 強 力 な手 段 で あ る こ とが わ か っ た.こ の 方 法 を用 い て,我 々 は フ ラ ー レ ン関 連 物 質 だ け で な く,強 相 関 系 物 質,ゼ オ ラ イ トの 電 子 密 度 解 析,そ して,高 圧 下 で の 電 子 密 度 レベ ル で の構 造 変 化 等 の研 究 に も取 り組 ん で い る.こ れ らの 研 究 を通 じて 筆 者 は,MEM/Rietveld 法 が,今 後,粉 末 構 造 解 析 の 可 能 性 を大 き く拡 げ て い く もの と確 信 して い る. 本 稿 は平 成10年 度 日本 結 晶学 会 賞 受 賞 を機 に依 頼 さ れ た もの で す.こ こ に述 べ た研究 を 進 め る に あ た っ て,多 くの方 々 にお 世 話 に な りま した.本 研 究 は,私 にMEMと い う魅 力 的 な方 法 論 を御 指 導 下 さっ た 坂 田誠 教 授(名 古 屋 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科)と 篠 原 久 典 教 授(名 古 屋 大 学 大 学 院理 学 研 究 科),西 堀 英 治 助 手(名 古屋 大 学 大 学 院工 学 研 究 科)と の 共 同 研 究 で あ りま す.永 瀬 茂 教 授,小 林 郁 助 手(東 京 都 立 大 学 理 学 部)か らは,金 属 内 包 フ ラ ー レ ン の 理 論 研 究 の立 場 か ら有 益 な御 助 言 を頂 き ま した. 一 部 紹 介 した ア ル カ リ金 属 ドー プ フ ラ ー レ ンの 研 究 は , 谷 垣 勝 己 教 授(大 阪 市 立 大),広 沢 一 郎 氏(NEC株 式 会 社),水 木 純 一 郎 氏(Spring-8)と の 共 同研 究 で す.デ ー タ ー 測 定 につ い て は 高 エ ネ ル ギ ー 加 速 器 研 究 機 構 の坂 部 知 平 先 生,渡 邊 信 久 氏 に 御 助 力 頂 き ま し た.ま た, MEM/Rietveld法 の 構 築 の 際 に は,Dave E.Cox教 授 (BNL,USA)か ら も有 益 な御 助 言 と,暖 か い励 ま しの 言 葉 を頂 き ま した.こ れ を機 会 に皆 様 に感 謝 の 意 を表 し ま す.最 後 に,か つ て学 生 で あ っ た 私 に,結 晶 学 へ の 扉 を 開 い て 下 さ っ た小 村 幸 友 先 生(広 島大 学 名 誉 教 授),そ の 後,X線 結 晶 学 へ 導 い て 下 さ っ た 原 田仁 平 先 生(名 古 屋 大 学 名 誉 教 授,理 学 電 機 株 式 会 社X線 研 究 所 所 長)に 深 く感 謝 の 意 を表 しま す.本 研 究 は,文 部 省 科 学 研 究 費 補 助 金,未 来 開拓 学術 研 究 費,日 本 板 硝 子 材 料 工 学 助 成 会, 池 谷 科 学 技 術 振 興 財 団,住 友 財 団,村 田学 術 振 興 財 団 の 援 助 の も とに行 われ ま した.

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X線 回折 法 に よ る金 属 内包 フ ラー レ ンの 構 造 研 究

文 献

1) H.W. Kroto, J.R. Heath, S.C. O'Brien, R.F. Curl and R.E. Smalley: Nature 318, 165 (1985).

2) D.M. Collins: Nature 298, 49 (1982) 49; G. Bricogne: Acta crystallogr. A44, 517 (1988) ; M. Sakata & M. Sato: Acta crys-tallogr. A46, 263 (1990).

3) M. Takata et al.: Nature 377, 46 (1995).

4) M. Takata et al.: Phys. Rev. Lett. 78, 3330 (1997).

5) E. Nishibori, M. Takata, M. Sakata, M. Inakuma & H. Shinohara:

Chem. Phys. Lett. 298, 79 (1998).

6) E. Nishibori, M. Takata, M. Sakata, M. Inakuma & H. Shinohara:

in preparation.

7) 高 田 昌 樹,坂 田 誠,篠 原 久 典:日 本 結 晶 学 会 誌38,244(1996);

高 田 昌 樹,坂 田 誠:日 本 結 晶 学 会 誌39,72(1997).

8) H. Shinohara et al.: J. Phys. Chem. 97, 4259 (1993).

9) 篠 原 久 典,斎 藤 弥 八:フ ラ ー レ ン の 化 学 と物 理,名 古 屋 大 学 出 版 会(1997).

10) M. Takata, M. Yamada, Y. Kubota and M. Sakata: Advances in X-Ray Analysis 35, 85 (1992).

11) M. Takata, et al.: Physica C 262, 340 (1996).

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Appl. Cryst. 23, 526 (1990).

13) M. Takata, T. Ikeda, E. Nishibori and M. Sakata: Trans JIM (1999)

in press.

14) K. Tanigaki et al.: Nature 352, 222 (1991).

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16) W. Andreoni and A. Curioni: Fullerens and Fullerene Nanostructures,

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World Scientific, Singapore (1996).

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19) K. Kobayashi: Dissertation for a Degree of Doctor of Science,

Tokyo Metropolitan University (1997) ; S. Nagase, K. Kobayashi,

T. Akasaka: J. Comput. Chem. 17, 232 (1997).

20) K. Kobayashi and S. Nagase: Chem. Phys. Lett. 282, 325 (1998).

21) S. Nagase, K. Kobayashi and T. Akasaka: Bull. Chem. Soc. Jpn. 69, 2131 (1996).

22) E. Yamamoto et al.: J. Am. Chem. Soc. 118, 2293 (1996).

プ ロ フ ィ ー ル

高 田 昌樹Masaki TAKATA 島 根大 学 総合 理工 学部 物 質科 学 科

〒690-8504松 江 市 西川 津 町1060

Department of Material Science, Shimane University, Matsue 690-8504, JAPAN e-mail:masakit@rikoshimane-u.ac.jp 最 終 学 歴:広 島 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 博 士 課 程 後 期1987年 専 門 分 野:回 折 結 晶 学 現 在 の 研 究 テ ー マ:フ ラ ー レ ン 化 合 物,ゼ オ ラ イ ト,高 圧 下 で の 強 相 関 系 物 質 の 電 子 密 度 レベ ル で の 構 造,マ キ シ マ ム エ ン トロ ピ ー 法,放 射 光 粉 末 回 折 実 験 法 趣 味:写 真 撮 影 日 本 結 晶 学 会 誌 第41巻 第2号(1999) 121

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