理 学 療 法 学
第
32
誉第1
号21
−
25
頁 (2DO5
年
)教
育 ・管
理
系
分 科 会
教
育水準
と
卒 前
・卒後教育
保 村 譲
一
(
畢 城 大 学
リ
ハビ リ
テー
シ
ョ ン学
院
)
潮
見
泰藏
(
国 際 医 療 福 祉 大 学 保 健 学 部
)
山
崎裕
司
(
高
知
リ
ハビ リ テ
ー
ショ ン学 院 )
古 元 洋
一
(
鹿 児 島 大学 医 学 部
保
健
学科
)
は じ め に 近年.
理 学療 法 上 教 育の 問 題を論 ずると き.
理学 療 法士の冖
資 質1 の低 卜’
が問題視され,
ま た 顕在
化されて来て い る.
そ の質の低 ドの 原 因は何に拠る もの か ?養 成 教 育 制 度の問 題 な のか,
学 生の質に因 る ものなのか.
は たまた教 育 者と臨床
教育
指 導 者の質も し く は 能力の 問 題 なのか,
い ずれにして も一
質 」 を問 うには,
理学 療 法.
L
教育に お け る 教 育 水準の 問 題 を 避 け て 通ること は できない と考 える.
.
こ の教 育 水 準とい うのは,
常に 仕 会 情 勢と ともに その教 育 環境 を整 え,
学 問の体 系 化を図る指 標とも なる教 育 内容そ の も の と考
え る、
、
そ し て,
その教 育 内 容 を教 授 する教 育 評 価お よ び教育方法
の如何
に よっ て,
教 育 水 準 が変化するものと 考える、
.
さら に,
教 育水 準の向
ヒのた め に は 常 に見 直しを繰 り返し,
是正を加 えて いかなけ れ ば な ら ない も の と考え る、
歴 史 的に は
,
我 が 国に リハ ビ リテー
ショ ン理念
が導
人 さ れ.
近代
公衆
衛 生 学の第3
次 予 防の領域 か ら,
リノ 、ビリテー
ショ ン 医 学と して の医療 分 野に おいてコ・
メディカル専門職 種の育 成 が唱 えら れ た。
そ して昭 和38 年 〔圭963 年 :1 に は 理 学 療 法L
の 養 成 制 度が ス ター
ト し,
昭 和40年 U965 年〕 には 理学 療 法十 お よ び作 業療 法.
L
法が制 定 され,
翌年 我が国に初めて理学療法 [/が 誕 牛 し た 経緯が あ る、
しか し.
その 当 時の教 育 環 境 等は,
:t
進 国の教 育モ デ ルを基に 早期 専門職 種の育 成,
輩 出 を優 先 さ せ,
教 育 方 法としても 自 己学 習 積 極型であ り,
経験学
習型の 臨 宋実習形 態であっ た。
その後,
疾 病・
障 害 構 造の変 化と と も に,
医 瘡 分 野のみ な ら ず,
保 健・
福祉分 野 に おい て も理 学 療 法士の 職 域 拡 大 が 徐々 に 求 め ら れ,
畜給 計画 と ともに理 学 療 法 トの壷 戊 制 度 も幾 多の変 遷を経て現 在に 至っ てい る。
具体
的 に は,
養 成 施 設の指 定 規 則の改 定 等の教 育 環 境の 整備と教育
内容
と し て のカ リキュ ラム改 正 が な されて きた、
t/
養 成 施 設と し て は,
平成 元年 〔:1989年:1
に ⊥学 級 定 員40
名が認め られ.
さらに夜 間 部 課 旌の増 設 な ど が ll「能 と なった.
これ ら を契 機に し て平 成ll
手 〔1999年〕 には カ リ キュ ラ ムの 大 綱 化 と と も に 規制 緩 和政 鏡が打ち出さ れ新 設 校ラッ シュ と な り.
需 給 推 計 ヒの養 成定員 を大 幅に上回 る 「養 成過 剰 時 代 」とな・
ってきた, これに相応 す る ように数 的過 剰の問 題 が 質の低 ドの問 題 を顕 在 化 させたと考 え ら れ る。
.
方,
臨 床 面におけ る卒 前・
卒 後の教 育 問題 か ら,
臨 宋 教 育は どうあ るべきか が問われ.
Hdyv
,
学 療 法士協
会は 臨床 実習 マ ニ ュ ア ルを 作 成改訂 し,
臨 床 実 習 指 導 呂の育 成に尽 力してき た.
、
さ ら に卒 後の生 涯学習 システ ム を構 築し て理学 療 法lt
の ス キル ア ップ を推進 して き た、
し か し,
養 成 過 剰の問 題 か ら教 育 指導
κの育 成が不 充 分であり,
臨 床 実 習の あ り方その もの の 見 直し検
討が図ら れ ている.
さ ら に理 学 療 法の臨 床面では.
エ ビ デン スが求め られ,
理 学 療 法の効 果 判定
と し て ク リニ カル・
リー
ズニ ング が見 直さ れ,
さ ら には理 学 療 法の惇 門性そのものが 間 わ れ て き てい る。
21flf
:紀 に お け る 理学 療 法 教 育は どうある べ きか?すで に医 学 教 育で は教育
改・
1存
が進ん でお り,
理 学 療 法1
:教 育の教 育 水 準の 見直 しも急 務か と考え る。
そこで今回
,
一
養 成 制 度と教 育 水 準 」 「卒 前での臨床
教育
1
「生 涯 教 育 と専 門 性 」 と 題 し て,
潮 見 泰 蔵 氏・
山崎 裕 司氏・
吉 元洋 氏 に3つ のセッショ ン に て,
その窺状 報 告 と今 後のあり 方 を提 言 してい た だ く,
1
.
養 成 制 度
と教
育水準
一
カ リキュ ラ ム の現 状
と 方 向 性一
潮見 氏の 提 言に よ れば
.
専 門 職 教 育の特 徴と して5項 目挙
げ て お り.
Il、) 淀 の 教 育 水 準 に 到達 すること が資 格 条件 ::2.
生涯 教 育が 必 要奪
)資質や 人 間性の 育 成が重 要4.
臨 床 体験が不可 欠1
人 間理 解 が 前 提である と してい る
,
そ し て,
専門職 を 冠 した 教 育 が一
養 成教 育一
である と し てい る。
その 養 成 教 育 制 度 と教 育 内 容である カ リキュ ラム の変 遷 状 態 を顧みれば,
現 在 で は 埋学 療 法L
養成機関 数 が 172校,
人 学 者総 定 員 数が8000
名を 超 え る までに 至っ てい る いド成 16年・
t月 現在泥 その推 移 は図1・
2の ご とくである。
わ が国で の理学療 法 教育が 始 まっ て 以来,
約40年 が 経 過して い る が,
こ の間,
特 に 近 年の社 会 構造 や疾病 構
造の大 幅 な 変 容に よっ て,
埋 学 療 法を含む医 療 1:人 :】 に対 する社 会 的ニー
ズは大 き く変 化 してい る.
.
カリキュ ラム改 訂の趣 旨は.
詰め込み教育
に よ る 即 戦力 養 成の 時 代 か ら 問 題 解 決 能 力 を備え た 人材の育成の時 代へ と 改 訂 が 成 さ れ て き た,
現行の指定 観 則 (カ リ キュ ラ ム )はこ う し た 社会のニー
ズ を受け て,14
成ll
年4
月に改IE されたもの で あ る。
その趣 旨 として,
教 育 内 容の弾 力 化に よっ て各
養 成 施 設の裁 量で独 自の カ リ キュ ラ ムを 組むこ と が で き る ように独 自の付 力[1価 値 を 高22
理学:療 才去’
: デ: 第32巻 第1孝ナ 200 180160
140
120
£図11vt
100
80
60
40
200
1 δ2145 123 1069398 ア973634743F 37 24262828282a28293233P
19 13 , 、 … 55 … ・ 88891 ° 羣5舞 鑓 難 窶鬘
蚤
墾 蟇塗塁鑛 鑓 墾 塁藝鎹 薑靆 舞 鑓 墾 塁鑓 塁
毳
甍
蕪
甍
図1理 学療 法
.
L
養 成 施 設の開設 数推 移
/、1−一一〜 〜 −
5
門 学 校 (3 年 制 )116校 (449b )\
丶
、
専 門 学 校
C4
年 制\
\ 56 校(33efO)、.
\ 図2
理 学 療 法 ⊥ 養 成 施 設の堤 状 1:平 成16
年4
月 現 在 ) 100禍 :Igo 〔9fi〕 80!%:.
アO;%; 60/la; 50〔鰯 40/9fi130 〔%:.
20陽 :.
10.
1% : 0隔11966 年..
.
癰「
揮 嗣 璽 基 碪 医 塑 … 医嵩
基堤 医 学 醺一
.
.
一
一
.
! … 1 ….
辱
到
… 鄲 葺 醇 旦 抖且1 獻魍・
1
』
甜.
げ
尸
.
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尸
隔
广
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….
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」
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囈
蔭
1.
…
:
鸞
1「
信・
;.
・
.
樗 i鱒
輯
1 1972年 19S9年 1999 年 図
3
カ リ キュ ラ ム に お け る科H
問 比 率の変 遷 表1 教 育 時 間の変 遷 1966年 (指 定 規 則) 1972年 1989年 1999年 受指 定 規 則 改 訂}(指 定 規 則 改 訂}
〔指 定 規則改訂 〕* 基 礎 科 目 基
礎
医学
臨床 医 学 専 門 科目 臨 床 実 習 合 計12e54
(} 42054016803454953004801080365435375810810 4
ワ一
458
11131 3300 2700 27go93
* 中.
位 め.
競 争 力 を向 上さ せ る ね らい があっ
た 〔表1
,
図3
:),
カリ キ ュ ラ ム の改止 と前 後して,
医療
にとどまらず保
健福
祉分 野 に お け る 理学 療 法L
に対 する期 待と ともにその需 要が増 大してきて おり.
今日ではこ の領 域には欠 くこ との で きない 専門 職として 認 識さ れ る に至っ ている、
、
こ こ で は,
理 学療 法 教 育の養 成 制 度 と教 育 水準に 関わる詣問 題,
特にカ リ キュ ラム の規状と方 向性 につ い て考
え て み たい.
専
門 学 校 (3
年
課 程・
4年 課 程)、
短 期 大 学,
大 学 と,
わ が 国ほ ど多様
な養 成 課 程をもつ 国 も 他で は類 が ない 〔図2)。
そ れぞれ が特 色 ある教 育 を試みようと努 力が な き れ てい る もの の,
カ リキュ ラム の上で大 きな時間数を占め る臨 床実 習 や 国 家 試 験の指 定 科目等に よ る 制 約 に 阻 ま れ.
真の独 自性 や特色 あ る 教育を 推 進 し てい くこと が,
現 実 に は難しい状況にあ る、
.
指 定 規 則 改 訂 後の問 題 点として,
q
.
依 拠 すべ き教 育 内 容に関 す るガ教 育 水 準と卒 前
・
卒 後教 育23
で ド ラ インがない こ と (国 家試 験 出 題基準のみ}21
専門学 校 教 育 施 設と 大学 教育
施設 で の教 員 資 格 基 準に格 差 が あるこ と 筋.
養 成 施 設 設 置 条 件の緩 和 〔私立専 門 学 校の急
増) に よ る臨床
笑 習施設基 準の不明 確さ,
ualK
実 習 指 導 教 育 者お よ び教 員 不足、
少 人 数 教 育 か ら 多 人 数 教育へ の変化.
養 成 施,殳の地 域 的 偏 在が 考え ら れ る。
その 教育カ リ キュ ラムに か か わ る今後の課 題とし て,.
T
.
教 育 目標 な らび に カリキュ ラム の内 容の明確 化教
育
ガ イ ド ライン の作 成 〔教 育 内容の最 低 基 準の 策 定,
卒 前・
卒 後 教育
の・
貫M.
を考 慮 )a知 識
・
技 能の標 準 化 〔共 用 試 験・
臨 床 技 能 評 価の導入:14
〕教 育技 法や授業 方 法の工夫CFD
の取 り組み :】 臨 床 実 習の強 化 〔学 内演 習の 充 密,
新 しい実 習 晒 態の構 築な ど}『社 会 的ニ
ー
ズ に柔 軟かつ積 極 的 な対 応を 揚げ たし丶
こ の
IO
年 あ ま りで.
数多
くの大学や 大学院 〔修
十・
博
士 課 程〕 で 理学 療 法 教 育 が 開 始 され たこと か ら も わ か る ように.
理 学 療 法 教育は着実 に成 熟 化しつ つ ある.
、
しか し,
その・
方でい ま だ に 「教育モ デルー
や 「教 育ガイ ドラ イン」 を持たずに教 育 が な さ れて いる 現 状 は,
教 育 に 携 わ る 者の資 質や 教育 資 源 とい・
:j た問題 とは異 なっ た 次 元の憂 慮 すべ き問題である。
教育水準
を維
持し てい くL
で,
1
教 育ガ イ ドライン」 は 不 可 欠である.
,
具体 的な到達 日標の ドに,
現行の 養 成 課程の 巾で 「何 を.
どこ まで」 修 得させ る か という こ と が 明確に さ れ ない 状 況 は.
これ を喩 えるなら一
海 図 を拮たずに航 溝に出る」よ う な もので あ る。
現行の 養 成 制 度の下で
.
養 成 教 育 をで きる限 り実り あ る も のと し.
教育 水 準を高
く維持
する に は,
より現 実 的 な対 応が検 討 さ れるべ きである。 その た め に は,
まず3
年
間ない し4
年 問 で 修 得 すべき 標準 的な学 習 内容 を 明 確にした 「教 育ガ イ ドライ ン」と その学 習モ デルが提示 さ れ る 必要がある。
教 育 水 準 を均一
一
化す る こ と は、
[由1
・
的 に 教 育 が 行 わ れ ること と は意 味が 異 な る。
筆 者が意 図してい るの は,
指定教科 書を 使 用 して画・
的な 教 育 が 行 わ れることでは ない、
.
た だ し,
学 習 内 容 (範 囲) を明確
にすることは.
学 習 者にとっ ては 学 習 〔到 達:ト 日標が提 示 さ 1’
tる ことにな り,
こ れ は一
定の教 育 水 準に到 達 す ることが 資 格 条 件となる医 療 専 門職の養 成教 育では 重要で あ る、
協 会によ る1
専 門 理 学 療 法十」 制 度を例に とっ て も わ か る ように,
理学療法
の業
務はます ます 専門分 化かつ深 化 しつ つ あ る。 理学 療 法の 対象
が 拡大し,
そ れ に伴っ
て 多様 なニー
ズ が 生 まれ て お り,
し かも各
領域 で求め ら れ る知識 や技 能は年々その 質・
量ともに高 まっ て いるt
.
t
こう し た幅
広い ニー
ズに対 応 する ためには,
3
年 ない しは4年 間の養 成 期 間では幅広い 卑門 的 知 識や高 度の技 能 を 修 得すること は困 難であ り,
将米よ り 高 度 な 知識 や 臨床 実践能 力 を習 得 する ために必 要 な基 礎 的能 力を1’
分 養 うこと が肝 要で あ る、
、
その 意 味で は、
例え ば専VH
領 域ご とに.
,yts
的 到 達 目標と修 得すべ き学 習 内 容を明 確に し たL
で,
卒前
および卒 後 教 育 を 通 じて一
貫 した教 育カ リ キュ ラムの編成 が提 案 さ れ ること も 必 要 と思 わ れ る、
、
国家試 験 は 理 学療 法士の教 育 水 準 を示す つ の指 標で ある が.
他の専 門 職 と 同 様 あ く ま で も 国 家 試 験の介格は,
理学 療 法L
と しての 最低限の レベ ル が 保 障 さ れ た に 過 ぎ ない と考 えるべ きであろう 国家 試験の水 準は ともか くと し て.
養 成 施 設 卒 業 時の 到 達 目標 を どの よ うに設 定 するかとい うこと は 以前か ら議 論 さ れ て はい るもの の,
明 確 な結 論とその根 拠を示せ ずに いる のが 現 実である、
.
こ れ は臨 床 実 習に お け る到 達目標 と連 動 する 重 要 な 問 題でも あ り,
早 急に合 息 を得る 必要があろ5 ,
.
今
後は,
医 学・
医 療 制 度の進 歩 な ら びに社 会 福 祉の 充 実に 見 合っ た高 度の専門 的 知 識 と技 術 と を 兼 ね備 えた包 括 的 人 材 を 育 成し,
多様 化す る社 会的ニー
ズ に対応 す る 高 度の実 践 能力を 強化 する ため の カ リキュ ラ ムを整 備 すること が 必要であ る。
2
.
卒 前 で の臨床 教 育
一
臨床 実 習
の現 状
と今
後 の あ り方一
爆 発 的 な養 成 校
・
学生 数の増 加に伴 う 臨床 実 習 施 設・
指導
者の不足 や 実習指導
K
’
の 教育,
様々な社 会 環 境の変 化に起 因す る学生の性 格・
行 動パ ター
ン の変 化 な ど,
卒前での臨 床 教 育が 抱 える問題 点 は 多い。
中で も,
学生の性 格や指導 κ
の 経 験・
技 量に よっ て強 く影 響 を受 ける情 意 領 域の問 題 は,
スー
パー
バ イ ザー
側 か ら挙
げ ら れ る問 題 点の大 半 を 占める。
情 意 頑 域の問 題 は,
大 き く2つ に分け ら れ る.
ひ とつ は 社会常 識 に 反する行 動 の問 題であ り,
も う・
つ は専 門職と して向上 し よ う とす る意欲 の問 題 である。
前 者は.
職 場 内における 人間 悶 係を構築 す る 上 で.
また後 者は 理学 療 法に関 する知識・
技 術 を習 得 して い く.
.
[’
.
で人 きな 障 害となる,
杜 会 常識 に 反する行 動 を 具 体 的に見ると
.
!挨 拶や適切 な詩 葉つかい が で き ない1
一
遅刻 欠席が多い 」1
約 束 事が守れ ない一
な ど で あ り,
意 欲 に 問 題 が あ る と 考 え ら れ る行動は,
「自ら調 べ ない」 [質 問を し ない 」な ど で あ る.
、一
般 に 私 たちは,
こ の ような 行 動 を示 す 学 生に 「 社 会 人 と して未熟 な学生,
人 問 関係 が築け ない 学 姫」
「や る気がない 学 生,
自 己表 現にか ける学生.
積 極 性が ない学生一
な ど とラベ ル を貼っ て しまい が ちである。
そ して.
あた かも その ラベ ル が行 動の 「原 因一
で あ る かの ご と く誤 解 をして しまう。
試しに こ のよ う な会話に 意 味 が ない こ と を確 認し て 頂 き たい。
第
三者が,
「こ の学 生 さんは,
何 故,
質 問し ない の だ と思い ま す か ?1
と指 導者に問い かけた と す る。
する と,
「こ の学生 さん は.
や る気が ない か ら ですよ」 と 答 え た.
.
これ に対し.
第一
1者が1
何 故 あ なた は,
こ の学生 さ ん が や る 気 が ない と 思 わ れ る の で す か」と 再度尋 ね た.
.
その指 導.
昌は,
「.
だって,
こ の学生 さ ん は 毫 く 質 問 を し ない ん ですよ1
と答 え た一
これ は循環 論と呼ば れ る もので あ り,
私 た ち が 陥 り や すい 罠である。
原 因 と考 えて いた情 意 領 域の問 題 [や る気の無
さ ) は.
実は行 動の結 果 を 見てい る に過 ぎ ない の である、
、
やる気を 問 題にし た場 合,
一
積 榧 的に質 問 しな さい 」 など と,
強 く注 意 す る こ と 以 外 に 解 決 策 は 見 出 せ ない n 繰 り返 す 注 意は,
往々 に して,
学生の感 情的 反 発 を 招い た り,
指 導 者 と学 生の コ ミュ ニ ケー
ショ ン機 会を滅 少さ せ る、
「
情 意 領 域の問 題 に対して筆 者は行 動 分 析 学を用い た解 決 方法
を提案
し たい、
行 動 分 析 学の特 徴は,
個 人の心r
白事 象には注 目せず,
行 動 問題の原因を環境 との 相互作用 か ら徹 底 的に分 析 してい くことであ る、
、
前
述 し た ように情 意領 域の問 題 を 指 摘 さ れ る学 生たちは具 体 的 な 行 動の問 題か ら端を 発 してい るc 「や る気 」 などを生 じさせる の で は なく,
具 体 的な行動の変 容.
つ ま り 通常
我々が,
や る気がある とみ なす 行動 〔一
自ら質 問 する 行動 」な ど) を増加
さ せ ることをH
標 とする。
行 動は,
その 行24 理 学lt
,
{言」ヒデ: 第32
巻 第1写 動 が1
じ る 際の周 囲の環 境 〔先 行 刺 激1
と 行 動 し た 後の結 果 〔後続 刺 激} によっ て影 響を受 ける.
行 動 した結 果、
その彳」動 か増 加 する場 合 (強 化},
その後 続 刺 激 を 強 化 刺 激と呼ぶ、
行 動が減 少 する場
合 〔弱化
:lt その 後 紜刺
激を嫌悪剃
激 と呼
ぷ,
学生 が質 問し ない場 合に は,
経 験 的に後 続 刺 激と して強 化 刺激 が少 な く、
嫌悪 刺 激が多かっ たもσ)と推 測さ れる よ くある ケー
スとして は.
質 問し た場 合に,
「叱ら れた,
レポー
一
トを 出さ れ た一
嫌 悪刺 激) な とL あ る。
ま た,
基礎知 識 が 少 な く 「質 問が思い つ かない」〔先 行刺 激の不 足 ) 場 合に も.
Tf
動は 生 じ てこない一
行動 分 析 学では,
こうい っ た 環境 要 因 を 変化 させる こ とで,
適切な 行 動 〔質 問 行動:1 を 引 き 出し てい く すな わ ち,
共礎 知 識 が 少 ない 学 生 に は,
あ らか じ め 見 学 場 面の理 解 に 必 要 な基 礎 知 識を予 爵 させ たり (先 行 刺 激の整 備】,
以前に質 問 し た峙に レポー
トを出 され た学牛には,
不 適 切 な 質 問てあっ ても レポー
トを 出し たりしない こと を約 束する (ポジテ ィ ブ ルー
ル のcazk
,ま た
.
質
問 行 動が 出 現・
増
加し た場 合に は.
乳1
目・
賞 賛や,
成績へ の向上、
などの強 化 刺 激 を与 える.
.
質 問 数が増 加して くれば.
その増 加 傾 向 をグ ラフ 化して示 すこと もイ亅’
用 で あ る、
ff
f 的 に は,
1
た め に な るfJliva
が 得 ら れ る 」 コ ミュ ニ ケー
ショ ン の 円 滑化が 図 れ る」な どの 強化 刺激 に よっ て,
質 問 行 動 は定 着 してい く 適 切 な 行 動 が 増 加 す れば 相 対 的に不 適 切 なfJ
動は減 少する し,
そヴ)他の 行 動 〔ス タッ フ の手 伝い を 白ら進 ん で行 う:1 へ の波及的 効果も期 待できる/
.
/
今 後の臨 床 実 習 教 育のあり方と して,
1情 意 領域の教 育お よび問 題の解 決には,
行動 分 析 学 が 有効 2「青忌 領域の問 題は.
行動
のfti
”‘で あ る 〔心の内
面 に着
目 す るので は なく,
行 動と そ れ を取り巻 く環 境に注目 すべき ) 聲行 動を変 容さ せ る た めに は、1.
1
標f
亅動 を 具体 的に し.
先1亅刺 激と後でノL刺 激 を 調 節 する4
繰 り返1
れる叱 貞・
沙 章・
失敗 終 験は,
レ スポン デ ン ト条 件 づけ を 引 き起こ し,
学 牛の積 極 性 を 奪う と 指 摘,,
行 動ノ丿析 学 を 応 咀 し た 行 動 変 容の 教 育 指享
が 実 稻 教 育の あ り 方 と考え る3
.
生 涯 教 育 と 専 門 性一
現 状 と 今 後 の あ り方一
理学 療 法L
の教 育は当初3年 課 千の 専 門学 板で行わ れて いた が,
lfi
di
「匿
は4年 制大学
.
3年 制宍期大学,
吻:門tf:校 〔4年課 手i,
3
年 果1」
1.
、 でfl
われ,
その数は 170佼 を 超 え.
会 員数 も4 万 人を 超 えてい る。
初 期に は匹療 中 心であっ
た就 職 も福 祉,
行 政.
教育,
研究 機関へ と活県の場 が広が・
っ
てい る こ のような 急 激な組 織朔 大 化と会 員の年代 構 成 比 率の ア ンバ ランス に よ っ て祈たな 問 題が 生 ず ること を懸 念して い る.
す なわら,
過 去 に は希 少 価 値 も手 伝っ て,
理 学痢法1
/の免 許 取 得9−一
一
あるとい う だ け で,
本 人の一
在りh’
」は そ れ ほ ど 問 わ れ ること も な く過 ごすこと が で き た が,
今後 は 期 待 さ れ る専門 職 と して白ら 強い 問いかけ を 行わなけ れ ばならない時 代になっ てい る、
こ こ で い う牛涯 教 育につ い て は,
人 間はその 自 飢 的・
杜 会 的・k一
化 的環 境 とのか かわり含い の中で 臼己 を 形 成 してい く も の で あるだ 教 育は人 間 かて の生 涯 を通 じ て資 質・
能 力 を 伸ば し.
.
t
体 的 な 成 艮・
発 達 を 帝 け てい く トで 重 要 な 役 割 を 担って い 7.
現 代の社会では,
我々 は あ ら ゆ る年 齢 層に わ た り,
学 校 はもと よ り家庭・
職場や 地 域社 会にお け る種々 の教 青 機 能を通生
涯
教 育
b専 門 教 育
1職
場
教
育
卒
後
教
育
図41
耳教 育モ ル じ,
また各種の情 報や 文化的事
象の 影 響の ドに知 識・
技 術を習得
し,
情 操を培い 心 身の健 廣 を 保持・
増 丘す る な ど,
臼己の形 成と 生活の向ヒ とに必 要 な 事柄 を 学ぶ のである したがっ て.
}後の教 育のイ1り方を検討 す る に 当 たっ て は,
人々 の」 涯の各 恥期に お け る 人 問 形 成 上 及 び 生活ヒの 果題 と,
社 会の各 分 野に お け る 多 様 な 教育 機能 と を摎慮に入 れる こと が 必要である、
.
〔中教 審 第26回 答 申,
昭 和56年6
月ll日〕 本 協 会の⊇
LL:’
:当 初は卒 後 教 育につ いての具体的 な プロ グ ラ ムは なく,
多
くは 職場て の教 育・
研 修や 自己 学 習が 主流 を 占め ていた.
昭和47年
か ら は卒 後 教 育の一
一
貫として現 職 者 講 習 会 か各地で開 催 されるように なり,
率 後研修の体 制は徐々に で は ある が整 備さ れつ つ あっ た、
し か し,
必 ず し も その シス テム が 系統 的に構 築 され てきた と は 言え ない そこで,
会 員の知 識・
技 術の一
層の向 ヒを 図り,
国 民 保 健の lq上に寄 与する 目的で,
系統 的 卒 後研 究の.
一
一
貰 と して 牛江 学 習 〔教 育) システム」 を 構 築する事の必要性が叫ば れ て き た 平 成 元 乍,
卒 後 教 育 部 に 置 か れ た一
生涯 学i
か1
シ ス テ ム検 討 委 員会 〔当初 は 牛涯 教 育シ ス テ ム委 員勹1
で検i1’
t
され.
平 成 6年か ら 「新 人 教 有プロ グラム」〔以卜.
,
析プロ :〕か試 行の段 階に人っ た、
平成7
年
に は 生 涯学 習 部が発足 し,
平 成8
年に は,
各
都道府県
士会で新
プロ が本 格 運 営の運び となっ た,.1
専 門理 学 療 法 研 究 舳 会1
は,’
P
成7
年に諮問性閣 が 設置さ れ.
平成8
年に7研 究 部 会が誕 牛 した、
その後 平 成IO
年9
月5H に 「¢.
iLE 学 習シ ステム・
ガイ ド ラ イン」が 発 行 さ れ た 新 プロにつ い て は,
その後 見 直しか さ れ,’
ド成 13年こプロ グ ラム の 改 訂が行 われ,1
成15
年
現在,
新プロ教 本は第5版’
至っ てい る.
1
桂)’
:習システ ムの基本ト旨は,
第1に本 会 員力祈 入 会 員に 対 して.
会 員として の意 誡の高揚や 理学 療rlt と し ての基 本 的 姿 勢,
さ ら に将 来 的展望な どを提示 し.
国 民保健の 向上普及 に 寄5
.
すべ き 資 質 を 高 め る こ と、
竿O に 広 範 囲 に 及 ぶ 理学療法領 域 を 專 門 別 に 分 類 し,
そ れ ぞ れの領域で活 動す る会 員の学 術 交 流 を促 進 し,
かつ 専 門 領 域にお ける水隼 を局めるこ とである一
第3
には,
特に理 念としては掲 げてい ない が,
前 述し た二つ の 理 念の基 盤 となる大 切 な趣 旨 と して,
[ 発 的 な 学習の啓 発であ る 〔図4
専 門 牲につ い て は.
前 述のご とく理り’
療 法.
上の活 蕗す る分 野は多岐にわ たっ ており,
すべ て の領 域につ い て トップレベ ル を口指すこと は困 難である。
さら に医 療の高 度 化 と疾 病 構 造の教