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学内英語レベルの調査(

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勅使河原三保子

上 田 倫 史

林   明 人

1. はじめに  本学では全学的にカリキュラム改革を行い、平成26 年 4 月から新カリキュラム で授業を開始するというスケジュールの下、現在各学部学科でカリキュラム改革に 向けて様々な検討、準備が進められている。我が総合教育研究部外国語第一部門で はグローバル・メディア・スタディーズ学部以外の6 学部に対し 1・2 年次英語科 目(必修科目・選択必修科目)1、および全学に対し全学共通科目として英語選択科 目を提供している。今回のカリキュラム改革で当部門では、提供する全英語科目に 共通するレベル基準を設け、その基準に従って1・2 年次英語科目および英語選択 科目を習熟度別に開講することを柱とし、選択科目の大幅な見直しも提案している。 1・2 年次英語科目および選択科目の各科目には共通の到達目標を設け、現行の多 くの側面を担当教員の裁量にゆだねた運営からの脱却を図る。このような習熟度別 クラス編成を行うのに最も重要になってくるのは言うまでもなくレベル分けの手段 である。教務部と当部門で協議を重ねてきた結果、本学英語科目におけるレベル分 けは、当部門が作成するクラス分けテストの点数を基に行われることになった。現 1 本学の 1・2 年次英語科目は、学部学科により英語科目の扱いが、必修科目あるいは選 択必修科目(本学で提供される英語を含めた6 言語の中から一つ選択する外国語として英 語を選択した場合の扱い)と異なる。本学では現在これらの必修科目および選択必修科目 は学科・専攻ごとの学生番号順に編成されている。以降これらの必修科目および選択必修 科目の総称として「1・2 年次英語科目」という語を用いる。

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在当部門の役割は、極力正確なレベル分けをいかに行うかということになる。その ために我々は現在の本学在学生の英語力の実態調査を行い、そのデータを基に有効 なクラス分けテストを開発することにした。  そこで今回、我々、林・勅使河原・上田は平成24 年度駒澤大学特別研究助成(共 同研究)を受け、教育測定研究所のCASEC を利用して本学で現在 1 年次英語科目 を受講している計約2900 名中 1782 名の英語力の実態調査を行った。そして、本 学学生の能力の客観的評価を得て、それを基に、実際の各レベルにおけるクラス 数の予測を行った。現在はクラス分けテストの問題のレベル設定の最適化などの 諸問題解決のための知見を得るため、さらにデータを分析中である。本稿では今回 CASEC を用いて 1 年次生の英語力を測定するまでに至った過程について記述し、 調査の概要を報告する。(実際のデータ分析と得られる知見等については次号で報 告する。) 2. 現行制度における問題点  ここでは、今回のカリキュラム改革の動機となった現行の1・2 年次英語科目が 抱える主な問題点を述べる。  本学の1・2 年次英語科目は学部学科によって必要単位数、開講科目数が異なる が、多くの学部学科では英語IA、IB(以上 1 年次科目)、IIA、IIB(以上 2 年次科目) の4 科目が開講されている。現行のカリキュラムでは A 系列の科目(IA、IIA)は 発信力を養う科目として主に文法、作文、会話を、B 系列の科目(IB、IIB)は受 信力を養う科目として主に聴解、読解を訓練する科目としてそれぞれ位置づけられ ている。しかし、難易度や内容に関してはあまり明確な基準がなく、担当者に一任 されているので、担当教員によって同一名称の科目の難易度、内容、評価基準など が著しく異なり、受講生の不満の元となっているのが現状である。選択科目も1・ 2 年次英語科目と同様のことが言え、同一名称の科目が担当教員によって異なる難 易度や内容で開講されていることが珍しくない。(しかし、選択科目の場合、1・2 年次英語科目と異なり、学習意欲の高い学生がシラバスを基に自ら選択しているの で、不満はそれほど多くはない。)すなわち本学の英語科目は、多くの側面を担当

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教員の裁量にゆだねて運営されており、標準化されていない。  さらに別の懸念として挙げられるのは、現行制度ではこれら1・2 年次英語科目 は受講生の英語習熟度ではなく学生番号指定によってクラス編成されているという ことである2。大学全入時代に突入した今、学生間の英語習熟度のばらつきは年々 拡大し、習熟度の低い学生の増加が問題化してきている一方で、通常クラスの指導 で物足りなさを感じる習熟度の高い学生も存在し、教員の指導を困難にしている。 同時にそれは、クラスの難易度が合わない学生にとってもやはり不満の種となって いる。1・2 年次英語科目における学生間の英語習熟度のばらつきは年々拡大の一 途をたどるばかりで、何らかの手段を講じなければ、これらのクラスのいくつかは すでに一つのクラスとして運営することが困難なほどにまでなっている3。  このような現実の中で、当部門では今回平成26 年度からの新カリキュラムを提 案するまでに、現行の教務部のコンピュータシステムおよび時間割編成の制限の範 囲内で行えそうな改革の提案をしてきた。詳細は割愛するが、基礎英語特別クラス の受講条件の緩和および2 年次英語科目への新設、さらには学生の自己申告によ 2 例外的に現行の時間割編成でも 1 年次科目においてのみ「基礎英語特別クラス」という 従来英語習熟度の低い学生が多かった特別入試区分(スポーツ推薦・社会人・留学生・帰 国生)の希望者のみを対象にしたクラスがあり、そこではその名の通り英語の基礎を学習 することになっているが、様々な点で不十分である。まず、実際にクラス分けテストを行っ て受講させているわけではないので、受講資格はあっても英語力は通常クラスの学生に引 けを取らない学生が受講している場合があり、せっかく設けた基礎英語特別クラスの中で もまた習熟度にばらつきを生じさせる原因となっている。また、全2900 名程度の 1 年次 英語科目履修者のうち100 名程度しかそのクラスを受講しておらず、残念ながら英語力 が低い学生は他の入試区分にも存在することが次第に明らかになってきている。さらに、 2 年次科目にはそのようなクラスがないため、1 年次に基礎英語特別クラスを受講した学 生が通常のクラスを受講しなければならないという制度的欠陥も抱えている。 3 たとえば本稿の第一著者が平成 24 年度に担当する 1 年次生クラスの一つでは、中学生 の学習内容の積み残しがある学生から、大学1 年生として十分に学習していける学生まで 様々な英語習熟度の学生が混在し、多くの学生にとってちょうど良いレベルというものが 存在しない。そこで、本来なら四つ程度のレベルに分けたいところではあったが、苦肉の 策としてクラスを二つに分け、90 分授業の中を時間帯によって片方は第一著者の指導を 受け、もう片方はその間に与えられた課題を行うという複式学級のような指導を行わねば ならなくなった。このような指導は決してこのクラスに限られたものではない。(この他 にも授業時間外に学生を個別に呼んで指導する場合もある。)ちなみに、第一著者の当該 クラスの英語習熟度のばらつきは、今回CASEC の受験結果でも客観的に明らかにされた。

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る習熟度レベル選択案がそれであった。平成23 年度に入り、平成 26 年度には全 学的に大幅なカリキュラム改革を行い、それに伴い現行の教務部コンピュータシス テムも入れ替えを行うという本学当局の計画が明らかにされた。当部門にとっては 1・2 年次英語科目の習熟度別クラス編成を導入する大きな機会であった。そこで、 当部門では時間割編成の縛りは受けながらも、今まで現行のコンピュータシステム 下では不可能だと言われ続けてきた習熟度別クラス編成も盛り込んだ、我々が考え うる最善のカリキュラム改革案を、学内のカリキュラム改革案提出締め切りであっ た平成23 年 12 月に教務部に提出した。その後数カ月に及ぶ学内での様々な調整 を経て、習熟度別クラス編成案が緒に就くこととなった。次節では提出時から平成 24 年 11 月の本稿執筆時点までの変更を反映した当部門が提案する英語科目に関す るカリキュラム改革案を紹介する。 3. 英語カリキュラム改革案4  まず、改革の骨子を以下にまとめる。第一に、当部門が提供する全ての科目(1・ 2 年次英語科目および英語選択科目)を現行の通年科目から半期科目とする。実質 的には1 年間の履修が必要な科目や、1 年間で連続した内容を扱う選択科目には a、b を末尾に付け、内容の前半、後半を区別する。第二に、本学の全英語科目に 共通のレベル基準を設け、全ての科目をその基準に従って運用する。第三に、1・ 2 年次英語科目(英語 IID を除く)を習熟度別クラス編成で行う。最後に、学生の 1・2 年次英語科目での履修を超えた英語の学修を促進するために、「教養特別履修 (英語)」を創設する。通年科目の半期科目化以外の項目について、以下に詳細を説 明する。 3.1 英語科目のレベル基準  当部門が提供する全ての英語科目は、ヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Languages;以下 CEFR)の到達目標(吉島・大

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橋他 2002)を参考にして定めた表 1 のレベル基準に基づいて開講される。(ただし、 1・2 年次英語科目は科目自体に明確なレベル表示はなく、四つのレベル範囲をカ バーしながら三つの習熟度に分けて開講することとなったため、なおレベル間の調 整が必要となる。3.2 節参照。)  これらの到達目標を外部試験と関連付けると表2 のようになるが、実際の運用 では外部試験の成績ではなく授業において試験を行ったり実演を行わせたりして、 達成度を評価する。 レベル 到達目標 0  ごく基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接的関係 がある事柄に関する、よく使われる文や表現が理解できる。簡単で日常的な範 囲なら、身近な事柄についての情報交換に応ずることができる。自分の背景や 身の回りの状況や、直接的な必要性のある事柄を簡単な言葉で説明できる Ⅰ  対面で相手の表情を見ながら会話に積極的に参加し、決まり切った日常的状 況に対応することができる。簡単な言葉や文で自分の気持ちを表したり、毎日 の周りの事柄について幅広い説明をしたり、過去の行動や個人的な体験、習慣 や日常、計画や申し合わせを説明したりでき、一人で話し続けることができる。 Ⅱ  仕事、学校、娯楽で普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方 であれば主要点を理解できる。英語が話されている地域を旅行している時に起 こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近で個人的にも関心 のある話題について、単純な方法で結びつけられた、まとまりのある文を作る ことができる。経験、出来事、夢、希望、野心を説明し、意見や計画の理由、 説明を短く述べることができる。 Ⅲ  自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的かつ具体的な話題の複雑な 文章の主要な内容を理解できる。お互いに緊張しないで母語話者とやり取りが できるくらい流暢かつ自然である。かなり広汎な範囲の話題について、明確で 詳細な文章を作ることができ、さまざまな選択肢について長所や短所を示しな がら自己の視点を説明できる。 表 1:本学英語科目のレベル基準における各レベルの到達目標 レベル 到達目標

CEFR 英 検 TOEIC TOEFL-iBT CASEC 0 A2 ‐ 215~365 ‐ 261~465 I A2~B1 準2 370~545 34~50 466~600 II B1 2 550~725 50~63 601~700 III B2~ 準1 以上 730~ 64~ 701~

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3.2 1・2 年次英語科目の習熟度別クラス編成について  以下にまず1 年次英語科目の習熟度別クラス編成の方法を示す。1 年次英語科目 は初級、中級、上級(仮称)の三つのレベルで行われる。これらと全英語科目のレ ベル基準(0 ~ III)との対応の詳細は詰められていないが、以下にあるクラス数 の制約により、中級部分がレベルI、II を吸収する形となることが想定される。  このレベル分けでは1 年次英語科目の全履修予定者は、現行の学生番号指定に よる履修と同様に、いったん中級レベル(デフォルト)に配属される。そして、当 部門が行うクラス分けテストの点数分布に基づき中級レベルの下限・上限を設定し、 それ未満の得点の者は初級レベルに、それ以上の得点の者は上級レベルに配属され る。なお、初級・上級レベルのために用意されているコマ数は各レベル4 コマず つしかなく、仮にこれら8 コマに本学の英語科目の標準的な規模である 35 名程度 から履修者数の上限である45 名を収容したとしても、全履修予定者の 10% 前後 にしかならず、残りの90% の恐らく多様な習熟度の学生は手つかずのままとなる ため、習熟度別クラス編成の効果は限定的なものになることが予測される。しかし、 我々の今回の調査の結果を最大限生かし、限られた枠内で少しでもレベル分けの効 果を高める必要がある。  三つのレベルにおける各クラスでは、現行の1・2 年次英語科目のような担当者 の裁量による内容・レベルの決定がなされては、習熟度別クラス編成の効果も半減 する。そこで、現在当部門カリキュラム委員会では3.1 節の本学英語科目のレベル 基準と整合性の取れた形で初級・中級・上級の共通の到達目標を定め、それを基に 授業で扱うべき内容を決定していく過程にある。各レベルの共通の到達目標および 扱うべき内容に基づき、ふさわしい教材を担当教員に選択させることにより、同一 科目内の指導内容・レベルの標準化を図る。また、成績評価もこれらの到達目標を 達成したか否かで行うようにし標準化を図る。  なお、2 年次英語科目における各履修者のレベルは原則として 1 年次のレベルの 持ち上がりとなるが、1 年次科目における到達目標達成度によっては上下する可能 性がある。また、2 年次科目の内容に関しては、本制度下における実施開始が平成 27 年度以降となる(平成 26 年度入学生からの実施)ので議論が発展途上である。 しかし、現時点の当部門の意向としては、①1 年次科目を踏襲した従来の英語か、

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②社会に出て役立つことや現実社会とのつながりを強調する実用英語(TOEIC 受 験対策、ビジネス英語、プレゼンテーション、ディスカッション等)、の選択肢を 専門学部学科の教員に示し、合意の下で内容を決定していきたいと考えている。

3.3 選択科目

 本学には現在、「英会話I ~ III」、「英語 LLI ~ III」、「マルチメディア」の通年 2 単位の演習科目と、「英文講読」、「時事英語」の通年4 単位の講義科目が存在する。 平成26 年度からはこれらをレベル I から III の三つのレベルの新科目(全て半期科 目)に再編成する(表3 参照)。  各科目の詳細はここでは割愛するが、主な変更点は演習科目、講義科目とも、よ り明確なレベル基準にのっとった豊富な種類の科目が提供されるようになるという 点である。特に講義科目は従来であれば実際担当教員により様々な内容の科目を展 レベル 演習科目 (1 単位) I ・実用英会話 (日常生活編) ・ビジネス英語I ・実用英会話 (旅行編) ・英語プレゼンテーションIa ・実用英語資格試験Ia (聴解) ・英語プレゼンテーションIb ・実用英語資格試験Ib (文法・読解) ・英語多読・多聴a ・英語多読・多聴b ・ 英語クリエイティ ブ・ライティング ・パフォーマンス・ イン・イングリッ シュ II ・実用英語資格試験IIa (聴解) ・英語ディスカッションIb ・実用英語資格試験IIb (文法・読解) ・学術英語資格試験 Ia (読解) ・ビジネス英語II ・学術英語資格試験Ib (聴解・会話) ・英語プレゼンテーションIIa ・英語アカデミック・ライティングIa ・英語プレゼンテーションIIb ・英語アカデミック・ライティングIb ・英語ディスカッションIa III ・総合英語資格試験a (読解) ・英語ディスカッションIIb ・総合英語資格試験b (聴解・二次) ・学術英語資格試験 IIa (読解) ・実用英語資格試験IIIa (聴解) ・学術英語資格試験IIb (聴解・会話) ・実用英語資格試験IIIb (文法・読解) ・英語アカデミック・ライティング II ・英語ディスカッションIIa 表 3:英語選択科目一覧 レベル 講義科目 (2 単位) I ― II~III ・英語で学ぶ教養 (言語 I~VIII) ・英語で学ぶ教養 (文化 I~VI) ・英語で学ぶ教養 (歴史と社会 I~VI)

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開していたとしても、「英文講読」と「時事英語」の2 種類しか学生には異なる科 目の単位として認められなかったのを表3 のように細分化することにより、学生 は計20 種類の半期科目から選んで受講できるようになるので、選択肢が大幅に増 える。また、これらは講義科目ではあるが、座学に終始するのではなく、演習科目 で培う技能をさらに訓練する要素(プレゼンテーション、ライティング等)を交え て行い、英語で講義する科目では、リスニングの訓練も行えるようになっている。 これらの多様になった選択科目があって初めて、次節で述べる「教養特別履修(英 語)」の創設が生きてくることになる。 3.4 教養特別履修 (英語) の創設  本学には学部学科によらず、英語学習に熱心で多くの英語選択科目を履修する学 生が存在する。そのような学生の英語科目履修を機関として認知し、学生が就職活 動等に生かせるようにするため、また、より多くの学生による必修・選択必修科目 での学修を超えた英語選択科目の履修を促進するため、「教養特別履修(英語)」を 創設することとなった。認定の条件は、レベルII 以上の選択演習科目 8 単位(半 期8 科目)以上と講義科目 8 単位(半期 4 科目)以上、計 16 単位以上の履修である。  当部門では特にこの教養特別履修(英語)の創設とも関連して、外部試験(英検、 TOEIC、TOEFL-iBT)の取得級・得点による単位認定制度の創設も平成 23 年末に 教務部にカリキュラム改革案を提出した当時は考えていた。上記のような科目履修 によって修得した単位の他に、外部試験の取得級・得点によって認定された単位を 含めても教養特別履修(英語)が認定できるようにすることにより、教養特別履修(英 語)の認定者数も増やせるかもしれないし、単位認定制度そのものの創設により本 学学生が就職活動等でも評価されるような外部試験を積極的に受験することを促進 できると考えたからである。この制度は学内ですでに英検の保有級やTOEIC の点 数により単位認定を行っている学部との調整も必要であり、今回平成26 年度から の創設は見送ったが、できるだけ早い実施を検討している。

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4. 学内英語レベルの調査  このようにして、習熟度別クラス編成の正確さは今回のカリキュラム改革の根幹 をなすものであるので、レベル分けの制度を少しでも高めるために、我々、林・勅 使河原・上田は、平成24 年度駒澤大学特別研究助成(共同研究)を受け、まず在 学生の英語力を客観的なテストにより調査し、レベル分布の実態調査を行うことと した。 4.1 利用テスト  本調査では1 年次英語科目である英語 IA を履修する約 2900 名のうち約 2000 名が在籍するクラスを対象として、教育測定研究所が開発したCASEC を利用して 英語力の調査を行うこととなった。CASEC は最新のテスト理論である IRT(Item Response Theory)(大友 1996)に基づくテスト項目を利用して開発されたコンピュ ータ適応型テスト(Computer Adaptive Testing)である5。IRT は TOEIC や TOEFL でも使用され、受験者の英語能力を受験者集団のレベルに左右されることなく客観 的に測れるもので、CASEC 自体、英検や TOEIC との相関も非常に高い。コンピュ ータ適応型テストとはコンピュータ上で受験するもので、受験者が問題に解答した 結果(受験者の能力)に応じて、出題する問題の難易度を変えていくため、紙ベー スのテストに比べて受験者の英語能力をより正確に短い時間で測ることができ、受 験結果が出るのも受験直後と、紙ベースのテスト(最低でも2 ~ 3 日から)に比 べて利点がある。さらにCASEC が作成している能力ごとの Can-Do リストは当部 門がこれから各レベルの到達目標(CEFR を基に作成;3.1 節参照)を基に各科目 の到達目標および授業で扱うべき内容を設定していく場合にも有益な情報を提供し てくれるだろう。最後に、今後当部門が独自にクラス分けテストを開発していく際 には、他の信頼性のある外部テストとの相関を取り、85%から 95%との一致(相 関)が見られるまで、繰り返し問題項目の精選を行わなければならないが、その作 業を効率良く行うためには英検やTOEIC といった外部テストとも相関が非常に高 5 詳しくは以下の CASEC のホームページを参照されたい:http://casec.evidus.com/。

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いCASEC を在学生に受験させることは理にかなっている。以上のような理由から、 本調査ではCASEC を利用して在学生の英語力を測定することとした。 4.2 対象クラス  本学の1・2 年次英語科目のクラスは学科・専攻単位で編成される。習熟度別ク ラス編成が導入される平成26 年度以降もクラス編成は学科・専攻単位で行われる ので6、本調査では大学全体よりもむしろ各学科・専攻において学生の英語力のレ ベル分布を調べることが重要であった。そこで本調査では当部門が1・2 年次英語 科目を提供するグローバル・メディア・スタディーズ学部以外の6 学部の 20 学科・ 専攻に法律学科フレックスB(夜間主)を加えた 21 の学科・専攻を調査対象とした。 そのうち英語IA の在籍者数が 100 名未満の学科・専攻では全クラスを、それ以上 の在籍者がいる学科・専攻では100 名を上回って十分な受験者数が確保できるク ラス数を調査の対象とした。また、英語IA で学科・専攻混合で編成される「基礎 英語特別クラス」計4 クラスも全て調査対象とした。表 4 に調査対象とした 21 学科・ 6 本学では、専攻は文学部の三つの学科(地理・歴史・社会)の下にあり、学科とは並列 ではないが、これらの学科では専攻の枠を超えて1・2 年次英語科目のクラスが編成され ることはないので学科と同様に扱う。 学科・専攻 クラス数 受験者数 学科・専攻 クラス数 受験者数 禅 3 60 心理 3 82 仏教 3 100 経済 3 123 国文 3 90 商 4 110 英米文 3 104 現代応用経済 4 99 日本史 3 110 法律学科フレックスA 3 106 外国史 2 52 法律学科フレックスB 3 84 考古学 1 1 政治 3 106 地域文化研究 2 57 経営 4 149 地域環境研究 2 62 市場戦略 3 97 社会 2 57 診療放射線技術科 2 59 社会福祉 3 74 合計 - 1782 注: 基礎英語特別クラスの 4 クラスでの受験者数は所属学科・専攻で集計した。考 古学専攻は手違いで実際に計画した受験日に学生が受験に来なかったため、受 験者数は基礎英語特別クラスで受験した1 人のみである。 表 4:調査対象クラス数と実際の受験者数

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専攻のクラス数と、各学科・専攻での実際の受験者数をまとめる。 4.3 実施方法  本調査は研究助成の支給が決定してから準備を開始したため、調査対象クラス のシラバスが決定した時点ではCASEC の受験はシラバスには盛り込まれていなか った。調査対象クラスを決定するに当たって、各英語IA クラス担当者に連絡を取 り、授業の一環として1 回分を割いて CASEC 受験を行っても問題がないと確認の 取れたクラスを対象とした。受験はできるだけ1 年間の授業の流れに支障が少なく、 かつできるだけ早い時期に行わせたかったので、各受験者に1 台のパソコンが確 保できるPC 教場が授業の時間帯に確保できた多くのクラスでは後期第 1 回の授業 に行い、それ以外のクラスでは後期第3 回までの授業のうちに行った。(なお、禅 学科のうち1 クラスと、PC 教場がない玉川キャンパスで英語 IA の授業が行われ る診療放射線技術科学科の2 クラスは、正規の時間帯での受験が不可能だったため、 当該クラスのみ別の時間帯を設け、その時間帯に履修者を集めて行われた。)学生 には授業の一環であると担当教員に周知してもらったものの、受験は強制ではなか ったので、クラスによって受験率にばらつきがあった。試験の運営は教育測定研究 所のスタッフによって行われた。 4.4 アンケート

 受験者にはCASEC 受験後に本学 E-learning システム YeStudy 上に用意した以下 のアンケートに答えさせるようにしたが、強制ではなかったのでCASEC 受験者全 体の8 割に当たる 1427 名からしか回答を得られなかった。(回答結果は次号で報 告する。) I. 今日のテストについて 1. ~ 2. は「1 全くそう思わない ; 2 そう思わない ; 3 どちらとも言えない ; 4 そう 思う; 5 強くそう思う」から選択して回答してください。

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1. このようなテストは正規の授業の一環として行うべきである。 2. このようなテストは自己負担でも定期的に受験したいと思う。 3. 2. で 4、5 と答えた人は、いくらまでだったら自己負担で受験したいと思うか 金額を答えてください。 II. 英語学習について 4. 下記のうち、あなたが英語を学習する目的に当てはまるものを全て答えてくだ さい。 洋画、テレビドラマや洋楽を楽しむ 英語で文学作品を読む 英語のインターネットサイトを読む 英語でニュースを理解する 外国人と友達になる 海外旅行で困らないようにする 英語の資格試験(英検、TOEIC 等)を受験する 将来英語を使った仕事に就く 就職活動を有利にする 世界の共通語だから常識として 大学外(アルバイト等)で英語を使う必要がある 卒業に必要な単位取得のため 5. ~ 9. は自分の英語力を高めるため、授業で練習・勉強する必要性の度合いを 「1 全くない 2 あまりない 3 必要がある 4 特に必要がある」のうち一つを選んで 答えてください。 5. リーディング 6. リスニング 7. ライティング

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8. スピーキング 9. 文法 10. 1 週間に授業以外で英語学習に割く平均時間を教えてください。 11. ~ 14. は、英語資格試験について、試験を受けたことがある人のみ、取得級 や得点を教えてください。TOEIC、TOEFL のスコアははっきり覚えていなければ、 だいたいの点数を答えてください。 11. 英検取得級(うち最も上の級) 3 級以下 準 2 級 2 級 準 1 級 1 級 12. TOEIC の取得点数(過去 2 年間の最高点) 13. TOEFL-ITP(ペーパー形式団体テスト)取得点数(過去 2 年間の最高点) 14. TOEFL-iBT 取得点数(過去 2 年間の最高点) 5. おわりに  本稿では平成26 年度からのカリキュラム改革に伴い習熟度別クラス編成が導入 される1 年次英語科目のクラス分けテスト開発のため、教育測定研究所の CASEC を英語IA 在籍者 1782 名に受験させる調査を行った経緯を、今回のカリキュラム 改革案の決定に至るまでの経緯も含めて記述した。今後新カリキュラムの開始まで の間に当部門では共通の到達目標の設定などの細かい作業や、最も大きな問題の一 つとして実際のクラス分けテストの作成が残っており、そのためには今回実施した CASEC のデータ分析を急ピッチで進めねばならないところである。(実際のデータ 分析と得られる知見等については次号で報告する。)本調査の結果が本学の英語カ リキュラム改革に生かされ、改革が少しでも良いものとなるよう引き続き邁進して いきたい。 参考文献 大友賢二(1996)『項目応答理論入門』大修館書店 吉島茂・大橋理枝(訳・編)(他)(2002)『外国語教育Ⅱ―外国語の学習、教授、

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評価のためのヨーロッパ共通参照枠』朝日出版社

Council of Europe (2001). Common European Framework of Reference for Languages:

Learning, teaching, assessment. Cambridge University Press.

謝辞  本研究は平成24 年度駒澤大学特別研究助成(共同研究)の支給がなくては行う ことは不可能でした。ご支援に感謝いたします。PC 教場の確保や試験当日の運営 にご協力くださった総合情報センターの皆様にも感謝いたします。そして忘れては ならないのは英語IA の貴重な授業時間を CASEC 実施のためにご提供くださった ご担当の諸先生方および授業時間外に実施するために受講生への周知徹底にご尽力 いただいた仏教学部および医療健康科学部の先生方です。大変感謝いたしておりま す。また、各授業の受講生のみなさんにも感謝いたします。最後に当部門の英語カ リキュラム改革案のために貴重な議論を重ねてくださった本学全ての部署の皆様、 そして本学の教育のためにいつも真摯に取り組んでくださる教務部の皆様に感謝い たします。

表 2:英語科目各レベルにおける到達目標

参照

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