香川生物 3:19¶20(1967) 19 メダカのたたかい行動に及ぼす生殖腺除去の影響 織 野 末 夫 高 松:f†了 立 桜 町 中 学 校 昭和38年11月11]受領 メダカでみられる行動で,88または,99の2 脚体社会では,たたかい行動が認められる.また, そのとき,体色も変化することが知られている.(1, 2,4,5) ここでは,メダカの性腺をl独去することによって 86,??二組のそれぞれ2個体社会でのたたかい 行動およびそのときの体色変化がどのように影響さ れるかを調べた. 方 法 材料1961,5∼9,械水に棲息していたメダカ 6、?それぞれ約200†蟄捕狂したものを水道水でⅧ一 週間糾を与えて飼育し,永附(3)と同方法で生殖腺 除去の手術をした.この手術したメダカ8,9それ ぞれ20個体を1∼5ケ月間餉を十分与えて飼育し, 1個体ずつ72∼75時間糾を与えず隔離した. 装置および手続き1961,10.7,8,9の3椚軋 無色 透明なガラス水槽(10.5×11,5×18cm)のト ニ左右 にスリガラスを立て,24時間以上くみ置きされた水 温250Cの水道水を入れ,あらかじめ大豆大のイト ミミズ塊を糾として投入しておき,隔離されたメダ カ88または,?9の2個体を入れて直ちに観察を 始めた. 観察 小さい穴をもったついたてを立てて,穴か ら観察し,観察時間はどの場合も30分間である. 結 果 2個体社会での優劣行動の決定力法ほ長谷川(1) と同様である.68,??の組合せで各10例ずつ観 察した結果ほ表1に示されている. 表l優劣行動の決定したものを○恥 認められないものを×印. 禰 組 (6 8) (? ?) 1】2【3【4【5【6け‡819
追糀
88またはノ,.??の組合せ10例中,それぞれ3例 だけ優劣の順位が決定した. 88組の4,7,8および??組の2,3,10に ついて解剖した結果ほ,組合せのうち,両者また は,優者の方がいずれも手術不成功で生殖腺が完全 に除去されておらず一部分が残っていた(図1). 囲lメダカ精巣の比較 A‥iE常 B=去性不完全 C‥去性完全 D‥消化管 優劣の行動が決定したもののうち,手術不成功であった個体ほ,たたかい行動においていずれも 体色が濃くなった.OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
織 野 末 夫 20 化ほみ.られなかった2 手術不成功であったメダ カは正常な個体と同様で,とう争行動および体色の 変化が認められた. 文 献 1)長谷川恵子(1961)メダカのたたかい行動と体 色変化の関係,第35回,日動心学会,四国例会 2)宮川猛(1959)メダカの二個体社会におけると う争行動の実験的分析 香川生物2:27−・28 3)永田義夫(1934)メダカにおける生腺別出実 験,動物学雑誌 46:293−294 4)小野嘉明・植松辰夫(196・3)メダカのたたかい 行動と体色変化 金沢大学理学部付属能登臨海実 験所年報 き:1一4 5)佐藤泰仙(1962)メダカのたたかい行動と体色 変化におよほす性腺別出の影響.未発表 この研究に.際して,ご指導協力下さった香川大学 生物学教室の小野・植松両先生をほじめ,佐藤・広 瀬の両君に厚く御礼申上げる.. 考 察 メダカの生殖腺除去手術は水温が300C以上であ