125 第10巷第2号(ユ.959)
かんがい用貯水池の堆妙に関する研究
Ⅸ 貯水池の密度流について(その5)
艮 八 郎 ゴ= FコStudies on the sedimentationinirTigationalreservoirs
ⅨOnthe density currentin reservoirs(5)
HacbiI6KIRA
(Laboratory ofAgriculturalEngineering)
(Received November12,1958)
(3)調査結果の総括 以上約1カ年前後9回にわたる神内上池における水文調査,水路観測,水剖学職場昭あるいはSediment調査なと についてその概要をのべたが,これにもとづ 流100・ き沈澱堆積と関連した神内上他の理化学的特 性について,山口貯水池や,千苅貯水池その 他従来の研究結果を参考にして−総括的考察を 進めてみよう. (a)水文事頓について 川添観測点に庖ける観測期間中の水文事 項についてほ,観測どと.月別水文調査図と して,それぞれ第12図(1957年4月),罪20 園(5月),男27図(る月),節54図(7月), 滞42図く8月),男51図(9月),第58図 (10月),軍占る図(11月),滞る7図(12月), 解る8図(1958年1月),第占9図(2月),罪85 図(5月)に示したが,いま月別に.それぞ れ降雨,流出率,貯水池流入水圭迂と濁暦乱 流入水温,気温などについてその周年変化 をまとめたのが男92図である。 先ず流亡土砂の主原因となる降雨条件に・ ついてみると,大体winterdry,Summer wetの傾向を示すが,期間Iヨ1とくに7月と. 9月に.降雨長のpeakを示し,したがって 貯水池流入水鼠や流入浮遊土砂邑もこの頃 peak をなしている.そこで降雨の性格を 当神内上池流出率調査貴料(64)を参考にし て検討してみよう・先ず年雨鼠は,第17衷 に示すように1954∼1957年平均(本流城中 る槻測点の平均年雨足)で15る4。9mmとな り高松のそれ12848mmに.比較して若干多 く,また流域内では奥地(天神,標高500m) 00 ∽ 亜 刀 0 ㌔流入濁管見︵kg︸ SO 1 1 ヽ 降雨日数︵エ芯 30 2S 二11 L「 10 0 IV V 11 Ⅶ \皿 Ⅸ ヌ 氾 氾 I llln 1957 19認 罪92図 川添観測点における水文事項の月別周年変化 (1957年4月′・】1958年5月)香川大学農学部学術報告 126 はど大となる傾向を示し,大概的にみて一山地雨屋が 平地雨畏より多いことが一応考えられるさらに月 別降雨の季節的分禰(第95図参照)をみると,梅雨 期(る∼7月)や台風期(9月)頃に月別降雨の peakが出現する傾向を示している.また月商鼠を みると,本流域流出率調査期間中最大は,向坂(測 点R6)の約95mm(195る年9月2る日)で本調査期間中川 添(測点R¢)叔大は55mm(1957年10月る日)程度で あり,香川県内既往最大日雨昆5505mm(綾歌郡滝 第17表 流域の年雨鼠 地域l神内上池 高 松 Imm 15d4..9 14る7.2 1015..5 1199.1 12848 1る85,.0 1228..る 1258,1 1289.8 1954 1955 195る 1957 平均】15る4,9 官,大正7年 9月14日)に 比較して極め て小さい.い まその日雨量 脚一耶 川W 瓜γ 水 流 出 郷竃︶ 平均汎山′折(1954∼1957)) 仇 J︵て︶ 誠 叩 25 20 15 氾 S O の頻度分布 (罪94図参照) をみると当流 域では日南騒 き∝) 20mm以下の 匪 降雨が約87%.ゎ鱒 を占めて−お エ 巴巴100 り,流域表土 の流亡搬入に 0 田誹…購 由細相田這(19S。∼1957, 1 2 さ 4 6 6 ツ 8 9 10 111a 月 別 階級別首雨墨(mm) もとづく貯水 池堆妙による 第95図 神内土地流域におけ・る降雨,気 野ヲ4図 川添観測点におけるEt雨鼠および[1平均水 温および流出率の周勾三変イヒ 位の頻度分布 埋没トラブル ほ,頻度の小さい他の特定降雨によりて決定されることに.なろう..この際堆砂給源となる土砂の流亡ほ,降雨強度 の影響著しく,筆者の傾斜150,裸地(花崗岩風化壌土)における2カ年にわたる土壌佼蝕試験の結果岬〉によると, 限界l嘩雨強度ほ約2mm/10minと判定され,士壊佼蝕を支配する降雨の鼠的並びに貿的両園子を考慮したところ Es=0…000055P15り171 】革監 ここにE8:土壌佼蝕故(ton/ba) P:日雨鼻(mm) Ⅰ:降雨強度(mm/br・,日最大10分l耶帖鳩胸間敵削班媚したもの) ⅠpEs=0290ヰ袷(l啓雨昆と流亡土が靴瀾係数) Ⅰ−ⅠEs=0841場鬼瀬(降雨強腰と流亡二L二の単相関係数) rp.Ⅰ=0518糊 (降l渦遥と降雨強度の単相渕係数) RpIEs=0842舶袷(降雨星漁び濫憐簡強度と.流亡土の剥こ日関係数) n=99(測定回数)、朋:P=0.01,耕キ:P=0001で統計的に有意 の,より適合する実験式とし・て123I式が得られたが,ちなみに本調査期間中の主な降雨(原則として50mm以上)の 強度をみると,第18表のごとく10分間最大10−5mm,50分間最大190mm,1時間最大285mmで相当強度大であ り,その他50mm以下の降雨をみても限界強鞍2mm10min以_I二の侵触件抱防哨価が梅雨期や台風期を中心とする 限都.佼蝕期に頻発しており,相当多逼の流域表⊥が流亡して∴神村上池に搬入されたことが推察せられる
第10巻第2号(1959) 第18表 ユ27 観測期間紅おける主要降雨の降雨強度(川添観測点) 降雨強度 50分間最大 (mm/50min) 1時間最大 (mm/hI) 目 鼻大 (mm/day) 緑雨毘 (Inm) 備 考 1957年4月19∼20日 〝 5月4∼8日 ” 5月19∼20日 〝 占月2る∼50日 〝 7月1∼5日 〝 7月17∼18日 〝 7月25∼28日 〝 8月25∼24日 〝 9月5・}7日 ” 9月15∼1る日 〝10月5ハ)7日 以上の降雨流出状況をみると(第92,95図,男19表参照),一・般に降雨強度大なる場合ほ,その総降雨星少いのにか 第19衣 神内上他流域の流出率(年間およびかんがい期,非かんがい期の流出率) 神内上池流域長期 坪均流出率 28.占J ∼ 59‖91 J57.4′(1954∼1957年) ※:る,7,8月 ※※:9,10,11,12,1,2,5,4,5月 かわらず流出率が比較的大きく,逆に総降雨慮が極めて多昼であっても,降雨強度が小さくて長時間にわたるような降 雨でほその流出率も小さい傾向が認められ,かくして流出率ほ季節的変動を示すことになるが.当流域の長期(1944 ∼1957)の年間平均流出率として57.4%が得られるしかして貯水池への流送土砂畳ほノ,流出率よりもその流出貴の 大小に偶係深いことほいうまでもなく,川添昂水堰における」いド均水イ立の頻鑑分布(第94図)をみると,水侍0小10m 以下の場合が約80%以上を占めており,その平水栓が0′05∼Dl1Dmす]近にあることから,降雨抗の場合と同じように 特定なる高水位や洪水イ立の瞭における流星が問題になってくるだろう,この流景と浮遊二l二砂鼠の関係についてほ項凌 新たにして検討したい.. その他貯水池水温や各水貿項目と.関連ある気温や流入水温の月別周年変化(節92,95図参照)をみると,流入水温 も気満と同じように8月頃を山,1月頃を谷とした周年変化を示すようであるが,その9時観測値によると流入水温 は気温よりやゝ低めで流入している
香川大学農学部学術報薯 128 (b)沈澱阻上率について 一厳に貯水池における沈澱阻止率trapefficiencyを規定する要因としては,貯水池年令,貯水池形態,貯水容 鼻Cと流域面砧Aの比(C/A),貯水容鼻と,年間流入量Ⅰの比(C/Ⅰ),流出ロの型式とその操作方法,沈澱物の 粒径分布特性,密度変動に伴う水理条件などが挙げられているが,この渦濁貿阻止率ほ四季を通じて能力が一億で なく,通常1年またほそれ以上の単位を期間として比較検討されている近年アメリカでほ.,前述C/A比により て阻止率EIを表現する方法とC/Ⅰ比によ/つて表示する方法が発表されている・・たとえほBROWN(16)ほ,貯水池実 測54資料を用い,ほじめてC/A比と阻止率翫の関係を第95図のごとく明らかに・し,次紅示す囲式を提案した・ 100
Er==100ト玉■〕
凋
阻8。 ここにErほ阻止率(%),Aほ流域面積(Squaremile),C 止 GO は貯水容認(acIe ft・),:Kは常数であり,その範開として 率 Kmax=1り0,Kmin=0..04る,Km。an=0.1を与えているが,こ.ET40 ●身中内上弛 OB「川傾斗 8 0 貌∫ ロ れをA(Km2),C(m$)なる単付の場合に換算すると,それぞ れKmax=0“0020997(幸00021),Ⅸmin=0.00009る5(幸0,0001), Km。an=00002099(幸000021)と.なるその他BoRLAND(6¢ニ ほImperialDam ReseIVOirに対して滞流時間(日)と附止率 25 50 7!; 川0 125 1SO 175 200 C/A の関係について,またCHURCHIu(67、はTVA関係の貯水池 第95図 BrownのEIMC/A曲線に・よる 閉止率の照査 群に対して,貯水池内の滞流時間Tと平均流速Ⅴと.の比(T/ Ⅴ)と阻止率Erとの関係について検討したが,BRUNE(88ノは,沈澱他の場合に・よく用いられている滞流時間軋相当 する前述C/I比(C:貯水容認,aCreft.,Ⅰ:年間流入鼠,aぐreft・)と閉止率ETの関係を検討し,C/A比 の場合より,より相関が高いことを明らかにして.いる1・そのうち普通の人工的貯水池の40実測質料についてEr− C/Ⅰ関係を図示したのが界%図である… このdiagramは,C/Ⅰ比が長期間にわたるretaintiontimeの平均をあ 2 3 4 S 67(19 100 90 8〔) 70 60 50 阻 」上 率 亜 El、〕J% 20
10 0 OOO1 001 01 1C/Ⅰ比〔(a霊甥%流入餉Cre.ft)〕
第9媚IB工・uneのET・C/Ⅰ曲線による阻止率の照査 らわすという点,あるいほdataが相当広範囲にわたり集められている点からみて相当信頼度高く,応用性のある ものと考えられ,しかもC/A比と異なり,C/Ⅰ比ほ.無次元鼻糞示であることも都合がよいわけである これらの結果について若干検討してみよう.筆者(12)もわが国発電用貯水池の堆砂別当を・もとに平均年堆砂率RB (%)を推定する実験式算出にあたりて,承水係数fa=C/A(C:貯水各鼠m8,A:流域面臥m2)および貯水率R。(%)=‡×10。(C‥貯水容乱m8,Ⅰ‥平均年流入軋m8)なるfactoI・を導入して,桧5)および位6一式紺出し
たが,この際第10巻第2号(ユ959)  ̄045 Rs==Ⅹ(÷) 129 ここに.K=常数(mean Ol17) Rs=K(竿) ̄040 ここにK=常数(maxてL27,mimロー.52,me8n289) fa並びに.Rcと平均年堆砂率Rsと.の相関々係ほ,前者で工=一月.270鞠(供試貯水池n=101),後者で工=−0…5占7舶 (n=る4)となり,それぞれP=001で有意な逆相関を示ずが,この両者を比較すると貯水率Rc採用の場合の方が その供試貯水池数異なるとほいえ,より高い相関があること.がうかがえるこの際聾者の平均年堆砂率Rβは,流 入土砂の堆積によってその貯水容量が減少するパーセントを示すものであり,また阻止率翫ほ,流入淘濁質中で 貯水地内に.沈滞抑留されて堆砂部分となるパ−セントを示しており,その意味が少異なるが,これらと.対応させた faと.C/A,Rc(C/Ⅰを百分率で示したもの)とC/Ⅰほそれぞれ同じものである…そこでC/A比がもし同じ値で あると.しても,流域単位面贋当りの降雨鼠にほ相当買・の差が生じ,よりで侵蝕運搬される土砂最も相当異なるほず で,もしC/A比とErの相関をと.り図示すると,その分布ほ当然曲線の周りに若干扱がりをもつこと.になる・これ 紅対してC/Ⅰ此とErの関係では,合田(4)が,浮遊物輸送理論や沈澱池の理論における沈澱除去率と理論滞留時 間の関係を例に.とって:説明されているよう紅,ET…C/Ⅰの相関は,流亡土砂の性繋がParameter となってある 巾をもつものと了解され,Er∽C/A相関図庭比較すると,その理論的根拠の点で勝.っているものといえよう. 要するに貯水池における浮遊濁貿の沈澱阻止率Eでは,地形並びに.季節的諸条件に.左右されその解析が困難とさ れ,また一種のREYNOIDS数と.考えられる無次元昂たとえばRw=W王l/e,Rn=uIl/eなどの要素について検討がな されて−おらなく,沈澱能率予知の問題ほまだ緒についた状態であり,わが国ではこれらに関する食料がはとんど見 当らない.警吏名ほ現在の段階でほ,流域状態や降雨昂があまり変動しない限り,年間や季節の平均的閉止率ほ大体 一定であるから,Brほ主として二C/A比あるいはC/Ⅰ比に左右されるものとして,当神内上地で実測した流入瀾 濁貿慮と沈澱鼠をもと.に阻止率を推定し,前述BRtJNEのEで軸C/Ⅰ曲線あるいほBROWNの苫T−C/A曲線(ま たは24式)で照査してみた さて実測dataであるが,前述の沈澱毘観測期間別すなわらA期間(1957年7月2日∼8月7日,57日間),B期 間(8月8日∼11月1日,鮎日間)紅おける流入濁野並び紅沈液妄むをまとめたのが男20衷となる∧ 節20衣 実測蟄料による神内上地沈淡阻止率の推定 流 入 淘 野 蛮 沈 澱 琉 期 間 仝沈澱景(g/m9/pe【iod) (g/mg/per′iod) (Qs) (g/peI■iod) (g/m2/day)
弘/苧偲..督一習。.㌘
A (1957年7月2日 ∼8月7日) B (1957年8月8日 ∼11月1日) 45占,る58,010 5,292‖58 1,05占..dO 145い04 占7占る5る 1.127.242 (5,544い594) 70,457,占5占 597..dd4 59d…49d (1,908‖占28) 沈 泄 昂 阻止 率ET (%) 日沈澱設(g/m2/day)訂苧丁訂亨丁訂訂義
期 間 測点Nol4の()内dataほ,No.1, No2dataを参考にして7月2日∼‖ 月1日に.わたるdataを比例配分した一 阻止率ほET=100Qd/Qs田切式紅より推 定. A (1957年7月2日 ∼8月7日) B (1957年8月8日 −11月1日)香川大学農学部学術報告 130 この際流入濁禦の冥†定は,1957年7月以来川添還水堀で毎日観測している流入濁度T(ppm)の他を用いて,前述 の粉末庶係数n==0908により浮遊物贋澱度C(ppm)=0908Tを言闇し,川添流通曲線式r8Iにより求められた流 貴q(m8/day)中に含まれる流入濁貿藁qs(g/day)を算定した・またこの際各期間別の総流入濁野鼠∑qs(g)を 期間中平均貯水イ立H(m)にもとづく平均水面積Aw(m2)で除した伯Qs(g/m2)=∑qs/Awを求め,流入濁貿鼠 を貯水池の嘩棲水面積当りに換辞して実測沈澱環に対応させたこの際の沈澱嵐ほ・.沈澱箱によるもので測点No 阻土勤王土9軋 1,No2およぴNo4なる5札的単位面積当り平均佃Qd(g/m9)=を用いた‖以上のごとき実 5 測dataにより沈澱閉止率ET(%)恕抑式から算出した。.その結果によるとA期間(7月2日∼8月7日,57日間)で Er=100Qd/Qs 閉 はEr=55占8%,B期間(8月8日∼11月1日,8る日間)でほ翫=9554%となり相当季節的の差が認められる これは7∼10月にわたる各水文調査図(罪54,42,51,58図参昭)や第20表でわかるように,A期間(と.くに7月 頃)は降雨強度大なる降雨が頻発したため,流出鼠や流出率大となり,その貯水池流入鼠をうると全観潮期間を通 じてmax値(7月平均51,947m8/day)を示したしたがって流入濁栗鼠もmax値(7月平均14,085,701g/day) を示し,その貯水倖もはとんど余水吐を0Ver flowする結果となり,しかもかんがい期で樋管による取水も多か ったため,流入した濁繋がそのま」densityunderflowとして堰堤に透して通按構管に・より放出され,あるいほ 上げによるはい上り渦濁流と.して余水吐からそのま1放出されたため,trapefficiencyが極端に/J\さくなったも のと考えられる.この現象は7月18日の豪雨時(0VeIflow約2m)に頂著で,はと.んどこの時の濁貿の流入流出関 係が,貯水池の沈澱埋没トラブルを軽減したことになろう 次にB期間についてみると.,A期間に比較してその期間が2倍以上(88日)であるが,降雨量,流出水星などは 小さく,貯水池流入水鼠の日平均をみると約%弱となり,したがって流入濁貿昂も平均1205g/m2/dayと.なりA期 間のそれ(145.04g/m2/day)の約与io程度となっており.さらにかんがい用水としての取水や右岸側取水隠道施 工のための放水に.よりて,期間中はとんど余水吐よりの0VeI董lowがなかったので,流入祝賀の抑留がはとんど完 全に行われ9554%なる高い他を示したことになろう さて以上実測値濫よる阻止率ETの推定値中,特定降雨な除いた大体8∼10月にわたるB期間眉輝「を採用した場 合のET傭を,前述BR。WNやBR。NEによる各曲線で照査して牒J5…先ずBROWNに.よる〔2航弐でC/A= ≒88.145と.なり,係数K=0.1(平均値)を・採用すると次のようになる(第95図参照)
ET=loo〈1−−て了了㌶酢町〉
=8971(%) またBRUNEのETレ⊃C/Ⅰ曲線によると,C/Ⅰ=←−ヰ0244となり,これを那俳挿入してETな求 めると神内上池の場合,その中央曲線から大体EI≒94%と推定できる.この際各単位ほ原式や原曲線によるため 原単位を使用し,年間流入昂Ⅰとしてほ,神内_ヒ他流出率調査に・おける過去5カ年(1954年10月′・・ノ1957年10月)平 均の年流出昂′5,115,579m8(5カ年平均日流入景8,55るm8/day)=1187255る9acIeイt,貯水裾妄ほして儲」二彼の 値C=759,125m8=289.27976acre−ft,流域面砧と.してA=85km2=528185sq小mileを用いた 以上の照査によると,実測資料によるET=9554%はBROWN式によるET=89・71%とBRUNE曲線に.よる EI=94%の問にあり,しかもその信頼度高いBIune曲線の佃にはゞ近似することから,当朴内上地底.おける沈派 阻止率は,特殊な場合を除いて大体90∼95%範囲であることが推察でき,しかもアメリカ各地貯水池を対象と.した こ.れら質料も,わが国貯水池の場合よく適合できると考えられる (C)流昂と貯水池流入土砂昂・の関係についで 流域表土が二l二壌佼蝕に.よって河川に搬入され,河水の流下にともなってその二卜砂が輸送されて最後に貯水池内に 流入椎潰する過程について考えるに,その運動型式として浮流によるものと掃流によるものがある,前者の迎動を 起す原因は流水の乱れによる拡散現象であり,後者の通勤の原因ほ流水が砂粒に及ぼす流れ方向の抵抗力である さて貯水池堆砂描を決定するものほ,主としてこの浮流並びに掃蘭土働慮の多少によるものであるが,以下この間 題について実測dataをもとに若干検討してみよう 先ず浮遊による土砂流送の問題であるが,これは,乱れた流水中紅ある微細な土砂が,浮遊現象,すなわち割れ による速度変動の存在が原関して渦動拡散現象として輸送されることであるいこの問題に関する理論並びに実験的 研究は0′BRIENをほじめとして速水,RousE,VANONI,合田,lsMAIL,EINSTEIN,CHIEN,椿,LANE,13ユ. 欝ユ0巻第2号(ユ959) KAlINSKE,田中などによりなされておるが,現段階としては.,カルマン常数だの変化,渦動拡散係数Dzと渦動粘 性係数eの関係,浮遊土砂潰題Ca(底部からa距離の)や乱流中の沈降速度Voの評価,三次元流れをこおける基礎 方程式の解法あるいほ混合土砂の取扱い方などの未解決問題が残されている、以上のごとき理論並びに実験的な面 からの検討ほ別な機会にゆずることにし,今回ほ大衡的に川添墨水曜における流罷並びに濁度実測、dataをもとに して,神内上池流入浮遊土砂屈服属す−る実験式を算眉 10 2 3‘56789 2 3 4S678 2 3 5 6ク8 9● してみた この際前述したように,1957年7月∼1958年5月に わたる流入髄質T(pPm)の侶を用い,粉末度係数n= 0908によりて浮遊物貿濃度C=0908Tな引算し, 流星曲線式L8)により求められた流還Q(m3/day)中に 含まれている流入浮遊土砂罵 Qs(g/day)を算定し たhいまこのQsとQの関係をlog−log graphに図示し たのが第97図であり,これから(27)式のごとき実験 式が求められるいまこのQs=αQllなる実験式にお Qs ′→ヽ ton / day 、 _/ Qs=αQn =28×10 ̄10Q210 (27) Qs:浮遊土砂量(ton/day) Q:流星(m8/day) ( ここに ける係数α,nについて,他の実測資料と.比較してみ. ると,STRAUBのMissouIi河での実測でほα=50.4 ×10pll,n=2.16,CAMPBELL,BAUDERのRed河 における実測ではα=9。5×10 ̄9,n=205占..またわ が国での実測でほ斐伊川でα=0い011、n=192(kg, m,SeC叩イJJ),肘属川でn=22,信濃川旧川でα= 0007,n=192となっている(¢9).また吉川博士(70) がこの関係軋ついて理論的に検討した結果濫よると(28) 式のどと.き実用公式で示される qs=α−−LqB醜ほ・Qs=α′LQ2 但8} H:水深,A:河蹟 q,qS:河川申相巾当りの流掃および浮遊
」二砂環, α,α′:比例係数
ここをこ 以[によると河川一・定地ノく■iにおける浮遊土砂毘Qs Q(m8/day) ほ河川流量Qの仁1乗に・はゞ比例するものであることが 卵7図川網水脚乞おける流揺と浮遊土砂量の関係 わかり,筆者の場合n二2.1も芸当なものと考えられる.そこで12獅もによりて一応川添持水堰実測流星Qから神内上 池流入の浮遊二l二砂鼠Qsが拙計され,これに前述の沈澱阻」上率ETを併せ考えると,神内上池埴働凝(浮遊沈澱鼠 のみ)の予知が可能となろう 次に貯水池の堆砂絵淋にほ,以_上のどとき浮遊による土砂流入の外に.掃流による土砂流入環があるが,これら掃 流土砂二「nこ朋する研究もDUBoYSが始めて以来,SHIELDS,椿,EINSrEIN,佐藤,吉川,KALINSKE,STRAUB, GILBERT,ScHOKLITSCH”CHANG、永井など幾多貴雇な報告がなされている.e:.の際実際河川における掃流i:砂 最を大概的に.みると,一・窪地点における掃流_ト砂投QRほ(2剖式に示すごとくはゞ流.品に比例することが認められて Q技==βQO9 位9) QB‥ 掃流土砂二駁 Q:流rポL,β:比例係数 ( ここに おり69),これを前述の浮遊二1_砂甜28任じと併せ考えると一・定地点での全流砂㌫Qrは(30)式で表わすこと.ができるす香川大学農学部学術報億 ユ32 なわち流鼠少い場合ほ流恩にはゞ値線的に比例して増加し,その大部分ほ揃流土砂昂であるが,流量増加に従って
QT=αQ2・βQO9
はゞ流鼻の自乗紅比例しで増加し,その大部分は浮遊土砂愚と.なることになろう さてこの際の締流土砂量と.浮流土砂鼠の割合であるが,綬流河川や貯水池入口などにおいては罪21衣(71)に示す 第21表 河川における掃流鼠と浮流琵の割合 ア メ リ カ 備 考 lう:掃流土砂鼠 Q Qs:浮流土砂設 リオ グラン トサン・マー リヤル地先 1:る 1:511:5小511:4…1 ごとく浮流土砂儲が掃流土砂鼠より多いのが普通と.されている.いま第5報(叫に示した神内上池に應ける過去の堆 砂屑理調査結果によると,明瞭な揃流並.ぴに潜流物貿屑の互屑が認められ,この結果から貯水池流入の掃流土砂鼠 と.浮流土砂盗の割合む推定してみると.,第㌶衣に示すどとく大体Q上手ニQs=1:122の割合となる.この結果は,上 界22表 神内上池堆砂屑理(掃流物質屑および浮流物貿屑)による締流量と.浮流星の割合の推定 浮 流 物 質 屑 Qs ′ ノ′\− ・、 流側A点から中,下流側B,C点なる5断面に.おける旧河床上残存堆砂の討28屑理について調査したものであり, 当流城から天満川渓流により神内上池に.搬入された過去の掃流土砂放と.渓流土砂量の比率を割合適確に示すものと いえよう.すなわち天満川渓流でほ河床勾配が相当大きく,その流量ほ前掲(第21衷)大河川のととく大でなく, また堆砂層理中綿流物質屑の粒皮をみると,花崗岩風化の流域表土と同じように・はとんど0105∼20mm程掟にわた る粗砂∼礫からなっていることなどから,掃流土砂の占める割合が他の大河川に比較して相当大きくな′つており, この場合,掃流土砂量Q月と浮流土砂墨Qsの割合が,大体同程度とみて差支えないであろう・ (d)流域表土と堆妙についで 筆者はかって当神内上池紅おける過去の堆砂鈴簡分布に.ついて調査し,性格の全く興なる浮流物貿屑と揃流物質 周が互周をなすところの明瞭な堆砂屑理を発見したが(21),この成因は,かんがい用貯水池なる故,主として取水 による貯水伯変化に.もとづくものと.考えられるすなわち減水期にほ流入点が逐次前進し,この際豪雨による洪水 があると,渓流に.よる底流砂が,主として増水期に沈澱堆精したレルトやコロイド粒子からなる浮流物質層を遂次 被覆しながらこのtop・Setlayerがある限界点虻で前進し,もし完全に落水の際は旧河心に沿って堰堤付近まで締 流砂が遊ばれ,掃流物質層な形成するに至る… また増水期に洪水があると,このtop・Setlayerが背水部となり掃 流力が漸減するとその前進が止り,今度ほV)L/トやコロイド粒子からなる浮遊物盟の沈澱が始まり,tOp−Set beds 下流側の池内全域にわたって,いわゆる浮流物貿屑の堆積が行われ,かくして洪水毎浮流物質層の累租がなされ て,浮流物質屑に徴屑理を形成するに.至ることになろう・このように・,貯水位の上下と洪水の関係で浮流並びに掃 流物質屑が明瞭な互屑をなした堆砂屑理が形成され,このうちとくに.浮流物貿屑では,下層はど水圧や上層堆砂の 自重にもとづく圧密過程をたどり,乾燥密度の大なる屑理を形成するに至る小133 第10巻常2号(1959) 以上,過去の残存堆砂調査に続いて,流域表土や新生沈澱物の採取分析を数回実施したlこのうち流域表土は,流 出率調査で分割した7分割流域の表土Sl∼S7点(第5区粧示すSl:天札S2:侶川,S8:久保臥S4:下谷,S6向 坂,S6;神内上池右岸側,S7‥神内上池左岸側)から採取,池内の新生沈澱物についてほ,沈澱箱,EKMAN−BERGE 採泥器な用い,あるいほ空虚時直接紅,定測点No.1∼No。6および堰堤内法尻付近Nol,7のSedimentを数回採取 し,主としてその物理性紅ついで比較してみた.この際土壌分析ほ.,節分析,ピぺット法,比重計法などにより,有 機物含鼠はTuIin氏の酸化滴定法によった. いまその結果をまとめたのが第25衣および軍98,99,100図である.先ず一般物理性をみると,第25未において流 第25表 流域表土 と.堆砂の理単性 流 域 表 土 畏 比 蚤(S工)
酎
粗 密 平 均(Sa) 孔 際 率p(%) 中央料径d50(mm) 平均粒径dm(mm) 粘 土 分(%) 土 性 名 堆 砂 屑 理 新生沈班物 備 考 掃流物質屑平均 議市議両軍評 浮流物貿屑平均A画B画c画聖均
D(∋ 2‖55 O 75 0巾92 0..84 占占.80 5..54 9 20 D6 2,57 0り72 0一.87 0.80 る占.25 9..90 17.0る 貴 比 尋(S【) 紳 密 均(Sa) −:0.90 る7.1る
2.る0 449 1.54 48..84 0い25 0い41 1り8000 1‖8000 1.55 0=81 る占“45 2..15 5占る 0.98 52.11 1.57 2.57 P=1− 孔 際 率p(%) Car・bon(%) Humus(%) 重合 〉簑誤讐化滴 ;‥三 ̄ − . 0.01mm以下 日本農学会法によ る ︰小 磯物 中火粧祥d50(mm) 平均粒径dm(mm) 粘 土 分(%) 土 佐 名 腐植に†腐柿に 礫る砂 に富士 噛む 腐含壌 摘む士 を埴頗る富 む紬埴 ニヒ
域表土Sl∼S7点平均をSm,新生沈澱物Dl∼D6点平均をDm,また過去の堆紗屑理調査結果(21坤,揃流物貿屑12屑理
平均をLt,おなじく浮流物矧削る屑理平均をLsとすると.,畏比重ほSm=2る2に対しLも=2巾る9でやや大,Lsおよ香川大学農学部車術報普 1.34 びDmではそれぞれ2.49となり,聾者が先に神内上池密度計算に潤いた平均比蚤♂=2・・49が妥当な値であるこ・とが 袋伺けられるい 次に仮比議(紳士粗密平均佃)ほSm=1日15に対しL七=1r・54でやや大であるが,Ls=On90,Dm =0.由で小さく,さらにこれらから求めた孔隙率の平均ほSm=5る11%,Lt=48.84%に対してLs=る1‖9D%. Dm′=砧。.57%で蓮に大と.なる。また細土中有機物含量ほSm=CaIbon2.05(bumus5‖92)%に対して,Lも==0.25 (0.41)%でその堆砂過程により極めて少く,Ls=2.05(551)%で流域表土平均Smに近似しているがDm=544 (9.57)%で相当多鼠をなっているい この際新生沈滞物の有機物含量に比校して,過去の浮流物質屑のそれが約半分に 減じセいるのは,沈澱初期に相当多袋の有械物を含んでいたのが,堆砂地泥の自重圧密脱水過程中に・分解され,メタ ンガスと.して消失したことを意味するものといえ.よう 次に粗度分布をみると.,今回調査した流域表土と.新生沈澱物の粒度加硫曲線を,片対数方眼紙常・プロットしで比較 したのが罪98図で,流域表土と新4沈漕物の性格の相違が明瞭と.なる.す−なわち流域表土は粘土分(0“01mm以下) 累加百分率P ︵%︶ 第98図 神内上池における流域表土と新生沈澱物の温度加精曲綾 が約2∼27%の稲脚で一軒央村径約007∼1…Ommにわたる砂二【.,砂壌土あるいほ壌ニヒであるのに対して,新壁沈澱物ほ 粘土分が約57∼81%の称阻で中央粒径約0.DO2∼0…04mmに.わたる紬姐壌」二かはと.んと細埴土であるlさて流域表土中 の微細粒子部分が浮遊土砂畏として貯水池に流入し,沈澱堆積して新生沈放物となるわけであるが,これほ・全休とし て上流側から下流側に向い逐次細粒となる傾向がうかがえ,この圧密の進展していない新座沈澱物最上層に蘭・,1〝の 0Iderの非常に細かい堪子が半浮遊状態で存在していることが観察されたこの際 流域表土「lコの細粒部分ほ掃流土 砂星と.して地底に沿/つて搬入され,deltaformationの過程で掃流物質屑を形成し,当池堆砂の過半を占めるこ・とに なるが,これらの部分ほ前述した過去の堆砂屑理資料く21)を用いること.にし,これら稚砂の抑流物質屑並びに浮流物 質層や流域衣土あるいは潮生沈澱物について平均粗度分布を¢scale(72)(柑)により比較表示したのが第99図であるり 恥 00 祁 00 卯 ∞ 駒 沌 1S l 4 1 3 1 4 【 20 S l 累加百分率P ︵%︶ d(¢)= −log2d(mm) 貿99図 ¢尺度で表示した流域表土および堆砂の平均粒度加硫曲線(縦軸確率目盛, 横軸普通目盛) すなわちWEN・TWORLTHの粍径階級憐.分によると朋径d=2¢(¢:指数)となっており,この対数をとると¢=log2d となる.普通堆私学の分野でほ粒径大なるものをgraphの左かこ記撤するためにd=2−¢となし,この対数をとっ
第ユ0巻欝2号(1959) ⊥35 て¢=−log2dで表わしているが,いまこの¢単位をま采用した土粒子の大きさd(¢)と.,mmを採用したd(mm)の 関係ほ鮒式となる,いま横軸に普通目盛で(31)式による粒径¢単位(ここでほ粒径大なるものをg【aph の右側に.と d(¢)= −log9d(mm) 飢) る)をと.り,縦軸に確率目盛で累加百分率P(%)をとり,前述の流域表土,新生沈澱物および堆砂掃流並びに浮流 物質層各平均粘度分布をプロットしたのが第99区はなる小 これによると,流域教士ほ自然状態の表土であるため広範 囲な粒径組織を有しており,このうちの粕粒部分が補流土砂として,また微細部分が浮遊」二砂として池内に塩逆され ること.が示されており,また過去の埴妙層埋中の浮流物質層と今回の新生沈澱物の粒度分布が大体類似していること. が知れる小 いまd(¢)とd(mm)の関係を示す帥式および¢単位を用いた(32),(33)式から中央線径(mediandiam・・ eter)d60および平均粒径(mean diameter)dmを求めてみると.流域表土平均がd60=1nlmm,dm==0.59mmで Md¢=如0 瑚=一 (毎+¢1。) Md¢,M¢は¢嘩イ立の中央粒径,平均粒径, 毎0,¢8塵,¢川ほ.累加百分率50,84,1る%に対応した¢の佃 ( ここに あるのに粛して,堆砂掃流物質屑平均でほd50=1一8mm,dm=1い8mmで大きく,流域表土中粗粒部分のみが挿流土 砂として流入堆積し,掃流物貿屑理を形成したこ.と.が明らかとなってくる.また碓砂浮流物貿層平均でほd50= 0100軋dmニ0004,新生沈澱物平均でd60去0一00朗,dm=0‖004占となり,相当微細な粒子のみが浮遊土砂の形で 流入し,遂次沈澱堆積して浮流物質層が形成される過程が了解される一. 以上総合して平均的土性名を日本農学会法に.もとづき判定してみると.,流域表土は仝粘土分9.28%の「礫に富み腐 植を含む砂壌土」となるのに倒し,堆砂中掃流物貿屑は全粘土分1い55%の「礫に頗る富む砂土」おなじく浮流物貿層 は全粘土分る1・.21%の「腐植を含む細埴土」,新生沈澱物は全粘土分蛮80%の「腐植に.富む細埴土」となつてくる。 この際注意すべきことほ,沈降分析によつて求めた浮流物質屑や新生沈派物の観測大儀から値ちに池内浮遊物の粗 径分布や沈降速度を推定することほできないことである∴すなわちSHERMAN(9)(74)がMead湖における浮遊沈澱物 について確かめたように,池底付近の密度流中に浮遊しているSuSPended sedimentほ.単粒子ではなく,多数の粒子 が凝集して,いわゆるflocculeとして存在しているから,その凝集’1二渉沈澱における見かけの沈降速度は,化学的 分散剤によってflocculeを分解し,個々の粒子と.して沈降させた腸合と異なり,沈派他におけるflocculationのまう に相当球径 equivalent diameter が大きくなる傾向を示す“たとえば神内i地域投付近に沈澱碓鼓したdensity CurIent beds試料No7について:貯水池内膳おける実際の沈漱状態と.実験室内における分散操作後における沈澱との 間の関係を検討するためiこ.,ピペット法に・よる2条件の粒径分析を試みた… そのうち蒸溜水中での分散処理後の分析 ほ,通常行う H202処理による有機物除去、HCl処理による電解貿除去および分散剤としてNH40H添加,往役 振酎機に.よる2時間振潟分散後・K紬N装置を用いた方法で行い,これに.対して見かけの貯水柚条件による分析ほ, その沈汲流体として池内におけるものに類似させるため,化学的分散を行わず,池水を用いたfloccl11e としての凝 1■l−. 集干渉沈掛犬皆のものでK紬N装置を別、て 相 当ご球 径 d(fnm) 10 ? 1 4 ち 仁7や9 実施した その結果を縦軸(確率目盛)に累 加百分率P(%)をと.り,横軸(対数日盛)に 沈降速度Ⅴ(cm/SeC)あるいほ相当球径d (mm)をとつて表示したのが,罪100図とな る‖ この際比較のため,前述S王沌RMAN(9)に よるLake MeadにおけるHoover dam付 近の堆糾沈殿物試料No.19と,紬拭付近の密 度流中の浮遊沈澱物議料No.80ムに関する, それぞれ地水を同いた floccule としての沈 澱と,分散処坪後の蒸溜水中での沈澱(分散 剤ほSodium he xametaphosphate)の場合 についての分析結果を併記したこの図で各 A曲線ほ,池水を用いたfloccule状熊の沈 ■ ¶ N 1い J︳、 累加百分率P ︵%︶ A蝕し洩Tヅ勇咋■頼普轡恕捜 一
.∴さ
D仙酢帥蒜誓還み掴如け史 仙叫 沈降速度Ⅴ(Cm/SeC) 第100図 FloccuIeと分散処理後の沈降速度および粒径の比較香川大学農学部学術報告 ユ36 降速度加硫曲線,各B曲線は,分散処理後の誰溜水中における沈降速皮曲線,各D曲線はB曲線からSTOKるSの法 則に.もとづいた錮式に.より計算されたところの粗径加積曲線であり,またC曲線はおなじように・,個々の微細粒子が ♂s−♂w Ⅴ= gI2 錮 ?J 限界沈降速度, り:水の粘性係数 粗子の比重 g:重力の加速度 水の比重 r:球形粒子の半径 iを≡ ここに 凝兼しflocculeとして沈澱する場合の,単一灘形粒子にひとしい沈降速度をもつflocculeに・V3いてequivalent dia− meterとして表示した相当粗経加硫曲線である. これらに.よると,神内上池沈澱堆鋸勿傾度流屑)の場合もMead湖の結果と同じような傾向な示しており,また Mead湖の例でほ沈澱堆私物と浮遊沈澱物の曲線がはゞ類似形態を示すこと.から,この際分散後におけ■る粒既分析で ほ,池水中における浮遊沈澱物の虫実の粗径並びに沈降速度分布凌与え濁ないことが明らかとなる・すなわち浮遊沈 放物の過半をコロイド粒径範囲で占めており,これが池水中においてほ個々の単一粒子が電解栗の存在にt・り,お互 につながっていわゆるfloccule偶気化学的凝集作用に・より生じた単一磯子の凝集体)として偏在するので,その分 布図のひらきが大きくなる・したがってこれらflocculeでは,これを構成して・いる個々の粒子より大なる粒径をも ち(たとえば,分散処理後の粒度分析でmediandiameterd60=0・00086mm,meandiameterdm=Ol00092mmに 対して池水中におけるfloccule沈澱の場合はそれぞれd60=00140mm,dm===O10094mmのどとく中央粒径や平均粗 径が約10倍以上となっている),またその沈降速度ほ罪10咽のA,B両曲線の比較でわかるように朋式の関係からよ り大きくなる。 地底付近の浮遊物質を不撹乱の状態で採取分析するこ・と.ほ困経であるが,このような粒子ほ地底近くでfloccule lを形成すると同時に高いSOlidfractionのために・干渉沈澱状態にあるものと考えられ,これらSuSPendedsediment ほ,沈澱堆積後水底(堆砂面)から深くなればなるはど水圧や堆砂昌蔓による圧密現象によりてその乾燥密度が大き くなることが,過去の堆砂鉛噴分布調査に・より確かめられた(この際,旧地底岩盤付近.の浮流物惣層ほ,貯水池空虚 時における渓流水の佼蝕に.も耐えて固着している様相が観察できた卜したがって貯水池確妙による寿命推虐常あたり て,この圧密による乾燥窪魔の増大を細祝して,貯水池寿命な過少に見粘ることがあってはならない一・しかし,これ ほ微細粒子の場合のみ考慮すべき問題であり,掃流土砂の堆敲の場合は,はとんどこの圧密現象に・よる乾燥密皮増大 は見られなくなるであろう・ 以上のととき微細な浮遊物贋の沈澱,堆軌圧蘭問題でほ未解決の点が多々あり,その貯水池内におけるfIoccule としての沈澱やSedimentの堆積に・よる自重圧密問題については党紀詳細に・考究する予定である・(以下次号)