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特集 世界最高水準の空港を目指して | 成田空港~その役割と現状~ 2016年度

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 国、千葉県、空港周辺9市町、NAAで構成される「成 田空港に関する四者協議会」(以下、四者協議会)に おいて、2015年9月から成田空港に関する更なる機能 強化策について検討が進められてきた。成田空港の機 能強化とは、今後もますます拡大が予想される首都圏 の航空需要に対応していくため、新たな滑走路を整備 することなどにより、空港の発着容量を拡大させること で、国の「首都圏空港機能強化技術検討小委員会」か らの提示を受けて、具体策の調査・検討を重ねている ものである。  四者協議会の場においては、まず機能強化の実現 のための課題を整理し、騒音下に暮らす地域の皆さま の環境に十分配慮するため、丁寧な説明を行い地域 の理解と協力を得ながら検討を進めていくこと、さら に成田空港の機能強化が空港周辺地域の発展につな がるよう、地域振興についてもしっかり検討していくこ とが確認された。  2015年11月27日の四者協議会においては、NAAか ら「C滑走路(第3滑走路)の整備」「B滑走路の北側 延伸」「夜間飛行制限の緩和」についての調査報告を 行い、それを今後の議論のたたき台としてさらに調査・ 検討を進めていくこととした。  また、NAAは、環境影響評価法の規定に基づき、事 業の早期段階における環境配慮を図るため、事業の 位置・規模等の計画の立案段階において、環境の保 全について適正な配慮をするべき事項の検討を行い、 「計画段階環境配慮書」をとりまとめた。同配慮書に ついては、2016年6月に公表し、本事業への環境保全 の見地からの意見を、一般、関係自治体の長、国土交 通大臣に対して求めた。

四者協議会に具体案を示す

 その後もNAAは調査・検討を重ね、2016年9月27 日の四者協議会では、機能強化に向けた調査報告とし て、年間発着容量50万回時の成田空港の全体像につ いて、「滑走路の配置案」「空港敷地範囲の拡大(約 1000ha拡大)」「夜間飛行制限の緩和(運航可能時間 5:00~1:00)」「予測騒音コンター」、さらに環境対策・ 地域共生策の基本的な考え方等を説明・提案した。  滑走路の配置案については、3500mのC滑走路を 新設し、B滑走路を1000m北側へ延伸する。また、B 滑走路の進入復行区域がC滑走路と重複しないように、 成田空港の更なる機能強化へNAAはこれまでの調査・検討結果を四者協議会に報告、 新たに建設を計画する滑走路の具体的な位置や、夜間飛行制限緩和の時間帯などを提案した。 また、これに合わせて実施する「環境対策・地域共生策の基本的な考え方」を説明した。 NAAは今後、地域の皆様への丁寧な説明を重ねて、理解と協力が得られるよう、最大限に努力していく。

更なる機能強化へ新滑走路の位置など提案

地域への丁寧な説明を重ねて理解求める

四者協議会に提案した滑走路の位置と敷地展開候補地 B滑走路(3,500m) A滑走路(4,000m) C滑走路(3,500m) 500m 1km 2km 0 展開候補地

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両滑走路端は南北方向に3325m離す。両滑走路の間 隔は、エプロン等の諸施設の配置上、なるべく遠ざけ ることが望ましいとして、B・C滑走路の中心線の間隔は 420mとし、C滑走路の東側を建設予定地としている 圏央道の整備計画と整合を図る、などとした。  成田空港の現在の運航可能時間は6時~23時となっ ている。これに対して夜間飛行制限の緩和では、現 在設けられている22時台の便数制限や、23時台の カーフューの弾力的運用は廃止し、運航可能時間を 早朝5時から深夜1時まで(悪天候や安全上の理由等 による緊急事態を除く)拡大することを提案した。同 時に、地域の皆さまの安眠を確保するという観点か ら、夜間飛行制限の緩和と併せ、防音効果をより一 層高める内窓を寝室に設置することについて、あわせ て提案した。  年間発着回数50万回時の騒音コンター(一定の騒 音が及ぶ輪郭線)も初めて示し、これを踏まえて従 来の範囲を拡大して各種対策を実施していくととも に、新たな対策として、「周辺対策交付金の充実」「防 音工事の施工内容の充実」「夜間飛行制限の緩和に 伴って必要となる深夜早朝対策」などの実施について、 提案した。

今後の進め方について確認書を締結

 この9月27日の四者協議会では、これらの提案を受 けて「成田空港の更なる機能強化の検討を進めるに 当たっての確認書」を締結した。この確認書ではまず、 千葉県と9市町はNAAが示した案について、国とNAA が、騒音地域を含めて住民に説明することを了承した。 特に夜間飛行制限の緩和については、騒音地域住民 の生活環境への影響が大きいことから、国とNAAは、 その必要性とこれに伴う環境対策を丁寧に地域住民 に説明することとした。なお、説明にあたっては、千葉 県と9市町の協力を得ながら、地域住民の理解と協力 が得られるよう最大限の努力をすることを確認した。  一方、千葉県と9市町は、地域住民への丁寧な説明 を条件に、成田空港の更なる機能強化策について、さ らに具体的な検討を進めることを了承。それらの後に、 四者協議会で改めて協議のうえ、成田空港の更なる機 能強化策について最終的な結論を得ることにする、な どと確認書に記している。これらを踏まえて、既に地域 住民への説明会が始まっている。 成田空港における年間発着回数の予測 60 50 40 30 20 10 0 2010       2017       2022       2027       2032       2037       2042       2048 50万回発着容量 30万回発着容量 50万回に達する時期 (2032〜2048年度) 30万回に達する時期 (2021〜2028年度) (年度) (万回/年) 上位ケース(国土交通省) GDP:2.2〜3.0% 中位ケース(国土交通省) GDP:1.7〜2.0% 下位ケース(国土交通省) GDP:0.7〜1.0% NAAの長期需要予測 50万回時の予測騒音コンター Lden62dB=騒防法第1種区域(住宅防音工事、空調機機能回復工事等への 助成)に対応 騒特法防止地区(建築物への自己防音構造義務付け)に対応 Lden66dB=騒特法防止特別地区(住宅、学校等の建築禁止、移転補償、土地の買入れ)に対応 Lden73dB=騒防法第2種区域(移転補償、土地の買入れ)に対応 Lden76dB=騒防法第3種区域(移転補償、土地の買入れ、緩衝緑地帯の整備)に対応

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成田空港は、空港におけるお客さまの手続き時間・待ち時間を短縮するため、 お客さまの手続きの自動化を促進する「ファストトラベル」を推進していく。 世界最高水準の空港として、お客さまの利便性向上と空港施設運用の効率化を目指すことで、 お客さまには、それによって増える自由な時間を、魅力ある商業空間などで楽しんでもらうことにより、 お客さま満足度の徹底追求を図る。

利便性向上へファストトラベル推進

搭乗手続き自動化等で所要時間短縮

 成田空港は、中期経営計画の戦略方針の1つに、「世 界最高水準のサービス品質や魅力ある商業空間の創 出によるお客さま満足度の徹底追求」を掲げている。 その中の重要な柱がファストトラベルの推進となる。  ファストトラベルとは、世界の航空会社で組織する IATA(国際航空運送協会)が提唱するもので、空港で のお客さま手続きの自動化(セルフサービス化)を促 進することで、効率的で快適なサービスの提供を目指 すプログラムのこと。空港としても、航空旅客が増大し 空港施設が狭隘化していくなかで、航空会社と連携し てファストトラベルを促進し、ターミナル内の混雑緩 和が図れる。お客さまにはより快適に空港を利用して いただき、航空会社やお客さまから真に選ばれる空港 を目指していく。  計画を進めるにあたり、成田空港では具体的な数値 目標として、ご利用のお客さまの80%以上が、チェッ クイン手続きなどをインターネット・携帯端末や自動 チェックイン機で自動(セルフ)で済ますことができる ことを目指している。そして出発では、チェックイン(出 発ロビー)から免税店エリアまでを10分以内、到着で は飛行機を降りてから到着ロビーまで30分以内で行け るようにする。  このファストトラベルの推進により、航空会社にとっ ては業務の効率化や定時運航率の向上が図れる。ま た、お客さまにとっては手続きにかかる待ち時間が短 縮されることで、より自由な時間が生まれることから、 ショッピングや食事を楽しむなど、空港での滞在をよ り快適で充実したものにできるようになる。  計画にあたって、IATAの専門家を招いて、成田空港 におけるファストトラベルの対応状況について、ワール ドスタンダードの目線での調査と提案を要請。その結 果を踏まえて現在、航空会社等と連携してファストトラ ベルを推進している。

チェックイン機の再配置を実施

 成田空港ではお客さまがインターネットや携帯端末 で事前にチェックインすることを推進しているが、事前 チェックインをしないお客さまがターミナル内で最初 に接するのが自動チェックイン機となる。よりスムーズ に手続きができるよう、第1旅客ターミナル北ウイング わかりやすい 案内表示 チェックイン機自動 自動手荷物預け機 高度化・スムーズ化保安検査の 滞在環境の向上搭乗前の 1 2 3 4 5 ファストトラベルのイメージ

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と第2旅客ターミナルビルでは、各社共用の自動チェッ クイン機を最新型に更新するとともに、お客さまの空 港での動線上でよりわかりやすい場所に設置する取り 組みを先行して行っていた。これに続いて今年6月2日 からは、第1旅客ターミナル南ウイングでも、共用自動 チェックイン機の更新と再配置がなされた。  従来の自動チェックイン機は、チェックインカウン ターの一部に組み込まれるような形で配置されていた が、新たな自動チェックイン機は、チェックインカウン ターに向かう手前の動線上にあるため、アプローチが しやすくなった。これにより自動チェックイン機の利用 者が大幅に増加し、お客さまの手続き時間・待ち時間 の短縮につながることが期待される。  今回南ウイングに新たに設置された自動チェックイ ン機には、お客さまご自身で受託手荷物のタグを印刷 する機能も追加された。一方で、航空会社のスタッフ が確認していない手荷物がラインに不正に投入される ことを防ぐため、NAAは手荷物ハンドリングシステムの ソフトウエアを改修し、安全面での対策も講じている。 受託手荷物のタグ印刷の機能が追加されたことにより、 「カウンターでの手続きは荷物を預けるだけ」という運 用も可能となった。これにより、以前に比べて、カウン ター周りでのお客さまの待ち時間は少なくなっている。  南ウイングでは今回、チェックインカウンターのレ イアウトも刷新された。これまでファースト、ビジネス、 エコノミーと搭乗クラスごとに分かれていたカウンター を、航空会社ごとに最適となるよう再配置した。同時 にNAAも、従来のチェックインカウンター案内表示シ ステムなどの案内表示を改修するとともに、自立型の チェックインカウンター案内表示システムを4カ所に新 設した。

自動手荷物預け機などの導入も

 ファストトラベルで自動チェックイン機に続く次のス テップは、「自動手荷物預け機」の導入となる。これは、 有人カウンターに並ぶことなく、お客さま自身による手 荷物預けを可能にするものであり、このほか、手荷物 タグを自宅で印刷して専用のフォルダーに入れてバッ グに取り付けるホームプリントタグや手荷物の追跡が 可能となるような取り組みについても、航空会社と連 携して導入を検討していく。  この自動手荷物預け機を最大限活用するためには、 空港に到着したらいつでもチェックインでき、いつでも 手荷物を預けられることが必要になる。そのために今 後、航空会社とオペレーション上の調整や、バックヤー ドでは早めに投入した手荷物を一時的に保管しておく スペースの確保等の検討も進める。  さらに保安検査スペースを拡張して、新型検査レー ンを導入する計画もある。高い保安レベルを保ちなが らも、よりスムーズに、お客さまのストレスも軽減しな がら検査ができる「スマートセキュリティー」を導入す る。また、2016年3月には、第1・第2旅客ターミナルビ ルの入国審査場に「ファーストレーン」を設置し、国際 会議の参加者やVIP等に、より迅速でストレスフリーな 入国手続きの提供も行っている。今後は、案内表示の 適正化やルール策定、および、旅客の動態管理なども 実施していく。  セキュリティーの水際対策、安全の確保を徹底しつ つ、お客さまに安心して快適に空港をご利用いただく うえでの必須の取り組みとして、積極的にファストトラ ベルを推進していく。 自動チェックイン機はお客さまの動線上の、より便利な位置に再配置した(上か ら第1旅客ターミナル南ウイング、同北ウイング、第2旅客ターミナルビル)

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ハードルを一段高めて

 エコ・エアポートビジョン2030はその柱に、「地域 と空港の持続可能な発展を目指します」「地球規模の 環境課題に取り組みます」「ステークホルダーと共に エコ・エアポートを推進します」の3本を掲げている。 長期的な数値目標としては、2030年度までに空港か ら排出されるCO₂(二酸化炭素)を、2015年度比で「航 空機発着回数1回あたり30%削減する」とした。従前 のエコ・エアポートビジョン2020では、「2020年まで に2010年度比で15%削減する」とうたっていたが、目 標のハードルをこれまでより一段と高めた。CO₂は地球 温暖化の原因とされる温室効果ガスのひとつ。  成田空港は内陸空港であり、周辺に多くの方々が生 活していることから、事業活動が周辺環境に一定の影 響を及ぼすことは、どうしても避けられない。このため、 経営ビジョンの重要項目の1つとして、「環境に配慮し、 地域と共生する空港を目指します」と掲げている。  環境保全への取り組みはこれまで継続的に実施して きたが、成田空港を取り巻く状況は日々変化を続けて おり、対策の一層の強化が求められている。今後も増 加が見込まれる航空需要への対応として、現在関係者 間で議論が進められている「成田空港の更なる機能強 化」においては、滑走路の新設などの具体的なプラン を地域住民の方々に説明する段階に入っている。この 実現には、これまで以上に環境対策を推進し、周辺地 域からの理解を得ることが不可欠となる。  2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催も、 取り組みを進めていく上でのポイントのひとつとなる。 「環境にやさしい」を謳う成田空港は、当然のように一 層の環境対策が求められる。また、2015年12月にパ リで開催された「国連気候変動枠組条約第21回締約 国会議(COP21)」での採択を受けて、国際的な規模 で温室効果ガス削減へ動き出している。成田空港でも これを踏まえ「地球規模」を視野に取り組みを進める。  さらに一段と高い目標を達成するためには、取り組 みの範囲をより広げていく必要があるとの考え方から、 「ステークホルダーと共に」という表現で、成田空港に 関わる人や企業などとの幅広い連携による活動推進を 前面に打ち出した。

基本計画では複数の数値目標を設定

 長期ビジョンの達成に向けた具体的な実施計画とな るのが「エコ・エアポート基本計画」であり、概ね5年 ごとに策定しており、今回のものが第3弾となる。この 計画のなかでも数値管理が可能な項目については、最

新たな「エコ・エアポートビジョン」を策定

空港機能強化も見据え一層の環境対策

空港を取り巻く環境の変化などを踏まえ、 2030年度に向けて成田空港が目指す環境対策の方向性を示す「エコ・エアポートビジョン2030」をまとめた。 これを実現するための今後5年間の実施計画である「エコ・エアポート基本計画(2016〜2020年度)」も併せて発表、 これまで以上に周辺地域と地球規模での環境に配慮していく。 燃料電池自動車用の水素ステーションもオープン 地球規模の 環境課題に 取り組みます ステークホルダー と共に エコ・エアポートを 推進します エコ・エアポート ビジョン2030 における長期目標 2030年度までに 空港から排出されるCO₂を 2015年度比で 発着回数1回あたり 30%削減します 地域と空港の 持続可能な発展を 目指します エコ・エアポート ビジョン2030 成田空港はステークホルダーと共に、 空港運用に伴う地域への環境負荷低減と 地球規模の環境課題に取り組み、 持続可能な社会の構築を目指します

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終年度の2020年度に向けた数値目標を設定し、取り 組みを推進する。代表的なものは「空港からのCO₂排 出量の削減」で、基本計画では5年間で7%の削減を 図る。  空港から排出されるCO₂の約70%が主に航空機に よるもの。このため成田空港は、より低燃費、低排出 の新型機材の導入を促進していく。この一助ともなる のが、低騒音型航空機の着陸料を優遇する制度の継 続実施であり、これにより、本来の目的である航空機 騒音の低減を促進できるほか、新型機材への更新が 進んで、CO₂排出量などの削減にも寄与できる。また、 駐機中の航空機に地上から空調や電力を供給する地 上動力装置(GPU)の使用促進、高速離脱誘導路の 整備、空港運用の最適化による航空機の地上走行時 間の短縮などにより、航空機からのCO₂排出量削減を 目指す。  CO₂排出量の残り約30%は空港施設からのものだ が、誘導路へのLED灯火設置の拡大や、エネルギー管 理システムの活用などによる省エネルギー対策を推進 することで削減を図る。NAA管理施設でのエネルギー 使用量についても5%削減を目指す。  資源の循環利用では、廃棄物処分量の5%削減を掲 げている。空港から排出される一般廃棄物で最も多い のが航空機からの取り下ろしゴミで、全体の約半分を 占める。このうち、機内食の食べ残しや、それらが付着 した容器などは、検疫上の理由から焼却処分が義務 付けられているが、それ以外のゴミについて、航空会 社の協力を得て、分別とリサイクル化を推進していく。  また、旅客ターミナルビルの一般エリアや空港関連 事業者の店舗・事務所などから出るゴミの分別処理を 推進。空港全体で廃棄物の3R(リデュース、リユース、 リサイクル)に取り組んでいる。お客さまや従業員等 の意識啓発を含め、日々の小さな取り組みの積み重ね で目標達成を目指す。  水資源の循環利用も大きな課題のひとつで、上水使 用量の3%削減が目標。この対策として、旅客ターミナ ルビルなどでのセンサー式水栓や節水型トイレの導入 促進などを引き続き行う。さらに、中水(雨水や厨房 排水を浄化した再利用水)を、トイレの洗浄水として 再利用するなどで、上水の使用量削減を図る。

地域と共に発展するために

 NAAはこれまでも環境影響評価法による対象事業 とならない駐機場や誘導路などの整備についても、自 主的な環境アセスメントを実施し、空港周辺への影響 を最小限にするよう必要な保全措置を行ってきた。今 後、成田空港の更なる機能強化に向けては、成田空港 では初となる環境影響評価法に基づく環境アセスメン トを適切に進めていくことから、エコ・エアポート基 本計画ではその取り組みへの姿勢を明確に打ち出して いる。  成田空港が掲げるエコ・エアポートビジョンと同基 本計画では、新たな時代を見据え、ローカルとグロー バルの目標を掲げ、ステークホルダーを含めた関係者 が一体となって、「環境にやさしい循環型空港(エコ・ エアポート)」を推進していく。 エコ・エアポート基本計画(2016〜2020年度)での数値目標 項 目 数値目標 ①大気質の保全 窒素酸化物(NOx)排出量を5%削減する ②資源の循環利用 廃棄物処分量を5%削減する ③水資源の循環利用 上水使用量を3%削減する ④CO₂排出量 空港からのCO₂排出量を7%削減する ⑤エネルギー使用量 NAA管理施設でのエネルギー使用量を5%削減する ※数値目標は2015年度比で「発着回数1回あたり」または「空港利用者1人あたり」 ・航空機騒音による環境負荷低減 ・大気質の保全、雨水排水の水質維持 ・生物多様性を育む自然環境保全 ・地域と共に環境取り組みを推進・強化 ・資源の循環利用 ・水資源の循環利用 ・環境アセスメントの実施 ・ステークホルダーと連携した取り組み ・国内外空港と連携した取り組み ・東京オリンピックに向けた取り組み 等 ・空港からの CO₂排出量削減 ・エネルギー使用量削減 ・地球温暖化に伴う気候変動への  適応対策 エコ・エアポート 基本計画 (2016〜2020年度) 周辺環境への 取り組み 資源循環への 取り組み 環境マネジメント 気候変動への 取り組み

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航空機発着回数が2015年度で初めて23万回を突破、 年間の航空旅客数も間もなく4000万人の大台突破が見込まれる成田空港。 首都圏の航空需要は今後さらに増大することが確実視されている。 これに対応するため、既存施設を最大限に活用しながらも、安全性向上と機能強化を図り、 お客さま満足度を追求していくために、ターミナルビル内で改修工事が進められている。

旅客ターミナルビルの整備も着々進行

第3旅客ターミナルビルではスポット増設

固定ゲートの増設も完了

 成田空港では、航空会社のアライアンスごとに使用 するターミナルが分かれているのが特徴。第1旅客ター ミナルビルでは、北ウイングにスカイチーム、南ウイ ングにスターアライアンスが集結する。第2旅客ターミ ナルビルにはワンワールドの航空会社が集まっている。 航空会社との関係においては、それぞれの航空会社や 航空アライアンスのニーズを踏まえた施設整備が求め られる。  航空機発着のピーク時間帯でも固定ゲート(ボー ディングブリッジが付いたゲート)をより多く使いたい というニーズに対応するために、第1・第2旅客ターミ ナルビルの双方で既存のビルを延伸し、それぞれ2カ 所ずつの固定ゲートを増設する工事が進められてい た。このうち第2旅客ターミナルビル側では、ひと足早 く2015年12月17日に完成。これまでオープンスポット だった67・68番スポットを固定ゲート化した。新しい ゲートはマルチスポットとすることで、小型機であれば それぞれに2機、計4機の駐機が可能であり、さらに、 コンコースの管理扉の開閉でエリアを切り替えられる スイングゲート機能を併せ持たせたことで、国際・国 内線の両方で使用でき、効率よい運用が図れるように なった。第1旅客ターミナル南ウイング側の工事も引き 続き進められ、2016年3月15日、第5サテライトに新た な固定ゲートが2ゲート(58A・58B)がオープンした。  今回の増設で第1旅客ターミナルビルのスポット数 は38から40スポットに、第2旅客ターミナルビルは28 から32スポットに増加。ピーク時間帯の固定ゲート使 用率が上がった。  なお、このターミナルビル延伸工事の結果、2つのビ ルの固定ゲートの先端部分の距離は約300mにまで 縮まった。今後は2019年度末までにこれを接続させる 形で、固定ゲートの整備をさらに進める。

お客さまの手続き時間短縮へ

 お客さまの出発または到着時の手続き所要時間の 短縮化は、お客さま満足度の追求に加え、空港運用の 効率化や混雑緩和にも大いに役立つ。そういった観点 から第1・第2旅客ターミナルビルでは2016年3月30日 から、国内空港初となる「ファーストレーン」の運用が 始まった。これは、訪日外国人のうち、国際会議等の 参加者や航空会社のVIPなどを対象とした専用の入国 審査レーン。両ターミナルビルの入国審査場に計8レー ンが設けられ、航空会社または会議運営会社が発行 するファーストレーンのクーポンを所持しているお客さ まを、NAAの誘導員が確認して入国審査場を迅速に通 過できるよう案内する。  出発については第1旅客ターミナル南ウイングの出 発ロビーで2016年6月2日から、航空会社のカウンター の配置を変更するリニューアルが行われた。これまで 搭乗クラスごとにエリアを分けてカウンターを配置して いたが、航空会社ごとのカウンターレイアウトに変更。 ビルを延伸して増設した固定ゲート 入国審査を迅速に行う「ファーストレーン」

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併せてお客さまの待ち時間を短縮することを目指し、 自動チェックイン機を更新の上で再配置を実施した。  また、チェックインカウンター案内表示システムの改 修および自立型の同システムの新設も行い、お客さま が利用するチェックインカウンターをより分かりやすく ご案内することが可能となった。

第3旅客ターミナルビルでは新スポット整備も

 2015年4月にオープンした第3旅客ターミナルビル は、LCCの拠点化を目的に整備し、現在航空会社5社 が国際線と国内線を運航している。初年度利用者は 550万人と見込んでいたが、それを上回る609万人の お客さまにご利用いただいた。  旺盛な需要に応えるべく、スポットの整備も急務の 課題である。本館に5スポット(国際線および内際バス ゲート)とサテライトに4スポット(国内線)のゲートを 設けているが、オープンスポットでの運用も多い。この ため、さらなる利便性向上のため、サテライトでは新ス ポットの整備工事を実施しており、2017年夏ごろの運 用開始を目指す。また、チェックインカウンターについ ても、国際線と国内線のベルトコンベアを互いに兼用 可能とする改修工事を行い、運用の効率化を目指す。  なお、ローコストでありながら高い機能性や快適性 を備えた施設として整備された第3旅客ターミナルビ ルは、国内外から高く評価されている。2015年10月に は、公益財団法人日本デザイン振興会主催の2015年 度「グッドデザイン賞」の金賞(経済産業大臣賞)を 受賞した。さらに2016年3月にはSKYTRAX社による 「World Airport Awards 2016」で第3旅客ターミナル ビルは「World's Best Low-Cost Terminal」の第1位の 栄誉に輝いた。同時に、旅客ターミナル内の飲食サー ビスを対象にした「Best Airport Dining Experience」 の部門でも、成田空港の3つのターミナルビルを合わ せて第1位を受賞している。

第2ターミナルから第3ターミナルへの移動

連絡バスルート短縮で利便性が大幅に向上

 第3旅客ターミナルビルへは、第2旅客ターミナルビ ルから徒歩または連絡バスの利用が移動手段となって いる。ただ、これまでの連絡バスのルートは走行 距離が約2.5㎞あるため、600mほどのアクセス通 路を徒歩で移動した方が早いケースもあった。  これを改善するため構内道路の一部改良と バス停を移設した上で、2016年10月25日から連 絡バスルートを空港東通りを経由しない新たな ルートに変更した。これにより走行距離が短くな り、所要時間がそれまでの約11分から約5分へと 大幅に短縮。さらに、ピーク時間帯の運行間隔も、 従来の5〜8分から3〜5分に変更され、第2旅客 ターミナルビルから便利でスムーズにご移動いた だけるようになった。  成田空港ではこういった改善策を重ねながら、 LCCのさらなる拠点化を進め、国際拠点空港としての 地位の強化を図っていく。 凡例 ■T2→T3 ■T3→T2 第3ターミナル 空港東通り 【拡大図】 1レーン 2レーン 〈従来〉 〈変更後〉 第3ターミナル 第2ターミナル

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初年度だけで56社に適用

 「成田ハブ化促進インセンティブ」は、「国際線/国 内線ネットワーク拡充割引」と「国際線/国内線増量 割引」の計4つからなる割引制度であり、期間は2018 年度まで。  このうち「ネットワーク拡充割引」は、航空会社が新 規路線を定期便として開設すると、当該便の着陸料を 割り引く。また、その路線が成田空港と定期便で初め て結ばれる空港の場合、さらに割引率を加算する2段 階方式となっている。就航から2年間適用し、1年目は 最大で50%、2年目は最大で25%の割引となる。  一方の「増量割引」は、国際線では累積重量(新規 就航・新規路線開設・増便・機材大型化など)、国内 線においては累積着陸料が前年度同期比で増加した 場合、その増加分に対して50%の着陸料割引を適用 する(「国際線増量割引」は2013年度から導入済み)。  これらを併用することで着陸料が最大で1年間無料 となるケースもあり、新規路線開設時の航空会社のコ ストを軽減して路線開設を支援する。2015年4月22日 に乗り入れを開始したエチオピア航空は航空会社とし て、新規就航であるとともに、成田空港からの定期便 がなかったアディスアベバ線を開設したことから、「着 陸料1年間無料」が適用された最初の航空会社となっ ている。  この「成田ハブ化促進インセンティブ」は、2015年 度は合計56社に適用し、その割引総額は14億3000万 円となった。その内訳は国際線が12億6000万円、国 内線は1億7000万円であった。このうち国際線では、 新規乗り入れ航空会社が9社を数えた。特に国際線 ネットワーク拡充割引では、航空会社初として29路線、 うち成田空港初が10路線となっており、成田空港の航 空ネットワークの拡充と増強が図られた。  成田空港では引き続き、国際線の路線開拓はもとよ り、国内線の維持・拡充も図って、内際乗り継ぎの利 便性を向上させ、豊富でバランスのとれたネットワーク を構築していく。

「成田ハブ化促進インセンティブ」で成果

国際線で新規に9社が乗り入れ

成田空港では空港容量30万回化を契機に、 国際線と国内線のさらなるネットワークの拡充と既存路線の増強を目的として、 2015年4月1日から「成田ハブ化促進インセンティブ」を導入している。 成田空港への路線誘致を図るため着陸料を最大で1年間無料とする制度で、 導入初年度となった2015年度から早くもその効果が表れている。 2015年度での初の乗り入れ空港(10空港) 2015年度の国際線新規就航会社 2015年 4月 2日 タイガーエア台湾 台北線 22日 エチオピア航空 アディスアベバ線/香港経由 8月 6日 厦門航空 厦門線 11月 7日 カーゴルックスイタリア ミラノ線〔貨物便〕 12月23日 海南航空 西安線 2016年 1月 1日 深圳航空 深圳線 14日 LOTポーランド航空 ワルシャワ線 18日 四川航空 成都線 3月27日 ティーウェイ航空 ソウル線 成田ハブ化促進インセンティブ概要 新規 ネットワーク 拡充のため 既存路線の 増強のため 国際線 ネットワーク 拡充割引 国内線 ネットワーク 拡充割引 国内線 増量割引 国際線 国内線 国際線 増量割引 両方適用の場合 着陸料が 最大100%割引 両方適用の場合 着陸料が 最大100%割引

● アディスアベバ(エチオピア航空) ● ハルビン(中国南方航空) ● ブリスベン(カンタス航空) ● ブリュッセル(全日本空輸) ● ワルシャワ(LOTポーランド航空) ● ミラノ〔貨物便〕(カーゴルックスイタリア) ● 長沙(中国南方航空) ● 天津(中国南方航空) ● 武漢(中国南方航空) ● 鄭州(中国南方航空)

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2016 年ブラジル・リオデジャネイロでのオリンピック・パラリンピックも終わり、 次はいよいよ 2020 年の東京オリンピック・パラリンピックの開催となった。 その開催を契機にさまざまなお客さまの増加が見込まれるなか、“ 世界最高水準の空港 ” を目指す成田空港は、 「誰にでも分かりやすく使いやすい」という観点でも、お客さま満足度をさらに高めていく。

ユニバーサルデザインも新たな段階に

案内表示の見直しや社員研修もスタート

 成田空港は、早くからCS(Customer Satisfaction) 向上とユニバーサルデザイン(以下、UD)化への取り 組みを進めてきた。また中期経営計画でも、「お客さ まにターミナルビル内を迷うことなく、スムーズに移動 していただくため、ターミナル内の案内表示について、 コンセプトの統一や分かりやすさを重視したデザイン 等の適正化を進めます」と謳っており、その具体策の 第1弾が、第1旅客ターミナル地下コンコースでの案内 表示の改修となる。  第1旅客ターミナルビルのJRと京成電鉄の改札を出 たところに位置する地下コンコースは、「北ウイング到 着ロビー」「北ウイング・南ウイング国際線出発ロビー」 「南ウイング到着ロビー」「国内線」の4方向への分岐 点となっており、往来の多い主要動線のなかでも、以 前から「分かりにくい」と指摘を受けることが多かった 箇所のひとつである。ここでは、お客さまの実際の流 れを再確認しながら新たな表示の検討を重ね、その 後、主要動線上の案内表示を順次改修する予定となっ ている。  表示の見直しでは、サインに優先順位をつけて整理 していく。最も重要な出発・到着などについての案内 表示は、天井吊下サイン(内照式)にまとめながら、館 内の見通しにも配慮し、また、場所によっては、第3旅 客ターミナル内の案内サインのように、天井や壁を活 用した大きな表示も取り入れられるか検討する。  また、2016年8月から新たに「ユニバーサルサービ スセミナー」を開始し、NAA全社員とNAAグループ会 社担当者の受講を義務付けることで以前から実施して いる空港スタッフ向けプログラムと合わせ、成田空港 全体でUD化への視点を、現場での実体験なども通じ て培う。  このほか新たな取り組みとして、お客さま用トイレを 全面リニューアルし、UD化を実施するほか、館内でお 客さまの移動をサポートする電動カートの本格運用も 開始した。改修するトイレは、第1~第3旅客ターミナ ル内でNAAが管轄する全てのお客さま用の計148カ所。 壁紙を張り替える等で内装を新たにするほか、音声案 内装置や緊急事態の発生を光の点滅で知らせる「フ ラッシュライト」の設置など、最新のUDを導入する。特 に、お客さまの主要な動線上にあって、ご利用の多い トイレについては、世界最先端のトイレ機器などを備 えた「デザイントイレ」に一新する。総額50億円規模 での工事は、2020年3月までに全てを完了させる予定。  電動カートサービスは、9月1日から本格的にスター ト。試行運用を経て、運行エリアとサービス時間を拡 大したもので、第1・第2旅客ターミナル制限エリアに 計8台を配置し、出発・到着動線のうち所定の300~ 600mの区間で、お客さまの移動をサポートしている。 表示デザインは和英2段の大きな文字で、「見やすく わかりやすい」が基本 ピクトグラムはJIS記号に準拠するが、オリジナルのものも使用 社内のガイドラインに基づく案内表示例 オリジナルピクトグラムの例 施設系での新たな取り組み 出発系 到着系 施設系 SIMカード 自動販売機 無料 電動カート 荷物はかり 証明写真 パッキング エリア ペットホテル 電動カートで長距離移動の負担を軽減 主要動線上には「デザイントイレ」を導入

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2016年には年間で2000万人を突破した訪日外国人旅行者数。 中国経済の減速や円高傾向の一方で、 引き続き旺盛な訪日需要や航空路線の拡充により、右肩上がりの成長が続く。 経営体力強化のために非航空系収入のさらなる拡大を目指す成田空港では、 この外国人需要も十分に取り込んで、飲食・物販などのリテール事業の一層の進展を図っていく。

リテール事業拡大へ外国人旅客の取り込み強化

エリア拡張、新店舗オープンなど相次ぐ

 訪日外国人旅行者数は、2013年に初めて1000万 人を突破した後も高い伸びを続け、2014年は1341万 人、そして2015年は驚異的な伸びで1973万7400人を 数えた。訪日ビザの免除・緩和、消費税免税制度の拡 充、円安等を背景に、アジアを中心とした旅行者数が 急増した。日本の空の玄関口である成田空港でも同様 で、外国人旅客数(出入国者計)は、2014年度に初め て1000万人を突破する1064万人を記録したが、2015 年度はそれをさらに21%も上回る1290万667人に達し た。この追い風も受けて、飲食・物販などのリテール事 業の2015年度の売上高は前年度比20%増の1169億 円となり、2012年度から4年連続で増加するとともに、 2期連続で民営化以降の最高を更新した。

3年連続全国一のショッピングセンターに

 成田空港のリテール事業は全国有数のショッピング センター(SC)の実力がある。免税店や物販店、飲食 店など空港内には約300店が出店しているが、繊研新 聞社が毎年実施している「全国主要SC売上高ランキン グ」調査で、成田空港は2015年度も1位となった。これ で2013年度から3年連続で、全国のSCの中でトップの 座をキープしたことになる。2015年4月に第3旅客ター ミナルビルがオープンしたことなどで、営業面積が約2 万9000㎡に増加(2014年度調査時は約2万6000㎡) した影響もあるが、売上高は面積の増加を上回る伸び を示し、全国のSCで唯一、売上高1000億円超を記録 している。  成田空港では非航空系の収入の拡大を図り、企業グ ループとしての経営体力と競争力を高めていくことを目 指している。その牽引役がリテール事業で、訪日外国 人をはじめとするお客さまの増加を確実に売り上げに 繋げて収益基盤の強化を図っていく。非航空系収入 は2014年度決算で、民営化後初めてその割合が53% と、航空系収入を上回った。2015年度決算ではさらに 非航空系収入の割合がアップして、55%に達している。 ちなみに、民営化初年度の2004年度決算では、非航 空系収入は34%だったが、その後の10年余で、その割 合を20ポイント以上も高めたことになる。

お客さま利便向上で新たな取り組みも

 リテール事業の強化には、ショッピング等を楽し むお客さま利便の向上も不可欠で、2015年10月27日 844 679 全国主要SC売上高ランキング(2015年度) 順位 施設名 売上高(億円) 1 成田国際空港 1,169 2 御殿場プレミアム・アウトレット 891 3 ラゾーナ川崎プラザ(ビックカメラ除く) 788 4 ルクア大阪 761 5 ららぽーとTOKYO-BAY 755 6 ジョイナス(髙島屋除く) 618 7 テラスモール湘南 540 8 玉川髙島屋SC(髙島屋除く) 510 9 神戸三田プレミアム・アウトレット 496 10 軽井沢・プリンスショッピングプラザ 494 出典:繊研新聞を基に作成 2012年 度 成田空港における免税店・物販店・飲食店売上高の推移 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 972 1,169 1,121 757 924 1,064 1,290 (見通し) 売上高(億円) 外国人旅客数 (億円) (万人) 2013年 度 2014 年度 2015年 度 2016 年度

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から、空港内の 免 税 店にSTEBs(Security Tamper-Evident Bags:不正開封防止袋)を導入したのも、そ の取り組みのひとつ。海外の空港で国際線に乗り継ぐ 予定のお客さまも、STEBsに封入してあれば、100ml を超える酒類や化粧品などの液体物でも、乗り継ぎ空 港の保安検査場で放棄を求められるようなことがなく なる。これにより、海外で乗り継ぐお客さまに対しても、 成田空港の免税店で酒類や化粧品などを安心して購 入いただけるようになった。  また、2016年1月28日からは、第1~3旅客ターミナ ルビルの出国審査後のエリアに、「市中免税店引渡し カウンター」を設置。これは、1月27日に東京・三越銀 座店にオープンした空港型市中免税店「Japan Duty Free GINZA」や、3月31日に東急プラザ銀座にオープ ンした「ロッテ免税店 銀座店」で購入した免税品を、 空港の出国審査後に引き渡すカウンターだ。訪日外国 人のお客さまはもちろん、海外へ出発する日本人のお 客さまも利用できる。

中期経営計画の目標達成に向けて

 好調に推移してきたリテール事業だが、2016年度に 入ってからは、その伸びは鈍化傾向にある。いわゆる 「爆買い」の沈静化や中国経済の減速、為替が円高に 振れていることなどがその背景にある。しかし、成田 空港を利用した外国人旅客数は、4~9月でも前年同 期比9%増の714万人となるなど、引き続き増加してい る。この需要をリテール事業にも着実に取り込むため の施策を積極的に進めている。  既存店舗のリニューアルや入れ替え等は年間を通じ て適宜行っているが、2016年秋には、中期経営計画に 基づいて、新店舗の開業などが相次いだ。このうち、第 1旅客ターミナル中央ビル新館3階の出国手続き後エ リアには、NAA直営の「Narita TraveLounge(ナリタ トラべラウンジ)」を10月15日にオープンした。乗り継 ぎなど空港に長時間滞在されるお客さまをはじめ、ど なたでも出発までの時間を快適にお過ごしいただける 有料ラウンジ。約300㎡のラウンジ内には91席を確保 している。  第2旅客ターミナルビルでは、免税店・ブランドモー ル「ナリタ5番街」を約800㎡増床して新店舗を誘致 した。成田空港初出店のファッションブティックとし て、CHANELとBOTTEGA VENETAが11月1日にオープ ンしたほか、11月21日にはCHANEL FRAGRANCE & BEAUTY SOUTHがオープン、12月下旬には国内空港 初出店となるPRADAもオープンを予定している。この ほか、第1旅客ターミナルビルでは、4階の商業施設「エ アポートモール」内に、日本食の専門店6店舗を集め た新しいエリア「NARITA Dining Terrace」(ナリタ ダ イニング テラス)が11月17日にオープンした。さらに、 第2旅客ターミナルビル4階のショッピングエリアも継 続的にリニューアルを進めていく。  NAAは成田空港を利用される全ての訪日外国人旅 客向けに販促活動を強化しているが、なかでも影響力 の大きい中国系のお客さまの利便性向上策を展開。9 月26日から、中国で広く利用されている電子決済ツー ルの「WeChatPayment(ウィーチャットペイメイント)」 および「Alipay(アリペイ)」を、NAAのグループ会社 であるNAAリテイリングが空港内の一部店舗に導入す るなどの対応を図っている。  さらに今後も、中華圏向けの決済ツールの導入拡大 を図るほか、ウェブサイトやSNSなどの電子媒体を活用 した情報発信などで販売促進に努めていく。  NAAは、注目度の高い新店舗のオープンや訪日外国 人旅客向けの販売促進策の強化などにより、魅力ある 商業空間を創出し、中期経営計画で掲げた2018年度 の空港内免税店・物販店・飲食店売上高で、1500億 円の目標達成を目指していく。

Narita TraveLounge NARITA Dining Terrace

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成田空港への交通アクセスは、高速バスや鉄道の運行本数や路線網の充実に加え、 低価格バスに2016年10月から新たな路線が登場するなど、利便性はますます高まっている。 2015年6月には圏央道「神崎IC〜大栄JCT」間が開通したことにより、 常磐自動車道や北関東自動車道とも結ばれ、さらに広範囲から成田空港へのアクセスが容易になっている。

空港アクセスがさらに充実

低価格バスの新路線も登場

 都内にあるホテルや主要駅、関東をはじめとする主 な都市と成田空港を結ぶ高速バス。豊富なネットワー クで出発・到着合わせて1日約1500便が運行。乗り換 えなしで結ばれるため、多くの荷物を抱える旅行者に とって利便性の高い空港アクセスとなっている。  また、圏央道の延伸により、宇都宮や筑波など北関 東方面からの時間短縮や定時運行率も上がるなど、利 便性がさらに向上している。  一方、2012年の本邦LCC就航以降、運行を開始した 低価格バスは、「東京シャトル」と「THEアクセス成田」 の2系統。両社とも深夜・早朝の出発・到着便に対応 した便を設定し、「THEアクセス成田」には女性専用の 深夜バスもある。2系統合わせて1日約240便の運行が あり、ピーク時は約10分間隔で運行。都心(東京駅・ 銀座)と空港を約1時間で結び、900円からの低価格 であることも相まって、若者層や旅慣れた旅行者を中 心にアクセス手段としてすっかり定着している。   さらに2016年10月31日からは、芝山町~成田空 港~大崎駅西口バスターミナルを結ぶ高速バス路線 (「成田シャトル」)が運行を開始した。  WILLER EXPRESS、京成バス、千葉交通の共同運 行で、早朝から深夜まで1日43便のダイヤを設定。普 通運賃が片道1200円(WEB割は1000円)などとリー ズナブルで、空港周辺の方の足としても期待が大きい。 運行路線 運賃 東京シャトル 成田空港~東京駅(八重洲口)•銀座駅(有楽町)•東雲車庫 •大江戸温泉物語 900円(事前予約)/1,000円(未予約)/2,000円(深夜・早朝) THEアクセス成田 成田空港~東京駅(八重洲口)•銀座駅(数寄屋橋)•東雲イオン前 1,000円/2,000円(深夜) 成田シャトル 芝山町役場・芝山中学校入口~成田空港~大崎駅西口 1,200円/1,000円(WEB割) 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 東京 シャトル 7月 8月 9月 3月 5月 7月 運行開始 空港発15本 空港行15本 空港発17本空港行17本 空港発23本空港行19本 空港発45本空港行20本 空港発49本空港行31本 空港発59本空港行54本 THE アクセス 成田 8月 10月 4月 7月 1月 7月 12月 4月 8月 12月 運行開始 空港発12本 空港行9本 空港発16本空港行13本 空港発20本空港行18本 空港発27本空港行22本 空港発38本空港行22本 空港発38本空港行23本 空港発47本空港行32本 空港発63本空港行54本 空港発65本空港行55本 空港発68本空港行57本 成田 シャトル 10月 運行開始 空港発20本 空港行23本 ※東京シャトルとTHEアクセス成田の一部時間帯は2台体制による運行も含む 低価格バスの概要 運行本数増便の推移  成田空港に航空機で到着後、バスへ乗り継ぎ、ダイ レクトに観光地にアクセスできるのが「Narita Air & Bus!」の特徴である。単なる空港アクセスの整備では なく、航空機と高速バスを組み合わせた利用を提案し、 国内の観光地へつなごうというもので、LCCをはじめと する航空会社や国、地方自治体が一体となって、成田

バス・タクシー

●高速バス

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 一般タクシーと定額運賃タクシー(エアポートタク シー)が、各旅客ターミナルビル前から利用可能。空港 から東京都内へ向かう定額運賃タクシーは、東京都内 を6つのゾーンに区分し、あらかじめ運賃を定めて運行 するシステム(予約不要)。事前に利用額が分かること で、安心してご利用いただける環境が整っている。  首都圏郊外を環状に延びる圏央道。このうち千葉 県内の「神崎IC~大栄JCT」間が2015年6月7日に開通 し、東関東自動車道を介して成田空港と直結した。こ の区間の開通によって、常磐自動車道や北関東自動車 道とも結ばれ、都心を経由することなく東北や北関東 方面から成田空港に直接アクセスすることが可能にな り、マイカーやバスを利用されるお客様のアクセスに加 え、物流の観点からも大幅に利便性が向上した。  2016年度中には「境古河IC~つくば中央IC」間が、 将来的には「大栄JCT~松尾横芝IC」間が開通する予 定であり、さらに東名高速、中央道、関越道、東北道 などとつながることで、空港へのアクセス機能が大幅 に向上する見通しだ。  また、外環道についても、2017年度中に「三郷南IC ~高谷JCT(仮称)」間が開通する予定であり、開通す ると首都圏各所からの空港アクセスの選択肢が広がり、 利便性向上が見込まれる。  成田空港と都心は京成本線、成田スカイアクセス線、 JR線の3つの路線で結ばれており、行き先や利用目的 によって各線を使い分けられる。また、お客さまのニー ズに合わせたダイヤ設定で、深夜・早朝便も含めた利 便性の確保に努めている。  空港と都心間をリーズナブルに移動できる手段とし て知られるのが京成本線であり、日中は上野方面への 特急列車が1時間あたり3本運行される。  2010年に開業した成田スカイアクセス線を経由する 「スカイライナー」は、日暮里と空港第2ビル駅間を最 速36分、在来線最速の160㎞/hと最もスピーディーに 空港と都心を結ぶ。特急料金不要の「アクセス特急」 は、都営浅草線、京急線へ乗り入れ、羽田空港へも延 びる。  JR線の特急「成田エクスプレス」は、東京駅をはじ め新宿や池袋、大宮、横浜などへ乗り換えなしでダイ レクトにアクセスすることが可能となっている。 空港を「観光ゲート化」していく。  その取り組みの第1弾となった「立山黒部アルペン ルート・白馬線」(2015年7月~11月まで運行)に続き、 第2弾として2016年4月には日光線(~2016年11月ま で運行)、新潟線、富山・金沢線を新規開設、京都線 をリニューアルした。いずれも、歴史・文化・伝統・自 然と、日本を代表する魅力的な観光地への路線だ。さ らに、2016年7月からは、富士山・富士急ハイランド 線の運行が始まった。また、8月からは京都線をユニ バーサル・スタジオ・ジャパンまで延伸するとともに、 料金も大幅に下げた。  また、現地での活動時間などを考慮したダイヤ設定 で、滞在時間を有効に活用できるようにしているのも 特徴のひとつ。成田空港への乗り入れが増加している LCCと高速バスを組み合わせることで、リーズナブル な料金で快適な国内旅行を楽しんでいただけるように なっている。

鉄道

●JR&京成電鉄

道路

●圏央道(首都圏中央連絡自動車道)

●外環道(東京外かく環状道路)

●タクシー

つくば中央 IC 成田空港 圏 央 道 境古河 IC 2016年度 開通予定 神崎 IC 大栄 JCT 外環道 中央環状線 三郷南 IC 高谷 JCT (仮称) 2017年度 開通予定 2016年度 開通予定 2017年度 開通予定 東関東自 動車道 常磐 自動 車道 東名 高速 道路 中央自動車道 関越自動車道 東北自動車道 東名 JCT (仮称) 大泉 JCT

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格安の航空運賃を前面に押し出し、身近な空の足として定着したLCC(ローコストキャリア)。 成田空港では「選ばれる空港づくり」の一環として、 2015年4月に第3旅客ターミナルビルをオープンさせるなど、LCCの拠点化を進めている。 2016年冬ダイヤにおける週間発着回数の28.7%をLCC便が占め、 国際線は15.8%、国内線は71.0%と、期を重ねるごとにそのシェアは高まっている。

さらに拡充進むLCCネットワーク

本邦企業も国際線に進出

国内空港最大の15社が就航

 格安運賃の提供を特徴とするLCC。それを実現でき る背景には独自のビジネスモデルがあり、例えば使用 機材の統一や機内サービスの簡略化、空港施設の簡 素化などが挙げられる。コストの抑制を徹底し、格安 な航空運賃に反映する事業形態がLCCの大きな特徴 であり、空の旅をより身近なものとして日本の空におい ても定着してきた。  成田に初めてLCCが就航したのは2008年12月、オー ストラリアのジェットスターによってケアンズ、ゴール ドコーストと結ばれたのが始まりである。当時の日本 では、LCCという言葉や概念が今ほどは浸透していな かった。  2011年以降、韓国や東南アジアなど海外のLCCが 続々と成田へ乗り入れを開始。2012年には、本邦LCC のジェットスター・ジャパンとエアアジア・ジャパン(当 時)が相次いで設立された。この年は日本における “LCC元年”とも言われ、両社は成田空港を拠点に路線 を展開し、国内線の需要を大きく押し上げた。その後、 2013年10月のPeach、同年12月のバニラエア、2014年 8月のSpring Japanの就航によって、成田は本邦LCC4 社すべてが集結する空港になった。  海外LCCの新規就航も続いており、例えば2016年 3月には、韓国のティーウェイ航空が乗り入れを開始。 当初、ソウル線のみだったが、韓国からの訪日需要、 日本からの訪韓需要が回復したことから、同年9月に は成田空港としての新規就航都市となる大邱線を開設 した。  本邦LCCも、これまでの国内線に加えて、国際路線 の新規開設が相次いだ。バニラエアは2016年9月に ホーチミン線(台北経由)を開設したほか、12月にセ ブ線の開設を予定。またSpring Japanも2016年、同 社初の国際線である重慶、武漢を2月に開設したほか、 8月に札幌線、9月に関西線を開設するなど新たに4路 線が加わり、成田空港の拠点化を進めている。  2016年10月現在、成田空港には15社のLCCが乗り 入れており、国内12都市・海外16空港へ路線を展開。 旅客数、便数ともに右肩上がりで推移している。2015 年度の国内線旅客数はLCCの新規就航などもあり約 688万人を数え、過去最高を記録した。  日本の表玄関として航空ネットワークの拡充にさら に期待が高まっており、今後は第3旅客ターミナルの 有効活用がますます重要となっている。 就航年月 航空会社 就航地 2008年12月 ジェットスター航空 ゴールドコースト、ケアンズ、メルボルン 2011年 6月 エアプサン 釜山 2011年 7月 イースター航空 ソウル 2012年10月 スクート シンガポール(台北またはバンコク経由) 2013年 7月 チェジュ航空 ソウル ジンエアー ソウル 2014年 3月 セブパシフィック航空 マニラ、セブ 2014年 9月 タイ・エアアジアX バンコク 2014年12月 香港エクスプレス 香港 2015年 4月 タイガーエア台湾 台北、高雄 2016年 3月 ティーウェイ航空 ソウル、大邱 就航年月 航空会社 就航地 2012年 7月 ジェットスター・ジャパン 香港、マニラ、台北、札幌、関西、高松、松山、福岡、大分、熊本、 鹿児島、那覇 2013年10月 Peach 札幌、関西、福岡、那覇 2013年12月 バニラエア 台北、高雄、香港、ホーチミン(台北経由)、札幌、奄美大島、那覇 2014年 8月 Spring Japan 重慶、武漢、広島、佐賀、札幌、関西 本邦LCC 就航状況 海外LCC 就航状況 ※2016年10月30日現在

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