• 検索結果がありません。

地域社会における高度交通システム構築からメディア論へ新たな研究手法をもたらす試み

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "地域社会における高度交通システム構築からメディア論へ新たな研究手法をもたらす試み"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

< 地域社会における高度交通システム構築からメディア論へ新

たな研究手法をもたらす試み >

研究年度 平成30年度 研究期間 平成30年度~平成30年度 研究代表者名 森田 均 共同研究者名 <はじめに> 平成30 年度は、海外(コペンハーゲン:世界最大の ITS 学会・見本市「ITS 世界会 議 2018」調査を含む)の地域公共交通現地調査を実施し、実験フィールドを長崎市と 五島市、長与町に設定した。 <位置情報配信サービスの開始/継続:長与町、長崎市、五島市> 国土交通省ユニバーサル社会に対応した歩行者移動支援に関する現地事業に採択されて平 成23 年 10 月から開始した長崎電気軌道の低床車両位置情報配信サービスは、平成 26 年 度に総務省戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)の採択課題となって位置情報を 提供する移動体を長崎市内5 系統の乗り合いタクシーに拡張させた。(図 1 参照) 図1.長崎市の乗り合いタクシー5 系統の位置情報を配信する Web 画面

(2)

長崎市の乗り合いタクシーは、乗り場が路面電車の停留所と結節している。位置情報を 配信すると、地域の公共交通の体系化を促すことにつながる。一方で、路面電車の停留所 から乗り合いタクシーが発着しているということは、一般事業者が撤退して市内中心部に 公共交通網の維持を行政が担う地域がある、という問題点を明らかにしてしまっている。 五島市については、同市地域公共交通会議の整備対象に合わせて28 年度に奈留島の 路線バスに通信端末を搭載して位置情報を配信していた。30 年度には路線バスから乗 合タクシーへとモードが変更されたが路線は同一のままである。通信SIM カードを更 新して世界遺産候補の江上教会を訪れる巡礼者のためにITS の実践を継続させた。二 次離島への移動時間を確保するため宿泊を伴い、装置の維持管理、現地調査、打合せ 等の出張を実施した。他に五島市福江商店街、長与町より、これまでの研究成果を横 展開してほしいとの要望があった。五島市福江商店街巡回タクシーは、市内中心部か ら郊外へと運行路線を延伸させている。位置情報の配信は実験段階として良好な成果 を得ることが出来た。長与町の乗合タクシーは、提示運行からデマンド型へと変更さ れたため、位置情報配信をテスト段階で留めることにした。本提案のシステムは、奈 留島での運用を基本にしつつ、他地域でのテストや短期間の試用も可能であることが 明らかになった。さらに、災害被害地への緊急出動も将来的には視野へ収めつつ開発 を行う。(図2参照)

(3)

<現地調査> 五島市における現地調査は、8 月、1 月、3 月に実施した。奈留島の大串路線におけ る位置情報配信システムの機器メンテナンスを行いつつ、福江中心商店街路線につい ては全路線に実際に乗車し、道路状況、電波状況、乗客数などを調査してから機器を 搭載した。 東京における資料収集は「G 空間 expo」(日本科学未来館、平成 31 年 11 月 15‐17 日)で実施した。今回のテーマは、国産準天頂衛星システム「みちびき」であった。こ れまでの研究では、GPS による位置情報把握の精度を上げるために様々な無線通信・ センサー技術を導入している。国産のGPS としての「みちびき」が実用となれば、シ ステムを全て更新する必要もある。この展示会では様々な技術展示が行われていたが、 現状では実運用システムへ搭載できる段階ではなかった。しかし位置情報プログラミ ング手法など興味深いものもあり、今後導入を検討していく。 ITS 研究コミュニティへの参与型研究でもある ITS 世界会議(コペンハーゲン)に ついては、昨年度までのITS シンポジウム(日本全国規模)と ITS 世界会議(前世界 規模)に加えて、ITS-APF(アジア太平洋地域)や国内ではオール九州の結集を目指 した福岡のITS 推進団体との交流などを加えて、多方面から本研究の評価を受ける機 会となった。既に本年実施のITS-APF 福岡では実行委員を委嘱されているので、世界 会議やアジア太平洋地域会議への参加は、研究コミュニティへの貢献として重要度を 増している。福岡では主催者シンポジウム「地域 ITS」においてパネリストとして長 崎県内のITS の取り組みについて報告した。 <実証実験等> 長崎電気軌道内で平成30 年 8 月及び 31 年 2 月に実施した。同既存機器メンテナン スと、SCOPE において取得した装置を長崎市内で使用し、到達範囲を広げる実証実 験を行った。また、五島市及び長崎市のフィールドでBluetooth ビーコンと小電力広 域通信の評価テストを行った。ビーコンをセンサーとして活用し、長崎市においては 電車と乗合タクシーの接近情報として活用するもので、ビーコンのデータを電送する 方法として、小電力広域通信を導入するための予備実験をおこなった。この技術は導 入後に通信費用が必要無くなる方法もあるので、システムのランニングコストを極め て廉価に抑えることが出来る。このシステムの運用ノウハウを確立できれば、離島や 過疎地において低価格の地域ITS を実現できるようになる。また、災害発生時には位 置情報配信の即応システムとなる。

(4)

図 3.長崎市近郊の小電力広域通信(LPWA)基地局の整備状況 <利用者意向アンケート収集> ゼミ所属学生にアルバイトを依頼して長崎電気軌道の「路面電車祭り」(平成30 年 11 月)においてドコネの利用者以降調査を行った。その結果は図4にまとめてあるが、 「利用したことがある」18%、「知っている」25%、「知らない」56%、無回答 1%と なっている。「利用したことがある」と「知っている」の合計はこのイベントでの調査 において過去6 年間で 45%前後を推移している。今回の調査では「利用したことがあ る」とした回答が増加した。

(5)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年

「ドコネを知っていますか」

路面電車祭りアンケート結果の推移

利用した 知っている 知らない 無回答 図 4.低床車両位置情報配信サービス(ドコネ)認知度の推移 <成果報告> 平成 30 年 12 月に京都市の同志社大学今出川キャンパスにおいて開催された「ITS シンポジウム2018」で「路面電車のナビゲータが提案する運輸・情報通信・エネルギ ーの統合型インフラSTING」という演題で成果発表を行った。

図 3.長崎市近郊の小電力広域通信(LPWA)基地局の整備状況  <利用者意向アンケート収集> ゼミ所属学生にアルバイトを依頼して長崎電気軌道の「路面電車祭り」 (平成 30 年 11 月)においてドコネの利用者以降調査を行った。その結果は図4にまとめてあるが、 「利用したことがある」 18 %、 「知っている」 25 %、 「知らない」 56 %、無回答 1 %と なっている。 「利用したことがある」と「知っている」の合計はこのイベントでの調査 において過去 6 年間で 45 %前後を推移している。今回の

参照

関連したドキュメント

※調査回収難度が高い60歳以上の回収数を増やすために追加調査を実施した。追加調査は株式会社マクロ

法制執務支援システム(データベース)のコンテンツの充実 平成 13

6 月、 月 、8 8月 月、 、1 10 0 月 月、 、1 1月 月及 及び び2 2月 月) )に に調 調査 査を を行 行い いま まし した た。 。. 森ヶ崎の鼻 1

1 

) の近隣組織役員に調査を実施した。仮説は,富

イギリス Maritime London, Mersey Cluster ノルウェー Maritime Forum of Norway デンマーク・スウェーデン Joint Maritime Cluster オランダ Dutch Maritime Network ドイツ

・平成 21 年 7

① 農林水産業:各種の農林水産統計から、新潟県と本市(2000 年は合併前のため 10 市町 村)の 168