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効である 2. 当院におけるステントグラフトの現状 岐阜県総合医療センター循環器内科医長後藤芳章 岐阜県総合医療センターでは 循環器内科で心臓血管治療を担当している 2010 年 9 月より手術開始し 当初は 血管造影室や手術室に実施していたが 2013 年 7 月よりハイブリッド手術室を稼働した

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第2 回春日井心臓血管セミナー 開催日:平成28 年 9 月 17 日(土)17 時~ 参加者:92 名 セッションⅠ 大動脈瘤に対するステントグラフト治療 座長 松原徳洲会病院 徳洲会グループ大動脈血管治療センター長 阪口昇二 1.当院における腹部大動脈瘤破裂315 例の検討 名古屋徳洲会総合病院 心臓血管外科部長 只腰雅夫 当院の心臓血管外科手術件数及び心臓大血管手術も順調に増加している。その中でステ ントグラフト手術数は40 例前後である。2015 年の腹部大動脈瘤治療 76 例の内訳として、 開腹手術が55 例、ステントグラフトは 21 例であった。 今回、当院及び関連病にて過去17 年間で経験した 315 例の破裂性腹部大動脈瘤手術の検 討行い、主にステントグラフト治療可能施設における外科治療の在り方について検討した。 ・腹部大動脈瘤症例は961 例あり、破裂性が 315 例、未破裂が 646 例であった。 ・年齢は、70 代~80 代が多くの割合を占め、平均年齢は 75 歳。 ・対象として、他院からの搬送が255 例、当院への直接入院が 60 例。 ・遮断部位は、腎動脈下大動脈遮断296 例、下行大動脈遮断 7 例、横隔膜下遮断 3 例。 ・術式は、人工血管置換術が 301 例(I型 174 例、Y型 127 例)、ステントグラフト内 挿術が7 例。 ・入院から執刀開始まで1 時間 9 分、執刀から中枢遮断まで 25 分。 ・手術時間は、平均3 時間。Y型の方が 30 分長くかかる。ステントグラフトは 2 時間。 ・死亡例としては、1 カ月以内総死亡例が 63 例で 20%。 ・術前心肺停止9 例の内 5 例で手術完遂後生存退院。 ・術中心肺停止11 例の内 3 例は生存退院。 ・一か月以内死亡率は、全年齢で20%だが、90 代で 60%と厳しい。 ・他施設からの紹介搬送も、当院への直接入院も死亡率に変化はなかった。 まとめとして、腹部大動脈瘤緊急手術を多く行っている当院での術後 1 カ月以内での死 亡率は 20%であり、諸家の報告と比べて良好であった。解剖学的にステントグラフトが可 能であり、ハイリスク、再手術等の外科治療が困難な場合には、ステントグラフト治療が 考慮されるが、開腹人工血管置換術も救命可能な有効な治療手段である。偏ることなく、 症例ごとに最も適した治療方針を決定することが重要と思われる。 結語は、腹部大動脈瘤破裂例での救命可能な治療手段として、開腹人工血管置換術は有

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効である。 2.当院におけるステントグラフトの現状 岐阜県総合医療センター 循環器内科医長 後藤芳章 岐阜県総合医療センターでは、循環器内科で心臓血管治療を担当している。2010 年 9 月 より手術開始し、当初は、血管造影室や手術室に実施していたが、2013 年 7 月よりハイブ リッド手術室を稼働した。ステントグラフトの症例数について、2010 年 9 月~2016 年 9 月までにおいて、腹部大動脈ステントグラフト内挿術は 304 例、胸部大動脈ステントグラ フト内挿術で92 例実施した。3 点について考察した。①腹部大動脈瘤破裂について、心臓 血管外科、循環器内科両科で治療、プロトコールを利用。緊急EVAR32 例の検討したとこ ろ、年齢は平均78 歳、男性 27 例、女性 4 例。瘤径は、67 ㎜。特殊症例 5 例であった。IABO 使用症例15%(5 例)。30 日在院死亡が 15%(5 例)。②経皮的ステントグラフト内挿術(EVAR like PCI.を目指して)について、大腿動脈で、22F までのシースは puncture とし、それ以 外はcut down。経皮的 EVAR の割合は、2013 年までは 4.3%であったが、2016 年現在で は、94.1%を占める。TAVI プロクターによる Perclose の指導により手技成功率が飛躍的に 向上した為、経皮的EVAR が増加した。2014 年 8 月以降、223 穿刺中 221 例が手技成功(手 技成功99%)。③急性大動脈解離は 17 例治療(合併症例 15 例、合併症なし 2 例)。30 日 死亡は0 例。現在、合併症がない方に対してどのような治療をしていくか検討している。 3.名古屋大学におけるステントグラフト治療の現状 名古屋大学医学部附属病院 血管外科講師 坂野比呂志 名古屋大学血管外科治療件数の推移として、小森先生が2002 年に赴任されて件数が徐々 に増加しております。AAA 治療件数もここ最近は年 130~140 件、内 EVAR が 6 割。年齢 75 歳以上は EVAR。2007 年~2014 年の AAA 治療 859 例の検討をした。2006 年~2011 年のEVAR254 例の検討をした。基本方針として、径 3 ㎜以上は開存するIMAは術中塞 栓を行う形で実施。「TypeⅡEL による瘤径増大から typeⅢaEL をきたした 1 例」、「経腰的 塞栓術を施行したtypeⅡEL の 1 例」の症例報告。 弓部大動脈瘤の治療戦略について、治療選択の基本は、弓部置換であるが、ステントグ ラフト治療が行えることによって、いろんな戦略があると思われる。当院では、腹部大動 脈に対して、血管外科においてOR、EVAR で治療、胸部大動脈に関しては、血管外科で、 TEVAR、心臓外科にて OR 治療を実施している為、定期的に AoricTeam でカンファレンス を行ってどのように治療をするか検討を行っている。弓部大動脈瘤に対する治療方針は、

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Zone2 において TEVAR が可能であれば基本的に TEVAR で実施、それ以外の方は、年齢で 区切り、若い方は、Total Arch、歳をとっていれば、人工心肺を使わずにハイブリッド手術 で実施していた。弓部のステントグラフト治療121 例の結果の検討を行った。現在の弓部 大動脈瘤に対する治療方針は、Zone2 において TEVAR が可能であれば基本的に TEVAR(+ LSA 再建)で実施、それ以外の方は、可能なかぎり Total Arch で実施。

枝付きステントグラフトの治療について紹介された。 ≪コーヒーブレイク≫ セッションⅡ 特別講演 座長 JA 岐阜厚生連 東濃厚生病院 病院長 塚本英人 ステントグラフトの歴史と最新の知見 社会医療法人 大道会 森ノ宮病院 心臓血管外科 部長 加藤 雅明 1)ステントグラフト開発のきっかけと進歩 1990 年急性大動脈解離の分類と治療方針は、A 型解離の場合は緊急外科手術、B 型解離 は合併症がなければ降圧安静で、手術はせず集中治療室管理が一般的であった。その当時 の手術成績は、A 型解離の場合は Mortality が 24.8%、B 型解離の場合は 39.0%。大阪府 急性期総合医療センターの手術成績では、A 型解離で 5.0%ですごくいい成績だった。B 型 解離の場合は、17.5%よくなかったので、詳しく調べてみたところ、発症してから 2 週間 以内で33%、3 ヶ月以内は 0%、慢性期の成績が 21.7%で悪かった。慢性 B 型大動脈解離・ 瘤化すると手術が難しい。従来の治療方針は、合併症がなければ 9 割が降圧安静し観察さ れ、慢性期拡大がない方が6 割、4 割の方が慢性期拡大し瘤化がみられ外科的手術治療にな り、その手術成績がよくなったことから、慢性 B 型大動脈解離で合併症がなく、拡大する 恐れのあるケースをどうにかしないといけないと検討した。カテーテルでエントリーを閉 じて慢性期の偽腔拡大を防げないかと考えたが、適応をどうするか、デバイスをどうする か、治療のタイミングはどうするかが、大きな問題であった。この問題を解決するために、 ①適応、②デバイス、③治療のタイミングの3 つのゴールを設定した。①慢性 B 型大動脈 解離で偽腔拡大を予測する。慢性B 型大動脈解離 41 名の患者さんの経過を見たところ、急 性期大動脈径が40 ㎜以上、胸部 entry 開存の症例は、2 年 30%、5 年で 78%が拡大するこ とが分かった。これらの条件を満たした症例が予防的ステントグラフト治療の対象とした。 ②B 型解離のエントリーをカテーテルで閉鎖する。ステントグラフトを作るところから始め た。カテーテルで運べるデバイスが必要。当時のステントは、一番小さく一番大きくなる ものは、Z-Stent であった。工学部の先生に弟子入りした。ポリウレタンを使用してグラフ

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トをつくったらどうかと提案をしていただき、自分で手創りし、Z-Stent とポリウレタング ラフトの組み合わせでデバイス作成し、犬に下行大動脈解離をわざわざ作って実験し、問 題なくデバイスが完成した。③臨床例でステントグラフト治療のタイミングを検討する。 臨床で検討するしかなく、1993 年に世界で第一症例を実施したが上手くいかなかった。最 初の 3 例はすべて何等かの失敗をした。エントリーの位置が問題であり、デバイスが遠位 弓部の強い屈曲に対応しきれないという問題が発生した。1997 年までの 12 例の内、エン トリーが閉じれた症例は7 例で成功率 58.3%であった。たった 7 例では、治療のタイミン グを検討する症例数が足りなかった。スタンフォード大学で解離のステントグラフト治療 開始する話を聞いて、慌てて、他のB 型解離 4 例、A 型解離 8 例を加えて全 19 症例で論文 を書いた。その結論として、解離発症6 カ月以内にステントグラフトにて Entry を閉鎖す れば、解離の偽腔は縮小するとした。 2)オープンステント(FET)の開発と現在 B 型大動脈解離に対するステントグラフト治療において、初期経験から見えてきたことは、 エントリー中枢側は縫合した方がいいと考えた。Frozen Elephant Trunk の治療法を考え 付いた。日本ではオープンステントグラフトと呼ばれて有名になりました。抹消側のみス テント、中枢側は弓部で縫合し、弓部分枝は上行大動脈からバイパスする手術で、これが 元祖ハイブリッド手術となる。その後、日本のみならず世界に広まっていった。A 型解離の 手術でも、昔は上行大動脈だけ取り替えたらよかったが、最近では、弓部から下行まで人 工血管を入れる手術が流行り、A 型解離の Total Arch でもステントグラフトが応用される ようになった。このような手術方法を開発し、世界的にも流行っていった。最終的にこの 手術を発表したのは1996 年 Circulation に掲載。大阪大学の先生も発表され、世界のいろ んな先生も発表され症例数も増えてきたことにより、これ専用のデバイスも海外で販売さ れるようになり、一挙に普及するようになった。今現在、世界中で年間 5,000 例がこの手 術を受けている。論文の数も増えたことにより、随分有名な手術になった。成績もよくな り、ガイドラインにもされている。元々、保存治療をしていた患者に対し、B 型解離の拡大 予防する為に人工心肺とか、心停止の手術をするのは手術が大き過ぎる上で、術後の合併 症も起こることもある、もっと低侵襲で合併症がなく、かつ確実に Entry を閉鎖できる方 法が試案した。1998 年 Off-Pump で上行大動脈から弓部分枝に bypass 施行+上行大動脈 からステントグラフト挿入するやり方に変わって行き、これで確実にEntry が閉鎖できる ようになった。ステントグラフトも少しずつ変化していき、綺麗に Entry が閉鎖できるな ってきた。 日本ではあまり評価されなかったが、海外からは評価され、解離に対するステントグラ フト治療で教科書(DISEASES OF THE AORTA)の執筆を行った。

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3)大動脈解離に対するステントグラフト 慢性B型解離・拡大予測例に対するバイパス+TEVAR にて、上手く Entry が閉鎖できると 偽腔が血栓化し、半年経過すると偽腔が消えることが確認でき、論文にした。 その当時の論文は、B 型大動脈解離に対する治療方針として、TEVAR の先制攻撃で慢性 期の偽腔拡大を防げないか?拡大予測症例29 例、拡大した症例(解離性大動脈瘤)19 例の 計48 例の検討を行い、93.8%で上手く Entry が閉鎖できた。かなり上手になったと言える。 TEVAR 後に偽腔の大きさがどのように変化をするのか調べてみたところ、拡大予測例は偽 腔縮小するが、拡大(瘤化)してからTEVAR をやった症例は、偽腔は縮小しない(TEVAR の効果が余りない)ことが分かった。結論は同じで、B 型解離発症 6 カ月以内に TEVAR に てEntry を閉鎖すれば解離偽腔は高率に縮小する。 埼玉医大の関係で、ガイドラインの仕事が廻ってきた。これで B 型解離のステントグラ フト治療が標準化できると思ったが、ガイドラインに書けることはエビデンス・ヒエラル キーで決められており、メタアナリシス、系統的レビューが一番優先され、ランダム化比 較試験が次に優先される為、ガイドラインとして標準化できず悩んだ。ランダム化比較試 験をやったらよかったのですがいろんな事情でできなかった。ドイツの先生が、「B 型大動 脈解離に対する薬物治療とTEVAR」ランダマイズ試験を実施した。その結果は、死亡率を みると、最初の2 年間の成績は、TEVAR の方が悪かった。2 年後でリセットして考えると、 TEVAR の方が成績良いことが分かった。偽腔の運命を調べると、治療前から 2 年後、5 年 後で比較、薬物治療症例は、43⇒56 ㎜、TEVAR は 44⇒44 ㎜で全く一緒であった。2 年後 では有意な差はなかったが、5 年後で有意な差が生じた。 INSTEAD-5y の結論としては、「Uncomplicated B 型大動脈解離に対する発症 12 か月 以内の先制TEVAR は、2 年以降の生命予後、大動脈リモデリングの観点からメリットがあ る。」としたが、実はこれは、1998 年に自分が書いた「大動脈解離に対する発症 6 カ月以 内のTEVAR によるエントリー閉鎖は偽腔を縮小させ、その運命を良好なものとする」とほ ぼ一緒であるが、エビデンスとしては、“INSTEAD-5y”が圧倒的に強い結論づけ採用され た。このおかげで、B 型大動脈解離・治療のパラダイムシフトが起こっております。昔は、 急性B 型解離の患者さんは、合併症がなければ降圧安静治療。膨らんだら治療するという 方針であったが、今は、合併症がなければ、降圧安静治療とともに拡大を予測するべしに 変わった。そして、昔は、拡大、瘤化したら人工血管置換術をしていたが、今は、拡大予 測症例では予防的TEVAR 治療しようという時代に変わってきた。日循のガイドラインも、 2011 年に自分が書いた時点では、「将来の瘤化防止を目的とした B 型大動脈解離に対する TEVAR による Entry を閉鎖」が、ClassⅡb だったが、今後、ClassⅡa に引き上げられ推 奨される予定です。

急性B 型大動脈解離・complicated case について、破裂してたり、真空が狭くかん流障 害を起こしているケースにTEVAR をつかったらどうなのか、もともと合併症があるケース を考えてみると、大きい Entry が上部にあり、Re-entry がほとんどない人たちです。

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Re-entry が小さいか、ほとんどないので、血が外に出る。こういった complicated case に TEVAR を入れて Entry 閉鎖を行うのは、TEVAR の餌食です。上手く Entry さえ閉じれば、 破裂も止まり、かん流障害も治療できる。そういうことなので、この治療は推奨されてい る。手術の成績とも比べられていますが、死亡率も低く、合併症の発生率も少ない。2011 年の時点で、ClassⅠのガイドラインとして、絶対推奨のところにランキングされており、 2016 においても全く一緒です。 一方、膨らんでしまったケースについては、一旦拡大した偽腔は Entry を閉じただけで 縮小するのか?44%は縮小するが、52%は縮小しない。成績はいまいちだった。

瘤化したB 型大動脈解離は、Re-entry を含めた Total TEVAR&EVAR が必要だという結 論になるわけです。

B 型大動脈解離に対する治療方針(森ノ宮病院)は、合併症がある、破裂したものは、緊 急でステントグラフトを実施。降圧安静になった人たちで、拡大予測症例には、先制治療 を発症してから6 カ月~1 年以内に実施。膨らんでしまった患者に対しては、Re-entry を 含めたTotal TEVAR&EVAR を実施する。

参照

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