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花王株式会社

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Academic year: 2021

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自己乳化型グリセリルモノステアレート

レオドールMS-165V

(RHEODOL MS-165V)

「レオドールMS-165V」は、酸に安定なモノグリセライド系非イオン性界面活性剤で あり、その特長ある性質を利用して、すぐれた化粧品をつくることができます。

目 次

1.化粧品用グリセリルモノステアレートの種類………2

2.化粧品への代表的な応用例………2

3.自己乳化型乳化剤としての応用例………5

4.石けんと併用したクリーム例………5

5.製品特性………6

6.使用上の注意………7

7.荷 姿………7

(2)

1.化粧品用グリセリルモノステアレートの種類

化粧品に使用されるグリセリルモノステアレート(GMS)には次の3種があります。 (1)非自己乳化型 これは、グリセリルモノステアレート(以後、GMSと略す)の中で最も簡単なものです。これ を単独で使用しても、良好なO/Wエマルションを得ることはできません。この製品が親水性界面活 性剤というよりも、親油性の高い界面活性剤であるためです。これを乳化剤として用いるときは、親 水性の乳化剤、例えば「レオドールTW」シリーズ(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル)、 「エマノーン」(ポリエチレングリコール脂肪酸エステル)または石けんを同時に配合して用いなけ ればなりません。「レオドールTW」シリーズまたは「エマノーン」と併用したGMSは、中性ある いは酸性のクリームやローションをつくるのに最適です。しかし、石けんと併用したGMS乳化剤は、 アルカリ性の化粧品にしか用いられません。当社には高純度の非自己乳化型乳化剤として、 「レオ ドールMS-50」および「レオドールMS-60」があります。 (2)自己乳化型 これは、親水性乳化剤と非自己乳化型GMSとを配合してつくられ、O/Wエマルションをつく るのに用いられます。この型のものは、一般に普通のGMSに5~25%の石けんを加えることによ ってつくられますので、アルカリ性クリームやローションにのみ用いることができ、酸性あるいは電 解質物質を含む化粧品には用いることができません。 (3)自己乳化性酸安定型 この型の乳化剤は、非自己乳化型GMSを改良してつくられ、制汗剤あるいは温和な酸、電解質 を含む化粧品をつくるのに最適です。これでつくったクリーム、ローションには皮ふのpH にあうよ うに酸を加えても分離は起きません。自己乳化性酸安定型GMSを得るには多くの方法がありますが、 当社の「レオドールMS-165V」は、非イオン性界面活性剤で構成されているという特長があり、ど んな化粧品成分あるいは薬効成分を加えても、乳化の安定なすぐれた化粧品が得られます。

2.化粧品への代表的な応用例

「レオドールMS-165V」は、これらの3種のGMSが必要とされる製品には、どれにでも応用で きます。弱酸性、または中性クリームやローションに適しますが、特にどうしても酸性でなければい け な い 制汗剤 、 ま たはさ ま ざ まな電 解 質 を含む 化 粧 品にも 最 適 な乳化 剤 で す 。「 レ オ ド ー ル MS-165V」は非イオン性であり、化粧品の成分選択も自由にでき、非イオン性でない石けんを配合 したGMSを使用した場合より、安定なエマルションを得ることができるのです。 「レオドール MS-165V」とGSMを用いた配合品について、簡単な成分を乳化することにより、 エマルションの安定性、化粧品用としての適合性を検討しましたが、たいへん良い結果を得ることが できました。「レオドール MS-165V」を用いた処方例を次に示しておりますので、一般のGMS製 品と比較してみてください。

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(1) 制汗剤 “制汗剤”には収れん性塩が配合されていますので、それが安定であるためには酸安定型GMS が必要となります。この「レオドールMS-165V」を使用すれば、そのすぐれた特長により非常に安 定性の良好な化粧品を得ることができます。処方例1と2は「レオドールMS-165V」を用いた簡単 な処方ですが、たいへん良い安定性を示します。 処方例1 制汗ローション (A) レオドール MS-165V 15% (B) 水 45% アルミニウムクロロハイドレート(50%溶液) 40% 調整法:(A)を 70℃に(B)を 72℃に加熱し、(B)を(A)に撹拌しながら加え、温度が下がるまで撹拌す る。 処方例2 制汗クリーム (A) レオドール MS-165V 5% カルコール 6870(セチルアルコール) 5% (B) 水 50% アルミニウムクロロハイドレート(50%溶液) 40% 調整法:処方例1と同じ 処方例3 制汗クリーム (A) レオドール MS-165V 18% 鯨ロウ 5% (B) 化粧品用濃グリセリン 5% 水 53% (C) 酸化チタン 1% (D) アルミニウムクロロハイドレート(50%溶液) 18% 調整法:(A)、(B)を 75~80℃に加熱し、(B)を(A)に撹拌しながら加え、10~20 分そのまま撹拌する。 次に(C)を加え撹拌し、35~40 度に冷却し、ゆっくり(D)を加え、さらに充分撹拌し香料を 加える。 (2)O/W型中性あるいは弱酸性クリーム、ローション 中性あるいは酸性のクリーム、ローションは、アルカリ性化粧品に比べて皮ふを健康にしてくれ ます。皮ふは通常酸性であり、バクテリアが繁殖することから守っているのですが、アルカリ性化粧 品はそれを一時的に中和してしまうからです。 化粧品は、一般には石けんと乳化剤、あるいは乳化剤とアルカリの併用による方法でつくられま すが、これらの化粧品はアルカリ性を示します。普通の自己乳化型のGMSを使用した場合でも、石 けんを併用していますのでアルカリ性になります。このようなアルカリ性化粧品のpH を皮ふの pH にあわせるため、酸を加えることはできません。それは、酸が石けんと反応してエマルションを破壊 してしまうためです。 「レオドールMS-165V」は、中性あるいは弱酸性GMS型のクリームをつくるのに最適ですが、

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り、クエン酸、酒石酸、マレイン酸またはリンゴ酸を加えてpH を調整した化粧品を得ることができ ます。 処方例4~6は、「レオドールMS-165V」を使用した処方例ですが、強い乳化力を示しています。 これらの処方例は中性でありますので、温和な酸を加えてpH を変えることもできます。 処方例4 ハンドローション (A) レオドール MS-165V 5% カルコール 6870(セチルアルコール) 5% (B) ソルビトール花王(ソルビトール) 5% 水 8 5% 保存剤 q.s. 温和な酸(pH を調整するため) q.s. 調整法:(A)を 70℃、(B)を 72℃に加熱し、(B)を(A)に撹拌しながら徐々に加え、温度が下がるまで 撹拌する。 処方例5 ハンドクリーム (A) レオドール MS-165V 5% カルコール 6870(セチルアルコール) 5% (B) レオドール MS-165V 5% 水 85% 温和な酸(pH を調整するため) q.s. 調整法:処方例4に同じ 処方例6 ミネラルオイルローション (A) レオドール MS-165V 10% ミネラルオイル 10% (B) 水 8 0% 保存剤 q.s. 温和な酸(pH を調整するため) q.s. 調整法:処方例4に同じ 処方例7 香料クリーム (A) レオドール MS-165V 16% 鯨ロウ 5% カルコール 6870(セチルアルコール) 5% エキセパール IPM(イソプロピルミリステート) 3% (B) エマルゲン 123P(ポリオキシエチレンラウリルエーテル) 2% 水 59% (C) 香料 q.s. 調整法:(A)(B)を 75℃に加熱し、(B)を(A)に撹拌しながら加える。45℃で(C)を加え、温度が下がる まで撹拌する。

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3.自己乳化型乳化剤としての処方例

「レオドールMS-165V」は、酸安定型GMSを用いた化粧品に使用されるばかりでなく、普通の 自己乳化型GMSとして用いることができます。「レオドール MS-165V」の自己乳化型グリセリル モノステアレートとしての適合性について、処方例8、9に示した配合品で検討しましたが、ここで 得られるエマルションは充分安定で良好な化粧品となりました。 一般の自己乳化型のGMSによってつくられる製品はアルカリ性ですが、「レオドールMS-165V」を用 いますとその製品は中性であり、皮ふのpH にあうように酸を加えても、その安定性は変わりません。 処方例8 バニシングクリーム (A) レオドール MS-165V 18% ラノリン 2% カルコール 6870(セチルアルコール) 1% ミネラルオイル 1% (B) ソルビトール花王(ソルビトール) 2% 水 76% 調整法:(A)(B)を 90~92℃に加熱し、(B)を(A)に撹拌しながら加え、温度が下がるまでたえず撹拌す る。 処方例9 スキンクリーム (A) レオドール MS-165V 12% ラノリン 1% カルコール 6870(セチルアルコール) 3% ミネラルオイル 4% (B) プロピレングリコール 1% 水 79% 調整法:(A)を 65℃(B)を 67℃に加熱し、(B)を(A)に撹拌しながら加え、温度が下がるまで撹拌する。

4.石けんと併用したクリーム例

化粧品に用いられる多くの処方例の中で、GMSはエモリアント剤、増粘剤として使用されます。 また、その乳化性は皮革やひげの軟化剤として、石けんの乳化性と同様に利用されます。次の処方例 は、「レオドールMS-165V」と石けんの併用によるクリームです。

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処方例10 ブラッシュレスシェービングクリーム (A) 精製ステアリン酸 24.0% レオドール MS-165V 3.0% 化粧品用濃グリセリン 6.0% カルコール 8688(ステアリルアルコール) 1.0% 白色ワセリン 8.0% ラノリン 2.0% (B) トリエタノールアミン 1.1% ホウ砂 1.0% 水 53.9% 保存剤 q.s. 調整法:(A)を 80℃(B)を 82℃に加熱し、(B)を(A)に撹拌しながら加え、冷えて固まるまで撹拌して 一夜放置し、よくかき混ぜて製品とする。

5.性 質

(1)一般性状 融 点 50~65℃ 酸 価 3 以下 ヨウ素価 3 以下 けん化価 90~100 乾燥減量 3%以下 強熱残分 1%以下 「レオドールMS-165V」は主として化粧品に使用されますが、融点以上に加熱しますとアルコー ルに溶解します。綿実油、ミネラルオイル、プロピレングリコールには溶解しません。 次の表は、水に「レオドールMS-165V」を種々の濃度で分散させたときの稠度と安定性を示した ものです。 表1:「レオドールMS-165V」水溶液の濃度と稠度とその水溶液の安定性 「レオドールMS-165V」 濃度(%) 稠 度 安 定 性 5 希薄なローション わずかに安定 10 中程のローション 安 定 15 中程のローション 安 定 20 粘性のあるローション 安 定 25 柔らかいクリーム 安 定

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6.使用上の注意

グリセリンモノステアレート(GMS)として、「レオドール MS-165V」を使用すればすぐれた 製品を得ることができますが、どんな乳化剤についても同じように言えますが親水性、親油性の度合 いについて考えることを忘れてはいけません。ある油層成分のための理想的な乳化力は、親水性乳化 剤と親油性乳化剤とを配合して最適な親水性―親油性バランス(HLB)にしたときに得ることがで きるのです。「レオドール MS-165V」の増粘作用についてはほかのGMSとほぼ同じ傾向を有しま すが、特に増粘効果が必要なときには、「カルコール 6870」(セチルアルコール)あるいは「カルコ ール8688」(ステアリルアルコール)と「レオドール MS-165V」の併用をおすすめします。

7.荷 姿

20kg 入り パッキングケース

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ここに掲載された事項は、細心の注意を払って行われた 実験事実に基づくものでありますが、実際の現場結果を 確実に保証するものではありません。

花王株式会社

ケミカル事業ユニット

東 京 〒131-8501 東京都墨田区文花 2-1-3 TEL:03-5630-7644 大 阪 〒550-0012 大阪市西区立売堀 1-4-1 TEL:06-6533-7441 2004.08 035-024(R2) URL=http://chemical.kao.com/jp/ E-mail=chemical@kao.co.jp

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