低硫黄燃料油の製造方法と品質について
*林 利 昭
** 1. はじめに 1973 年の船舶による汚染防止の為の国際条約 「MALPOL73/78 条約」に「船舶からの大気汚染防止 のための規則」の附属書を追加した 1997 年および 1973 年の議定書が採択され,2004 年 5 月 18 日に発 効した.これにより船舶に対するNOx および SOx の 排出規制が始まった.その後,更なる厳しい硫黄分規 制が審議され,2008 年 10 月の MEPC58 において採 択された.本稿では2015 年以降の指定海域で使用さ れる低硫黄燃料油および2020 年以降の一般海域で使 用される燃料油の製造方法と予想される燃料油の品質 について報告する.また,将来の原油以外の非在来型 燃料について紹介する. 2.低硫黄燃料油の製造方法と品質1) 2.1 低硫黄原油による対応 2.1.1 低硫黄原油の製造方法 低硫黄原油を 図1 の常圧蒸留装置で蒸留すると、塔頂から LPG 等 のガスが得られ,次に沸点の低い留分のガソリン留分, 灯油留分および軽油留分に分けられる.塔低からは重 油に相当する常圧蒸留装置の残さ油が得られ,その性 状を表1 に示した.2015 年以降の ECA 海域で使用す *原稿受付 平成 23年1月11日. **正会員 JX日鉱日石エネルギー株式会社 (東京都千代田区大手町2-6-3). る燃料油の硫黄分は0.1 質量%以下であり中東のサウ ジアラビア原油の軽油留分の留出油は脱硫する必要が ある.硫黄分の少ないインドネシアのスマトラライト 原油の軽油留分の留出油は,硫黄分が0.04 質量%であ り脱硫する必要がない. 図1 常圧蒸留装置 また,低硫黄原油であるアフリカのカメルーン原油や 北海のBent 原油は低硫黄の自動車用軽油や灯油留分 を混合して低硫黄にする必要がある.しかし,灯油留 分を混合すると動粘度が更に低くなる.性状ではパラ フィン分が多いので燃焼性(セタン指数)は良好である. 低硫黄原油の残さ油は,スマトラライトは硫黄分が 0.1 質量%程度であるが流動点を下げる必要がある.低硫黄燃料油の製造方法と品質について
* 林 利昭**Production Process and Expected Quality of Low Sulfur Fuels*
TOSHIAKI HAYASHI**
Based on the so-called MARPOL 73/78 Treaty “the International Convention for the Prevention of
Pollution From Ships, 1973 as modified by the Protocol of 1978” so called MARPOL 73/78 Treaty,
the Protocol of 1997 and 1973, which includes Annex VI titled “Regulations for the Prevention of
Air Pollution from Ships”, was adopted and came into effect on 18 May 2004. The emission
regulations of NOx and SOx from ships started with this protocol. After that, the severe sulfur
regulation was discussed and adopted at MEPC58 held in October 2008. This paper presents the
production process and the expected quality of low sulfur marine fuels that will be used in
specified sea areas after 2015 and in general sea areas after 2020. This paper also presents the future
unconventional fuels.
�� ���� ⫳ ⇐ Ᏹ ⵝ ⟎ ������ (����1~C�� ������ (20~180℃) (����5~�10) ���� (150~250℃) (����10~�13) ���� (250~350℃) (����13~�16) ��� (�����) (���17��) ������� ���� ����� 300~350℃表1 常圧蒸留装置各留分の性状 アラビアンライト スマトラライト Cameroon Brent 中東 東南アジア アフリカ 北海 サウジアラビア インドネシア カメルーン イギリス 原油性状 密度(15℃) g/cm3 0.856 0.847 0.850 0.832 硫黄分 質量% 1.85 0.07 0.30 0.37 流動点 ℃ -45.0 35.0 10.0 0.0 残留炭素分 質量% 4.1 2.7 2.8 2.2 留出油(DMA相当)性状 動粘度(40℃) mm2/s 5.0 4.2 4.5 4.3 硫黄分 質量% 1.30 0.04 0.19 0.17 流動点 ℃ -10.0 -2.5 -15.0 -12.5 セタン指数(旧) 56 64 53 53 残渣油(常圧蒸留)性状 密度(15℃) g/cm3 0.964 0.887 0.947 0.925 動粘度(50℃) mm2/s 361 - 425 98 硫黄分 質量% 3.32 0.10 0.56 0.73 窒素分 質量% 0.15 0.16 0.53 0.16 流動点 ℃ 15.0 52.5 37.5 37.5 残留炭素分 質量% 9.6 4.5 6.9 4.5 CCAI 826 766 807 802 低硫黄原油の残さ油は,スマトラライトは硫黄分が 0.1 質量%程度であるが流動点を下げる必要がある. アフリカのカメルーン原油や北海のBent 原油は,0.1 質量%以下にするためには残さ油を脱硫する必要があ るが,重質留分のため困難である.したがって低硫黄 の重油および留出油を混合して硫黄分0.5 質量%以下 の一般海域での使用燃料となる.品質は留出油を混合 する為に動粘度が更に低くなる.残留炭素分が少なく CCAI 等の燃焼性は良好である.しかし,動粘度が低 く、北海原油ではIBF380 の製造は出来ない.世界的 に低硫黄原油の確認埋蔵量および生産量は少なく全世 界を供給する量はない.特に日本の場合は,低硫黄原 油の輸入は現状が限界で,原油対応は困難である. 2.1.2 低硫黄原油の課題 日本の場合は,低 硫黄原油の輸入は現状が限界で,原油での対応は無理 であり脱硫した基材を混合して製造する方法となる. �留出油(DMA・DMZ・DMB)の品質は, ・原油によっては硫黄分や流動点を下げる必要があり 灯油留分を混合する為に動粘度が更に低くなる. ・動粘度3 mm2/s 以上は重質軽油留分を混合する必 要があり,現状とは異なった製造方法となる. ・性状ではパラフィン分が多いので燃焼性(セタン指 数)は良好である. ②残さ油(RME,RMG)の品質は, ・残さ油も硫黄分や流動点を下げる必要があり,留出 油留分を混合する為に動粘度が更に低くなる.原油に よってはIBF380 の製造が困難であり,地域によって は供給できない場合が発生する. ・原油からの残さ油は,残留炭素分が少なくCCAI 等 の燃焼性は良好である. 2.2 脱硫装置による製造 2.2.1 脱硫装置 水素化脱硫装置(Hydro desulfurizing plant:HDS)は,水素添加脱硫あるいは 水素化精製(ユニファイナ)などと呼ばれる.水素化精 製は,ナフサ,潤滑油,ワックスの精製など硫黄分の 除去だけでなく,酸素化合物などもふくめた「不純物」 を除去する目的の場合に呼ばれる.減圧軽油を脱硫す る場合は,減圧軽油脱硫装置(重油間接脱硫装置)と呼 ばれる.常圧残油や減圧残油の脱硫装置は直接脱硫, 残油脱硫,RDS(Residue Hydrodesulfurizing plant) などとも呼ばれる.いずれも触媒を用いて高温高圧の 条件で水素と反応させて,硫黄および窒素などの不純 物を硫化水素,アンモニアとして除去する.原料が重 質になるほど反応が難しくなるので,減圧軽油,残油 の脱硫装置は軽油・灯油の脱硫より厳しい条件(高圧 力・高温度)で反応させる. 図2 脱硫装置のフロー 表2 脱硫装置の運転条件 ナフサ 灯油 軽油 減圧軽油 残さ油 反応温度 ℃310~330 310~330 330~360 390~430 370~410 圧力 Mpa 2.0~2.3 4.0~4.5 6.0~7.5 9.0~10.0 18~20.0 原料硫黄分 質量% 0.05 0.15 1.2 2.0 4.0 製品硫黄分 質量% 0.004 0.005 0.005 0.12 0.3~1.0 2.2.2 留出油の脱硫による製造 ISO 8217 Table-1(留出油)の DMA は残さ油を含まない燃料であ り,日本の場合は自動車軽油に相当する.しかし, DMA は引火点が 60℃以上(JIS 軽油は 45℃以上もし くは50℃以上)であり,製油所と油槽所(出荷基地)にお いて品質が異なる為に貯蔵タンクを新たに設ける必要 がある.DMB は残さ油を痕跡含むとなっており,日 本の場合はA 重油に相当する.A 重油は,軽油引取税 の対象外にするためC 重油を数%混合している.A 重 油の硫黄分は1.0 質量%以下と 0.1 質量%以下が製造・ 販売されており流通上の問題はない. 脱硫装置による留出油の製造は,自動車軽油の場合は 硫黄分が10 質量 ppm 以下となるが,国内で製造して 原料 �素 精 留 等 �ス���� ナフサ 灯油�軽油 �硫�ト� R-S+H2→R+H2S ①
いるA 重油(残さ油が痕跡含む)であれば一般海域およ び指定海域とも対応が可能である. 表3 ISO 8217 の留出油グレード ISO分類 DMX DMA DMZ DMB 外観(目視) 清澄 清澄 清澄 - 残さ油含有の有無 含まない 含まない 含まない 痕跡含む 10%残留炭素分 質量% 0.30以下 0.30以下 0.30以下 - 残留炭素分 質量% - - - 0.30以下 動粘度(40℃) mm2/s 1.40~5.00 2.00~6.00 3.00~6.00 2.0~11 曇り点 ℃ -16 - - - JIS銘柄 軽油 軽油 軽油 A重油 DMB は DMA に C 重油を 1~2%程度混合するが, 性状はほぼ同等である.留出油の製造は,図3 に示す 各装置の半製品を調合して製造する.調合基材の代表 的な性状を表4 に示すように,調合する基材の性状が 異なる為、要望される規格(品質)になるように調合量 をコントロールして製造する. 図3 留出油の製造フロー 表4 留出油の調合基材の性状 灯油 直留軽油 脱硫軽油 分解軽油 コーカー軽油 密度(15℃) g/cm3 0.792 0.853 0.851 0.890 0.850 動粘度(50℃) mm2/s 1.0 3.6 2.9 2.6 ー 硫黄分 質量% 0.0005 1.29 0.0007 0.20 0.1 窒素分 質量ppm 0 50~500 70 100~600 ー 流動点 ℃ ー -7.5 -10.0 -15.0 ー セタン指数(旧式) 50 56 50 20~30 44 表5の硫黄分別の調合割合に示すとおり,硫黄分1.0 質量%以下の調合割合は,常圧蒸留装置の未脱硫軽油 と接触分解軽油(LCO)が主体であり,冬季に低温特性 を改善する為に灯油を混合している.硫黄分 0.1 質 量%以下の調合割合は脱硫した基材主体で,将来留出 油の需要が増加した場合は,重油を分解したコーカー 軽油を脱硫した基材も必要となる. 表5 硫黄分別の調合割合 灯油 直留軽油 脱硫軽油 分解軽油 コーカー軽油 硫黄分1.0%の調合割合 10% 45% - 35% - 硫黄分0.1%の調合割合 10% - 75% 15% (脱硫軽油) 表6,7 に JX 日鉱日石エネルギー(株)の自動車用軽 油とLSA(ローサル A)重油の販売実績を示す.軽油の 場合は,動粘度(40℃)と引火点が ISO 規格を現状では 満足できない場合がある.また,硫黄分0.1 質量%以 下の LSA 重油は動粘度(40℃)に満足できない場合が あり,製造基材を変更する必要がある. 表6 軽油(関東以西)の JX 出荷実績 単位 最小値 最大値 最小値 最大値 密度 g/cm3 0.8121 0.8469 0.8052 0.8440 動粘度(30℃) mm2/s 2.704 4.658 2.181 4.552 動粘度(40℃) mm2/s 2.30 3.60 1.80 3.60 硫黄分 mass ppm 3 9 4 9 セタン指数(新) 51.9 66.3 51.5 62.2 引火点 ℃ 54.0 84.0 48.0 85.5 夏季(6,7,8月) 冬季(12,1,2月) 表7 LSA 重油(関東以西)の JX 出荷実績 単位 最小値 最大値 最小値 最大値 密度 g/cm3 0.8201 0.8828 0.8326 0.8825 動粘度(40℃) mm2/s 2.10 6.50 2.40 4.60 動粘度(50℃) mm2/s 1.830 5.159 2.000 3.771 硫黄分 mass% 0.02 0.09 0.02 0.09 セタン指数(新) 40.5 59.3 40.6 56.5 セタン指数(旧) 43.0 66.0 44.0 61.0 引火点 ℃ 62.0 97.0 62.5 92.0 夏季(6,7,8月) 冬季(12,1,2月) 2.3 残さ油の脱硫による製造 2.3.1 残さ油の脱硫による製造方法 C 重油 の主要な基材は,常圧蒸留装置の残油,減圧蒸留装置 の残油および脱硫装置やFCC 装置などの二次装置の 残油など多様である.現在は,中東系の高硫黄の減圧 蒸留残油と残油の脱硫油を軽油留分や分解軽油で動粘 度や硫黄分を調整する調合が主体になっている.硫黄 分0.5 質量%以下の場合は,脱硫ボトムが主体となる が,0.5 質量%以下の脱硫は,脱硫装置の運転状況に よるが,全て0.5 質量%以下にすることは困難である. ボトムの需要を満足する為には現状では設備増強が必 要であり,安定供給に課題がある.また,硫黄分に余 裕がある場合は,FCC CLO 等の低硫黄基材を混合す る.しかし、FCC CLO の性状は動粘度が低く,CCAI が高く燃焼性が劣るので混合量の管理が必要となる. 灯油分 接触分解装置 接触分解軽油 常 圧 蒸 留 装 置 減 圧 蒸 留 装 置 調 合 装 置 留 � � 重油脱硫装置 重油脱硫軽油 水素化脱硫装置 軽油分 水素化脱硫装置 ����� コーカー 脱硫装置 コーカー軽油 未脱硫品 残さ油
表8 残さ油の性状 指定海域で使用する残さ油の低硫黄(01 質量%)燃料 油の製造は困難であり留出油での製造となる.一般海 域の0.5 質量%以下の場合,残さ油主体での製造は可 能であるが,表9 のように脱硫ボトムの硫黄分が 0.5 質量%以下の場合は,単体での製造となるが硫黄分が 0.7 質量%の場合は,硫黄分の少ない FCC LCO 等の 混合で硫黄分を下げることになり,混合性状は動粘度 が100mm2/s 以下となり,動粘度がかなり低くなる場 合がある.また,FCC CLO は混合する基材によって は,動粘度が低く,CCAI が大きく燃焼性が劣る場合 がある.したがって,港によっては残さ油と留出油で の供給が混在することも考えられる. 表9 各基材の混合性状 2.3.2 脱硫による製造の課題 国内・海外と も脱硫装置の増設が必要であり,製造コストアップと なる. ①留出油(DMA・DMZ・DMB)の場合 ・DMA および DMZ は残さ油を含まない燃料で,国 内では製造されていないため,自動車用軽油(引火点 60℃以上の特殊な製造方法)となり,新たに流通設備 (製油所・油槽所)を整える必要がある. ・DMB は国内の A 重油(硫黄分 0.1 質量%以下&1.0 質量%以下)に相当し、動粘度 3 mm2/s 以上は重質軽 油留分を混合する必要がある. ②残さ油(RME,RMG)の場合 ・残さ油の脱硫は0.5 質量%以下にすることが困難で あり,低硫黄残さ油や留出油で硫黄分を下げる製造方 法となる。 ・FCC CLO の調合:燃焼性(CCAI が 870 付近の製造) が悪化し,脱硫品のセジメントが悪化傾向となる(脱硫 すると安定性が悪くなる). ・IBF380 の製造が困難(動粘度が 10~200mm2/s 程 度での供給),残さ油のISO規格見直しも必要となる. 2.4 残さ油の分解による留出油の製造 2.4.1 分解による留出油の製造 舶用燃料油 が留出油に規制される場合は留出油の製造(供給)量が 不足するために重油(残さ油)を留出油に分解する必要 がある.常圧蒸留装置および減圧蒸留装置の留出油を 脱硫装置で硫黄分を除き,さらに水素化分解装置で重 質軽油を分解する方法がある.水素化分解装置は,高 温・高圧化で触媒を用いて水素により重質油を分解す るプロセスで,製品性状が良いという利点がある. 図 4 残さ油の分解による留出油の製造フロー また,常圧蒸留装置�減圧蒸留装置の残油を分解す る装置としては,ディレードコーカーや H-OIL プロ セスなどが建設されている.ディレードコーカーは残 油を加熱炉コイルで急熱して,バッチ方式のドラムで 液相熱分解反応させ,ナフサ・灯油・軽油等の留出油 を製造し,さらに脱硫して低硫黄する. 図5 ディレードコーカー装置の概要 硫黄分 質量% 0.5 0.7 動粘度(50℃) mm2/s 282 282 50% 50% 混合割合 55% 45% 50% 50% +脱硫ボトム +CLO +脱硫ボトム 単品性状 単品性状 混合性状 混合性状 混合性状 単品性状 硫黄分 質量% 0.5 0.7 0.48 0.47 0.50 0.7 動粘度(50℃) mm2/s 282 282 15.0 7.0 91.0 37.0 残留炭素分 質量% 7.0 7.0 4.0 1.3 4.6 2.3 アスファルテン分 質量% 1.5 1.5 0.8 0.3 1.0 0.5 CCAI 807 807 823 870 854 901 0.5 37 脱硫ボトム FCC LCO FCC CLO 0.2 2.5 ���ボトム �脱ボトム FCC�CLO ������) �度(15℃) �/�m3 0.994 0.94 1.009 動粘度(50℃) mm2/s 2�700 282 36.7 �動� ℃ +20 +10 +20 硫黄分 質量% 4.0�5.0 0.3�1.0 0.4�1.4 残留炭素分 質量% 17.0 7.0 2.3 �������分 質量% 6.2 1.5 0.5 ���分 質量% 41.5 36.2 70.0 CC�� 840 807 901 ��+�� 質量��m 1�5 1�3 1�1�000 ���ボトム �脱ボトム FCC�CLO ������) �度(15℃) �/�m3 0.994 0.94 1.009 動粘度(50℃) mm2/s 2�700 282 36.7 �動� ℃ +20 +10 +20 硫黄分 質量% 4.0�5.0 0.3�1.0 0.4�1.4 残留炭素分 質量% 17.0 7.0 2.3 �������分 質量% 6.2 1.5 0.5 ���分 質量% 41.5 36.2 70.0 CC�� 840 807 901 ��+�� 質量��m 1�5 1�3 1�1�000 ���ボトム �脱ボトム FCC�CLO ������) �度(15℃) �/�m3 0.994 0.94 1.009 動粘度(50℃) mm2/s 2�700 282 36.7 �動� ℃ +20 +10 +20 硫黄分 質量% 4.0�5.0 0.3�1.0 0.4�1.4 残留炭素分 質量% 17.0 7.0 2.3 �������分 質量% 6.2 1.5 0.5 ���分 質量% 41.5 36.2 70.0 CC�� 840 807 901 ��+�� 質量��m 1�5 1�3 1�1�000 � � � � � � � � � � � � � �� � � � � � � � � � ー � � ー カ ー � � � � � � � � � � � � � � � � � �� �� ���� ���(20%) ���� ����15%) �質��(40%) (�:0.2) ��etc ��:3.5、Vis:���) ��:4.5、Vis:500,000) ��� �� �� ������45%) �����(25%) �質��(40%) �質分(15%) ・
0 25 50 75 100 125 150 175 200 1900 1925 1950 1975 2000 2025 2050 2075 2100 百万BD 2.4.2 残さ油の分解による製造コスト2) 留 出油(軽油相当)の硫黄分を2015年までに0.1 質量%以 下に低減する場合に必要な設備は,図4 に示した減圧 蒸留装置の高硫黄分の残さ油をディレードコーカーに て分解し,脱硫装置で低硫黄留出油(軽油相当)にする. また,留出油を増産するために水素化分解装置にて重 質油を分解し低硫黄留出油(軽油相当)にする.残さ油 と同様に脱硫および水素化分解するためには,水素製 造装置と硫黄分を回収する硫黄回収装置が必要となる. ・ディレードコーカー:25,000BPSD×6 基,3,300 億円 ・ナフサ脱硫装置 :4,000 BPSD×6 基, 550 億円 ・コーカー軽油脱硫装置:6,000BPSD×6 基, 860 億円 ・水素化分解装置 :8,000BPSD×6 基, 1,900 億円 ・水素製造装置 :600,000NM3/日×6 基,620 億円 ・硫黄回収装置 :150 トン/日×6 基 240 億円 留出油かつ低硫黄化に必要な投資額は約7,500 億円, これを製品価格に載せる場合 1 トンあたり約 36,300 円のアップとなる. 3.非在来型燃料 3.1 非在来型石油の概要と需給 図6 は原油等 の生成を示したもので,炭素・炭酸ガスなどが金属と 作用し石油がつくられたとする無機説と海の植物や小 型海棲動物が堆積し,腐敗作用と長期間にわたる熱と 圧力で変化した結果,石油が生成したとする有機説が ある.図6 の 2 は,原油(石油)になる手前の有機物が 重合し,「ケロジェン(油母)」とよばれる高分子化合 物になり,オイルシェールとして生産されている.図 6 の 3 は,「ケロジェン」が熱分解し,石油系炭化水素 となり原油および天然ガスである.図6 の 4 は原油の 軽質分が揮発・分解しオイルサンドやオリノコタール として生産されている. 図6 非在来型石油資源の成因 図7 は米国エネルギー省の原油生産量の予測をしめ したもので,在来石油は2030 年ごろに生産のピーク を迎えるという説がある.エネルギー消費量は, 不足 する黄色い部分を補填する必要がある.世界的にはア ジアを中心に需要が増加することで需給がタイト化 する.不足する1 次エネルギーを多様なエネルギーで 埋め合わせることが必要である.図7 に示すように不 足する在来型石油の代替エネルギーとして,バイオマ ス燃料等の再生可能エネルギー,GTL および非在来型 石油のオイルサンド・オイルシェール・オリノコター ルへの期待が高まる. 図7 米国エネルギー省の原油生産量の予測 3.2 オイルシェール オイルシェールはアメリ カを始めとして世界各地に埋蔵されている.埋蔵量は 原油(石油)と同じ程度の 2 兆 8000 億~3 兆 3000 億バ レルが埋蔵されているといわれている. 表10 オイルシェールの資源量 オイルシェールは,ケロジェン(油母)を熱分解するこ とで,合成原油にする.すなわちオイルシェールを加 熱すると,油の蒸気や可燃性ガス(シェールガス)が発 生し,回収して液状にする.また,二次装置として水 有機物が重合し、「ケロジェン(油母)」 とよばれる高分子化合物になる。 「ケロジェン」が熱分解し、石油系炭化 水素となる。 ��量(’02年) ��量 578 4,876 33,281 合� - 124 712 ��� - 22 152 ��� 100 23 160 �� 275 25 163 �ス��� 46 45 317 �� - 3,806 25,872 �� 千㌧/年 億㌧ 億bbl - 104 730 ���� 157 117 820 ��ジ� - - - - 52 82 143 355 342 534 1,000 2,479 ���ン �ロ�� �ン� ロ�� ��量(’02年) ��量 578 4,876 33,281 合� - 124 712 ��� - 22 152 ��� 100 23 160 �� 275 25 163 �ス��� 46 45 317 �� - 3,806 25,872 �� 千㌧/年 億㌧ 億bbl - 104 730 ���� 157 117 820 ��ジ� - - - - 52 82 143 355 342 534 1,000 2,479 ���ン �ロ�� �ン� ロ��
2026年
2037年
2047年
究極石油埋蔵量前提 ケース(可能性) 究極埋蔵量 (兆BBl) �埋蔵量(95�) 2�2 �� (50�) ��0 高埋蔵量( 5�) ��9 石油���年������ ・新規油田開発 ・EOR (増進回収法) �����ス�� ②GTL �����ン� �����ェー� ������ー�素化精製する場合もある.オイルシェールの掘削と処 理は,土地利用,水利用,廃棄物処理,水質汚染,大 気汚染などの環境問題を引き起こす可能性がある.オ イルシェールの工業的利用は,エストニア・中国・ブ ラジルで盛んであり,ドイツ・イスラエル・ロシア・ オーストラリアでも実施されている。 図8 オイルシェールの生産工程(例) 3.3 オイルサンド オイルサンドは,地中深く の油層が地殻変動で地上付近に押し上げられた後,軽 い揮発油分が蒸発して,重質の油が残ってできたと言 われている.埋蔵量のほとんどがカナダのアルバータ ー州とベネズエラ東部のオリノコ地域の分布してい る.ビチュメンの埋蔵量は1 兆 7000 億バレルで,そ の約2 割にあたる 3,400 億バレルが,地下 75m 以内 の比較的浅いところにあり,「露天掘り」で採取され ている.残りの8 割は地下 100~200m 程度のところ にあり,これらは,地下に蒸気を注入するなどの「 地下採取(In-Situ)法」という方法で採取されている. 坑内回収(地下採取) 露天掘り 図9 オイルサンドの採鉱 オイルサンドの成分は,ビチュメンが10~12 質量%, 水が3~5 質量%,砂等の無機物が 75~80 質量%であ る.オイルサンドから得られるビチュメンは粘性の高 い重質油であり,炭化水素以外の成分を多く含有して いる.したがって,オイルサンドの合成原油を得るに は,熱分解折あるいは溶剤抽出および水素化処理が必 要である. 図10 オイルサンド 3.4 オリノコタール 3.4.1 オリノコタール ベネズエラのオリノ コ川北岸の広大な地域に帯状に賦存する超重質重油 で,カナダのオイルサンドとともに,非在来型石油資 源のなかでは,超重質油または天然ビチュメンと呼ば れている.埋蔵量は1.2 兆バレル,そのうち将来的に 開発可能なものが約 2,600 億バレルといわれており, ほほ同等といわれているカナダのオイルサンドとと もにサウジアラビアの原油埋蔵量にほほ匹敵する量 である.採掘方法は,オリノコ川北岸の熱帯サバンナ 地域,地下600~1,000m の深度に鉱床が発達してい る為,本来の粘性は原油より高いが,油層においては 流動化している.そのため現在稼動している採掘は, ポンピングによる汲み上げ方式である.オリノコター ルは,通常の原油と比較して密度が大きく(1.02g/cm3), 硫黄分(3.8 質量%),重金属分(V:500 質量 ppm)を多く 含むため製油所では精製できない.そのため改質工程 で軽質化,脱硫,脱金属化し,合成原油にする. 3.4.2 オリマルジョン 図11 に示すとおり, オリノコタール(70%)に水(30%)と界面活性剤を加え, ミキサーで混合し乳化させ C 重油に近い流動性を持 ったオリマルジョンが生産されており,電力用燃料等 として国内でも輸入し使用されている. 乾留 燃焼 採鉱 破砕 乾燥 乾燥 熱源 オイル シェール 2次処理(水素化精製) ATP(乾留炉) ( 前処理 ) ナフサ/灯油 水素化精製装置 軽油+重油 ナフサ+灯油 ナフサ/灯油 水素化精製装置 軽油 水素化精製装置 重油 水素化精製装置 合成原油 (�������2) (������) シェール油 温水 砂 オイルサンド ビチュメン (表土 ~75m) (表土75m~)
図11 オリマルジョンの製造 オリマルジョンの乳化粒子は,通常の油中水滴形の水 エマルジョンと逆に水中油滴形で,平均粒子径が4μm と20μm の双山に分布し,図 12 の模式図に示すよう に小さい粒子がベアリングの役割を果たすことによ って,比較的低い粘度を保つと言われている. 図12 オリマルジョンの粒径分布 オリマルジョンの物性値は,流動点が約3℃,引火点 が90℃以上である.また,輸送時および保管時の好適 な温度は約32℃とされている. 3.5 非在来型石油の性状 非在来型燃料から製 造した合成原油を中東系原油と比較した製品得率と 性状を表11 に示した.オイルシェール,オイルサンド およびオリノコタールの合成原油は,二次処理してい るため中東系原油より硫黄分が少ないのが特徴であ る.製品得率では,オイルシェール合成原油のガソリン, 灯油および軽油などの軽質留分が多い。灯油留分の煙 点や軽油留分のセタン指数が低く,芳香族分が多いた めに石油ストーブ機器やディーゼル機関の燃焼性が 劣るので,更なる改質等が必要である. 表11 非在来型石油の性状 4.まとめ 船舶燃料油の硫黄分規制は大気環境面以外にも,低 硫黄舶用燃料の安定供給可能性または日本国内の重 油需給全体に一方ならぬ影響を及ぼす懸念があるこ とから,わが国としてはこれらの影響度合を把握・検 討した上で慎重に対応する必要があると考える. 参考文献 1)林,日マリ学誌,44-6(2009),p8-p1131 2)MEPC 57 のプレゼンテーション資料
「The Refining Impacts of IMO Marine Fuel Regulation in Japan」Based On the Report by NIPPON OIL RESEARCH INSTITUTE CO LTD(NORI) 12.9 43.7 43.4 18.1 42.2 36.7 30.0 55.0 15.0 19.1 30.4 49.7 25.0 27.0 48.0 製品得率、vol% ナフサ 灯軽油 常圧残油 19 13 - 23 25 灯油留分 煙 点、mm JIS(寒冷)21以上 52 2,600 1.9 0.874 イラニアン ヘビー原 油 38 9,000 0.43 0.818 �イ���ー� ��原油 (SPP) 39 34 56 軽油留分 セタン指数 JIS(2号)45以上 311 623 990 窒素分、massppm 0.11 0.870 �イ�サン� ��原油 (Syncrude) 0.864 0.856 密度(15℃)g/cm3 0.10 1.2 硫黄分、mass% ����ター� ��原油 (Sincor) アラビアン ライト原油 12.9 43.7 43.4 18.1 42.2 36.7 30.0 55.0 15.0 19.1 30.4 49.7 25.0 27.0 48.0 製品得率、vol% ナフサ 灯軽油 常圧残油 19 13 - 23 25 灯油留分 煙 点、mm JIS(寒冷)21以上 52 2,600 1.9 0.874 イラニアン ヘビー原 油 38 9,000 0.43 0.818 �イ���ー� ��原油 (SPP) 39 34 56 軽油留分 セタン指数 JIS(2号)45以上 311 623 990 窒素分、massppm 0.11 0.870 �イ�サン� ��原油 (Syncrude) 0.864 0.856 密度(15℃)g/cm3 0.10 1.2 硫黄分、mass% ����ター� ��原油 (Sincor) アラビアン ライト原油